JP3567932B2 - インクタンク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はノズルよりインク滴を吐出して記録紙上に文字などの記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノズルよりインク滴を吐出させて記録紙上に、記録情報に応じた文字などの記録書き込みを行うインクジェット記録装置では、微細なノズルからインクを吐出してインク滴を形成する。インク滴の形成は記録ヘッド内部に配設された圧力室を電気歪振動子、電気熱変換素子等により急激に容積変化させ、吐出圧力を発生することで行われる。そのためインク供給経路内に空気が混入した場合には、吐出圧力が良好に発生せず、記録書き込みが不能となる。
【0003】
さらに、インクタンク内のインクが消費され尽くして供給が断たれると、記録書き込みが不能になる。そして、ノズルに至るインク供給経路内に空気が入り込み、インクを新たに補給しても記録書き込みが可能になるまでに、多大の時間とインクがかかってしまうといった問題が生じる。
【0004】
もとより、このような問題に対処するために、インクタンク内にレベル検出器を配設し、またはインク供給経路の一部にレベル検出器を配設しインクの供給が断たれる前にインクエンドを検出する構成が用いられている。それによりインクエンド時にインク供給経路内に空気が大量に混入することを防止している。しかしながらインクタンクの交換時等のインクタンクと記録ヘッドとの抜き差し時にインク供給経路内に空気が混入することを完全に防止することはできない。
【0005】
そこで従来よりインク供給経路内に混入した空気の影響を、インクタンクと記録ヘッドとの抜き差し時に初期的に抑えることが提案されている。(引用文献1参照)
ガスバリア性の極めて高い密封容器内に、脱気したインクを収容したインクタンクを減圧状態で収容したものである。この従来例では、密封容器を開封直後はインクタンク内のインクは脱気インクとなっており、この脱気インクによりインク供給経路内に混入した空気の影響を初期的に除去しようとするものである。
【0006】
しかし、この密封容器構造は、インクタンクの姿勢差、位置、接続性等で、自由度がなく、複雑である。またキャリッジの動作に伴って、インクが激しく揺動し、記録ヘッドの吐出特性に不具合を生ずる。
【0007】
これを解決するために、多孔質部材を収納したインクタンクが提案されている。このインクタンクには、インクを充填するための注入孔や、インクの使用による減少に対応して空気が流入するように、大気と連通するための通気孔を有する。
また前記のように脱気インクにするため、減圧状態でインクを充填し、さらに、インクタンクを減圧状態で容器内に包装させる。
【0008】
【引用文献1】特公平3−61592号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来例では、インクの表面張力が比較的高くて、泡立ちにくい場合はよいが、より減圧度が大きく、脱気度を保ち、信頼性を高めようとした場合、あるいはインクの表面張力が低く、泡立ちやすい場合には、インクが注入孔から漏れやすくなる。また、落としたりといった衝撃を加えた後に減圧包装すると、僅かな減圧でインクが漏れるので作業性が悪い。さらに温度変化があるとインク中の気体の膨張で、インクが漏れる。インクの漏れを防止するためにインクの充填量を減らして充填効率を落とすとインクタンクが大きくなるといった問題がある。
【0010】
また、インクタンク中に空間を設けたり、蓋の形状を工夫して漏れの対策をしても、高温環境下ではインク中の気体が膨張して漏れてしまい、これを完全に防ぐことは難しい上に、インクタンクが大きくなるといった問題がある。
【0011】
そこで、本発明はこのような問題を解決するもので、その目的は信頼性の高いインクタンクを提供することである。
【0012】
本発明のインクタンクは、インクを収容したインク溜り、該インク溜りのインクを外部に供給するための連通部、前記インク溜りと外部とを連通するための連通孔とを備え、前記連通孔は開封可能な非通気性の封止部材により封止されることにより、前記インク溜りが減圧密封されたインクタンクであり、前記インクタンクは包装部材との間に空間を設けて減圧状態で包装されていることを特徴とする。
【0014】
(作用)
本発明の上記の構成によれば、インクタンクを減圧状態で密封することから、インクが再脱気されるとともに、減圧包装時や輸送時や保存状態でのインクの漏れがなくなる。またインクタンクと密封容器間に空間を設けて減圧包装したので、インクタンク内部よりインクの分解で発生したガスも、ケ−スを通して徐々に減圧包装内に吸収され、それによりインクタンクの使用初期に大変信頼性の高い状態に脱気される。これによりインクタンクの交換時にインク供給路内に混入してしまう空気による不具合を解消する。
【0015】
また減圧されたインクタンクを包装前に目視確認できることから、インク漏れ、ケ−スの変形等の工程検査が容易になる。
【0016】
さらに、非通気性の封止部材で、インクタンク7の上面を覆うことにより、実使用時のインク蒸発を最小限に抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施例を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明のインクジェット記録装置の一実施例を説明するための主要断面図であり、図2は本発明のインクジェット記録装置に用いるインクタンクの主要部の分解斜視図である。図3は主要部の斜視図を示したものである。また図4は、インクエンド検出回路を説明するためのブロック図である。
【0018】
記録紙を搬送するために矢印A方向に回転する記録紙搬送手段であるプラテン1に沿って、ガイド軸2a上を矢印B方向に往復運動するキャリッジ2には、プラテン1に近接して記録ヘッド3が一体的に設けられている。記録ヘッド3の上方には、インク溜り6があり内部にポリウレタンフォーム等の多孔質部材よりなるフォーム6aを収容したインクタンク7が設けられている。
【0019】
本実施例においてインクタンク7は6Y,6M,6Cの3つの部屋に分割されて、インク溜り6は3つ設けられている。この部屋各々にはイエロー、シアン、マゼンタのカラーインクが充填されている。ただしインクの種類と数が設計上変わればインクタンク7内の部屋数は必要数に分割されることになる。
【0020】
インクタンク7には、その蓋8に外部と連通する連通孔9が設けられ、またその底面にはフォーム6aとの密着をはかる台状の突起10が形成されている。この突起10の中心部から下方に向けて記録ヘッド3に連通する連通部がある。連通部はフォーム6a内のインクを取り出し保持するインク室11と、インク室11の端部にゴム等の弾性部材よりなる盲栓12により形成されている。そして、この盲栓12にフィルタ室4を介して、記録ヘッド3と連通する連通部材である中空針5を挿通することにより、インクタンク7内に含浸したインクを記録ヘッド3に供給するように構成されている。
【0021】
なお、インク室11は盲栓12及びフォーム6aにより密閉室の状態になっている。また、連通孔9の少なくとも1つは開封可能な非通気性の封止部材21で使用直前までは封止されていて、使用直前に開封して通気孔9aとなる。但し、本実施例では連通孔9は複数個設けてあるが、各部屋1つだけでも所望の効果を得るのに何等問題はない。
【0022】
開封するためには図2のように充分に長い封止部材21を用い、その端部を引っ張り剥して開封する方法を用いると容易に開封できる。さらに、その端部を容器25内に接合すれば容器25から取り出すときに必ず開封され、使用者の開封忘れなどの問題もなく確実に開封できる。また図5のようにインクタンクを取り付けるためのレバー30に突起31を設け、インクタンクを取り付けるときにレバー30をC方向に倒し、この突起31で突き破る方法を用いても容易に開封できる。但し、封止部材21を開封できる構成であれば、特に専用の器具を用いて開封しなくてもよい。開封しない他の連通孔9にも非通気性の封止部材22を設けてある。
【0023】
ここで封止部材21を開封して通気孔9aを開ける理由を説明する。全ての封止部材21,22は非通気性のため、通常のプリンタ使用のインク消費スピードに対して、インクタンク内に補充される空気量が少ないので、プリンタを使用するにつれて徐々にインクタンク内が負圧になる。この負圧が一定値を越えると、つまりヘッドのノズルに形成されるインクのメニスカスの毛細管力を越える負圧がインクタンク内に発生すると、メニスカスは破壊しインク滴の吐出不良となってしまう。従って、インクの消費に対応して空気を補充するための通気孔9aが必要となる。
【0024】
また万一、記録ヘッド3に吐出不良が生じた場合には、キャップ13、配管14を介して吸引ポンプ15を動作することで、記録ヘッド3よりインクを吸引する。それにより、吐出不良の回復動作が行われる。吸引されたインクは配管16を通って廃インク溜17に送られる。本発明においては、廃インク溜17とインクタンク7とは別体であって廃インク溜17は記録装置本体内に配設され、通常は交換されない構成になっている。
【0025】
ところで図中符号S1,S2は、インクエンド検出用の電極であって、その一方の電極S1はフォーム6aと接触するようにインクタンク7の内壁面に設けられ、他方の電極S2は、インクと接触する中空針5が電極を兼ねている。電極S1とインクタンク7の間には、インクが漏れないようにゴム製のOリング24がかませてある。そして電極S1には、図4に示したように基準電圧Vccが印可される。また他方の電極S2を兼ねる中空針5は接地されている。さらに基準電圧Vccが印可されている側の電極S1には、微分回路19と比較回路20とからなる抵抗変化量検出回路が接続している。そして抵抗変化量がある一定レベルを越えたときに、出力信号を発生するように構成されている。
【0026】
また記録ヘッド3に印可されるインク滴吐出用の記録指令信号は、可とう性の信号伝達手段であるFPC(Flexible Print Circuit)18により伝達される。そしてFPC18上にはインクエンド検出用の信号線が一体的に配線され、電極S1,S2に接続されている。なお、信号伝達手段としてFPC18の換わりに、FFC(Flexible Flat Cable)等を用いても良いことはいうまでもない。さらに1枚のFPCではなく、2枚重ねの構成であっても良いことはいうまでもない。
【0027】
次に本実施例に用いたインクタンクの製造方法について図6のフロ−チャ−トにより説明する。
【0028】
インクタンク組立工程では、前述図2の構成からなるインクタンク7を封止部材21,22を残して組み立てる。
【0029】
インク溜り減圧工程では、インクタンク7のインク溜まり6を連通孔9を通して、0.04MPa以下に減圧する。この時の減圧度は、充填インク量及び充填時間を考慮すると0.02MPa以下が望ましい。
【0030】
その後、インク充填工程で連通孔9よりインクを充填する。この時インクは減圧され、脱気インクとなる。この減圧状態で多孔質部材にインクを充填する方法については特開昭60−245560号公報において開示され説明されているように、インク充填効果は非常に高い方法である。
【0031】
次に大気圧下で連通孔9のうち9a以外を封止部材22で封をする。その後、減圧密封工程でインクタンク7を0.02〜0.05MPaの減圧下にし、通気孔9aを封止部材21で封をする。この減圧下であれば、インクは十分再脱気され、通気孔9aからのインク漏れはない。減圧度を0.02MPa以下にすると、減圧時のインク漏れ、あるいは前述の密封後のわずかな衝撃、姿勢差、環境温度変化等でインク漏れが起きる。
【0032】
封止後大気開放する。この工程は図7のように、封止部材21の21aを大気下で仮止めし、0.02〜0.05MPaの減圧下で21b本止めしてもよく、この方が装置上容易である。
【0033】
このようにして密封されたインクタンク7のインクは、充填後の大気開放及び再減圧で、多孔質部材のフォ−ム6aに均一に充填されるとともに、再脱気される。
【0034】
封止方法には溶着もしくは接着材による方法などを用いることができるが、インクの漏れを防ぐためには溶着の方が望ましい。接着剤を用いる場合、漏れを防ぐための接着力と剥離性、インクに犯されないといった特性を満足する必要がある。
【0035】
封止部材21,22は、非通気性の部材で、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはアルミラミネ−トフィルムを主体とし、溶着あるいは接着しやすいようポリスチレン樹脂やポリオレフィン系樹脂等からなる積層フィルムである。
【0036】
次に減圧包装工程では、図8のようにインクタンク7とスペーサ28を容器25に入れ0.02〜0.05MPaに減圧した後、完全にシ−ル部26をシールし密封包装する。その後大気開放する。
【0037】
インクタンク7と容器25の間には空間29がある。この空間29によって、インクタンク7の輸送中や保存中にインクが分解して窒素や酸素などのガスが発生してもケ−ス壁を通して徐々に脱気される。スペーサ28に段ボールやウレタンフォームのように空気を透過し、かつその内部に空間が存在する部材を用いれば、もし容器25が密着しても部材内の空間が空間29の役割を果たす。またインクタンク7を保護する緩衝材としての役割も果たす。減圧包装時の減圧度は前記封止部材21の封止時減圧度とほぼ同じ0.02〜0.05MPaである。これによりインクタンク内と密封容器内の圧力バランスが保たれ、インクタンク7に溶着あるいは接着した封止部材21、22の接合強度が小さくても、剥がれることはない。
【0038】
図9に減圧密封包装された密封容器を示す。容器25は、ガスバリア性の極めて高いアルミラミネ−トフィルムで作られた包装袋である。
【0039】
さらに梱包工程で梱包箱27(不図示)に収納される。この状態で容器25のシール部26は梱包箱27との間にあって緩衝材を兼ねている。そのため特別な緩衝部材を用いる必要はない。
【0040】
次に減圧包装時の真空度と減圧包装状態における保存期間後の窒素量との関係を説明する。大気中には窒素以外の気体も存在するが、窒素量が最も大きいため窒素量がコントロールできればよい。
【0041】
実験によれば表1に示すように密封シール時の減圧度を制御することにより、包装を開封した直後のインクタンク7内のインクの脱気度を制御することができる。
【0042】
【表1】
Figure 0003567932
【0043】
表中の窒素量は、飽和値に対するインク中に溶けている窒素量のパーセンテージで示してあり、本実施例に用いたインクの場合には、飽和値は10〜11ppm程度であった。
【0044】
次に製造時から実使用までのインクタンク内のインク脱気度がどのように変化するかをインク中の窒素量に実験デ−タに基づき図10で説明する。インク充填後のa時点で脱気されていたインクは、大気状態に放置されることにより、約3日後のb時点で飽和状態に達する。c時点で0.02〜0.05MPaの減圧下でインクタンク7を非通気性の封止部材21で密封すると、インクは脱気し、さらにインクタンク7の空間23にインクに溶解の窒素や酸素が吸収され、d時点の脱気度までになる。その後は、インクが分解して、インク成分中の窒素等のガスが発生することもあり、脱気度が落ちる。d時点までの期間は、周辺環境にもよるが、1日程度であり、e時点には6ヶ月から1年かけて10〜20%増加していく。e時点で減圧包装すると、インクタンク7のインク脱気度はインクタンク7のケ−ス等を通して徐々に向上する。長期間中に発生するインクからのガスも、空間29に十分吸収させることができる。e時点からf時点までの期間は、包装状態での保存期間であり、実験では2年間を想定した。
【0045】
そして開封後の図中f時点より順次窒素量は上昇する。インク中の窒素量は、開封後3日程で図中gの略飽和状態に達する。しかしながら実験によると、脱気による効果は図中fの開封後から2〜4週間程度期待できることがわかった(図中h)。その後は完全飽和状態となり、本発明で所望するインクの脱気の効果はなくなる。
【0046】
本実験では、各時点まで十分な期間を設けて行ったが、実製造工程では、a時点のインク充填後、数時間以内にc時点の減圧下封止をし、さらに1日以内にe時点の減圧包装を行なうため、図示のようなN2値の変化は見られず、脱気度が十分保たれた状態で減圧包装される。
【0047】
ここでインクの脱気による効果について説明する。インクタンク7を中空針5に対して抜き差しする際に、中空針5より混入する空気の量は、通常は非常に微量である。実験による確認では、中空針5のインク流入口径が直径0.8mm程度の時、混入する空気の量は、多くてもメニスカス分の0.4立方mm程度以下であった。一度混入した空気は記録ヘッド3に向かって流れ、フィルタ室4内のフィルタ4a(不図示)に到達しトラップされる。このトラップされた空気はフィルタ4aの目粗さが非常に微細なため容易にフィルタ4aを通過することはない。実験によればフィルタ4aの直径が4mm、フィルタ室4内の空間幅が0.3〜0.5mm程度の時にインクタンク7の抜き差し回数が10〜数10回行なっても記録動作によって該空気がフィルタ4aを通過することはなかった。この程度の空気の混入であれば図10中gまでの期間中は、明らかに脱気インクを記録ヘッド3に供給することができ、それによりインクタンク7を中空針5に対して抜き差しする際に、中空針5より混入した空気はインクにとけ込み問題とはならない。しかしながら実使用においては中空針5よりインクタンク7を外したまま放置される場合などは充分に有り得る。この場合には大量に空気が混入する。大量に空気が混入すると混入した空気はフィルタ4aをふさぎインクの通過を妨げてしまう。その結果として記録ヘッド3は吐出不良となる。この場合には吸引ポンプ15を動作して吐出不良の回復動作を行うのであるが、インクの脱気度によって回復性に大きな差があることも実験によりわかった。図10中hで示す開封後2〜4週間程度までのインクであれば、フィルタ室4内の空気を吸引ポンプ15により吸引除去するのに何ら不具合はない。ところがこの期間を過ぎるとインク中の空気量は完全飽和、さらには過飽和状態となり、空気と共にフィルタ4aを通過するとフィルタ4aから記録ヘッド3にかけて微小気泡が発生することが確認された。この微小気泡が記録ヘッド3の圧力室にある場合には吐出不良となってしまう。
【0048】
以上説明したようにインクタンク7の交換時に混入する空気に対しては、インクの脱気の効果により吐出不良となるような不具合をなくすことが出来る。またフィルタ室4内に多量に空気が溜った場合に行う回復動作においてもインクの脱気の効果により、良好に回復動作を終了することができる。フィルタ室4内の空気量が一定以下であれば空気がインクと共にフィルタ4aを通過しないため、図10中g以降の飽和状態となったインクであっても回復動作時になんら不具合はない。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、インクタンクを減圧状態で密封することから、インクが再脱気されるとともに、減圧包装時や輸送時や保存状態でのインクの漏れがなくなる。またインクタンクと密封容器間に空間を設けて減圧包装したので、インクタンク内部よりインクの分解で発生したガスも、ケ−スを通して徐々に減圧包装内に吸収され、それによりインクタンクの使用初期に大変信頼性の高い状態に脱気されたインクを記録装置に供給することができる。これによりインクタンクの交換時にインク供給路内に混入してしまう空気による不具合を解消する。
【0050】
また減圧されたインクタンクを包装前に目視確認できることから、インク漏れ、ケ−スの変形等の工程検査が容易になる。
【0051】
さらに、非通気性の封止部材で、インクタンク7の上面を覆うことにより、実使用時のインク蒸発を最小限に抑える効果もある。
【0052】
以上により極めて信頼性が高く小型のインクジェット記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を説明するための主要断面図。
【図2】本発明のインクジェット記録装置に用いるインクタンクの主要部の分解斜視図。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の主要部の斜視図。
【図4】インクエンド検出回路を説明するためのブロック図。
【図5】本発明のインクジェット記録装置の主要部の斜視図。
【図6】本発明の製造工程を説明するフロ−チャ−ト。
【図7】本発明の封止部材による封止を説明する斜視図。
【図8】減圧包装容器内を説明するための断面図。
【図9】減圧包装されたインクタンクを説明するための斜視図。
【図10】窒素量と時間の関係を示した図。
【符号の説明】
3 ・・・・記録ヘッド
6 ・・・・インク溜まり
6a・・・・フォ−ム
7 ・・・・インクタンク
9 ・・・・連通孔
9a・・・・通気孔
21・・・・封止部材
22・・・・封止部材
23・・・・空間
25・・・・容器
26・・・・シール部
28・・・・スペーサ
29・・・・空間

Claims (4)

  1. インクを収容したインク溜り、該インク溜りのインクを外部に供給するための連通部、前記インク溜りと外部とを連通するための連通孔とを備え、前記連通孔は開封可能な非通気性の封止部材により減圧下で封止されることにより、前記インク溜りが減圧密封されたインクタンクであり、
    前記インクタンクは包装部材との間に空間を設けて減圧状態で密封包装されているインクタンク。
  2. 前記インク溜りには、インクが充填された多孔質部材が収容されている請求項1記載のインクタンク。
  3. 前記インクタンクと包装部材との間の空間は、通気性を有するスペーサにより形成されている請求項1記載のインクタンク。
  4. 前記インクが脱気インクである請求項1記載のインクタンク。
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