JP2004174859A - インクパッケージの包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクの脱気度の劣化を抑制しつつ、紙製の耐圧構造体によって、インクパッケージが変形等するのを防止することができるインクパッケージの包装体を提供すること。
【解決手段】耐圧構造体20を構成する段ボールシートは、その幅広面がインクパッケージ2の幅広面に対して直交するように構成されているので、耐圧構造体20を構成する段ボールシートの幅広面が、インクパッケージ2の幅広面と平行する場合に比べ、包袋4を介して作用する大気圧に対抗することできる。よって、包袋4の内部を従来通りの減圧状態にした場合でも、インクパッケージ2が変形等するのを防止できる。また、包袋4の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋4の内部の空気は一層減少する。よって、包袋4の内部に残留する空気が、インクパッケージ2を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】耐圧構造体20を構成する段ボールシートは、その幅広面がインクパッケージ2の幅広面に対して直交するように構成されているので、耐圧構造体20を構成する段ボールシートの幅広面が、インクパッケージ2の幅広面と平行する場合に比べ、包袋4を介して作用する大気圧に対抗することできる。よって、包袋4の内部を従来通りの減圧状態にした場合でも、インクパッケージ2が変形等するのを防止できる。また、包袋4の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋4の内部の空気は一層減少する。よって、包袋4の内部に残留する空気が、インクパッケージ2を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクパッケージの包装体に関し、特に、インクの脱気度の劣化を抑制できると共に、インクパッケージの変形や破損を防止することができるインクパッケージの包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11‐129489号公報に開示されているように、インクジェット記録装置に用いられるインクを密閉して構成されるインク袋が知られている。このインク袋の開口周縁には筒状部材が固着されており、その筒状部材内には、インク袋体の外部と内部との連通を遮断する弾性シール材が嵌挿されている。このインク袋は、筒状部材をカートリッジケースの側面から露出するように固定しつつ、カートリッジケースの内部に収納された状態でインクジェット記録装置に装着される。カートリッジケースが装着されると、インクジェット記録装置側のインク供給針によって、筒状部材に嵌挿されている弾性シール材が突き破られる。こうしてインク袋に密封されたインクは、インク供給針に連設するチューブを介して、インクを被記録媒体に吐出する記録ヘッドに供給される。
【0003】
ここで、このインクジェット記録装置に用いられるインクは、原材料を溶解する工程と濾過工程とによって製造されるが、製造したインクをそのままインク袋に充填して使用すると、インク中に溶存している窒素、酸素、炭酸ガス等の各種のガスが記録ヘッド内に浸入して気泡を発生させ、記録ヘッドからインク滴を吐出できなくり、印字不良を引き起こす。そのため、インク袋にインクを充填する前にインク中の溶存ガスを減らす脱気処理を行っている。この脱気処理の方法としては、インクを圧力容器中で減圧しながら攪拌する方法や、気体分離膜を用いた脱気装置により脱気する方法などが採用されている。
【0004】
しかし、脱気処理をした脱気インクをインク袋内に密封し、そのインク袋を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合には、その間に空気中の酸素等が再びインク中に溶解することになる。そこで、特公平3−61592号公報には、空気中の酸素等が再びインク中に溶解するのを防止するために、脱気インクを充填した袋体をインク容器内に収納し、更に、そのインク容器を真空チャンバー内にて、プラスチックまたはゴム容器あるいは缶状の金属容器等の密閉容器に収納して密閉することにより、インク容器を大気圧より低い減圧状態下で輸送、保存等する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11‐129489号公報(図1等)
【特許文献2】
特公平3−61592号公報(第4列第4行目〜7行目等、図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、インクジェット記録装置に用いられるインクは、印字不良を防止するために、インクの脱気度を維持しておく必要がある。一方、特公平3−61592号公報に記載された技術によっても、インクの脱気度を維持することができるものの、例えば、キャリッジ上に複数個搭載される小型のインク容器の場合には、プラスチックで成形したとしても筐体を構成する各面が比較的小さいために、該インク容器を密閉容器に収納して減圧状態にしたとき、その減圧によって筐体がわずか潰れるが、実用上支障がでるほどではない。しかし、インク容器の容量を大きくしたり、筐体を扁平形状にしたりすると、筐体を構成する面が大きくなって、減圧によって変形してしまい、記録装置本体への装着ができなくなったり、インク容器からインクが漏れるという問題点があった。
【0007】
本発明は、この問題を解消すべくなされたものであって、特に、インクの脱気度の劣化を抑制することができると共に、インクパッケージの変形や破損を防止することができるインクパッケージの包装体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のインクパッケージの包装体は、内部にインクを密封する扁平なインクパッケージと、そのインクパッケージを内包する包袋とを備え、前記インクパッケージを内包した状態で前記包袋の内部を減圧して構成されるインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、その収納空間に前記インクパッケージを収納した状態で前記包袋の内部に内包され、その包袋の内部を減圧した場合に、その包袋によって前記インクパッケージが押し潰されるのを防止する紙製の耐圧構造体を備え、その耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が前記扁平なインクパッケージの幅広面と直交するように形成されている。
【0009】
この請求項1記載のインクパッケージの包装体によれば、内部にインクを密封する扁平なインクパッケージは、紙製の耐圧構造体に備えられた収納空間に収納される。その紙製の耐圧構造体は包袋の内部に内包され、その状態で包袋の内部が減圧される。包袋の内部が減圧されると、包袋を介して作用する大気圧によって、包袋に内包されている紙製の耐圧構造体が押圧される。ここで、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面は、扁平なインクパッケージの幅広面と直交するように形成されているので、例えば、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が、扁平なインクパッケージの幅広面と平行するように形成されている場合に比べて、包袋を介して作用する大気圧に対抗することできる。
【0010】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1に記載のインクパッケージの包装体において、前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、複数枚の紙製シート体の幅広面同士を固着し積層し、箱状に構成されている。
【0011】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1に記載のインクパッケージの包装体において、前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、短冊状に形成された複数枚の紙製シート体を井桁状に組み合わせて構成されている。
【0012】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されている。
【0013】
この請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されているので、収納空間に収納されるインクパッケージは、その全周を耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれる。
【0014】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記紙製シート体は、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとを有する段ボールシートで構成されている。
【0015】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージは、インクを密閉する柔軟性のある扁平な袋体と、その袋体の幅広面の両側から2つの部材を重合させて内部に前記袋体を収納するケース体とから構成されている。
【0016】
この請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、インクは、柔軟性のある扁平な袋体の内部に密閉され、その袋体は袋体の幅広面の両側から2つの部材を重合させて構成されるケース体の内部に収納されている。この袋体を収納したケース体が耐圧構造体の収納空間に収納される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の実施例であるインクパッケージの包装体1を示す斜視図であり、(b)は、耐圧構造体20に収納されたインクパッケージ2を示す斜視図である。図2(a)は、インクパッケージの袋体5の正面図であり、(b)は、(a)のII−II断面線におけるインクパッケージの袋体5の断面図である。図3は、インクパッケージ2の分解斜視図である。耐圧構造体20の分解斜視図である。図5は、図1のV−V断面線におけるインクパッケージの包装体1の断面図である。
【0018】
インクパッケージの包装体1は、上述したように脱気処理した脱気インクを密封するインクパッケージ2と、そのインクパッケージ2を収納する収納空間25を有する耐圧構造体20と、その耐圧構造体20に収納されたインクパッケージ2を内包する包袋4とによって構成され、包袋4の内部は大気圧より減圧された状態にされている。
【0019】
インクパッケージ2は、インクを収納する袋体5と収納ケースとからなり、袋体5は、図2に示すように、複数枚のフィルムシートを積層して構成される積層構造を有する2枚のシート材料を、一部に開口部を残すように周縁部同士を溶着して袋状に形成され、その内部に脱気インクを充填する。その袋体5の開口部5aには、袋体5の内部と外部とを連通させる連通路6を有するスパウト7が、その外周面を開口部5aの内面に溶着して固着され、また、スパウト7の連通路6には、袋体5の内部と外部とを遮断するキャップ8が圧入されている。
【0020】
袋体5を構成するシート材料は、例えば、アルミニウム合金層を中心に、一側に接着層及びナイロン層(外面層)を、他側に接着層,ポリエチレンテレフタラート層、接着層及びポリプロピレン層(内面層)を順に積層して構成されている。このような積層構造を有するシート材料を用いることによって耐久性に優れ、特に、内面層にポリプロピレン層を配置することによって、袋体5の内部に充填されるインクに対する耐インク性に優れ、また、中間層としてアルミニウム合金層を配置することによって、新たなガスが袋体5を透過するのを遮断して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。
【0021】
袋体5の開口部5aに溶着されるスパウト7は筒状に形成され、耐インク性に優れるポリプロピレンを主成分とする材料によって構成されている。即ち、袋体5の内面層を構成するポリプロピレン層と、その主成分を同一とするため、スパウト7の外周面に形成した複数のリブ7aを袋体5の内面に強固に溶着することができる。よって、新たなガスが袋体5とスパウト7との溶着部から侵入するのを抑制して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。スパウト7を貫通する連通路6の両端からそれぞれ所定距離をおいた中間部には、連通路6の両端部の連通路18、19よりも内径を大きく形成され、キャップ8を収納する収納部21が形成されている。
【0022】
キャップ8は、例えばブチルゴムまたはそれに近い材料で構成され、後述するインク抽出針17の抜き刺しによってもインクを密閉する弾性復元力を有している。このキャップ8は、連通路6に形成された収納部21に圧入される。よって、このキャップ8にインク抽出針17を突き刺した場合であっても、連通路6の一端である連通路18によってキャップ8が、袋体5の内側に移動するのを防止できる。逆に、キャップ8からインク抽出針17を引き抜く場合には、連通路6の一端である連通路19によってキャップ8が、袋体5の外側に移動するのを防止できる。
【0023】
袋体5を収納する収納ケース12は、図3に示すように、箱状に形成された一対のケース体を、袋体5の幅広面の両側から重ね合わせ、その内部に袋体5を収納できるように構成されている。一対のケース体は互いに略同様に構成されており、袋体5の幅広面を支持する底壁9と、その底壁9の縁部から立設された側壁10と、その側壁10の縁部によって形成される開口部11とによって構成されている。
【0024】
底壁9は、袋体5の幅広面と略同様な大きさに構成されている。側壁10の一部には、袋体5の開口部5aに溶着されたスパウト7を固定するための切り欠き部10aが備えられている。スパウト7は、この切り欠き部10aに嵌り込み、スパウト7の連通路6に圧入されたキャップ8は、収納ケース12の側壁10から露出している状態になる。袋体5を収納した収納ケース12は、耐圧構造体20の収納空間25に収納される。
【0025】
この耐圧構造体20は、図4に示すように、収納ケース12の一方の幅広面側(図4における下面)において井桁状に組み合わせられた第1耐圧構造体20aと、収納ケース12の他方の幅広面側(図4における上面)において井桁状に組み合わせられた第2耐圧構造体20b(第2耐圧構造体20bは分解した状態を図示している)とを重ね合わせ、その内部に収納ケース12を収納する収納空間25が形成されるように構成されている。
【0026】
第1耐圧構造体20aは、収納ケース12に対して縦方向に略等間隔で並べられ、コの字状に形成された3つの縦桁部材21と、収納ケース12に対して横方向に略等間隔で並べられ、コの字状に形成された4つの横桁部材22とを井桁状に組み合わせて構成されている。第2耐圧構造体20bも第1耐圧構造体20bと同様に構成されており、3つの縦桁部材23と4つの横桁部材24とを井桁状に組み合わせて構成されている。収納ケース12を収納する収納空間25は、各桁部材の各コの字状の内側に凹状に形成され、収納空間25は、収納ケース12よりひとまわり大きくなるように構成されている。
【0027】
縦桁部材21,23と、横桁部材22,24とを構成する各桁部材は、2枚の段ボールシート21a,21bの幅広面同士を接着して、その段ボールシート21a,21bの幅広面が、収納ケース12の幅広面(収納ケース12に収納されている袋体5の幅広面)に対して直交するように構成されている。この各桁部材を構成する段ボールシート21a,21bは、一般に市販されているものであり、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとによって構成されている。
【0028】
また、第2耐圧構造体20bを構成する各桁部材には、井桁状に組み合わせるための嵌合溝26,28が備えられている。嵌合溝26は、各縦桁部材23の収納ケース12とは反対側の面に、横桁部材24の数に対応して4箇所設けられている。嵌合溝28は、各横桁部材24の収納ケース12側の面に、縦桁部材23の数に対応して3箇所設けられている。この縦桁部材23に設けられた嵌合溝26と、横桁部材24に設けられた嵌合溝28とを嵌め込むことによって、第2耐圧構造体20bは井桁状に形成される。尚、第1耐圧構造体20aについても、この嵌合溝26,28に相当する嵌合溝が設けられている。
【0029】
このように、本実施例においては、3つの縦桁部材21,23と、4つの横桁部材22,24とによって井桁状に構成される耐圧構造体20について説明したが、耐圧構造体20を構成する縦桁部材21,23と、横桁部材22,24との数は、その数に限定されるものではない。また、一つの桁部材を1枚、3枚、若しくはそれ以上の段ボールシートの幅広面同士を固着し積層して構成しても良い。
【0030】
インクパッケージ2を収納空間25に収納した耐圧構造体20は、柔軟性を有する包袋4の内部に内包される。この包袋4は、袋体5と同様の空気を透過しない積層構造のシート材料を2枚重ね、その周縁部どうしを熱溶着することによって構成されている。よって、新たな空気が包袋4を透過して包袋4の内部に侵入し、更に、袋体5を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度を劣化させるのを抑制することができる。
【0031】
インクパッケージ2を収納した耐圧構造体20を内包した状態で、包袋4の内部は大気圧より低い減圧状態下にされる。包袋4の内部を減圧するにつれて、図5に示すように、包袋4を介して大気圧が耐圧構造体20(耐圧構造体20を構成する縦桁部材21,23や横桁部材22,24)を押圧するが、インクパッケージ2は、インクパッケージ2よりひとまわり大きく構成された耐圧構造体20の収納空間25に収納されているため、大気圧は、耐圧構造体20によって吸収され、インクパッケージ2が大気圧に押圧されるのが阻止される。
【0032】
また、耐圧構造体20を構成する段ボールシート21a,21b等は、その段ボールシート21a,21bの幅広面が、収納ケース12の幅広面に対して直交するように構成されているので、例えば、耐圧構造体20を単なる紙製の箱体(箱体を構成する紙製シート体の幅広面が、収納ケース12の幅広面と平行するように形成されているもの)で構成する場合に比べて、大気圧に対抗することできる。よって、包袋4の内部を従来通りの減圧状態にした場合であっても、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止することができる。
【0033】
また、包袋4の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋4の内部の空気は一層減少する。よって、包袋4の内部に残留する空気が、袋体5を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができる。
【0034】
上述のように構成されたインクパッケージの包装体1をインクジェット記録装置に装着する場合には、包袋4を開封して耐圧構造体20からインクパッケージ2を取り出し、図6に示すように、収納ケース12をインクジェット記録装置に設けたガイド面(図示せず)に沿わせて挿入し、キャップ8にインク抽出針17を突き刺し、チューブ等の供給路16を経てインクジェットヘッドにインクを供給する。
【0035】
一方、耐圧構造体20は、包袋4を開封した時点で、その役割を終了し、処分される。ここで、耐圧構造体20は、紙製である段ボールシートによって構成されているので、可燃ゴミとして処分することができる。よって、インクパッケージ2を減圧状態下におくために、インクパッケージ2をプラスチック製や金属製の容器に内包していた場合のように、その容器の処分方法によっては、環境に悪影響を及ぼす可能性があるという問題点は生じず、環境にとっても好適である。
【0036】
以上説明したように、インクパッケージの包装体1によって、インクパッケージ2を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合にも、インクの脱気度の劣化を抑制することができ、インク中に発生する気泡によって印字不良を引き起こすことを抑制でき、好適な印字状態を維持することができる。また、インクの脱気度の劣化を防止すべく包袋4の内部を大気圧より減圧する場合であっても、包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体20によって吸収されるため、大気圧によって、インクパッケージ2が変形、破損等するのを防止することができる。
【0037】
次に、上述した耐圧構造体20の第2実施例について、図7を参照して説明する。図7は、図4と対応する図であって、インクパッケージ2と第2実施例としての耐圧構造体30とを示す斜視図である。この耐圧構造体30は、上述した第1実施例における耐圧構造体20と同様に、包袋4を介して作用する大気圧によってインクパッケージ2が変形、破損等するのを防止するためのものである。
【0038】
耐圧構造体30は、収納ケース12の一方の幅広面側(図7における下面)の第1耐圧構造体31と、収納ケース12の他方の幅広面側(図7における上面)の第2耐圧構造体32とを重ね合わせ、その内部に収納ケース12を収納する収納空間33が形成されるように略箱状に構成されている。
【0039】
第1耐圧構造体31と、第2耐圧構造体32とは、略同様に構成され、それぞれコの字状に形成された複数の段ボールシート31b,32bとの幅広面同士を固着し積層して構成されている。その段ボールシートの幅広面は、収納ケース12の幅広面に対して直交するように配置されている。また、収納ケース12を収納する収納空間33は、積層された段ボールシートに凹状に形成されている。収納空間33の周囲の幅は、包袋4の内部の減圧状態と、インクパッケージの包装体1としての大きさとの観点から調節可能である。
【0040】
このように構成された耐圧構造体30によれば、上述した第1実施例の耐圧構造体20と同様に作用する上、インクパッケージ2の全体が、耐圧構造体30の収納空間33に封入されるので、インクパッケージ2と包袋4との間には、耐圧構造体30が介在し、包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体30によって吸収され、インクパッケージ2が変形、破損等するのを防止することができる。
【0041】
また、上述した第1実施例における耐圧構造体20では、第1耐圧構造体20aと第2耐圧構造体20bとの接合部は、収納空間25の周りに14カ所に点在してしているのに対し、第2実施例における耐圧構造体30の第1耐圧構造体31と第2耐圧構造体32との接合部は、収納空間33の全周に連なっているので、第1実施例における耐圧構造体20に比べ、第2実施例における耐圧構造体30は、一層、大気圧に対抗することができる。
【0042】
次に、上述した耐圧構造体20,30の第3実施例について、図8,図9を参照して説明する。図8は、図4と対応する図であって、インクパッケージ2と第3実施例の耐圧構造体40を示す斜視図である。図9は、図8の縦断面図である。第3実施例の耐圧構造体40は、上述した第1,第2実施例の耐圧構造体20,30と同様に、包袋4の内部を、大気圧より低い減圧状態にした場合に、収納ケース12の外面に包袋4を介して作用する大気圧を吸収し、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止するためのものである。この耐圧構造体40は、収納ケース12の内部であって、袋体5の外面と収納ケース12の内面との間に配置されている。
【0043】
この耐圧構造体40は、袋体5の一方の幅広面側を包み込む凹部を有する第1井桁部材40a(図8における下方)と、他方の幅広面側を包み込む凹部を有する第2井桁部材40b(図8における上方)とによって構成されている。尚、第1井桁部材40aと第2井桁部材40bとは同様に構成されているため、第2井桁部材40bについての詳細な説明は省略する。
【0044】
第1井桁部材40aは、袋体5の一方の幅広面側を包み込むための空間を形成する支持体41と、その支持体41の収納ケース12の内面に対峙する面に固着された井桁体42とによって構成されている。
【0045】
支持板41は、薄板形状をなし、インクを充填した状態の袋体5の一方の広幅面に対応した凹面形状に湾曲された凹部41cを有し、その両側に平坦な周辺部41a、およびスパウト7側の端部に立ち上がる壁部41bを備えている。凹部41cは、後述するように2つの井桁部材を対向させたとき、図9に示すようにスパウト7が位置する側へ拡大する空間を形成するように、スパウト7が位置する側が深く、他端に向けて漸次浅くなるように湾曲形成されている。支持板41は、袋体5とほぼ同じかそれよりもやや大きい平面形に形成されている。支持板41は、樹脂または紙をプレス加工して製作することができる。
【0046】
井桁体42は、袋体5と反対側の支持板4の面から直角に立ち上がった板状の複数枚の板状部材を縦方向と横方向とに井桁状に組み合わせて構成されている。袋体5と反対側の井桁体42の面は、収納ケース12(底壁9)の内面と略平行になるように形成されている。この井桁体42は、上述した耐圧構造体20等と同様に紙製の材料(段ボール)で構成されている。
【0047】
上述のように構成された第1井桁部材40aと第2井桁部材40bとは、袋体5を挟むように重合される。支持板41は、袋体5の周縁部の大きさと同様に構成されているので、袋体5の周縁部は、両部材40a,40bの周縁部41aに挟まれた状態となる。また、スパウト7の連通孔6を有する筒状部分は、両部材40a,40bの壁部41bによって囲まれている状態になる。一方、袋体5の外面と収納ケース12の内面との間には、第1井桁部材40aと第2井桁部材40bの井桁体42が介在する。
【0048】
このように、耐圧構造体40を収納ケース12とインクを密封する袋体5との間に介在するようにを配置することによっても、上述した第1,第2実施例の耐圧構造体20,30と同様に、包袋4の内部を大気圧より低い減圧状態にした場合に、収納ケース12の外面に包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体40によって吸収される。よって、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止することができる。
【0049】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0050】
例えば、上記実施例では、インクパッケージ2を、インクを収納する袋体5とそれを内包する収納ケース12とで構成したが、収納ケース12内に直接インクを収納するようにしても良い。また、収納ケース12を排除して袋体5を包袋4に直接収納するようにすることをできる。この場合には、耐圧構造体20,30の収納空間25,33に袋体5が直接収納される。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクパッケージの包装体によれば、耐圧構造体を構成する紙製シート体は、その紙製シートの幅広面が、インクパッケージの幅広面に対して直交するように構成されているので、例えば、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が、扁平なインクパッケージの幅広面と平行するように形成されている場合に比べて、包袋を介して作用する大気圧に対抗することできる。よって、包袋の内部を従来通りの減圧状態にした場合であっても、インクパッケージが変形、破損するのを防止することができるという効果がある。
【0052】
また、包袋の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋の内部の空気は一層減少する。よって、包袋の内部に残留する空気が、インクパッケージを透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができるという効果がある。
【0053】
更に、耐圧構造体は紙製なので、その役割を終えた場合には、可燃ゴミとして処分することができる。従って、インクパッケージを減圧状態下におくために、インクパッケージをプラスチック製や金属製の容器に内包していた場合のように、その容器の処分方法によっては、環境に悪影響を及ぼす可能性があるという問題点は生じず、環境にとっても好適であるという効果がある。
【0054】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体は、複数枚の紙製シート体の幅広面同士を固着し積層し、箱状に構成されているので、耐圧構造体を一層、強固に構成することができるという効果がある。
【0055】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体は、短冊状に形成された複数枚の紙製シート体を井桁状に組み合わせて構成されている。よって、耐圧構造体を構成する部品としての紙製シート体の数を減少でき、耐圧構造体を製造するための製造コストを削減することができるという効果がある。
【0056】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されているので、収納空間に収納されるインクパッケージは、その全周を耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれる。よって、包袋を介して作用する大気圧によって、インクパッケージが変形等するのを、インクパッケージの全周にわたって防止することができるという効果がある。
【0057】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、紙製シート体は、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとを有する段ボールシートで構成されている。段ボールシートは、入手が容易で、安価であるため、耐圧構造体を一層低コストで製造することができるという効果がある。
【0058】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体の収納空間には、内部にインクを密閉する袋体を収納した収納ケースが収納される。収納ケースは袋体に比べて剛性を有しているので、包袋を介して作用する大気圧に対して、一層強度に対向することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施例であるインクパッケージの包装体を示す斜視図であり、(b)は、包袋に内包される状態を示すインクパッケージの斜視図である。
【図2】(a)は、インクパッケージの袋体の正面図であり、(b)は、(a)のII−II断面線におけるインクパッケージの袋体の断面図である。
【図3】インクパッケージの分解斜視図である。
【図4】耐圧構造体の分解斜視図である。
【図5】図1のV−V断面線におけるインクパッケージの包装体の断面図である。
【図6】インクパッケージとインク抽出針とを示す拡大図である。
【図7】第2実施例の耐圧構造体を示す分解斜視図である。
【図8】第3実施例の耐圧構造体を示す斜視図である。
【図9】図8の縦断面図である。
【符号の説明】
1 インクパッケージの包装体
2 インクパッケージ
4 包袋
5 袋体
6 連通路
7 スパウト
8 キャップ
12 収納ケース
17 インク抽出針(インク抽出部材)
20,30,40 耐圧構造体
25,33 収納空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクパッケージの包装体に関し、特に、インクの脱気度の劣化を抑制できると共に、インクパッケージの変形や破損を防止することができるインクパッケージの包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11‐129489号公報に開示されているように、インクジェット記録装置に用いられるインクを密閉して構成されるインク袋が知られている。このインク袋の開口周縁には筒状部材が固着されており、その筒状部材内には、インク袋体の外部と内部との連通を遮断する弾性シール材が嵌挿されている。このインク袋は、筒状部材をカートリッジケースの側面から露出するように固定しつつ、カートリッジケースの内部に収納された状態でインクジェット記録装置に装着される。カートリッジケースが装着されると、インクジェット記録装置側のインク供給針によって、筒状部材に嵌挿されている弾性シール材が突き破られる。こうしてインク袋に密封されたインクは、インク供給針に連設するチューブを介して、インクを被記録媒体に吐出する記録ヘッドに供給される。
【0003】
ここで、このインクジェット記録装置に用いられるインクは、原材料を溶解する工程と濾過工程とによって製造されるが、製造したインクをそのままインク袋に充填して使用すると、インク中に溶存している窒素、酸素、炭酸ガス等の各種のガスが記録ヘッド内に浸入して気泡を発生させ、記録ヘッドからインク滴を吐出できなくり、印字不良を引き起こす。そのため、インク袋にインクを充填する前にインク中の溶存ガスを減らす脱気処理を行っている。この脱気処理の方法としては、インクを圧力容器中で減圧しながら攪拌する方法や、気体分離膜を用いた脱気装置により脱気する方法などが採用されている。
【0004】
しかし、脱気処理をした脱気インクをインク袋内に密封し、そのインク袋を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合には、その間に空気中の酸素等が再びインク中に溶解することになる。そこで、特公平3−61592号公報には、空気中の酸素等が再びインク中に溶解するのを防止するために、脱気インクを充填した袋体をインク容器内に収納し、更に、そのインク容器を真空チャンバー内にて、プラスチックまたはゴム容器あるいは缶状の金属容器等の密閉容器に収納して密閉することにより、インク容器を大気圧より低い減圧状態下で輸送、保存等する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11‐129489号公報(図1等)
【特許文献2】
特公平3−61592号公報(第4列第4行目〜7行目等、図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、インクジェット記録装置に用いられるインクは、印字不良を防止するために、インクの脱気度を維持しておく必要がある。一方、特公平3−61592号公報に記載された技術によっても、インクの脱気度を維持することができるものの、例えば、キャリッジ上に複数個搭載される小型のインク容器の場合には、プラスチックで成形したとしても筐体を構成する各面が比較的小さいために、該インク容器を密閉容器に収納して減圧状態にしたとき、その減圧によって筐体がわずか潰れるが、実用上支障がでるほどではない。しかし、インク容器の容量を大きくしたり、筐体を扁平形状にしたりすると、筐体を構成する面が大きくなって、減圧によって変形してしまい、記録装置本体への装着ができなくなったり、インク容器からインクが漏れるという問題点があった。
【0007】
本発明は、この問題を解消すべくなされたものであって、特に、インクの脱気度の劣化を抑制することができると共に、インクパッケージの変形や破損を防止することができるインクパッケージの包装体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のインクパッケージの包装体は、内部にインクを密封する扁平なインクパッケージと、そのインクパッケージを内包する包袋とを備え、前記インクパッケージを内包した状態で前記包袋の内部を減圧して構成されるインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、その収納空間に前記インクパッケージを収納した状態で前記包袋の内部に内包され、その包袋の内部を減圧した場合に、その包袋によって前記インクパッケージが押し潰されるのを防止する紙製の耐圧構造体を備え、その耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が前記扁平なインクパッケージの幅広面と直交するように形成されている。
【0009】
この請求項1記載のインクパッケージの包装体によれば、内部にインクを密封する扁平なインクパッケージは、紙製の耐圧構造体に備えられた収納空間に収納される。その紙製の耐圧構造体は包袋の内部に内包され、その状態で包袋の内部が減圧される。包袋の内部が減圧されると、包袋を介して作用する大気圧によって、包袋に内包されている紙製の耐圧構造体が押圧される。ここで、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面は、扁平なインクパッケージの幅広面と直交するように形成されているので、例えば、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が、扁平なインクパッケージの幅広面と平行するように形成されている場合に比べて、包袋を介して作用する大気圧に対抗することできる。
【0010】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1に記載のインクパッケージの包装体において、前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、複数枚の紙製シート体の幅広面同士を固着し積層し、箱状に構成されている。
【0011】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1に記載のインクパッケージの包装体において、前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、短冊状に形成された複数枚の紙製シート体を井桁状に組み合わせて構成されている。
【0012】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されている。
【0013】
この請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されているので、収納空間に収納されるインクパッケージは、その全周を耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれる。
【0014】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記紙製シート体は、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとを有する段ボールシートで構成されている。
【0015】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体は、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体において、前記インクパッケージは、インクを密閉する柔軟性のある扁平な袋体と、その袋体の幅広面の両側から2つの部材を重合させて内部に前記袋体を収納するケース体とから構成されている。
【0016】
この請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体と同様に作用する上、インクは、柔軟性のある扁平な袋体の内部に密閉され、その袋体は袋体の幅広面の両側から2つの部材を重合させて構成されるケース体の内部に収納されている。この袋体を収納したケース体が耐圧構造体の収納空間に収納される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の実施例であるインクパッケージの包装体1を示す斜視図であり、(b)は、耐圧構造体20に収納されたインクパッケージ2を示す斜視図である。図2(a)は、インクパッケージの袋体5の正面図であり、(b)は、(a)のII−II断面線におけるインクパッケージの袋体5の断面図である。図3は、インクパッケージ2の分解斜視図である。耐圧構造体20の分解斜視図である。図5は、図1のV−V断面線におけるインクパッケージの包装体1の断面図である。
【0018】
インクパッケージの包装体1は、上述したように脱気処理した脱気インクを密封するインクパッケージ2と、そのインクパッケージ2を収納する収納空間25を有する耐圧構造体20と、その耐圧構造体20に収納されたインクパッケージ2を内包する包袋4とによって構成され、包袋4の内部は大気圧より減圧された状態にされている。
【0019】
インクパッケージ2は、インクを収納する袋体5と収納ケースとからなり、袋体5は、図2に示すように、複数枚のフィルムシートを積層して構成される積層構造を有する2枚のシート材料を、一部に開口部を残すように周縁部同士を溶着して袋状に形成され、その内部に脱気インクを充填する。その袋体5の開口部5aには、袋体5の内部と外部とを連通させる連通路6を有するスパウト7が、その外周面を開口部5aの内面に溶着して固着され、また、スパウト7の連通路6には、袋体5の内部と外部とを遮断するキャップ8が圧入されている。
【0020】
袋体5を構成するシート材料は、例えば、アルミニウム合金層を中心に、一側に接着層及びナイロン層(外面層)を、他側に接着層,ポリエチレンテレフタラート層、接着層及びポリプロピレン層(内面層)を順に積層して構成されている。このような積層構造を有するシート材料を用いることによって耐久性に優れ、特に、内面層にポリプロピレン層を配置することによって、袋体5の内部に充填されるインクに対する耐インク性に優れ、また、中間層としてアルミニウム合金層を配置することによって、新たなガスが袋体5を透過するのを遮断して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。
【0021】
袋体5の開口部5aに溶着されるスパウト7は筒状に形成され、耐インク性に優れるポリプロピレンを主成分とする材料によって構成されている。即ち、袋体5の内面層を構成するポリプロピレン層と、その主成分を同一とするため、スパウト7の外周面に形成した複数のリブ7aを袋体5の内面に強固に溶着することができる。よって、新たなガスが袋体5とスパウト7との溶着部から侵入するのを抑制して、インクの脱気度が劣化するのを防止することができる。スパウト7を貫通する連通路6の両端からそれぞれ所定距離をおいた中間部には、連通路6の両端部の連通路18、19よりも内径を大きく形成され、キャップ8を収納する収納部21が形成されている。
【0022】
キャップ8は、例えばブチルゴムまたはそれに近い材料で構成され、後述するインク抽出針17の抜き刺しによってもインクを密閉する弾性復元力を有している。このキャップ8は、連通路6に形成された収納部21に圧入される。よって、このキャップ8にインク抽出針17を突き刺した場合であっても、連通路6の一端である連通路18によってキャップ8が、袋体5の内側に移動するのを防止できる。逆に、キャップ8からインク抽出針17を引き抜く場合には、連通路6の一端である連通路19によってキャップ8が、袋体5の外側に移動するのを防止できる。
【0023】
袋体5を収納する収納ケース12は、図3に示すように、箱状に形成された一対のケース体を、袋体5の幅広面の両側から重ね合わせ、その内部に袋体5を収納できるように構成されている。一対のケース体は互いに略同様に構成されており、袋体5の幅広面を支持する底壁9と、その底壁9の縁部から立設された側壁10と、その側壁10の縁部によって形成される開口部11とによって構成されている。
【0024】
底壁9は、袋体5の幅広面と略同様な大きさに構成されている。側壁10の一部には、袋体5の開口部5aに溶着されたスパウト7を固定するための切り欠き部10aが備えられている。スパウト7は、この切り欠き部10aに嵌り込み、スパウト7の連通路6に圧入されたキャップ8は、収納ケース12の側壁10から露出している状態になる。袋体5を収納した収納ケース12は、耐圧構造体20の収納空間25に収納される。
【0025】
この耐圧構造体20は、図4に示すように、収納ケース12の一方の幅広面側(図4における下面)において井桁状に組み合わせられた第1耐圧構造体20aと、収納ケース12の他方の幅広面側(図4における上面)において井桁状に組み合わせられた第2耐圧構造体20b(第2耐圧構造体20bは分解した状態を図示している)とを重ね合わせ、その内部に収納ケース12を収納する収納空間25が形成されるように構成されている。
【0026】
第1耐圧構造体20aは、収納ケース12に対して縦方向に略等間隔で並べられ、コの字状に形成された3つの縦桁部材21と、収納ケース12に対して横方向に略等間隔で並べられ、コの字状に形成された4つの横桁部材22とを井桁状に組み合わせて構成されている。第2耐圧構造体20bも第1耐圧構造体20bと同様に構成されており、3つの縦桁部材23と4つの横桁部材24とを井桁状に組み合わせて構成されている。収納ケース12を収納する収納空間25は、各桁部材の各コの字状の内側に凹状に形成され、収納空間25は、収納ケース12よりひとまわり大きくなるように構成されている。
【0027】
縦桁部材21,23と、横桁部材22,24とを構成する各桁部材は、2枚の段ボールシート21a,21bの幅広面同士を接着して、その段ボールシート21a,21bの幅広面が、収納ケース12の幅広面(収納ケース12に収納されている袋体5の幅広面)に対して直交するように構成されている。この各桁部材を構成する段ボールシート21a,21bは、一般に市販されているものであり、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとによって構成されている。
【0028】
また、第2耐圧構造体20bを構成する各桁部材には、井桁状に組み合わせるための嵌合溝26,28が備えられている。嵌合溝26は、各縦桁部材23の収納ケース12とは反対側の面に、横桁部材24の数に対応して4箇所設けられている。嵌合溝28は、各横桁部材24の収納ケース12側の面に、縦桁部材23の数に対応して3箇所設けられている。この縦桁部材23に設けられた嵌合溝26と、横桁部材24に設けられた嵌合溝28とを嵌め込むことによって、第2耐圧構造体20bは井桁状に形成される。尚、第1耐圧構造体20aについても、この嵌合溝26,28に相当する嵌合溝が設けられている。
【0029】
このように、本実施例においては、3つの縦桁部材21,23と、4つの横桁部材22,24とによって井桁状に構成される耐圧構造体20について説明したが、耐圧構造体20を構成する縦桁部材21,23と、横桁部材22,24との数は、その数に限定されるものではない。また、一つの桁部材を1枚、3枚、若しくはそれ以上の段ボールシートの幅広面同士を固着し積層して構成しても良い。
【0030】
インクパッケージ2を収納空間25に収納した耐圧構造体20は、柔軟性を有する包袋4の内部に内包される。この包袋4は、袋体5と同様の空気を透過しない積層構造のシート材料を2枚重ね、その周縁部どうしを熱溶着することによって構成されている。よって、新たな空気が包袋4を透過して包袋4の内部に侵入し、更に、袋体5を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度を劣化させるのを抑制することができる。
【0031】
インクパッケージ2を収納した耐圧構造体20を内包した状態で、包袋4の内部は大気圧より低い減圧状態下にされる。包袋4の内部を減圧するにつれて、図5に示すように、包袋4を介して大気圧が耐圧構造体20(耐圧構造体20を構成する縦桁部材21,23や横桁部材22,24)を押圧するが、インクパッケージ2は、インクパッケージ2よりひとまわり大きく構成された耐圧構造体20の収納空間25に収納されているため、大気圧は、耐圧構造体20によって吸収され、インクパッケージ2が大気圧に押圧されるのが阻止される。
【0032】
また、耐圧構造体20を構成する段ボールシート21a,21b等は、その段ボールシート21a,21bの幅広面が、収納ケース12の幅広面に対して直交するように構成されているので、例えば、耐圧構造体20を単なる紙製の箱体(箱体を構成する紙製シート体の幅広面が、収納ケース12の幅広面と平行するように形成されているもの)で構成する場合に比べて、大気圧に対抗することできる。よって、包袋4の内部を従来通りの減圧状態にした場合であっても、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止することができる。
【0033】
また、包袋4の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋4の内部の空気は一層減少する。よって、包袋4の内部に残留する空気が、袋体5を透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができる。
【0034】
上述のように構成されたインクパッケージの包装体1をインクジェット記録装置に装着する場合には、包袋4を開封して耐圧構造体20からインクパッケージ2を取り出し、図6に示すように、収納ケース12をインクジェット記録装置に設けたガイド面(図示せず)に沿わせて挿入し、キャップ8にインク抽出針17を突き刺し、チューブ等の供給路16を経てインクジェットヘッドにインクを供給する。
【0035】
一方、耐圧構造体20は、包袋4を開封した時点で、その役割を終了し、処分される。ここで、耐圧構造体20は、紙製である段ボールシートによって構成されているので、可燃ゴミとして処分することができる。よって、インクパッケージ2を減圧状態下におくために、インクパッケージ2をプラスチック製や金属製の容器に内包していた場合のように、その容器の処分方法によっては、環境に悪影響を及ぼす可能性があるという問題点は生じず、環境にとっても好適である。
【0036】
以上説明したように、インクパッケージの包装体1によって、インクパッケージ2を輸送する場合や、未使用のまま長期間保存する場合にも、インクの脱気度の劣化を抑制することができ、インク中に発生する気泡によって印字不良を引き起こすことを抑制でき、好適な印字状態を維持することができる。また、インクの脱気度の劣化を防止すべく包袋4の内部を大気圧より減圧する場合であっても、包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体20によって吸収されるため、大気圧によって、インクパッケージ2が変形、破損等するのを防止することができる。
【0037】
次に、上述した耐圧構造体20の第2実施例について、図7を参照して説明する。図7は、図4と対応する図であって、インクパッケージ2と第2実施例としての耐圧構造体30とを示す斜視図である。この耐圧構造体30は、上述した第1実施例における耐圧構造体20と同様に、包袋4を介して作用する大気圧によってインクパッケージ2が変形、破損等するのを防止するためのものである。
【0038】
耐圧構造体30は、収納ケース12の一方の幅広面側(図7における下面)の第1耐圧構造体31と、収納ケース12の他方の幅広面側(図7における上面)の第2耐圧構造体32とを重ね合わせ、その内部に収納ケース12を収納する収納空間33が形成されるように略箱状に構成されている。
【0039】
第1耐圧構造体31と、第2耐圧構造体32とは、略同様に構成され、それぞれコの字状に形成された複数の段ボールシート31b,32bとの幅広面同士を固着し積層して構成されている。その段ボールシートの幅広面は、収納ケース12の幅広面に対して直交するように配置されている。また、収納ケース12を収納する収納空間33は、積層された段ボールシートに凹状に形成されている。収納空間33の周囲の幅は、包袋4の内部の減圧状態と、インクパッケージの包装体1としての大きさとの観点から調節可能である。
【0040】
このように構成された耐圧構造体30によれば、上述した第1実施例の耐圧構造体20と同様に作用する上、インクパッケージ2の全体が、耐圧構造体30の収納空間33に封入されるので、インクパッケージ2と包袋4との間には、耐圧構造体30が介在し、包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体30によって吸収され、インクパッケージ2が変形、破損等するのを防止することができる。
【0041】
また、上述した第1実施例における耐圧構造体20では、第1耐圧構造体20aと第2耐圧構造体20bとの接合部は、収納空間25の周りに14カ所に点在してしているのに対し、第2実施例における耐圧構造体30の第1耐圧構造体31と第2耐圧構造体32との接合部は、収納空間33の全周に連なっているので、第1実施例における耐圧構造体20に比べ、第2実施例における耐圧構造体30は、一層、大気圧に対抗することができる。
【0042】
次に、上述した耐圧構造体20,30の第3実施例について、図8,図9を参照して説明する。図8は、図4と対応する図であって、インクパッケージ2と第3実施例の耐圧構造体40を示す斜視図である。図9は、図8の縦断面図である。第3実施例の耐圧構造体40は、上述した第1,第2実施例の耐圧構造体20,30と同様に、包袋4の内部を、大気圧より低い減圧状態にした場合に、収納ケース12の外面に包袋4を介して作用する大気圧を吸収し、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止するためのものである。この耐圧構造体40は、収納ケース12の内部であって、袋体5の外面と収納ケース12の内面との間に配置されている。
【0043】
この耐圧構造体40は、袋体5の一方の幅広面側を包み込む凹部を有する第1井桁部材40a(図8における下方)と、他方の幅広面側を包み込む凹部を有する第2井桁部材40b(図8における上方)とによって構成されている。尚、第1井桁部材40aと第2井桁部材40bとは同様に構成されているため、第2井桁部材40bについての詳細な説明は省略する。
【0044】
第1井桁部材40aは、袋体5の一方の幅広面側を包み込むための空間を形成する支持体41と、その支持体41の収納ケース12の内面に対峙する面に固着された井桁体42とによって構成されている。
【0045】
支持板41は、薄板形状をなし、インクを充填した状態の袋体5の一方の広幅面に対応した凹面形状に湾曲された凹部41cを有し、その両側に平坦な周辺部41a、およびスパウト7側の端部に立ち上がる壁部41bを備えている。凹部41cは、後述するように2つの井桁部材を対向させたとき、図9に示すようにスパウト7が位置する側へ拡大する空間を形成するように、スパウト7が位置する側が深く、他端に向けて漸次浅くなるように湾曲形成されている。支持板41は、袋体5とほぼ同じかそれよりもやや大きい平面形に形成されている。支持板41は、樹脂または紙をプレス加工して製作することができる。
【0046】
井桁体42は、袋体5と反対側の支持板4の面から直角に立ち上がった板状の複数枚の板状部材を縦方向と横方向とに井桁状に組み合わせて構成されている。袋体5と反対側の井桁体42の面は、収納ケース12(底壁9)の内面と略平行になるように形成されている。この井桁体42は、上述した耐圧構造体20等と同様に紙製の材料(段ボール)で構成されている。
【0047】
上述のように構成された第1井桁部材40aと第2井桁部材40bとは、袋体5を挟むように重合される。支持板41は、袋体5の周縁部の大きさと同様に構成されているので、袋体5の周縁部は、両部材40a,40bの周縁部41aに挟まれた状態となる。また、スパウト7の連通孔6を有する筒状部分は、両部材40a,40bの壁部41bによって囲まれている状態になる。一方、袋体5の外面と収納ケース12の内面との間には、第1井桁部材40aと第2井桁部材40bの井桁体42が介在する。
【0048】
このように、耐圧構造体40を収納ケース12とインクを密封する袋体5との間に介在するようにを配置することによっても、上述した第1,第2実施例の耐圧構造体20,30と同様に、包袋4の内部を大気圧より低い減圧状態にした場合に、収納ケース12の外面に包袋4を介して作用する大気圧は、耐圧構造体40によって吸収される。よって、インクパッケージ2が変形、破損するのを防止することができる。
【0049】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0050】
例えば、上記実施例では、インクパッケージ2を、インクを収納する袋体5とそれを内包する収納ケース12とで構成したが、収納ケース12内に直接インクを収納するようにしても良い。また、収納ケース12を排除して袋体5を包袋4に直接収納するようにすることをできる。この場合には、耐圧構造体20,30の収納空間25,33に袋体5が直接収納される。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクパッケージの包装体によれば、耐圧構造体を構成する紙製シート体は、その紙製シートの幅広面が、インクパッケージの幅広面に対して直交するように構成されているので、例えば、耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が、扁平なインクパッケージの幅広面と平行するように形成されている場合に比べて、包袋を介して作用する大気圧に対抗することできる。よって、包袋の内部を従来通りの減圧状態にした場合であっても、インクパッケージが変形、破損するのを防止することができるという効果がある。
【0052】
また、包袋の内部を従来よりも高い減圧状態にできるので、包袋の内部の空気は一層減少する。よって、包袋の内部に残留する空気が、インクパッケージを透過して、インクに溶解し、インクの脱気度が劣化するのを抑制することができるという効果がある。
【0053】
更に、耐圧構造体は紙製なので、その役割を終えた場合には、可燃ゴミとして処分することができる。従って、インクパッケージを減圧状態下におくために、インクパッケージをプラスチック製や金属製の容器に内包していた場合のように、その容器の処分方法によっては、環境に悪影響を及ぼす可能性があるという問題点は生じず、環境にとっても好適であるという効果がある。
【0054】
請求項2に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体は、複数枚の紙製シート体の幅広面同士を固着し積層し、箱状に構成されているので、耐圧構造体を一層、強固に構成することができるという効果がある。
【0055】
請求項3に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1に記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体は、短冊状に形成された複数枚の紙製シート体を井桁状に組み合わせて構成されている。よって、耐圧構造体を構成する部品としての紙製シート体の数を減少でき、耐圧構造体を製造するための製造コストを削減することができるという効果がある。
【0056】
請求項4に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されているので、収納空間に収納されるインクパッケージは、その全周を耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれる。よって、包袋を介して作用する大気圧によって、インクパッケージが変形等するのを、インクパッケージの全周にわたって防止することができるという効果がある。
【0057】
請求項5に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、紙製シート体は、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとを有する段ボールシートで構成されている。段ボールシートは、入手が容易で、安価であるため、耐圧構造体を一層低コストで製造することができるという効果がある。
【0058】
請求項6に記載のインクパッケージの包装体によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体の奏する効果に加え、耐圧構造体の収納空間には、内部にインクを密閉する袋体を収納した収納ケースが収納される。収納ケースは袋体に比べて剛性を有しているので、包袋を介して作用する大気圧に対して、一層強度に対向することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施例であるインクパッケージの包装体を示す斜視図であり、(b)は、包袋に内包される状態を示すインクパッケージの斜視図である。
【図2】(a)は、インクパッケージの袋体の正面図であり、(b)は、(a)のII−II断面線におけるインクパッケージの袋体の断面図である。
【図3】インクパッケージの分解斜視図である。
【図4】耐圧構造体の分解斜視図である。
【図5】図1のV−V断面線におけるインクパッケージの包装体の断面図である。
【図6】インクパッケージとインク抽出針とを示す拡大図である。
【図7】第2実施例の耐圧構造体を示す分解斜視図である。
【図8】第3実施例の耐圧構造体を示す斜視図である。
【図9】図8の縦断面図である。
【符号の説明】
1 インクパッケージの包装体
2 インクパッケージ
4 包袋
5 袋体
6 連通路
7 スパウト
8 キャップ
12 収納ケース
17 インク抽出針(インク抽出部材)
20,30,40 耐圧構造体
25,33 収納空間
Claims (6)
- 内部にインクを密封する扁平なインクパッケージと、そのインクパッケージを内包する包袋とを備え、前記インクパッケージを内包した状態で前記包袋の内部を減圧して構成されるインクパッケージの包装体において、
前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、その収納空間に前記インクパッケージを収納した状態で前記包袋の内部に内包され、その包袋の内部を減圧した場合に、その包袋によって前記インクパッケージが押し潰されるのを防止する紙製の耐圧構造体を備え、その耐圧構造体を構成する紙製シート体の幅広面が前記扁平なインクパッケージの幅広面と直交するように形成されていることを特徴とするインクパッケージの包装体。 - 前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、複数枚の紙製シート体の幅広面同士を固着し積層し、箱状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記耐圧構造体は、その内部に前記インクパッケージを収納する収納空間を有し、短冊状に形成された複数枚の紙製シート体を井桁状に組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクパッケージの包装体。
- 前記インクパッケージを収納する収納空間は、その全周を前記耐圧構造体を構成する紙製シート体によって囲まれて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージの包装体。
- 前記紙製シート体は、波状に形成された中心シートと、その中心シートの両側の幅広面に固着される板状に形成された側面シートとを有する段ボールシートで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージの包装体。
- 前記インクパッケージは、インクを密閉する柔軟性のある扁平な袋体と、その袋体の幅広面の両側から2つの部材を重合させて内部に前記袋体を収納するケース体とからなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクパッケージの包装体。
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2002
- 2002-11-26 JP JP2002342830A patent/JP2004174859A/ja active Pending
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