JP2004129334A - ブラシホルダアセンブリの固定構造及びモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することが可能なブラシホルダアセンブリの固定構造、及びその固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータを提供すること。
【解決手段】ギヤハウジング11には支柱部51が突出形成され、その支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。一方、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記支柱部51が挿通される締結孔61が形成され、該締結孔61の内周面から前記支柱部51に向かって支持突起62が突出形成されている。その結果、前記支柱部51が前記締結孔61に軽微圧入状態で挿通される。そして、前記支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることにより、ブラシホルダアセンブリ21が前記支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【選択図】 図8
【解決手段】ギヤハウジング11には支柱部51が突出形成され、その支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。一方、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記支柱部51が挿通される締結孔61が形成され、該締結孔61の内周面から前記支柱部51に向かって支持突起62が突出形成されている。その結果、前記支柱部51が前記締結孔61に軽微圧入状態で挿通される。そして、前記支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることにより、ブラシホルダアセンブリ21が前記支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのブラシホルダアセンブリをモータのハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造、及びその固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータのブラシホルダアセンブリは、モータのハウジングに固定される基板及びその基板に固定されたブラシホルダを備えている。そして、ブラシホルダ内には、コンミテータに摺接されるブラシ及びそのブラシをコンミテータ側に付勢するスプリングが収容されている。その結果、モータでは、ブラシをスプリングの付勢力によってコンミテータに摺接させることにより、外部からの直流電源を機械的に整流して巻線に供給している。
【0003】
ところで、このようなモータのブラシホルダアセンブリをハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造として、ブラシホルダアセンブリの基板をネジでハウジングに締結固定した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このようなネジを用いた固定構造のモータでは、コンミテータに摺接されたブラシの振動が、ブラシホルダ、基板、ネジを介してハウジングに伝達されることに伴って騒音が発生する。
【0004】
そこで、このようなブラシの振動に伴う騒音を抑制するために、ブラシホルダアセンブリの基板とハウジングとの間にゴム等の弾性部材を介在させた上で、基板をネジでハウジングに締結固定した構成のブラシホルダアセンブリの固定構造も知られている(例えば、特許文献2参照。)。このような弾性部材を介在させた固定構造のモータでは、特許文献1のモータと同様に、ブラシの振動がハウジングに伝達されるものの、その伝達の途中で振動の一部が弾性部材で吸収される。従って、特許文献2のモータでは、特許文献1のモータと比較して、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平07−046788号公報(段落番号0011、図2、図3)
【特許文献2】
実開昭64−047553号公報(明細書第9頁第13行−第10頁第4行、第1A図、第1C図、第1D図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2のモータでは、基板をネジでハウジングに締結固定する締結固定部毎に弾性部材が必要である。このため、部品点数が増加することは勿論のこと、組付工数も増加することから、コストアップとなる。そして、コストアップとなることを回避するために、弾性部材を省略して、上記した単にネジを用いただけの固定構造を採用すると、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することはできない。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することが可能なブラシホルダアセンブリの固定構造、及びその固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、コンミテータに摺接されるブラシを収容保持するブラシホルダと、そのブラシホルダが固定される基板とを備えたブラシホルダアセンブリをモータのハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記ハウジングには支柱部が突出形成され、その支柱部には、上端面から当該支柱部の軸線方向にネジ孔が凹設形成され、前記基板には、前記支柱部が挿通される締結孔が形成され、該締結孔の内周面から前記支柱部に向かって又は前記支柱部の外周面から前記締結孔の内周面に向かって支持突起が突出形成され、前記支柱部が前記締結孔に軽微圧入状態で挿通され、前記支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が締結されることにより、前記ブラシホルダアセンブリが前記支柱部の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、基板は、支持突起により支柱部と締結孔とが部分的な接触で支持される。このため、ブラシが振動しても、ブラシホルダアセンブリからハウジングへの振動の伝達が抑制される。しかも、従来のブラシホルダアセンブリの固定構造とは異なり、ブラシホルダアセンブリとハウジングとの間にゴム等の弾性部材を介在させる必要はない。
【0010】
また、支柱部が締結孔に軽微圧入されるため、ブラシホルダアセンブリのガタツキ、つまり支柱部の径方向へのガタツキが低減される。さらに、このような軽微圧入による支持により、締結部材でブラシホルダアセンブリがハウジングに最終固定されるまでの仮保持が実現される。従って、組付作業者が自身の手でブラシホルダアセンブリをハウジングに対して保持する必要はないことから、締結作業性が向上する。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記基板の締結孔周縁における前記支柱部基端側の面には、前記支柱部に形成されたネジ孔に前記締結部材が螺合されることに伴って前記ハウジングに当接し、押し潰される複数の押潰突起が形成されている。
【0012】
従って、請求項2に記載の発明によれば、支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が螺合されることに伴って、基板の締結孔周縁に形成された複数の押潰突起の一部が押し潰される。このため、ブラシホルダアセンブリのガタツキ、つまり支柱部の軸線方向へのガタツキが調整され低減される。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状をなしている。
【0014】
従って、請求項3に記載の発明によれば、支柱部と締結孔との接触面積が狭くなる。このため、ブラシが振動しても、ブラシホルダアセンブリからハウジングへの振動の伝達が極力抑制される。また、締結孔に対する支柱部の軽微圧入が容易である。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支持突起は対向して一対形成され、それら一対の支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状がU字状をなし、かつ前記支柱部の外周面に弾性接触する。
【0016】
従って、請求項4に記載の発明によれば、一対の支持突起は、支柱部の外周面に弾性接触して支柱部を挟持する。このため、振動がより効果的に吸収されることから、振動の伝達が低減される。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支柱部は、先細の円錐台形状をなしている一方、前記締結孔は、前記円錐台形状の支柱部に対応して逆円錐台形状をなしており、前記支柱部の高さ寸法は、前記ハウジングの支柱部基端面から前記基板の締結孔上端面までの高さ寸法よりも小さい。
【0018】
従って、請求項5に記載の発明によれば、支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が螺合されることに伴って、締結孔と支柱部とのガタツキ、つまり支柱部の径方向へのガタツキが低減される。その結果、ブラシホルダアセンブリとハウジングとのガタツキが低減される。
【0019】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記締結孔の内径寸法よりも大きな外径寸法を有するワッシャを介して前記締結部材を前記支柱部に形成されたネジ孔に締結し、かつ前記ワッシャを前記締結孔周縁に接触させた。
【0020】
従って、請求項6に記載の発明によれば、ワッシャの外径寸法は、締結孔の内径寸法よりも大きい。このため、支持突起の周辺部分、つまり締結孔の内周面と支柱部の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間は、ワッシャで覆われることになる。従って、かかる隙間に異物、例えばブラシの摩耗粉やコンミテータの摩耗粉等の粉塵が侵入することが防止される。その結果、ブラシの振動に伴うブラシホルダアセンブリの微小振動によって異物が締結孔の内周面を摩耗させることが防止される。
【0021】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定した。
【0022】
従って、請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明の作用が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、車両のウインドシールドガラス(フロントガラス)に付着した雨滴等を払拭する車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるワイパモータ1を示す。このワイパモータ1は、モータ部2と減速部3とから構成されている。
【0024】
前記モータ部2において、ヨークハウジング4は、導電性金属材料よりなり、有底円筒状に形成されている。ヨークハウジング4の内周面には複数個のマグネット5が固定され、該マグネット5の内側にはアーマチャ6が回転可能に収容されている。ヨークハウジング4の底部には、アーマチャ6の回転軸7の基端部を回転可能に支持するスラスト軸受8及びラジアル軸受81が設けられている。ヨークハウジング4の開口部4aには、突出した回転軸7を覆うように減速部3のギヤハウジング11がネジ12により組み付けられる。
【0025】
前記減速部3において、ギヤハウジング11は、アルミ合金等の金属材料よりなり、前記ヨークハウジング4の開口部4aと略同形状の開口部11aを有するとともに、内部に配置される回転軸7の先端部側及び図示しないウォームホイール等を収容可能な所定形状に形成されている。ギヤハウジング11内には、前記回転軸7の中央部を回転可能に支持する軸受14が固定されるとともに、該回転軸7の先端部を回転可能に支持する軸受部11bが形成されている。これら軸受14と軸受部11bとの間の前記回転軸7にはウォーム7aが形成され、該ウォーム7aは前記図示しないウォームホイールと噛合されている。ウォームホイールには出力軸15が一体回転するように設けられており、回転軸7が回転することにより、回転軸7と直交する方向に配置される該出力軸15が回転される。尚、このギヤハウジング11は、車両用ワイパ装置の取付ブラケットに取り付けられている。そして、出力軸15には、車両用ワイパ装置のリンク機構を介してワイパアームが駆動連結されており、出力軸15が回転することにより、ワイパアームが所定の払拭動作を行うようになっている。
【0026】
図2に示すように、前記ギヤハウジング11の開口部11aには、前記モータ部2を構成するブラシホルダアセンブリ21が組み付けられている。このブラシホルダアセンブリ21は、略円環状の基板22を備えている。基板22は、絶縁性の樹脂材料よりなり、その中央部には前記回転軸7が挿通されている。そして、基板22(ブラシホルダアセンブリ21)は、ワッシャ23を介してネジ24を螺着することによりギヤハウジング11に2箇所で固定されている。
【0027】
前記基板22には、ブラシホルダ25〜27が固定されている。これらブラシホルダ25〜27には、コンミテータ6aに摺接されるブラシ28〜30がそれぞれ収容保持されている。尚、ブラシ28はコモン用ブラシ、ブラシ29は低速用ブラシ、ブラシ30は高速用ブラシである。また、基板22には、ブラシ28〜30をそれぞれコンミテータ6a側に付勢する3つの捻りコイルバネ31が設けられている。さらに、ブラシホルダアセンブリ21を構成する部品としては、ノイズ防止用のチョークコイル32、回路保護用のサーキットブレーカ35等がある。そして、ブラシ28〜30、チョークコイル32、サーキットブレーカ35等の部品は電気的に接続されている。その結果、ワイパモータ1は、車両側からコネクタCN(図1参照)を介してブラシ28〜30等に電源が供給され、図2に示すアースターミナル45及び一方のネジ24を介して接地される。
【0028】
次に、ブラシホルダアセンブリ21をギヤハウジング11に固定するブラシホルダアセンブリ21の固定構造について説明する。
図3及び図4に示すように、ギヤハウジング11には、一対の支柱部51が突出形成されている。そして、これら支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。
【0029】
一方、図5及び図6に示すように、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記ギヤハウジング11の支柱部51が軽微圧入状態で挿通される一対の締結孔61が形成されている。即ち、それぞれの締結孔61の内周面には、締結孔61の中心に向かって、換言すれば締結孔61に挿通される支柱部51に向かって4つの支持突起62が突出形成されている(図6参照)。各支持突起62は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状、本実施形態では略半円形状をなしている。尚、図5では、説明の便宜上、アースターミナル45が省略してある。
【0030】
また、図7に示すように、基板22の上面、つまり支柱部51先端側の面には、締結孔61の周縁に沿って上側段部22aが上方に突出形成されている。一方、基板22の下面、つまり支柱部51基端側の面には、締結孔61の周縁に沿って下側段部22bが下方に突出形成されている。そして、下側段部22bには、複数の押潰突起63が形成されている。本実施形態では、押潰突起63は、4つの支持突起62の近傍に合計4つ形成されている(図6参照)。ここで、支柱部51の高さ寸法H1は、ギヤハウジング11の支柱部51基端面から基板22の締結孔61上端面までの高さ寸法H2、つまり押潰突起63の下端から上側段部22aの上端までの寸法よりも小さい。また、ワッシャ23の外径寸法R1は、締結孔61の内径寸法R2よりも大きい。
【0031】
このため、図8に示すように、ネジ孔52にワッシャ23を介してネジ24が螺合されると、支持突起62の周辺部分、つまり締結孔61の内周面と支柱部51の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間S(図6参照)は、ワッシャ23で覆われることになる。そして、ワッシャ23は、締結孔61周縁の上側段部22aに接触することになる。また、このようにネジ24が螺合されることに伴って、4つの押潰突起63は、ギヤハウジング11に当接し、ガタツキ度合いに応じてそれぞれ押し潰される。その結果、ブラシホルダアセンブリ21は、支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0032】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)ギヤハウジング11には支柱部51が突出形成され、その支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。一方、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記ギヤハウジング11の支柱部51が挿通される締結孔61が形成され、該締結孔61の内周面から前記支柱部51に向かって4つの支持突起62が突出形成されている。その結果、前記支柱部51が前記締結孔61に軽微圧入状態で挿通される。そして、前記支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることにより、ブラシホルダアセンブリ21が前記支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0033】
このように基板22は、支持突起62により支柱部51と締結孔61とが部分的な接触で支持される。このため、ブラシ28〜30が振動しても、ブラシホルダアセンブリ21からギヤハウジング11への振動の伝達が抑制される。しかも、従来のブラシホルダアセンブリの固定構造とは異なり、ブラシホルダアセンブリ21とギヤハウジング11との間にゴム等の弾性部材を介在させる必要はない。従って、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0034】
(2)上記のように支柱部51が締結孔61に軽微圧入される。このため、ブラシホルダアセンブリ21のガタツキ、つまり支柱部51の径方向へのガタツキを低減することができる。
【0035】
(3)上記のような軽微圧入による支持により、ネジ24でブラシホルダアセンブリ21がギヤハウジング11に最終固定されるまでの仮保持が実現される。従って、組付作業者が自身の手でブラシホルダアセンブリ21をギヤハウジング11に対して保持する必要はないことから、締結作業性を向上させることができる。
【0036】
(4)基板22の締結孔61周縁における支柱部51基端側の面、つまり基板22の下面から突出形成された下側段部22bには、複数の押潰突起63が形成されている。このため、支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることに伴って、複数の押潰突起63の一部が押し潰される。従って、ブラシホルダアセンブリ21のガタツキ、つまり支柱部51の軸線方向へのガタツキを調整して低減することができる。
【0037】
(5)前記支持突起62は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状、本実施形態では略半円形状をなしている。このため、支柱部51と締結孔61との接触面積が狭くなる。従って、ブラシ28〜30が振動しても、ブラシホルダアセンブリ21からギヤハウジング11への振動の伝達が極力抑制される。その結果、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を確実に抑制することができる。また、圧入抵抗が小さくなり、締結孔61に対する支柱部51の軽微圧入にかかる作業を容易に行うことができる。
【0038】
(6)締結孔61の内径寸法R2よりも大きな外径寸法R1を有するワッシャ23を介してネジ24をネジ孔52に螺合し、かつワッシャ23を締結孔61周縁の上側段部22aに接触させている。このため、支持突起62の周辺部分、つまり締結孔61の内周面と支柱部51の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間Sは、ワッシャ23で覆われることになる。従って、かかる隙間Sに異物、例えばブラシ28〜30の摩耗粉やコンミテータ6aの摩耗粉等の粉塵が侵入することが防止される。その結果、ブラシ28〜30の振動に伴うブラシホルダアセンブリ21の微小振動によって異物が締結孔61の内周面を摩耗させることを防止することができる。
【0039】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・締結孔61の内周面から支柱部51に向かって支持突起62を突出形成する構成に代えて、図9に示すように、支柱部51の外周面から締結孔61の内周面に向かって4つの支持突起53を突出形成した構成としてもよい。
【0040】
・図10に示すように、対向する一対の支持突起64を基板22に設けた構成としてもよい。即ち、支持突起64は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状がU字状をなし、かつ支柱部51の外周面に弾性接触する。このように構成すれば、支柱部51は、一対の支持突起64により挟持される。このため、振動がより効果的に吸収されることから、振動の伝達が低減される。従って、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0041】
・図11及び図12に示すように、支柱部51を先細の円錐台形状とする一方、締結孔61を前記円錐台形状の支柱部51に対応して逆円錐台形状とした構成としてもよい。このように構成すれば、ネジ孔52にネジ24が螺合されることに伴って、締結孔61と支柱部51とのガタツキ、つまり支柱部51の径方向へのガタツキが低減される。その結果、ブラシホルダアセンブリ21とギヤハウジング11とのガタツキが低減される。従って、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明によれば、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイパモータの正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】ギヤハウジングの側面図。
【図4】ギヤハウジングの正面図。
【図5】ブラシホルダアセンブリの平面図。
【図6】図5の要部拡大図。
【図7】図6のB−B断面図(固定前)。
【図8】図6のB−B断面図(固定後)。
【図9】別の実施形態の要部拡大図。
【図10】別の実施形態の要部拡大図。
【図11】別の実施形態の要部拡大図。
【図12】図11のC−C断面図。
【符号の説明】
1…モータとしてのワイパモータ、6a…コンミテータ、11…ハウジングとしてのギヤハウジング、21…ブラシホルダアセンブリ、22…基板、23…ワッシャ、24…締結部材としてのネジ、25〜27…ブラシホルダ、28〜30…ブラシ、51…支柱部、52…ネジ孔、53…支持突起、61…締結孔、62…支持突起、63…押潰突起、64…支持突起、H1…支柱部の高さ寸法、H2…ギヤハウジングの支柱部基端面から基板の締結孔上端面までの高さ寸法、R1…ワッシャの外径寸法、R2…締結孔の内径寸法。
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのブラシホルダアセンブリをモータのハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造、及びその固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータのブラシホルダアセンブリは、モータのハウジングに固定される基板及びその基板に固定されたブラシホルダを備えている。そして、ブラシホルダ内には、コンミテータに摺接されるブラシ及びそのブラシをコンミテータ側に付勢するスプリングが収容されている。その結果、モータでは、ブラシをスプリングの付勢力によってコンミテータに摺接させることにより、外部からの直流電源を機械的に整流して巻線に供給している。
【0003】
ところで、このようなモータのブラシホルダアセンブリをハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造として、ブラシホルダアセンブリの基板をネジでハウジングに締結固定した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このようなネジを用いた固定構造のモータでは、コンミテータに摺接されたブラシの振動が、ブラシホルダ、基板、ネジを介してハウジングに伝達されることに伴って騒音が発生する。
【0004】
そこで、このようなブラシの振動に伴う騒音を抑制するために、ブラシホルダアセンブリの基板とハウジングとの間にゴム等の弾性部材を介在させた上で、基板をネジでハウジングに締結固定した構成のブラシホルダアセンブリの固定構造も知られている(例えば、特許文献2参照。)。このような弾性部材を介在させた固定構造のモータでは、特許文献1のモータと同様に、ブラシの振動がハウジングに伝達されるものの、その伝達の途中で振動の一部が弾性部材で吸収される。従って、特許文献2のモータでは、特許文献1のモータと比較して、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平07−046788号公報(段落番号0011、図2、図3)
【特許文献2】
実開昭64−047553号公報(明細書第9頁第13行−第10頁第4行、第1A図、第1C図、第1D図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2のモータでは、基板をネジでハウジングに締結固定する締結固定部毎に弾性部材が必要である。このため、部品点数が増加することは勿論のこと、組付工数も増加することから、コストアップとなる。そして、コストアップとなることを回避するために、弾性部材を省略して、上記した単にネジを用いただけの固定構造を採用すると、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することはできない。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することが可能なブラシホルダアセンブリの固定構造、及びその固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、コンミテータに摺接されるブラシを収容保持するブラシホルダと、そのブラシホルダが固定される基板とを備えたブラシホルダアセンブリをモータのハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記ハウジングには支柱部が突出形成され、その支柱部には、上端面から当該支柱部の軸線方向にネジ孔が凹設形成され、前記基板には、前記支柱部が挿通される締結孔が形成され、該締結孔の内周面から前記支柱部に向かって又は前記支柱部の外周面から前記締結孔の内周面に向かって支持突起が突出形成され、前記支柱部が前記締結孔に軽微圧入状態で挿通され、前記支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が締結されることにより、前記ブラシホルダアセンブリが前記支柱部の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、基板は、支持突起により支柱部と締結孔とが部分的な接触で支持される。このため、ブラシが振動しても、ブラシホルダアセンブリからハウジングへの振動の伝達が抑制される。しかも、従来のブラシホルダアセンブリの固定構造とは異なり、ブラシホルダアセンブリとハウジングとの間にゴム等の弾性部材を介在させる必要はない。
【0010】
また、支柱部が締結孔に軽微圧入されるため、ブラシホルダアセンブリのガタツキ、つまり支柱部の径方向へのガタツキが低減される。さらに、このような軽微圧入による支持により、締結部材でブラシホルダアセンブリがハウジングに最終固定されるまでの仮保持が実現される。従って、組付作業者が自身の手でブラシホルダアセンブリをハウジングに対して保持する必要はないことから、締結作業性が向上する。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記基板の締結孔周縁における前記支柱部基端側の面には、前記支柱部に形成されたネジ孔に前記締結部材が螺合されることに伴って前記ハウジングに当接し、押し潰される複数の押潰突起が形成されている。
【0012】
従って、請求項2に記載の発明によれば、支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が螺合されることに伴って、基板の締結孔周縁に形成された複数の押潰突起の一部が押し潰される。このため、ブラシホルダアセンブリのガタツキ、つまり支柱部の軸線方向へのガタツキが調整され低減される。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状をなしている。
【0014】
従って、請求項3に記載の発明によれば、支柱部と締結孔との接触面積が狭くなる。このため、ブラシが振動しても、ブラシホルダアセンブリからハウジングへの振動の伝達が極力抑制される。また、締結孔に対する支柱部の軽微圧入が容易である。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支持突起は対向して一対形成され、それら一対の支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状がU字状をなし、かつ前記支柱部の外周面に弾性接触する。
【0016】
従って、請求項4に記載の発明によれば、一対の支持突起は、支柱部の外周面に弾性接触して支柱部を挟持する。このため、振動がより効果的に吸収されることから、振動の伝達が低減される。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記支柱部は、先細の円錐台形状をなしている一方、前記締結孔は、前記円錐台形状の支柱部に対応して逆円錐台形状をなしており、前記支柱部の高さ寸法は、前記ハウジングの支柱部基端面から前記基板の締結孔上端面までの高さ寸法よりも小さい。
【0018】
従って、請求項5に記載の発明によれば、支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が螺合されることに伴って、締結孔と支柱部とのガタツキ、つまり支柱部の径方向へのガタツキが低減される。その結果、ブラシホルダアセンブリとハウジングとのガタツキが低減される。
【0019】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、前記締結孔の内径寸法よりも大きな外径寸法を有するワッシャを介して前記締結部材を前記支柱部に形成されたネジ孔に締結し、かつ前記ワッシャを前記締結孔周縁に接触させた。
【0020】
従って、請求項6に記載の発明によれば、ワッシャの外径寸法は、締結孔の内径寸法よりも大きい。このため、支持突起の周辺部分、つまり締結孔の内周面と支柱部の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間は、ワッシャで覆われることになる。従って、かかる隙間に異物、例えばブラシの摩耗粉やコンミテータの摩耗粉等の粉塵が侵入することが防止される。その結果、ブラシの振動に伴うブラシホルダアセンブリの微小振動によって異物が締結孔の内周面を摩耗させることが防止される。
【0021】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定した。
【0022】
従って、請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明の作用が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、車両のウインドシールドガラス(フロントガラス)に付着した雨滴等を払拭する車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるワイパモータ1を示す。このワイパモータ1は、モータ部2と減速部3とから構成されている。
【0024】
前記モータ部2において、ヨークハウジング4は、導電性金属材料よりなり、有底円筒状に形成されている。ヨークハウジング4の内周面には複数個のマグネット5が固定され、該マグネット5の内側にはアーマチャ6が回転可能に収容されている。ヨークハウジング4の底部には、アーマチャ6の回転軸7の基端部を回転可能に支持するスラスト軸受8及びラジアル軸受81が設けられている。ヨークハウジング4の開口部4aには、突出した回転軸7を覆うように減速部3のギヤハウジング11がネジ12により組み付けられる。
【0025】
前記減速部3において、ギヤハウジング11は、アルミ合金等の金属材料よりなり、前記ヨークハウジング4の開口部4aと略同形状の開口部11aを有するとともに、内部に配置される回転軸7の先端部側及び図示しないウォームホイール等を収容可能な所定形状に形成されている。ギヤハウジング11内には、前記回転軸7の中央部を回転可能に支持する軸受14が固定されるとともに、該回転軸7の先端部を回転可能に支持する軸受部11bが形成されている。これら軸受14と軸受部11bとの間の前記回転軸7にはウォーム7aが形成され、該ウォーム7aは前記図示しないウォームホイールと噛合されている。ウォームホイールには出力軸15が一体回転するように設けられており、回転軸7が回転することにより、回転軸7と直交する方向に配置される該出力軸15が回転される。尚、このギヤハウジング11は、車両用ワイパ装置の取付ブラケットに取り付けられている。そして、出力軸15には、車両用ワイパ装置のリンク機構を介してワイパアームが駆動連結されており、出力軸15が回転することにより、ワイパアームが所定の払拭動作を行うようになっている。
【0026】
図2に示すように、前記ギヤハウジング11の開口部11aには、前記モータ部2を構成するブラシホルダアセンブリ21が組み付けられている。このブラシホルダアセンブリ21は、略円環状の基板22を備えている。基板22は、絶縁性の樹脂材料よりなり、その中央部には前記回転軸7が挿通されている。そして、基板22(ブラシホルダアセンブリ21)は、ワッシャ23を介してネジ24を螺着することによりギヤハウジング11に2箇所で固定されている。
【0027】
前記基板22には、ブラシホルダ25〜27が固定されている。これらブラシホルダ25〜27には、コンミテータ6aに摺接されるブラシ28〜30がそれぞれ収容保持されている。尚、ブラシ28はコモン用ブラシ、ブラシ29は低速用ブラシ、ブラシ30は高速用ブラシである。また、基板22には、ブラシ28〜30をそれぞれコンミテータ6a側に付勢する3つの捻りコイルバネ31が設けられている。さらに、ブラシホルダアセンブリ21を構成する部品としては、ノイズ防止用のチョークコイル32、回路保護用のサーキットブレーカ35等がある。そして、ブラシ28〜30、チョークコイル32、サーキットブレーカ35等の部品は電気的に接続されている。その結果、ワイパモータ1は、車両側からコネクタCN(図1参照)を介してブラシ28〜30等に電源が供給され、図2に示すアースターミナル45及び一方のネジ24を介して接地される。
【0028】
次に、ブラシホルダアセンブリ21をギヤハウジング11に固定するブラシホルダアセンブリ21の固定構造について説明する。
図3及び図4に示すように、ギヤハウジング11には、一対の支柱部51が突出形成されている。そして、これら支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。
【0029】
一方、図5及び図6に示すように、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記ギヤハウジング11の支柱部51が軽微圧入状態で挿通される一対の締結孔61が形成されている。即ち、それぞれの締結孔61の内周面には、締結孔61の中心に向かって、換言すれば締結孔61に挿通される支柱部51に向かって4つの支持突起62が突出形成されている(図6参照)。各支持突起62は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状、本実施形態では略半円形状をなしている。尚、図5では、説明の便宜上、アースターミナル45が省略してある。
【0030】
また、図7に示すように、基板22の上面、つまり支柱部51先端側の面には、締結孔61の周縁に沿って上側段部22aが上方に突出形成されている。一方、基板22の下面、つまり支柱部51基端側の面には、締結孔61の周縁に沿って下側段部22bが下方に突出形成されている。そして、下側段部22bには、複数の押潰突起63が形成されている。本実施形態では、押潰突起63は、4つの支持突起62の近傍に合計4つ形成されている(図6参照)。ここで、支柱部51の高さ寸法H1は、ギヤハウジング11の支柱部51基端面から基板22の締結孔61上端面までの高さ寸法H2、つまり押潰突起63の下端から上側段部22aの上端までの寸法よりも小さい。また、ワッシャ23の外径寸法R1は、締結孔61の内径寸法R2よりも大きい。
【0031】
このため、図8に示すように、ネジ孔52にワッシャ23を介してネジ24が螺合されると、支持突起62の周辺部分、つまり締結孔61の内周面と支柱部51の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間S(図6参照)は、ワッシャ23で覆われることになる。そして、ワッシャ23は、締結孔61周縁の上側段部22aに接触することになる。また、このようにネジ24が螺合されることに伴って、4つの押潰突起63は、ギヤハウジング11に当接し、ガタツキ度合いに応じてそれぞれ押し潰される。その結果、ブラシホルダアセンブリ21は、支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0032】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)ギヤハウジング11には支柱部51が突出形成され、その支柱部51には、上端面から当該支柱部51の軸線方向にネジ孔52が凹設形成されている。一方、ブラシホルダアセンブリ21の基板22には、前記ギヤハウジング11の支柱部51が挿通される締結孔61が形成され、該締結孔61の内周面から前記支柱部51に向かって4つの支持突起62が突出形成されている。その結果、前記支柱部51が前記締結孔61に軽微圧入状態で挿通される。そして、前記支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることにより、ブラシホルダアセンブリ21が前記支柱部51の軸線方向へ移動不能に固定される。
【0033】
このように基板22は、支持突起62により支柱部51と締結孔61とが部分的な接触で支持される。このため、ブラシ28〜30が振動しても、ブラシホルダアセンブリ21からギヤハウジング11への振動の伝達が抑制される。しかも、従来のブラシホルダアセンブリの固定構造とは異なり、ブラシホルダアセンブリ21とギヤハウジング11との間にゴム等の弾性部材を介在させる必要はない。従って、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0034】
(2)上記のように支柱部51が締結孔61に軽微圧入される。このため、ブラシホルダアセンブリ21のガタツキ、つまり支柱部51の径方向へのガタツキを低減することができる。
【0035】
(3)上記のような軽微圧入による支持により、ネジ24でブラシホルダアセンブリ21がギヤハウジング11に最終固定されるまでの仮保持が実現される。従って、組付作業者が自身の手でブラシホルダアセンブリ21をギヤハウジング11に対して保持する必要はないことから、締結作業性を向上させることができる。
【0036】
(4)基板22の締結孔61周縁における支柱部51基端側の面、つまり基板22の下面から突出形成された下側段部22bには、複数の押潰突起63が形成されている。このため、支柱部51に形成されたネジ孔52にネジ24が螺合されることに伴って、複数の押潰突起63の一部が押し潰される。従って、ブラシホルダアセンブリ21のガタツキ、つまり支柱部51の軸線方向へのガタツキを調整して低減することができる。
【0037】
(5)前記支持突起62は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状、本実施形態では略半円形状をなしている。このため、支柱部51と締結孔61との接触面積が狭くなる。従って、ブラシ28〜30が振動しても、ブラシホルダアセンブリ21からギヤハウジング11への振動の伝達が極力抑制される。その結果、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を確実に抑制することができる。また、圧入抵抗が小さくなり、締結孔61に対する支柱部51の軽微圧入にかかる作業を容易に行うことができる。
【0038】
(6)締結孔61の内径寸法R2よりも大きな外径寸法R1を有するワッシャ23を介してネジ24をネジ孔52に螺合し、かつワッシャ23を締結孔61周縁の上側段部22aに接触させている。このため、支持突起62の周辺部分、つまり締結孔61の内周面と支柱部51の外周面との間の部分に生じる僅かな隙間Sは、ワッシャ23で覆われることになる。従って、かかる隙間Sに異物、例えばブラシ28〜30の摩耗粉やコンミテータ6aの摩耗粉等の粉塵が侵入することが防止される。その結果、ブラシ28〜30の振動に伴うブラシホルダアセンブリ21の微小振動によって異物が締結孔61の内周面を摩耗させることを防止することができる。
【0039】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・締結孔61の内周面から支柱部51に向かって支持突起62を突出形成する構成に代えて、図9に示すように、支柱部51の外周面から締結孔61の内周面に向かって4つの支持突起53を突出形成した構成としてもよい。
【0040】
・図10に示すように、対向する一対の支持突起64を基板22に設けた構成としてもよい。即ち、支持突起64は、支柱部51の軸線方向に直交する方向の断面形状がU字状をなし、かつ支柱部51の外周面に弾性接触する。このように構成すれば、支柱部51は、一対の支持突起64により挟持される。このため、振動がより効果的に吸収されることから、振動の伝達が低減される。従って、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0041】
・図11及び図12に示すように、支柱部51を先細の円錐台形状とする一方、締結孔61を前記円錐台形状の支柱部51に対応して逆円錐台形状とした構成としてもよい。このように構成すれば、ネジ孔52にネジ24が螺合されることに伴って、締結孔61と支柱部51とのガタツキ、つまり支柱部51の径方向へのガタツキが低減される。その結果、ブラシホルダアセンブリ21とギヤハウジング11とのガタツキが低減される。従って、ブラシ28〜30の振動に伴う騒音を抑制することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明によれば、部品点数及び組付工数を増加させることなく、ブラシの振動に伴う騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイパモータの正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】ギヤハウジングの側面図。
【図4】ギヤハウジングの正面図。
【図5】ブラシホルダアセンブリの平面図。
【図6】図5の要部拡大図。
【図7】図6のB−B断面図(固定前)。
【図8】図6のB−B断面図(固定後)。
【図9】別の実施形態の要部拡大図。
【図10】別の実施形態の要部拡大図。
【図11】別の実施形態の要部拡大図。
【図12】図11のC−C断面図。
【符号の説明】
1…モータとしてのワイパモータ、6a…コンミテータ、11…ハウジングとしてのギヤハウジング、21…ブラシホルダアセンブリ、22…基板、23…ワッシャ、24…締結部材としてのネジ、25〜27…ブラシホルダ、28〜30…ブラシ、51…支柱部、52…ネジ孔、53…支持突起、61…締結孔、62…支持突起、63…押潰突起、64…支持突起、H1…支柱部の高さ寸法、H2…ギヤハウジングの支柱部基端面から基板の締結孔上端面までの高さ寸法、R1…ワッシャの外径寸法、R2…締結孔の内径寸法。
Claims (7)
- コンミテータに摺接されるブラシを収容保持するブラシホルダと、そのブラシホルダが固定される基板とを備えたブラシホルダアセンブリをモータのハウジングに固定するブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記ハウジングには支柱部が突出形成され、その支柱部には、上端面から当該支柱部の軸線方向にネジ孔が凹設形成され、
前記基板には、前記支柱部が挿通される締結孔が形成され、該締結孔の内周面から前記支柱部に向かって又は前記支柱部の外周面から前記締結孔の内周面に向かって支持突起が突出形成され、
前記支柱部が前記締結孔に軽微圧入状態で挿通され、
前記支柱部に形成されたネジ孔に締結部材が締結されることにより、前記ブラシホルダアセンブリが前記支柱部の軸線方向へ移動不能に固定されるブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記基板の締結孔周縁における前記支柱部基端側の面には、前記支柱部に形成されたネジ孔に前記締結部材が螺合されることに伴って前記ハウジングに当接し、押し潰される複数の押潰突起が形成されているブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状が円弧状をなしているブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1又は請求項2に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記支持突起は対向して一対形成され、それら一対の支持突起は、前記支柱部の軸線方向に直交する方向の断面形状がU字状をなし、かつ前記支柱部の外周面に弾性接触するブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記支柱部は、先細の円錐台形状をなしている一方、前記締結孔は、前記円錐台形状の支柱部に対応して逆円錐台形状をなしており、
前記支柱部の高さ寸法は、前記ハウジングの支柱部基端面から前記基板の締結孔上端面までの高さ寸法よりも小さいブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造において、
前記締結孔の内径寸法よりも大きな外径寸法を有するワッシャを介して前記締結部材を前記支柱部に形成されたネジ孔に締結し、かつ前記ワッシャを前記締結孔周縁に接触させたブラシホルダアセンブリの固定構造。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のブラシホルダアセンブリの固定構造によりブラシホルダアセンブリをハウジングに固定したモータ。
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