JP2004124829A - 小電力発電用の水力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大掛かりな改修工事や設置工事を行うことなく、水路段差部の下部側に設置可能な小電力用の水力発電装置を提供する。
【解決手段】水路段差部Qの下部側に、内部に発電機ユニット20を備えた貯水槽2を設置し、その貯水槽2には水路Aを流れる水を流入口4に導く導水部材10が備えてあり、貯水槽2内に貯留された水を貯水槽2の下部から水路段差部Qの下部側に流出させる時に、発電機ユニット20の固定羽根22に導かれた水はランナ27を回転させることから、発電機ユニット20の発電機24が駆動される。
【選択図】 図2
【解決手段】水路段差部Qの下部側に、内部に発電機ユニット20を備えた貯水槽2を設置し、その貯水槽2には水路Aを流れる水を流入口4に導く導水部材10が備えてあり、貯水槽2内に貯留された水を貯水槽2の下部から水路段差部Qの下部側に流出させる時に、発電機ユニット20の固定羽根22に導かれた水はランナ27を回転させることから、発電機ユニット20の発電機24が駆動される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水路を流れる水を利用する小電力発電用の水力発電装置に関し、特に、水路に設けられた段差部を流れ落ちる水を利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小電力発電用の水力発電装置は、特許文献1及び2に記載されたものが知られている。特許文献1には、水路の壁面に設けた溝に堰板を設置することで、水路を流れる水を塞ぎ止めて堰板の上流側の水位を上昇させ、堰板の上流側の水を堰板に形成された取水口からケーシング内のガイドベーンを介してランナに導入し、ガイドチューブを通って堰板の下流側に流れ出るようにしてある。この際、前記ランナを通過する水が、ランナに作用してランナを回転させることで、発電機が駆動して電力を発生するように構成されたものである。特許文献2には、水路の壁面に設けた溝に堰板を設置することで、水路を流れる水を塞ぎ止めて堰板の上流側の水位を上昇させ、堰板の上流側の水をドラフトチューブの一方からドラフトチューブ内のランナに導入し、ドラフトチューブの他方に接続された堰板の取水口から堰板の下流側に流れ出るようにしてある。この際、前記ランナを通過する水が、ランナに作用してランナを回転させることで、発電機が駆動して電力を発生するように構成されたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−153021号公報
【特許文献2】
特開平11−30179号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び2記載の小電力発電用の水力発電装置は、どちらも水路に堰板を設置することで堰板の上流側の水位を上昇させ、上流側と下流側とに生じた落差を利用して流れる水によりランナを回転させるものである。ところが、工場や下水道処理施設の排水用水路には、処理された処理水の排水先(例えば河川)まで水路の上方が塞がれたものがあり、その水路に堰板を設置することは困難である。更に、水路と河川との合流位置にある放流口は、逆流止め落差が生じるように河川より上方位置に設置されており、放流口(水路)と河川との間には水路段差部が設けられている。よって、前記放流口(水路)を塞ぐように堰板を設置するためには、水路段差部に、堰板を嵌め込む溝を設けるための大掛かりな改修工事を行う必要がある。そこで、本発明の課題は、大掛かりな改修工事や設置工事を行うことなく、水路段差部の下部側に設置可能な小電力用の水力発電装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願では、水路段差部の下部側に設置可能な上方開放の貯水槽と貯水槽の上方を開閉可能に塞ぐ蓋体と、貯水槽内に取出し可能に配設した発電機ユニットを備え、貯水槽には、側壁上部の一方に流入口を他方に流出口を夫々設けると共に、底壁に排出口を設け、発電機ユニットには、排出口に嵌合されて底壁上に着脱可能に取着されている排出筒と、排出筒から一体に立上がり相互間に取水窓を形成する複数の固定羽根と、固定羽根又はその他の支持部材により支持されているケーシングと、ケーシングに内蔵されている発電機と、ケーシングから排出筒の中心に向けて下向きに突出する発電用回転軸と、排出筒内の発電用回転軸に設けたランナとを備え、水路段差部の上部側から流れる水を流入口に導き、余分な水を流出口から流出させ、所要量の水を排出筒から排出するようにした。
【0006】
具体的には、貯水槽の上部に、水路段差部の上部側に設ける固定具に係止可能な係止具を備え、貯水槽の設置を補強した。この係止具は、水路段差部の上部側から流入口に水を導く導水部材に設けて兼用した。また、貯水槽の流入口にゴミや石の侵入を防ぐスクリーンを設けた。また、貯水槽の下部に貯水槽を支持して下部空間を形成する支持具を設け、支持具を水路段差部の下部側に設置した固定部材に固着するようにした。更に、貯水槽の一方の側壁を水路段差部に形成される段壁の傾斜面に沿うように傾斜させ、貯水槽の底壁を排出筒が前記傾斜に沿うように備えた。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜4は、水路段差部Qの下部側に設置した小電力発電用の水力発電装置1を示す。工場や下水道処理施設等で処理された処理水が流れる水路Aと、処理水の排水先である河川Cとの合流位置にある放流口Bは、逆流止め落差Hが生じるように河川Cより上方位置に設置されており、放流口B(水路A)と河川Cとの間には水路段差部Qが設けられる。その水路段差部Qの逆流止め落差Hによって、増水で河川Cの水位が上昇した場合、増水した水が工場や下水道処理施設等に向かって逆流しないようになっている。本実施形態の水力発電装置1について説明する。上方開放の貯水槽2は、複数の側壁2a〜2dを組み合わせたもので、一例として断面矩形に形成されている。尚、貯水槽2の形状は、河川Cを流れる水流の影響を少なくする為に、菱形にしたり舟形にしたりしてもよい。その貯水槽2の下方は底壁2eにより塞がれ、貯水槽2の上方は開閉可能な蓋体3により塞がれている。貯水槽2の上部の一方(側壁2a側)に流入口4を、他方(側壁2b側)に第1流出口5を夫々設けると共に、底壁2eに排出口6を設けてある。貯水槽2の下部に、貯水槽2を支持して下部空間Kを形成する四角形の箱型の支持具7を固定的に又は着脱可能に設けてある。その支持具7には、前記第1流出口5と同一方向の側壁に第2流出口8が形成されている。第2流出口8の高さは、後述の排出筒21の出口より高く設定されている。支持具7は、河川Cに設置された固定部材9(例えばアンカー部材)に固着される。
【0008】
貯水槽2の上部の一方(側壁2a側)には、水路Aを流れる水を流入口4に導く導水部材10が固定的に又は着脱可能に備えられている。その導水部材10は、流入口4と放流口Bとを連結する連結板10aの両端に側板10bを取付け、放流口Bから流れ出る水を全て(一部でもよい)貯水槽2内に流入させるように形成されている。この導水部材10は、貯水槽2の設置を補強する係止具10Aを兼用している。この係止具10Aは、導水部材10の側板10b端部に下向きの切欠き溝10cを設けて構成してある。その切欠き溝10cが水路A内に設置された固定具11に係止されることで、貯水槽2内に流入される水圧により貯水槽2が河川C側に倒れないようにしたり、河川Cの流れにより水路A側に倒れないようにする。前記固定具11は、両端が水路Aの両側壁に連結されているが、固定具11の取付工事は簡単に行うことができる。固定具11にはスクリーン12が取り付けられ、貯水槽2の流入口4にゴミや石の侵入を防いでいる。尚、本実施形態では、固定具11にスクリーン12を取り付けたが、水路Aの途中にスクリーン12等を配置してもよいし、導水部材10に配置してもよい。貯水槽2の上部の他方(側壁2b側)には、第1流出口5の下端部の高さを調整する為の板部材13が上下移動可能に配置されている。その板部材13を上下移動させることで、第1流出口5の高さ(落差)が調整される。
【0009】
貯水槽2内に取出し可能に発電機ユニット20が配設されている。その発電機ユニット20について説明する。排出筒21が前記排出口6に嵌合されて底壁2e上に着脱可能に取着されている。その排出筒21の下端は、前記第2流出口8より下方に位置する。排出筒21には、排出筒21から一体に立上り相互間に取水窓を形成する複数の固定羽根22が取り付けられている。その複数の固定羽根22はケーシング23の支持部材を兼用しており、これらの固定羽根22により支持されたケーシング23には発電機24や増速機構25が内蔵されている。発電機24の回転軸24aは増速機構25の出力側に連結されている。増速機構25は、ギヤ列等から成り、入力側の回転を増速させ、その回転を出力側に出力するようになっている。その増速機構25の入力側から排出筒21の中心に向けて下向きに発電機用回転軸26を突出させてあり、排出筒21内の発電用回転軸26にランナ27(反動型水車)が取り付けてある。このことから、発電機ユニット20は、ランナ27の回転により発電用回転軸26、増速機構25を介して発電機24の回転軸24aを回転させることで、発電機24が駆動して電力を発生するようになっている。その電力は送電線28を介して制御装置29に送られる。尚、本実施形態では、排出筒21に取り付けられた複数の固定羽根22によりケーシング23が支持されているが、固定羽根22とは別に排出筒21又は貯水槽2に設けた異なる形状の他の支持部材で支持してもよい。
【0010】
上記構成の水力発電装置1の作用について説明する。先ず水力発電装置1を水路段差部Qの下方側に設置する前に、水路Aを流れる水の排水を一時停止した状態で、水路段差部Qの上部側(水路A)にスクリーン12付の固定具11が設置される。貯水槽2内に発電機ユニット20が配設された水力発電装置1の支持具7を水路段差部Qの下方側(河川C)に設置する。その際、係止具10Aの切欠き溝10cを固定具11に係止させた後、支持具7を河川Cに設置されたアンカー部材9に固着させる。尚、導水部材10が着脱可能であれば、貯水槽2を設置した後に、係止具10Aの切欠き溝10cを固定具11に係止して導水部材10を取付ける。その後、一時停止していた排水を再開すると、水路Aに沿って水が流れ出し、その水は、導水部材10により流入口4に導かれ貯水槽2内に流入する。貯水槽2内に流入された水は、排出筒21を通って支持具7の下部空間Kに溜まった後第2流出口8から流出されるが、流入水量が流出水量より多いので貯水槽2内に貯留される。
【0011】
貯水槽2の上部に取付けた板部材13を調整し、貯水槽2内の水位が安定し、ランナ27が所定の回転数になるようにすると、水力発電装置1に利用される所要量を超える余分な水が第1流出口5から河川Cに向かって直接流れ出るようになる。貯水槽2内の水が固定羽根22に導かれて下部空間Kに流出する際、流水がランナ27に作用してランナ27を回転させるので、ランナ27の回転が発電用回転軸26を介して増速機構25で増速され、その増速された回転が発電機24の回転軸24aに伝達される。そして、発電機24の回転軸24aが回転することで発電機24により電力が発生する。その電力は送電線28を介して制御装置29に送られる。
【0012】
従って、水路Aを流れる水を貯留する貯水槽2を設け、貯水槽2の下部から河川Cに放出される水の流れを利用して発電機24を駆動させる構成としたので、大掛かりな改修工事を行う必要がなく、水路段差部Qの下部側に水力発電装置1を短期間で安価に設置することが可能となる。また、貯水槽2の上方に設けた蓋体3を開くことで、貯水槽2内の清掃や点検を行うことが可能となる。そして、発電機ユニット20を貯水槽2の上方に取出すことができるから、発電機ユニット20のメンテナンスが容易に行える。更に、図5に示すように、貯水槽2の形状を、貯水槽2の一方の側壁2aを水路段差部Qに形成される段壁の傾斜面に沿うように傾斜させ、貯水槽2の底壁2eを排出筒21が斜め下を向くようにしてもよい。この場合は、貯水槽2に貯留させる水の量を増やすことができ、貯水槽2の設置がより安定したものとなり、また、排出筒21からの水の排出を促進できる。尚、上記実施形態では、水路Aと河川Cとの合流位置にある水路段差部Qを示しているが、河川Cの落差工や土留め、砂防堰等のような段差部を利用し、段差部の上部側から流れる水を貯水槽2に導いてもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本願では、水路段差部の下部側に、内部に発電機ユニットを備えた貯水槽を設置し、その貯水槽内に貯留した水を貯水槽の下部から河川に放出することで前記発電機ユニットの発電機が駆動するようにしたことから、大掛かりな改修工事や設置工事を行うことなく、水路段差部の下部側に貯水槽を固定することで、小電力発電装置を簡易迅速に且つ安価に設置できる。また、蓋体を開くことで貯水槽内の清掃、点検を容易にでき、しかも、発電機ユニットを上方へ取出すことで発電機ユニットの点検や交換も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小電力用の水力発電装置を水路段差部の下部側に設置した図である。
【図2】図1に示す小電力用の水力発電装置の縦断面図である。
【図3】図1に示す小電力用の水力発電装置の平面図である。
【図4】図1に示す小電力用の水力発電装置の正面図である。
【図5】別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 水力発電装置
2 貯水槽
2e 底壁
3 蓋体
4 流入口
5 流出口
6 排出口
7 支持具
9 固定部材
10A 係止具
11 固定具
12 スクリーン
20 発電機ユニット
21 排出筒
22 固定羽根
23 ケーシング
24 発電機
26 発電用回転軸
27 ランナ
A 水路
B 放流口
K 下部空間
Q 水路段差部
【発明の属する技術分野】
本発明は、水路を流れる水を利用する小電力発電用の水力発電装置に関し、特に、水路に設けられた段差部を流れ落ちる水を利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小電力発電用の水力発電装置は、特許文献1及び2に記載されたものが知られている。特許文献1には、水路の壁面に設けた溝に堰板を設置することで、水路を流れる水を塞ぎ止めて堰板の上流側の水位を上昇させ、堰板の上流側の水を堰板に形成された取水口からケーシング内のガイドベーンを介してランナに導入し、ガイドチューブを通って堰板の下流側に流れ出るようにしてある。この際、前記ランナを通過する水が、ランナに作用してランナを回転させることで、発電機が駆動して電力を発生するように構成されたものである。特許文献2には、水路の壁面に設けた溝に堰板を設置することで、水路を流れる水を塞ぎ止めて堰板の上流側の水位を上昇させ、堰板の上流側の水をドラフトチューブの一方からドラフトチューブ内のランナに導入し、ドラフトチューブの他方に接続された堰板の取水口から堰板の下流側に流れ出るようにしてある。この際、前記ランナを通過する水が、ランナに作用してランナを回転させることで、発電機が駆動して電力を発生するように構成されたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−153021号公報
【特許文献2】
特開平11−30179号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び2記載の小電力発電用の水力発電装置は、どちらも水路に堰板を設置することで堰板の上流側の水位を上昇させ、上流側と下流側とに生じた落差を利用して流れる水によりランナを回転させるものである。ところが、工場や下水道処理施設の排水用水路には、処理された処理水の排水先(例えば河川)まで水路の上方が塞がれたものがあり、その水路に堰板を設置することは困難である。更に、水路と河川との合流位置にある放流口は、逆流止め落差が生じるように河川より上方位置に設置されており、放流口(水路)と河川との間には水路段差部が設けられている。よって、前記放流口(水路)を塞ぐように堰板を設置するためには、水路段差部に、堰板を嵌め込む溝を設けるための大掛かりな改修工事を行う必要がある。そこで、本発明の課題は、大掛かりな改修工事や設置工事を行うことなく、水路段差部の下部側に設置可能な小電力用の水力発電装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願では、水路段差部の下部側に設置可能な上方開放の貯水槽と貯水槽の上方を開閉可能に塞ぐ蓋体と、貯水槽内に取出し可能に配設した発電機ユニットを備え、貯水槽には、側壁上部の一方に流入口を他方に流出口を夫々設けると共に、底壁に排出口を設け、発電機ユニットには、排出口に嵌合されて底壁上に着脱可能に取着されている排出筒と、排出筒から一体に立上がり相互間に取水窓を形成する複数の固定羽根と、固定羽根又はその他の支持部材により支持されているケーシングと、ケーシングに内蔵されている発電機と、ケーシングから排出筒の中心に向けて下向きに突出する発電用回転軸と、排出筒内の発電用回転軸に設けたランナとを備え、水路段差部の上部側から流れる水を流入口に導き、余分な水を流出口から流出させ、所要量の水を排出筒から排出するようにした。
【0006】
具体的には、貯水槽の上部に、水路段差部の上部側に設ける固定具に係止可能な係止具を備え、貯水槽の設置を補強した。この係止具は、水路段差部の上部側から流入口に水を導く導水部材に設けて兼用した。また、貯水槽の流入口にゴミや石の侵入を防ぐスクリーンを設けた。また、貯水槽の下部に貯水槽を支持して下部空間を形成する支持具を設け、支持具を水路段差部の下部側に設置した固定部材に固着するようにした。更に、貯水槽の一方の側壁を水路段差部に形成される段壁の傾斜面に沿うように傾斜させ、貯水槽の底壁を排出筒が前記傾斜に沿うように備えた。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜4は、水路段差部Qの下部側に設置した小電力発電用の水力発電装置1を示す。工場や下水道処理施設等で処理された処理水が流れる水路Aと、処理水の排水先である河川Cとの合流位置にある放流口Bは、逆流止め落差Hが生じるように河川Cより上方位置に設置されており、放流口B(水路A)と河川Cとの間には水路段差部Qが設けられる。その水路段差部Qの逆流止め落差Hによって、増水で河川Cの水位が上昇した場合、増水した水が工場や下水道処理施設等に向かって逆流しないようになっている。本実施形態の水力発電装置1について説明する。上方開放の貯水槽2は、複数の側壁2a〜2dを組み合わせたもので、一例として断面矩形に形成されている。尚、貯水槽2の形状は、河川Cを流れる水流の影響を少なくする為に、菱形にしたり舟形にしたりしてもよい。その貯水槽2の下方は底壁2eにより塞がれ、貯水槽2の上方は開閉可能な蓋体3により塞がれている。貯水槽2の上部の一方(側壁2a側)に流入口4を、他方(側壁2b側)に第1流出口5を夫々設けると共に、底壁2eに排出口6を設けてある。貯水槽2の下部に、貯水槽2を支持して下部空間Kを形成する四角形の箱型の支持具7を固定的に又は着脱可能に設けてある。その支持具7には、前記第1流出口5と同一方向の側壁に第2流出口8が形成されている。第2流出口8の高さは、後述の排出筒21の出口より高く設定されている。支持具7は、河川Cに設置された固定部材9(例えばアンカー部材)に固着される。
【0008】
貯水槽2の上部の一方(側壁2a側)には、水路Aを流れる水を流入口4に導く導水部材10が固定的に又は着脱可能に備えられている。その導水部材10は、流入口4と放流口Bとを連結する連結板10aの両端に側板10bを取付け、放流口Bから流れ出る水を全て(一部でもよい)貯水槽2内に流入させるように形成されている。この導水部材10は、貯水槽2の設置を補強する係止具10Aを兼用している。この係止具10Aは、導水部材10の側板10b端部に下向きの切欠き溝10cを設けて構成してある。その切欠き溝10cが水路A内に設置された固定具11に係止されることで、貯水槽2内に流入される水圧により貯水槽2が河川C側に倒れないようにしたり、河川Cの流れにより水路A側に倒れないようにする。前記固定具11は、両端が水路Aの両側壁に連結されているが、固定具11の取付工事は簡単に行うことができる。固定具11にはスクリーン12が取り付けられ、貯水槽2の流入口4にゴミや石の侵入を防いでいる。尚、本実施形態では、固定具11にスクリーン12を取り付けたが、水路Aの途中にスクリーン12等を配置してもよいし、導水部材10に配置してもよい。貯水槽2の上部の他方(側壁2b側)には、第1流出口5の下端部の高さを調整する為の板部材13が上下移動可能に配置されている。その板部材13を上下移動させることで、第1流出口5の高さ(落差)が調整される。
【0009】
貯水槽2内に取出し可能に発電機ユニット20が配設されている。その発電機ユニット20について説明する。排出筒21が前記排出口6に嵌合されて底壁2e上に着脱可能に取着されている。その排出筒21の下端は、前記第2流出口8より下方に位置する。排出筒21には、排出筒21から一体に立上り相互間に取水窓を形成する複数の固定羽根22が取り付けられている。その複数の固定羽根22はケーシング23の支持部材を兼用しており、これらの固定羽根22により支持されたケーシング23には発電機24や増速機構25が内蔵されている。発電機24の回転軸24aは増速機構25の出力側に連結されている。増速機構25は、ギヤ列等から成り、入力側の回転を増速させ、その回転を出力側に出力するようになっている。その増速機構25の入力側から排出筒21の中心に向けて下向きに発電機用回転軸26を突出させてあり、排出筒21内の発電用回転軸26にランナ27(反動型水車)が取り付けてある。このことから、発電機ユニット20は、ランナ27の回転により発電用回転軸26、増速機構25を介して発電機24の回転軸24aを回転させることで、発電機24が駆動して電力を発生するようになっている。その電力は送電線28を介して制御装置29に送られる。尚、本実施形態では、排出筒21に取り付けられた複数の固定羽根22によりケーシング23が支持されているが、固定羽根22とは別に排出筒21又は貯水槽2に設けた異なる形状の他の支持部材で支持してもよい。
【0010】
上記構成の水力発電装置1の作用について説明する。先ず水力発電装置1を水路段差部Qの下方側に設置する前に、水路Aを流れる水の排水を一時停止した状態で、水路段差部Qの上部側(水路A)にスクリーン12付の固定具11が設置される。貯水槽2内に発電機ユニット20が配設された水力発電装置1の支持具7を水路段差部Qの下方側(河川C)に設置する。その際、係止具10Aの切欠き溝10cを固定具11に係止させた後、支持具7を河川Cに設置されたアンカー部材9に固着させる。尚、導水部材10が着脱可能であれば、貯水槽2を設置した後に、係止具10Aの切欠き溝10cを固定具11に係止して導水部材10を取付ける。その後、一時停止していた排水を再開すると、水路Aに沿って水が流れ出し、その水は、導水部材10により流入口4に導かれ貯水槽2内に流入する。貯水槽2内に流入された水は、排出筒21を通って支持具7の下部空間Kに溜まった後第2流出口8から流出されるが、流入水量が流出水量より多いので貯水槽2内に貯留される。
【0011】
貯水槽2の上部に取付けた板部材13を調整し、貯水槽2内の水位が安定し、ランナ27が所定の回転数になるようにすると、水力発電装置1に利用される所要量を超える余分な水が第1流出口5から河川Cに向かって直接流れ出るようになる。貯水槽2内の水が固定羽根22に導かれて下部空間Kに流出する際、流水がランナ27に作用してランナ27を回転させるので、ランナ27の回転が発電用回転軸26を介して増速機構25で増速され、その増速された回転が発電機24の回転軸24aに伝達される。そして、発電機24の回転軸24aが回転することで発電機24により電力が発生する。その電力は送電線28を介して制御装置29に送られる。
【0012】
従って、水路Aを流れる水を貯留する貯水槽2を設け、貯水槽2の下部から河川Cに放出される水の流れを利用して発電機24を駆動させる構成としたので、大掛かりな改修工事を行う必要がなく、水路段差部Qの下部側に水力発電装置1を短期間で安価に設置することが可能となる。また、貯水槽2の上方に設けた蓋体3を開くことで、貯水槽2内の清掃や点検を行うことが可能となる。そして、発電機ユニット20を貯水槽2の上方に取出すことができるから、発電機ユニット20のメンテナンスが容易に行える。更に、図5に示すように、貯水槽2の形状を、貯水槽2の一方の側壁2aを水路段差部Qに形成される段壁の傾斜面に沿うように傾斜させ、貯水槽2の底壁2eを排出筒21が斜め下を向くようにしてもよい。この場合は、貯水槽2に貯留させる水の量を増やすことができ、貯水槽2の設置がより安定したものとなり、また、排出筒21からの水の排出を促進できる。尚、上記実施形態では、水路Aと河川Cとの合流位置にある水路段差部Qを示しているが、河川Cの落差工や土留め、砂防堰等のような段差部を利用し、段差部の上部側から流れる水を貯水槽2に導いてもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本願では、水路段差部の下部側に、内部に発電機ユニットを備えた貯水槽を設置し、その貯水槽内に貯留した水を貯水槽の下部から河川に放出することで前記発電機ユニットの発電機が駆動するようにしたことから、大掛かりな改修工事や設置工事を行うことなく、水路段差部の下部側に貯水槽を固定することで、小電力発電装置を簡易迅速に且つ安価に設置できる。また、蓋体を開くことで貯水槽内の清掃、点検を容易にでき、しかも、発電機ユニットを上方へ取出すことで発電機ユニットの点検や交換も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小電力用の水力発電装置を水路段差部の下部側に設置した図である。
【図2】図1に示す小電力用の水力発電装置の縦断面図である。
【図3】図1に示す小電力用の水力発電装置の平面図である。
【図4】図1に示す小電力用の水力発電装置の正面図である。
【図5】別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 水力発電装置
2 貯水槽
2e 底壁
3 蓋体
4 流入口
5 流出口
6 排出口
7 支持具
9 固定部材
10A 係止具
11 固定具
12 スクリーン
20 発電機ユニット
21 排出筒
22 固定羽根
23 ケーシング
24 発電機
26 発電用回転軸
27 ランナ
A 水路
B 放流口
K 下部空間
Q 水路段差部
Claims (5)
- 水路段差部の下部側に設置可能な上方開放の貯水槽と貯水槽の上方を開閉可能に塞ぐ蓋体と、貯水槽内に取出し可能に配設した発電機ユニットを備え、貯水槽には、側壁上部の一方に流入口を他方に流出口を夫々設けると共に、底壁に排出口を設け、発電機ユニットには、排出口に嵌合されて底壁上に着脱可能に取着されている排出筒と、排出筒から一体に立上がり相互間に取水窓を形成する複数の固定羽根と、固定羽根又はその他の支持部材により支持されているケーシングと、ケーシングに内蔵されている発電機と、ケーシングから排出筒の中心に向けて下向きに突出する発電用回転軸と、排出筒内の発電用回転軸に設けたランナとを備え、水路段差部の上部側から流れる水を流入口に導き、余分な水を流出口から流出させ、所要量の水を排出筒から排出するようにした小電力発電用の水力発電装置。
- 貯水槽の上部に、水路段差部の上部側に設ける固定具に係止可能な係止具を備え、貯水槽の設置を補強した請求項1記載の小電力発電用の水力発電装置。
- 貯水槽の流入口にゴミや石の侵入を防ぐスクリーンを設けた請求項1または2記載の小電力発電用の水力発電装置。
- 貯水槽の下部に貯水槽を支持して下部空間を形成する支持具を設け、支持具を水路段差部の下部側に設置した固定部材に固着するようにした請求項1から3の何れかの請求項に記載の小電力発電用の水力発電装置。
- 貯水槽の一方の側壁を水路段差部に形成される段壁の傾斜面に沿うように傾斜させ、貯水槽の底壁を排出筒が前記傾斜に沿うように備えて成る請求項1から4の何れかの請求項に記載の小電力発電用の水力発電装置。
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