JP2004124157A - 線材の潤滑被膜処理方法および潤滑被膜処理装置および連続した伸線加工装置 - Google Patents

線材の潤滑被膜処理方法および潤滑被膜処理装置および連続した伸線加工装置 Download PDF

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奥 隆雄
Norio Shiga
志賀 則夫
Shigeru Hosoda
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O & K Kk
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Abstract

【課題】線材に形成される潤滑被膜の被膜量を調節できるようにする。
【解決手段】潤滑被膜用水溶液Wを収納する液槽12を備え、かつこの液槽12内で、線材11を該水溶液Wに対して浸漬させて被膜付着させる被膜付着処理と、該水溶液Wから線材を引き上げて被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材11に潤滑被膜を形成させる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線材の潤滑被膜処理方法および潤滑被膜処理装置および連続した伸線加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コイル状の線材をさらに所望の直径に伸線加工する場合に、線材に潤滑被膜を形成する技術として、特開平5−317954号公報に掲げられているように、水溶性無機塩を主成分とする水溶液を線材に付着・乾燥させて潤滑皮膜を形成するようにしたものがある(以下、従来例1という)。
また、特公平1−28111号公報には、潤滑被膜を、線材と溶液の化学反応によって形成する技術が掲げられている(以下、従来例2という)。
【0003】
このような、潤滑膜を線材に形成する場合には、この線材の加工目的(例えば、伸線加工、冷間圧造加工等)の違いによって、要求される潤滑被膜(適切な被膜量)が異なる。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−317954号公報
【特許文献2】
特公平1−28111号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例1では、潤滑被膜の被膜量を調節する機能がなく潤滑被膜の被膜量を加工目的に応じた所望量にできないという欠点があった。
従来例2では、潤滑被膜は、線材に溶液の化学反応によって形成されるため、潤滑被膜を所望量線材に形成するために、被膜処理装置は必要な反応時間をもつ長さを有するものでなければならなかった。
そこで、本発明は、線材に形成される潤滑被膜の被膜量を調節できる潤滑被膜処理方法および潤滑被膜処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、反応型潤滑被膜を溶液の化学反応によって形成する場合に、その長さを短くして小型化を可能とした潤滑被膜処理装置を提供することである。
本発明の他の目的は、線材の加工目的に応じた均一でかつ優れた潤滑性能を有した潤滑被膜を形成できる連続した伸線加工装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために以下の技術的手段を講じた。
すなわち、第1に、被膜処理方法として、線材供給装置より線材を繰り出しつつ線材表面の脱スケール処理を行った後、線材表面に付着型潤滑被膜処理液を付着させる被膜付着処理と、付着させた潤滑被膜処理液を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことによって、線材に潤滑被膜を形成することである。
これによれば、被膜付着処理によって、線材に付着された処理液を乾燥処理によって乾燥させて潤滑被膜を線材に形成し、さらに、この上から被膜付着処理を行うことによって、さらなる潤滑被膜を形成できる。ここで、乾燥した潤滑被膜は再び処理液中に浸漬され、乾燥されなかった潤滑被膜の一部は再溶解されるが、一旦乾燥した潤滑被膜は同じ溶媒に浸漬しても短時間には溶解しない。つまり、被膜付着処理と乾燥処理を繰り返す回数を調節することによって、被膜量を調節することができるようになるのである。
【0008】
第2に、線材供給装置より線材を繰り出しつつ線材表面の脱スケールをショットブラストにより行った後、線材表面に付着型潤滑被膜を形成する線材の潤滑被膜処理方法において、潤滑被膜用処理液を収納する液槽を備え、かつこの液槽内で、線材を該処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて潤滑被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に潤滑被膜を形成させることである。
これによれば、被膜付着処理によって、線材に処理液を付着させ、これを乾燥処理によって、乾燥させることで、線材に潤滑被膜を形成し、さらに、被膜付着処理と乾燥処理とを繰り返すことによって、被膜量を増加させることができるのである。したがって、被膜付着処理と乾燥処理の繰り返し数を調節することによって、線材表面に形成される潤滑被膜の量を調節することができるようになるのである。
【0009】
第3に、付着型潤滑被膜用処理液を収納する液槽を備え、ショットブラストにより脱スケールされた線材を液槽内に導入して該処理液に線材を浸漬させることによって線材表面に潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理装置において、前記液槽内に導入された前記線材を前記処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて潤滑被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に潤滑被膜を形成させる被膜形成手段を備えたことである。
【0010】
これによれば、被膜付着処理によって、線材に処理液を付着させ、これを乾燥処理によって、乾燥させることで、線材に潤滑被膜を形成し、さらに、被膜付着処理と乾燥処理とを繰り返すことによって、被膜量を増加させることができるのである。したがって、この潤滑被膜処理装置では、被膜付着処理と乾燥処理の繰り返し数を調節することによって、線材表面に形成される潤滑被膜の量を調節することができるようになるのである。
第4に、被膜形成手段は、回転自在とされた1個または複数個の回転体から構成されており、前記回転体は、回転軸よりも下方側部分が処理液に浸かるように配置され、前記回転体の周面には、線材を回転体に巻回可能とする係合溝が形成されていることである。
【0011】
これによれば、回転体に係合溝を形成することによって、巻回された線材が、回転体から抜けはずれるのを防止できるようになる。
第5に、前記1個の回転体の周面には、前記係合溝が、螺旋状に形成されていることである。
これによれば、線材を係合溝に係合させて、回転体に複数回巻回した場合に、巻回された線材同士が接触することがなく、接触により潤滑被膜が剥離することを防止することができる。
【0012】
第6に、前記複数個の回転体は、線材の繰り出し方向に沿って離間された2個の回転体からなり、各回転体の周面には、前記係合溝が、回転体の回転軸方向に間隔をおいて複数条形成されていることである。
これによれば、2個の回転体に線材を巻回することによって、液槽内に滞在する線材の長さを長くすることができる。また、係合溝を複数条形成したことにより、線材を回転体に複数回巻回する場合に、巻回された線材同士が接触することがなく、接触により潤滑被膜が剥離することを防止することができる。
【0013】
第7に、蓚酸塩またはリン酸塩を収納する液槽内に線材を導入し、蓚酸塩またはリン酸塩の化学反応によって線材に潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理装置において、前記液槽内には、回転自在とされ、かつ線材を巻回可能な1個または複数個の回転体が設けられており、前記回転体は、その全体が処理液に浸かるように配置されており、前記回転体の周面には、線材を回転体に巻回したときにこの線材と係合する係合溝が形成されていることである。
これによれば、処理液内に浸漬される線材の長さを長くすることができるようになり、処理液の十分な反応時間を得るための、潤滑被膜処理装置の長さを長くする必要がなくなり、この点で装置を小型化することができる。
【0014】
第8に、線材を繰り出す線材供給装置と、線材を巻き取る巻き取り装置との間に、線材供給装置から順番に、前記繰り出される線材を矯正する矯正手段と、該矯正された線材表面の脱スケールをさせるショットブラスト機と、該ショットブラスト機を通過した線材に、水系潤滑被膜処理液を付着させて線材表面に潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理装置と、該線材に形成された潤滑被膜を強制的に乾燥させる強制乾燥手段と、前記付着・乾燥によって潤滑被膜が形成された線材の伸線を行う伸線ダイスまたは巻き取り装置とを備えた連続した伸線加工装置において、
前記潤滑被膜処理装置は、潤滑被膜処理液を収納する液槽を備え、かつこの液槽内で、線材を該処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に潤滑被膜を形成させる被膜形成手段を備えたことである。
【0015】
これによれば、被膜付着処理によって、線材に処理液を付着させ、これを乾燥処理によって、乾燥させることで、線材に潤滑被膜を形成し、さらに、被膜付着処理と乾燥処理とを繰り返すことによって、被膜量を増加させることができるのである。したがって、この連続した伸線加工装置では、被膜付着処理と乾燥処理の繰り返し数を調節することによって、線材表面に形成される潤滑被膜の量を調節することができるようになるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図4に示すように、本発明に係る連続した伸線加工装置1は、線材供給装置2(サプライスタンド)と、線材11の矯正装置3と、線材11表面の脱スケールを行うショットブラスト機4と、線材11表面の洗浄装置5と、潤滑被膜処理装置6と、被膜処理後の線材11を強制的に乾燥させる乾燥装置7と、線材11を引き出すための引き出し装置8と、先付け装置9と、ダイスおよび巻き取り装置からなる伸線機10とから構成される。
【0017】
すなわち、線材供給装置2と伸線機10の間に線材供給装置2から、矯正装置3、ショットブラスト機4、洗浄装置5、潤滑被膜処理装置6、乾燥装置7、引き出し装置8、先付け装置9の順番に配置されており、線材11はこのように配置された各装置を連続して通過していくこととなる。この線材11の送り速度は、20m/分〜200m/分の範囲で調節可能となっている。
この連続した伸線加工装置1によって加工される線材11は、矯正装置3および引き出し装置8に設けられた線材繰り出し用のピンチロール(図示略)を介して線材供給装置2から伸線機10まで送り出され、伸線機10の巻き取り装置に巻き取られるようになっている。以下、線材供給装置2から伸線機10へ向かって線材11が送り出される方向を線材11の進行方向Aという。
【0018】
矯正装置3は、線材11を伸線機10側へ繰り出すためのピンチロール(図示略)と、線材11を曲げることによって線材表面のスケールをひび割れ状にして剥離しやすくさせるベンドロール(図示略)と、線材11を直線状に矯正するための矯正ロール(図示略)とを備えている。
ショットブラスト機4は、微小なショット粒を線材表面に投射することによって、線材表面のスケールを除去し、そして線材表面に微小な凹凸を形成するためのものである。この実施の形態では、粒径0.1mm〜0.3mmのショット粒によって、線材11の表面粗度をRz5μm〜Rz35μmに形成することができる。
【0019】
このように線材表面にRz5μm〜Rz35μmの凹凸を形成することによって、線材表面に後述する潤滑被膜処理を施した場合には、伸線時または冷間圧造加工時に、線材11表面の凹部に被膜が密着して剥離しにくくすることができ、十分なキャリアー効果を発揮して、線材加工時の潤滑被膜による十分な潤滑を確保することができるようになる。
洗浄装置5は、前記ショットブラスト機4によって剥離されて線材11表面に再付着した微粉状のスケールを洗い流すためのものである。この洗浄装置5によって、線材11に付着したスケールを確実に洗い流すことができ、後述する潤滑被膜処理装置6内にスケールが混入されることがなく、潤滑被膜処理装置6内の潤滑剤の寿命を長期化できるようになっている。
【0020】
この洗浄装置5の洗浄方式は、高圧水流によるもの、または、後述する潤滑被膜処理装置6の液槽12内の水溶液を加熱し、または一定温度に保持(保温)するためのパイプ16内を流通する蒸気を取り込んで行うものを用いるのがよい。
潤滑被膜処理装置6は、洗浄装置5を通過した線材11表面に潤滑被膜を形成する(以下、潤滑被膜処理という)ためのものである。この潤滑被膜処理装置6は、潤滑被膜用処理液としての水系潤滑被膜処理液(以下、水溶液Wという)を収納する液槽12を備えている。
【0021】
ここで、水系潤滑被膜処理液には、例えば、無機系潤滑剤、ポリマー系のものや、金属石鹸、または水溶性高分子によるもの等の混合物または単品が用いられる。
より具体的には、無機系潤滑剤には、珪酸塩(珪酸ナトリウム、珪酸カリウム)硫酸ナトリウム、硼酸塩(硼酸ナトリウム、硼酸カリウム)、リン酸塩(リン酸鉄、リン酸ナトリウム)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、消石灰コロイダルシリカ等があり、ポリマー系のものには、ポリオレフィンワックス、ポリエチレンワックス等があり、金属石鹸には、亜鉛石鹸、ナトリウム石鹸等、水溶性高分子によるものには、ポリアルキレングリコール系、セルロース系等種々のものを溶媒または、潤滑剤として用いることができる。
【0022】
液槽12の上部には、上下に移動可能な蓋体13が設けられている。この蓋体13は、下方側が開口状とされた箱形状とされている。この蓋体13を設けたことによって、蓋体13を閉じた状態では液槽12内の潤滑被膜処理液中の水分の蒸発による減少を防止することができるようになっている。また、この蓋体13を上方に上げて開いた状態では、液槽12内全体の状態を確認できるようになっている。この蓋体13の上方には巻き上げ装置(ウィンチ)14が設けられている。巻き上げ装置(ウィンチ)14は、液槽12の後方に設けられた支柱30の上部に設けられている。蓋体13はこの巻き上げ装置(ウィンチ)14によってつり下げられた状態となっている。蓋体13に取り付けられた連結鎖15を巻き上げ装置(ウィンチ)14で巻き上げ・下げすることで蓋体13は開閉される。
【0023】
この液槽12内には、水溶液Wを加熱し、または一定温度に保持(保温)するためのパイプ16が蛇行状に設けられている。水溶液Wには、常温仕様から105℃仕様があるが、加温仕様の場合は、所定の温度に加熱・保持されている。このパイプ16に蒸気を循環させることによって、水溶液Wは、予め所定温度に加熱・保持されている。
液槽12内には、水溶液Wを攪拌するための攪拌機17が設けられている。この攪拌機17は、先端にプロペラ18を有する攪拌部材19の軸部20を、モーター21によって回転駆動することによって、液槽12内の水溶液Wを攪拌し、水溶液Wの濃度・温度のムラをなくして一定状態に保つようになっている。
【0024】
また、液槽12内には、前記液槽12内に導入された前記線材11を水溶液Wに対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて潤滑被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材11に潤滑被膜を形成させる被膜形成手段22が設けられている。
具体的には、被膜形成手段22は、液槽12内で回転自在とされた円柱状の回転体23からなる。この実施の形態では、液槽12内には2個の回転体23が設けられている。2個の回転体23は、線材11の進行方向で互いに離間されて設けられている。以下、液槽12における線材11の入口25a寄りの回転体23を第1回転体23a、出口25b寄りの回転体23を第2回転体23bという。
【0025】
各回転体23a、23bは、その回転軸よりも下側が水溶液Wに浸かるように配置されている。したがって、このように配置された各回転体23a、23bに、線材11を巻回することによって、この線材11は、各回転体23a、23bの回転軸(回転中心)の下側で、水溶液Wに浸漬され、線材11には、この水溶液Wが付着されることとなる。以下、線材11に水溶液Wが付着される処理を、被膜付着処理という。
水溶液Wに浸漬されて、被膜付着処理がなされた線材11は、各回転体23a、23bが回転することにより、水溶液Wから、引き上げられ、液槽12内において、水溶液Wの上方の大気中で乾燥されることとなる。このように線材11が乾燥される空間は、前記蓋体13によって囲繞された液槽12内部空間と略対応している。以下、この空間を線材乾燥空間43という。
【0026】
乾燥速度は、線材11の温度・浸漬時間および乾燥温度が大きく影響するので、液槽12内の水溶液Wは、加温仕様の場合80〜105℃といった高温に加熱・保持されているため、水溶液Wからの熱伝達により、線材乾燥空間43の温度(気温)は、液槽12外部の気温よりも高くなっている。したがって、線材乾燥空間43では、線材11に付着された水溶液Wを乾燥する場合に、液槽12外の大気中で自然乾燥させるよりも早く乾燥させることができるようになっている。
また、水溶液Wの温度仕様が比較的低い場合には、線材乾燥空間43に熱風を送り込むような送風手段を設けるようにしてもよい。
【0027】
以下、この線材乾燥空間で線材11に付着した水溶液Wを乾燥させる処理を乾燥処理という。被膜付着処理によって、線材11に付着した水溶液Wが、乾燥処理によって乾燥されることによって、線材11表面に潤滑被膜が形成されることとなる。
第1回転体23aは、第2回転体23bよりも上下方向の位置が高くされている。第1回転体23aと第2回転体23bの上下方向の位置を同位置にしてもよいが、この実施の形態のように、第1回転体23aの上下方向の位置を第2回転体23bよりも高くした方が、第1回転体23aの回転軸と第2回転体23bの回転軸との軸間距離を長くすることができる。したがって、軸間距離が長くなった分だけ乾燥処理の状態になる線材11の長さが長くなる。
【0028】
つまり、第1回転体23aの上下方向の位置の高低を調節することによって、線材11の乾燥処理時間を長短調節することができるようになる。しかも、第1回転体23aの上下方向の位置を変えるだけであるので、潤滑被膜処理装置6の線材進行方向の長さを長くすることなく、つまり、この潤滑被膜処理装置6を大型化することなく、液槽12内での乾燥時間を極力長くとれるようになり、この点で有利である。
各回転体23の周面には、線材11を各回転体23a、23bに巻回するときにこの線材11が係合する係合溝24が形成されている。この係合溝24は、各回転体23a、23bの回転軸方向に沿って間隔をおいて複数条形成されている。
【0029】
各係合溝24は、回転体23の回転軸方向に間隔をおいて形成されている。この係合溝24に線材11を係合させることにより、各回転体23に線材11を巻回することができるようになる。
図5に示すように、線材11は、第1回転体23aと、第2回転体23bとに架け渡すように巻回されている。線材11は、同じ係合溝24に複数回巻回されるのではなく、回転体23の回転軸方向一端側の係合溝24から順番に各係合溝24に1回ずつ係合するように線材11をずらして巻回される。このように線材11を回転体23に巻回することで、線材11を回転体23に複数回巻き付けても、巻き付けられた線材11同士が接触することがなくなる。したがって、巻回された線材11同士が接触することによって、線材11表面の潤滑被膜が剥離するということを防止することができる。
【0030】
潤滑被膜処理装置6において、液槽12における線材11の入口25a側の外側方には、入口25a側で線材11を支持する第1支持ローラ26が設けられており、同様に液槽12における線材11の出口25b側の外側方には、出口25b側で線材11を支持する第2支持ローラ27が設けられている。
回転体23は、軸体28によって枢支されて、回転自在とされている。この軸体28が軸受29によって支持されることによって液槽12内で回転自在とされている。軸体28内は、中空状とされており、その内部に冷却水をその内部に導入できるようになっている。
【0031】
回転体23は、回転軸よりも下側の部分が水溶液Wに浸かるように配置されている。換言すれば、液槽12内に収納された水溶液Wの液面の位置は、回転体23の回転軸よりも下側部分が浸かるような高さになるように調整されており、回転体23全体が水溶液W中に浸からないようになっている。
回転体23は、加熱された水溶液Wにその一部が浸かっているので、液槽12内で水溶液Wによって加熱され、この熱は軸体28に伝達されるが、軸体28内に冷却水を導入することで軸体28を冷却し、軸受29に熱が伝わらないようになっている。これによって、軸受29が高温化することを防止して、軸受29の損傷を抑制し、長寿命化することができる。
【0032】
液槽12の外側周には、断熱材が周設されており、加熱された水溶液Wの熱が外部に伝わりにくくなっていて、液槽12内の潤滑被膜処理液が冷めにくく、さらに作業者が液槽12の断熱材が設けられた部分に触れても熱を感じずに作業できるようになっている。
連続した伸線加工装置1は、また、液槽12の線材11の出口25bから出てきた線材11に過剰に付着した潤滑被膜処理液を吹き飛ばして除去し、潤滑被膜を均一にするための装置である第1エアーワイプ31a、第2エアーワイプ31bを備えている。
【0033】
液槽12の出口25bから出てきた線材11には、水溶液Wが付着したままになっており、しかもこの水溶液Wは、重力によって線材11の下側に集まっているので、このまま乾燥させてしまうと、潤滑被膜は線材11の下側の膜厚が厚くなって不均一となってしまう場合がある。そこで、各エアーワイプ31(31a、31b)によって、線材11の下側に集まった水溶液Wを除去し、均一な厚さの潤滑皮膜を線材11に形成するのである。
具体的には、第1エアーワイプ31aは、液槽12内において、第2回転体23bと、液槽12に設けられた線材11の出口25bとの間に設けられており、第2回転体23bの下側から離れて液槽12の出口25bに向かう線材11に過剰に付着した水溶液Wを除去することができるようになっている。
【0034】
この第1エアーワイプ31aは、図6、図7に示すように線材11に圧縮空気を吹き付ける吹き付け部32と、この吹き付け部32を支持する支持部33からなる。吹き付け部32は、円柱状に形成されていて内部が中空状とされている。またこの吹き付け部32には、線材11をその軸心部に案内する案内溝45が形成されており、正面からみるとこの吹き付け部32は略馬蹄形状になっている。この案内溝45は、吹き付け部32の軸心部に線材11を配置できるような深さに形成されている。
【0035】
この吹き付け部32の正面32a側には、この正面32a側から凹むように傾斜する傾斜面32bが軸心部の周囲に形成されている。この傾斜面32bは、すり鉢状に形成されており、線材11に圧縮空気を吹き付ける噴出口32cがその周方向に沿って複数形成されている。この実施の形態では、噴出口32cの数は4である。噴出口32cがこのように形成されることによって、噴出口32cは、吹き付け部32の軸心部に案内された線材11の周囲を取り囲むように位置することになり、線材11の外周に均一な空気を吹き付けることができるようになっている。
【0036】
吹き付け部32は、液槽12外に配置された、圧力調整可能なコンプレッサ(図示略)と連結されており、吹き付け部32とコンプレッサとを連結していて圧力調整弁を有した連結配管を通じてコンプレッサから吹き付け部32内に圧縮空気が送られるようになっており、この圧縮空気が前記圧力調整弁を介して前記噴出口32cから噴出されるのである。
支持部33は、吹き付け部32に連結された支持部材47を介して、基板48に設けられた固定横軸49に連結されており、この基板48には固定横軸49を中心として角度を変更できるようにする円弧状の角度調整溝50が形成されている。この角度調整溝50は、基板48に複数形成されており、その数は3である。角度調整溝50には、雄ねじを有する第1固定部材51が係合されており、基板48は、この第1固定部材51を介して液槽12の側壁に固定されている。この第1固定部材51をねじが締まる方向に回転させることによって、基板48の位置決めがなされる。このような角度調整によって、吹き付け部32は、固定横軸49回りの位置(角度)を変更することができ、例えば、各回転体23a、23bに巻回された線材11の巻回の仕方や、線径の違いよって、液槽12における線材11出口25bと回転体23(23a、23b)との間の線材11の位置がずれたときに、このずれに応じて吹き付け部32の位置を調整できるようにでき、この点で便利なものとなっている。
【0037】
支持部材47と固定横軸49とはこの固定横軸49に沿ってスライド自在に移動する円筒状のスライドガイド52を介して連結されている。
スライドガイド52の上部には、ねじ孔52aがスライドガイド52の筒壁を内外貫通して形成されている。このねじ孔52aには、雄ねじを有する第2固定部材53が差し込まれている。固定横軸49の上部は、この固定部材が固定時に当接する当接面49aが軸方向の略全幅にわたって形成されている。
このような構成から、固定部材をねじが締まる方向に回転させてこの固定部材の先端と当接面49aとを当接させ、さらにこれを締めることによって、スライドガイド52は、固定横軸49に固定される。この状態から固定部材をねじが緩む方向に回転させると固定部材の先端が当接面49aから離れてスライドガイド52は、固定横軸49の軸方向に移動できるようになる。このとき、固定部材の先端と、当接面49aとが少しだけはなれるようにしておくことで、スライドガイド52が固定横軸49まわりに回転しようとすると、前記先端が当接面49aに当接して、回転しないように固定横軸49まわりの位置規制(角度規制)をすることができるようになっている。したがって、吹き付け部32が大きくぐらつくことなく、固定横軸49の軸方向にこの吹き付け部32を移動させることができる。
【0038】
このように吹き付け部32を移動可能とすることにより、例えば、液槽12における線材11出口25bと、回転体23(23a、23b)との間の線材11部分の巻回回数を増減による横方向の位置ずれに対応してこの吹き付け部32の横方向の位置を調整することができるようになる。
第2エアーワイプ31bの吹き付け部32は、第1エアーワイプ31aと同型であり、液槽12の外側で、液槽12における線材11の出口25b近傍に設けられている。第2エアーワイプ31bの下側には、線材11から落ちた水溶液Wを再び液槽12内に戻すためのドレン菅35が第2エアーワイプ31bと液槽12とを連結して設けられている。このドレン菅35を設けたことによって、線材11に付着した水溶液Wを、第2エアーワイプ31bによって吹き落としても、潤滑被膜処理装置6周辺の作業床をこの水溶液Wによって汚すことなく、しかも、この水溶液Wを再び液槽12内に戻して潤滑被膜処理に再利用できるようになり、この点で有利である。
【0039】
なお、各エアーワイプ31a、31bを両方同時に使用することができるようになっているが、いずれか一方のみの使用であっても十分その能力を発揮できるようになっている。
乾燥装置7は、被膜処理装置6において線材11に付着された被膜を強制的に乾燥させる強制乾燥手段である。
図8、図9に示すように、この乾燥装置7は、線材11がその内部に挿通される円筒状の筒体36と、この筒体36を支持する支持脚部37とから構成される。線材11は、筒体36内に挿通されてこの筒体36内で乾燥処理される。筒体36の外側部には、筒体36内に熱風を送り込む熱風発生器38が設けられている。また、筒体36において線材11の入口25aとなる長手方向の開口端側には、線材11の径に応じて、線材11の挿通口の大きさを調節することができるアジャスタ39が設けられている。筒体36の外周壁には断熱材が取り付けられている。
【0040】
このアジャスタ39は、種々の大きさの線材挿通孔41が形成された円板と、この円板を枢支する枢支軸部42とからなる。アジャスタ39は枢支軸部42を中心として円板を回転させることにより、線材挿通孔41の位置をずらすことにより、種々の径の線材11に応じた線材挿通孔41を線材11の挿通口とすることができるようになっている。図10では、最も太い線材11が筒体36に挿通されるときの状態を示しており、一番孔径の大きな線材挿通孔41と筒体36の入口側に線材11の挿通口として位置づけられている。
【0041】
引き出し装置8は、最初にこの伸線加工装置1に線材11をセットするときに用いるものである。
図11に示す引き出し装置8には線材11を乾燥機側に誘導する引き出しロープ(図示略)が取付けられている。この引き出しロープを被膜処理装置6の出口25bから液槽12内に導入し、各回転体23a、23bに巻き付け、そして被膜処理装置6の入口25a側まで持ってきておいて、線材11と引き出しロープとをトンス(図示略)によって結びつけ、その後引き出し装置8によって、引き出しロープを引張って、線材11を伸線加工装置1内に導入するのである。
【0042】
先付け装置9は、ダイスに線材11を最初に取り付ける際に、ダイスに取り付けやすくするために線材11の径をダイスの径よりもやや小さくなるように加工するものである。
表1は、付着型潤滑被膜処理液の液種として珪酸カリウムを主成分としたものを使用した場合において、回転体23への線材11の巻回回数、すなわち、水溶液Wへの浸漬回数と、潤滑膜の被膜量との関係を示している。
【0043】
【表1】
Figure 2004124157
【0044】
表1において明らかとなったように、巻回回数の増加にともなって、被膜量も増加している。
すなわち、上記した実施の形態によれば、液槽12内に設けた回転体23に線材11を巻回することによって、線材11を液槽12内で線材11を水溶液Wに浸漬する浸漬状態と、この浸漬状態の線材11を引き上げて液槽12内で乾燥させる乾燥状態とを複数回繰り返すことによって、線材11に付着させる潤滑膜の被膜量を増加させることができる。
【0045】
従って、線材11の回転体23への巻回回数を調節(増減)することにより、潤滑膜の被膜量を調節することができるようになる。
また、前述した従来の被膜処理では、脱スケール処理に酸を使用する場合があり、これによって、廃酸および排水による公害を防止するための処理が必要であり、このための費用が必要でコスト高となっていたが、本発明では、ショットブラストによって脱スケール処理を行うので、このような処理は必要なく、この点において有利である。
【0046】
図12に示す回転体23の外周面には、線材11を規制するための1条の係合溝24が回転軸方向に螺旋状に形成されている点が、図5に示した回転体23と異なる。
このように、係合溝24を螺旋状に形成することによって、1個の回転体23のみに線材11を巻回することができるようになり、回転体23が1個のみであっても、巻回回数を調節することによって、線材11の潤滑膜の被膜量を調節することができるようになる。
【0047】
その他の点は、図5に示した回転体23と同様の構成であり、この回転体23を用いた、潤滑被膜処理方法、潤滑被膜処理装置6、連続した伸線加工装置1は、図1乃至図11に示した実施の形態と同様の作用効果を生ずる。
図13に示す回転体23では、その回転軸方向の略中央位置に係合溝24が1条形成されている。この係合溝24に線材11と複数回巻回することによって、潤滑膜の被膜量を調節することができるようになる。その他の点は、図12に示した実施の形態と同様の構成であり、同様の作用効果を生じる。
【0048】
図14に示す回転体23では、係合溝24がV字状の切れ込みとされている点が、図13に示すものと異なる。その他の点は、図13に示した実施の形態と同様の構成であり、同様の作用効果を生じる。
図15は、線材11の直径が太くて、回転体23に巻回することが困難な場合に、線材11に潤滑被膜を付着させる方法を示している。特に線材11の直径が15mmを越えるような場合に、この方法を採るのがよい。
具体的に説明すると、液槽12内には、線材11の上方から、水溶液Wを流しかける流出口12aが設けられている。この流出口12aは、液槽12内に線材11の進行方向に間隔をおいて、2個設けられている。また、2個の回転体23の内、入口側の第1回転体23aの係合溝24の底部に線材11は接触している。
【0049】
図16に示すように、線材11と潤滑被膜用処理液を化学反応させることによって、線材11に潤滑被膜を形成する場合(以下、反応型被膜形成という)には、各回転体23a、23bは、その全体が溶液中に浸漬されるのが望ましい。反応型被膜形成の場合には、浸漬させた時間、すなわち線材11と処理液との化学反応の時間の長さによって潤滑被膜の被膜量が定まる。
図16において、第1回転体23aと、第2回転体23bとは、線材11の進行方向で間隔をおいて配置されており、線材11は、図5で示した場合と同様に、各回転体23a、23bに巻回されている。このように、各回転体23a、23b全体を、処理液Wに浸漬させ、線材11を各回転体23a、23bに巻回する回数を調節することによって、処理液内に浸漬される線材11の長さを調節することができるようになる。つまり、各回転体23a、23bに線材11を巻回する回数が多ければ多いほど、線材11は、処理液W中に長時間滞在することになり、これによって、線材11と処理液Wとの化学反応時間を長くすることができる。
【0050】
以上により、このような被膜形成手段22を設けたことによって、処理液Wを収納する液槽12の長さを長くする必要が無くなり、この点で、潤滑被膜処理装置6の大きさを小型化することができるようになる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限らず、以下のように種々の変形・変更が可能である。
回転体23は、1個、2個だけでなく、液槽12内に3個、4個以上といった複数個設けるようにしてもよい。また、回転体23の形状は、円柱状に限らず、楕円柱状、角柱状等他の種々の形状を採用してもよい。
【0051】
液槽12内に設けられた流出口12aの数は、2個に限らず、1個または、3個以上であってもよい。噴出口32cの数は、4に限らず1乃至3、または5以上であってもよい。噴出口32cの数が1の場合には、この噴出口32cを傾斜面32bの軸心部まわりの周方向に沿った長口状に形成するようにしてもよい。
線材11に形成する潤滑被膜の量が少量でもよい場合には、各回転体23a、23bに線材11を巻き付けることなく、この線材11を各回転体23a、23bの下側からくぐらせるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、線材に形成される潤滑被膜の被膜量を調節できる。
また、線材の潤滑被膜を溶液の化学反応によって形成する場合に、潤滑被膜処理装置の長さを短くして小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被膜処理装置を示す側面図である。
【図2】被膜処理装置を示す正面図である。
【図3】被膜処理装置を示す平面図である。
【図4】連続した伸線加工装置を示す側面図である。
【図5】被膜形成手段を示す平面図である。
【図6】エアーワイプを示す側面図である。
【図7】吹き付け部を示す正面図である。
【図8】乾燥装置を示す側面図である。
【図9】乾燥装置を示す平面図である。
【図10】乾燥装置のアジャスタを示す正面図である。
【図11】引き出し装置を示す側面図である。
【図12】被膜形成手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図13】被膜形成手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図14】被膜形成手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図15】径の太い線材に潤滑膜を形成するときの被膜処理を示す側面図である。
【図16】線材と溶液とを化学反応させて被膜を形成する場合の液槽内の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 連続した伸線加工装置
2 線材供給装置
3 矯正機
4 ショットブラスト機
6 潤滑被膜処理装置
7 乾燥装置
10 伸線機
11 線材
12 液槽
22 被膜形成手段
23 回転体

Claims (8)

  1. 線材供給装置より線材を繰り出しつつ線材表面の脱スケールを処理を行った後、線材表面に付着型潤滑被膜処理液を付着させる被膜付着処理と、付着させた付着型潤滑被膜処理液を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことによって、線材に潤滑被膜を形成することを特徴とする線材の潤滑被膜処理方法。
  2. 線材供給装置より線材を繰り出しつつ線材表面の脱スケールをショットブラストにより行った後、線材表面に潤滑被膜を形成する線材の潤滑被膜処理方法において、
    付着型潤滑被膜処理液を収納する液槽を備え、かつこの液槽内で、線材を該処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて潤滑被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に被膜を形成させることを特徴とする線材の潤滑被膜処理方法。
  3. 付着型潤滑被膜処理液を収納する液槽を備え、ショットブラストにより脱スケールされた線材を液槽内に導入して該処理液に線材を浸漬させることによって線材表面に潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理装置において、
    前記液槽内に導入された前記線材を前記処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて潤滑被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に潤滑被膜を形成させる被膜形成手段を備えたことを特徴とする潤滑被膜処理装置。
  4. 被膜形成手段は、回転自在とされた1個または複数個の回転体から構成されており、
    前記回転体は、回転軸よりも下方側部分が処理液に浸かるように配置され、
    前記回転体の周面には、線材を回転体に巻回可能とする係合溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の潤滑被膜処理装置。
  5. 前記1個の回転体の周面には、前記係合溝が、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の潤滑被膜処理装置。
  6. 前記複数個の回転体は、線材の繰り出し方向に沿って離間された2個の回転体からなり、各回転体の周面には、前記係合溝が、回転体の回転軸方向に間隔をおいて複数条形成されていることを特徴とする請求項4に記載の潤滑被膜処理装置。
  7. 蓚酸塩またはリン酸塩を収納する液槽内に線材を導入し、化学反応によって蓚酸塩またはリン酸塩の潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理装置において、
    前記液槽内には、回転自在とされ、かつ線材を巻回可能な1個または複数個の回転体が設けられており、
    前記回転体は、その全体が処理液に浸かるように配置されており、
    前記回転体の周面には、線材を回転体に巻回したときにこの線材と係合する係合溝が形成されていることを特徴とする潤滑被膜処理装置。
  8. 線材を繰り出す線材供給装置と、線材を巻き取る巻き取り装置との間に、線材供給装置から順番に、前記繰り出される線材を矯正する矯正手段と、該矯正された線材表面の脱スケールをさせるショットブラスト機と、該ショットブラスト機を通過した線材に、水系潤滑被膜処理液を付着させて線材表面に被膜する潤滑被膜処理装置と、該線材に形成された潤滑被膜を強制的に乾燥させる強制乾燥手段と、前記付着・乾燥によって潤滑被膜が形成された線材の伸線を行う伸線ダイスまたは巻き取り装置とを備えた連続した伸線加工装置において、
    前記潤滑被膜処理装置は、潤滑被膜処理液を収納する液槽を備え、かつこの液槽内で、線材を該処理液に対して浸漬させて潤滑被膜を付着させる被膜付着処理と、該処理液から線材を引き上げて被膜を乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことにより、この線材に潤滑被膜を形成させる被膜形成手段を備えたことを特徴とする連続した伸線加工装置。
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