JP2004125148A - コネクタ用接続確認具及びコネクタ接続確認構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コネクタ用接続確認具91を、当接プレート93及び嵌付け部分95を有する本体部97と、当接プレート93の外周から軸方向一方側に延びる抜止め確認アーム99と、嵌付け部分95の軸方向一方側端から軸方向一方側に延びる一対の当接片103と、から構成し、当接片103を、パイプ体が半嵌合状態のときに、パイプ体の環状係合突部に当接して環状係合突部をリテーナーの係合スリットに導くように形成しておく。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のガソリン燃料配管の接続に用いられるコネクタに、パイプ体が正常にスナップ嵌合して接続されていることを確認するためのコネクタ用接続確認具及びコネクタ接続確認構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリン燃料配管などの流体配管の接続に用いられるコネクタとパイプ体との接続は、パイプ体の挿入側外周面に環状係合突部を形成して挿入端部を構成しておき、この環状係合突部がコネクタに設けられたリテーナー手段とスナップ係合するように、パイプ体の挿入端部をコネクタに挿入してパイプ体とコネクタとを抜止め状態とすることにより行われる。このように使用されるコネクタあるいはクイックコネクタは、軸方向一方側にチューブ接続部が形成され、軸方向他方側にリテーナー保持部を有する筒状のコネクタハウジングと、このコネクタハウジングのリテーナー保持部に保持されたリテーナー手段と、から構成され、リテーナー手段は、例えば接続係合部としての係合スリット又は軸方向一方側端部あるいは軸方向一方側端が接続係合部である係合突出爪を有する環状体又はほぼ環状体に形成されていて、パイプ体は、係合スリット又は係合突出爪に環状係合突部がスナップ係合するように、挿入端部が軸方向他方側端開口からコネクタ又はコネクタハウジングに挿入されて、嵌合接続されることとなる。
【0003】
パイプ体の環状係合突部は、リテーナー手段を変形させながら軸方向一方側に進行して係合スリット又は係合突出爪と係合することとなるので、十分に注意して接続作業を行わないと、コネクタハウジングのリテーナー保持部内にパイプ体の挿入端部が十分挿入されていないといった事態、すなわち環状係合突部がリテーナー手段の係合スリット又は係合突出爪と係合していない、いわゆる半嵌合状態が生じてしまう可能性がある。コネクタとパイプ体とが半嵌合状態のまま配管接続構造が使用されれば、使用中にパイプ体の挿入側端が、コネクタとパイプ体との間を密封しているシール部材位置まで後退、すなわち軸方向他方側に移動してコネクタとパイプ体との間の密封が不十分となり、その結果、流体が漏出してしまうおそれがある。
【0004】
そこで、コネクタとパイプ体との嵌合状態を確認するための接続確認手段が必要となるが、このような接続確認手段としては、パイプ体が挿入されたコネクタハウジングのリテーナー保持部に装着し又は取り付けることにより、パイプ体が正常に嵌合し又は接続されていることを確認できる構成の接続確認具が知られている。また、配管接続構造の信頼性をさらに高めるために、接続確認具自体にもパイプ体の接続保持機能又は抜止め機能を持たせたいわゆるダブルロック構造の接続確認具も開発されている(例えば特許文献1参照)。この接続確認具は、断面コ字状の検知部を軸方向他方側から軸方向一方側に移動させてリテーナー保持部の外側に被せ、検知部をコネクタハウジングの被係止部に係止させることによりコネクタハウジングに取り付けて使用するものであり、パイプ体が半嵌合状態のときにはリテーナーが拡径しているので検知部を被係止部に係止させることができないように構成されている。また、パイプ体が半嵌合状態でリテーナーが拡径していないときには、パイプ体の環状係合突部(フランジ)が検知片に押されて進行するが、環状係合突部の進行はリテーナーの拡径をともなう。しかしながら、リテーナーは検知部に規制されてパイプ体の環状係合突部を通過させるようには拡径できないので、環状係合突部はリテーナーの接続係合位置の手前で停止する。したがって、パイプ体の環状係合突部と当接している検知片に邪魔されて、やはり検知部を被係止部に係止させることができない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−349487号公報(第6頁、図11及び図15)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この接続確認具を用いれば、パイプ体が半嵌合状態である場合には、検知部を被係止部に係止させることができないので、コネクタとパイプ体が半嵌合状態のままで配管接続構造が使用されてしまうといったことが防止される。そして、検知部を被係止部に係止させることによりパイプ体の正常接続を確認できる。また、この接続確認具は、コネクタに装着されれば、検知部によってリテーナーの拡径を規制するので、パイプ体に対する抜止め機能をも有している。
【0007】
しかしながら、この接続確認具を用いると、パイプ体が半嵌合状態のときには必ず、接続確認具の装着作業を中断し、パイプ体を押し込んで正常に嵌合接続してから、再び接続確認具の装着作業を行わなければならないので、パイプ体が半嵌合状態のときのパイプ体とコネクタとの接続作業が煩わしいものとなってしまう。それだけでなく、この接続確認具では、リテーナーの突出係合爪(抜け止め突起)の変形によりパイプ体の環状係合突部がリテーナーの突出係合爪から抜けた状態となってしまうおそれがあり、しかも検知片は周方向1箇所にしか設けられていないので、リテーナーの突出係合爪から抜け出たパイプ体がさらに、コネクタから抜け出る方向に移動するのを十分に防止できない。したがって、この接続確認具により確実な抜止め機能は期待できない。
【0008】
そこで本発明は、パイプ体とコネクタとが半嵌合状態であっても、装着作業を中断することなく、パイプ体を正常にコネクタに嵌合接続させて、そのままコネクタに装着することができる接続補助機能を持ち、しかもパイプ体に対する確実な抜止め機能をも有するコネクタ用接続確認具及びこのようなコネクタ用接続確認具を用いたコネクタ接続確認構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のコネクタ用接続確認具は、軸方向一方側にチューブ接続部(パイプ体と接続される相手側部材の接続部を広く意味する)が形成され、軸方向他方側にリテーナー手段を有する筒状のコネクタと、外周面に環状係合突部が形成された挿入端部を有し、前記環状係合突部が、周方向所定位置に非係合個所を有して前記リテーナー手段に形成された接続形合部とスナップ係合するように、前記挿入端部が軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に挿入されたパイプ体と、の接続を確認するためのコネクタ用接続確認具であって、前記コネクタの軸方向他方側に装着される本体部と、この本体部から軸方向一方側に延びる当接片と、係合部を有して前記本体部に設けられた確認手段と、を備え、前記本体部は、前記当接片が、前記軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に差し込まれ(コネクタ内に入り込ませることを意味する)、前記確認手段の前記係合部が、前記コネクタの軸方向所定位置に形成された係止部と軸方向他方側方向に係合するように、前記コネクタの軸方向他方側に装着され、前記当接片は、前記確認手段の前記係合部が前記コネクタの前記係止部と係合したときに、軸方向一方側端が、前記リテーナー手段の前記非係合個所で前記接続係合部とほぼ等しい軸方向位置まで延びているように形成されていて、前記確認手段は、前記当接片が前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態(半嵌合状態)の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接したときに、前記係合部が、前記コネクタの前記係止部よりも軸方向他方側に位置するように設けられ、前記当接片はさらに、前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接すると、この環状係合突部を前記リテーナー手段又は前記コネクタに対して軸方向一方側に移動させ、すなわち前記リテーナー手段又は前記コネクタに対して相対的に軸方向一方側に移動させ、前記接続係合部と係合させるように構成されている、ものである。パイプ体の環状係合突部がリテーナー手段の接続係合部とスナップ係合していないときは、コネクタ用接続確認具をコネクタに装着しようとすると、例えば、パイプ体に沿ってスライドさせ、コネクタ内に装着しようとすると、当接片(当接押込み片)がパイプ体の環状係合突部に当接する。この状態では、確認手段(抜止め確認手段)の係合部はコネクタの係止部に届いていない。さらにコネクタ用接続確認具の装着作業を続行すると、例えば、パイプ体に沿ってさらにスライドさせ、コネクタ内に装着しようとすると、当接片はパイプ体の環状係合突部を軸方向一方側に押して移動させ、リテーナー手段の接続係合部にスナップ係合させる。すなわち、リテーナー手段は、当接片に押圧された環状係合突部が接続係合部に進行、又は相対的に進行するように構成されている。当接片の軸方向一方側端は、リテーナー手段の非係合個所に位置しているので、当接片はパイプ体の環状係合突部がリテーナー手段の接続係合部と係合することに対する妨げとはならない。そして、パイプ体の嵌状係合突部がリテーナー手段の接続係合部にスナップ係合すると、確認手段の係合部をコネクタの係止部と係合させることができる。確認手段の係合部とコネクタの係止部との係合により、コネクタ用接続確認具はコネクタに対して軸方向他方側にずれないようにコネクタに装着されることとなる。当接片は、例えばパイプ体(環状係合突部以外のパイプ体部分)の外周面に沿うように、あるいはパイプ体の外周面と接触状態(接触直前状態を含む)となるように形成される。
【0010】
確認手段の係合部をコネクタの係止部と係合させたときには、当接片の軸方向一方側端は、リテーナー手段の接続係合部とほぼ同一の軸方向位置まで延びている。すなわち、パイプ体の環状係合突部と当接する直前に位置している。そして、当接片の軸方向一方側端はリテーナー手段の接続係合部の非係合個所に位置しているので、パイプ体が接続係合部を変形させてリテーナー手段に対して軸方向他方側にずれようとしても、環状係合突部が当接片に当接するので、パイプ体は、リテーナー手段の接続係合部から環状係合突部が抜け出るようにずれることができない。
【0011】
パイプ体が半嵌合状態のときに、パイプ体の環状係合突部を前記リテーナー手段に対して軸方向一方側にスムーズに移動させることができるようにするためには、当接片がパイプ体の環状係合突部を偏ることなく安定して押圧することが必要である。したがって、リテーナー手段の非係合個所を径方向対称位置に形成しておき、当接片を、非係合個所に対応して本体部の径方向対称位置に設けておくことが好ましい。また、このように構成することにより、環状係合突部がリテーナー手段の接続係合部を抜け出ようとするときに、環状係合突部に安定した抜止め抗力を作用させることができるので、抜止め機能が向上する。
【0012】
コネクタ用接続確認具は、パイプ体に沿ってスライド移動させてコネクタに装着されるものとして構成できる。この場合には、本体部を、パイプ体にスナップ的に嵌付けることができるように、C字形又は断面C字形に形成しておくことが好ましい。このように構成することにより、スライド移動させる際に、誤ってコネクタ用接続確認具をパイプ体から脱落させてしまうといったおそれがなくなる。
【0013】
そして、コネクタ用接続確認具は、パイプ体のコネクタへの接続作業を開始する前までは、コネクタの軸方向他方側端部に取り付けられている場合が多いが、本体部がパイプ体(環状係合突部以外のパイプ体部分)にスナップ的に嵌付けられるようにC形状又は断面C形状に形成されていれば、パイプ体の環状係合突部を通過させることができず、したがって、誤ってコネクタ用接続確認具が取り付けられた状態でパイプ体がコネクタに挿入されるといったことはなくなる。さらに、コネクタ用接続確認具にパイプ体が差し込まれた状態で、パイプ体が正常に接続されていると誤認しても、パイプ体の軸方向一方側端又は挿入側端は通常、コネクタとパイプ体との間を密封するシール部材に届かないので、液漏れ試験時に接続不良が発見されることとなる。
【0014】
なお、本発明のコネクタ用接続確認具は、固定されているパイプ体をコネクタに相対的に挿入した場合には、コネクタの軸方向他方側端開口に当接片の軸方向一方側端部が挿入されて差し込まれた時点で、コネクタ用接続確認具をコネクタ側に引き寄せるようにしながら装着作業を行うなどにより、パイプ体とコネクタとが半嵌合状態であっても、パイプ体の相対的な挿入を補助しながらパイプ体を完全挿入又は完全あるいは正常接続させ、かつ、接続確認を行うことができるものである。
【0015】
また、本発明のコネクタ接続確認構造は、軸方向一方側にチューブ接続部が形成され、軸方向他方側にリテーナー手段を有する筒状のコネクタと、外周面に環状係合突部が形成された挿入端部を有し、前記環状係合突部が、周方向所定位置に非係合個所を有して前記リテーナー手段に形成された接続係合部とスナップ係合するように、前記挿入端部が軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に挿入されて接続されたパイプ体と、前記コネクタに装着された、前記コネクタ及び前記パイプ体の接続を確認するためのコネクタ用接続確認具と、を具備するコネクタ接続確認構造であって、前記コネクタ用接続確認具は、前記コネクタの軸方向他方側に装着された本体部と、この本体部から軸方向一方側に延びるように設けられ、前記軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に差し込まれた(コネクタ内に入り込ませることを意味する)当接片と、前記コネクタの軸方向所定位置に形成された係止部と軸方向他方側方向に係合している係合部を有して前記本体部に設けられた確認手段と、を備え、前記当接片は、軸方向一方側端が、前記リテーナー手段の前記非係合個所で前記接続係合部とほぼ等しい軸方向位置まで延びていて、前記確認手段は、前記当接片が前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接したときには、前記係合部が、前記コネクタの前記係止部よりも軸方向他方側に位置するように設けられ、前記当接片はさらに、前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接すると、この環状係合突部を前記リテーナー手段又は前記コネクタに対して軸方向一方側に移動させ、すなわち前記リテーナー手段又は前記コネクタに対して相対的に軸方向一方側に移動させ、前記接続係合部と係合させるように構成されている、ものである。コネクタの軸方向一方側内面又はリテーナー手段には、例えば、軸方向他方側端からリテーナー手段の非係合個所に至る、当接片を挿入するための挿入路が形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明に係る第1のコネクタ接続確認構造に用いられる第1のクイックコネクタ及びパイプ体の斜視図、図2は第1のクイックコネクタの断面図、図3は第1のクイックコネクタに用いられるリテーナーの斜視図、図4は第1のクイックコネクタ及びパイプ体を接続した状態の断面図である。
【0018】
第1のクイックコネクタ1は、自動車のガソリン燃料配管の接続に使用されるものであり、筒状のコネクタハウジング3と、ほぼ環状のリテーナー5(リテーナー手段)と、シール部材7と、を備えて構成されている。コネクタハウジング3はガラス繊維強化ポリアミド(PA・GF)を素材として形成され、軸方向一方側の円筒状の樹脂チューブ接続部9と、軸方向他方側のほぼ円筒状のパイプ挿入部11とから一体的に構成され、軸方向一方側端から軸方向他方側端に貫通する貫通孔13を有している。樹脂チューブ接続部9は、外周面が軸方向他方側に向かって概ね緩やかに拡径する軸方向一方側部15と、軸方向一方側部15の軸方向他方側で概略的には円筒状外面として延びている外周面に、断面四角形状の抜止め環状突出部17及び軸方向他方側に向かって拡径する断面直角三角形状の2本の抜止め環状突出部19,19が、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって順次、軸方向に間隔を有して形成された軸方向他方側部21とから構成され、外周又は外周面に樹脂チューブがきつく嵌め付けられて接続される。軸方向他方側部21の軸方向一方側端外周面23(軸方向一方側部15と抜止め環状突出部17との間)は小径にあるいは比較的深い環状溝として形成されていて、樹脂チューブを嵌め付けるに際してこの軸方向一方側端外周面23にシールリング(図示せず)を配置しておく。
【0019】
コネクタハウジング3のパイプ挿入部11は、軸方向他方側の大径のリテーナー保持部25と、リテーナー保持部25よりも小径の中間のシール保持部27と、シール保持部27よりもさらに小径の軸方向一方側の連絡部29と、から一体的に構成されている。シール保持部27の内周面の軸方向一方側には、軸方向一方側の第1のOリング31(シール部材)と軸方向他方側の第2のOリング33(シール部材)とがカラー35を介して、すなわち軸方向に間隔を有して並んで嵌められ、シール保持部27の内周面の軸方向他方側には、連絡部29の内径とほぼ等しい内径を有する、短い筒状の樹脂ブッシュ37が嵌め付けられているが、樹脂ブッシュ37は、外周面の軸方向他方側端部及び中間部にそれぞれ、多少径方向外側に突出する環状突出部39、41を一体的に備えている。シール保持部27の内周面の軸方向他方側端部は、樹脂ブッシュ37の外周面形状に対応する形状を有していて、樹脂ブッシュ37は、軸方向他方側の環状端面43が、リテーナー保持部25の内側の軸方向一方側端に形成されている、狭い幅を有して径方向内側に広がる環状の段差端面45と同一平面上に位置するように、シール保持部27の軸方向他方側端部に嵌め付けられている。第1のOリング31及び第2のOリング33は、シール保持部27の内側の軸方向一方側端に形成されている環状の段差面47と樹脂ブッシュ37とに挟まれて軸方向に位置決めされていて、第1のOリング31は、例えば防水・防塵性に優れ、高い耐ガソリン性及び耐オゾン性を有するフッ素ゴム(FKM)によって形成され、第2のOリング33は、例えば防水・防塵性に優れ、高い耐低温性及び耐オゾン性を有するフロロシリコーンゴム(FVMQ)によって形成されている。
【0020】
パイプ挿入部11のほぼ円筒状のリテーナー保持部25には、径方向対称位置に対向して係合窓49、49が形成され、係合窓49、49の間のそれぞれの外周面には対称位置に平面部分51、51が設けられている。リテーナー保持部25の平面部分51、51のそれぞれの軸方向他方側には、幅方向中間に膨出部53、53が形成されていて、この膨出部53は、平面部分51の軸方向他方側端から、リテーナー保持部25の軸方向中央を越えた位置まで軸方向に延びている。リテーナー保持部25の内周面には、それぞれの膨出部53位置で、この膨出部53に沿って、軸方向他方側端から膨出部53の軸方向一方側端部まで延びる断面台形状(径方向外側に向って幅が広くなる台形状)の案内係合凹部55が形成されている(図5も参照:図5は第1のクイックコネクタ1のリテーナー保持部25側の側面図)。
【0021】
リテーナー保持部25内にはPA製のリテーナー5が収容されて嵌め付けられていて、このリテーナー5は、比較的柔軟であり、弾性変形可能なように構成されている。リテーナー5は、軸方向他方側端部の径方向対称位置に、径方向外側に突出した一対の係合爪部57、57が形成されている、周方向両端部59、59(当接片の挿入路及び非係合個所)間に比較的大きな変形用隙間が設けられた断面C形状又はC字形の本体部61を有し、この本体部61の内面は、周方向両端部59、59及び変形用隙間と対向する部分を除いて軸方向一方側に向かって縮径する状態に形成されていて、本体部61の軸方向一方側端部63は、周方向両端部59、59及び変形用隙間と対向する部分を除いてパイプ体65とほぼ同じ内径状態に形成され、環状係合突部67よりも小さい内径状態に形成されている。本体部61の変形用隙間と対向する部分の内面69(当接片の挿入路)は、多少凹んだほぼ円筒内面状態に形成され(図5も参照)、本体部61の変形用隙間と対向する部分の軸方向一方側端部63(非係合個所)には切欠き状凹部71が形成されている。
【0022】
リテーナー5の本体部61の軸方向他方側端部には、係合爪部57、57と対応した位置から軸方向他方側に向かって径方向外側に傾斜して延びる一対の操作アーム73、73が一体的に設けられていて、それぞれの操作アーム73、73の軸方向他方側端部には径方向外側に突出した操作端部75、75が形成されている。本体部61の変形用隙間と対向する部分の軸方向他方側外面には、案内係合凹部55よりも細い断面台形状(径方向外側に向って幅が広くなる台形状)の係合突条77が、軸方向に短く延びるように形成され、本体部61の軸方向一方側端部63には、周方向に延びる係合スリット79、79(接続係合部)が対向して形成されていて、このような構成のリテーナー5は、係合突条77が案内係合凹部55の軸方向一方側にスライド移動して嵌り込み、係合爪部57、57がリテーナー保持部25の係合窓49、49内に入り込み、そして操作端部75、75が、リテーナー保持部25の軸方向他方側端部の径方向対称位置に形成された収容凹部81、81に収容されるように、リテーナー保持部25内に押し込まれて嵌め付けられている。なお、図2中符号83は、リテーナー保持部25の内周面に一体的に形成され、リテーナー5の本体部61の切欠き状凹部71内に位置してリテーナー5の回り止めを行う回止め突出部であり、リテーナー保持部25の内周面の径方向対称位置にも同様の回止め突出部83(図5参照)が形成され、この回止め突出部83は、リテーナー5の周方向両端部59、59間に入り込んでいる。
【0023】
リテーナー5は、係合爪部57が係合窓49の軸方向他方側端と係合することにより抜け止めされ、また、係合爪部57が係合窓49の周方向端と係合し、一対の回止め突出部83がそれぞれ、リテーナー5の切欠き状凹部71内及び周方向両端部59、59間に位置することにより、コネクタハウジング3あるいはリテーナー保持部25に対して回り止めされるが、係合突条77が案内係合凹部55内に、周方向及び径方向に係合した状態で嵌り込んでいるために、強固にかつ精緻に回り止めされている。
【0024】
第1のクイックコネクタ1にリテーナー保持部25の軸方向他方側端開口85から挿入されて、より具体的には、操作アーム73、73の操作端部75、75側からリテーナー5の本体部61内に挿入されて嵌め付けられたパイプ体65は例えば金属製であり、直管状の挿入側部87の軸方向一方側が、外周面に環状係合突部67を有する挿入端部89として構成されていて、環状係合突部67がリテーナー5の本体部61を押し広げて進行し、係合スリット79、79に嵌り込んでスナップ係合し、挿入端部89が全長にわたってコネクタハウジング3のパイプ挿入部11内に収容されるまで第1のクイックコネクタ1あるいはコネクタハウジング3に押し込まれている。パイプ体65の挿入端部89の軸方向一方側端(挿入側端)は、第2のOリング33及び第1のOリング31を通過して連絡部29内に達していて、パイプ体65あるいはパイプ体65の挿入端部89と第1のクイックコネクタ1との間はこの第1及び第2のOリング31、33により密封され、パイプ体65の挿入端部89の環状係合突部67よりも軸方向一方側は、パイプ体65の挿入端部89の外径とほぼ同一の内径を有する樹脂ブッシュ37及び連絡部29内にガタが生じないように挿入されている。
【0025】
図6は第1のコネクタ接続確認構造に用いられる第1のコネクタ用接続確認具の斜視図、図7は第1のコネクタ用接続確認具の側面図、図8は第1のクイックコネクタ1及びパイプ体65の連結体に第1のコネクタ用接続確認具を取り付ける場合を説明する図、図9は第1のコネクタ接続確認構造の断面図、図10は第1のコネクタ接続確認構造の別の断面図、図11は第1のクイックコネクタ1及びパイプ体65が半嵌合状態である場合の第1のコネクタ用接続確認具の取付け状態を説明する図である。
【0026】
例えば樹脂製の第1のコネクタ用接続確認具91は、C形状又はC字形の当接プレート93及び当接プレート93の軸方向一方側面から軸方向一方側に短く突出するように、当接プレート93に一体的に設けられた断面C形状又はC字形の嵌付け部分95を有する本体部97と、当接プレート93の外周から軸方向一方側に多少長く延びるように、当接プレート93に一体的に設けられた幅の狭い抜止め確認アーム99(確認手段)と、嵌付け部分95の外周面の径方向対称位置からそれぞれ、径方向外側に延びるように、嵌付け部分95に一体的に設けられた一対の長方形状のガイドプレート101、101と、嵌付け部分95の軸方向一方側端から軸方向一方側に延びるように、嵌付け部分95に一体的に設けられた一対の当接片又は当接押込み片103、103と、から構成されていて、当接プレート93には、パイプ体65の外径よりも多少狭い幅を有する開口部105と、この開口部105の内側に設けられた嵌付け凹部107と、が形成され、嵌付け凹部107は、パイプ体65の外径とほぼ等しい径を有する約4分の3円弧状に形成されている。それぞれの当接片103は、ガイドプレート101と同一の周方向位置に設けられている。嵌付け部分95は、当接プレート93の開口部105と等しい幅の開口部109を有する断面約4分の3円弧状の筒状体に形成されていて、当接プレート93の嵌付け凹部107に沿うように当接プレート93の軸方向一方側面に一体的に設けられている。当接プレート93の嵌付け凹部107と嵌付け部分95の内面とは、段差のない連続した嵌付け内面を形成しているが、嵌付け部分95の開口部109と対向する位置(一対のガイドプレート101、101間の中央位置)には、細いスリット111が全長にわたって形成され、当接プレート93の嵌付け凹部107には、開口部105と対向する位置に、スリット111と連続し、かつ、このスリット111と同一の幅を有する、スリット111よりも径方向外側に延びる細溝113が形成されている。
【0027】
それぞれのガイドプレート101は、嵌付け部分95の全長にわたって軸方向に延びるように、かつ、当接プレート93の外縁位置まで径方向外側に延びるように形成され、軸方向他方側端が当接プレート93の軸方向一方側面に一体的に接続されていて、軸方向一方側端と係方向外端との接続個所は、外側に膨らむ曲線状あるいは曲面状又は傾斜面状に形成されている。また、それぞれのガイドプレート101は、径方向外端間の間隔が、コネクタハウジング3のリテーナー保持部25の内面に形成されている一対の案内係合凹部55の底面間の間隔よりも若干広くなるように構成され、さらに、厚さが案内係合凹部55の最も狭い個所での幅とほぼ同一となるように形成されている。
【0028】
当接プレート93の外周には、開口部105の径方向対称位置に、細溝113を挟んで一対の切欠き状凹部115、115が形成されていて、この切欠き状凹部115、115に挟まれた部分の径方向外端部に抜止め確認アーム99が一体的に設けられている。すなわち、抜止め確認アーム99は、一対のガイドプレート101、101間の中央位置に設けられている。抜止め確認アーム99の軸方向一方側端部の径方向内側には、係合爪117(係合部)が設けられていて、抜止め確認アーム99の軸方向長さ、すなわち、当接プレート93の軸方向一方側面から係合爪117の係合面119までの軸方向距離は、コネクタハウジング3の軸方向他方側端から係合窓49の軸方向他方側端までの距離とほぼ等しくなるように設定されている。
【0029】
また、それぞれの当接片103は、当接プレート93の軸方向一方側面からこの当接片103の軸方向一方側端までの軸方向距離が、コネクタハウジング3の軸方向他方側端からリテーナー保持部25の段差端面45よりも多少軸方向他方側寄り位置までの軸方向距離、すなわち、コネクタハウジング3の軸方向他方側端からリテーナー3の係合スリット79(パイプ体65がスナップ係合したときの係合スリット79)よりも若干軸方向他方側寄り位置までの軸方向距離とほぼ等しくなるように形成されている。
【0030】
第1のコネクタ用接続確認具91を第1のクイックコネクタ1及びパイプ体65の連結体に取り付けるには、まず、当接プレート93及び嵌付け部分95を、開口部105及び109から、第1のクイックコネクタ1の軸方向他方側端よりも軸方向外側(軸方向他方側)に延びているパイプ体65の直管状の挿入側部87外周に嵌め付け、パイプ体65の挿入側部87が、当接プレート93の嵌付け凹部107及び嵌付け部分95内にスナップ的に、すなわち開口部105,109により外れ止めされて嵌め込まれた状態とする(図8a)。当接プレート93の開口部105及び嵌付け部分95の開口部109の幅は、パイプ体65の外径よりも若干狭く形成されているが、当接プレート93に形成された切欠き状凹部115及び細溝113、そして嵌付け部分95に形成されたスリット111により、パイプ体65への嵌付け時に、当接プレート93及び嵌付け部分95は容易に開くように変形する。第1のコネクタ用接続確認具91をパイプ体65の挿入側部87外周に嵌め付けたら、第1のコネクタ用接続確認具91をパイプ体65の挿入側部87上で軸方向一方側にスライドさせ、当接プレート93の軸方向一方側面がクイックコネクタ1あるいはコネクタハウジング3の軸方向他方側端と当接するまでクイックコネクタ1に向けて移動させる(図8b)。
【0031】
第1のコネクタ用接続確認具91の移動にともなって、嵌付け部分95(当接片103も)は、コネクタハウジング3のリテーナー保持部25内に収容され又は差し込まれることとなるが、嵌付け部分95の収容に際しては、ガイドプレート101をリテーナー保持部25の内面に形成されている案内係合凹部55と一致させておく。ガイドプレート101の径方向外端間の間隔は、案内係合凹部55の底面間の間隔よりも若干大きく設定されているので、ガイドプレート101は、当接プレート93の嵌付け凹部107及び嵌付け部分95内周面をパイプ体65の挿入端部87外周面に密着させるように、あるいは多少押し付けるようにして、したがって、当接片103をパイプ体65の挿入端部87外周面に密着させるように、あるいは多少押し付けるようにして、案内係合凹部55内に入り込み、案内係合凹部55内を軸方向一方側に進行する。ガイドプレート101の軸方向一方側端と径方向外端との接続個所にはガイドが形成されているので、ガイドプレート101を案内係合凹部55内にスムーズに導くことができる。当接片103は、パイプ体65と同一の曲率で径方向外側に膨らむように湾曲している断面形状を有している。一対のガイドプレート101を案内係合凹部55内に入り込ませる構成により、第1のコネクタ用接続確認具91が90度回転した状態でコネクタハウジング3に取り付けられてしまうといったことが防止される。
【0032】
そして、当接プレート93の軸方向一方側面をコネクタハウジング3の軸方向他方側端に当接させ、抜止め確認アーム99の係合爪117(係合爪117の係合面119)を係合窓49の軸方向一方側端(係止部)に係合させて、第1のコネクタ用接続確認具91の取付けを完了し、第1のコネクタ接続確認構造を構成する。第1のコネクタ用接続確認具91は、抜止め確認アーム99の係合爪117が係合窓49に係合することにより、第1のクイックコネクタ1に対して軸方向他方側にずれないように、第1のクイックコネクタ1及びパイプ体65の連結体に取り付けられる。第1のコネクタ用接続確認具91を第1のクイックコネクタ1及びパイプ体65の連結体に取り付けたときには、嵌付け部分95は、リテーナー5の本体部61よりも軸方向他方側でリテーナー保持部25内に収容されるが、それぞれの当接片103は、本体部61の周方向両端部59、59間、及び本体部61の凹んだ内面69内に収容されている。
【0033】
当接片103の軸方向一方側端は、本体部61の周方向両端部59、59間、及び本体部61の切欠き状凹部71位置(切欠き状凹部71周方向位置)で、パイプ体65の環状係合突部67よりも若干軸方向他方側に位置していて、パイプ体65の環状係合突部67がリテーナー5の係合スリット79から軸方向他方側に抜け出ることを阻止している。
【0034】
パイプ体65の環状係合突部67がリテーナー5の係合スリット79にスナップ係合していない半嵌合状態が生じている場合には、図11に示すように、抜止め確認アーム99の係合爪117が係合窓49の軸方向他方側端と係合する前に、当接片103の軸方向一方側端が、係合スリット79よりも軸方向他方側に位置している環状係合突部67に当接する。このとき、第1のコネクタ用接続確認具91を強くあるいは比較的強く軸方向一方側に押せば、環状係合突部67は軸方向一方側に移動して係合スリット79にスナップ係合することとなり、その結果、抜止め確認アーム99の係合爪117を係合窓49の軸方向他方側端と係合させることができる。ただし、万一、第1のコネクタ用接続確認具91を強く軸方向一方側に押しても、抜止め確認アーム99の係合爪117を係合窓49の軸方向他方側端と係合させることができない場合には、パイプ体65をコネクタハウジング3に強く押し込んでから、再び第1のコネクタ用接続確認具91を軸方向一方側に押圧する。そして、抜止め確認アーム99の係合爪117を係合窓49の軸方向他方側端と係合させることができれば、パイプ体65はコネクタハウジング3に正常に接続されていることとなる。
【0035】
ところで、パイプ体65が正常に接続されている場合にも、当接片103がパイプ体65の環状係合突部67に当接してしまうといったことがないように、当接片103は、軸方向一方側端が、係合スリット79あるいは接続係合部又は係合スリット79に係合しているパイプ体65の環状係合突部67よりも若干軸方向他方側に位置するように形成されている。しかしながら、当接片103はまた、パイプ体65が半嵌合状態のときに、環状係合突部67を確実に係合スリット79に押し込めるものでなければならない。環状係合突部67の外周端部は、通常、断面半円状又は円弧状に形成されていて、リテーナー5の本体部61をリテーナー保持部25内で押し広げながら係合スリット79に向って進行する。そして、環状係合突部67の厚み方向中央が係合スリット79の軸方向他方側端を越えると、リテーナー5の係合爪部57と係合窓49との間に隙間が形成されているので、リテーナー5の本体部61は弾性復元力により若干軸方向他方側にずれながら縮径し、その結果、環状係合突部67は係合スリット79内に嵌り込むこととなる。したがって、当接片103の軸方向一方側端と、係合スリット79あるいは接続係合部又は係合スリット79に係合しているパイプ体65の環状係合突部67との軸方向の間隔を、環状係合突部67の厚さの半分以下に設定しておけば、パイプ体65の環状係合突部67をスムーズに係合スリット79内にスナップ係合させることができる。
【0036】
ここで、パイプ体65が固定されていて、この固定されているパイプ体65に第1のクイックコネクタ1を嵌めた場合、すなわち、固定されているパイプ体65を第1のクイックコネクタ1に相対的に挿入した場合には、例えば、次のようにして第1のコネクタ用接続確認具91を装着し又は取り付けることができる。すなわち、第1のコネクタ用接続確認具91をパイプ体65の挿入側部87外周に嵌め付け、当接片103の軸方向一方側端部がコネクタハウジング3の軸方向他方側端開口85から多少コネクタハウジング3のリテーナー保持部25内に入り込むまで、第1のコネクタ用接続確認具91をパイプ体65の挿入側部87上で軸方向一方側にスライドさせる。そして、第1のコネクタ用接続確認具91を第1のクイックコネクタ1側に引き寄せるようにして、あるいは、当接プレート93と第1のクイックコネクタ1とが接近するようにして、抜止め確認アーム99の係合爪117を係合窓49の軸方向他方側端と係合させる。パイプ体65と第1のクイックコネクタ1とが半嵌合状態のときは、第1のコネクタ用接続確認具91を第1のクイックコネクタ1側に引き寄せ、あるいは、当接プレート93と第1のクイックコネクタ1とを接近させる際に、パイプ体65の環状係合突部67が相対的にリテーナー5内を軸方向一方側に移動して、係合スリット79内にスナップ係合することとなる。
【0037】
第1のコネクタ用接続確認具91は,抜止め確認アーム99の係合爪117と係合窓49との係合を解除し、コネクタハウジング3のリテーナー保持部25から抜き出すことにより取り外すことができ、かつ、再び第1のクイックコネクタ1とパイプ体65との連結体に取り付けることができる。
【0038】
なお、図8に仮想線で示すように、連結用帯体121の一端部をリテーナー保持部25の外周に嵌め付け、他端部を抜止め確認アーム99に嵌め付けて、第1のクイックコネクタ1と第1のコネクタ用接続確認具91とが常に組合せ状態に維持されるようにしてもよい。連結用帯体121のリテーナー保持部25の外周への嵌め付け又は取り付けは、例えば、リテーナー保持部25に別の機能を付加する等の理由で形成されている凹凸部(例えば突状123)を利用して行うことができる。
【0039】
図12は本発明に係る第2のコネクタ接続確認構造に用いられる第2のクイックコネクタの斜視図、図13は第2のコネクタ接続確認構造に用いられる第2のコネクタ用接続確認具の斜視図、図14は第2のコネクタ接続確認構造の断面図、図15は第2のクイックコネクタ及びパイプ体65が半嵌合状態である場合の第2のコネクタ用接続確認具の取付け状態を説明する図である。
【0040】
例えば樹脂製の第2のクイックコネクタ125は、第1のクイックコネクタ1のコネクタハウジング3の構造を変更したものであり、同一の構造及び機能を有する部分は概略的には同一の符号を付して説明を省略する。コネクタハウジング127のリテーナー保持部25の外周面には、軸方向一方側端と係合窓49との間にそれぞれ、係合突起129、129(係止部)が一体的に設けられていて、この係合突起129は、係合窓49の軸方向一方側端から軸方向一方側に向って径方向外側に傾斜して延びる傾斜外面131と、この傾斜外面131の軸方向一方側端から軸方向一方側に向って短く延びるスライド外面133と、から形成されている係方向外面を有し、スライド外面133の軸方向一方側端から径方向内側に延びて、リテーナー保持部25の軸方向一方側外端面135に接続される係合外面137を備えている。係合外面137は、リテーナー保持部25の軸方向一方側外端面135と同一平面上に形成されている。また、係合突起129の径方向外面は、軸直角断面が径方向外側に向って膨らむ円弧状に形成されている。
【0041】
第2のコネクタ用接続確認具139は、第1のコネクタ用接続確認具91の抜止め確認アーム99の構造を変更したものである。第2のコネクタ用接続確認具139では、抜止め確認アーム141(確認手段)は、当接プレート93の外周から軸方向一方側に長く延び、軸方向中央部に径方向に貫通する係合孔143(係合部)を有している。当接プレート93の軸方向一方側面から係合孔143の軸方向一方側端までの軸方向距離は、コネクタハウジング127の軸方向他方側端から係合突起129の係合外面137までの軸方向距離とほぼ等しくなるように設定されている。また、抜止め確認アーム141の径方向内面は、係合突起129の径方向外面及びリテーナー保持部25の外周面に対応して、軸直角断面が径方向外側に向って凹む円弧状に形成されている。抜止め確認アーム141のその他の構造は抜止め確認アーム99の構造とほぼ同一である。
【0042】
第2のコネクタ用接続確認具139を第2のクイックコネクタ125及びパイプ体65の連結体に取り付けて第2のコネクタ接続確認構造を構成するには、第1のコネクタ用接続確認具91と同様に、当接プレート93及び嵌付け部分95をパイプ体65の直管状の挿入側部87外周に嵌め付け、第2のコネクタ用接続確認具139をパイプ体65の挿入側部87上で軸方向一方側にスライドさせ、当接プレート93の軸方向一方側面がクイックコネクタ125あるいはコネクタハウジング127の軸方向他方側端と当接するまで移動させ、抜止め確認アーム141の係合孔143に係合突起129を係合させる。第2のコネクタ用接続確認具139の取付け過程では、第2のコネクタ用接続確認具139の軸方向一方側への移動にともない、抜止め確認アーム141の軸方向一方側端が係合突起129の傾斜外面131に当接する。さらに第2のコネクタ用接続確認具139が軸方向一方側に移動すると、抜止め確認アーム141の軸方向一方側端は傾斜外面131に案内されて、径方向内面がスライド外面133(スライド外面133の軸方向他方側端)と接触する状態となる。そして、第2のコネクタ用接続確認具139の取付けが完了するまで、抜止め確認アーム141はスライド外面133(スライド外面133の軸方向他方側端)上をスライド移動する。抜止め確認アーム141は、軸方向一方側が係合突起129を越えて長く延びているため、軸方向一方側端部を径方向外側に持ち上げるように移動させて、係合孔143と係合突起129との係合を簡単に解除できるように構成されている。
【0043】
パイプ体65の環状係合突部67がリテーナー5の係合スリット79にスナップ係合していない半嵌合状態が生じている場合には、抜止め確認アーム141の係合孔143に係合突起129が係合する前に、図15に示すように、当接片103の軸方向一方側端が、係合スリット79よりも軸方向他方側に位置している環状係合突部67に当接する。このとき、第2のコネクタ用接続確認具139を強くあるいは比較的強く軸方向一方側に押せば、環状係合突部67は軸方向一方側に移動して係合スリット79にスナップ係合することとなり、その結果、抜止め確認アーム141の係合孔143を係合突起129と係合させることができる。ただし、万一、第2のコネクタ用接続確認具139を強く軸方向一方側に押しても、抜止め確認アーム141の係合孔143を係合突起129と係合させることができない場合には、パイプ体65をコネクタハウジング3に強く押し込んでから、再び第2のコネクタ用接続確認具139を軸方向一方側に押圧する。そして、抜止め確認アーム141の係合孔143を係合突起129と係合させることができれば、パイプ体65はコネクタハウジング3に正常に接続されていることとなる。
【0044】
第2のコネクタ用接続確認具139は、第1のコネクタ用接続確認具91と同様の態様で、固定されているパイプ体65及び第2のクイックコネクタ125の連結体に取り付けることができ、また、第1のコネクタ用接続確認具91と同様のパイプ体65に対する抜止め機能を有している。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコネクタ用接続確認具又はコネクタ接続確認構造を用いれば、コネクタとパイプ体との接続状態を確認できるとともに、コネクタとパイプ体とが半嵌合状態である場合の正常接続作業が容易となり、しかもパイプ体に対する優れた抜止め機能を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1のコネクタ接続確認構造に用いられる第1のクイックコネクタ及びパイプ体の斜視図である。
【図2】第1のクイックコネクタの断面図である。
【図3】第1のクイックコネクタに用いられるリテーナーの斜視図である。
【図4】第1のクイックコネクタ及びパイプ体を接続した状態の断面図である。
【図5】第1のクイックコネクタのリテーナー保持部側の側面図である。
【図6】第1のコネクタ接続確認構造に用いられる第1のコネクタ用接続確認具の斜視図である。
【図7】第1のコネクタ用接続確認具の側面図である。
【図8】第1のクイックコネクタ及びパイプ体の連結体に第1のコネクタ用接続確認具を取り付ける場合を説明する図である。
【図9】第1のコネクタ接続確認構造の断面図である。
【図10】第1のコネクタ接続確認構造の別の断面図である。
【図11】第1のクイックコネクタ及びパイプ体が半嵌合状態である場合の第1のコネクタ用接続確認具の取付け状態を説明する図である。
【図12】本発明に係る第2のコネクタ接続確認構造に用いられる第2のクイックコネクタの斜視図である。
【図13】第2のコネクタ接続確認構造に用いられる第2のコネクタ用接続確認具の斜視図である。
【図14】第2のコネクタ接続確認構造の断面図である。
【図15】第2のクイックコネクタ及びパイプ体が半嵌合状態である場合の第2のコネクタ用接続確認具の取付け状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、125 クイックコネクタ
5 リテーナー(リテーナー手段)
9 樹脂チューブ接続部
49 係合窓(係止部)
59 周方向両端部(非係合個所)
65 パイプ体
67 環状係合突部
79 係合スリット(接続係合部)
85 軸方向他方側端開口
89 挿入端部
91、139 コネクタ用接続確認具
97 本体部
99、141 抜止め確認アーム(確認手段)
103 当接片
117 係合爪(係合部)
129 係合突起(係止部)
143 係合孔(係合部)
Claims (4)
- 軸方向一方側にチューブ接続部が形成され、軸方向他方側にリテーナー手段を有する筒状のコネクタと、外周面に環状係合突部が形成された挿入端部を有し、前記環状係合突部が、周方向所定位置に非係合個所を有して前記リテーナー手段に形成された接続係合部とスナップ係合するように、前記挿入端部が軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に挿入されたパイプ体と、の接続を確認するためのコネクタ用接続確認具であって、
前記コネクタの軸方向他方側に装着される本体部と、この本体部から軸方向一方側に延びる当接片と、係合部を有して前記本体部に設けられた確認手段と、を備え、
前記本体部は、前記当接片が、前記軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に差し込まれ、前記確認手段の前記係合部が、前記コネクタの軸方向所定位置に形成された係止部と軸方向他方側方向に係合するように、前記コネクタの軸方向他方側に装着され、
前記当接片は、前記確認手段の前記係合部が前記コネクタの前記係止部と係合したときに、軸方向一方側端が、前記リテーナー手段の前記非係合個所で前記接続係合部とほぼ等しい軸方向位置まで延びているように形成されていて、
前記確認手段は、前記当接片が前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接したときに、前記係合部が、前記コネクタの前記係止部よりも軸方向他方側に位置するように設けられ、
前記当接片はさらに、前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接すると、この環状係合突部を前記リテーナー手段に対して軸方向一方側に移動させ、前記接続係合部と係合させるように構成されている、ことを特徴とするコネクタ用接続確認具。 - 前記非係合個所は径方向対称位置に形成され、前記当接片は、この非係合個所に対応して本体部の径方向対称位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ用接続確認具。
- 前記本体部は、前記パイプ体にスナップ装着されるように、C字形又は断面C字形に形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ用接続確認具。
- 軸方向一方側にチューブ接続部が形成され、軸方向他方側にリテーナー手段を有する筒状のコネクタと、外周面に環状係合突部が形成された挿入端部を有し、前記環状係合突部が、周方向所定位置に非係合個所を有して前記リテーナー手段に形成された接続係合部とスナップ係合するように、前記挿入端部が軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に挿入されて接続されたパイプ体と、前記コネクタに装着された、前記コネクタ及び前記パイプ体の接続を確認するためのコネクタ用接続確認具と、を具備したコネクタ接続確認構造であって、
前記コネクタ用接続確認具は、前記コネクタの軸方向他方側に装着された本体部と、この本体部から軸方向一方側に延びるように設けられ、前記軸方向他方側端開口から前記コネクタ内に差し込まれた当接片と、前記コネクタの軸方向所定位置に形成された係止部と軸方向他方側方向に係合している係合部を有して前記本体部に設けられた確認手段と、を備え、
前記当接片は、軸方向一方側端が、前記リテーナー手段の前記非係合個所で前記接続係合部とほぼ等しい軸方向位置まで延びていて、
前記確認手段は、前記当接片が前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接したときには、前記係合部が、前記コネクタの前記係止部よりも軸方向他方側に位置するように設けられ、
前記当接片はさらに、前記リテーナー手段の前記接続係合部と未係合状態の前記パイプ体の前記環状係合突部と当接すると、この環状係合突部を前記リテーナー手段に対して軸方向一方側に移動させ、前記接続係合部と係合させるように構成されている、ことを特徴とするコネクタ接続確認構造。
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