JP2004128793A - ネットワーク電話システムおよびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のサブネットに対応して各VoIP端末1毎に割当てられている全てのIPアドレスを相手先別に電話帳データとして記憶管理している状態において、発信側のVoIP端末1は、電話帳データの中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている電話帳レコードから全てのIPアドレスを順次読み出して発呼する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力された音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する複数台の電話端末を備えたネットワーク電話システムおよびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、入力された音声情報をパケット変換してインターネット上に送信するVoIP端末(インターネット電話端末)が普及し始めているが、従来においては、インターネット上に接続された電話端末に対して動的にそのIP(インターネット・プロトコル)アドレスを割当てる為のDHCP(ダイナミック・ホスト・コンフィグレーション・プロトコル:動的ホスト構成プロトコル)対応のインターネット電話システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−203806号公報
【0004】
ところで、システム内をグループ分けした複数のサブネット(ローカルネット)のうち、何れかのサブネットへ任意に移動可能なノート型あるいはモバイル型のVoIP端末にあっては、それが接続されている普段の設置場所のサブネットから他の場所のサブネットへ移動することがある為、その端末の位置情報を管理するようにしている。
この場合、RFC(Request for Comments)2543で定義されているように、VoIP端末のアドレスやそれが接続されている場所の位置情報の管理は、VoIP用のサーバであるSIP(Session Initiation Protocol:セッション開始プロトコル)サーバによって行われている。
【0005】
図19は、一般的なSIPサーバを概略的に説明する為の図である。
SIPサーバ100は、システム内をグループ分けした各サブネット毎に配置されているもので、後述するレジスタ機能、プロキシ機能、リダイレクト機能を有する構成となっている。
なお、図中、▲1▼〜▲7▼は、動作の流れを示した動作手順であり、▲1▼および▲2▼(登録)は、非同期で実行され、▲3▼(発呼)の実行前に完了し、それ以降の▲3▼(発呼)、▲4▼(問い合わせ)、▲5▼(発呼)、▲6▼および▲7▼(応答)の動作は、連続して実行されることを示している。
【0006】
このSIPサーバ100内のレジスタ機能は、各VoIP端末101、102から送信されて来た登録要求を受け付けると、端末毎にその仮想的SIPアドレスと実SIPアドレスとの対応関係をロケーション・サーバ103に対して登録する為の機能である。なお、仮想的SIPアドレス、実SIPアドレスは、各VoIP端末101、102が移動する可能性があることを考慮して端末毎に割当てられたアドレスであり、実際の移動先のアドレスは、実SIPアドレスによって示される。
【0007】
この状態において、発信側の端末101は、通話相手先の仮想的SIPアドレスを指定して発呼を行うと、SIPサーバ100内のプロキシ機能は、ロケーション・サーバ103に対して問い合わせを行い、通話相手先の仮想的SIPアドレスに対応付けられている実SIPアドレスを取得して、着信側の端末102に対して発呼し、その応答を発信側の端末101へ返信する為の機能である。
この場合、SIPサーバ100内のリダイレクト機能は、着信側の端末102が別のSIPサーバ100が管理している他のサブネット側に移動した場合に、発信側の端末101に対しては、移動先の実SIPアドレスを返信するようにしている。なお、SIPサーバ100とロケーション・サーバ103との間には、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol:簡易・軽量化のディレクトリ・アクセス・プロトコル)が介在している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように各VoIP端末101、102のアドレスや位置情報の管理は、サブネット毎に設けられているSIPサーバ100によって行うようにしているが、高価なSIPサーバ100を導入することは、初期導入コストが高額となると共に、運用コストも嵩む等の問題があった。
【0009】
この発明の課題は、音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する電話端末を利用して通話相手先を呼び出す場合、その相手先がどの場所(サブネット)に移動しても、SIP(Session Initiation Protocol:セッション開始プロトコル)サーバを導入せずに、各電話端末側に備えられている電話帳機能を活用して呼び出すことが可能なネットワーク電話システムを提供できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、入力された音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する複数台の電話端末を備えたネットワーク電話システムであって、前記電話端末は、複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データとして記憶管理する電話帳記憶手段と、前記電話帳の中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている前記電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出すアドレス読出手段と、このアドレス読出手段によって読み出された各ネットワーク用アドレスに基づいて前記通話相手先の電話端末を呼び出す発呼手段とを具備するものである。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項7記載の発明)。
【0011】
したがって、請求項1、7記載の発明は、複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データとして記憶管理している状態において、この電話帳の中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出して発呼するようにしたから、通話相手先がどの場所(サブネット)に移動していても、システム上の各サブネット毎に全ての端末呼び出しを行うことができ、確実に通話相手先を呼び出すことが可能となる。したがって、従来のようなSIPサーバを導入することなく、電話端末側に備えられている電話帳機能を活用するという簡単な手法によって実現可能となる為、システム全体が大幅に簡素化され、初期導入コストや運用コストの低減化も可能となる等、実用効果の高いネットワーク電話システムを提供することができる。
【0012】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
複数台の電話端末のうち、何れからの電話端末によって作成された電話帳データを他の各電話端末へ配信する配信手段と、この配信手段によって配信されて来た電話帳データを受信取得して自己の前記電話帳記憶手段内に登録する登録手段とを設けた(請求項2記載の発明)。
したがって、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、何れからの電話端末によって作成された電話帳データを他の各電話端末へ配信して登録するようにしたから、同一内容の電話帳データを個別に作成/編集する必要がなくなり、システム全体として電話帳データの作成作業を効率良く行うことが可能となる。
【0013】
前記電話帳データの中から各ネットワーク用アドレスを順次読み出す為の優先順位を前記電話帳記憶手段内に任意に設定する設定手段を設け、前記アドレス読出手段は、前記選択指定された通話相手先対応の各ネットワーク用アドレスを順次読み出す際に、この各アドレスに対応付けられている前記優先順位を参照することによって当該優先順位にしたがった順序で読み出す(請求項3記載の発明)。
したがって、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、通話相手先に対応付けられている各ネットワーク用アドレスを順次読み出す為の優先順位を任意に設定可能としたから、例えば、普段勤務している場所を最優先すると共に、日常的に移動する可能性の高い場所を次の優先場所とする等、各アドレスに対応して優先順位を設定しておけば、その順序にしたがって各アドレスを1つずつ読み出すことができ、通話相手先を迅速に呼び出すことが可能となる。
【0014】
前記設定手段は、各電話端末の移動先を時間帯別に記憶するスケジュール情報を参照することによって、現在の時間帯に該当する移動先を特定し、この移動先のサブネットに対応付けられているネットワーク用アドレスに対して高い優先順位を設定する(請求項4記載の発明)。
したがって、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、通話相手先を優先順位にしたがって呼び出す場合に、予め各電話端末の移動先を時間帯別に登録管理するスケジュール情報にしたがって優先順位を自動設定するようにしたから、優先順位を手作業で設定する必要はなく、また、相手先の行動を事前に知っておく必要もなく、システム全体としての効率アップが可能となる。
【0015】
前記電話帳記憶手段は、予め決められている複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に記憶管理する他、前記複数のサブネット以外のサブネットへの移動を考慮して、セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを記憶管理し、前記アドレス読出手段は、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出した際に、その相手先を呼び出すことができなかった場合には、前記セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを読み出すことにより、当該サーバを経由して発呼する(請求項5記載の発明)。
したがって、請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、複数のサブネット以外のサブネットへの移動を考慮して、セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを記憶管理し、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出した際に、その相手先を呼び出すことができなかった場合に、セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを読み出すようにしたから、通話相手先が普段居る場所あるいは移動する可能性がある場所に対しては、SIPサーバを経由せずに呼び出すことができ、通話相手先が普段居ない場所に移動した場合でも、通常のSIPサーバを経由することによりその通話相手先を呼び出すことができ、システム全体としての柔軟性を増大させることが可能となる。
【0016】
各電話端末毎に、現在使用している使用ユーザ名を一時保存するユーザ名保存手段を設け、各電話端末毎に設けられている前記電話帳記憶手段は、複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に記憶管理する他、そのユーザ名も合わせて記憶管理し、発信側の電話端末において、前記アドレス読出手段は、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出す際に、この電話帳内に登録されているユーザ名を読み出し、前記発呼手段は、前記読み出された各ネットワーク用アドレスにユーザ名を結合して相手先の電話端末を呼び出し、着信側の電話端末は、前記ユーザ名保存手段内に一時保存されている現在使用のユーザ名と、発信側の電話端末からネットワーク用アドレスに結合して送信されて来たユーザ名とを比較し、両者が異なる場合にはエラー応答を行う(請求項6記載の発明)。
したがって、請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、各電話端末毎に、現在使用している使用ユーザ名を一時保存すると共に、電話帳内に相手先別にそのユーザ名を記憶管理している状態において、発信側の電話端末は、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出す際に、この電話帳内のユーザ名とネットワーク用アドレスとを結合して発呼し、着信側の電話端末は、一時保存されている現在使用のユーザ名と、発信側の電話端末からネットワーク用アドレスに結合して送信されて来たユーザ名とを比較し、両者が異なる場合にはエラー応答を行うようにしたから、1台の電話端末を複数のユーザが共有して使用可能としている場合でも、所望のユーザを通話相手先として確実に呼び出すことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図1〜図6を参照してこの発明の第1実施形態を説明する。
図1は、この実施形態におけるネットワーク電話システムの全体構成を示したブロック図である。
このネットワーク電話システムは、無線LANシステムであり、このシステム全体として複数(この実施形態においては2つ)のサブネット(ローカルネット)▲1▼、▲2▼に区分されており、複数台のVoIP端末1のうち、VoIP端末「A」、「B」は、サブネット▲1▼側に接続され、VoIP端末「C」、「D」は、サブネット▲2▼側に接続されている。なお、説明の簡素化を図る為に、図1では、サブネット数を“2”、VoIP端末1の台数を“4”とした場合を例示している。
【0018】
各VoIP端末1は、インターネット電話ソフト等がインストールされ、音声情報をパケット変換してインターネット上に送信するノート型、モバイル型のパーソナルコンピュータ等であり、インターネットの標準プロトコルであるTCP/IPプロトコルを使用して通話相手先を呼び出すようにしている為、発呼時には、通話相手先のIPアドレスを入力指定する。なお、この実施形態では、ネットワークとしてインターネットを例に説明しているが、ネットワークの形態はインターネットに限定されるものではなく、その他のネットワークシステムに広く適用できることは勿論である。
DHCP(ダイナミック・ホスト・コンフィグレーション・プロトコル:動的ホスト構成プロトコル)サーバ2は、各VoIP端末1に対して動的にIPアドレスを割当てるもので、この実施形態においては、一台のDHCPサーバ2によって各サブネット▲1▼、▲2▼側のVoIP端末1に対してIPアドレスを割当てるようにしている。このDHCPサーバ2は、中継動作を行うルータ3に接続されていると共に、アクセスポイント4を含む無線LANを介して各VoIP端末1に接続されている。
【0019】
図2は、DHCPサーバ2側で管理している各VoIP端末1の接続場所と、その場所に対応して各端末に割当てられたIPアドレスとの関係を示した図である。この場合、DHCPサーバ2側では、VoIP端末1毎に、そのMACアドレス(ハードウェアアドレス)の他、サブネット▲1▼、▲2▼に対応して各VoIP端末1にそれぞれ割当てたIPアドレスを記憶管理する。つまり、この実施形態においては、VoIP端末1毎に、全てのサブネットに対応してそのIPアドレスを記憶管理するようにしている。なお、IPアドレスを構成するデータのうち、図中、「128.1.1」は、サブネット▲1▼のアドレスを示し、「128.1.2」は、サブネット▲2▼のアドレスを示し、更に、サブネットアドレスに続く、「100」〜「103」は、対応するVoIP端末「A」〜「D」のアドレスを示している。
【0020】
図3は、各VoIP端末1側で管理されている電話帳ファイル10の構成を示した図である。
各VoIP端末1に対応して設けられている電話帳ファイル10は、着信者名(相手先名)“A”〜“X”毎に、全てのサブネットに対応付けられているIPアドレス“1”〜“n”を記憶する構成となっている。つまり、着信者名別のIPアドレスは、サブネット数に相当する数だけ記憶されており、上述の例では、着信者名A〜D別に、サブネット▲1▼、▲2▼対応して2種類のIPアドレスが電話帳データとして記憶されている。なお、この第1実施形態において、個々の着信者名に対応付けられている複数のIPアドレスは、サブネット▲1▼、▲2▼の並び順となっている。
このように構成された電話帳ファイル10は、何れかのVoIP端末1によって作成されたものであり、その作成元のVoIP端末1が他の全てのVoIP端末1に対して電話帳データを配信すると、他の各VoIP端末1は、電話帳データを受信取得して自己の電話帳ファイル10内に登録するようにしている。
【0021】
また、各VoIP端末1は、所望のVoIP端末1を指定して通話を開始する際に、自己の電話帳ファイル10の内容を読み出して、その相手先名の一覧を表示出力させる。この状態において、相手先名一覧画面の中から所望の相手先が通話先として選択指定されると、VoIP端末1は、電話帳ファイル10をアクセスし、その通話相手先に対応付けられている電話帳レコードを読出対象として指定し、この指定レコード内に格納されている全てのIPアドレスを1つずつ順次読み出して、通話相手先であるVoIP端末1を順次呼び出すようにしている。これによって、各IPアドレスによって全てのサブネット▲1▼、▲2▼側の各VoIP端末1が呼び出されることになる。
【0022】
図4は、VoIP端末1の基本的構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、記憶装置12内のオペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトにしたがってこのVoIP端末1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶装置12は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを有し、このプログラム記憶領域内には、オペレーティングシステムの他に、各種アプリケーションプログラム等が格納され、また、データ記憶領域には、上述した電話帳ファイル10等が格納され、磁気的、光学的、半導体メモリ等やその駆動系によって構成されている。
【0023】
この記録装置12はハードディスク等の固定的なメモリの他、CD−ROM、DVD等の着脱自在な記憶媒体を装着可能な構成であってもよい。この記憶装置12内のプログラムやデータは、必要に応じてRAM(例えば、スタティックRAM)13にロードされたり、RAM13内のデータが記憶装置12にセーブされる。なお、RAM13内には、プログラム実行領域と作業領域とを有している。
更に、CPU11は無線LAN装置14を介して他の電子機器側のプログラム/データを直接アクセスして使用したり、無線LAN装置14を介してダウンロード受信することもできる。一方、CPU11にはその入出力周辺デバイスである入力装置15、表示装置16、マイクロホーン17、スピーカ18がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU11はそれらの動作を制御する。
【0024】
次に、この第1実施形態におけるネットワーク電話システムの動作アルゴリズムを図5および図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作を逐次実行する。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードにしたがった動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体の他、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0025】
図5は、VoIP端末1側が実行する電話帳データ作成登録処理を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、作業メニュー画面の中から「新規作成/編集」のメニュー項目が選択指定されると(ステップA1)、電話帳作成/編集画面を表示すると共に、この画面内に電話帳データが入力されると、入力データに基づいて電話帳データを作成/編集する(ステップA2)。ここで、作成/編集の終了が指示されると、この電話帳データを自己の電話帳ファイル10内に新規保存/上書き保存する(ステップA3)。
【0026】
ここで、電話帳データの作成/編集元であるVoIP端末1において、作業メニュー画面の中から「送信」のメニュー項目が選択指定されると(ステップA1)、電話帳ファイル10を読み出し、この電話帳ファイル10をメールの添付ファイルとして、他の全てのVoIP端末1へメール送信する(ステップA4)。
いま、電話帳データの作成/編集元であるVoIP端末1からメールを受信した他の全てのVoIP端末1は(ステップA5)、そのメールから添付ファイル(電話帳データ)を受信取得し(ステップA6)、自己の電話帳ファイル10内に新規保存/上書き保存する(ステップA3)。
【0027】
図6は、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、自己の電話帳ファイル10をアクセスして各着信者名(相手先名)を読み出し、相手先名の一覧画面を表示させる(ステップB1)。この相手先一覧画面の中から所望の通話相手先が選択指定されると(ステップB2)、選択相手対応の電話帳レコードを読出対象として指定する(ステップB3)。この状態において、指定レコード内の各IPアドレスのうち、その1つをその並び順にしたがって読み出し(ステップB4)、このIPアドレス宛てにRFC(Request for Comments)3261にしたがって発呼する(ステップB5)。そして、発呼後から所定時間を経過しても相手先からの応答が無ければ(ステップB6でYES)、タイムアウトと判断してステップB7に移り、選択相手対応の電話帳レコードから全てのIPアドレスを取得し終わったかを判別する。
【0028】
いま、先頭のIPアドレス(サブネット▲1▼対応のアドレス)を取得した場合であるからステップB4に戻り、選択相手対応の電話帳レコードから次のIPアドレス(サブネット▲2▼対応のアドレス)を取得し、以下、上述の発呼動作を繰り返す(ステップB4〜B7)。
この結果、全てのIPアドレスを取得して発呼動作を行っても、相手先から応答が無ければ(ステップB7でYES)、呼び出しエラーとしてダイヤル処理を終了するが、タイムアウト前に何れの相手先から応答が有れば(ステップB6でNO)、正常にダイヤル処理が完了したものとして終了する。
【0029】
以上のように、この第1実施形態においては、複数のサブネットに対応して各VoIP端末1毎に割当てられている全てのIPアドレスを相手先別に電話帳ファイル10内に記憶管理している状態において、発信側のVoIP端末1は、電話帳ファイル10の中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている電話帳レコードから全てのIPアドレスを順次読み出して発呼するようにしたから、通話相手先がどの場所(サブネット)に移動していても、システム上の各サブネット毎に全ての端末呼び出しを行うことができ、確実に通話相手先を呼び出すことが可能となる。したがって、従来のようなSIPサーバを導入することなく、電話端末側に備えられている電話帳機能を活用するという簡単な手法によって実現可能となる為、システム全体が大幅に簡素化され、初期導入コストや運用コストの低減化も可能となる等、実用効果の高いネットワーク電話システムを提供することができる。
【0030】
また、複数台のVoIP端末1のうち、何れからのVoIP端末1によって新規作成/編集された電話帳データを他の全てのVoIP端末1へ配信すると、各VoIP端末1は、この電話帳データを受信取得して自己の電話帳ファイル10内に登録するようにしたから、同一内容の電話帳ファイル10を個別に作成/編集する必要がなくなり、システム全体として電話帳データの作成/編集作業を効率良く行うことが可能となる。
【0031】
なお、上述した第1実施形態においては、システム上に2つのサブネット▲1▼、▲2▼を構築した場合を例示したが、勿論、サブネット数は任意であり、3以上のサブネットを構築してもよい。この場合、上述した如く、電話帳ファイルにはサブネット数分のIPアドレスを相手先別に記憶管理すればよい。
また、複数のサブネットに共通使用されるDHCPサーバ2を設ける場合の他、サブネット毎にDHCPサーバ2を設けるようにしてもよい。
【0032】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図7および図8を参照して説明する。なお、上述した第1実施形態は、通話相手先に対応付けられている全てのIPアドレスを電話帳レコードの中からその並び順にしたがって1つずつ順次読み出して、通話相手先のVoIP端末1を呼び出すようにしたが、この第2実施形態は、予め設定しておいた優先順位にしたがって全てのIPアドレスを電話帳レコードの中から1つずつ順次読み出して、通話相手先のVoIP端末1を呼び出すようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略する他、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0033】
図7は、この第2実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図である。
この電話帳ファイル10は、上述した第1実施形態と同様に、着信者名“A”〜“X”毎に、全てのサブネットに対応付けられているIPアドレス“1”〜“n”を記憶する他、この第2実施形態においては、着信者名別の各IPアドレスに対応してその読出順を示す「優先順位」を記憶する構成となっている。
この場合、電話帳データの新規作成/編集時に、その作成/編集画面には、優先順位を入力する新たな入力フィールドを設け、例えば、普段勤務している場所を最優先し、次に優先する場所として、移動する可能性が高い場所となるように、各IPアドレス対応の入力フィールドにその優先順位を入力するようにしている。
【0034】
図8は、この第2実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、自己の電話帳ファイル10をアクセスして相手先名の一覧画面を表示させた状態において(ステップC1)、この相手先一覧画面の中から所望の通話相手先が選択指定されると(ステップC1)、選択相手対応の電話帳レコードを読出対象として指定する(ステップC3)。そして、指定レコード内の各IPアドレスに対応付けられている「優先順位」を参照して、その読出順を決定する(ステップC4)。
以下、この「優先順位」で示される読出順にしたがって各IPアドレスを1つずつ読み出し(ステップC5)、上述した第1実施形態と同様の発呼動作を繰り返す(ステップC5〜C8)。
【0035】
以上のように、この第2実施形態においては、通話相手先に対応付けられている各IPアドレスを順次読み出す為の優先順位を任意に設定可能としたから、例えば、普段勤務している場所を最優先すると共に、日常的に移動する可能性の高い場所を次の優先場所とする等、各IPアドレスに対応して優先順位を設定しておけば、その順序にしたがって各IPアドレスを1つずつ読み出すことができ、通話相手先を迅速に呼び出すことが可能となる。
【0036】
なお、上述した第2実施形態においては、各IPアドレスの読出順を示す「優先順位」を設定する際に、電話帳データの新規作成/編集時において、その作成/編集画面内に「優先順位」を入力設定するようにしたが、この「優先順位」の設定を自動的に行うようにしてもよい。
図9および図10は、優先順位の自動設定を行う場合を例示したもので、図9は、各人の行動スケジュールを管理するスケジュールファイルSFを示した図である。
このスケジュールファイルSFは、スケジュールサーバ(図示せず)側に記憶管理されているもので、各VoIP端末1に対応して時間帯別にどの場所に居るかを示す場所情報(サブネット)を記憶する構成となっている。例えば、VoIP端末「A」は、“9:00〜15:00”の間は、普段勤務している場所(サブネット▲1▼)に居るが、“15:00以降”は、他の場所(サブネット▲2▼)に移動することを示している。
【0037】
図10は、スケジュールファイルSFを参照して優先順位の自動設定を行う場合におけるVoIP端末1の動作を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、システム日時をアクセスして現在時刻を取得すると共に(ステップD1)、スケジュールファイルSFを取得する(ステップD2)。そして、現在時刻に基づいてスケジュールファイルSFをアクセスし、現在時刻に該当する時間帯の場所情報を読み出し、その場所に対応付けられているIPアドレスの優先順位を最優先として設定する(ステップD3)。いま、VoIP端末「A」において、現在時刻が“11:30”であれば、時間帯“9:00〜15:00”に該当し、普段勤務している場所(サブネット▲1▼)対応のIPアドレスの優先順位が最優先として設定される。そして、現在時刻を基準として、他の各時間帯に該当するIPアドレスの優先順位を時間の進行に応じて順次設定する(ステップD4)。この場合、VoIP端末「A」において、次の時間帯“15:00以降”は、サブネット▲2▼対応のIPアドレスの優先順位が次に高い優先順位として設定される。
【0038】
このようにスケジュールファイルSFを参照して優先順位の自動設定を行うようにすれば、優先順位を手作業で設定する必要はなく、また、相手先の行動を事前に知っておく必要もなく、システム全体としての効率アップが可能となる。
なお、スケジュールファイルSFの管理場所として、スケジュールサーバ(図示せず)としたが、勿論、VoIP端末1がスケジュールファイルSFを記憶管理するようにしてもよい。
【0039】
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態について図11〜図14を参照して説明する。なお、上述した第1実施形態は、VoIP端末1が移動する可能性があるサブネット▲1▼、▲2▼に適用した場合を示したが、この第3実施形態においては、通常移動することがない他の場所(サブネット▲3▼)にVoIP端末1が移動した場合にも対応可能とする為に、このサブネット▲3▼へのアクセスは、SIP(Session Initiation Protocol:セッション開始プロトコル)サーバを経由して行うようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明は省略するものとする。
【0040】
図11は、この第3実施形態におけるネットワーク電話システムを示したブロック図である。
このネットワーク電話システムには、サブネット▲1▼側のVoIP端末「A」、「B」と、サブネット▲2▼側のVoIP端末「C」、「D」の他に、サブネット▲3▼側のVoIP端末「E」、「F」が設けられている。そして、DHCPサーバ2は、ルータ3に接続されていると共に、アクセスポイント4を含む無線LANを介して各VoIP端末1に接続されている。また、SIPサーバ5は、ルータ3、無線LANを介してサブネット▲3▼側のVoIP端末「E」、「F」に接続されている。なお、DHCPサーバ2、SIPサーバ5は、DHCPサーバ機能、SIPサーバ機能を備えた1台のサーバ装置によって構成するようにしてもよい。
【0041】
図12は、この第3実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図である。
この電話帳ファイル10は、上述した第1実施形態と同様、着信者名別にサブネット▲1▼、▲2▼対応して2種類のIPアドレスを記憶する他、特に、この第3実施形態においては、SIPサーバ5経由での発呼を可能とする為、その「SIPアドレス」を追加記憶した構成となっている。
【0042】
図13は、VoIP端末1がSIPサーバ5側に対してアドレス登録を行う場合の登録処理を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、自己のIPアドレスの中からサブネットのアドレスを取得し(ステップE1)、このアドレスに基づいて電話帳をアクセスし、普段自分が居る場所と比較する(ステップE2)。つまり、自己のIPアドレスの中から取得したサブネットアドレスが電話帳ファイル10内に登録されているか否かに基づいて普段自分が居る場所か否かを判別する。いま、サブネットアドレスが電話帳ファイル10内に登録されていれば、普段自分が居る場所であると判断し、この登録処理の終了となるが、電話帳ファイル10内に登録されていなければ、普段自分が居ない場所であると判断してステップE3に移り、RFC3261/3263にしたがってSIPサーバ5側に対してアドレス登録を行う。
【0043】
図14は、第3実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、自己の電話帳ファイル10をアクセスして相手先名一覧画面を表示させた状態において、この相手先一覧画面の中から所望の通話相手先が選択指定されると(ステップF1)、選択相手対応の電話帳レコードを読出対象として指定する(ステップF2)。そして、上述した第2実施形態と同様に、指定レコード内の各IPアドレスに対応付けられている「優先順位」を参照して、その読出順を決定する(ステップF3)。
【0044】
以下、この「優先順位」で示される読出順にしたがって各IPアドレスを1つずつ読み出し、上述した第1実施形態と同様の発呼動作を繰り返す(ステップF4〜F7)。この結果、何れの相手先から応答が有れば(ステップF6でNO)、正常にダイヤル処理が完了したものとして終了するが、何れの相手先から応答が無ければ(ステップF6、F7でYES)次のステップF8に移り、選択相手対応の電話帳レコードから「SIPアドレス」を取得した後、RFC3261にしたがってSIPサーバ5経由で発呼する(ステップF9)。
【0045】
以上のように、この第3実施形態においては、普段居ない場所(サブネット▲3▼)に移動した時のみそのVoIP端末1がSIPサーバ5側に対してアドレス登録を行い、他のVoIP端末1は、サブネット▲3▼へ移動したVoIP端末1を呼び出す際に、上述の第1実施形態と同様、電話帳データからその通話相手先に対応付けられている各IPアドレスを順次読み出して発呼を試みるが、その通話相手が見つからなかった場合には、SIPサーバ5経由で発呼を行うようにしたから、通話相手先が普段居ない場所に移動した場合でも、その通話相手先を呼び出すことができ、システム全体としての柔軟性を増大させることが可能となる。
【0046】
なお、上述した第4実施形態においては、自己のIPアドレスの中から取得したサブネットアドレスが電話帳に登録されているか否かに基づいて普段自分が居る場所か否かを判別するようにしたが、その他の判定方法としては、現在使用しているアクセスポイントを識別し、このアクセスポイントに基づいて普段自分が使用しているアクセスポイントかを比較するようにしてもよい。
【0047】
(第4実施形態)
以下、この発明の第4実施形態について図15〜図18を参照して説明する。なお、上述した第1〜第3実施形態は、VoIP端末1を一人のユーザが専有使用する場合を想定したが、この第4実施形態においては、1台のVoIP端末1を複数ユーザで共用使用する場合に適用したものである。
ここで、両実施形態において基本的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明は省略するものとする。
【0048】
図15は、この第4実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図である。
この電話帳ファイル10は、上述した第1実施形態と同様、着信者名別に各サブネットに対応したIPアドレスを記憶するものであるが、特に、この第4実施形態においては、着信者名毎に「SIPユーザ名」を追加記憶する構成となっている。この例では、着信者「B」と「C」は、同じVoIP端末1を共用している場合を示し、着信者「B」、「C」に対応付けられている各IPアドレスは同一内容となっている。
【0049】
図16は、この第4実施形態の動作概要を説明する為の図である。
先ず、各VoIP端末1においては、その端末使用時に自己のユーザ名を一時保存するログイン処理を行う。
図17は、端末使用時に自己のユーザ名を一時保存するログイン処理を示したフローチャートであり、各VoIP端末1は、端末使用時に自己のユーザ名が入力されると(ステップG1)、このユーザ名をログインユーザとして一時保存する処理を行う(ステップG2)。
【0050】
いま、VoIP端末「A」には、ユーザ名として「UseraA」が登録され、他のVoIP端末「B」には、ユーザ名として「UseraB」が登録されている状態において、VoIP端末「A」がVoIP端末「B」をダイヤルする場合には、電話帳内の「ユーザ名」にIPアドレスを結合して発呼する。すると、着信側のVoIP端末「B」においては、現在使用の「ユーザ名」とIPアドレスに結合された「ユーザ名」とを比較する。ここで、現在使用のユーザ名が「UseraB」であり、IPアドレスに結合されたユーザ名が「UseraC」であれば、両者が異なる為、ユーザが存在していない旨のエラー応答を行う。これによって、発信側のVoIP端末「A」は、ユーザ名として「UseraB」として発呼すると、VoIP端末「B」では現在使用のユーザ名と一致する為、肯定応答を返し、通話が可能となる。
【0051】
図18は、第4実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャートである。
先ず、VoIP端末1は、自己の電話帳ファイル10をアクセスして相手先名一覧画面を表示させた状態において、この相手先一覧画面の中から所望の通話相手先が選択指定されると、選択相手対応の電話帳レコードを読出対象として指定する(ステップH1)。この状態において、指定レコード内の各IPアドレスのうち、その1つをその並び順にしたがって読み出すと共に(ステップH2)、電話帳ファイル10内に登録されている通話相手の「ユーザ名」を読み出し、このユーザ名とIPアドレスとを結合した後(ステップH3)、このIPアドレス宛てにRFC3261にしたがって発呼する(ステップH4)。
【0052】
そして、発呼後において、タイムアウトあるいはユーザが存在していない旨のエラー応答が返信されて来たかを判別し(ステップH5)、その何れにも該当しなければ(ステップH5でNO)、正常終了となるが、その何れかに該当する場合には、選択相手対応の電話帳レコードから全てのIPアドレスを取得し終わったかを判別し(ステップH6)、全てのIPアドレスを取得して発呼動作を行っても、相手先からの応答が無ければ(ステップH5、H6でYES)、呼び出しエラーとしてダイヤル処理を終了する。
【0053】
以上のように、この第4実施形態においては、各VoIP端末1毎に、現在使用している使用ユーザ名を一時保存すると共に、電話帳ファイル10内に相手先別にそのユーザ名を記憶管理している状態において、発信側のVoIP端末1は、電話帳ファイル10の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのIPアドレスを順次読み出す際に、この電話帳ファイル10内のユーザ名とIPアドレスとを結合して発呼し、着信側のVoIP端末1は、一時保存されている現在使用のユーザ名と、発信側のVoIP端末1からIPアドレスに結合して送信されて来たユーザ名とを比較し、両者が異なる場合にはエラー応答を行うようにしたから、1台のVoIP端末1を複数のユーザが共有して使用可能としている場合でも、所望のユーザを通話相手先として確実に呼び出すことができる。
【0054】
なお、上述した各実施形態におけるネットワーク電話システムは、会社等のように極く限られた構内に適用する場合に限らず、地域等のように広域な構内にも適用可能である他に、全国規模の広域通信システムにも適用可能であることは勿論である。
【0055】
また、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(例えば、CD−ROM、フロッピィデスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。
すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、入力された音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する各電話端末毎に、複数のサブネットに対応して割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データに記憶管理する機能と、前記電話帳から通話相手が選択された場合に、その通話相手先に対応付けられている前記電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出す機能と、読み出された各ネットワーク用アドレスに基づいて前記通話相手先の電話端末を呼び出す機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明(請求項1記載の発明)によれば、複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データとして記憶管理している状態において、この電話帳の中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出して発呼するようにしたから、通話相手先がどの場所(サブネット)に移動していても、システム上の各サブネット毎に全ての端末呼び出しを行うことができ、確実に通話相手先を呼び出すことが可能となる。したがって、従来のようなSIPサーバを導入することなく、電話端末側に備えられている電話帳機能を活用するという簡単な手法によって実現可能となる為、システム全体が大幅に簡素化され、初期導入コストや運用コストの低減化も可能となる等、実用効果の高いネットワーク電話システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネットワーク電話システムの全体構成を示したブロック図。
【図2】DHCPサーバ2側で管理している各VoIP端末1の接続場所と、その場所に対応して各端末に割当てられたIPアドレスとの関係を示した図。
【図3】各VoIP端末1側で管理されている電話帳ファイル10の構成を示した図。
【図4】VoIP端末1の基本的構成要素を示したブロック図。
【図5】VoIP端末1側が実行する電話帳データ作成登録処理を示したフローチャート。
【図6】各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャート。
【図7】第2実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図。
【図8】第2実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャート。
【図9】第2実施形態の変形応用例を説明する為の図で、優先順位の自動設定を行う為に使用され、各人の行動スケジュールを管理するスケジュールファイルSFの内容を示した図。
【図10】第2実施形態の変形応用例を説明する為の図で、スケジュールファイルSFを参照して優先順位の自動設定を行う場合におけるVoIP端末1の動作を示したフローチャート。
【図11】第3実施形態におけるネットワーク電話システムを示したブロック図。
【図12】第3実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図。
【図13】第3実施形態において、VoIP端末1がSIPサーバ5側に対してアドレス登録を行う場合の登録処理を示したフローチャート。
【図14】第3実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャート。
【図15】第4実施形態における電話帳ファイル10の構造を示した図。
【図16】第4実施形態の動作概要を説明する為の図。
【図17】第4実施形態において、端末使用時に自己のユーザ名を一時保存するログイン処理を示したフローチャート。
【図18】第4実施形態において、各VoIP端末1側が実行する通話呼び出し処理(ダイヤル処理)を示したフローチャート。
【図19】一般的なSIPサーバを概略的に説明する為の図。
【符号の説明】
1 VoIP端末
2 DHCPサーバ
3 ルータ
4 アクセスポイント
5 SIPサーバ
10 電話帳ファイル
11 CPU
12 記憶装置
14 無線LAN装置
15 入力装置
16 表示装置
17 マイクロホーン
18 スピーカ
SF スケジュールファイル
Claims (7)
- 入力された音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する複数台の電話端末を備えたネットワーク電話システムであって、
前記電話端末は、
複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データとして記憶管理する電話帳記憶手段と、
前記電話帳の中から通話相手先が選択指定された場合に、その通話相手先に対応付けられている前記電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出すアドレス読出手段と、
このアドレス読出手段によって読み出された各ネットワーク用アドレスに基づいて前記通話相手先の電話端末を呼び出す発呼手段と、
を具備したことを特徴とするネットワーク電話システム。 - 複数台の電話端末のうち、何れからの電話端末によって作成された電話帳データを他の各電話端末へ配信する配信手段と、
この配信手段によって配信されて来た電話帳データを受信取得して自己の前記電話帳記憶手段内に登録する登録手段と、
を設けたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク電話システム。 - 前記電話帳データの中から各ネットワーク用アドレスを順次読み出す為の優先順位を前記電話帳記憶手段内に任意に設定する設定手段を設け、
前記アドレス読出手段は、前記選択指定された通話相手先対応の各ネットワーク用アドレスを順次読み出す際に、この各アドレスに対応付けられている前記優先順位を参照することによって当該優先順位にしたがった順序で読み出す、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク電話システム。 - 前記設定手段は、各電話端末の移動先を時間帯別に記憶するスケジュール情報を参照することによって、現在の時間帯に該当する移動先を特定し、この移動先のサブネットに対応付けられているネットワーク用アドレスに対して高い優先順位を設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載のネットワーク電話システム。 - 前記電話帳記憶手段は、予め決められている複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に記憶管理する他、前記複数のサブネット以外のサブネットへの移動を考慮して、セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを記憶管理し、
前記アドレス読出手段は、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出した際に、その相手先を呼び出すことができなかった場合には、前記セッション開始プロトコル用のサーバアドレスを読み出すことにより、当該サーバを経由した発呼を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク電話システム。 - 各電話端末毎に、現在使用している使用ユーザ名を一時保存するユーザ名保存手段を設け、
各電話端末毎に設けられている前記電話帳記憶手段は、複数のサブネットに対応して各電話端末毎に割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に記憶管理する他、そのユーザ名も合わせて記憶管理し、
発信側の電話端末において、前記アドレス読出手段は、電話帳の中から任意に選択指定された通話相手先に対応付けられている全てのネットワーク用アドレスを順次読み出す際に、この電話帳内に登録されているユーザ名を読み出し、前記発呼手段は、前記読み出された各ネットワーク用アドレスにユーザ名を結合して相手先の電話端末を呼び出し、
着信側の電話端末は、前記ユーザ名保存手段内に一時保存されている現在使用のユーザ名と、発信側の電話端末からネットワーク用アドレスに結合して送信されて来たユーザ名とを比較し、両者が異なる場合にはエラー応答を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク電話システム。 - コンピュータに対して、
入力された音声情報をパケット変換してネットワーク上に送信する各電話端末毎に、複数のサブネットに対応して割当てられている全てのネットワーク用アドレスを相手先別に電話帳データに記憶管理する機能と、
前記電話帳から通話相手が選択された場合に、その通話相手先に対応付けられている前記電話帳データから全てのネットワーク用アドレスを順次読み出す機能と、
読み出された各ネットワーク用アドレスに基づいて前記通話相手先の電話端末を呼び出す機能と、
を実現させるためのプログラム。
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KR101042063B1 (ko) * | 2004-03-08 | 2011-06-16 | 엘지에릭슨 주식회사 | 세션 개시 프로토콜 레지스터 및 그의 소멸간격 관리 방법 |
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