JP2004124028A - ガスバリア性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高湿度条件下でのガスバリア性が格段に向上し、さらに耐熱水性に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有し、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対するグリオキサールの添加量を0.01〜50モル当量とし、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対する塩基性物質の添加量を0.0005〜25モル当量とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有し、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対するグリオキサールの添加量を0.01〜50モル当量とし、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対する塩基性物質の添加量を0.0005〜25モル当量とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品の包装分野において、内容物の品質劣化を防ぐ目的で、酸素ガスバリア性等のガスバリア性に優れている包装材料が使用されている。このようなガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルム、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルム等が知られている。特に、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、食品包装用として幅広く使用されている。
【0003】
しかし、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、近年のダイオキシンをはじめとする環境問題から、使用が控えられる傾向にある。
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂が水酸基を含有するため、高湿度下でのガスバリア性が低下する問題点を有する。
【0004】
これに対し、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第1の方法として、ポリビニルアルコールをグリオキサールで架橋する例が開示されている(特許文献1又は2を参照)。
【0005】
また、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第2の方法として、無機層状化合物を高水素結合性樹脂に均一分散させた組成物を用いたフィルムが多数開示されている(特許文献3等参照)。これにより、高湿度下でのガスバリア性を格段に向上させることができる。
【0006】
さらにまた、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第3の方法として、架橋剤としてジルコニウム化合物を使用する例が開示されている(特許文献4)。
【0007】
【特許文献1】
特表平10−503437号公報
【特許文献2】
特表平10−510871号公報
【特許文献3】
特開平6−93133号公報
【特許文献4】
特開平7−33909号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の方法で得られるフィルムの高湿度下でのガスバリア性は、必ずしも十分とはいい難い場合がある。
また、上記第2の方法で得られるフィルムは、ボイル用、レトルト用等の耐熱水性には、不十分である。
さらにまた、上記第3の方法で得られるフィルムの耐熱水性は十分とはいえなかった。
【0009】
そこで、この発明は、高湿度条件下でのガスバリア性が格段に向上し、さらに耐熱水性に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有し、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対するグリオキサールの添加量が0.01〜50モル当量であり、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対する塩基性物質の添加量が0.0005〜25モル当量であるガスバリア性樹脂組成物を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
【0011】
ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有するので、ポリアルコール系樹脂とグリオキサールとの架橋反応が容易に進行すると共に、グリオキサールが単独重合し、より緻密な構造を持つ膜が生成する。このため、高湿度条件下で十分なガスバリア性を発揮すると共に、十分な耐熱水性を発揮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有する樹脂組成物である。
【0013】
上記ポリアルコール系樹脂とは、分子内に水酸基を2個以上有するポリマーをいい、ポリビニルアルコール系樹脂、多糖類等を含むものである。上記ポリビニルアルコール系樹脂とは、主鎖が主にビニルエステルからなるポリマーをケン化して得られるポリマーをいい、それらの共重合体や変性体等の誘導体があげられる。このポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、部分ケン化されたポリ酢酸ビニル、完全ケン化されたポリ酢酸ビニル(すなわち、ポリビニルアルコール)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性ポリビニルアルコール等があげられ、この中でも、95%以上ケン化されたポリ酢酸ビニル又はポリビニルアルコールが好適に用いられる。
【0014】
また、上記多糖類としては、澱粉、デキストラン、キチン、キトサン、グリコーゲン、マンナン、グルコマンナン、プルラン、カードラン、ペクチン、セルロース又はそれらの変性体等の誘導体があげられる。
【0015】
上記ポリアルコール系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜1000万が好ましく、5000〜100万がより好ましい。500より小さいと、最終的に得られる樹脂組成物のガスバリア性が悪くなる傾向がある。一方、1000万より大きいと、水溶液とした場合の粘度が高くなりすぎるため、好ましくない。
【0016】
上記グリオキサールは、ポリアルコール系樹脂を架橋するための架橋剤であると同時に、塩基性条件下でグリオキサールは、単独で重合し、ガスバリア性や耐熱水性に寄与する。
【0017】
具体的には、上記グリオキサールの添加量は、ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対して0.01〜50モル当量がよく、0.3〜10モル当量が好ましい。グリオキサールの添加量が0.01モル当量未満では、十分な架橋効果が得られず、グリオキサールの単独重合もできないため、十分なガスバリア性や耐熱水性が発現しない。一方、50モル当量を越えても、添加量に見合ったガスバリア性や耐熱水性に特に期待される効果は発現しない。
【0018】
上記塩基性物質は、上記ポリアルコール系樹脂のグリオキサールによる架橋反応、及びグリオキサールの単独重合をより促進させるためのものであり、これを用いることにより、より密な架橋構造を有するガスバリア性樹脂組成物が得られ、これを用いてフィルムを形成した場合、高湿度下で高いガスバリア性を発現することができると共に、十分な耐熱水性を発現することができる。
【0019】
上記塩基性物質としては、無機塩基や有機塩基があげられ、この中でも無機塩基が好ましい。この無機塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、この中でも水酸化ナトリウムが特に好ましい。これらは少なくとも1種が使用され、1種のみの使用であっても2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記塩基性物質の添加量は、ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対して、0.0005〜25モル当量がよく、0.001〜0.5モル当量が好ましい。塩基性物質の添加量が上記範囲外であると、架橋反応やグリオキサールの単独重合が十分に進行せず、高いガスバリア性や耐熱水性が発現しない場合がある。
【0021】
さらに、上記グリオキサールに対する塩基性物質の添加量が、0.001〜0.5モル当量となるのが好ましく、0.005〜0.2モル当量となるのがより好ましい。塩基性物質の添加量が上記範囲外であると、架橋反応やグリオキサールの単独重合が十分に進行せず、高いガスバリア性や耐熱水性が発現しない場合がある。
【0022】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物には、上記のポリアルコール系樹脂、グリオキサール及び塩基性物質に加えて、膨潤性を有する層状珪酸塩を含有させてもよい。この膨潤性を有する層状珪酸塩を必要に応じて含有させることにより、特に高湿度下でのガスバリア性の性能を向上させることができる。
【0023】
上記膨潤性を有する層状珪酸塩とは、極薄の単位結晶層間に水を配位して吸収・膨潤する性質を有する珪酸塩をいい、具体的には、スメクタイト群、バーミキュライト群、及び雲母群から選ばれるものであり、天然のものであっても、合成のものであってもよい。この層状珪酸塩は、微視的には、Si4+がO2−に対して配位されて四面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li+等がO2−及びOH−に対して配位し、八面体構造を構成する層とが、1対1又は2対1で結合して積み重なった層状構造を有する。また、合成のものにおいては、OH−をF−に同型置換したものでもよい。
【0024】
上記膨潤性を有する層状珪酸塩の中でも、溶媒への膨潤性に優れた層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スチブンサイト、ノントロライト、バーミキュライト、マーガライト、合成フッ素雲母系鉱物、白雲母、金雲母、緑泥石等があげられ、この中でも膨潤性に非常に優れたモンモリロナイト、バーミキュライト、合成フッ素雲母系鉱物が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、上記化合物の1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
また、上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物とは、具体的には下記の式(1)を満たす人工鉱物であり、SiO4正四面体を基本にして、この四面体が六角網目の板状に連なっており、この上下2枚の板の間に八面体配位をとるイオンがイオン結合し、サンドイッチ層を形成したものである。このサンドイッチ層とサンドイッチ層の間に層間イオンと呼ばれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンが非常に弱いイオン結合で配位している構造を有する。
X0.33〜1.0Y2〜3Si4O10F2 (1)
なお、ここで、Xは配位数12の陽イオン、Yは配位数6の陽イオンを表す。具体的には、Xは、Na+、K+、Ca2+、Ba2+、Rb2+、Sr2+、Li+から選ばれる1種または2種以上の陽イオン、また、Yは、Mg2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Li+から選ばれる1種または2種以上の陽イオンである。
【0026】
この膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の具体例としては、ナトリウムテトラシリシックマイカ[NaMg2.5(Si4O10)F2]、ナトリウム又はリチウムテニオライト[(NaまたはLi)Mg2Li(Si4O10)F2]、ナトリウム又はリチウムヘクトライト[(NaまたはLi)0.33Mg2.67Li0.33(Si4O10)F2]などが挙げられ、経済性の観点からナトリウムテトラシリシックマイカが好適に用いられる。これらは1種のみでも2種以上混合しても使用することができる。なお、上記の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の具体例についてのそれぞれの組成式については、理想的な組成を示しており、厳密に一致している必要はない。
【0027】
上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物は、原料として、目的とする膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の化学組成となるように、シリカ、マグネシア、フッ化マグネシウム、珪フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸リチウム等を調合し、これを内燃式電気炉中、1400〜1500℃で溶融後、溶融体を鋳型に流出させて冷却する過程で、鋳型内に膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を結晶成長させる、いわゆる溶融法といわれる公知の方法によって合成することができる。
【0028】
また、他の合成方法として、特開平2−149415号公報に開示されているような、タルクを出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得る方法をあげることができる。この方法では、タルクに珪フッ化アルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁性ルツボ内で約700〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物が得られる。
【0029】
上記の溶融法によって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を製造する場合、通常数重量%程度又はそれ以上のオーダーで、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物とはいえない副生成物(以下、単に「副生成物」と称する。)や未反応原料等が混在する。また、この溶融法での製造時には、結晶自体は大きく良好なものが得られるが、上記副生成物として、主にクリストバライト等が混在する。
【0030】
上記のインターカレーション法によって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を製造する場合、溶融法に比べて、副生成物や未反応原料等の不純物が少なく比較的純度の高いものが得られるものの、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物に類縁する副生物(以下、単に「副生物」と称する。)が混在する。この副生物の例としては、膨潤性に乏しい相からなる合成フッ素雲母系鉱物があげられる。
【0031】
市販されている膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の中には、副生成物や未反応原料等をあるレベルまで減少させたものがあるが、これらの市販品には、副生成物や副生物が少量含まれている。
【0032】
これら副生成物や副生物を少量含む膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を上記ガスバリア性樹脂組成物と混合分散し、フィルムに塗工した場合、高湿度下でのガスバリア性を低下させたり、さらにまた透明性、平滑性なども低下させ、非常に重要な問題となる場合があり、以下の条件を満たすように調製された膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を用いるのがより好ましい。
【0033】
上記副生成物や副生物の存在は、粉末X線回折分析により得られる回折ピークで確認することができる。すなわち、膨潤性に乏しい相(非膨潤性合成フッ素雲母)については、面間隔dがほぼ9.6Åのピークで確認することができる。また、クリストバライトについては、面間隔dがほぼ4.0Åのピークで確認することができる。また、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物については、面間隔dがほぼ12.4Åのピークで確認することができる。測定は、120℃で10時間以上乾燥した後、23℃−50%RH状態にて24時間以上放置したサンプルについて行われる。なお、サンプルの粒度は、100メッシュのふるいを通過するものに揃えた。
【0034】
(1)粉末X線回折分析条件
装置:理学電機(株)製RINT2000シリーズ、X線:Cu Kα線 (40kV−30mA)
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.15mm、スキャンスピード:4°/分、スキャンステップ:0.01°、走査軸:2θ/θ
【0035】
(2)ピーク強度Iの算出条件
平滑化(点数9)、バックグラウンド除去(曲率0.00)、Kα2除去(Kα2/Kα1 0.5)
【0036】
具体的には上記粉末X線回折分析において、膨潤性に乏しい相(非膨潤性合成フッ素雲母)を示す面間隔dがほぼ9.6Åの回折ピーク強度を[Id=9.6Å]、クリストバライトを示す面間隔dがほぼ4.0Åの回折ピーク強度を[Id=4.0Å]、及び膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を示す面間隔dがほぼ12.4Åの回折ピーク強度を[Id=12.4Å]としたとき、各回折ピークの相対強度が、[Id= 9.6Å]/[Id=12.4Å]×100≦2、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦20を満たすのがよく、さらに[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦10であるのが好ましく、さらにまた[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦4であるのがより好ましい。[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100>2である場合や、[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100>20である場合は、十分なガスバリア性が得られないだけでなく、透明性や平滑性が著しく悪くなる。言い換えれば、上記に示したX線回折分析から得られる相対強度が前述の範囲内にある場合、高湿度下でのガスバリア性、透明性、平滑性ともに優れたガスバリア性フィルムが得られる。
【0037】
上記所定の回折ピークの相対強度を有する膨潤性合成フッ素雲母系鉱物、すなわち、X線回折分析から得られる相対強度が前述の条件を満たす膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得るためには、以下の精製方法を採用することができる。上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の精製、すなわち、上記の非膨潤性合成フッ素雲母系鉱物等の副生物や、クリストバライト等の副生成物、未反応原料等(以下、「不純物等」と称する。)の除去は、遠心分離又はデカンテーションにより行うことができる。具体的には、上記遠心分離は、精製前の上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物をホモジナイザーなどで十分水に分散したものを、10〜50000G、好ましくは30〜20000G、より好ましくは50〜15000Gの範囲で、0.5〜30分間の条件で行い、沈殿した不純物等を取り除くことができる。遠心力が上記範囲から外れると、不純物等との分離が困難となったり、収率が低下する傾向がある。
【0038】
また、上記デカンテーションは、精製前の上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の固形分濃度が3重量%以下、より好ましくは2重量%以下となるよう水に分散させ、ホモジナイザーなどを用いて十分分散させたものを、1時間〜240時間、好ましくは3時間〜120時間、より好ましくは5時間〜36時間静置させることにより、沈殿した不純物等を取り除くことができる。これらのいずれの方法でも、上澄みの懸濁液から膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を回収することにより、上記の高純度の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得ることができる。1時間より短いと、不純物等との分離が十分に行われない場合がある。また、240時間より長いと、生産性の低下を招くだけでなく、収率も低下する傾向がある。
【0039】
上記の精製処理に供与される膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の平均粒径は、デカンテーション法を用いる場合、6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。6μm未満であると不純物等との分離が非常に悪く、取り除くことが困難となる場合がある。遠心分離法を用いる場合、2μm以上であるのが好ましく、6μm以上がより好ましい。2μm未満であると不純物等との分離が非常に悪く、取り除くことが困難となる場合がある。
【0040】
また、上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の遠心分離やデカンテーションによる精製の前に、ガスバリア性、透明性、平滑性などの物性を損なわない範囲であれば、分散剤等を少量添加して分散処理をしてもよい。この場合、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を分散媒に分散して分散液を調製し、これに上記分散剤を添加して分散処理をすることができる。
【0041】
上記インターカレーション法によって製造した膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の場合には、水に長時間浸漬することにより、膨潤性に乏しい相がある程度、膨潤する相に変化していく。この状態のものについて、上記デカンテーション及び遠心分離処理により上澄み分を採取することにより、所定の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得ることができる。このとき、上記デカンテーション及び遠心分離処理の前に上記分散処理を施すと、所定の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を短時間で効率よく得ることができる。
【0042】
上記分散剤の種類としては、高分子型、界面活性型、及び無機型のもの等が例示できるが、中でもポリカルボン酸型高分子を用いるのが好ましい。ポリカルボン酸型高分子を用いる理由としては、上記デカンテーション及び遠心分離処理時の収率がよく、さらに最終的に得られるフィルムの高湿度下でのガスバリア性、透明性、平滑性ともに優れたものが得られる。
この上記ポリカルボン酸型高分子としては、平均分子量は1000〜100万のナトリウム塩やアンモニウム塩を好適に用いることができる。
【0043】
上記分散媒としては、イオン交換水が好ましい。また、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を上記分散媒に分散させるときの膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の固形分濃度は、0.5〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。0.5重量%より少ないと、生産効率の低下を招く場合がある。一方、15重量%より多いと、粘度が高くなりすぎ、分散しにくくなる傾向がある。
【0044】
上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を分散媒に分散させた分散液への上記分散剤の添加量は、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。0.1重量部より少ないと、分散性能が発揮されない場合がある。一方、10重量部より多くても、期待されたほどの分散性能が発揮されない場合がある。
【0045】
上記分散剤を添加した分散液の分散処理方法としては、既知の分散機を用いて、撹拌等の分散処理することができるが、高速ホモジナイザー等を使用するのが好ましい。分散時間については特に制限は無いが、10分〜1時間程度の比較的短時間で十分である。
【0046】
上記の精製処理によって不純物等を取り除いた後の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の平均粒径は、0.05〜10μmがよく、0.1〜8μmがより好ましい。0.05μmより小さいと、高湿度下でのガスバリア性が十分発現されず、一方、10μmより大きいと、塗工面の透明性や平滑性が失われるため実用上好ましくない。なお、この平均粒径は、堀場製作所(株)製レーザー回折・散乱粒度分布測定装置LA920を使用し、分散媒としてイオン交換水を用いて測定することができる。なお本発明でいう平均粒径とはメジアン径(粒子径基準は体積)を意味する。
【0047】
上記ガスバリア性樹脂組成物中のポリアルコール系樹脂と膨潤性を有する層状珪酸塩との添加割合は、任意であるが、重量比でポリアルコール系樹脂/膨潤性を有する層状珪酸塩=99.5/0.5〜20/80がよく、99/1〜30/70が好ましい。膨潤性を有する層状珪酸塩の割合が0.5重量%より少ないと、高湿度下でのガスバリア性が不十分となる場合がある。一方、80重量%より多くなると、透明性や基材との密着性が悪くなる傾向がある。
【0048】
また、上記ガスバリア性樹脂組成物には、最終的に得られるガスバリア性フィルムの性能を低下させない範囲で、グリオキサール以外の架橋剤、分散剤、可塑剤等の各種添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0049】
次にこの発明にかかるガスバリア性樹脂組成物の製造方法について説明する。このガスバリア性樹脂組成物は、上記の各原料を混合することにより製造される。この混合方法は、特に限定されるものではなく、各原料の添加順序等は任意であるが、膨潤性を有する層状珪酸塩を添加する場合には、溶液安定性の問題から、ポリアルコール系樹脂の水溶液中に必要に応じて、直接膨潤性を有する層状珪酸塩を分散させた後、グリオキサール及び塩基性物質を添加する方法、あるいはポリアルコール系樹脂の水溶液に膨潤性を有する層状珪酸塩をあらかじめ膨潤・へき開させた分散液と、グリオキサール及び塩基性物質を添加する方法が好ましい。
【0050】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物を周知の方法で成形することにより、ガスバリア性フィルムを得ることができる。また、上記ガスバリア性樹脂組成物を基材の少なくとも片面に塗工することによっても、ガスバリア性フィルムを製造することができる。
【0051】
上記基材としては、ガス透過性の有無に関わらず、基材としての強度を有していればよく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、及びそれらの混合樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルム、又はそれらのフィルムの積層体があげられる。この熱可塑性フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、また、延伸フィルムであってもよい。
【0052】
なお、上記基材の表面には、接着性を向上させるため、公知のコロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、アンカーコート剤塗布処理などを行ってもよい。
【0053】
上記塗工とは、基材表面に上記ガスバリア性樹脂組成物からなる層を形成させる方法であれば特に限定されるものではなく、グラビアコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、ダイコーティング等の通常の塗工方法を採用することができる。なお、上記塗工は、コーティングフィルムの延伸前であっても延伸後であってもよい。
【0054】
上記ガスバリア性樹脂組成物を上記基材に塗工することによって形成されるガスバリアコート層の乾燥は特に限定されないが、基材の融点及び軟化点以下の温度で行うことができ、架橋反応が十分に行われる温度でよい。本発明の上記ガスバリア性樹脂組成物は非常に反応性に富むため、架橋反応に120℃を超える温度・長時間での熱処理を必要としない。120℃以下、数秒の比較的低温・短時間での乾燥・熱処理で十分である。
【0055】
このようにして得られるガスバリア性フィルムは、そのまま使用することができ、また、このガスバリア性フィルムを他のフィルム、シート、各種部材等に積層して、ガスバリア性積層体として使用することもできる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、使用原料、精製方法及び評価方法について下記に示す。
【0057】
<使用原料>
(ポリアルコール系樹脂)
・ポリビニルアルコール(PVA):PVA117((株)クラレ製、平均重合度 1700)
・澱粉:キシダ化学(株)製 試薬
【0058】
(グリオキサール)
・グリオキサール:キシダ化学(株)製 試薬(40重量%水溶液)
【0059】
(膨潤性を有する層状珪酸塩)
・膨潤性合成フッ素雲母系鉱物:ナトリウムテトラシリシックマイカNTSゾル(トピー工業(株)製)をデカンテーションにより不純物を除去し、平均粒径が0.9μmで、粉末X線回折分析から得られる回折ピークの相対強度が、[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100=4となるように調製したもの(表1において、「フッ素雲母」と略する。)
・精製モンモリロナイト:クニピアG(クニミネ工業(株)製、平均粒径1.2μm)(表1において「モンモリロナイト」と略する)
【0060】
[その他の架橋剤]
・エポキシ化合物:デナコールEX−850(ナガセケムテックス(株)製、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)(表1において「エポキシ」と略する。)
・カルボジイミド化合物:カルボジライトV−02−L2(日清紡(株)製)(表1において「カルボジイミド」と略する。)
【0061】
(塩基性物質)
・水酸化ナトリウム:キシダ化学(株)製 試薬(表1において「NaOH」と略する。)
・水酸化カリウム:キシダ化学(株)製 試薬(表1において「KOH」と略する。)
(酸性物質)
・塩酸:キシダ化学(株)製 試薬(1N水溶液、表1において「HCl」と略する。)
【0062】
<評価方法>
(フィルムのガスバリア性)[酸素透過度]
酸素透過試験器(Modern Contorol社製、OX−TRAN2/20)により、23℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度を測定した。
フィルムのガスバリア性は基材のフィルムの種類や厚み、およびコート層の厚みにより変化するため、下記の式に従って、ガスバリアコート層1μmあたりの酸素透過度(Psamp1e)(単位:cc・1μm/m2・1day・atm)を算出した。
1/Ptotal=1/Psamp1e+1/Pbase
Ptotal ;測定結果(酸素透過度)
Pbase ;基材フィルムの酸素透過度
Psamp1e;ガスバリアコート層の酸素透過度
【0063】
(耐熱水性)
80℃の温水中に、ガスバリア性組成物をコートしたフィルムを30分間浸漬し、ガスバリア性組成物の重量減少を測定した。重量の残存率を下記の基準で評価した。
○:重量残存率100%
△:重量残存率50%以上〜100%未満
×:重量残存率50%未満
【0064】
(外観)
実施例及び比較例で得られた組成物をコートしたフィルムの外観を下記の基準で評価した。
◎:透明性が良好で、基材フィルムと全く変化なし
○:透明性が良好であるが、コート層の存在を確認できる
×:白濁する
【0065】
(実施例1〜4)
2重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、表1に示す架橋剤を表1に記載の割合で添加した。これらの混合液に表1に記載の塩基性物質を表1に記載の割合で添加し、得られた樹脂組成物を延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製E5100、12μm)のコロナ処理面に乾燥後の塗膜厚みが1μmとなるようにメイヤーバーで塗工した。その後、100℃で5分間、熱風乾燥機中で乾燥、熱処理を行い、ガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
(実施例5)
2重量%の澱粉水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に行って樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0067】
(実施例6〜8)
2重量%のポリビニルアルコール又は澱粉の水溶液中に表1に記載の膨潤性層状珪酸塩を固形分重量比で7/3となるように分散させて用いた以外は、実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0068】
(比較例1)
塩基性物質を添加しない以外は、実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
塩基性物質のかわりに酸性物質として塩酸を、塩化水素分が表1に記載の割合となるように添加した以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
塩基性物質の添加量を0.0001モル当量とした以外は実施例3と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
(比較例4)
塩基性物質の添加量を0.0001モル当量とし、かつ、フッ素雲母を添加した以外は実施例3と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
(比較例5)
架橋剤としてカルボジイミドを用いた以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
(比較例6)
架橋剤としてカルボジイミドを用いた以外は実施例6と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
(比較例7)
架橋剤としてエポキシ化合物を用い、塩基性物質として水酸化カリウムを用いた以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
(比較例8)
架橋剤としてエポキシ化合物を用いた以外は実施例6と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有するので、ポリアルコール系樹脂とグリオキサールとの架橋反応が容易に進行すると共に、グリオキサールが単独重合し、より緻密な構造を持つ膜が生成する。このため、高湿度条件下で十分なガスバリア性を発揮すると共に、十分な耐熱水性を発揮することができる。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品の包装分野において、内容物の品質劣化を防ぐ目的で、酸素ガスバリア性等のガスバリア性に優れている包装材料が使用されている。このようなガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルム、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルム等が知られている。特に、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、食品包装用として幅広く使用されている。
【0003】
しかし、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、近年のダイオキシンをはじめとする環境問題から、使用が控えられる傾向にある。
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂が水酸基を含有するため、高湿度下でのガスバリア性が低下する問題点を有する。
【0004】
これに対し、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第1の方法として、ポリビニルアルコールをグリオキサールで架橋する例が開示されている(特許文献1又は2を参照)。
【0005】
また、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第2の方法として、無機層状化合物を高水素結合性樹脂に均一分散させた組成物を用いたフィルムが多数開示されている(特許文献3等参照)。これにより、高湿度下でのガスバリア性を格段に向上させることができる。
【0006】
さらにまた、高湿度下でのガスバリア性を向上させる第3の方法として、架橋剤としてジルコニウム化合物を使用する例が開示されている(特許文献4)。
【0007】
【特許文献1】
特表平10−503437号公報
【特許文献2】
特表平10−510871号公報
【特許文献3】
特開平6−93133号公報
【特許文献4】
特開平7−33909号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の方法で得られるフィルムの高湿度下でのガスバリア性は、必ずしも十分とはいい難い場合がある。
また、上記第2の方法で得られるフィルムは、ボイル用、レトルト用等の耐熱水性には、不十分である。
さらにまた、上記第3の方法で得られるフィルムの耐熱水性は十分とはいえなかった。
【0009】
そこで、この発明は、高湿度条件下でのガスバリア性が格段に向上し、さらに耐熱水性に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有し、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対するグリオキサールの添加量が0.01〜50モル当量であり、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対する塩基性物質の添加量が0.0005〜25モル当量であるガスバリア性樹脂組成物を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
【0011】
ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有するので、ポリアルコール系樹脂とグリオキサールとの架橋反応が容易に進行すると共に、グリオキサールが単独重合し、より緻密な構造を持つ膜が生成する。このため、高湿度条件下で十分なガスバリア性を発揮すると共に、十分な耐熱水性を発揮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有する樹脂組成物である。
【0013】
上記ポリアルコール系樹脂とは、分子内に水酸基を2個以上有するポリマーをいい、ポリビニルアルコール系樹脂、多糖類等を含むものである。上記ポリビニルアルコール系樹脂とは、主鎖が主にビニルエステルからなるポリマーをケン化して得られるポリマーをいい、それらの共重合体や変性体等の誘導体があげられる。このポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、部分ケン化されたポリ酢酸ビニル、完全ケン化されたポリ酢酸ビニル(すなわち、ポリビニルアルコール)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性ポリビニルアルコール等があげられ、この中でも、95%以上ケン化されたポリ酢酸ビニル又はポリビニルアルコールが好適に用いられる。
【0014】
また、上記多糖類としては、澱粉、デキストラン、キチン、キトサン、グリコーゲン、マンナン、グルコマンナン、プルラン、カードラン、ペクチン、セルロース又はそれらの変性体等の誘導体があげられる。
【0015】
上記ポリアルコール系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜1000万が好ましく、5000〜100万がより好ましい。500より小さいと、最終的に得られる樹脂組成物のガスバリア性が悪くなる傾向がある。一方、1000万より大きいと、水溶液とした場合の粘度が高くなりすぎるため、好ましくない。
【0016】
上記グリオキサールは、ポリアルコール系樹脂を架橋するための架橋剤であると同時に、塩基性条件下でグリオキサールは、単独で重合し、ガスバリア性や耐熱水性に寄与する。
【0017】
具体的には、上記グリオキサールの添加量は、ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対して0.01〜50モル当量がよく、0.3〜10モル当量が好ましい。グリオキサールの添加量が0.01モル当量未満では、十分な架橋効果が得られず、グリオキサールの単独重合もできないため、十分なガスバリア性や耐熱水性が発現しない。一方、50モル当量を越えても、添加量に見合ったガスバリア性や耐熱水性に特に期待される効果は発現しない。
【0018】
上記塩基性物質は、上記ポリアルコール系樹脂のグリオキサールによる架橋反応、及びグリオキサールの単独重合をより促進させるためのものであり、これを用いることにより、より密な架橋構造を有するガスバリア性樹脂組成物が得られ、これを用いてフィルムを形成した場合、高湿度下で高いガスバリア性を発現することができると共に、十分な耐熱水性を発現することができる。
【0019】
上記塩基性物質としては、無機塩基や有機塩基があげられ、この中でも無機塩基が好ましい。この無機塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、この中でも水酸化ナトリウムが特に好ましい。これらは少なくとも1種が使用され、1種のみの使用であっても2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記塩基性物質の添加量は、ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対して、0.0005〜25モル当量がよく、0.001〜0.5モル当量が好ましい。塩基性物質の添加量が上記範囲外であると、架橋反応やグリオキサールの単独重合が十分に進行せず、高いガスバリア性や耐熱水性が発現しない場合がある。
【0021】
さらに、上記グリオキサールに対する塩基性物質の添加量が、0.001〜0.5モル当量となるのが好ましく、0.005〜0.2モル当量となるのがより好ましい。塩基性物質の添加量が上記範囲外であると、架橋反応やグリオキサールの単独重合が十分に進行せず、高いガスバリア性や耐熱水性が発現しない場合がある。
【0022】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物には、上記のポリアルコール系樹脂、グリオキサール及び塩基性物質に加えて、膨潤性を有する層状珪酸塩を含有させてもよい。この膨潤性を有する層状珪酸塩を必要に応じて含有させることにより、特に高湿度下でのガスバリア性の性能を向上させることができる。
【0023】
上記膨潤性を有する層状珪酸塩とは、極薄の単位結晶層間に水を配位して吸収・膨潤する性質を有する珪酸塩をいい、具体的には、スメクタイト群、バーミキュライト群、及び雲母群から選ばれるものであり、天然のものであっても、合成のものであってもよい。この層状珪酸塩は、微視的には、Si4+がO2−に対して配位されて四面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li+等がO2−及びOH−に対して配位し、八面体構造を構成する層とが、1対1又は2対1で結合して積み重なった層状構造を有する。また、合成のものにおいては、OH−をF−に同型置換したものでもよい。
【0024】
上記膨潤性を有する層状珪酸塩の中でも、溶媒への膨潤性に優れた層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スチブンサイト、ノントロライト、バーミキュライト、マーガライト、合成フッ素雲母系鉱物、白雲母、金雲母、緑泥石等があげられ、この中でも膨潤性に非常に優れたモンモリロナイト、バーミキュライト、合成フッ素雲母系鉱物が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、上記化合物の1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
また、上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物とは、具体的には下記の式(1)を満たす人工鉱物であり、SiO4正四面体を基本にして、この四面体が六角網目の板状に連なっており、この上下2枚の板の間に八面体配位をとるイオンがイオン結合し、サンドイッチ層を形成したものである。このサンドイッチ層とサンドイッチ層の間に層間イオンと呼ばれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンが非常に弱いイオン結合で配位している構造を有する。
X0.33〜1.0Y2〜3Si4O10F2 (1)
なお、ここで、Xは配位数12の陽イオン、Yは配位数6の陽イオンを表す。具体的には、Xは、Na+、K+、Ca2+、Ba2+、Rb2+、Sr2+、Li+から選ばれる1種または2種以上の陽イオン、また、Yは、Mg2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Li+から選ばれる1種または2種以上の陽イオンである。
【0026】
この膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の具体例としては、ナトリウムテトラシリシックマイカ[NaMg2.5(Si4O10)F2]、ナトリウム又はリチウムテニオライト[(NaまたはLi)Mg2Li(Si4O10)F2]、ナトリウム又はリチウムヘクトライト[(NaまたはLi)0.33Mg2.67Li0.33(Si4O10)F2]などが挙げられ、経済性の観点からナトリウムテトラシリシックマイカが好適に用いられる。これらは1種のみでも2種以上混合しても使用することができる。なお、上記の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の具体例についてのそれぞれの組成式については、理想的な組成を示しており、厳密に一致している必要はない。
【0027】
上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物は、原料として、目的とする膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の化学組成となるように、シリカ、マグネシア、フッ化マグネシウム、珪フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸リチウム等を調合し、これを内燃式電気炉中、1400〜1500℃で溶融後、溶融体を鋳型に流出させて冷却する過程で、鋳型内に膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を結晶成長させる、いわゆる溶融法といわれる公知の方法によって合成することができる。
【0028】
また、他の合成方法として、特開平2−149415号公報に開示されているような、タルクを出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得る方法をあげることができる。この方法では、タルクに珪フッ化アルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁性ルツボ内で約700〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物が得られる。
【0029】
上記の溶融法によって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を製造する場合、通常数重量%程度又はそれ以上のオーダーで、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物とはいえない副生成物(以下、単に「副生成物」と称する。)や未反応原料等が混在する。また、この溶融法での製造時には、結晶自体は大きく良好なものが得られるが、上記副生成物として、主にクリストバライト等が混在する。
【0030】
上記のインターカレーション法によって膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を製造する場合、溶融法に比べて、副生成物や未反応原料等の不純物が少なく比較的純度の高いものが得られるものの、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物に類縁する副生物(以下、単に「副生物」と称する。)が混在する。この副生物の例としては、膨潤性に乏しい相からなる合成フッ素雲母系鉱物があげられる。
【0031】
市販されている膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の中には、副生成物や未反応原料等をあるレベルまで減少させたものがあるが、これらの市販品には、副生成物や副生物が少量含まれている。
【0032】
これら副生成物や副生物を少量含む膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を上記ガスバリア性樹脂組成物と混合分散し、フィルムに塗工した場合、高湿度下でのガスバリア性を低下させたり、さらにまた透明性、平滑性なども低下させ、非常に重要な問題となる場合があり、以下の条件を満たすように調製された膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を用いるのがより好ましい。
【0033】
上記副生成物や副生物の存在は、粉末X線回折分析により得られる回折ピークで確認することができる。すなわち、膨潤性に乏しい相(非膨潤性合成フッ素雲母)については、面間隔dがほぼ9.6Åのピークで確認することができる。また、クリストバライトについては、面間隔dがほぼ4.0Åのピークで確認することができる。また、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物については、面間隔dがほぼ12.4Åのピークで確認することができる。測定は、120℃で10時間以上乾燥した後、23℃−50%RH状態にて24時間以上放置したサンプルについて行われる。なお、サンプルの粒度は、100メッシュのふるいを通過するものに揃えた。
【0034】
(1)粉末X線回折分析条件
装置:理学電機(株)製RINT2000シリーズ、X線:Cu Kα線 (40kV−30mA)
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.15mm、スキャンスピード:4°/分、スキャンステップ:0.01°、走査軸:2θ/θ
【0035】
(2)ピーク強度Iの算出条件
平滑化(点数9)、バックグラウンド除去(曲率0.00)、Kα2除去(Kα2/Kα1 0.5)
【0036】
具体的には上記粉末X線回折分析において、膨潤性に乏しい相(非膨潤性合成フッ素雲母)を示す面間隔dがほぼ9.6Åの回折ピーク強度を[Id=9.6Å]、クリストバライトを示す面間隔dがほぼ4.0Åの回折ピーク強度を[Id=4.0Å]、及び膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を示す面間隔dがほぼ12.4Åの回折ピーク強度を[Id=12.4Å]としたとき、各回折ピークの相対強度が、[Id= 9.6Å]/[Id=12.4Å]×100≦2、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦20を満たすのがよく、さらに[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦10であるのが好ましく、さらにまた[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦4であるのがより好ましい。[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100>2である場合や、[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100>20である場合は、十分なガスバリア性が得られないだけでなく、透明性や平滑性が著しく悪くなる。言い換えれば、上記に示したX線回折分析から得られる相対強度が前述の範囲内にある場合、高湿度下でのガスバリア性、透明性、平滑性ともに優れたガスバリア性フィルムが得られる。
【0037】
上記所定の回折ピークの相対強度を有する膨潤性合成フッ素雲母系鉱物、すなわち、X線回折分析から得られる相対強度が前述の条件を満たす膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得るためには、以下の精製方法を採用することができる。上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の精製、すなわち、上記の非膨潤性合成フッ素雲母系鉱物等の副生物や、クリストバライト等の副生成物、未反応原料等(以下、「不純物等」と称する。)の除去は、遠心分離又はデカンテーションにより行うことができる。具体的には、上記遠心分離は、精製前の上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物をホモジナイザーなどで十分水に分散したものを、10〜50000G、好ましくは30〜20000G、より好ましくは50〜15000Gの範囲で、0.5〜30分間の条件で行い、沈殿した不純物等を取り除くことができる。遠心力が上記範囲から外れると、不純物等との分離が困難となったり、収率が低下する傾向がある。
【0038】
また、上記デカンテーションは、精製前の上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の固形分濃度が3重量%以下、より好ましくは2重量%以下となるよう水に分散させ、ホモジナイザーなどを用いて十分分散させたものを、1時間〜240時間、好ましくは3時間〜120時間、より好ましくは5時間〜36時間静置させることにより、沈殿した不純物等を取り除くことができる。これらのいずれの方法でも、上澄みの懸濁液から膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を回収することにより、上記の高純度の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得ることができる。1時間より短いと、不純物等との分離が十分に行われない場合がある。また、240時間より長いと、生産性の低下を招くだけでなく、収率も低下する傾向がある。
【0039】
上記の精製処理に供与される膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の平均粒径は、デカンテーション法を用いる場合、6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。6μm未満であると不純物等との分離が非常に悪く、取り除くことが困難となる場合がある。遠心分離法を用いる場合、2μm以上であるのが好ましく、6μm以上がより好ましい。2μm未満であると不純物等との分離が非常に悪く、取り除くことが困難となる場合がある。
【0040】
また、上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の遠心分離やデカンテーションによる精製の前に、ガスバリア性、透明性、平滑性などの物性を損なわない範囲であれば、分散剤等を少量添加して分散処理をしてもよい。この場合、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を分散媒に分散して分散液を調製し、これに上記分散剤を添加して分散処理をすることができる。
【0041】
上記インターカレーション法によって製造した膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の場合には、水に長時間浸漬することにより、膨潤性に乏しい相がある程度、膨潤する相に変化していく。この状態のものについて、上記デカンテーション及び遠心分離処理により上澄み分を採取することにより、所定の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を得ることができる。このとき、上記デカンテーション及び遠心分離処理の前に上記分散処理を施すと、所定の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を短時間で効率よく得ることができる。
【0042】
上記分散剤の種類としては、高分子型、界面活性型、及び無機型のもの等が例示できるが、中でもポリカルボン酸型高分子を用いるのが好ましい。ポリカルボン酸型高分子を用いる理由としては、上記デカンテーション及び遠心分離処理時の収率がよく、さらに最終的に得られるフィルムの高湿度下でのガスバリア性、透明性、平滑性ともに優れたものが得られる。
この上記ポリカルボン酸型高分子としては、平均分子量は1000〜100万のナトリウム塩やアンモニウム塩を好適に用いることができる。
【0043】
上記分散媒としては、イオン交換水が好ましい。また、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を上記分散媒に分散させるときの膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の固形分濃度は、0.5〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。0.5重量%より少ないと、生産効率の低下を招く場合がある。一方、15重量%より多いと、粘度が高くなりすぎ、分散しにくくなる傾向がある。
【0044】
上記膨潤性合成フッ素雲母系鉱物を分散媒に分散させた分散液への上記分散剤の添加量は、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。0.1重量部より少ないと、分散性能が発揮されない場合がある。一方、10重量部より多くても、期待されたほどの分散性能が発揮されない場合がある。
【0045】
上記分散剤を添加した分散液の分散処理方法としては、既知の分散機を用いて、撹拌等の分散処理することができるが、高速ホモジナイザー等を使用するのが好ましい。分散時間については特に制限は無いが、10分〜1時間程度の比較的短時間で十分である。
【0046】
上記の精製処理によって不純物等を取り除いた後の膨潤性合成フッ素雲母系鉱物の平均粒径は、0.05〜10μmがよく、0.1〜8μmがより好ましい。0.05μmより小さいと、高湿度下でのガスバリア性が十分発現されず、一方、10μmより大きいと、塗工面の透明性や平滑性が失われるため実用上好ましくない。なお、この平均粒径は、堀場製作所(株)製レーザー回折・散乱粒度分布測定装置LA920を使用し、分散媒としてイオン交換水を用いて測定することができる。なお本発明でいう平均粒径とはメジアン径(粒子径基準は体積)を意味する。
【0047】
上記ガスバリア性樹脂組成物中のポリアルコール系樹脂と膨潤性を有する層状珪酸塩との添加割合は、任意であるが、重量比でポリアルコール系樹脂/膨潤性を有する層状珪酸塩=99.5/0.5〜20/80がよく、99/1〜30/70が好ましい。膨潤性を有する層状珪酸塩の割合が0.5重量%より少ないと、高湿度下でのガスバリア性が不十分となる場合がある。一方、80重量%より多くなると、透明性や基材との密着性が悪くなる傾向がある。
【0048】
また、上記ガスバリア性樹脂組成物には、最終的に得られるガスバリア性フィルムの性能を低下させない範囲で、グリオキサール以外の架橋剤、分散剤、可塑剤等の各種添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0049】
次にこの発明にかかるガスバリア性樹脂組成物の製造方法について説明する。このガスバリア性樹脂組成物は、上記の各原料を混合することにより製造される。この混合方法は、特に限定されるものではなく、各原料の添加順序等は任意であるが、膨潤性を有する層状珪酸塩を添加する場合には、溶液安定性の問題から、ポリアルコール系樹脂の水溶液中に必要に応じて、直接膨潤性を有する層状珪酸塩を分散させた後、グリオキサール及び塩基性物質を添加する方法、あるいはポリアルコール系樹脂の水溶液に膨潤性を有する層状珪酸塩をあらかじめ膨潤・へき開させた分散液と、グリオキサール及び塩基性物質を添加する方法が好ましい。
【0050】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物を周知の方法で成形することにより、ガスバリア性フィルムを得ることができる。また、上記ガスバリア性樹脂組成物を基材の少なくとも片面に塗工することによっても、ガスバリア性フィルムを製造することができる。
【0051】
上記基材としては、ガス透過性の有無に関わらず、基材としての強度を有していればよく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、及びそれらの混合樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルム、又はそれらのフィルムの積層体があげられる。この熱可塑性フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、また、延伸フィルムであってもよい。
【0052】
なお、上記基材の表面には、接着性を向上させるため、公知のコロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、アンカーコート剤塗布処理などを行ってもよい。
【0053】
上記塗工とは、基材表面に上記ガスバリア性樹脂組成物からなる層を形成させる方法であれば特に限定されるものではなく、グラビアコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、ダイコーティング等の通常の塗工方法を採用することができる。なお、上記塗工は、コーティングフィルムの延伸前であっても延伸後であってもよい。
【0054】
上記ガスバリア性樹脂組成物を上記基材に塗工することによって形成されるガスバリアコート層の乾燥は特に限定されないが、基材の融点及び軟化点以下の温度で行うことができ、架橋反応が十分に行われる温度でよい。本発明の上記ガスバリア性樹脂組成物は非常に反応性に富むため、架橋反応に120℃を超える温度・長時間での熱処理を必要としない。120℃以下、数秒の比較的低温・短時間での乾燥・熱処理で十分である。
【0055】
このようにして得られるガスバリア性フィルムは、そのまま使用することができ、また、このガスバリア性フィルムを他のフィルム、シート、各種部材等に積層して、ガスバリア性積層体として使用することもできる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、使用原料、精製方法及び評価方法について下記に示す。
【0057】
<使用原料>
(ポリアルコール系樹脂)
・ポリビニルアルコール(PVA):PVA117((株)クラレ製、平均重合度 1700)
・澱粉:キシダ化学(株)製 試薬
【0058】
(グリオキサール)
・グリオキサール:キシダ化学(株)製 試薬(40重量%水溶液)
【0059】
(膨潤性を有する層状珪酸塩)
・膨潤性合成フッ素雲母系鉱物:ナトリウムテトラシリシックマイカNTSゾル(トピー工業(株)製)をデカンテーションにより不純物を除去し、平均粒径が0.9μmで、粉末X線回折分析から得られる回折ピークの相対強度が、[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100=0、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100=4となるように調製したもの(表1において、「フッ素雲母」と略する。)
・精製モンモリロナイト:クニピアG(クニミネ工業(株)製、平均粒径1.2μm)(表1において「モンモリロナイト」と略する)
【0060】
[その他の架橋剤]
・エポキシ化合物:デナコールEX−850(ナガセケムテックス(株)製、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)(表1において「エポキシ」と略する。)
・カルボジイミド化合物:カルボジライトV−02−L2(日清紡(株)製)(表1において「カルボジイミド」と略する。)
【0061】
(塩基性物質)
・水酸化ナトリウム:キシダ化学(株)製 試薬(表1において「NaOH」と略する。)
・水酸化カリウム:キシダ化学(株)製 試薬(表1において「KOH」と略する。)
(酸性物質)
・塩酸:キシダ化学(株)製 試薬(1N水溶液、表1において「HCl」と略する。)
【0062】
<評価方法>
(フィルムのガスバリア性)[酸素透過度]
酸素透過試験器(Modern Contorol社製、OX−TRAN2/20)により、23℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度を測定した。
フィルムのガスバリア性は基材のフィルムの種類や厚み、およびコート層の厚みにより変化するため、下記の式に従って、ガスバリアコート層1μmあたりの酸素透過度(Psamp1e)(単位:cc・1μm/m2・1day・atm)を算出した。
1/Ptotal=1/Psamp1e+1/Pbase
Ptotal ;測定結果(酸素透過度)
Pbase ;基材フィルムの酸素透過度
Psamp1e;ガスバリアコート層の酸素透過度
【0063】
(耐熱水性)
80℃の温水中に、ガスバリア性組成物をコートしたフィルムを30分間浸漬し、ガスバリア性組成物の重量減少を測定した。重量の残存率を下記の基準で評価した。
○:重量残存率100%
△:重量残存率50%以上〜100%未満
×:重量残存率50%未満
【0064】
(外観)
実施例及び比較例で得られた組成物をコートしたフィルムの外観を下記の基準で評価した。
◎:透明性が良好で、基材フィルムと全く変化なし
○:透明性が良好であるが、コート層の存在を確認できる
×:白濁する
【0065】
(実施例1〜4)
2重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、表1に示す架橋剤を表1に記載の割合で添加した。これらの混合液に表1に記載の塩基性物質を表1に記載の割合で添加し、得られた樹脂組成物を延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製E5100、12μm)のコロナ処理面に乾燥後の塗膜厚みが1μmとなるようにメイヤーバーで塗工した。その後、100℃で5分間、熱風乾燥機中で乾燥、熱処理を行い、ガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
(実施例5)
2重量%の澱粉水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に行って樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0067】
(実施例6〜8)
2重量%のポリビニルアルコール又は澱粉の水溶液中に表1に記載の膨潤性層状珪酸塩を固形分重量比で7/3となるように分散させて用いた以外は、実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0068】
(比較例1)
塩基性物質を添加しない以外は、実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
塩基性物質のかわりに酸性物質として塩酸を、塩化水素分が表1に記載の割合となるように添加した以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
塩基性物質の添加量を0.0001モル当量とした以外は実施例3と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
(比較例4)
塩基性物質の添加量を0.0001モル当量とし、かつ、フッ素雲母を添加した以外は実施例3と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
(比較例5)
架橋剤としてカルボジイミドを用いた以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
(比較例6)
架橋剤としてカルボジイミドを用いた以外は実施例6と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
(比較例7)
架橋剤としてエポキシ化合物を用い、塩基性物質として水酸化カリウムを用いた以外は実施例1と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
(比較例8)
架橋剤としてエポキシ化合物を用いた以外は実施例6と同様に行なって樹脂組成物を得、フィルムを成形した。得られたフィルムを用いて、上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物は、ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有するので、ポリアルコール系樹脂とグリオキサールとの架橋反応が容易に進行すると共に、グリオキサールが単独重合し、より緻密な構造を持つ膜が生成する。このため、高湿度条件下で十分なガスバリア性を発揮すると共に、十分な耐熱水性を発揮することができる。
Claims (10)
- ポリアルコール系樹脂、グリオキサール、及び塩基性物質を含有し、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対するグリオキサールの添加量が0.01〜50モル当量であり、上記ポリアルコール系樹脂内の水酸基1個あたりに対する塩基性物質の添加量が0.0005〜25モル当量であるガスバリア性樹脂組成物。
- 上記グリオキサールに対する塩基性物質の添加量が0.001〜0.5モル当量である請求項1に記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 上記塩基性物質が無機塩基である請求項1又は2に記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 膨潤性を有する層状珪酸塩を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 上記膨潤性を有する層状珪酸塩が、モンモリロナイト、バーミキュライト又は膨潤性を有する合成フッ素雲母系鉱物のいずれかである請求項4に記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 上記の膨潤性を有する合成フッ素雲母系鉱物の平均粒子径が0.05〜10μmであり、粉末X線回折分析から得られる回折ピークの相対強度が、[Id=9.6Å]/[Id=12.4Å]×100≦2、かつ[Id=4.0Å]/[Id=12.4Å]×100≦20である請求項5に記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物から成形されるガスバリア性フィルム。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を基材の少なくとも片面に塗工したガスバリア性フィルム。
- 上記基材がポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びこれらの混合樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
- 請求項7乃至9のいずれかに記載のガスバリア性フィルムを少なくとも1層積層したガスバリア性積層体。
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