JP2004127613A - 薄膜積層体、二次電池、及び薄膜積層体の製造方法 - Google Patents

薄膜積層体、二次電池、及び薄膜積層体の製造方法 Download PDF

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Hitoshi Sakai
酒井 仁
Kazuyoshi Honda
本田 和義
Junichi Inaba
稲葉 純一
Yoshiyuki Okazaki
岡崎 禎之
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】異なる材料からなる層の界面での密着性が改善された薄膜積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1材料層12と第2材料層14とが積層された薄膜積層体10であって、前記第1材料層12及び前記第2材料層14の積層界面16において、前記第1材料層12及び前記第2材料層14のうちの一方が他方の層内に侵入した侵入構造18を備え、前記侵入構造18において、侵入材料層12が被侵入材料層14を積層方向に挟み込んでいる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜積層体とこれを用いた二次電池、及び薄膜積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化の急速な進展に伴い携帯電話やノートPCに代表されるモバイル製品の普及が目覚しく、そのためこれらの駆動電源である電池の性能向上のための研究、開発が盛んに行われている。
【0003】
1990年代初頭からリチウム二次電池の商品化がなされており、高いエネルギー密度を有するために目覚しい普及を見せている。この電池の基本構成は、正極と負極との間にポリエチレン等のセパレータを配して、そこに電解質として有機電解液を注入するといういわば液電池が主流である。この有機電解液を用いるリチウム二次電池の場合、安全性の確保のためにさまざまな安全装置を組み込む必要性があり、電池パックとしてのサイズ減少に限界があった。
【0004】
これに対し、正極と負極との間に有機・無機固体電解質を配することで電池を構成する全固体リチウム二次電池は有機電解液を使用するタイプと比較して一般的に安全性が高いことが期待され、安全装置を用いることなく利用できる可能性が高いと考えられている。固体電解質としてはリン酸リチウムを出発材料とした比較的イオン導電率の高いLi−P−O−N系無機固体電解質(以下、「LiPON」と表記する)などが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
J.Electrochem.Soc.,Vol.144,No.2 February
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この全固体リチウム二次電池では、正極と固体電解質との界面および負極と固体電解質との界面における密着性が電池特性を大きく左右する。特に長期間にわたる使用において環境変化や充放電を繰り返すことによってこの密着性が損なわれるということが、これまで全固体リチウム二次電池の普及が遅れていることの要因の一つである。
【0007】
本発明は上記の問題を解決するためのものであって、本発明の第1の目的は、異なる材料からなる層の界面での密着性が改善された薄膜積層体及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、層界面での密着性が良好で、充放電を繰り返した後の放電容量維持率の低下が少なく、その結果、サイクル特性に優れた全固体リチウム二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の薄膜積層体は、第1材料層と第2材料層とが積層された薄膜積層体であって、前記第1材料層及び前記第2材料層の積層界面において、前記第1材料層及び前記第2材料層のうちの一方が他方の層内に侵入した侵入構造を備え、前記侵入構造において、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込んでいることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の全固体リチウム二次電池は、上記本発明の薄膜積層体を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の薄膜積層体の製造方法は、真空プロセスにより、同一平面上に、略同一厚さで、相互に補完的にパターニングされた、第1材料からなる第1薄膜と第2材料からなる第2薄膜とを含む薄膜を形成する工程を少なくとも2回以上行うことにより、第1材料と第2材料とを含む薄膜積層体を製造する方法であって、N回目(Nは2以上の整数)に形成する前記薄膜を第N層薄膜としたとき、第N−1層薄膜における前記第1薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第1薄膜を形成し、第N−1層薄膜における前記第2薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第2薄膜を形成することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の薄膜積層体は、第1材料層と第2材料層とが積層された薄膜積層体であって、前記第1材料層及び前記第2材料層の積層界面において、前記第1材料層及び前記第2材料層のうちの一方が他方の層内に侵入した侵入構造を備え、前記侵入構造において、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込んでいる。
【0012】
積層界面に、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込むように形成された侵入構造を有することにより、第1材料層と第2材料層との密着性が良好な薄膜積層体を得ることができる。
【0013】
前記侵入構造が薄膜の積層により形成されていることが好ましい。これにより、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0014】
前記第1材料層及び前記第2材料層の積層方向における界面と垂直な方向からみたとき、前記侵入構造が短冊状に形成されていることが好ましい。これにより、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0015】
次に、本発明の全固体リチウム二次電池は、上記本発明の薄膜積層体を含む。これにより、層界面での密着性が良好であるので、充放電を繰り返した後の放電容量維持率の低下が少なく、その結果、サイクル特性に優れた全固体リチウム二次電池を提供することができる。
【0016】
ここで、本発明の薄膜積層体は、全固体リチウム二次電池のどの積層界面にも適用できる。例えば、前記第1材料層又は前記第2材料層が、組成式がLi(1−x)MO(0<x≦0.5)(MはCo、Mn、Niのうちの少なくとも1つ以上を含む)で表される材料からなる正極活物質層であってもよい。あるいは、前記第1材料層又は前記第2材料層が、リチウム金属、リチウム合金、及び炭素のうちの少なくとも1つからなる負極活物質層であってもよい。あるいは、前記第1材料層又は前記第2材料層が、無機固体電解質層であってもよい。
【0017】
次に、本発明の薄膜積層体の製造方法は、真空プロセスにより、同一平面上に、略同一厚さで、相互に補完的にパターニングされた、第1材料からなる第1薄膜と第2材料からなる第2薄膜とを含む薄膜を形成する工程を少なくとも2回以上行うことにより、第1材料と第2材料とを含む薄膜積層体を製造する方法であって、N回目(Nは2以上の整数)に形成する前記薄膜を第N層薄膜としたとき、第N−1層薄膜における前記第1薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第1薄膜を形成し、第N−1層薄膜における前記第2薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第2薄膜を形成する。
【0018】
これにより、第1材料層と第2材料層との積層界面に、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込むように形成された侵入構造を容易に形成できる。その結果、第1材料層と第2材料層との密着性が良好な薄膜積層体を製造できる。
【0019】
このとき、前記第1薄膜は、第1薄膜材料源からの蒸気又は粒子を第1マスクを介して堆積することにより形成され、前記第2薄膜は、第2薄膜材料源からの蒸気又は粒子を第2マスクを介して堆積することにより形成されることが好ましい。第1,第2マスクを使用することにより、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0020】
このとき、前記第1マスクと前記第2マスクとは相互に補完的な開口を備えることが好ましい。これにより、侵入構造を形成する第1材料層と第2材料層との界面に空隙が発生するのが防止できるので、侵入構造による密着性の改善効果の低下を防止できる。
【0021】
本発明の薄膜の製造方法において、前記第N−1層薄膜の形成工程と前記第N層薄膜の形成工程とで、前記第1マスク及び前記第2マスクの位置を被形成面に対して平行な面内で変化させてもよい。このとき、前記第N−1層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形と、前記第N層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形とは、形状及び大きさにおいて同一となる。これにより、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0022】
あるいは、前記第N−1層薄膜の形成工程と前記第N層薄膜の形成工程とで、前記第1マスク及び前記第2マスクの位置を被形成面に対して垂直な方向に変化させてもよい。このとき、前記第N−1層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形と、前記第N層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形とは、大きさが異なる相似形となる。これによっても、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0023】
あるいは、前記第N−1層薄膜の形成時に使用する第1マスクと前記第N層薄膜の形成時に使用する第1マスクとは開口の形状、位置又は大きさが異なり、且つ、前記第N−1層薄膜の形成時に使用する第2マスクと前記第N層薄膜の形成時に使用する第2マスクとは開口の形状、位置又は大きさが異なっていてもよい。これによっても、本発明の上記侵入構造を容易に形成できる。
【0024】
また、第1層薄膜の形成工程に先立って、被形成面の全面に前記第1材料のみからなる薄膜を形成してもよい。また、前記第N層薄膜の形成工程の後に、前記第N層薄膜の全面に前記第2材料のみからなる薄膜を形成してもよい。これにより、本発明の上記の薄膜積層体を製造できる。
【0025】
また、本発明の薄膜の製造方法において、前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数に関わらず、前記第1薄膜及び前記第2薄膜の各パターニング面積をほぼ一定とし、それぞれの位置を変化させてもよい。これにより、後述する実施の形態Aに示す薄膜積層体を製造できる。
【0026】
あるいは、前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数が増加するに従って、前記第1薄膜のパターニング面積を逓減させ、その後、逓増させてもよい。これにより、例えば後述する図12(A)に示す薄膜積層体を製造できる。
【0027】
あるいは、前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数が増加するに従って、前記第1薄膜のパターニング面積を逓増させてもよい。これにより、例えば後述する図12(B)に示す薄膜積層体を製造できる。
【0028】
また、本発明の薄膜の製造方法において、前記真空プロセスが電子ビーム蒸着法であることが好ましい。これにより、本発明の薄膜積層体を高品質を維持しながら効率よく製造できる。
【0029】
以下、本発明を図面を参照しながら更に詳細に説明する。
【0030】
(実施の形態A−1)
図1(A)は本発明の実施の形態A−1に係る薄膜積層体10の概略断面図、図1(B)は図1(A)の1B−1B線において矢印方向に見た実施の形態A−1に係る薄膜積層体10の部分断面図である。本実施の形態の薄膜積層体10は、第1材料からなる第1材料層12と第2材料からなる第2材料層14とが図1(A)の上下方向に積層されて構成される。
【0031】
図1(A)に示すように、第1材料層12と第2材料層14との積層界面16において、第2材料層14が第1材料層12内に侵入した侵入構造18が形成されている。侵入構造18において、侵入材料層である第2材料層14は、被侵入材料層である第1材料層12の部分12aを上下方向に挟み込んでいる。このような侵入構造を備えることより、積層界面16における第1材料層12と第2材料層14との密着性が向上する。
【0032】
一つの侵入構造18において、第2材料層14(侵入材料層)が上下方向に挟み込む第1材料層12(被侵入材料層)の部分12aの数は、図1(A)に示したように2つに限定されず、図2(A)に示すように1つであっても、図2(B)に示すように3つであっても、あるいは4以上であってもよい。一般には、該数が多いほど第1材料層12と第2材料層14との密着性の改善効果は大きくなる。但し、6を超えると密着性の改善効果に変化がほとんど見られないばかりか、薄膜積層体の生産性が低下する。従って、該数は5以下であることが好ましい。
【0033】
図1(B)に示すように、積層界面の法線方向から見たとき、侵入構造18は短冊状に配置されている。
【0034】
また、図1(A)、図2(A)、図2(B)に示すように、積層界面16を含む面内における侵入構造18の幅をW0、侵入構造18内における侵入材料層である第2材料層14の、積層界面16と平行な面内方向における最大広がり幅をW1としたとき、比W1/W0の下限値は1.05、更には1.2であることが好ましい。また、比W1/W0の上限値は4.0、更には3.8であることが好ましい。上記比W1/W0が上記の下限値より小さいと、侵入材料層の被侵入材料層に対するアンカー効果が低下するので、積層界面16における侵入材料層(第2材料層14)と被侵入材料層(第1材料層12)との密着性の改善効果が低下する。また、上記比W1/W0が上記の上限値より大きいと、例えば薄膜積層体を二次電池に使用した場合には、侵入構造18内に電荷が蓄積されて電池容量が低下する。
【0035】
(実施の形態A−2)
上記の実施の形態A−1に示した薄膜積層体の製造方法の一実施形態を説明する。
【0036】
図3は、本発明の薄膜積層体の製造装置の概略構成の一例を示した側面図である。以下の説明の便宜のために、鉛直方向軸をZ軸(上側が正)、水平面内において紙面左右方向をX軸(紙面右側が正)、紙面の法線方向をY軸(紙面奥側が正)とするXYZ3次元直交座標系を設定する。
【0037】
図3において、101は基板であり、XY平面と平行な下面に薄膜積層体が形成される。111は第1材料を保持する第1坩堝(第1電子ビーム蒸発源)、113は第1坩堝111内の第1材料を電子ビーム加熱法により加熱し蒸発させるための電子ビーム115を放出する第1電子ビーム源、121は第2材料を保持する第2坩堝(第2電子ビーム蒸発源)、123は第2坩堝121内の第2材料を電子ビーム加熱法により加熱し蒸発させるための電子ビーム125を放出する第2電子ビーム源である。117は、第1坩堝111と基板101との間に、水平面内の矢印117aの方向に移動可能に配置されて、第1坩堝111から放出された第1材料蒸気119が基板101に到達するのを防止する第1シャッタ、127は、第2坩堝121と基板101との間に、水平面内の矢印127aの方向に移動可能に配置されて、第2坩堝121から放出された第2材料蒸気129が基板101に到達するのを防止する第2シャッタである。130は、第1坩堝111と基板101との間に、X軸と平行な矢印130xの方向に移動可能に配置されて、基板101上に、所望する形状にパターニングされた第1材料からなる第1薄膜を形成するための第1マスク、140は、第2坩堝121と基板101との間に、X軸と平行な矢印140xの方向に移動可能に配置されて、基板101上に、所望する形状にパターニングされた第2材料からなる第2薄膜を形成するための第2マスクである。第1,第2マスク130,140の開口を通過した第1,第2材料蒸気の回り込みを少なくするために、第1,第2マスク130,140と基板101の下面とのZ軸方向の距離は小さい方が好ましく、具体的には5cm以下であることが好ましい。
【0038】
これらは、所定の真空度に保たれた真空槽内に設置される。
【0039】
図4(A)は第1マスク130の平面図、図4(B)は第2マスク140の平面図である。第1マスク130は開口132を有し、第2マスク140は開口142を有する。ここで、第1マスク130は、第2マスク140の遮蔽部に対応する位置に開口132を備え、第2マスク140は、第1マスク130の遮蔽部に対応する位置に開口142を備える。すなわち、第1マスク130及び第2マスク140は相互に補完的な開口132及び開口142をそれぞれ備える。
【0040】
以上の装置を用いた本発明の実施の形態A−2にかかる薄膜積層体の製造方法の一例を図5(A)〜図5(G)を用いて説明する。
【0041】
第1シャッタ117及び第2シャッタ127で第1坩堝111及び第2坩堝121をそれぞれ覆い、且つ、第1マスク130及び第2マスク140を待避させた状態で、第1坩堝111内の第1材料、及び第2坩堝121内の第2材料を、それぞれ電子ビーム加熱法により加熱し、蒸発させる。この状態では図5(A)に示すように、基板101上には薄膜は形成されない。
【0042】
次に、第1シャッタ117を待避させて、基板101上に第1材料を蒸着して第1薄膜12N0を形成する(図5(B))。
【0043】
次に、第1マスク130を第1坩堝111と基板101との間に配置して、第1マスク130を介して更に第1材料の蒸着を行い、第1薄膜12N1を形成する(図5(C))。このとき形成される第1薄膜12N1は、第1マスク130の開口132に対応した形状にパターニングされている。
【0044】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第1材料の蒸着を停止する。次いで、第2マスク140を第1マスク130と重ね、その後、第1マスク130を待避させる。そして、第2シャッタ127を待避させて、第2材料を第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N1を形成する(図5(D))。このとき、図5(C)の工程において第1薄膜12N1が形成されずに第1薄膜12N0が露出した領域内にのみ第2薄膜14N1が形成される。第2薄膜14N1の厚みは、第1薄膜12N1と略同一とする。これにより、第1薄膜12N0上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N1と第2薄膜14N1とからなる第1層薄膜が形成される。
【0045】
次に、第2マスク140の位置をX軸の負の方向に所定量だけ移動させて、第2材料の蒸着を継続して第2薄膜14N2を形成する(図5(E))。第2マスク140の位置をX軸の負の方向に移動させた結果、第2薄膜14N2の形成位置は、X軸の負の方向に距離d1だけシフトする。ここで、距離d1は、第2薄膜14N2の一部と第2薄膜14N1の一部とが相互に接触する範囲内で設定される。
【0046】
次に、第2シャッタ127で第2坩堝121を覆い、第2材料の蒸着を停止する。次いで、第1マスク130を第2マスク140と重ね、その後、第2マスク140を待避させる。そして、第1シャッタ117を待避させて、第1材料を第1マスク130を介して蒸着して第1薄膜12N2を形成する(図5(F))。このとき、図5(E)の工程において第2薄膜14N2が形成されていない領域内にのみ第1薄膜12N2が形成される。第1薄膜12N2の厚みは、第2薄膜14N2と略同一とする。これにより、上記第1層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N2と第2薄膜14N2とからなる第2層薄膜が形成される。
【0047】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第1材料の蒸着を停止する。次いで、第2マスク140を待避させた後、第2シャッタ127を待避させて、第2材料を蒸着する。この結果、全面に第2薄膜14N0が形成される(図5(G))。
【0048】
以上の結果、図2(A)に示した薄膜積層体が得られる。
【0049】
上記において、第2薄膜14N2を形成する際の第2マスク140のX軸の負の方向への移動量は、2mm以上が好ましい。上記移動量が少ないと、図1(A)に示した比W1/W0が小さくなり、第1材料層と第2材料層との界面での密着性向上効果が低下する。
【0050】
(実施の形態A−3)
図3、図4(A)、図4(B)の装置を用いた本発明の実施の形態A−3にかかる薄膜積層体の製造方法を図6(A)〜図6(D)に示す。
【0051】
まず、実施の形態A−2で説明した図5(A)〜図5(F)と同じ工程を行う(図6(A))。
【0052】
次に、第1マスク130の位置を、図5(F)の工程での位置からX軸の正の方向に所定量だけ移動させて、第1材料の蒸着を継続して第1薄膜12N3を形成する(図6(B))。このときの第1マスク130の位置は、図5(C)の工程において第1薄膜12N1を形成したときの第1マスク130の位置と同一である。第1マスク130の位置をX軸の正の方向に移動させた結果、第1薄膜12N3の形成位置は、第1薄膜12N2に対してX軸の正の方向に距離d1だけシフトする。
【0053】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第1材料の蒸着を停止する。次いで、第2マスク140を第1マスク130に重ね、その後、第1マスク130を待避させる。そして、第2シャッタ127を待避させて、第2材料を第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N3を形成する(図6(C))。このときの第2マスク140の位置は、図5(D)の工程において第2薄膜14N1を形成したときの第2マスク140の位置と同一である。従って、図6(B)の工程において第1薄膜12N3が形成されていない領域内にのみ第2薄膜14N3が形成される。第2薄膜14N3の厚みは、第1薄膜12N3と略同一とする。これにより、上記第2層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N3と第2薄膜14N3とからなる第3層薄膜が形成される。
【0054】
次に、第2マスク140を待避させて、第2材料を蒸着する。この結果、全面に第2薄膜14N0が形成される(図6(D))。
【0055】
以上の結果、図1(A)に示した薄膜積層体が得られる。
【0056】
なお、図6(C)の工程の後に、更に図5(E)及び図5(F)と同様の工程を行うことで図2(B)に示した薄膜積層体が得られる。
【0057】
このように、積層方向の第1薄膜同士及び第2薄膜同士がそれぞれ接触させながら、第1マスク130及び第2マスク140をX軸方向に所定距離だけ往復移動させて、第1薄膜及び第2薄膜を繰り返し積層することにより、本発明の侵入構造18を形成できる。また、第2材料層14(侵入材料層)が上下方向に挟み込む第1材料層12(被侵入材料層)の部分12aの数は、積層回数を調整することにより変更できる。
【0058】
(実施の形態A−4)
図3、図4(A)、図4(B)の装置を用いた本発明の実施の形態A−4にかかる薄膜積層体の別の製造方法を図7(A)〜図6(D)に示す。
【0059】
まず、実施の形態A−2で説明した図5(A)〜図5(D)と同じ工程を行う(図7(A))。
【0060】
次に、第2シャッタ127で第2坩堝121を覆い、第1マスク130を、図5(C)の第1薄膜12N1の形成時の位置よりX軸の負の方向に所定量だけ移動させた位置に設置した後、第1シャッタ117を待避させて、第1マスク130を介して第1材料を蒸着して第1薄膜12N2を形成する(図7(B))。第1マスク130の位置を第1薄膜12N1の形成時の位置よりX軸の負の方向に移動させた結果、第1薄膜12N2の形成位置は、第1薄膜12N1に対してX軸の負の方向に距離d1だけシフトする。
【0061】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第2マスク140を、図5(D)の第2薄膜14N1の形成時の位置よりX軸の負の方向に所定量だけ移動させた位置に設置した後、第2シャッタ127を待避させて、第2マスク140を介して第2材料を蒸着して第2薄膜14N2を形成する(図7(C))。第2マスク140の位置を第2薄膜14N1の形成時の位置よりX軸の負の方向に移動させた結果、第2薄膜14N2の形成位置は、第2薄膜14N1に対してX軸の負の方向に距離d1だけシフトする。その結果、図7(B)の工程において第1薄膜12N2が形成されていない領域内にのみ第2薄膜14N2が形成される。第2薄膜14N2の厚みは、第1薄膜12N2と略同一とする。これにより、第1層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N2と第2薄膜14N2とからなる第2層薄膜が形成される。
【0062】
次に、第2マスク140を待避させて、第2材料を蒸着する。この結果、全面に第2薄膜14N0が形成される(図7(D))。
【0063】
以上の結果、図2(A)に示した薄膜積層体が得られる。
【0064】
本実施の形態の製造方法は、図5(A)〜図5(G)に示した製造方法に対して第1,第2シャッタ117,127の開閉回数と第1,第2マスク130,140の移動距離とが増加するが、同様の薄膜積層体を得ることができる。
【0065】
第1材料及び第2材料の蒸着工程数を変更することにより、図2(A)、図2(B)等の薄膜積層体を製造することができる。
【0066】
以上のように、実施の形態A−2〜A−4に示した薄膜積層体の製造方法では、同一平面上に、略同一厚さで、且つ、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜と第2薄膜とを含む薄膜を2層以上積層する。ここで、N回目(Nは2以上の整数)に形成する薄膜を第N層薄膜とすると、第N−1層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの位置が異なるように第N層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N2)を形成する。また、第N−1層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの位置が異なるように第N層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N2)を形成する。この結果、実施の形態A−1に示したような、第1材料層12と第2材料層14との密着性が向上した薄膜積層体が得られる。この方法によれば、第N−1層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N1)と第2薄膜(例えば第2薄膜14N1)との境界線が形成する図形と、第N層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N2)と第2薄膜(例えば第2薄膜14N2)との境界線が形成する図形とは、形状及び大きさにおいて同一となる。
【0067】
上記の実施の形態A−2〜A−4に示した薄膜積層体の製造方法では、第1マスク130及び第2マスク140を、積層数が増加するに従って、X軸方向に所定量だけ往復移動させることにより、実施の形態A−1に示したようなジグザク状の侵入構造18を形成した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0068】
例えば、第1マスク130及び第2マスク140を、積層数が増加するに従って、X軸の一方向(例えば正の方向)に所定距離だけ順に移動させてもよい。図8にそのようにして得られる薄膜積層体の概略構成を示す。この薄膜積層体10においても、第1材料層12と第2材料層14との積層界面16において、第2材料層14が第1材料層12内に侵入した侵入構造18が形成されており、侵入構造18において、侵入材料層である第2材料層14は、被侵入材料層である第1材料層12の部分12aを上下方向に挟み込んでいる。図8では、図面を簡略化するために、XY平面に対して傾斜した第1材料層12と第2材料層14との境界面を直線で描いているが、ミクロ的には階段状に形成されていることは言うまでもない。なお、実施の形態A−1で説明した、積層界面16を含む面内における侵入構造18の幅W0、侵入構造18内における侵入材料層である第2材料層14の、積層界面16と平行な面内方向における最大広がり幅W1は、それぞれ図8に示した通りに定義される。
【0069】
(実施の形態B−1)
図9(A)は本発明の実施の形態B−1に係る薄膜積層体10の概略断面図、図9(B)は図9(A)の9B−9B線において矢印方向に見た実施の形態B−1に係る薄膜積層体10の部分断面図である。本実施の形態の薄膜積層体10は、第1材料からなる第1材料層12と第2材料からなる第2材料層14とが図9(A)の上下方向に積層されて構成される。
【0070】
図9(A)に示すように、第1材料層12と第2材料層14との積層界面16において、第2材料層14が第1材料層12内に侵入した侵入構造18が形成されている。侵入構造18において、侵入材料層である第2材料層14は、被侵入材料層である第1材料層12の部分12aを上下方向に挟み込んでいる。このような侵入構造を備えることより、積層界面16における第1材料層12と第2材料層14との密着性が向上する。
【0071】
一つの侵入構造18において、第2材料層14(侵入材料層)が上下方向に挟み込む第1材料層12(被侵入材料層)の部分12aの数は、図9(A)に示したように2つに限定されず、1つであっても、あるいは3以上であってもよい。一般には、該数が多いほど第1材料層12と第2材料層14との密着性の改善効果は大きくなる。但し、6を超えると密着性の改善効果に変化がほとんど見られないばかりか、薄膜積層体の生産性が低下する。従って、該数は5以下であることが好ましい。
【0072】
図9(B)に示すように、積層界面の法線方向から見たとき、侵入構造18は短冊状に配置されている。
【0073】
また、図9(A)、図9(A)、図9(B)に示すように、積層界面16を含む面内における侵入構造18の幅をW0、侵入構造18内における侵入材料層である第2材料層14の、積層界面16と平行な面内方向における最大広がり幅をW1としたとき、比W1/W0の下限値は1.05、更には1.2であることが好ましい。また、比W1/W0の上限値は4.0、更には3.8であることが好ましい。上記比W1/W0が上記の下限値より小さいと、侵入材料層の被侵入材料層に対するアンカー効果が低下するので、積層界面16における侵入材料層(第2材料層14)と被侵入材料層(第1材料層12)との密着性の改善効果が低下する。また、上記比W1/W0が上記の上限値より大きいと、例えば薄膜積層体を二次電池に使用した場合には、侵入構造18内に電荷が蓄積されて電池容量が低下する。
【0074】
(実施の形態B−2)
上記の実施の形態B−1に示した薄膜積層体の製造方法の一実施形態を説明する。
【0075】
図10は、本発明の薄膜積層体の製造装置の概略構成の一例を示した側面図である。図3に示した実施の形態A−2に係る製造装置と異なる点は、第1マスク130及び第2マスク140が、それぞれZ軸と平行な矢印130z及び140zの方向に更に移動可能である点のみである。
【0076】
第1マスク130及び第2マスク140の構成は、それぞれ図4(A)及び図4(B)に示した通りである。
【0077】
第1,第2坩堝111,121から放出される第1,第2材料蒸気119,129は、第1,第2坩堝111,121から基板101に向かって拡散しながら上昇する。従って、同一の開口を有する第1,第2マスク130,140を用いても、第1,第2マスク130,140から被蒸着面(すなわち基板101)までの距離を変えることにより、被蒸着面上に大きさが異なる相似形の薄膜パターンを形成することができる。
【0078】
以上の装置を用いた本発明の実施の形態B−2にかかる薄膜積層体の製造方法の一例を図11(A)〜図11(G)を用いて説明する。
【0079】
第1シャッタ117及び第2シャッタ127で第1坩堝111及び第2坩堝121をそれぞれ覆い、且つ、第1マスク130及び第2マスク140を待避させた状態で、第1坩堝111内の第1材料、及び第2坩堝121内の第2材料を、それぞれ電子ビーム加熱法により加熱し、蒸発させる。この状態では図11(A)に示すように、基板101上には薄膜は形成されない。
【0080】
次に、第1シャッタ117を待避させて、基板101上に第1材料を蒸着して第1薄膜12N0を形成する(図11(B))。
【0081】
次に、第1マスク130を第1坩堝111と基板101との間に配置して、第1マスク130を介して更に第1材料の蒸着を行い、第1薄膜12N1を形成する(図11(C))。このとき形成される第1薄膜12N1は、第1マスク130の開口132に対応した形状にパターニングされている。
【0082】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第1材料の蒸着を停止する。次いで、第2マスク140を第1マスク130と重ね、その後、第1マスク130を待避させる。そして、第2シャッタ127を待避させて、第2材料を第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N1を形成する(図11(D))。このとき、図11(C)の工程において第1薄膜12N1が形成されずに第1薄膜12N0が露出した領域内にのみ第2薄膜14N1が形成される。第2薄膜14N1の厚みは、第1薄膜12N1と略同一とする。これにより、第1薄膜12N0上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N1と第2薄膜14N1とからなる第1層薄膜が形成される。
【0083】
次に、第2マスク140をZ軸の正の方向に所定量だけ移動させて、第2材料の蒸着を継続して第2薄膜14N2を形成する(図11(E))。第2マスク140をZ軸の正の方向に移動させた結果、このとき形成される第2薄膜14N2のパターン形状は、第2薄膜14N1のパターン形状と略相似形で、且つ小さなものとなる。このような第2薄膜14N2が、第2薄膜14N1上に形成される。
【0084】
次に、第2シャッタ127で第2坩堝121を覆い、第2材料の蒸着を停止する。次いで、第1マスク130を第2マスク140と重ね、その後、第2マスク140を待避させる。そして、第1シャッタ117を待避させて、第1材料を第1マスク130を介して蒸着して第1薄膜12N2を形成する(図11(F))。このとき、図11(E)の工程において第2薄膜14N2が形成されていない領域内にのみ第1薄膜12N2が形成される。第1薄膜12N2の厚みは、第2薄膜14N2と略同一とする。これにより、上記第1層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜12N2と第2薄膜14N2とからなる第2層薄膜が形成される。
【0085】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、第2マスク140を待避させた後、第2シャッタ127を待避させて、第2材料を蒸着する。この結果、全面に第2薄膜14N0が形成される(図11(G))。
【0086】
以上の結果、図9(A)に示した薄膜積層体が得られる。
【0087】
上記において、図11(F)の後に、図11(C)〜図11(F)の工程を必要な回数だけ繰り返してもよい。また、第2材料層14(侵入材料層)が上下方向に挟み込む第1材料層12(被侵入材料層)の部分12aの数は、積層回数を調整することにより変更できる。
【0088】
以上のように、実施の形態B−2に示した薄膜積層体の製造方法では、同一平面上に、略同一厚さで、且つ、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜と第2薄膜とを含む薄膜を2層以上積層する。ここで、N回目(Nは2以上の整数)に形成する薄膜を第N層薄膜とすると、第N−1層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの大きさが異なるように第N層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N2)を形成する。また、第N−1層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの大きさが異なるように第N層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N2)を形成する。この結果、実施の形態B−1に示したような、第1材料層12と第2材料層14との密着性が向上した薄膜積層体が得られる。この方法によれば、第N−1層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N1)と第2薄膜(例えば第2薄膜14N1)との境界線が形成する図形と、第N層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N2)と第2薄膜(例えば第2薄膜14N2)との境界線が形成する図形とは、大きさが異なる略相似形となる。
【0089】
上記の実施の形態B−2に示した薄膜積層体の製造方法では、第1マスク130及び第2マスク140を、薄膜の積層数が1つ増加するごとに、Z軸方向に所定量だけ上又は下に移動させることにより、実施の形態B−1に示したような侵入構造18を形成した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0090】
例えば、積層回数が増加するにしたがって、第1薄膜のパターニング面積を逓減させその後逓増させることにより、図12(A)に示すように、厚さ方向の断面形状が略円弧形状の侵入構造18を形成することができる。
【0091】
また、積層回数が増加するにしたがって、第1薄膜のパターニング面積を逓増させることにより、図12(B)に示すように、厚さ方向の断面形状が略逆三角形状(又はあり溝形状)の侵入構造18を形成することができる。
【0092】
図12(A)、図12(B)のいずれの場合も、侵入構造18において、侵入材料層である第2材料層14は、被侵入材料層である第1材料層12の部分12aを上下方向に挟み込んでいる。図12(A)、図12(B)では、図面を簡略化するために、XY平面に対して傾斜した第1材料層12と第2材料層14との境界面を直線又はなめらかな曲線で描いているが、ミクロ的には階段状に形成されていることは言うまでもない。なお、実施の形態B−1で説明した、積層界面16を含む面内における侵入構造18の幅W0、侵入構造18内における侵入材料層である第2材料層14の、積層界面16と平行な面内方向における最大広がり幅W1は、それぞれ図12(A)、図12(B)に示した通りに定義される。
【0093】
(実施の形態C−1)
実施の形態A−2、B−2で示した製造方法では、相互に補完的な開口を備える対をなす第1マスク130及び第2マスク140を1対のみ使用した。しかしながら、開口の形状、位置、又は大きさが異なる複数対の第1,第2マスクを使用することもできる。すなわち、第N層薄膜の第1薄膜及び第2薄膜をそれぞれパターニングするための第1,第2マスクとして、第N−1層薄膜の第1薄膜及び第2薄膜をそれぞれパターニングするための第1,第2マスクとは、開口の形状、位置、又は大きさにおいて異なるものを用いる。但し、第N層薄膜用の第1マスクと第2マスク、第N−1層薄膜用の第1マスクと第2マスクは、それぞれ相互に補完的な開口を備えている。
【0094】
本実施の形態C−1に示した薄膜積層体の製造方法では、このような複数対の第1,第2マスクを使用して、同一平面上に、略同一厚さで、且つ、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜と第2薄膜とを含む薄膜を2層以上積層する。ここで、N回目(Nは2以上の整数)に形成する薄膜を第N層薄膜とすると、第N−1層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの位置、大きさ、又は形状が異なる第N層薄膜における第1薄膜(例えば第1薄膜12N2)が形成される。また、第N−1層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N1)と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの位置、大きさ、又は形状が異なる第N層薄膜における第2薄膜(例えば第2薄膜14N2)が形成される。この結果、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込む侵入構造を備えた薄膜積層体が得られる。
【0095】
上記の実施の形態A〜Cで説明した本発明の薄膜積層体及びその製造方法の適用分野は特に限定されず、異種材料の薄膜が積層される積層体に広く適用することができる。中でも、薄膜を積層して製造される全固体リチウム二次電池やコンデンサなどに好ましく応用することができる。
【0096】
全固体リチウム二次電池は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が、この順に積層されて構成される。本発明の上記の薄膜積層体を全固体リチウム二次電池に適用する場合、正極集電体層及び正極活物質層からなる積層部、正極活物質層及び固体電解質層からなる積層部、固体電解質層及び負極活物質層からなる積層部、負極活物質層及び負極集電体層からなる積層部のいずれにも適用することができる。ここで、正極活物質層は、組成式がLi(1−x)MO(0<x≦0.5)(MはCo、Mn、Niのうちの少なくとも1つ以上を含む)で表される材料からなることが好ましい。また、負極活物質層は、リチウム金属、リチウム合金、及び炭素のうちの少なくとも1つからなることが好ましい。また、固体電解質層としては、無機固体電解質、特にリン酸系固体電解質が好ましく、例えば、Li(ここで、2.5<x<3.5,0.5<y<1.5,3.0<z<3.5,0.3<r<0.4)で示される物質は、20℃におけるイオン伝導度が10−5程度であるので、固体電解質として好ましく使用できる。
【0097】
また、コンデンサは、電極層と誘電体層とが交互に積層されて構成される。本発明の上記の薄膜積層体をコンデンサに適用する場合、この電極層と誘電体層との積層部に適用することができる。
【0098】
また、上記の実施の形態A〜Cで説明した本発明の薄膜積層体の製造方法において、相互に補完的にパターニングされた第1薄膜と第2薄膜とを含む薄膜の1層あたりの厚みは、薄膜積層体の用途に応じて変更可能であるが、0.1μm以上、更には0.2μm以上であることが好ましい。1層あたりの厚みがこれより薄いと、厚みの管理が困難となる。
【0099】
上記の実施の形態A−2〜A−4、B−2では、本発明の侵入構造を形成するために、第1,第2マスク130,140の位置をX軸方向又はZ軸方向にシフトさせたが、第1,第2マスク130,140の位置をシフトさせるのではなく、基板101をシフトさせても同様の薄膜積層体を得ることができる。
【0100】
また、上記の実施の形態A−2〜A−4、B−2では、薄膜形成工程の最初に基板101の全面に第1薄膜12N0を形成したが、基板101が第1薄膜と同一材料である場合には、第1薄膜12N0の形成工程は省略できる。また、薄膜形成工程の最後に、全面に第2薄膜を形成したが、得られた薄膜積層体上に第2薄膜と同一材料の層を別途付与する場合には、最後の全面に第2薄膜を形成する工程は省略できる。
【0101】
また、薄膜の形成方法として、上記の実施の形態では電子ビーム蒸着法を例に説明したが、これ以外の抵抗加熱蒸着法、スパッタリング法などの公知の真空薄膜形成プロセスを使用することができる。
【0102】
また、薄膜材料の蒸気流又は粒子流中に反応性ガス(例えば、窒素、酸素)を導入して所望する特性の薄膜を形成してもよい。
【0103】
また、積層界面16の法線方向からみたとき、侵入構造の平面形状が短冊状である例を説明したが、本発明の侵入構造はこれに限定されず、侵入材料層14が被侵入材料層12を積層方向に挟み込んでいれば、該方向からみた平面形状が、円形、長方形、各種多角形などであってもよい。このような形状の侵入構造は、第1,第2マスクの開口形状を変更することにより実現できる。
【0104】
【実施例】
(実施例1)
図3に示す装置を使用して、実施の形態A−3に示す製造方法に準じて薄膜積層体を製造した。
【0105】
図3に示す装置を、反応性ガス導入部と真空排気装置とを有するチャンバー内に収めて、チャンバー内を3×10−3Pa以下の圧力に排気した。基板101としてアルミニウムからなる導電性基板を用いた。第1,第2マスク130,140と基板101の下面とのZ軸方向の距離は5cmとした。
【0106】
第1坩堝111にコバルト酸リチウムを、第2坩堝121にリン酸リチウムを、それぞれ収納し、これらに、第1電子ビーム源113及び第2電子ビーム源123を用いて加速電圧10kVのエレクトロンビームをそれぞれ照射した。コバルト酸リチウム及びリン酸リチウムが溶解したことを確認した後、チャンバー内に窒素ガスを50sccm導入し真空蒸着を行った。
【0107】
最初に、リン酸リチウムが入った第2坩堝121の上部を第2シャッター127で覆い基板101への蒸着を防止した。この状態でコバルト酸リチウムのみを蒸着して、第1薄膜12N0を形成した(図5(B))。
【0108】
次に、第1マスク130を基板101と第1坩堝111との間に移動させてさらに蒸着を行い、コバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N1を形成した(図5(C))。
【0109】
次に、第1シャッター117で第1坩堝111を覆い、コバルト酸リチウムの蒸着を停止した。そして、第2マスク140を第1マスク130に重ねた後、第1マスク130を取り除いた。その後、第2シャッタ127を待避させて、リン酸リチウムを第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N1を形成した(図5(D))。リン酸リチウム蒸気は、窒素と反応してLiPONからなる第2薄膜14N1が形成された。
【0110】
かくして、コバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N0上に、相互に補完的にパターニングされたコバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N1とLiPONからなる第2薄膜14N1とからなる第1層薄膜が形成できた。
【0111】
次に、第2マスク140の位置をX軸の負の方向に2mmだけ移動させて、リン酸リチウムの蒸着を継続してLiPONからなる第2薄膜14N2を形成した(図5(E))。
【0112】
次に、第2シャッタ127で第2坩堝121を覆い、リン酸リチウムの蒸着を停止した。そして、第1マスク130を第2マスク140に重ねた後、第2マスク140を待避させた。その後、第1シャッタ117を待避させて、コバルト酸リチウムを第1マスク130を介して蒸着してコバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N2を形成した(図5(F))。
【0113】
かくして、上記第1層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされたコバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N2とLiPONからなる第2薄膜14N2とからなる第2層薄膜が形成できた。
【0114】
次に、第1マスク130の位置をX軸の正の方向に2mmだけ移動させて、コバルト酸リチウムの蒸着を継続してコバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N3を形成した(図6(B))。
【0115】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、コバルト酸リチウムの蒸着を停止した。そして、第2マスク140を第1マスク130に重ねた後、第1マスク130を待避させた。その後、第2シャッタ127を待避させて、リン酸リチウムを第2マスク140を介して蒸着してLiPONからなる第2薄膜14N3を形成した(図6(C))。
【0116】
かくして、上記第2層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされたコバルト酸リチウムからなる第1薄膜12N3とLiPONからなる第2薄膜14N3とからなる第3層薄膜が形成できた。
【0117】
次に、第2マスク140を待避させて、リン酸リチウムを蒸着した。この結果、全面にLiPONからなる第2薄膜14N0を形成した(図6(D))。
【0118】
このようにして基板101上に形成されたコバルト酸リチウムとLiPONとからなる薄膜積層体を19.6×10Pa(2kg/cm)の加圧下、酸素雰囲気中700℃で1時間熱処理を行い正極であるコバルト酸リチウム層の結晶化を行った。加圧の目的はコバルト酸リチウム層とLiPON層との密着度を高めるためである。さらに上記加圧熱処理を施した薄膜積層体の第2薄膜14N3(LiPON層)上に金属リチウム層を真空蒸着で積層した。
【0119】
以上により、図13に示すように、基板101(アルミニウム層)を正極集電体層とし、コバルト酸リチウム層(第1材料層)22を正極活物質層とし、LiPON層(第2材料層)24を固体電解質層とし、金属リチウム層20を負極活物質層とする二次電池を得た。各層の厚みは、コバルト酸リチウム層22の厚みT1が0.80μm、LiPON層24の厚みT2が0.60μm、金属リチウム層20の厚みT3が2μmであった。
【0120】
(比較例1)
実施例1と同様にして、アルミニウムからなる基板101上にコバルト酸リチウム層とLiPON層とを電子ビーム蒸着により形成した。但し、本比較例1では第1,第2マスク130,140を使用しなかった。すなわち、最初に、第1シャッタ117のみを開いて、基板101上にコバルト酸リチウム層を形成した。次いで、第1シャッタ117を閉じ、第2シャッタ127を開いてLiPON層を形成した。得られた薄膜積層体を、実施例1と同様に、19.6×10Pa(2kg/cm)の加圧下、酸素雰囲気中700℃で1時間熱処理を行った。そして、LiPON層上に金属リチウムを真空蒸着で積層した。
【0121】
以上により、図14に示すように、基板101(アルミニウム層)を正極集電体層とし、コバルト酸リチウム層(第1材料層)22を正極活物質層とし、LiPON層(第2材料層)24を固体電解質層とし、金属リチウム層20を負極活物質層とする二次電池を得た。各層の厚みは、実施例1と同様に、コバルト酸リチウム層22の厚みT1が0.80μm、LiPON層24の厚みT2が0.60μm、金属リチウム層20の厚みT3が2μmであった。比較例1の二次電池は、コバルト酸リチウム層22とLiPON層24との積層界面16に侵入構造18が形成されていない点で、図13に示した実施例1の二次電池と異なる。
【0122】
(評価)
実施例1及び比較例1の二次電池を、金属リチウム層20の封止を行わず、ドライボックス中で、2.5〜4.2Vの電圧範囲で、10μA/cmの一定電流で充放電サイクル試験を行った。表1に充放電サイクル試験における放電容量維持率を示す。ここで、放電容量維持率とは、所定のサイクル数の充放電を行った後の放電容量の、2サイクル目の放電容量に対する比率である。
【0123】
【表1】
Figure 2004127613
【0124】
表1から明らかなように、充放電サイクル数が増加するほど実施例1と比較例1とで放電容量維持率の差が顕著となり、実施例1の二次電池がサイクル特性に優れていることがわかる。
【0125】
充放電サイクル試験後に実施例1と比較例1の電池のコバルト酸リチウム層(正極活物質層)22とLiPON層(固体電解質層)24との間の積層界面16の剥離試験を行った。剥離試験は、試料を幅3cmに切断し、その両面に粘着テープをそれぞれ貼り付け、両粘着テープを逆方向に引っ張って積層界面16で剥離させるのに要する張力を測定することにより実施した。その結果、比較例1の剥離張力は0.196N/cm(20gf/cm)であったのに対して、実施例1の剥離張力は0.539N/cm(55gf/cm)であり、実施例1は比較例1のおよそ3倍の密着強度を有していた。積層界面16の密着性の優劣が、充放電サイクル試験の結果に反映されたと考えられる。
【0126】
(実施例2)
図3に示す装置を使用して、実施の形態A−3に示す製造方法に準じて薄膜積層体を製造した。
【0127】
図3に示す装置を、真空排気装置を有するチャンバー内に収めて、チャンバー内を5×10−3Pa以下の圧力に排気した。第1,第2マスク130,140と基板101の下面とのZ軸方向の距離は5cmとした。
【0128】
第1坩堝111にニッケルを、第2坩堝121にコバルト酸リチウムを、それぞれ収納し、これらに、第1電子ビーム源113及び第2電子ビーム源123を用いて加速電圧15kVのエレクトロンビームをそれぞれ照射した。ニッケル及びコバルト酸リチウムが溶解したことを確認した後、真空蒸着を行った。
【0129】
最初に、コバルト酸リチウムが入った第2坩堝121の上部を第2シャッター127で覆い基板101への蒸着を防止した。この状態でニッケルのみを蒸着して、第1薄膜12N0を形成した(図5(B))。
【0130】
次に、第1マスク130を基板101と第1坩堝111との間に移動させてさらに蒸着を行い、ニッケルからなる第1薄膜12N1を形成した(図5(C))。
【0131】
次に、第1シャッター117で第1坩堝111を覆い、ニッケルの蒸着を停止した。そして、第2マスク140を第1マスク130に重ねた後、第1マスク130を取り除いた。その後、第2シャッタ127を待避させて、コバルト酸リチウムを第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N1を形成した(図5(D))。
【0132】
かくして、ニッケルからなる第1薄膜12N0上に、相互に補完的にパターニングされたニッケルからなる第1薄膜12N1とコバルト酸リチウムからなる第2薄膜14N1とからなる第1層薄膜が形成できた。
【0133】
次に、第2マスク140の位置をX軸の負の方向に2mmだけ移動させて、コバルト酸リチウムの蒸着を継続して第2薄膜14N2を形成した(図5(E))。
【0134】
次に、第2シャッタ127で第2坩堝121を覆い、コバルト酸リチウムの蒸着を停止した。そして、第1マスク130を第2マスク140に重ねた後、第2マスク140を待避させた。その後、第1シャッタ117を待避させて、ニッケルを第1マスク130を介して蒸着して第1薄膜12N2を形成した(図5(F))。
【0135】
かくして、上記第1層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされたニッケルからなる第1薄膜12N2とコバルト酸リチウムからなる第2薄膜14N2とからなる第2層薄膜が形成できた。
【0136】
次に、第1マスク130の位置をX軸の正の方向に2mmだけ移動させて、ニッケルの蒸着を継続して第1薄膜12N3を形成した(図6(B))。
【0137】
次に、第1シャッタ117で第1坩堝111を覆い、ニッケルの蒸着を停止した。そして、第2マスク140を第1マスク130に重ねた後、第1マスク130を待避させた。その後、第2シャッタ127を待避させて、コバルト酸リチウムを第2マスク140を介して蒸着して第2薄膜14N3を形成した(図6(C))。
【0138】
かくして、上記第2層薄膜上に、相互に補完的にパターニングされたニッケルからなる第1薄膜12N3とコバルト酸リチウムからなる第2薄膜14N3とからなる第3層薄膜が形成できた。
【0139】
次に、第2マスク140を待避させて、コバルト酸リチウムを蒸着した。この結果、全面にコバルト酸リチウムからなる第2薄膜14N0を形成した(図6(D))。
【0140】
このようにして基板101上に形成されたニッケルとコバルト酸リチウムとからなる薄膜積層体を19.6×10Pa(2kg/cm)の加圧下、酸素雰囲気中700℃で1時間熱処理を行い正極であるコバルト酸リチウム層の結晶化を行った。加圧の目的はニッケル層とコバルト酸リチウム層との密着度を高めるためである。さらに上記加圧熱処理を施した薄膜積層体の第2薄膜14N3(コバルト酸リチウム層)上にLiPON層と金属リチウム層とを順に真空蒸着で積層した。
【0141】
以上により、図15に示すように、基板101上に、ニッケル層(第1材料層)32を正極集電体層とし、コバルト酸リチウム層(第2材料層)34を正極活物質層とし、LiPON層30を固体電解質層とし、金属リチウム層31を負極活物質層とする二次電池を得た。各層の厚みは、コバルト酸リチウム層34の厚みT4が1.00μm、LiPON層30の厚みT5が0.65μm、金属リチウム層31の厚みT6が3μmであった。
【0142】
(比較例2)
実施例2と同様にして、基板101上にニッケル層とコバルト酸リチウム層とを電子ビーム蒸着により形成した。但し、本比較例2では第1,第2マスク130,140を使用しなかった。すなわち、最初に、第1シャッタ117のみを開いて、基板101上にニッケル層を形成した。次いで、第1シャッタ117を閉じ、第2シャッタ127を開いてコバルト酸リチウム層を形成した。得られた薄膜積層体を、実施例2と同様に、19.6×10Pa(2kg/cm)の加圧下、酸素雰囲気中700℃で1時間熱処理を行った。そして、コバルト酸リチウム層上にLiPON層と金属リチウム層とを順に真空蒸着で積層した。
【0143】
以上により、図16に示すように、基板101上に、ニッケル層(第1材料層)32を正極集電体層とし、コバルト酸リチウム層(第2材料層)34を正極活物質層とし、LiPON層30を固体電解質層とし、金属リチウム層31を負極活物質層とする二次電池を得た。各層の厚みは、実施例2と同様に、コバルト酸リチウム層34の厚みT4が1.00μm、LiPON層30の厚みT5が0.65μm、金属リチウム層31の厚みT6が3μmであった。比較例2の二次電池は、ニッケル層32とコバルト酸リチウム層34との積層界面16に侵入構造18が形成されていない点で、図15に示した実施例2の二次電池と異なる。
【0144】
(評価)
実施例2及び比較例2の二次電池を、金属リチウム層31の封止を行わず、ドライボックス中で、2.5〜4.2Vの電圧範囲で、20μA/cmの一定電流で充放電サイクル試験を行った。表2に充放電サイクル試験における放電容量維持率を示す。ここで、放電容量維持率とは、所定のサイクル数の充放電を行った後の放電容量の、2サイクル目の放電容量に対する比率である。
【0145】
【表2】
Figure 2004127613
【0146】
表2から明らかなように、充放電サイクル数が増加するほど実施例2と比較例2とで放電容量維持率の差が顕著となり、実施例2の二次電池がサイクル特性に優れていることがわかる。
【0147】
充放電サイクル試験後に実施例2と比較例2の電池のニッケル層(正極集電体層)32とコバルト酸リチウム(正極活物質層)34との間の積層界面16の剥離試験を行った。剥離試験は、試料を幅3cmに切断し、その両面に粘着テープをそれぞれ貼り付け、両粘着テープを逆方向に引っ張って積層界面16で剥離させるのに要する張力を測定することにより実施した。その結果、比較例2の剥離張力は0.127N/cm(13gf/cm)であったのに対して、実施例2の剥離張力は0.353N/cm(36gf/cm)であり、実施例2は比較例2のおよそ3倍の密着強度を有していた。積層界面16の密着性の優劣が、充放電サイクル試験の結果に反映されたと考えられる。
【0148】
【発明の効果】
本発明の薄膜積層体によれば、積層界面に、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込むように形成された侵入構造を有することにより、第1材料層と第2材料層との密着性を改善できる。
【0149】
また、本発明の全固体リチウム二次電池によれば、層界面での密着性が良好であるので、充放電を繰り返した後の放電容量維持率の低下が少なく、その結果、サイクル特性に優れた全固体リチウム二次電池を提供することができる。
【0150】
また、本発明の薄膜積層体の製造方法によれば、第1材料層と第2材料層との積層界面に、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込むように形成された侵入構造を容易に形成できる。その結果、第1材料層と第2材料層との密着性が良好な薄膜積層体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の実施の形態A−1に係る薄膜積層体の概略断面図である。
図1(B)は図1(A)の1B−1B線において矢印方向に見た実施の形態A−1に係る薄膜積層体の部分断面図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施の形態A−1に係る別の薄膜積層体の概略断面図である。
図2(B)は本発明の実施の形態A−1に係る更に別の薄膜積層体の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の薄膜薄膜積層体の製造装置の一実施形態の概略構成を示した側面図である。
【図4】図4(A)は図3に示した製造装置の第1マスクの平面図である。
図4(B)は図3に示した製造装置の第2マスクの平面図である。
【図5】図5(A)〜図5(G)は、本発明の実施の形態A−2に係る薄膜積層体の製造方法を工程順に示した断面図である。
【図6】図6(A)〜図6(D)は、本発明の実施の形態A−3に係る薄膜積層体の製造方法を工程順に示した断面図である。
【図7】図7(A)〜図7(D)は、本発明の実施の形態A−4に係る薄膜積層体の製造方法を工程順に示した断面図である。
【図8】図8は、本発明の薄膜積層体の別の実施形態を示した概略断面図である。
【図9】図9(A)は本発明の実施の形態B−1に係る薄膜積層体の概略断面図である。図9(B)は図9(A)の9B−9B線において矢印方向に見た実施の形態B−1に係る薄膜積層体の部分断面図である。
【図10】図10は、本発明の薄膜薄膜積層体の製造装置の別の実施形態の概略構成を示した側面図である。
【図11】図11(A)〜図11(G)は、本発明の実施の形態B−2に係る薄膜積層体の製造方法を工程順に示した断面図である。
【図12】図12(A)は、本発明の薄膜積層体の更に別の実施形態を示した概略断面図である。図12(B)は、本発明の薄膜積層体の更に別の実施形態を示した概略断面図である。
【図13】実施例1で得られた薄膜積層体を用いた二次電池の概略構成を示した断面図である。
【図14】比較例1で得られた薄膜積層体を用いた二次電池の概略構成を示した断面図である。
【図15】実施例2で得られた薄膜積層体を用いた二次電池の概略構成を示した断面図である。
【図16】比較例2で得られた薄膜積層体を用いた二次電池の概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
10 薄膜積層体
12,22,32 第1材料層
14,24,34 第2材料層
16 積層界面
18 侵入構造
101 基板
111 第1坩堝(第1電子ビーム蒸発源)
113 第1電子ビーム源
115 電子ビーム
117 第1シャッタ
119 第1材料蒸気
121 第2坩堝(第2電子ビーム蒸発源)
123 第2電子ビーム源
125 電子ビーム
127 第2シャッタ
127 第2材料蒸気
130 第1マスク
132 開口
140 第2マスク
142 開口

Claims (21)

  1. 第1材料層と第2材料層とが積層された薄膜積層体であって、
    前記第1材料層及び前記第2材料層の積層界面において、前記第1材料層及び前記第2材料層のうちの一方が他方の層内に侵入した侵入構造を備え、
    前記侵入構造において、侵入材料層が被侵入材料層を積層方向に挟み込んでいることを特徴とする薄膜積層体。
  2. 前記侵入構造が薄膜の積層により形成されている請求項1に記載の薄膜積層体。
  3. 前記第1材料層及び前記第2材料層の積層方向における界面と垂直な方向からみたとき、前記侵入構造が短冊状に形成されている請求項1に記載の薄膜積層体。
  4. 請求項1に記載の薄膜積層体を含む全固体リチウム二次電池。
  5. 前記第1材料層又は前記第2材料層が、組成式がLi(1−x)MO(0<x≦0.5)(MはCo、Mn、Niのうちの少なくとも1つ以上を含む)で表される材料からなる正極活物質層である請求項4に記載の全固体リチウム二次電池。
  6. 前記第1材料層又は前記第2材料層が、リチウム金属、リチウム合金、及び炭素のうちの少なくとも1つからなる負極活物質層である請求項4に記載の全固体リチウム二次電池。
  7. 前記第1材料層又は前記第2材料層が、無機固体電解質層である請求項4に記載の全固体リチウム二次電池。
  8. 真空プロセスにより、同一平面上に、略同一厚さで、相互に補完的にパターニングされた、第1材料からなる第1薄膜と第2材料からなる第2薄膜とを含む薄膜を形成する工程を少なくとも2回以上行うことにより、第1材料と第2材料とを含む薄膜積層体を製造する方法であって、
    N回目(Nは2以上の整数)に形成する前記薄膜を第N層薄膜としたとき、
    第N−1層薄膜における前記第1薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第1薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第1薄膜を形成し、
    第N−1層薄膜における前記第2薄膜と接触し、且つ、第N−1層薄膜における前記第2薄膜とパターニングの位置、大きさ、及び形状の少なくとも一つが異なるように第N層薄膜における前記第2薄膜を形成することを特徴とする薄膜積層体の製造方法。
  9. 前記第1薄膜は、第1薄膜材料源からの蒸気又は粒子を第1マスクを介して堆積することにより形成され、
    前記第2薄膜は、第2薄膜材料源からの蒸気又は粒子を第2マスクを介して堆積することにより形成される請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  10. 前記第1マスクと前記第2マスクとは相互に補完的な開口を備える請求項9に記載の薄膜積層体の製造方法。
  11. 前記第N−1層薄膜の形成工程と前記第N層薄膜の形成工程とで、前記第1マスク及び前記第2マスクの位置を被形成面に対して平行な面内で変化させる請求項9に記載の薄膜積層体の製造方法。
  12. 前記第N−1層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形と、前記第N層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形とは、形状及び大きさにおいて同一である請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  13. 前記第N−1層薄膜の形成工程と前記第N層薄膜の形成工程とで、前記第1マスク及び前記第2マスクの位置を被形成面に対して垂直な方向に変化させる請求項9に記載の薄膜積層体の製造方法。
  14. 前記第N−1層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形と、前記第N層薄膜における前記第1薄膜と前記第2薄膜との境界線が形成する図形とは、大きさが異なる相似形である請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  15. 前記第N−1層薄膜の形成時に使用する第1マスクと前記第N層薄膜の形成時に使用する第1マスクとは開口の形状、位置又は大きさが異なり、且つ、
    前記第N−1層薄膜の形成時に使用する第2マスクと前記第N層薄膜の形成時に使用する第2マスクとは開口の形状、位置又は大きさが異なる請求項10に記載の薄膜積層体の製造方法。
  16. 第1層薄膜の形成工程に先立って、被形成面の全面に前記第1材料のみからなる薄膜を形成する請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  17. 前記第N層薄膜の形成工程の後に、前記第N層薄膜の全面に前記第2材料のみからなる薄膜を形成する請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  18. 前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数に関わらず、前記第1薄膜及び前記第2薄膜の各パターニング面積をほぼ一定とし、それぞれの位置を変化させる請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  19. 前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数が増加するに従って、前記第1薄膜のパターニング面積を逓減させ、その後、逓増させる請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  20. 前記第1薄膜及び前記第2薄膜を含む前記薄膜の形成回数が増加するに従って、前記第1薄膜のパターニング面積を逓増させる請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
  21. 前記真空プロセスが電子ビーム蒸着法である請求項8に記載の薄膜積層体の製造方法。
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