JP2004124127A - 捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.1〜0.5%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、S:0.035%以下、P:0.015%以下、Cr:0%超3%以下、A1:0.005〜0.06%、N:0.005〜0.030%を含有する鋼からなり、Cr,Mnの含有量が「Cr/(Cr+Mn)≦0.6」の関係を満たし、明細書本文に示す方法によって測定される第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30以下である捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼を開示する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の駆動系に使用される機械部品、特にシャフト類等の素材として有用な捻り疲労特性の改善された浸炭用鋼と、該鋼を用いた機械部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの駆動系に使用される機械部品、特にシャフト類においては、捻り疲労強度が問題になることが多い。そこで、該疲労強度を高めるための手段として高周波焼入れが採用されており、また歯車と一体となった機械部品などでは、浸炭あるいは浸炭浸窒処理されることも多い。そして、高周波焼入れ用鋼の捻り疲労強度を高める方法についても幾つかの提案がなされており、浸炭あるいは浸炭窒化鋼についても捻り疲労強度を向上させたいニーズが高まっている。
【0003】
例えば特許文献1には、捻り疲労特性を高めるための手段として、鋼中にTe,Ca,Zr,Mg,Yや希土類元素を含有させ、且つベイナイト組織分率を制限すると共に、フェライト結晶粒度を微細化する技術が開示されている。しかし、例えばシャフト類の如く自動車などの駆動系機械部品用などとして一層の性能向上が求められている昨今、更なる疲労特性の改善が求められる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−69573号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な状況の下でなされたもので、特にシャフト類の如く自動車などの駆動系機械部品として用いられる浸炭(あるいは浸炭浸窒)処理される鋼を対象とし、その捻り疲労強度を高める技術を提供すると共に、捻り疲労特性の改善された機械部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼とは、
C:0.1〜0.5%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.5%以下(0%を含む)、
Mn:0.1〜2.0%、
S:0.035%以下(0%を含む)、
P:0.015%以下(0%を含む)、
Cr:0%超3%以下、
A1:0.005〜0.06%、
N:0.005〜0.03%
を含有すると共に、CrとMnの含有量が下記式(1)を満たし、更に、下記方法によって測定される第2相の線分率が下記式(2)を満たすものであるところに特徴を有している。
[Cr/(Cr+Mn)]≦0.6……(1)
[標準偏差/平均分率]<0.30……(2)
【0007】
(第2相線分率の測定法)
鋼材の厚さ(D)に対し、D/4位置を含む様にJIS G0303に定められた方法に従ってサンプルを採取し、観察するサンプル表面を鏡面研磨した直後(5分以内)に、ナイタール液(硝酸2%、エタノール98%)を用いて常温で10秒間エッチングした後、光学顕微鏡を用いて倍率100倍で表面の写真撮影を行う。得られた写真から、
▲1▼まず、圧延方向に平行な長さ0.8mm(写真上で8cm)の直線を引く(このとき、前記D/4位置に最も近いフェライト・バンド(写真に白く表われる部分)に直線を引く、
▲2▼次に、上記直線を中心として、これに平行な直線を25μm(写真上で2.5mm)間隔で合計20本の直線を引く、
▲3▼上記各直線から、第2相が占める線分率を夫々求める、
▲4▼上記▲3▼で得られる各線分率の平均と標準偏差を求め、各々の[標準偏差/平均分率]を算出する、
▲5▼更に、観察場所を変えて上記▲1▼〜▲4▼の作業を繰り返す。該観察場所は、既に観察した視野から少なくとも0.5mm以上離し、合計5視野以上で測定を行う、
▲6▼観察した全視野の[標準偏差/平均分率]の平均値を求める。
【0008】
また本発明に係る他の捻り疲労特性に優れた浸炭溶鋼の構成は、
C:0.1〜0.5%、
Si:0.5%以下、
Mn:2.0%以下、
S:0.035%以下、
P:0.015%以下、
A1:0.005〜0.06%、
N:0.005〜0.03%を満たし、
Cr:3%以下、Ni:0.1〜3.5%、Mo:0.1〜1.0%およびCu:2%以下よりなる群から選択される少なくとも1種
を含有すると共に、Cr,Mn,Ni,Moの含有量が下記式(3)を満たし、更に、前記と同様の方法によって測定される第2相の線分率が前記式(2)を満たすものであるところに要旨を有している。
【0009】
[Cr/(Cr+Mn)+Ni+Mo]≦0.6……(3)
本発明に係る上記2種類の浸炭用鋼においては、鋼を構成する更に他の元素として、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%、V:0.01〜0.5%よりなる群から選択される1種以上を含有させると、これらの元素が鋼中のCやNと結合して炭化物や窒化物を生成し、結晶粒を微細化して靭性や疲労強度を高めることができ、
更に、Ca:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、Zr:0.0005〜0.05%よりなる群から選択される1種以上を含有させると、鋼中のMnS系介在物を球状化して横目靭性や疲労強度を更に高めることができ、
更に他の元素として、Pb:0.01〜0.3%および/またはBi:0.01〜0.3%を含有させると、被削性が改善されるので、
それらも本発明を実施する際の好ましい実施態様として推奨される。
【0010】
そして、上記要件を満たす浸炭用鋼を使用することによって得られる機械部品は、例えば自動車などの駆動系を構成するシャフトなどの機械部品として卓越した強度特性と長寿命を示すものとなるので、該部品も本発明の対象に含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
通常の捻り疲労試験によって生じる亀裂は、その先端に作用する応力状態から大きく分けて3種に分類され、破壊力学において一般的にモードI亀裂、モードII亀裂およびモードIII亀裂と呼ばれている。モードI亀裂は、開口型亀裂とも呼ばれ、亀裂を開口する様に働く。またモードII亀裂は面内剪断型、モードIII亀裂は面外剪断型と呼ばれ、共に剪断応力が作用している。一般的に亀裂はこれらの混合型である。そして、シャフトなどの軸状部品に捻り応力をかけた場合、モードI亀裂は軸方向に対し45°傾いた方向、モードII亀裂は軸と平行な方向、モードIII亀裂は軸に対し垂直な方向に進展することが確認されている。
【0012】
ところで本発明者らは、前述したような課題を掲げて種々研究を進めるうち、次の様な事実が確認された。
【0013】
即ち浸炭鋼の捻り疲労においては、高周波焼入れ鋼の捻り疲労と違って、強度の低い芯部では圧延方向と平行な面上を亀裂が進展する破壊現象(モードII破壊)が起こる。そして浸炭鋼の疲労寿命には、モードII破壊を起こす時の亀裂伝播速度が重要な影響を及ぼし、疲労寿命を延長するには、該モードII破壊の亀裂伝播速度を低減することが有効であるとの知見を得た。
【0014】
そこで、モードII破壊の亀裂伝播速度に影響を及ぼす因子について検討を重ねた結果、浸炭(または浸炭浸窒)前における圧延鋼材のバンド組織を適正に制御することが極めて有効であることを突き止めた。
【0015】
圧延された浸炭用鋼は、鍛造や機械加工などによって所定の形状に加工された後、浸炭(または浸炭浸窒)焼入れ焼戻し処理によりマルテンサイト組織とされるが、浸炭(または浸炭浸窒)後の前記モードII破壊の亀裂伝播速度は、浸炭前のバンド組織の影響を受ける。そしてこのバンド組織は、鋳造時に生成したC,Mnなどのミクロ的な成分偏析が、圧延・鍛造中にも完全に消えることなく加工中に展伸されることにより生じたものである。
【0016】
そして、鋼組織の変態中にCやMnの少ない部位からフェライト変態を生じさせると、残ったオーステナイト中のCやMnは更に濃化される一方、Pはフェライトフォーマーであるためフェライト部に濃化する。浸炭焼入れ焼戻し処理を行って全面をマルテンサイト組織にした組織においても、その前にバンド組織によって生成したミクロ的な成分偏析をなくすことはできない。つまり、亀裂伝播速度に影響を及ぼすPがバンド組織上に偏析していることを意味している。
【0017】
そしてバンド組織の生成が顕著になると、P偏析部が圧延方向に対して平行方向に長く延び、亀裂伝播速度を加速する。これらのことから、Pの偏析を少なくしてバンド組織を低減することが、浸炭鋼の捻り疲労強度向上に有効であることを突き止めた。
【0018】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
【0019】
上記バンド組織は縞状組織とも呼ばれ、供試鋼材にナイタール腐食を施してから光学顕微鏡観察することによって容易に確認できる。そしてこのバンド組織は、凝固時のミクロ偏析が圧延時に引き延ばされることによって生じるもので、オーステナイト組織の鋼材を冷却する際に、フェライト組織とパーライト組織がバンド状に生成したものをいう。
【0020】
該バンド組織の縞の度合は、主としてPやMnの如くA3点を変化させる元素によって影響を受ける。即ち、Pの如くA3点を高める元素がミクロ偏析部に存在すると、その部分からフェライトが優先的に生成し、Mnの如くA3点を下げる元素が存在するとパーライトが生成し易くなる。
【0021】
本発明においては、優れた捻り疲労特性を確保する上で、該バンド組織の度合を制御することが重要となるので、まずバンド組織の規定法について詳述する。
【0022】
[バンド組織の観察法]
バンド組織の観察は、次の方法で供試材を採取し、供試面を鏡面研磨してからエッチング処理した後に光学顕微鏡を用いて行なわれる。供試材の採取位置は、中心偏析部(ミクロ偏析とは異なる)を避けるため、JIS G0303に規定される方法に従って板厚Dに対しD/4位置とし、観察倍率は100倍とする。バンド組織はエッチング処理することで始めて観察可能となるので、顕微鏡観察に先立ってエッチングを行わねばならないが、本発明では、代表的なエッチング法であるナイタール腐食を採用する。そしてエッチングは、供試材表面を鏡面研磨した直後(5分以内)に行うこととし、ナイタール液(硝酸2%、エタノール98%)を用いて常温で10秒間エッチングを行う。
【0023】
[第2相線分率の算出法]
上記方法によって得た供試面の顕微鏡写真から、バンド組織の度合を定量化する。その方法は下記の手順で行なわれる。
【0024】
▲1▼まず、圧延方向に平行な長さ0.8mm(写真上で8mm)の線分を引く、このとき、板厚Dに対しD/4位置に最も近いフェライト・バンド(図1の図面代用顕微鏡写真に表われる白色部分)に線分を引く。
【0025】
▲2▼次にこの線分を中心として、これに平行な線分を25μm間隔で合計20本引く。
【0026】
▲3▼これらの線分から第2相(パーライト組織)が占める線分率を求める。
【0027】
▲4▼それぞれの線分率の平均と標準偏差を求め、[標準偏差/平均分率]を算出する。
【0028】
▲5▼更に、観察場所を変えて上記▲1▼から▲4▼の作業を繰り返す、このときの観察位置は、既に観察した視野から少なくとも0.5mm以上離し、測定誤差をより少なくするため合計5視野以上で測定を行う。
【0029】
▲6▼次いで、観察した全視野の[標準偏差/平均分率]の平均を求める。
【0030】
そして、後記実施例に示す様な種々の成分組成の浸炭用鋼を供試鋼材として使用し、上記方法によって求められる第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が、当該供試鋼材の捻り疲労特性に与える影響について検討を重ねた。その結果、捻り疲労特性を表す疲労限強度と上記第2相の線分率[標準偏差/平均分率]の間には図2に示す様な相関性が認められ、該[標準偏差/平均分率]が0.30の値を境界としてその前後で疲労限強度は著しく変わり、その値が0.30以下、より好ましくは0.2以下であるものは、安定して高レベルの疲労限強度を示すのに対し、その値が0.30を超えるものの疲労限強度は明らかに低い値を示すことを知り、こうした事実の確認を基に本発明に想到したものである。
【0031】
よって本発明においては、後述する所定成分組成の要件を満たす鋼を使用することを前提とし、上記方法によって測定される第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30以下、より好ましくは0.2以下である点に最大と特徴を有している。
【0032】
以下、本発明で使用される鋼組成を明らかにすると共に、上述した好ましい第2相線分率[標準偏差/平均分率]を確保するための条件などについて説明を進める。
【0033】
まず、鋼成分について説明する。
【0034】
C:0.1〜0.5%
Cは、最終的に得られる浸炭(もしくは浸炭浸窒)焼入れ部品としての芯部強度を確保する上で欠くことのできない元素であり、0.1%未満では十分な強度が得られなくなる。しかし、含有量が多過ぎると靭性が劣化する他、被削性や冷間鍛造性が低下して加工性が損なわれるので、0.5%を上限とする。Cのより好ましい範囲は、0.15%以上、0.30%以下である。
【0035】
Si:0.5%以下
Siは、強化元素および脱酸性元素として有効に作用する反面、浸炭中の粒界酸化を助長して疲労特性を劣化させると共に、冷間鍛造性にも悪影響を及ぼす。従ってこうした障害を無くすには、その含有量を0.5%以下に抑えなければならず、特に高レベルの疲労強度が望まれる場合は0.1%以下に抑えることが望まれる。
【0036】
Mn:2.0%以下
Mnは鋼の脱酸に有効な元素であるが、含有量が多過ぎると、バンド組織の生成を助長するばかりでなく、冷間加工性や被削性にお悪影響を及ぼすので、2.0%以下に抑えなければならない。Mnのより好ましい含有量は0.1%以上、1.0%以下である。
【0037】
S:0.035%以下
Sは、MnSを生成して被削性の向上に寄与するが、反面、横目の機械的特性(靭性や疲労強度)に悪影響を及ぼすので、0.035%以下に抑えなければならない。より好ましいS量は0.025%以下である。
【0038】
P:0.015%以下
Pは、結晶粒界に偏析して靭性を低下させるだけでなく、バンド組織の生成を助長して捻り疲労強度を低下させるので、その上限を0.015%以下とする。Pのより好ましい含有率は0.010%以下である。
【0039】
A1:0.005〜0.06%
A1は、脱酸材として鋼に添加されるが、適量のAlはNと結合してAlNを生成し、結晶粒の粗大化を防止する作用も発揮する。こうした作用は0.005%以上含有させることによって有効に発揮されるが、その効果は0.06%で飽和し、それを超えると酸素と結合して非金属介在物となり、靭性や疲労強度などに悪影響を及ぼす様になるので、0.06%を上限とする。より好ましいAl量は0.015%以上、0.04%以下である。
【0040】
N:0.003〜0.03%
Nは、鋼中でAl,V,Ti,Nbなどと結合して窒化物を生成し、結晶粒の粗大化を抑制する作用を発揮する。こうした効果は、Nを0.003%以上含有させることによって有効に発揮されるが、その効果は0.03%程度で飽和し、それ以上に含有させると、窒化物が有害な介在物となって靭性や疲労強度に悪影響を及ぼす様になるので、0.03%以下に抑えなければならない。Nのより好ましい量は0.005%以上、0.02%以下である。
【0041】
Cr:3%以下、Ni:0.1〜3.5%、Mo:0.1〜1.0%およびCu:2%以下よりなる群から選択される少なくとも1種
これらの元素は、いずれも焼入れ性の向上に寄与する他、焼入れ組織を微細化する作用も有しており、特にCrは優れた焼入れ性向上効果を発揮する。またMoは、こうした作用に加えて、不完全焼入れ組織の低減と粒界強度の向上にも有効に作用し、またNiは、焼入れ後の組織を微細化して耐衝撃性の向上に寄与する。
【0042】
しかし、Cr量が3.0%を超えると、生成するCr炭化物が粒界偏析を起こして粒界強度を低下させ、靭性や疲労強度を低下させる原因となる。また、Niの上記作用効果は約3.5%で飽和し、Moの作用効果も1.0%で飽和するので、それ以上の添加は経済的に全く無駄である。Cuも、多過ぎると靭性や疲労強度を低下させるばかりでなく熱間加工性にも悪影響を及ぼすので、2.0%以下に抑えなければならない。
【0043】
尚これらの元素については、各々の含有率を適正に制御することに加えて、前掲のMn含量を加味して下記式(1)または(3)の関係を満たすように含有量を調整しなければならない。
【0044】
[Cr/(Cr+Mn)]≦0.6……(1)
[Cr/(Cr+Mn+Ni+Mo)]≦0.6……(3)
即ちCrとMnは何れも焼入れ性を高める元素として機械構造用鋼に含まれる有効な元素であり、Crは更に耐摩耗性や耐ピッチング性を高める作用も有している。しかし浸炭部品では、Cr含有量が多くなるにつれて衝撃強度が低下することも知られている。ちなみに後記図4は、後述する実施例のデータを含めた実験データの中から、(Cr+Mn)含量が2.5の鋼材についてCr含量と衝撃特性の関係を整理して示したグラフであり、Cr含量が多くなるにつれて衝撃値は低下する。これは、浸炭(または浸炭窒化)層内の旧γ粒界にCr炭化物(または炭窒化物)が析出し、靭性を低下させているものと考えられる。捻り疲労強度も鋼材の靭性に影響を受けるため、Cr含量を相対的に少なく抑えることで捻り疲労強度も向上すると判断される。
【0045】
そして上記図4の結果より、[Cr/(Cr+Mn)]比が0.6を超えると衝撃特性が明らかに劣化することから、本発明では上記比を「0.6以下」と定めた。より好ましい比は0.4以下である。
【0046】
上記ではCrとMnの含有率に注目して説明したが、選択元素としてNiやMoが含まれている場合、これらも同様に焼入れ性の向上に寄与するので、これらの元素が含まれている場合は、[Cr/(Cr+Mn+Ni+Mo)]比として「0.6以下」を確保しなければならない。
【0047】
本発明で使用される鋼材の必須構成元素は上記の通りで、残部成分は実質的にFeであるが、勿論微量の不可避不純物を含むものであっても良く、あるいは使用目的に応じて更に他の特性を付与するため、以下に示すような元素を積極的に含有させることも有効である。
【0048】
Nb:0.005〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%、V:0.01〜0.5%よりなる群から選択される少なくとも1種
これらの元素は、CやNと結合して炭化物や窒化物を生成し、結晶粒を微細化して靭性や疲労強度向上に寄与する。こうした作用は、上記元素の少なくとも1種を下限値以上含有させることによって有効に発揮されるが、夫々の元素が上限を超えると、その効果が飽和するばかりでなく、大型介在物が生成し靭性をかえって劣化させるので、それぞれ上限値以下に抑えるべきである。
【0049】
Ca:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、Zr:0.0005〜0.5%よりなる群から選択される少なくとも1種
これらの元素は、MnS系介在物を球状化させる作用があり、少なくとも1種を上記下限値以上含有させることによって横目靭性や疲労強度の向上に寄与する。しかし夫々上限値を超えると、上記効果が飽和するばかりでなく、大型介在物の生成により靭性を却って低下させるので、それぞれ上限値以下に抑えるべきである。
【0050】
Pb:0.01〜0.3%および/またはBi:0.01〜0.3%
これらの元素は、被削性の向上に寄与する。しかし、上限を超える添加は横目靭性および疲労特性等の機械的特性を劣化させると共に、コスト上昇を招くので、夫々上限値以下に抑えるべきである。
【0051】
次に、前記第2相線分率の要件を満たすバンド組織を得るための制御法について説明する。この制御には、「P,Mn等の化学成分の調整」、「鋳造時の冷却速度制御」、「圧延時の加熱温度制御」、「圧延時の冷却温度制御」が有効であるので、以下それらについて説明する。
【0052】
[P,Mn等の化学成分の調整]
PはA3点を上昇させる元素であり、ミクロ偏析部に偏析するとオーステナイトからの冷却時にフェライト・バンドが生成し易くなる。また、MnはA3点を降下させる元素であり、パーライトの生成を遅らせる。そのため、前記第2相線分率の要件を満たすバンド組織を得るには、これらの元素の添加量を制限することが有効であり、Pは0.015%以下、より好ましくは0.010%以下に、またMnは2.0%以下、より好ましくは1.0%以下に抑え、バンド組織の形成を緩和することが有効であり、それにより捻り疲労強度を高めることが可能となる。
【0053】
[鋳造時の冷却速度制御]
バンド組織形成の元となるミクロ偏析は、鋳塊の凝固時に起こる。そして、鋳造時の冷却速度を速くするほど樹枝状晶の枝(二次デンドライトアーム)の間隔が狭くなると共に成分偏析が軽減され、延いてはバンド組織の形成が緩和される。よって本発明で意図するバンド組織を得るには、溶鋼凝固時の平均冷却速度を2℃/sec以上、より好ましくは3℃/sec以上とすることが好ましい。平均冷却速度は速ければ速いほど好ましいが、実機の実現可能な性能を考慮すると30℃/sec程度が上限である。尚ここでいう平均冷却速度とは、(液相線温度−固相線温度)/冷却時間で表わされる値の平均値をいう。
【0054】
[圧延時の加熱温度制御]
圧延時の加熱温度を高めることは、凝固時に生じたミクロ偏析を軽減するのに有効である。鋼材を圧延する際の通常の加熱温度は1000〜1200℃程度であるが、圧延時の加熱温度を1100〜1300℃に高めると偏析元素の拡散が促進され、バンド組織を軽減することができる。なお、前述した如く鋳造時の冷却速度を速めてミクロ偏析領域を微細にしておけば、偏析元素の拡散が一層促進されるので好ましい。
【0055】
[圧延後の冷却速度制御]
亜共析鋼では、オーステナイトからの冷却時にA3点以下でまず初析フェライトが生成し、A1点以下になるとパーライト変態が進行する。そのため、A3点からA1点の間の冷却速度を高めてやれば、初析フェライト量が減少してフェライト・バンドが抑制され、ひいてはバンド組織の緩和につながる。そのため、通常は0.2℃/sec程度である冷却速度を0.3℃/sec程度以上、より好ましくは0.4℃/sec以上程度以上に高めることが好ましい。但し、あまりに冷却速度が速すぎると、圧延後の鋼材の硬度が上昇し加工性や被削性が低下するといった問題が生じてくるので、好ましくは5℃/sec程度以下、より好ましくは3℃/sec程度以下に抑えるべきである。なお、ここでいう冷却速度とは、800℃から600℃までの平均冷却速度を意味する。
【0056】
かくして本発明によれば、化学成分の特定された鋼材を選択し、好ましくは上述した如く、P,Mn、Cr等の化学成分を調整し、あるいは、鋳造時の冷却速度や圧延時の加熱温度、圧延時の冷却温度などを適正に制御することによって、第2相線分率[標準偏差/平均分率]の値を0.30以下に制御することで、卓越した捻り疲労特性を有し、自動車用等を始めとする各種駆動系部品用として有用な浸炭(もしくは浸炭浸窒)用鋼を提供し得ることになった。
【0057】
なお、本発明に係る上記浸炭(浸炭浸窒)用鋼を浸炭若しくは浸炭浸窒処理する際の条件には格別の制限はなく、公知の様々の方法を適宜選択して採用することができ、また更なる強度向上のための高周波焼入れ処理、ショットピーニング処理などを採用することも勿論可能である。
【0058】
そして、上記浸炭(または浸炭浸窒)用鋼を使用し、これを浸炭もしくは浸炭浸窒の後、必要により高周波焼入れなどの表面硬質化処理することによって得られる鋼部品は、表面硬度が高くて優れた耐摩耗性を有すると共に卓越した捻り疲労特性を有しているので、自動車や船舶などの駆動軸を始めとする様々の耐摩耗性駆動部品して優れた性能を発揮する。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の構成と作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
実施例
表1,2に示した化学成分組成を有する鋼材を、表3に示す鋳造速度、加熱温度、圧延後の冷却速度に注意しながら製造し、バンド組織の度合を調べるため前述した方法で顕微鏡による写真撮影とその解析を行った。また、各鋼材を疲労試験片に加工し、通常の浸炭処理とショットピーニング処理を行った後、捻り疲労特性を調べたところ、表4に示す結果が得られた。
【0061】
なお溶製炉としては、転炉または150kg高周波誘導溶解炉のいずれかを使用し、鋳造時の冷却速度を2℃/sec以上とし、1100〜1300℃に加熱した後、熱間圧延または熱間鍛造を行い、圧延および鍛造後の冷却速度を0.2℃/sec以上となる様に制御した。かくして、直径が約50〜80mmの丸棒を作製した。バンド組織の観察用として丸棒を長さ30mmに切り出し、中心線に沿って圧延方向と平行な断面で切断した後、前述した様なバンド組織観察用のサンプルを作製した。
【0062】
サンプル採取位置は、JIS G0303に準拠し、顕微鏡写真の観察位置は、丸棒の直径Dに対しD/4を中心とし、光学顕微鏡により倍率100倍で観察した。
【0063】
また捻り疲労試験用のサンプルとしては、直径52mmの丸棒を使用し、これを適当な長さに切断した後、図3に示す如く、全長230mm、平行部の外径20mm、内径10mmの中空に加工したうえで、長手方向中央部(つまり平行部の中心部)に直径3mmの横穴を穿けた。横穴部は、応力集中を避けるためリーマー加工を行った。リーマー深さは0.8mmに調整し、穴方向に対し45°のテーパーとなる様に成形した。次にこの試験片に下記の浸炭処理とショットピーニング処理を施して捻り疲労試験に供した。
【0064】
捻り疲労試験は、トルク4水準(70,80,90および120kgf・m)、周波数;5Hz、片振りで行った。
【0065】
浸炭処理は、浸炭用ガスとしてブタンを用いて925℃×150minで行い、850℃×10min保持したのち焼入れし、その後、180℃で120minの焼戻し処理を行った。ショットピーニング処理は、投射材硬さ;HRC60、平均ショット粒径;0.6mm、アークハイト;0.85mAの条件で、横穴部を中心に試験片の平行部全域に処理を施した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
表1〜4より次の様に考察できる。
【0071】
実験No.1,3,5,7,8,11,12,13,15,17,19〜31は、本発明の規定要件を満たす実施例であり、何れも370MPa以上の高い捻り疲労強度を有している。これらに対し、上記以外のものは、下記の如く本発明の規定要件を欠く比較例であり、何れも捻り疲労強度は350MPaに満たない低レベルの値しか得られていない。
【0072】
No.2:鋼材の化学成分は適正であるが、鋳造時の冷却速度が遅過ぎるため鋳造時の成分偏析が著しくなってこれがバンド組織の粗大化につながり、第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30超となり、捻り疲労強度が低くなっている。
【0073】
No.4:鋼材の化学成分は適正であるが、圧延前の加熱温度が低いため鋳造時の偏析元素の拡散が不十分となり、これが組織の微細化を阻害して第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30を超えて捻り疲労強度の低下を招いている。
【0074】
No.6:鋼材の化学成分は適正であるが、圧延/鋳造後の冷却速度が遅いためパーライト変態が抑えられて初析フェライト量が増大し、これがバンド組織の微細化を阻害するため第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30を超え、捻り疲労強度が低くなっている。
【0075】
No.9,10:何れもCrバランスが0.6を超えているため、捻り疲労特性が低い。
【0076】
No.14,16,18:No.14は鋼材中のMn量が過多であり、No.16はP含有量が過多であり、No.18はS含有量が多過ぎる例であり、何れもバンド組織が大きくなって第2相の線分率[標準偏差/平均分率]が0.30を超え、捻り疲労強度が低くなっている。
【0077】
No.32,33,34:No.32は、Si含量が多過ぎるため浸炭異常層が顕著で捻り疲労特性が劣悪であり、No.33は、C含量が多過ぎるため加工性と被削性が悪く、No.34は、C含量が不足するため静的強度が低くて機械部品としての適性を欠く。
【0078】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、鋼材の化学成分を特定すると共に、破断面のバンド組織として表われる偏析を抑え、特定の方法によって定量化される第2相の線分率[標準偏差/平均分率]を0.30以下に定めることによって、卓越した捻り疲労特性を備えた浸炭もしくは浸炭浸窒用鋼を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2相線分率の算出基準となる顕微鏡写真の一例である。
【図2】第2相線分率の[標準偏差/平均分率]と捻り拾う強度の関係を示すグラフである。
【図3】捻り疲労試験に用いた試験片の断面説明図である。
【図4】(Cr+Mn)含量が2.5%である鋼材を対象として、Cr含量とシャルピー衝撃値の関係を整理して示したグラフである。
Claims (6)
- C:0.1〜0.5%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.5%以下、
Mn:2.0%以下、
S:0.035%以下、
P:0.015%以下、
Cr:0%超3%以下、
A1:0.005〜0.06%、
N:0.005〜0.03%
を含有すると共に、CrとMnの含有量が下記式(1)を満たし、更に、下記方法によって測定される第2相の線分率が下記式(2)を満たすものであることを特徴とする捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼。
[Cr/(Cr+Mn)]≦0.6……(1)
[標準偏差/平均分率]<0.30……(2)
(第2相線分率の測定法)
鋼材の厚さ(D)に対し、D/4位置を含む様にJIS G0303に定められた方法に従ってサンプルを採取し、観察するサンプル表面を鏡面研磨した直後(5分以内)に、ナイタール液(硝酸2%、エタノール98%)を用いて常温で10秒間エッチングした後、光学顕微鏡を用いて倍率100倍で表面の写真撮影を行う。得られた写真から、
▲1▼まず、圧延方向に平行な長さ0.8mm(写真上で8cm)の直線を引く(このとき、前記D/4位置に最も近いフェライト・バンド(写真に白く表われる部分)に直線を引く、
▲2▼次に、上記直線を中心として、これに平行な直線を25μm(写真上で2.5mm)間隔で合計20本の直線を引く、
▲3▼上記各直線から、第2相が占める線分率を夫々求める、
▲4▼上記▲3▼で得られる各線分率の平均と標準偏差を求め、各々の[標準偏差/平均分率]を算出する、
▲5▼更に、観察場所を変えて上記▲1▼〜▲4▼の作業を繰り返す。該観察場所は、既に観察した視野から少なくとも0.5mm以上離し、合計5視野以上で測定を行う、
▲6▼観察した全視野の[標準偏差/平均分率]の平均値を求める。 - C:0.1〜0.5%、
Si:0.5%以下、
Mn:2.0%以下、
S:0.035%以下、
P:0.015%以下、
A1:0.005〜0.06%、
N:0.005〜0.03%を満たし、
Cr:3%以下、Ni:0.1〜3.5%、Mo:0.1〜1.0%およびCu:2%以下よりなる群から選択される少なくとも1種
を含有すると共に、Cr,Mn,Ni,Moの含有量が下記式(3)を満たし、更に、前記と同様の方法によって測定される第2相の線分率が前記式(2)を満たすものであることを特徴とする捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼。
[Cr/(Cr+Mn+Ni+Mo)]≦0.6……(3) - 前記鋼が、他の元素として、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.05〜3.0%、V:0.01〜0.5%よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1または2に記載の捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼。
- 前記鋼が、更に他の元素として、Ca:0.0005〜0.01%、Mg:0.0005〜0.01%、Zr:0.0005〜0.05%よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼。
- 前記鋼が、更に他の元素として、Pb:0.01〜0.3%および/またはBi:0.01〜0.3%を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼。
- 前記請求項1〜5のいずれかに記載された浸炭用鋼を用いて製造されたものである捻り疲労特性に優れた鋼部品。
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