JP2004216797A - インクジェット記録装置及びインク供給方法 - Google Patents

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克哉 河合
Satoru Hida
悟 飛田
Masato Katada
真人 片田
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Abstract

【課題】本発明は、インク供給系内からエアを除くことにより、PZT駆動による高周波の振動によりインク内に含まれる溶存空気が発泡することからなる吐出不良ノズルの発生を防ぎ、吐出信頼性を高め、良好な画像を得ることを課題とする。
【解決手段】インクジェット式記録装置において、主インクタンク及びサブインクタンクは大気に開放されていない可撓性を有する容器にインクが真空充填され、主インクタンクは、サブインクタンクへインク供給を行う加圧手段を備え、主インクタンクとサブインクタンクを接続するインク配管及び前記サブインクタンクと前記ヘッド間を接続するインク配管とに夫々流路封止手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はPZT駆動(圧電素子の駆動)によりノズルからインク滴を吐出して記録紙に記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタにおいてヘッド内のエアの存在は、不吐出等不都合の原因となる。容易に視認できる大きさのエアは、当然、インク流路やノズルを塞ぐ等の不都合を起す。また、視認はできなくとも、インク内に含まれる溶存空気は、PZT駆動による高周波の振動により発泡し、やはり不吐出等の不都合を招く。この為、インクの脱気と、真空充填したインクタンク、及びインク流路全体をエア侵入を防ぐ構成として、インク供給系へのエアの混入をできる限り防止することは、ヘッドの吐出信頼性を高める上で重要である。
【0003】
エアの混入を防止する方法としては、インクタンクに脱気インクを真空充填することで、インク供給経路にエアを入れない方法と、インク供給経路に侵入したエアを除く方法とを複合した方法がある。
【0004】
脱気インクが真空充填されたインクタンクの構成として、例えばワイドフォーマット装置がある。しかし、ヘッドとインク液面との水頭差を適正な範囲に確保する為、インクタンク容量は大きくできない。高速化が進む中で、ライン方式のように大量の印刷を行う場合、インクの消費が多くなるため、小容量のインクカートリッジでは、交換頻度が多くなる。しかし、大容量にするとインクカートリッジ内のインクのFullとEmptyとでの水頭差の変化が大きくなり、適正な範囲内に水頭差を確保することが難しい。
【0005】
また、カートリッジ交換等においても、エアの混入が生じる。カートリッジとインク供給系との接続部にインク供給針を用い、極力エアの侵入を防ぐ方法も試みられているが、針の先端からわずかなエアが混入し、何度も交換すると、そのエアが大きく成長し、ヘッド内に移動し、吐出不良を招く。さらに、長期印刷しない場合に供給チューブ等からもエアが透過混入し、脱気したインクを使用しても、その混入エアにより発泡し、吐出不良を招く。
【0006】
供給チューブには、安価であり、インクに対する耐性も比較的備わっていることから、PE(ポリエチレン)が多く用いられる。しかし、PEのガスバリア性は決して良いとは言えない。そこで、チューブ最内部の接液部には耐薬品性、中間部にはガスバリア性を、そして、最外部には、強度及び柔軟性を持つ素材を配することで、インク供給用の配管チューブを構成している(例えば、特許文献1参照。)。しかし、チューブを多層構造とすることは、コスト高につながる。また、チューブの高剛性化にもつながり、配管の自由度を損なうこととなる。
【0007】
また、大容量の主インクタンクから加圧により、サブインクタンクに補給し、水頭差を保つ方式がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
しかし、サブインクタンクは大気開放されているため、インクを脱気しても再度エアが溶け込んでしまう。その為、長期印刷しない状態が続いた後の印刷開始前には、パージを行い、ヘッド内部ばかりでなく、サブインクタンク内のインクも含め、供給系内部のインクを大量に廃棄し、脱気インクと置換する必要がある。
【0009】
サブインクタンクはヘッドより下部の位置に取付けられるが、これは、液ダレの防止や、正常な吐出を得る為に、ヘッドとサブインクタンクとの間には一定の水頭差を設ける必要がある為である。サブインクタンクの取付け位置をヘッドより下部にすることで、負圧を得ている。しかし、特にライン方式のように大量の印刷を行う場合には、ヘッド下の被印刷物搬送スペースが、這い回されたチューブやサブインクタンク、主インクタンク等によって、制限を受ける等の不都合がでてくる。
【特許文献1】
特開平9―300652号公報
【特許文献2】
特開2001―212974号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これら不都合を解決し、PZT駆動による高周波の振動により、インク内に含まれる溶存空気が発泡し、ノズルに到るインクの流れを阻害することからなる吐出不良を防ぎ、吐出信頼性を高め、長時間の印刷が可能なインクジェット記録装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、インクを貯留する主インクタンクと、サブインクタンクと、其々を接続してインク滴を吐出するヘッドへインクを供給するインク供給流路と、ノズル開口部よりインクを吸引してパージを行うパージ手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記主インクタンク及びサブインクタンクは大気に開放されていない可撓性を有する容器にインクが真空充填され、主インクタンクは、サブインクタンクへインク供給を行う加圧手段を備え、主インクタンクとサブインクタンクを接続するインク配管及び前記サブインクタンクと前記ヘッド間を接続するインク配管とに夫々流路封止手段を備えることで達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明を説明する。
【0013】
図1は、本発明におけるインクジェット記録装置の一例を示す構成図である。本装置は、インクを貯留する主インクタンク4と、サブインクタンク3とは配管7によって接続されている。また、サブインクタンク3と、インク滴を吐出するヘッド1についても、配管7によって接続されており、主インクタンク4から、ヘッド1へと到るインク供給流路を形成している。また、本装置は、ヘッド1に複数配設されたノズル開口部よりインクを吸引してパージを行うパージ手段20を備えており、該パージ手段20は、キャッピング手段2と、吸引ポンプ5aと、廃インクタンク8によって構成されている。
【0014】
更に、細部について説明する。本装置の主インクタンク4、及びサブインクタンク3は、大気に開放されていない可撓性容器11a、11bを備え、インクが充填されている。主インクタンク4とサブインクタンク3とを接続するインク流路、及びサブインクタンク3とヘッド1間を接続するインク流路には、其々インク供給を封止する封止手段として開閉弁10a、10bが備えられている。
【0015】
また、主インクタンク4は、サブインクタンク3へインク供給を行う加圧手段として、加圧ポンプ6を備える。サブインクタンク3には、吸引ポンプ5b、圧力タンク9によって構成される気泡除去手段14と、加圧と負圧の切り替えが可能な加圧手段12と、負圧手段13を備える。
【0016】
ここで、配管7として、柔軟性と気密性を持たせるため、複層からなるPFA多層構造チューブを用いることが望ましく、常温常湿環境下における酸素透過率が、5cc/m・day・atm以下が良い。長期間装置を使用しないことが頻繁に発生するような場合は、2cc/m・day・atm以下にすることが望ましい。また、前記サブインクタンク3とヘッド1間の配管7は、ヘッド1が移動することを考慮して、屈曲性のよい材料を用い、主インクタンク4とサブインクタンク3の間は、固定可能な金属パイプを使用しても良い。このように、配管チューブ材料をエア低透過性材料とすることによって、インク内の溶存空気を脱気したインクに再混入させることを制限、或いは防止でき、それによるノズルの吐出異常を防止でき、信頼性の高い装置を提供できる。特に、サブインクタンク3と主インクタンク4間の配管7を金属製パイプにすることは、空気が溶け込んだ配管7内のインクをパージ手段20にて廃棄する量をヘッド1とサブインクタンク3間のみで良くし、排インクを減らすことができ、低ランニングコストを実現できる。
【0017】
また、主インクタンク4、及びサブインクタンク3は、加圧や負圧を与えるため密閉性の高い容器の中に、ガスバリア性を持つ素材で、且つ可撓性容器を納めることで構成される。例えば、内部容器の素材には、LDPE(低密度ポリエチレン)/AL(アルミニウム)/NY(ナイロン)の樹脂ラミネートALシートを用いている。最内部にLDPE、中間部にAL、最外部にNYを用いた構成であるが、多層シートを用いる場合は、インクと接する最内部には耐薬品性と熱融着性が、中間部にはガスバリア性が、最外部には、強度及び柔軟性が要求される。ガスバリア性のある素材としては、単体フィルムとして、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、アルミ蒸着CPP(無延伸ポリプロピレン)、アルミ蒸着OPP(ニ軸延伸ポリプロピレン)、アルミ蒸着LDPE、シリカ蒸着PET(ポリエステル)、等があり、単体で用いることも可能である。EVOHもガスバリア性に優れる。また、PETは強度があり、最外部に用いることも可能である。ガスバリア性を持つ可撓性容器であれば、本発明の要求する効果を得ることができ、実施例に限らず、他の構成からなるガスバリア性フィルム、或いは、ガスバリア性可撓性容器を用いることも可能である。
【0018】
以下、本発明におけるインクジェット記録装置の各部動作について説明する。先ず、初期充填、いわゆるプライミングにおける動作を図2のフローチャート図に従い説明する。
【0019】
可撓性の袋11aにインクが真空充填された主インクタンク4が装置に取付けられたことが、図示していないセンサによって確認されると、開閉弁10bは閉ざされ、開閉弁10aが開放される。次に、加圧ポンプ6が動作し、主インクタンク4の外殻と可撓性容器11aとの間にエアが充填されるとインクは配管7を経てサブインクタンク3へと供給される。サブインクタンク3内のインク量が図示していない検知手段によりHighレベルとなったことが検知されると、開閉弁10aを封止する。尚、サブインクタンク3内のインク量がHighレベルと検知されない場合は、開閉弁10aは封止されず、主インクタンク4からサブインクタンク3へとインクが供給され続ける。
【0020】
主インクタンク4からインクがサブインクタンク3へと供給され、サブインクタンク3内のインク量がHighレベルとなり、開閉弁10aが封止された直後の状態にあっては、サブインクタンク3内のインクには、配管7内に残留していたエアも混入している。そこで、サブインクタンク3へのインク充填が完了した後、気泡除去手段14により、サブインクタンク3内からのエアの除去が行われ、その時間は配管7内及びサブインクタンク3内に残留している僅かな空気をとる程度で、前もって実験的に決めておく。
【0021】
サブインクタンク3内に混入したエアは、サブインクタンク3内部の可撓性容器11bの形状に沿い、上部に集合する。気泡除去手段とサブインクタンク3を連結するパイプのサブインクタンク3の開口部は、この気泡が集合する最上部に設けられる。気泡除去手段14の吸引ポンプ5bの駆動により、サブインクタンク3内に混入したエアは、圧力タンク9へ吸引される。圧力タンク9からの気泡の逆流を防止するため、封止弁21aが配置されている。
【0022】
尚、ここに示した方法以外にも気泡除去手段はあり、例えば、吸引ポンプ5bを真空ポンプとし、サブインクタンク3内部を低圧状態とすることで、インクに溶存した気泡を発泡させ、サブインクタンク3内部から除去する方法を用いてもよい。
【0023】
ここまでの動作の間、開閉弁10bは、閉ざされている。サブインクタンク3内からのエアの除去が行われた後、開閉弁10bが開放され、前記パージ手段20により、インクがヘッド1へと供給される。その後、図示していない保全動作、例えばノズル開口部をクリーニングするワイプの実行などを行う。さらに、ノズル吐出のチェック機能がついている装置であれば、吐出の正常を確認した後、インク充填が完了する。
【0024】
この様に、インク供給系を、エアバリア性のある材料で構成し、更に、気泡除去手段を用い、混入エアをインク中から除くことによって、ヘッド1へ混入エアの無いインクを供給することができ、ヘッド1内部での発泡によるインク不吐出等の不都合を、防止することができる。
【0025】
次に、印刷途中でのサブインクタンク3と主インクタンク4のインクの補給動作について、図3のフローチャート図に従い説明する。上記したようにインクがヘッド1に充填されると印刷が可能になる。印刷を継続していけば、当然サブインクタンク3のインクが消費される。そこで、サブインクタンク3中の残留インク量がLowレベルに到り、図示していない検知手段により、Lowレベルにあることが検知されると、印刷を中断し開閉弁10bが封止し、開閉弁10aが開放される。そして、加圧ポンプ6が動作し、主インクタンク4から前記検知手段がhighレベルとなるまでインクが補充される。この動作が繰り返されると、主インクタンク4のインクも消費されていく。そこで、サブインクタンク3へインクを補充している時は、主インクタンク4のインク残量も検知しておく必要があり、その過程中にインクが無くなれば(Lowを検出)、開閉弁10aを閉じ、主インクタンクの交換、または、インクの補充を行う。この際も主インクタンク4からサブインクタンク3にインクが供給された後、気泡除去手段14により、サブインクタンク3内からのエアの除去が行われ、混入エアの無い状態のインクがヘッド1へと供給される。Lowが検知されなければ、開閉弁10aを封止し、開閉弁10bを開放し、印刷が可能となる。
【0026】
また、主インクタンク4取外しの際には、主インクタンク4への加圧は解除され、主インクタンク4内部の圧力は大気圧に開放される。これにより、主インクタンク4中に僅かに残留したインクの飛散を防止でき、周囲が汚染されることが無くなる。
【0027】
なお、図示していないが、インクレベルの検知手段としては、磁気センサ、変位センサ等の各種センサや、電極を用いる方法、吐出インク量や、印刷時間からインク残量を推測する方法、或いは、これら複数を組み合わせた方法等があるが、何れの方法であっても可能である。
【0028】
本発明では、サブインクタンク3には、加圧手段12と負圧手段13が備えられており、容易に切り替え可能なように構成され、必要に応じて制御するようになっている。
【0029】
前記サブインクタンク3は、インクが消費されてくるとヘッド1がインクを吸引する力が必要になる。いわゆる水頭圧差が大きくなる。これをカバーするためにインク残量が少なくなって来てもサブインクタンク3を加圧手段12により加圧することで前記水頭差変動を抑えることができ、安定した吐出が可能となる。
【0030】
また、サブインクタンク3は、ヘッド1からのインク垂れを防止するために負圧の水頭差で維持する必要がある。このため、負圧手段13がない場合は、ヘッド1のノズル開口面より低位置に保持する必要がある。しかし、負圧手段13を備えることでヘッド1との水頭差を考慮する必要は無く、同じ高さ、或いは上部に設置することができるので、ヘッドを固定して、下向きに吐出するようなライン方式印刷装置などでは、印刷ユニットにあるヘッド1の直前にサブインクタンク3を配置することができ、設置の自由度が増す。
【0031】
ここで、加圧手段12により、サブインクタンク3内のインクが少なくなったときに加圧し、水頭差を維持させる場合、前記負圧手段13は、本実施例ではポンプを使用しているが、機械的なばねを利用したものが良い。
【0032】
本実施例では、サブインクタンク3に作用する、負圧手段13と、加圧手段12を別々に設けているが、例えば、一個のポンプにより、負圧と加圧の両機能を持たせ、インクの消費が進むと、負圧を解除し、加圧を行うものとしても良い。
【0033】
次に長時間印刷データが無く、例えば、電源をONした状態で待機している場合についての動作を、図4のフローチャート図に示す。印刷中にあっては、配管7よりエアが溶け込んでも直ちに消費されるので、不吐出となるほど溶け込むことは無い。しかし、印刷していないときは、配管7より溶け込むエアの量は、飽和状態になるまで積算されるため、不吐出発生の要因となる。
【0034】
本実施例では、所定時間印刷データが送信されない状態が続くと、開閉弁10bが開放された状態で、負圧手段13を所定時間駆動することにより、ヘッド1内部、及びヘッド1からサブインクタンク3間の配管7内部に残留しているインクを、強制的にサブインクタンク3内部に戻す。この際、負圧手段13の駆動時間は、前もって実験的に決めておくと良い。負圧手段13が停止すると、開閉弁10bが封止され、気泡除去手段14により、サブインクタンク3内からのエアの除去が行われる。キャッピング手段2によって、ヘッド1にキャップがなされた状態で印刷データが来るまでは、待機状態となる。印刷データが来ると、図2に示すサブインクタンク3内のエア除去後のプライミングにおける動作と同様に、開閉弁10bが開放され、パージ動作、保全動作、吐出チェックを行い、印刷が可能となる。ここで、主インクタンク4とサブインクタンク3の配管7からエアが侵入しても、印刷を再開する際にサブインクタンク3内で配管7内の溶存エアの飽和度を下げることができるので、不吐出に至ることはない。
【0035】
他の例として、長期間印刷が行われない場合、例えば、電源をOFFした状態での動作について説明する。電源をOFFしないで長時間印刷が行われない状態が続く場合は、図4のフローチャート図に示すように、サブインクタンク3内部にインクが密封されるようにすることで、インク中へのエア混入を防止でき、問題なく印刷を開始することができる。しかし、長期間印刷がなされない場合、インク中へのエア混入を防止するためには、インクが残留する供給系の接続部分を減らし、一箇所に密封することがより一層有効である。そこで、本実施例では、サブインクタンク3内に戻したインクを、更に主インクタンク4まで戻し、インク供給系内部のインクの残留する箇所を、主インクタンク4内部のみにするものとした。
【0036】
図5は、長期間印刷が行われない場合の動作を示したフローチャート図である。
例えば、長期間印刷データが入力されない状態が続いた場合、例えば、電源OFFとなり、長期間印刷が行われないことが予測できる場合の例を示す。先ず、ヘッド1内部、及びヘッド1からサブインクタンク3間の配管7内部に残留しているインクを、負圧手段13を所定時間駆動することにより、強制的にサブインクタンク3内部に戻し、開閉弁10bが封止される。更に、開閉弁10aを開放し、気泡除去手段14とサブインクタンク3との間の封止弁21aが開放される。印刷中のように、サブインクタンク3へのインク供給が必要でない状態では、主インクタンク4への加圧は解除されているので、開閉弁10aの開放によってサブインクタンク3と主インクタンク4とが連通し、更に封止弁21aが開放され、サブインクタンク3が大気開放されると、サブインクタンク3内部のインクは、重力により、主インクタンク4内へと流れる。流出が進み、サブインクタンク3内部のインク残量が、Lowレベルにあることが検知されると、封止弁21aは封止され、動作は終了する。再び印刷を行う際は、図2に示すプライミング動作が行われ、ヘッド1にインクが充填される。
【0037】
また、図5に示す動作は、図7に示す他の例のようにサブインクタンク3に負圧手段13を有し、大気開放弁25によって大気に開放されたインク供給経路を有する装置である場合、特に有効的な手段である。この場合、図5に示すフローチャートおける負圧手段13が動作している時は、前記大気開放弁25を閉じておけば良いことである。このことで、装置自体も非常にコンパクトに設計が可能となる。
【0038】
以上の動作を実施することで、配管7の材質を比較的ガスバリア性の低い、安価なPE等を使用することが可能となる。
【0039】
図6は、主インクタンク4、および、サブインクタンク3の加圧手段を共通のものとした、本発明における更に他の実施例を示す構成図である。本実施例では、共通の加圧手段として、加圧ポンプ6を用いている。主インクタンク4の加圧手段と、サブインクタンク3の加圧手段とを共有することにより、部品の共通化や、全体構成の簡略化がなり、コスト低減や、全体構成の小型化が可能となる。以下に、主インクタンク4、サブインクタンク3、各々への加圧動作を説明する。
【0040】
主インクタンク4への加圧がなされる場合には、開閉弁10cは封止され、開閉弁10dが開放され、加圧ポンプ6により、加圧がなされる。主インクタンク4に加圧がなされるのは、サブインクタンク3へインクが供給されるときであり、この時サブインクタンク3に対し、加圧ポンプ6を動作させることは、インクをサブインクタンク3から主インクタンク4へ逆流させることになるので、当然ながらサブインクタンク3に対し、加圧ポンプ6を動作させるは必要ない。
【0041】
また、サブインクタンク3への加圧がなされる場合には、開閉弁10dは封止され、開閉弁10cが開放され、加圧ポンプ6により加圧がなされる。サブインクタンク3への加圧がなされるときは、開閉弁10aは封止されており、また、開閉弁10dも封止されているので、加圧ポンプ6により主インクタンク4を加圧する必要はない。
【0042】
このように、加圧ポンプ6が、主インクタンク4、および、サブインクタンク3に同時に作用することはないので、開閉弁10c、開閉弁10dによって、主インクタンク4、サブインクタンク3への加圧を切替えた場合も、主インクタンク4、および、サブインクタンク3の各々に別個の加圧手段を用いた場合と同様なフローチャートを適用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、PZT駆動による高周波の振動によりインク内に含まれる溶存空気が発泡し、ノズルに到るインクの流れを阻害することからなる吐出不良を防ぎ、吐出信頼性を高めるとともに長時間の印刷が可能なインクジェット記録装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインクジェット記録装置の実施例を示すの構成図である。
【図2】本発明におけるインクジェット記録装置の初期充填動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明におけるインクジェット記録装置のインク補給動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明におけるインクジェット記録装置の印刷停止時の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明におけるインクジェット記録装置の長期間の印刷停止時の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明におけるインクジェット記録装置の他の例を示す構成図である。
【図7】本発明におけるインクジェット記録装置の更に他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1はヘッド、2はキャッピング手段、3はサブインクタンク、4は主インクタンク、5a、5bは吸引ポンプ、6は加圧ポンプ、7は配管、8は廃インクタンク、9は圧力タンク、10aは開閉弁1、10bは開閉弁2、10c、10dは開閉弁、11a、11bは可撓性容器、12は加圧手段、13は負圧手段、14は気泡除去手段、20はパージ手段、21a、21b、21c、21dは封止弁、25は大気開放弁である。

Claims (12)

  1. インクを貯留する主インクタンクと、サブインクタンクと、夫々を接続してインク滴を吐出するヘッドへインクを供給するインク供給流路と、ノズル開口部よりインクを吸引してパージを行うパージ手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記主インクタンク及びサブインクタンクは大気に開放されていない可撓性を有する容器にインクが真空充填され、主インクタンクは、サブインクタンクへインク供給を行う加圧手段を備え、主インクタンクとサブインクタンクを接続するインク配管及び前記サブインクタンクと前記ヘッド間を接続するインク配管とに夫々第1及び第2の流路封止手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記サブインクタンクは、負圧手段、または、負圧手段及び加圧手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記サブインクタンクは、気泡除去手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インク配管用のチューブ材料は、主インクタンクとサブインクタンク間は金属製の固定配管で、サブインクタンクとヘッド間は屈曲性のある樹脂材料であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記サブインクタンクは、可撓性を有する密閉容器であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記主インクタンクとサブインクタンクを接続するインク配管の材料は、常温常湿環境下における酸素透過率が、5cc/m・day・atm以下の材料であることを特徴とする、請求項1または4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記サブインクタンクの加圧手段は前記主インクタンクの加圧手段が兼ねていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  8. 請求項1記載のインクジェット記録装置において、
    前記サブインクタンクにインクを供給するときは前記ヘッドとサブインクタンク間の第2の封止手段を封止し、前記ヘッドへインクを供給するときは、主インクタンクとサブインクタンク間の第1の封止手段を封止することを特徴とするインク供給方法。
  9. 請求項3記載のインクジェット記録装置において、
    サブインクタンクにインクが補給された後に前記気泡除去手段を動作する工程を有することを特徴とするインク供給方法。
  10. 請求項1記載のインクジェット記録装置において、
    印刷開始前にはパージを実施し、ヘッドとサブタンク間のチューブ内インクを除去することを特徴とするインクジェット供給方法。
  11. 請求項1記載のインクジェット記録装置において、
    印刷待機中は、前記負圧手段により強制的にインクをサブインクタンクに戻す工程と、再度印刷を開始する時は前記パージ手段にてインクをヘッドへ供給充填する工程とからなるインク供給方法。
  12. 請求項1記載のインクジェット記録装置において、
    前記負圧手段により強制的にインクをサブインクタンクに戻す工程と、その後、前記第2の封止手段を封止し、第1の封止手段を開放する工程を実施してから装置電源がOFFされることを特徴するインク供給方法。
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