JP2004127998A - 基板搬送装置および、基板処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ローラで基板を搬送する装置において基板や搬送ローラの帯電を防止し、基板の品質低下を抑制した基板搬送装置を提供し、そのような基板搬送装置を有する基板処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】入口搬送装置2は複数の搬送ローラ22と液供給部6を有する。搬送ローラ22はコロ20を複数有し、液供給部6はコロ20に帯電防止液を供給する。これにより、搬送ローラ22と基板との間で生じる静電気が防止され、また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】入口搬送装置2は複数の搬送ローラ22と液供給部6を有する。搬送ローラ22はコロ20を複数有し、液供給部6はコロ20に帯電防止液を供給する。これにより、搬送ローラ22と基板との間で生じる静電気が防止され、また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示パネルやプラズマ表示パネルなどの製造に用いるガラス基板、半導体ウエハ、半導体製造装置用のマスク基板、プリント基板などの各種基板を搬送する基板搬送装置、および、そのような基板搬送装置を有する基板処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶表示パネル、プラズマ表示パネルなどの製造工程で用いられるフォトリソグラフィのプロセスにおいては、処理すべき基板の表面に純水、エッチング液、洗浄薬液、現像液、剥離液などの処理液を供給して処理を施す基板処理装置がある。このような装置に対しては基板を搬入、搬出する基板搬送装置が接続される。
【0003】
前記基板搬送装置には、複数の回転可能な搬送ローラが並べられられたものがある。(例えば特許文献1)この基板搬送装置では複数の搬送ローラの上に基板が載置され、搬送ローラが回転することにより、基板が搬送される。搬送ローラは主に、軸部材と軸部材に設けられているコロ部材とから構成されるが、コロ部材の基板と接触する部分は耐磨耗性を考慮して樹脂やゴムが主に用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−124147号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような基板搬送装置で、乾燥した基板を搬送すると、基板と搬送ローラとの接触、離反や摩擦によって、基板および搬送ローラの双方が帯電する。これはコロ部材が樹脂やゴムなどの絶縁体で構成されていることに起因する。
【0006】
基板や搬送ローラが帯電すると空中の汚染物質が付着してしまい、基板の品質が低下する恐れがある。この防止策としてイオナイザを設置することも考えられるが装置コストが高くなってしまう。
【0007】
また、搬送ローラや搬送ローラを支えるフレームなどを金属製にすることにより帯電を防止することが考えられるが、処理液による化学変化により汚染物質が生じる恐れがあり、金属製にすることは難しい。
【0008】
また、導電性樹脂で搬送ローラを構成することが考えられるが、このような樹脂は耐磨耗性が低くまた不純物が溶出して基板を汚染する恐れがあって使用は難しい。
【0009】
本発明の目的は基板の品質低下を抑制した基板搬送装置および、そのような基板搬送装置を有する基板処理システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は上方に基板を支持して回転する搬送ローラを有する基板搬送部と、搬送ローラに帯電防止液を供給する液供給部とを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の基板搬送装置において、前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、前記液供給部はコロ部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は請求項2に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は、搬送ローラの下方に設けられ、コロ部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留するコロ浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は請求項2に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は、コロ部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明は請求項1に記載の基板搬送装置において、前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は請求項5に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は搬送ローラの下方に設けられ軸部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留する軸浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0016】
請求項7に記載の発明は請求項5に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0017】
請求項8に記載の発明は請求項1ないし7の何れかの基板搬送装置と、前記基板搬送装置から基板を受取り、該基板に処理液を供給して処理を施す基板処理装置とを備えたことを特徴とする基板処理システムである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る基板処理システム1である。基板処理システム1は、塗布装置によって、フォトレジスト(以下レジストという。)が塗布されてレジスト膜が形成され、露光装置によって該レジスト膜にパターンが露光され、必要に応じて加熱装置によって該レジスト膜が焼き締められた基板を対象に、現像処理を施すものである。
【0019】
基板処理システム1は、外部から基板Sを受け取る入口搬送装置2、基板Sに現像液を供給して現像処理を行なう現像装置3、基板Sに水を供給して現像液を除去するとともに、現像処理で生じた不要物を基板S上から除去する水洗装置4、外部に基板Sを渡す出口搬送装置5を有する。
【0020】
<入口搬送装置>
入口搬送装置2は筐体21内に搬送ローラ22を複数有する。搬送ローラ22は基板Sの搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、複数の搬送ローラ22はそれぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ22は所定の高さに設定されている搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0021】
この入口搬送装置2では搬入された基板Sを水平姿勢で支持し、搬送方向Dに沿って水平方向に搬送する。そして、前記基板Sを現像装置3に渡す。なお、入口搬送装置2が本発明の基板搬送装置に該当する。
【0022】
<現像装置>
現像装置3は現像槽31と搬送ローラ32と現像液供給パイプ33と排液管34とを有する。なお、現像装置3が本発明の基板処理装置に該当する。
【0023】
処理槽としての現像槽31は、略箱状で、下部が現像液を貯留可能な受け皿状になっており、しかも該下部は排液管34に向って低くなる底面を有している。
【0024】
支持手段としての搬送ローラ32は搬送ローラ22と同様、搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、それぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ32は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0025】
処理液供給手段としての現像液供給パイプ33は搬送ラインHで搬送される基板Sよりも上方に設けられ、複数のノズル33aを有する。ここでのノズル33aは霧状もしくは液滴状で現像液を下方に拡散させて供給する。
【0026】
また、現像液供給パイプ33には処理液として現像液を送り込む現像液供給源(不図示)が接続されている。
【0027】
排液管34は現像槽31の底面の最下部に接続されており、現像槽31に貯留された現像液を外部に排出する。排出された現像液は廃棄するか、必要に応じて前記現像液供給源に回収されて再利用される。
【0028】
<水洗装置>
水洗装置4は水洗槽41と搬送ローラ42と水洗水供給パイプ43と排液管44とを有する。
【0029】
水洗槽41は、箱状で、下部が受け皿状になっており、しかも該下部が排液管44に向って低くなる底面を有している。
【0030】
搬送ローラ42は搬送ローラ22と同様、搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、それぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ42は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0031】
水洗水供給パイプ43は搬送ラインHで搬送される基板Sよりも上方、および下方に設けられ、複数のノズル43aを有する。ここでのノズル43aは霧状のもしくは液滴状の水洗水を基板S方向に拡散させて供給する。また、水洗水供給パイプ43には水洗水を送り込む水洗水供給源(不図示)が接続されている。
【0032】
排液管44は水洗槽41の底面の最下部に接続されており、水洗槽41に貯留された水洗水を外部に排出する。排出された水洗水は廃棄するか、必要に応じて前記水洗水供給源に回収されて再利用される。
【0033】
<出口搬送装置>
出口搬送装置5は筐体51内に複数の搬送ローラ51とエアナイフ53とを有する。搬送ローラ51は基板Sの搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、複数の搬送ローラ51はそれぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ51は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0034】
乾燥手段としてのエアナイフ53はスリット状の長孔から高圧のガス(エアまたは不活性ガス)を噴出するものであって、水平面内にて、搬送方向Dに対して傾斜した方向に該長孔が配された状態で設置されている。このエアナイフ53は搬送ラインHを挟んで上下一対設けられている。
【0035】
出口搬送装置5では水洗装置4から搬出された基板Sを水平姿勢で支持し、搬送方向Dに沿って水平方向に搬送する。そして、エアナイフ53で基板Sの表裏両面に存在する水を吹き飛ばして乾燥させると共に、前記基板Sを外部に渡す。
【0036】
<基板処理システムの動作>
以上のような構成の基板処理システム1では、表面にレジスト膜が形成され、該レジスト膜に露光処理が施された基板Sが入口搬送装置2に搬入される。入口搬送装置2では搬入された基板Sを搬送ローラ22によって現像装置3に搬入する。
【0037】
現像装置3では搬送ローラ32で基板Sを水平姿勢で支持しつつ搬送方向Dに沿って水平に搬送する。一方、現像液供給パイプ33からは現像液が吐出され、搬送される基板S表面に供給される。この現像装置3内での処理については後述する。
【0038】
現像装置3で処理を受けた基板Sは搬送ローラ32で水洗装置4に搬送され、水洗装置4では搬送ローラ42で基板Sを水平姿勢で支持しつつ搬送方向Dに沿って水平に搬送する。一方、水洗水供給パイプ43からは水洗水が吐出され、搬送される基板Sの上下両面に供給される。これにより、基板に付着している現像液や現像によって生じた残渣を洗い流すことができる。
【0039】
水洗装置4で処理を受けた基板Sは搬送ローラ52で出口搬送装置5に搬送される。出口搬送装置5では、基板Sの両面にエアナイフからガスを吹き付け、基板Sに付着している水分を吹き飛ばして乾燥させる。乾燥された基板Sは出口搬送装置5から外部に引き渡される。
【0040】
<入口搬送装置の詳細>
<第1実施形態>
<搬送ローラ>
図2(a)は図1のII−II断面図であり、第1実施形態の基板搬送装置を示す。図2(b)は図2(a)のIIb−IIb断面図である。
図のように筐体21内にて搬送ローラ22が設けられている。搬送ローラ22は回転軸Cを中心に回転する軸部材23と、軸部材23に固定されているコロ20を有する。ここでは1つの軸部材23に2つのコロ20が設けられると共に、複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置されている。コロ20はコロ本体24と、コロ本体24の周面に設けられているリング部材25とを有する。軸部材23は不図示の駆動機構により回転する。コロ本体24は樹脂製で、略円柱状の部材である。そして、コロ本体24はその周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材23に設けられている。すなわち、コロ本体24は回転軸Cに関して軸部材23と同軸に設けられている。リング部材25は樹脂やゴムなどの弾性材料からなりコロ本体24の周面を1周するように取り付けられている。このような搬送ローラ22は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0041】
なお、リング部材25が基板Sと接触する部分における、回転軸Cに対して垂直な断面は円形状である。
【0042】
<液供給部>
液供給部6は、帯電防止液(以下、単に防電液という。)Lを貯留する貯留槽26を有する。防電液として、ここでは純水を用いている。貯留槽26には不図示の防電液供給源から供給される防電液Lが通過する給液口27と、貯留槽26から排出される防電液Lを通過させる排液口28とを有する。また貯留槽26は搬送方向Dにおいて1列に並んだコロ20全部が浸漬されるように配置されている。このような液供給部6では、防電液供給源から、所定量の防電液Lが給液口27に供給される。該所定量とは、貯留槽26において搬送ローラ22(詳しくはコロ20、より詳しくはリング部材25)が防電液Lに接触する程度に液面が保持されるような量である。これにより、基板Sが搬送ローラ22と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態ではコロ本体24およびリング部材25が共に防電液Lに浸漬されているが、少なくともリング部材25が防電液Lに接触しておればよい。
【0044】
また、本実施形態の搬送ローラ22は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ20とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ20とで構成されてもよい。
【0045】
また、本実施形態の搬送ローラ22は1つの軸部材23に2つのコロ20を有しているが、1つの軸部材23に3以上のコロ20を有してもよい。この場合は複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置すると共に、各列に応じた液供給部6を設ければよい。
【0046】
<第2実施形態>
図3(a)は図1のII−II断面図であり、第2実施形態の基板搬送装置を示す。図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb断面図である。本実施形態において第1実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0047】
<液供給部>
液供給部62は、防電液Lを貯留するとともに上部から防電液Lをオーバーフローさせる溢流槽63と、溢流槽63の下方で溢流槽63からオーバーフローした防電液Lを受ける受槽64とを有する。
【0048】
溢流槽63には不図示の防電液供給源から供給される防電液Lが通過する給液口65が設けられ、受槽64には受槽64から排出される防電液Lを通過させる排液口66が設けられている。また溢流槽63は搬送方向Dにおいて1列に並んだコロ20全部が浸漬されるように配置されている。
溢流槽63の上端の高さはリング部材25の最下端の高さよりも高くなるよう配置されている。このため、溢流槽63いっぱいに防電液Lが貯留された場合、少なくともリング部材25と防電液Lとは接触する。
【0049】
このような液供給部62では防電液供給源から、所定量の防電液Lが給液口65に供給される。該所定量とは、溢流槽63上部から防電液Lが溢れ出てオーバーフローするような量である。これにより、基板Sが搬送ローラ22と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0050】
なお、本実施形態ではコロ本体24およびリング部材25が防電液Lに浸漬されているが、少なくともリング部材25が防電液Lに接触しておればよい。
【0051】
また、本実施形態の搬送ローラ22は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ20とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ20とで構成されてもよい。
【0052】
また、本実施形態の搬送ローラ22は1つの軸部材23に2つのコロ20を有しているが、1つの軸部材23に3以上のコロ20を有してもよい。この場合は複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置すると共に、各列に応じた液供給部62を設ければよい。
【0053】
<第3実施形態>
図4(a)は図1のII−II断面図であり、第3実施形態の基板搬送装置を示す。図4(b)は図4(a)のIVb−IVb断面図である。本実施形態において第1実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0054】
<搬送ローラ>
本実施形態の搬送ローラ72は回転軸Cを中心に回転する軸部材23と、軸部材23に固定されている略円錐台状のコロ74とを有する。軸部材23は不図示の駆動機構により回転する。またコロ74は樹脂製の略円錐台状部材である。詳述すると、軸方向において第1円柱状部分74aと円錐台状部分74bと第2円柱状部分74cとが連続した形状をなしている。第1円柱状部分74aは第1の直径を有し、第2円柱状部分74cは第1の直径よりも大なる第2の直径を有する。円錐台状部分74bの第1円柱状部分に接続する部分は第1の直径を有し、第2円柱状部分に接続する部分は第2の直径を有する。
【0055】
このようなコロ74の第1円柱状部分74aにリング部材75が装着されている。
【0056】
そして、コロ74は第1円柱状部分74a、円錐台状部分74b、第2円柱状部分74cそれぞれの周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材23に設けられている。すなわち、コロ74は回転軸Cに関して軸部材23と同軸に設けられている。
【0057】
このような搬送ローラ72は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0058】
なお、リング部材75が基板Sと接触する部分における、回転軸Cに対して垂直な断面は円形状である。
【0059】
<液供給部>
図4(b)のように、液供給部76は防電液Lを搬送ローラ72に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78は各搬送ローラ72の直下にて搬送ローラ72の長手方向に沿って設けられており、コロ74(特にリング部材75)に防電液Lを供給する給液ノズル78aと、2つのコロ74の間に存在する軸部材23の部分に防電液Lを供給する給液ノズル78bとを含む。給液ノズル78a、78bへは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
このような液供給部76では防電液供給源から給液ノズル78へ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78aから吐出された防電液Lはコロ74、特に基板Sと接触するリング部材75に供給される。これにより、基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、給液ノズル78bから吐出された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、軸部材23を含む搬送ローラ72には防電液Lが接触することになるので、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
なお、給液ノズル78からの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ72上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0060】
また、本実施形態の搬送ローラ72は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ74とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ74とで構成されてもよい。
【0061】
<第4実施形態>
図5(a)は図1のII−II断面図であり、第4実施形態の基板搬送装置を示す。図5(b)は図5(a)のVb−Vb断面図である。本実施形態は第3実施形態の変形例に当るので第3実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0062】
第3実施形態ではコロ74および軸部材23に防電液Lを供給していたが、本第4実施形態ではコロ74には防電液Lを供給せず、軸部材23に防電液Lを供給している。
【0063】
<液供給部>
図5(b)のように、液供給部81は防電液Lを搬送ローラ72に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78Cは軸部材23に防電液Lを供給する。給液ノズル78へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
このような液供給部81では防電液供給源から給液ノズル78cへ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78cから吐出された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、軸部材23に供給された防電液Lが軸方向に移動してコロ74、特にリング部材75に至れば基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。
なお、給液ノズル78cからの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ72上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0064】
また、本実施形態の搬送ローラ72は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ74とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ74とで構成されてもよい。
【0065】
<第5実施形態>
図6(a)は図1のII−II断面図であり、第5実施形態の基板搬送装置を示す。図6(b)は図6(a)のVIb−VIb断面図である。本実施形態は第4実施形態の変形例に当るので第3実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0066】
前述の第4実施形態では給液ノズル78Cで軸部材23に防電液Lを供給しているが、本第5実施形態では後述の貯留樋84を用いている。
【0067】
<液供給部>
図6(b)のように液供給部83は防電液Lを各搬送ローラ72に供給する貯留樋84と、貯留樋84および、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。貯留樋84は軸部材23の長手方向に伸びる樋部材85を有する。樋部材85の長手方向の寸法は搬送ローラ72のコロ74同士の間隔よりも短い寸法であって、該コロ74間の軸部材23直下に配置されている。そして、貯留樋84は該軸部材23に防電液Lを供給する。貯留樋84へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0068】
<貯留樋>
図7は図6(b)のVII−VII断面図であり、貯留樋84の詳細を示す。
貯留樋84に含まれる樋部材85は軸部材23の軸方向に沿って伸びる凹部85aを有する。該凹部85aは軸部材23の周面を取り囲むように形成されている。詳述すると、該凹部85aは軸部材23の周面と略平行な曲面で形成されている。また貯留樋84は凹部85aに防電液Lが供給されたとき、凹部85aに貯留された防電液Lと軸部材23とが接触するような距離に配置されている。また、前記樋部材85には給液管86が接続されており、該給液管86から防電液Lが供給される。供給された防電液Lは凹部85aに貯留されて移動する際、軸部材23に接触する。なお、防電液Lの供給量は凹部85aと軸部材23との間の空間を満たすような量を供給することが好ましい。
【0069】
このような液供給部83では防電液供給源から貯留樋84へ防電液Lが供給される。そして貯留樋84に貯留された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、軸部材23に供給された防電液Lが軸方向に移動してコロ74、特にリング部材75に至れば基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。
なお、貯留樋84が本発明の軸浸漬手段に該当する。
【0070】
<第6実施形態>
図8(a)は図1のII−II断面図であり、第6実施形態の基板搬送装置を示す。図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb断面図である。本実施形態において第5実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0071】
本実施形態の搬送ローラのコロは前述の実施形態の搬送ローラが有するコロとは異なり、基板Sとの接触部分が回転軸方向に連続して長尺であり、該接触部分の長さが基板Sの幅(基板Sの搬送方向と直行する方向における長さ)以上の寸法を有する。以下説明する。
【0072】
筐体21内にて搬送ローラ92が設けられている。搬送ローラ92は回転軸Cを中心に回転する軸部材94と、軸部材94に固定されているコロ93とを有する。軸部材94は不図示の駆動機構により回転する。コロ93はゴムまたは樹脂製の円柱状部材である。また、その長手方向の寸法Lrは基板Sの幅Lwよりも長く設定されている。そして、コロ93はその周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材94に設けられている。すなわち、コロ93は回転軸Cに関して軸部材94と同軸に設けられている。
このような搬送ローラ92は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0073】
<液供給部>
液供給部95は防電液Lを搬送ローラ92に供給する貯留樋96と、貯留樋96および、搬送ローラ92から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。貯留樋96はコロ93の長手方向に伸びる樋部材97を有する。樋部材97の長手方向の寸法はコロ93の長手方向の寸法よりも長い寸法であって、コロ93の直下に配置されている。そして、貯留樋96はコロ93に防電液Lを供給する。貯留樋96へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0074】
<貯留樋>
図9は図8(b)IX−IX断面図であり、貯留樋96の詳細を示す。
貯留樋96に含まれる樋部材97は軸部材94およびコロ93の軸方向に沿って伸びる凹部97aを有する。該凹部97aはコロ93の周面を取り囲むように形成されている。詳述すると、該凹部97aはコロ93の周面と略平行な曲面で形成される。また貯留樋96は凹部97aに防電液Lが供給されたとき、凹部97aに貯留された防電液Lとコロ93とが接触するような距離に配置されている。また、前記樋部材97には給液管98が接続されており、該給液管98から防電液Lが供給される。供給された防電液Lは凹部97aに貯留されて移動する際、コロ93に接触する。なお、防電液Lの供給量は凹部97aとコロ93との間の空間を満たすような量を供給することが好ましい。
【0075】
このような液供給部85では防電液供給源から貯留樋96へ防電液Lが供給される。そして貯留樋96に貯留された防電液Lはコロ93に供給される。よって、コロ93を含む搬送ローラ92には防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気が発生することは無い。
なお、貯留樋96が本発明のコロ浸漬手段に該当する。
<第7実施形態>
図10(a)は図1のII−II断面図であり、第7実施形態の基板搬送装置を示す。図10(b)は図10(a)のXb−Xb断面図である。本実施形態において第6実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0076】
<液供給部>
液供給部103は防電液Lを搬送ローラ92に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ92から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78は複数の給液ノズル78dを含み、該給液ノズル78dは各搬送ローラ72の直下にて搬送ローラ92の長手方向に沿って設けられている。そして、給液ノズル78dへは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0077】
このような液供給部103では防電液供給源から給液ノズル78dへ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78dから吐出された防電液Lはコロ93に供給される。よって、コロ93を含む搬送ローラ92には防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ92が帯電したとしても、搬送ローラ92に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0078】
なお、給液ノズル78dからの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ92上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0079】
以上、複数の基板搬送装置の実施形態について説明したが、上述の実施形態では防電液として純水を使用しているが防電液としては比抵抗が1メガオーム・センチメートル以下の液体であることが好ましい。このような液体としては純水、気体を溶解した純水が考えられる。前記気体は純水に溶解された後、常温常圧(摂氏26度、1気圧)に放置されると該純水から脱出してしまう気体が望ましい。このような気体としては二酸化炭素や水素などが好ましい。すなわち、防電液としては純水に二酸化炭素が溶解された炭酸水、純水に水素が溶解された水素水が使用できる。なお、炭酸水は二酸化炭素の濃度が約1ppm以上、水素水は水素の濃度が約2ppm以上であることが望ましい。
【0080】
また、上述の実施形態では基板処理装置として現像装置が用いられているが、剥離装置が用いられても良い。この場合は前述の現像装置3と略同構成の装置とし、現像液供給パイプ33と同構成の剥離液供給パイプを設け、該剥離液供給パイプから基板へ剥離液を供給する。該剥離装置は基板上に形成された塗布膜(例えばレジスト膜)を溶解する、処理液としての剥離液(例えば有機溶剤)を供給し該塗布膜を除去する装置である。
【0081】
また、同様に基板処理装置としてエッチング装置が用いられても良い。この場合は前述の現像装置3と略同構成の装置とし、現像液供給パイプ33と同構成のエッチング液供給パイプを設け、該エッチング液供給パイプから基板へエッチング液を供給する。該エッチング装置は基板上に形成された薄膜(例えば金属膜や金属酸化膜)を溶解する処理液としてのエッチング液(例えば弗酸)を供給し該薄膜の不要部分を除去する。なお、基板処理装置がエッチング装置である場合は、該基板処理装置に接続されている基板搬送装置にエッチング液の蒸気を含んだ雰囲気が移入しやすい。エッチング液は腐食性が高いため、このような基板搬送装置では金属製の搬送ローラは使用不能である。したがって、このような基板搬送装置では樹脂やゴム製の搬送ローラを使用せざるを得ない。しかし、本発明の基板搬送装置では樹脂やゴム製の搬送ローラを使用しても良好に静電気の発生を防止できるため、基板の品質低下を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
請求項1ないし7の基板搬送装置によれば、基板の品質低下を抑制することができる。
【0082】
請求項8の基板処理システムによれば、基板の品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板処理システムを示す図である。
【図2】第1実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図3】第2実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図4】第3実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図5】第4実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図6】第5実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図7】貯留樋84を示す図である。
【図8】第6実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図9】貯留樋96を示す図である。
【図10】第7実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【符号の説明】
1、基板処理システム
2、入口搬送装置
3、現像装置
4、水洗装置
5、出口搬送装置
6、62、76、81、83、95、103、液供給部
20、74、93、コロ
21、51筐体
22、32、42、52、72、92搬送ローラ
23、軸部材
24、コロ本体
25、75リング部材
26、貯留槽
27、65給液口
28、66、79、排液口
31、現像槽
33、現像液供給パイプ
34、44排液管
41、水洗槽
43、水洗水供給パイプ
53、エアナイフ
63、溢流槽
64、77受槽
78、78a、78b、78c給液ノス゛ル
84、96貯留樋
85、97樋部材
86、98給液管
94、軸部材
35a、主面
74a、第1円柱状部分
74b、円錐台状部分
74c、第2円柱状部分
85a、97a凹部
C、回転軸
H、搬送ライン
L、防電液
S、基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示パネルやプラズマ表示パネルなどの製造に用いるガラス基板、半導体ウエハ、半導体製造装置用のマスク基板、プリント基板などの各種基板を搬送する基板搬送装置、および、そのような基板搬送装置を有する基板処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶表示パネル、プラズマ表示パネルなどの製造工程で用いられるフォトリソグラフィのプロセスにおいては、処理すべき基板の表面に純水、エッチング液、洗浄薬液、現像液、剥離液などの処理液を供給して処理を施す基板処理装置がある。このような装置に対しては基板を搬入、搬出する基板搬送装置が接続される。
【0003】
前記基板搬送装置には、複数の回転可能な搬送ローラが並べられられたものがある。(例えば特許文献1)この基板搬送装置では複数の搬送ローラの上に基板が載置され、搬送ローラが回転することにより、基板が搬送される。搬送ローラは主に、軸部材と軸部材に設けられているコロ部材とから構成されるが、コロ部材の基板と接触する部分は耐磨耗性を考慮して樹脂やゴムが主に用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−124147号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような基板搬送装置で、乾燥した基板を搬送すると、基板と搬送ローラとの接触、離反や摩擦によって、基板および搬送ローラの双方が帯電する。これはコロ部材が樹脂やゴムなどの絶縁体で構成されていることに起因する。
【0006】
基板や搬送ローラが帯電すると空中の汚染物質が付着してしまい、基板の品質が低下する恐れがある。この防止策としてイオナイザを設置することも考えられるが装置コストが高くなってしまう。
【0007】
また、搬送ローラや搬送ローラを支えるフレームなどを金属製にすることにより帯電を防止することが考えられるが、処理液による化学変化により汚染物質が生じる恐れがあり、金属製にすることは難しい。
【0008】
また、導電性樹脂で搬送ローラを構成することが考えられるが、このような樹脂は耐磨耗性が低くまた不純物が溶出して基板を汚染する恐れがあって使用は難しい。
【0009】
本発明の目的は基板の品質低下を抑制した基板搬送装置および、そのような基板搬送装置を有する基板処理システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は上方に基板を支持して回転する搬送ローラを有する基板搬送部と、搬送ローラに帯電防止液を供給する液供給部とを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の基板搬送装置において、前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、前記液供給部はコロ部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は請求項2に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は、搬送ローラの下方に設けられ、コロ部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留するコロ浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は請求項2に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は、コロ部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明は請求項1に記載の基板搬送装置において、前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は請求項5に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は搬送ローラの下方に設けられ軸部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留する軸浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0016】
請求項7に記載の発明は請求項5に記載の基板搬送装置において、前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置である。
【0017】
請求項8に記載の発明は請求項1ないし7の何れかの基板搬送装置と、前記基板搬送装置から基板を受取り、該基板に処理液を供給して処理を施す基板処理装置とを備えたことを特徴とする基板処理システムである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る基板処理システム1である。基板処理システム1は、塗布装置によって、フォトレジスト(以下レジストという。)が塗布されてレジスト膜が形成され、露光装置によって該レジスト膜にパターンが露光され、必要に応じて加熱装置によって該レジスト膜が焼き締められた基板を対象に、現像処理を施すものである。
【0019】
基板処理システム1は、外部から基板Sを受け取る入口搬送装置2、基板Sに現像液を供給して現像処理を行なう現像装置3、基板Sに水を供給して現像液を除去するとともに、現像処理で生じた不要物を基板S上から除去する水洗装置4、外部に基板Sを渡す出口搬送装置5を有する。
【0020】
<入口搬送装置>
入口搬送装置2は筐体21内に搬送ローラ22を複数有する。搬送ローラ22は基板Sの搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、複数の搬送ローラ22はそれぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ22は所定の高さに設定されている搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0021】
この入口搬送装置2では搬入された基板Sを水平姿勢で支持し、搬送方向Dに沿って水平方向に搬送する。そして、前記基板Sを現像装置3に渡す。なお、入口搬送装置2が本発明の基板搬送装置に該当する。
【0022】
<現像装置>
現像装置3は現像槽31と搬送ローラ32と現像液供給パイプ33と排液管34とを有する。なお、現像装置3が本発明の基板処理装置に該当する。
【0023】
処理槽としての現像槽31は、略箱状で、下部が現像液を貯留可能な受け皿状になっており、しかも該下部は排液管34に向って低くなる底面を有している。
【0024】
支持手段としての搬送ローラ32は搬送ローラ22と同様、搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、それぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ32は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0025】
処理液供給手段としての現像液供給パイプ33は搬送ラインHで搬送される基板Sよりも上方に設けられ、複数のノズル33aを有する。ここでのノズル33aは霧状もしくは液滴状で現像液を下方に拡散させて供給する。
【0026】
また、現像液供給パイプ33には処理液として現像液を送り込む現像液供給源(不図示)が接続されている。
【0027】
排液管34は現像槽31の底面の最下部に接続されており、現像槽31に貯留された現像液を外部に排出する。排出された現像液は廃棄するか、必要に応じて前記現像液供給源に回収されて再利用される。
【0028】
<水洗装置>
水洗装置4は水洗槽41と搬送ローラ42と水洗水供給パイプ43と排液管44とを有する。
【0029】
水洗槽41は、箱状で、下部が受け皿状になっており、しかも該下部が排液管44に向って低くなる底面を有している。
【0030】
搬送ローラ42は搬送ローラ22と同様、搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、それぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ42は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0031】
水洗水供給パイプ43は搬送ラインHで搬送される基板Sよりも上方、および下方に設けられ、複数のノズル43aを有する。ここでのノズル43aは霧状のもしくは液滴状の水洗水を基板S方向に拡散させて供給する。また、水洗水供給パイプ43には水洗水を送り込む水洗水供給源(不図示)が接続されている。
【0032】
排液管44は水洗槽41の底面の最下部に接続されており、水洗槽41に貯留された水洗水を外部に排出する。排出された水洗水は廃棄するか、必要に応じて前記水洗水供給源に回収されて再利用される。
【0033】
<出口搬送装置>
出口搬送装置5は筐体51内に複数の搬送ローラ51とエアナイフ53とを有する。搬送ローラ51は基板Sの搬送方向Dに対して直交し、かつ水平方向に回転軸を配したローラで、複数の搬送ローラ51はそれぞれの回転軸が平行になる状態で配されている。また、複数の搬送ローラ51は所定の搬送ラインHにて基板Sを水平姿勢で支持するようにその配置高度が設定されている。
【0034】
乾燥手段としてのエアナイフ53はスリット状の長孔から高圧のガス(エアまたは不活性ガス)を噴出するものであって、水平面内にて、搬送方向Dに対して傾斜した方向に該長孔が配された状態で設置されている。このエアナイフ53は搬送ラインHを挟んで上下一対設けられている。
【0035】
出口搬送装置5では水洗装置4から搬出された基板Sを水平姿勢で支持し、搬送方向Dに沿って水平方向に搬送する。そして、エアナイフ53で基板Sの表裏両面に存在する水を吹き飛ばして乾燥させると共に、前記基板Sを外部に渡す。
【0036】
<基板処理システムの動作>
以上のような構成の基板処理システム1では、表面にレジスト膜が形成され、該レジスト膜に露光処理が施された基板Sが入口搬送装置2に搬入される。入口搬送装置2では搬入された基板Sを搬送ローラ22によって現像装置3に搬入する。
【0037】
現像装置3では搬送ローラ32で基板Sを水平姿勢で支持しつつ搬送方向Dに沿って水平に搬送する。一方、現像液供給パイプ33からは現像液が吐出され、搬送される基板S表面に供給される。この現像装置3内での処理については後述する。
【0038】
現像装置3で処理を受けた基板Sは搬送ローラ32で水洗装置4に搬送され、水洗装置4では搬送ローラ42で基板Sを水平姿勢で支持しつつ搬送方向Dに沿って水平に搬送する。一方、水洗水供給パイプ43からは水洗水が吐出され、搬送される基板Sの上下両面に供給される。これにより、基板に付着している現像液や現像によって生じた残渣を洗い流すことができる。
【0039】
水洗装置4で処理を受けた基板Sは搬送ローラ52で出口搬送装置5に搬送される。出口搬送装置5では、基板Sの両面にエアナイフからガスを吹き付け、基板Sに付着している水分を吹き飛ばして乾燥させる。乾燥された基板Sは出口搬送装置5から外部に引き渡される。
【0040】
<入口搬送装置の詳細>
<第1実施形態>
<搬送ローラ>
図2(a)は図1のII−II断面図であり、第1実施形態の基板搬送装置を示す。図2(b)は図2(a)のIIb−IIb断面図である。
図のように筐体21内にて搬送ローラ22が設けられている。搬送ローラ22は回転軸Cを中心に回転する軸部材23と、軸部材23に固定されているコロ20を有する。ここでは1つの軸部材23に2つのコロ20が設けられると共に、複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置されている。コロ20はコロ本体24と、コロ本体24の周面に設けられているリング部材25とを有する。軸部材23は不図示の駆動機構により回転する。コロ本体24は樹脂製で、略円柱状の部材である。そして、コロ本体24はその周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材23に設けられている。すなわち、コロ本体24は回転軸Cに関して軸部材23と同軸に設けられている。リング部材25は樹脂やゴムなどの弾性材料からなりコロ本体24の周面を1周するように取り付けられている。このような搬送ローラ22は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0041】
なお、リング部材25が基板Sと接触する部分における、回転軸Cに対して垂直な断面は円形状である。
【0042】
<液供給部>
液供給部6は、帯電防止液(以下、単に防電液という。)Lを貯留する貯留槽26を有する。防電液として、ここでは純水を用いている。貯留槽26には不図示の防電液供給源から供給される防電液Lが通過する給液口27と、貯留槽26から排出される防電液Lを通過させる排液口28とを有する。また貯留槽26は搬送方向Dにおいて1列に並んだコロ20全部が浸漬されるように配置されている。このような液供給部6では、防電液供給源から、所定量の防電液Lが給液口27に供給される。該所定量とは、貯留槽26において搬送ローラ22(詳しくはコロ20、より詳しくはリング部材25)が防電液Lに接触する程度に液面が保持されるような量である。これにより、基板Sが搬送ローラ22と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態ではコロ本体24およびリング部材25が共に防電液Lに浸漬されているが、少なくともリング部材25が防電液Lに接触しておればよい。
【0044】
また、本実施形態の搬送ローラ22は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ20とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ20とで構成されてもよい。
【0045】
また、本実施形態の搬送ローラ22は1つの軸部材23に2つのコロ20を有しているが、1つの軸部材23に3以上のコロ20を有してもよい。この場合は複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置すると共に、各列に応じた液供給部6を設ければよい。
【0046】
<第2実施形態>
図3(a)は図1のII−II断面図であり、第2実施形態の基板搬送装置を示す。図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb断面図である。本実施形態において第1実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0047】
<液供給部>
液供給部62は、防電液Lを貯留するとともに上部から防電液Lをオーバーフローさせる溢流槽63と、溢流槽63の下方で溢流槽63からオーバーフローした防電液Lを受ける受槽64とを有する。
【0048】
溢流槽63には不図示の防電液供給源から供給される防電液Lが通過する給液口65が設けられ、受槽64には受槽64から排出される防電液Lを通過させる排液口66が設けられている。また溢流槽63は搬送方向Dにおいて1列に並んだコロ20全部が浸漬されるように配置されている。
溢流槽63の上端の高さはリング部材25の最下端の高さよりも高くなるよう配置されている。このため、溢流槽63いっぱいに防電液Lが貯留された場合、少なくともリング部材25と防電液Lとは接触する。
【0049】
このような液供給部62では防電液供給源から、所定量の防電液Lが給液口65に供給される。該所定量とは、溢流槽63上部から防電液Lが溢れ出てオーバーフローするような量である。これにより、基板Sが搬送ローラ22と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ22が帯電したとしても、搬送ローラ22に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0050】
なお、本実施形態ではコロ本体24およびリング部材25が防電液Lに浸漬されているが、少なくともリング部材25が防電液Lに接触しておればよい。
【0051】
また、本実施形態の搬送ローラ22は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ20とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ20とで構成されてもよい。
【0052】
また、本実施形態の搬送ローラ22は1つの軸部材23に2つのコロ20を有しているが、1つの軸部材23に3以上のコロ20を有してもよい。この場合は複数の搬送ローラ22が有するコロ20が搬送方向Dにおいて1列に並ぶように配置すると共に、各列に応じた液供給部62を設ければよい。
【0053】
<第3実施形態>
図4(a)は図1のII−II断面図であり、第3実施形態の基板搬送装置を示す。図4(b)は図4(a)のIVb−IVb断面図である。本実施形態において第1実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0054】
<搬送ローラ>
本実施形態の搬送ローラ72は回転軸Cを中心に回転する軸部材23と、軸部材23に固定されている略円錐台状のコロ74とを有する。軸部材23は不図示の駆動機構により回転する。またコロ74は樹脂製の略円錐台状部材である。詳述すると、軸方向において第1円柱状部分74aと円錐台状部分74bと第2円柱状部分74cとが連続した形状をなしている。第1円柱状部分74aは第1の直径を有し、第2円柱状部分74cは第1の直径よりも大なる第2の直径を有する。円錐台状部分74bの第1円柱状部分に接続する部分は第1の直径を有し、第2円柱状部分に接続する部分は第2の直径を有する。
【0055】
このようなコロ74の第1円柱状部分74aにリング部材75が装着されている。
【0056】
そして、コロ74は第1円柱状部分74a、円錐台状部分74b、第2円柱状部分74cそれぞれの周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材23に設けられている。すなわち、コロ74は回転軸Cに関して軸部材23と同軸に設けられている。
【0057】
このような搬送ローラ72は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0058】
なお、リング部材75が基板Sと接触する部分における、回転軸Cに対して垂直な断面は円形状である。
【0059】
<液供給部>
図4(b)のように、液供給部76は防電液Lを搬送ローラ72に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78は各搬送ローラ72の直下にて搬送ローラ72の長手方向に沿って設けられており、コロ74(特にリング部材75)に防電液Lを供給する給液ノズル78aと、2つのコロ74の間に存在する軸部材23の部分に防電液Lを供給する給液ノズル78bとを含む。給液ノズル78a、78bへは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
このような液供給部76では防電液供給源から給液ノズル78へ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78aから吐出された防電液Lはコロ74、特に基板Sと接触するリング部材75に供給される。これにより、基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、給液ノズル78bから吐出された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、軸部材23を含む搬送ローラ72には防電液Lが接触することになるので、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
なお、給液ノズル78からの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ72上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0060】
また、本実施形態の搬送ローラ72は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ74とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ74とで構成されてもよい。
【0061】
<第4実施形態>
図5(a)は図1のII−II断面図であり、第4実施形態の基板搬送装置を示す。図5(b)は図5(a)のVb−Vb断面図である。本実施形態は第3実施形態の変形例に当るので第3実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0062】
第3実施形態ではコロ74および軸部材23に防電液Lを供給していたが、本第4実施形態ではコロ74には防電液Lを供給せず、軸部材23に防電液Lを供給している。
【0063】
<液供給部>
図5(b)のように、液供給部81は防電液Lを搬送ローラ72に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78Cは軸部材23に防電液Lを供給する。給液ノズル78へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
このような液供給部81では防電液供給源から給液ノズル78cへ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78cから吐出された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、軸部材23に供給された防電液Lが軸方向に移動してコロ74、特にリング部材75に至れば基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。
なお、給液ノズル78cからの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ72上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0064】
また、本実施形態の搬送ローラ72は回転可能な軸部材23と、軸部材23に固定されたコロ74とで構成されているが、固定された軸部材23と、該軸部材23に対して回転可能なコロ74とで構成されてもよい。
【0065】
<第5実施形態>
図6(a)は図1のII−II断面図であり、第5実施形態の基板搬送装置を示す。図6(b)は図6(a)のVIb−VIb断面図である。本実施形態は第4実施形態の変形例に当るので第3実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0066】
前述の第4実施形態では給液ノズル78Cで軸部材23に防電液Lを供給しているが、本第5実施形態では後述の貯留樋84を用いている。
【0067】
<液供給部>
図6(b)のように液供給部83は防電液Lを各搬送ローラ72に供給する貯留樋84と、貯留樋84および、搬送ローラ72から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。貯留樋84は軸部材23の長手方向に伸びる樋部材85を有する。樋部材85の長手方向の寸法は搬送ローラ72のコロ74同士の間隔よりも短い寸法であって、該コロ74間の軸部材23直下に配置されている。そして、貯留樋84は該軸部材23に防電液Lを供給する。貯留樋84へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0068】
<貯留樋>
図7は図6(b)のVII−VII断面図であり、貯留樋84の詳細を示す。
貯留樋84に含まれる樋部材85は軸部材23の軸方向に沿って伸びる凹部85aを有する。該凹部85aは軸部材23の周面を取り囲むように形成されている。詳述すると、該凹部85aは軸部材23の周面と略平行な曲面で形成されている。また貯留樋84は凹部85aに防電液Lが供給されたとき、凹部85aに貯留された防電液Lと軸部材23とが接触するような距離に配置されている。また、前記樋部材85には給液管86が接続されており、該給液管86から防電液Lが供給される。供給された防電液Lは凹部85aに貯留されて移動する際、軸部材23に接触する。なお、防電液Lの供給量は凹部85aと軸部材23との間の空間を満たすような量を供給することが好ましい。
【0069】
このような液供給部83では防電液供給源から貯留樋84へ防電液Lが供給される。そして貯留樋84に貯留された防電液Lは軸部材23に供給される。よって、仮に搬送ローラ72が帯電したとしても、搬送ローラ72に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。また、軸部材23に供給された防電液Lが軸方向に移動してコロ74、特にリング部材75に至れば基板Sが搬送ローラ72と接触する部分には常に防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。
なお、貯留樋84が本発明の軸浸漬手段に該当する。
【0070】
<第6実施形態>
図8(a)は図1のII−II断面図であり、第6実施形態の基板搬送装置を示す。図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb断面図である。本実施形態において第5実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0071】
本実施形態の搬送ローラのコロは前述の実施形態の搬送ローラが有するコロとは異なり、基板Sとの接触部分が回転軸方向に連続して長尺であり、該接触部分の長さが基板Sの幅(基板Sの搬送方向と直行する方向における長さ)以上の寸法を有する。以下説明する。
【0072】
筐体21内にて搬送ローラ92が設けられている。搬送ローラ92は回転軸Cを中心に回転する軸部材94と、軸部材94に固定されているコロ93とを有する。軸部材94は不図示の駆動機構により回転する。コロ93はゴムまたは樹脂製の円柱状部材である。また、その長手方向の寸法Lrは基板Sの幅Lwよりも長く設定されている。そして、コロ93はその周面が描く円の中心を回転軸Cが貫くように軸部材94に設けられている。すなわち、コロ93は回転軸Cに関して軸部材94と同軸に設けられている。
このような搬送ローラ92は前述の搬送ラインHにて基板Sを支持し、また回転することにより該基板Sを搬送方向Dに沿って搬送する。
【0073】
<液供給部>
液供給部95は防電液Lを搬送ローラ92に供給する貯留樋96と、貯留樋96および、搬送ローラ92から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。貯留樋96はコロ93の長手方向に伸びる樋部材97を有する。樋部材97の長手方向の寸法はコロ93の長手方向の寸法よりも長い寸法であって、コロ93の直下に配置されている。そして、貯留樋96はコロ93に防電液Lを供給する。貯留樋96へは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0074】
<貯留樋>
図9は図8(b)IX−IX断面図であり、貯留樋96の詳細を示す。
貯留樋96に含まれる樋部材97は軸部材94およびコロ93の軸方向に沿って伸びる凹部97aを有する。該凹部97aはコロ93の周面を取り囲むように形成されている。詳述すると、該凹部97aはコロ93の周面と略平行な曲面で形成される。また貯留樋96は凹部97aに防電液Lが供給されたとき、凹部97aに貯留された防電液Lとコロ93とが接触するような距離に配置されている。また、前記樋部材97には給液管98が接続されており、該給液管98から防電液Lが供給される。供給された防電液Lは凹部97aに貯留されて移動する際、コロ93に接触する。なお、防電液Lの供給量は凹部97aとコロ93との間の空間を満たすような量を供給することが好ましい。
【0075】
このような液供給部85では防電液供給源から貯留樋96へ防電液Lが供給される。そして貯留樋96に貯留された防電液Lはコロ93に供給される。よって、コロ93を含む搬送ローラ92には防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気が発生することは無い。
なお、貯留樋96が本発明のコロ浸漬手段に該当する。
<第7実施形態>
図10(a)は図1のII−II断面図であり、第7実施形態の基板搬送装置を示す。図10(b)は図10(a)のXb−Xb断面図である。本実施形態において第6実施形態と同様の部分には同様の参照番号を付してその説明を省略する。
【0076】
<液供給部>
液供給部103は防電液Lを搬送ローラ92に供給する給液ノズル78と、搬送ローラ92から落下する防電液Lを受ける受槽77とを有する。給液ノズル78は複数の給液ノズル78dを含み、該給液ノズル78dは各搬送ローラ72の直下にて搬送ローラ92の長手方向に沿って設けられている。そして、給液ノズル78dへは不図示の防電液供給源から防電液Lが供給される。また、受槽77には防電液Lを通過させる排液口79が設けられている。
【0077】
このような液供給部103では防電液供給源から給液ノズル78dへ防電液Lが供給される。そして給液ノズル78dから吐出された防電液Lはコロ93に供給される。よって、コロ93を含む搬送ローラ92には防電液Lが接触することになるので、乾燥した基板Sを搬送しても静電気の発生は無く、帯電は防止される。また、仮に搬送ローラ92が帯電したとしても、搬送ローラ92に接触する防電液Lによって除電されるため、基板の処理品質の低下を防止することができる。
【0078】
なお、給液ノズル78dからの防電液Lの吐出は基板Sが搬送ローラ92上あるとき、無いとき、何れの場合において実行しても良い。また、それぞれの場合において、連続的に吐出しても良いし、間欠的に吐出しても良い。
【0079】
以上、複数の基板搬送装置の実施形態について説明したが、上述の実施形態では防電液として純水を使用しているが防電液としては比抵抗が1メガオーム・センチメートル以下の液体であることが好ましい。このような液体としては純水、気体を溶解した純水が考えられる。前記気体は純水に溶解された後、常温常圧(摂氏26度、1気圧)に放置されると該純水から脱出してしまう気体が望ましい。このような気体としては二酸化炭素や水素などが好ましい。すなわち、防電液としては純水に二酸化炭素が溶解された炭酸水、純水に水素が溶解された水素水が使用できる。なお、炭酸水は二酸化炭素の濃度が約1ppm以上、水素水は水素の濃度が約2ppm以上であることが望ましい。
【0080】
また、上述の実施形態では基板処理装置として現像装置が用いられているが、剥離装置が用いられても良い。この場合は前述の現像装置3と略同構成の装置とし、現像液供給パイプ33と同構成の剥離液供給パイプを設け、該剥離液供給パイプから基板へ剥離液を供給する。該剥離装置は基板上に形成された塗布膜(例えばレジスト膜)を溶解する、処理液としての剥離液(例えば有機溶剤)を供給し該塗布膜を除去する装置である。
【0081】
また、同様に基板処理装置としてエッチング装置が用いられても良い。この場合は前述の現像装置3と略同構成の装置とし、現像液供給パイプ33と同構成のエッチング液供給パイプを設け、該エッチング液供給パイプから基板へエッチング液を供給する。該エッチング装置は基板上に形成された薄膜(例えば金属膜や金属酸化膜)を溶解する処理液としてのエッチング液(例えば弗酸)を供給し該薄膜の不要部分を除去する。なお、基板処理装置がエッチング装置である場合は、該基板処理装置に接続されている基板搬送装置にエッチング液の蒸気を含んだ雰囲気が移入しやすい。エッチング液は腐食性が高いため、このような基板搬送装置では金属製の搬送ローラは使用不能である。したがって、このような基板搬送装置では樹脂やゴム製の搬送ローラを使用せざるを得ない。しかし、本発明の基板搬送装置では樹脂やゴム製の搬送ローラを使用しても良好に静電気の発生を防止できるため、基板の品質低下を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
請求項1ないし7の基板搬送装置によれば、基板の品質低下を抑制することができる。
【0082】
請求項8の基板処理システムによれば、基板の品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板処理システムを示す図である。
【図2】第1実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図3】第2実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図4】第3実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図5】第4実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図6】第5実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図7】貯留樋84を示す図である。
【図8】第6実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【図9】貯留樋96を示す図である。
【図10】第7実施形態の基板搬送装置を示す図である。
【符号の説明】
1、基板処理システム
2、入口搬送装置
3、現像装置
4、水洗装置
5、出口搬送装置
6、62、76、81、83、95、103、液供給部
20、74、93、コロ
21、51筐体
22、32、42、52、72、92搬送ローラ
23、軸部材
24、コロ本体
25、75リング部材
26、貯留槽
27、65給液口
28、66、79、排液口
31、現像槽
33、現像液供給パイプ
34、44排液管
41、水洗槽
43、水洗水供給パイプ
53、エアナイフ
63、溢流槽
64、77受槽
78、78a、78b、78c給液ノス゛ル
84、96貯留樋
85、97樋部材
86、98給液管
94、軸部材
35a、主面
74a、第1円柱状部分
74b、円錐台状部分
74c、第2円柱状部分
85a、97a凹部
C、回転軸
H、搬送ライン
L、防電液
S、基板
Claims (8)
- 上方に基板を支持して回転する搬送ローラを有する基板搬送部と、
搬送ローラに帯電防止液を供給する液供給部とを有することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、
前記液供給部はコロ部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項2に記載の基板搬送装置において、
前記液供給部は、搬送ローラの下方に設けられ、コロ部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留するコロ浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項2に記載の基板搬送装置において、
前記液供給部は、コロ部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記搬送ローラは、軸部材と、該軸部材に同軸状態で設けられた略円柱状のコロ部材とを有するとともに該コロ部材で基板を支持し、
前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項5に記載の基板搬送装置において、
前記液供給部は搬送ローラの下方に設けられ軸部材が接触する程度の液位に帯電防止液を貯留する軸浸漬手段を有することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項5に記載の基板搬送装置において、
前記液供給部は軸部材へ帯電防止液を供給する給液ノズルを有することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1ないし7の何れかの基板搬送装置と、
前記基板搬送装置から基板を受取り、該基板に処理液を供給して処理を施す基板処理装置と
を備えたことを特徴とする基板処理システム。
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