JP4692821B2 - 樹脂部材及びその樹脂部材を備えたスロットルボデー - Google Patents
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Description
この場合、図8に示すように、ボデー本体103上に、取付部品が備える樹脂製のカバー部材124の取付部124bを配置する。取付部124bに形成された取付孔125には、金属製の円筒状のカラー部材127が圧入により仮付けされている。そして、スクリュ130のねじ軸部131を、カラー部材127内に挿通してボデー本体103にねじ付けることにより、ボデー本体103にカバー部材124が固定される。
すなわち、請求項1に記載された樹脂部材によると、取付部は、締付手段の締付けにより固定側部材に固定される。取付部に設けたカラー部材は、締付手段の軸部が挿通された状態で固定側部材と締付手段の座面との間に介在される。締付手段の座面に面する取付部の端面上に設けた塑性変形部が、締付手段の締付けによって塑性変形する。その塑性変形部の塑性変形をもってカラー部材に締付手段の座面が当接することにより、締付手段の締結軸力をもって取付部が適正に保持される。したがって、締付手段の締結軸力による取付部の保持力の低下を防止あるいは低減することができる。また、取付部の端面上に塑性変形部を設けるという簡単な構成によって対処することができるので、コストアップを抑制することができるとともに、コンパクトに構成することができる。
また、固定側部材に対するスクリュのねじ軸部の螺進にともなって、取付部の塑性変形部がスクリュの頭部の座面によりその回転方向に塑性変形される。したがって、取付部の塑性変形部が塑性変形によりカラー部材に干渉すなわち乗り上げることを回避し、カラー部材に締付手段の座面を適正に当接させることができる。
本発明の実施例1を図面にしたがって説明する。本実施例は、自動二輪車、原付自転車等の二輪車に用いられるスロットルボデーについて説明する。なお、図1はスロットルボデーを示す側面図である。
図1に示すように、スロットルボデー1は、ボデー本体3を備えている。ボデー本体3は、例えば、樹脂製であり、ほぼ中空円筒状のボア壁部5を有している。ボア壁部5内が、図1において左右方向に貫通するボア4となっている。また、図示しないが、ボデー本体3の上流側にはエアクリーナのアウトレットホースが接続され、また、ボデー本体3の下流側にはエンジンのインテークマニホールドが接続される。これにより、エアクリーナから流れてくる吸入空気がボデー本体3のボア4を通じてインテークマニホールドへ流れるようになっている。なお、ボア4は、本明細書でいう「吸気通路」に相当する。
図3に示すように、カバー部材24は、樹脂製で、その主体をなす有底円筒状のカバー本体24aと、そのカバー本体24aの開口端部の外周に張り出す取付フランジ24bとを一体に有している。取付フランジ24bには、左右一対の取付孔25が形成されている。各取付孔25内には、金属製の円筒状のカラー部材27が圧入されて仮付けされている(図4及び図5参照。)。本実施例の場合、取付孔25は、図4に示すように、その上部が孔径を小さくする小径部とされ、その下部が孔径を大きくする大径部とされており、その小径部に対してカラー部材27の対応する部分が圧入されており、大径部に対してはカラー部材27の対応する部分が遊挿されている。なお、ボデー本体3は、本明細書でいう「固定側部材」に相当する。また、カバー部材24は、本明細書でいう「取付部品」に相当する。また、カバー部材24は、本明細書でいう「樹脂部材」に相当する。また、取付フランジ24bは、本明細書でいう「取付部」に相当する。
スクリュ30は、図2に示すように、ねじ軸部31と、そのねじ軸部31の一端部の膨出する頭部32とを有している。なお、スクリュ30は、本明細書でいう「締付手段」に相当する。また、ねじ軸部31は、本明細書でいう「軸部」に相当する。
また、塑性変形部26の塑性変形をもってカラー部材27にスクリュ30の頭部32の座面32aがメタルタッチすることにより、カバー部材24の取付フランジ24bの樹脂割れや歪みの発生を防止あるいは低減することができる。
また、塑性変形部26を周方向に等間隔で配置したことにより、スクリュ30の締結軸力を周方向に均一化することができる。
また、ボデー本体3のカバー固定部29に対するスクリュ30のねじ軸部31の螺進にともなって、取付フランジ24bの塑性変形部26がスクリュ30の頭部32の座面32aによりその回転方向に塑性変形すなわち押し潰される(図5中、二点鎖線26a参照。)。したがって、取付フランジ24bの塑性変形部26が塑性変形によりカラー部材27に干渉すなわち乗り上げることを回避し、カラー部材27にスクリュ30の頭部32の座面32aを適正にメタルタッチさせることができる。
したがって、ワイヤブラケット36についても、前記カバー部材24と同等の作用・効果を奏することができる。また、ワイヤブラケット36を、複数種のうちから、ボデー本体3のブラケット固定部38に選択的に固定する構成とすることにより、ボデー本体3を共通化することができ、ひいては低コスト化を図ることができる。
本発明の実施例2を図面にしたがって説明する。本実施例は、前記実施例1における一部を変更したものであるから、変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図6はスロットルボデーを示す正面図である。
本実施例は、図6に示すように、ボデー本体3にブラケット部40が一体成形されている。ブラケット部40には、樹脂製のカバー部材43が、前記実施例1と同様の取付構造と同様の取付構造をもって、一対のスクリュ30により締付けられて固定されている。
本発明の実施例3を図面にしたがって説明する。本実施例は、前記実施例1における一部を変更したものであるから、変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図7はワイヤブラケットを示す正面図である。
本実施例は、図7に示すように、前記実施例1におけるワイヤブラケット36の取付板部36bに、カラー部材27(図4参照。)を挿通する一対の取付孔25(符号、a,bを付す。)に対して、所定間隔Aを隔てて平行をなす位置に一対の取付孔25(符号、a1,b1を付す。)を形成している。さらに、取付板部36bに、一方の取付孔25aを中心として、その中心と他方の取付孔25bとを結ぶ直線L1に対して角度B°をなす位置にもう1つの他方の取付孔25(符号、cを付す。)を形成するとともに、その直線L1に対して角度C°をなす位置にもう1つの他方の取付孔25(符号、dを付す。)を形成したものである。なお、例えば、角度B°は20°、角度C°は30°に設定されている。
3 ボデー本体(固定側部材)
4 ボア(吸気通路)
8 スロットルバルブ(絞り弁)
24 カバー部材(樹脂部材)
24b 取付フランジ(取付部)
26 塑性変形部
27 カラー部材
30 スクリュ(締付手段)
31 ねじ軸部(軸部)
32 頭部
32a 座面
Claims (3)
- 締付手段の締付けにより固定側部材に固定される取付部を有する樹脂製の樹脂部材であって、
前記取付部に、前記締付手段の軸部が挿通されかつ前記固定側部材と前記締付手段の座面との間に介在されるカラー部材を設け、
前記締付手段の座面に面する前記取付部の端面上に、前記締付手段の締付けにともないその締付手段の座面により塑性変形される塑性変形部を設け、
前記取付部の塑性変形部の塑性変形をもって、前記カラー部材に前記締付手段の座面を当接させる構成とし、
前記締付手段が、前記固定側部材にねじ付けられるねじ軸部、及び、前記座面を有する頭部を備えるスクリュであり、
前記取付部の塑性変形部が、前記固定側部材に対する前記スクリュのねじ軸部の螺進にともなって前記頭部の座面によりその回転方向に塑性変形可能に形成されている
ことを特徴とする樹脂部材。 - 請求項1に記載の樹脂部材であって、
前記カラー部材を挿通する前記取付部の取付孔を選択的に使用可能に複数個設定したことを特徴とする樹脂部材。 - 吸気通路を形成するボデー本体と、前記吸気通路を開閉する絞り弁とを備えるスロットルボデーであって、
請求項1又は2に記載の樹脂部材を備えたことを特徴とするスロットルボデー。
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