JP2004123776A - 変性ポリオレフィン - Google Patents

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JP2004123776A JP2002285590A JP2002285590A JP2004123776A JP 2004123776 A JP2004123776 A JP 2004123776A JP 2002285590 A JP2002285590 A JP 2002285590A JP 2002285590 A JP2002285590 A JP 2002285590A JP 2004123776 A JP2004123776 A JP 2004123776A
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Hideaki Wakabayashi
若林 秀哲
Masatoshi Horii
堀井 政利
Hiroyuki Ozaki
尾崎 裕之
Kunihiko Imanishi
今西 邦彦
Satoshi Ueki
植木 聰
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Tonen Chemical Corp
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

【課題】末端が特定の置換基で変性されたポリオレフィンを、(メタ)アクリル酸、その誘導体、或いはスチレン誘導体などの化合物で変性した変性ポリオレフィンを提供する。
【解決手段】末端の少なくとも一方が一般式(A)で表されるエポキシ基で変性されたポリオレフィンに、一般式(B)又は(C)で表される(メタ)アクリル酸、その誘導体、或いはスチレン誘導体などの化合物のユニットがグラフト結合しており、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性ポリオレフィンに関し、更に詳しくは、末端が特定の置換基で変性されたポリオレフィンを、(メタ)アクリル酸、その誘導体、或いはスチレン誘導体などの化合物で変性した変性ポリオレフィンに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンは、結晶性が高いこと及び無極性であることから、他の基材、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂や酢酸ビニル樹脂などとの親和性がほとんどない。そのため、これら樹脂どうしのブレンド、塗装や接着、印刷が困難であるという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するため、オレフィンをリビング重合し、その末端を変性する技術が開発されている。
すなわち、従来、チーグラー・ナッタ型触媒を用いてプロピレン等のα−オレフィンを重合すると、連鎖移動反応や停止反応が起きるので、官能基を有する化合物等でポリオレフィンの末端のみを変性するのは困難であったが、バナジウムと有機アルミニウムからなるリビング重合触媒系でα−オレフィンをリビング重合させれば、連鎖移動反応や停止反応が抑制されるので、リビング重合を行った後に、官能基を有する化合物を導入することにより、ポリマーの末端を変性することができるようになった。
【0004】
そこで、本出願人は、リビング重合を用いてポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端のみを、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸誘導体で変性(修飾)した変性ポリオレフィンを提案した(特許文献1参照。)。これにより、ポリプロピレン及び無極性材料との親和性を改善することができた。
しかしながら、末端を変性しただけでは、ポリマーに十分な極性が得られず、このため、たとえ末端に反応性の高いエポキシ基を付与しても、塗料ならびに接着剤、インキ等の用途としては不十分であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−247119号公報(特許請求の範囲)
【0006】
この問題を解決するため、更に十分な極性を付与した変性ポリオレフィンの開発が必要とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような状況に鑑み、末端が特定の置換基で変性されたポリオレフィンを、(メタ)アクリル酸、その誘導体、或いはスチレン誘導体などの化合物で変性した変性ポリオレフィンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、反応性の高いエポキシ基を有する化合物(以下、末端変性剤あるいはエポキシ系変性剤ともいう)で末端を変性したポリオレフィンを、ラジカル反応開始剤の存在下、(メタ)アクリル酸、その誘導体、スチレン誘導体などの化合物(以下、単に変性剤ともいう)と反応させると、末端変性ポリオレフィンに十分な極性が付与され、優れた性能を持つ変性ポリオレフィンが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、末端の少なくとも一方が下記一般式(A)で表される構造を有するポリオレフィンに、下記一般式(B)で表されるユニットがグラフト結合しており、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることを特徴とする変性ポリオレフィンが提供される。
【0010】
【化5】
Figure 2004123776
【0011】
一般式(A)中、RはH又はC1〜10のアルキル基、xは1〜100の整数である。
【0012】
【化6】
Figure 2004123776
【0013】
一般式(B)中、RはH又はC1〜10のアルキル基;RはOR、Cl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン、NR 又はR―NR 基;RはH、又は―COR基である。ここで、RはH、又はハロゲンを有しうるC1〜10のアルキル基;C1〜10のアルキル置換基を有しうる芳香族基;−(CH)a−O−P(O)(OR、又は−(CH)a−O−P(O)(O)(O−(CH)b−N (a及びbは夫々1〜5の整数);Li、Na、又はKから選択されるアルカリ金属M;C5〜10の脂環式炭化水素;R−COCR=CH;ROR;RSi(OR、或いはR―NCOを示し、また、RはC1〜10のアルキレン基若しくは−[(CH)q−O−]r−であり、q及びrは夫々1〜5の整数を示す。さらに、nは0.5〜500であるが、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、nの合計は2〜500である。
【0014】
また、本発明の第2の発明によれば、末端の少なくとも一方が下記一般式(A)で表される構造を有するポリオレフィンに、下記一般式(C)で表されるユニットがグラフト結合しており、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることを特徴とする変性ポリオレフィンが提供される。
【0015】
【化7】
Figure 2004123776
【0016】
一般式(A)中、RはH又はC1〜10のアルキル基を示し、xは1〜100の整数である。
【0017】
【化8】
Figure 2004123776
【0018】
一般式(C)中、RはH、若しくはC1〜10のアルキル基、又はCl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン;RはAr−X’、OCO−R、CHO、COR、CN、ピリジル基、ピロリドニル基、Si(OR、C1〜10のハロゲン化アルキル、ハロゲン、OR、OSOM或いはNH−CO−Rである。ここで、X’はR、OH、COOH、NH、CN、NO、C1〜10のハロゲン化アルキル、CH=CH、又はOCO−Rのいずれか、RはH、又はC1〜10のアルキル基、Mは前記のアルカリ金属である。さらに、mは0.5〜500であるが、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、mの合計は2〜500である。
【0019】
本発明の好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)本発明の第1の発明において、一般式(A)で表されるユニットのxが1〜50であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(2)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットが(メタ)アクリル酸又はそのアルキルエステルに由来するユニットであることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(3)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットが(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩、又はそのハロゲン化物に由来するユニットであることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(4)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットがOH基あるいはアルコキシ基、アミノ基又はイソシアネート基のいずれかを含む(メタ)アクリル酸誘導体に由来するユニットであることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(5)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットのnが1〜300であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(6)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットのnが1〜200であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(7)本発明の第1の発明において、一般式(B)で表されるユニットのnが1〜100であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(8)本発明の第2の発明において、一般式(C)で表されるユニットがスチレン誘導体に由来するユニットであることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(9)本発明の第2の発明において、一般式(C)で表されるユニットがビニル化合物又は不飽和ジカルボン酸に由来するユニットであることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(10)本発明の第2の発明において、一般式(C)で表されるユニットのmが1〜300であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(11)本発明の第2の発明において、一般式(C)で表されるユニットのmが1〜200であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(12)本発明の第2の発明において、一般式(C)で表されるユニットのmが1〜100であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(13)本発明の第1又は2の発明において、数平均分子量(Mn)が10,000〜250,000であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(14)本発明の第1又は2の発明において、分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜3.00であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(15)本発明の第1又は2の発明において、分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜1.50であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(16)本発明の第1又は2の発明において、ラセミダイアド[r]値が0.51〜0.88であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
(17)バナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒を使用して重合されたポリオレフィンを用い、これにエポキシ系変性剤を反応させて、先ず末端変性ポリオレフィンを製造することを特徴とする変性ポリオレフィンの製造方法。
(18)末端変性ポリオレフィンを有機溶媒に溶解させてから、更に変性剤と反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造方法。
(19)末端変性ポリオレフィンを0〜150℃の温度で更に変性することを特徴とする変性ポリオレフィンの製造方法。
(20)本発明の第1又は2の変性ポリオレフィンを含んでなる塗料、表面改質剤、プライマー、コーティング剤、インキ、接着剤、粘着剤、反応性ポリマー又は相溶化剤。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の変性ポリオレフィンについて詳細に説明する。
【0021】
1.変性ポリオレフィン
本発明の変性ポリオレフィンは、末端の少なくとも一方が特定のエポキシ基で変性されたポリオレフィンをベースとしており、これに、さらに(メタ)アクリル酸、その誘導体、或いはスチレン誘導体などから選ばれる特定の化合物に由来するユニットがグラフト結合した変性ポリオレフィンである。
【0022】
すなわち、本発明の第1の変性ポリオレフィンは、末端が一般式(A)で表されるエポキシ系変性剤に由来する構造をもつポリオレフィンに、(メタ)アクリル酸(又はそのアルキルエステル)、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩(又はハロゲン化物)、OH基(あるいはアルコキシ基)、アミノ基又はイソシアネート基を含む(メタ)アクリル酸誘導体のいずれかの変性剤に由来する一般式(B)で表されるユニットが特定数グラフト結合した変性ポリオレフィンである。
【0023】
【化9】
Figure 2004123776
【0024】
一般式(A)中、RはH又はC1〜10のアルキル基を示し、xは1〜100の整数である。
【0025】
【化10】
Figure 2004123776
【0026】
一般式(B)中、RはH又はC1〜10のアルキル基;RはOR、Cl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン、NR 又はR―NR 基;RはH、又は―COR基である。ここで、RはH、又はハロゲンを有しうるC1〜10のアルキル基;C1〜10のアルキル置換基を有しうる芳香族基;−(CH)a−O−P(O)(OR、又は−(CH)a−O−P(O)(O)(O−(CH)b−N (a及びbは夫々1〜5の整数);Li、Na、又はKから選択されるアルカリ金属M;C5〜10の脂環式炭化水素;R−COCR=CH;ROR;RSi(OR、或いはR―NCOを示し、また、RはC1〜10のアルキレン基若しくは−[(CH)q−O−]r−であり、q及びrは夫々1〜5の整数を示す。
ポリオレフィン1分子あたりに導入されるユニット数(n)は、0.5〜500であり、特に1〜300、好ましくは1〜200、さらに好ましくは1〜100である。但し、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、nの合計は2〜500である。
【0027】
また、本発明の第2の変性ポリオレフィンは、末端が一般式(A)で表されるエポキシ系変性剤に由来する構造をもつポリオレフィンに、スチレン誘導体、ビニル化合物又は不飽和ジカルボン酸のいずれかの変性剤に由来する一般式(C)で表されるユニットが特定数グラフト結合した変性ポリオレフィンである。
【0028】
【化11】
Figure 2004123776
【0029】
一般式(C)中、RはH、若しくはC1〜10のアルキル基、又はCl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン;RはAr−X’、OCO−R、CHO、COR、CN、ピリジル基、ピロリドニル基、Si(OR、C1〜10のハロゲン化アルキル、ハロゲン、OR、OSOM或いはNH−CO−Rである。ここで、X’はR、OH、COOH、NH、CN、NO、C1〜10のハロゲン化アルキル、CH=CH、又はOCO−Rのいずれか、RはH、又はC1〜10のアルキル基、Mは前記のアルカリ金属である。
【0030】
ポリオレフィン1分子あたりに導入されるユニット数(m)は、0.5〜500であり、好ましくは1〜300、さらに好ましくは1〜200、特に好ましくは1〜100である。但し、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、mの合計は2〜500である。
【0031】
本発明の変性ポリオレフィンにおいて、変性剤は、末端変性ポリオレフィン主鎖に対してグラフト結合している。変性剤が2ヶ所以上に導入された場合は、主鎖の末端変性ポリオレフィンに変性剤がランダムにペンダント構造として導入されたものとなる。
【0032】
例えば、末端変性ポリオレフィン主鎖の1ヶ所に、変性剤モノマーが1つ結合した場合は、n又はm=1のユニットが1つ結合した変性ポリオレフィンとなり、末端変性ポリオレフィン主鎖の3ヶ所に、変性剤モノマーが1つずつ結合した場合は、n又はm=1のユニットが3つ結合した変性ポリオレフィンとなる。また、末端変性ポリオレフィン主鎖の10ヶ所(ユニット)が変性され、そのうちn又はm=1のユニットが2ヶ所、n又はm=2のユニットが3ヶ所、n又はm=3のユニットが4ヶ所の場合、n又はmの合計が2+6+12=20の変性量の変性ポリオレフィンとなる。
変性剤の導入量は、分光学的手法によって求められる。又、n及びmの値は、あくまでも平均値である。
【0033】
本発明の変性ポリオレフィンは、数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000、好ましくは10,000〜250,000であり、また、分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜3.00、好ましくは、1.01〜1.50であって、ラセミダイアド[r]値が好ましくは0.51〜0.88、特に好ましくは0.55〜0.84である。
【0034】
本発明の変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンと他のポリマーとの相溶化剤、塗料、表面改質剤、プライマー、インキ、接着剤、粘着剤、反応性ポリマー或いはコーティング剤などとして使用することができ、特に好ましい用途は、塗料、表面改質剤、プライマー、或いはコーティング剤である。
【0035】
2.変性ポリオレフィンの製造
本発明の変性ポリオレフィンは、リビングポリオレフィンに、エポキシ系変性剤を反応させ、その末端を変性する第1の工程、得られた末端変性ポリオレフィンをさらにエポキシ系以外の特定の変性剤と反応させて変性する第2の工程によって製造される。
【0036】
(1)末端変性ポリオレフィンの製造
末端変性ポリオレフィンは、リビングポリオレフィンの末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの製造方法、例えば、特開平5−247119号公報に記載の方法によって製造される。又、特開平11−80226号公報に記載の触媒を用いることによって、両末端あるいは3つ以上の末端全てにエポキシ基を含有するポリオレフィンを製造することができる。
【0037】
(イ)リビングポリオレフィン
リビングポリオレフィンは、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる特定の触媒を用いて、炭素数が2〜8のα−オレフィンの1種又は2種以上を重合して製造される。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0038】
リビングポリオレフィンとしては、ポリプロピレン及びエチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましい。エチレン−プロピレンランダム共重合体の場合、エチレン含量は10モル%未満が好ましい。
【0039】
触媒としては、例えば、次の一般式(1)で表わされるバナジウム化合物が好ましく用いられる。
【0040】
一般式(1)
【化12】
Figure 2004123776
【0041】
一般式(1)中、R〜Rは、H又はC1〜8のアルキル基を示す。但し、R〜Rの少なくとも一つはHである必要があるが、R〜Rの全部がHであってはならない。
【0042】
バナジウム化合物の具体例は、Rが水素原子であり、RとRがアルキル基である場合、R/Rとして、CH/CH、CH/C、C/C、CH/C、C/C、C/C、CH/CCH、CCH/CCH、C/CCH、C/CCH等が挙げられ、これらの内でも、R及びRがCHの化合物が望ましい。
【0043】
また、Rがアルキル基であり、RとRのいずれかが水素原子で他がアルキル基である場合は、R/R又はRとして、CH/CH、C/CH、CH/C、C/C、CH/C、C/C、C/C、C/C、CCH/CH、CH/CCH、CCH/CCH、CCH/C、C/CCH、CCH/C、C/CCH等が挙げられ、これらの内でも、R又はRがCHの化合物が望ましい。
【0044】
さらに、RがHであり、RとRのいずれかがHで他がアルキル基である場合は、R又はRとして、CH、C、C、CCH等が挙げられ、これらの内でも、R又はRがCHの化合物が望ましく、具体的には、V(アセチルアセトナート)、V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)、V(1,3−ブタンジオナト)が例示できる。
【0045】
また、バナジウム化合物は、必要に応じて、適宜、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の担体に担持して用いることができる。
【0046】
有機アルミニウム化合物としては、一般式RAlX3−n(但し、Rはアルキル基又はアリール基、Xはハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<3の範囲の任意の数である。)で示されるものである。例えば、ジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセスキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又はその混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。
【0047】
具体的には、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド等が挙げられる。
【0048】
重合触媒の使用量は、オレフィン又はオレフィンと少量のコモノマー1モル当り、バナジウム化合物が1×10−5〜0.1モル、望ましくは1×10−4〜5×10−2モル、有機アルミニウム化合物が1×10−4〜0.5モル、望ましくは1×10−3〜0.1モルである。
バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物との割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機アルミニウム化合物を1〜100モル、好ましくは5〜50モルとする。
【0049】
重合は、反応に対して不活性で、かつ重合時に液状である溶媒中で行うことが望ましく、該溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0050】
リビング重合は、通常−100℃〜0℃で0.3〜50時間、好ましくは−80〜−20℃で0.5〜10時間行われる。得られるリビングポリオレフィンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、例えば−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量分布を持つポリマーとすることができる。特に−50℃以下であれば、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.01〜1.50のリビング重合体を得ることができる。
【0051】
重合反応時に、反応促進剤(ドナー)を用いることができる。反応促進剤としては、エーテル(アニソール、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、水、酸素、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル類等の含酸素電子供与体や、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与体などが挙げられる。有機酸のエステルとしては、安息香酸エチル、酢酸エチル、フタル酸ジメチル等が例示できる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モル当り、通常0.05〜20モル、好ましくは0.1〜10モルである。
【0052】
上記の方法により、500〜500,000の数平均分子量(Mn、プロピレン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングポリオレフィンを製造することができる。リビングポリオレフィンの数平均分子量(Mn)は、800〜400,000が好ましく、特に1,000〜300,000が好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は1.01〜3.0、特に1.01〜1.50が好ましい。
【0053】
(ロ)リビングポリオレフィンの末端変性
リビングポリオレフィンと末端変性剤との反応は、リビングポリオレフィンの反応系に、特定のエポキシ系変性剤を供給して行われる。
【0054】
末端変性剤は、次の一般式(a)で表される化合物である。
【0055】
【化13】
Figure 2004123776
【0056】
一般式(a)中、RはH又はC1〜10のアルキル基を示す。このような化合物としては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートが挙げられる。
【0057】
通常は末端変性剤1種を用いるが、2種以上を用いることもできる。2種以上の末端変性剤は、予め混合してからリビングポリオレフィンと反応させてもよいし、2段或いはそれ以上の多段で反応させてもよい。
【0058】
反応は、−100℃〜+150℃の温度で5分間〜50時間、好ましくは−80〜50℃で0.5〜20時間行う。反応温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、エポキシ系変性剤によるポリオレフィン末端の変性率を増大することができる。エポキシ系変性剤は、リビングポリオレフィンの末端変性の程度に応じた量を使用する。
【0059】
リビングポリオレフィンとエポキシ系変性剤との反応物は、次いでプロトン供与体と接触させることによって、末端変性ポリオレフィンとなる。
プロトン供与体としては、メタノール、エタノール、フェノール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよい。プロトン供与体は通常大過剰に用いられる。上記反応物とプロトン供与体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1分間〜10時間行われる。
【0060】
上記の方法により、ポリオレフィンの末端がエポキシ系変性剤で変性された一般式(A)の構造を有する末端変性ポリオレフィンを製造することができる。この末端変性ポリオレフィンは、有機溶媒に可溶である。
【0061】
(2)変性ポリオレフィンの製造
本発明の変性ポリオレフィンは、上記の方法で得られた末端変性ポリオレフィンを有機溶媒に溶解し、あるいは混練機中で、ラジカル反応開始剤の存在下、さらに一般式(b)又は(c)で表される特定の変性剤1種以上と反応させて製造することができる。
【0062】
一般式(b)
【化14】
Figure 2004123776
【0063】
一般式(b)中、R、R及びRは前記と同じである。
【0064】
一般式(b)で表される化合物として、(メタ)アクリル酸の他に、(メタ)アクリル酸の誘導体として、例えば、次のようなものが挙げられる。
【0065】
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、トリフェニルメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、トリフェニルメチルメタクリレートなどのアルキルエステル;アクリル酸ナトリウム塩、アクリル酸カリウム塩、アクリル酸リチウム塩、メタクリル酸ナトリウム塩、メタクリル酸カリウム塩、メタクリル酸リチウム塩などの(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩;アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、α−クロロ−メチルアクリレート、メタクリル酸クロリド、メタクリル酸ブロミド、α−クロロ−メチルメタクリレートなど(メタ)アクリル酸のハロゲン化物;アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N一ジイソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸誘導体;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−へキサンジオールジメタクリレート、などのジ(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルメタクリレートなどのOH基又はアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸誘導体;2−イソシアナートエチルメタクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレートなどのイソシアナート基含有(メタ)アクリル酸誘導体;エチレングリコールメタクリレートホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン、等のP含有(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
さらに、他のP含有(メタ)アクリル酸誘導体としては、CH=C(CH)CO−O−CH−CH(CHCl)−O−PO(OH)、CH=C(CH)CO−O−CH−CH−O−PO(OH)−O−NH(CHCHOH)、なども挙げられる。
また、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ビニルマレイン酸、アリルコハク酸など不飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジエチルなどの不飽和脂肪族ジカルボン酸エステル等の誘導体、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロテレフタル酸などのシクロアルケンジカルボン酸及びそれらの誘導体が挙げられ、その他、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物等の酸無水物も挙げることができる。
【0066】
本発明において、一般式(b)で表される化合物(変性剤)としては、アクリル酸、メタクリル酸、又はそれらのアルキルエステル、グリシジルエステル、及びOH基又はアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。
【0067】
【化15】
Figure 2004123776
【0068】
一般式(c)中、R及びRは前記と同じである。
【0069】
また、一般式(c)で表される化合物(変性剤)としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル化合物;塩化ビニル、臭化ビニル、ふっ化ビニル、よう化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、ビニルスルホン酸カリウム塩、ビニルスルホン酸リチウム塩、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクロレイン、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド、アリルクロリドなどのビニル化合物;スチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、ジビニルベンゼン、ビニル安息香酸、シアノスチレン、ニトロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アセトキシスチレン、p−ジメチルアミノメチルスチレンなどのスチレン誘導体。
本発明において、一般式(c)の化合物(変性剤)としては、スチレン誘導体が特に好ましい。
【0070】
末端変性ポリオレフィンを変性するには、ポリオレフィンを有機溶媒に溶解するか混練機中で、必要に応じて、窒素雰囲気下において、ラジカル反応開始剤の存在下、変性剤と反応させる。
【0071】
通常は変性剤1種を用いるが、2種以上を用いることもできる。2種以上を用いる場合、一般式(b)で表される化合物、或いは一般式(c)で表される化合物のいずれかの群から2種以上を選択する。さらに、2種以上の変性剤を予め混合してから末端変性ポリオレフィンと反応させてもよいし、2段或いはそれ以上の多段で反応させてもよい。
【0072】
上記有機溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0073】
また、ラジカル反応開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系;過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンなどの過酸化物を使用することができる
【0074】
変性反応は、−50〜200℃、好ましくは−30〜180℃、特に好ましくは0〜150℃の温度範囲で行う。−50℃未満では反応速度が遅く、一方、200℃を超えると末端エポキシ化ポリオレフィンの分子鎖が切断されるので好ましくない。特に好ましくは、0℃〜150℃の温度範囲で炭化水素溶楳を用いて変性反応を行う。
また、反応時間は1分以上、好ましくは5分〜10時間、特に好ましくは10分〜5時間である。反応時間が長いほど、ポリオレフィンへの変性剤の導入量が向上する。通常は1段階で変性反応させるが、2段階以上の多段で反応させてもよい。
【0075】
上記の方法により、ポリオレフィンの末端が一般式(A)で表される構造のエポキシ基で変性され、かつ一般式(B)又は(C)で表されるユニットで主鎖が変性された変性ポリオレフィンを製造することができる。
【0076】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、本実施例、比較例中のポリマーの分析は、次に示す評価方法に基づいて行った。
【0077】
(1)分子量の測定
分子量の測定は、Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)モデル150を用いた。その測定条件は、溶媒がo−ジクロルベンゼン、測定温度が135℃、溶媒流速が1.0ml/分である。カラムは、東ソー社製の単分散ポリスチレン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、これによりユニバーサル法でポリオレフィンの検量線を作成し、ポリオレフィンの分子量を測定した。
【0078】
(2)ポリマーの構造決定
H−NMR):日本電子社製GSX−400、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して調製した。
13C−NMR):Varian社製XL−200型NMR(PFTパルスフーリエ変換装置付き)を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μsπ/3、パルス間隔4秒、積算回数5000の条件で、立体規則性を測定した。試料は、トリクロルベンゼンとベンゼン(2:1)の混合溶液に溶解して調整した。
【0079】
(3)ポリオレフィンへの変性剤導入量の測定
赤外線吸収スペクトル(IR)測定により、吸収ピークの解析により変性剤の導入量を測定した。IR測定には、日本分光社製のFT/IR−470を用いて、フィルム状にしたポリマーを使用した。
【0080】
[実施例1]
プロピレンのリビング重合
窒素ガスで十分に置換した2Lの攪拌機付きフラスコにトルエンを入れ、−78℃に冷却した。同温度でプロピレン8.3molを加え、トルエンに液化溶解した。次に、150mmolのAl(i−CBrのトルエン溶液、ならびに15mmolのバナジウムトリス(アセチルアセトナト)のトルエン溶液を加えた。この時の系内の液量は1Lであった。バナジウムトリス(アセチルアセトナト)の添加と同時に攪拌を行い、重合を開始した。−78℃で3.0時間プロピレンの重合を行った。
【0081】
【表1】
Figure 2004123776
【0082】
グリシジルメタクリレートとの反応
上記の反応系に、グリシジルメタクリレート300mmolを−78℃で添加し、系内の温度を1時間かけて−40℃に上昇させた後、同温度で2時間反応させた。その後、1.5Lのエタノール中に反応溶液を注ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーを再度ヘプタンに溶解し、遠心分離して、上澄み液を取り出した。これを1.5Lのメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄した後、室湿で減圧乾燥した。得られたポリマーは、2.6gであった。
GPCを測定したところ、ピークは単峰性で、Mnは4200、Mw/Mnは1.1であった。IRスペクトルを測定したところ、1740cm−1にカルボニル基の伸縮振動によるピークが観測された。さらに、H−NMR測定を行ったところ、ポリプロピレンのプロトンに由来するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以外に、下記の化学シフト値からなるピークが観測された。
【0083】
【化16】
Figure 2004123776
【0084】
ポリプロピレン部のプロトンシグナルと、2.8ppmのシグナルの強度比とGPCにより算出した数平均分子量より、得られた重合体は、1.0個(x=1.0)のGMAユニットが導入されたものであることが明らかとなった。
【0085】
【表2】
Figure 2004123776
【0086】
ポリプロピレンヘのエチレングリコールジメタクリレートの導入
十分に窒素置換した100mlの攪拌機付きフラスコに、20gのヘプタンを添加し、前記により得られた末端がエポキシ基で変性されたポリプロピレン2gを加え、ポリマーが完全に溶解するまで攪拌した。その後、ヘプタン溶液に窒素を20分間バブリングした。窒素雰囲気下、エチレングリコールジメタクリレート1.0gと、ラジカル反応の開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05gとを加え、2分間混合した後、オイルバスを用いて反応系を93℃まで上昇させ、系内温度が93℃到達後、2時間攪拌を続けた。
3時間経過後、オイルバスを下げ、直ちに室温のヘプタンを50ml加えた。ヘプタン溶液を600mlのメタノールに注ぎ、ポリマーを沈殿させた後、当該ポリマーを取り出し、150mlのヘプタンに溶解した。ヘプタン溶液を分液ロートに移し、50mlのメタノールを加えて、分液ロートをよく振り、静置、分液を行った。この操作を3回繰り返した後、ヘプタン層のみを回収し、十分乾燥することにより、ポリマーを得た。
得られたポリマーのIRを測定したところ、カルボニル基の伸縮振動による1740cm−1のピークが、エチレングリコールジメタクリレートを反応させる前と比較して増大していることが観測された。
さらに、H−NMR測定を行ったところ、ポリプロピレンのプロトンに由来するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)ならびに、上記グリシジルメタクリレート由来のピークとともに、エチレングリコールジメタクリレートに起因するピーク(ピークe)が新たに観測された。また、あわせてd、fのピーク強度の増加が観測された。
【0087】
【化17】
Figure 2004123776
【0088】
これらNMR、IR分析の結果から、エチレングリコールジメタクリレートがポリプロピレン鎖に導入されていることが確認された。
GPCを測定したところ、Mnは4300、Mw/Mnは1.1であり、このことから、エチレングリコールジメタクリレートを導入する反応を行っている間は、ポリプロピレン部の切断は起こっていないことが分かる。
ポリプロピレン部のプロトンとeのピークの強度比、ならびに、GPCにより測定された数平均分子量より算出した、エチレングリコールジメタクリレートのユニット数は4.9(n=4.9)であった。
【0089】
【表3】
Figure 2004123776
【0090】
なお、得られたポリプロピレンのシンジオタクチックダイアッド分率を測定するために、別に上記の操作と同一にしてプロピレンのリビング重合を行い、反応液を−78℃のエタノール−塩酸溶液500ml中に入れて重合を停止させ、分離したポリマーを500mlのエタノールで5回洗浄し、常温で乾燥してポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンを13C−NMR分析した結果、ダイアッド分率[r]は0.79であった。
【0091】
[実施例2]
プロピレンのリビング重合
窒素ガスで十分に置換した2Lの攪拌機付きフラスコにトルエンを入れ、−60℃に冷却した。同温度でプロピレン8.3molを加え、トルエンに液化溶解した。次に、60mmolのAl(CClのトルエン溶液、ならびに3.5mmolのトリス(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)バナジウムのトルエン溶液、及びジエチルエーテル6.0mmolを加えた。この時の系内の液量は1Lであった。バナジウムトリス(アセチルアセトナト)の添加と同時に攪拌を行い、重合を開始した。−60℃で2.0時間プロピレンの重合を行った。
グリシジルメタクリレートとの反応
上記の反応系に、グリシジルメタクリレート1molを−60℃で添加し、系内の温度を1時間かけて0℃に上昇させた後、同温度で5時間反応させた。その後、1.5Lのエタノール中に反応溶液を注ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーを再度ヘプタンに溶解し、遠心分離して、上澄み液を取り出した。これを1.5Lのメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄した後、室湿で減圧乾燥した。得られたポリマーは、73gであった。
GPCを測定したところ、ピークは単峰性で、Mnは57,000、Mw/Mnは1.2であった。IRスペクトルを測定したところ、1740cm−1にカルボニル基の伸縮振動によるピークが観測された。得られた重合体は、7.6個(x=7.6)のGMAユニットが導入されたものであることが明らかとなった。
ポリプロピレンヘのヒドロキシエチルメタクリレートの導入
十分窒素置換した100mlの攪拌機付きフラスコに20gのドデカンを添加し、前記により得られた末端がエポキシ基で変性されたポリプロピレン2gを加え、ポリマーが完全に溶解するまで攪拌した。その後、ドデカン溶液に窒素を20分間バブリングした。窒素雰囲気下、ヒドロキシエチルメタクリレート1.5gと、ラジカル反応の開始剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.01gとを加え、2分間混合した後、オイルバスを用いて反応系を136℃まで上昇させ、系内温度が136℃に到達後、5時間攪拌を続けた。
3時間経過後、オイルバスを下げ、直ちに室温のドデカンを50ml加えた。ドデカン溶液を600mlのメタノールに注ぎ、樹脂を沈殿させた後、当該樹脂を取り出し150mlのドデカンに溶解した。ドデカン溶液を分液ロートに移し50mlのメタノールを加えて、分液ロートをよく振り、静置、分液を行った。この操作を3回繰り返した後、ドデカン層のみを回収し、十分乾燥することにより、ポリマーを得た。
NMR、IR分析の結果から、ヒドロキシエチルメタクリレートがポリプロピレン鎖に導入されていることが確認された。
GPCを測定したところ、Mnは55,000、Mw/Mnは1.2であり、このことから、ヒドロキシエチルメタクリレートを導入する反応を行っている間は、ポリプロピレン部の切断は起こっていないことが分かる。
ポリプロピレン部のプロトンとeのピークの強度比、ならびに、GPCにより測定された数平均分子量より算出した、ヒドロキシエチルメタクリレートのユニット数は14(n=14)であった。
【0092】
[実施例3〜5]
実施例1又は2と同様にして、表1に示す条件でプロピレンの重合を行い、ポリプロピレンの末端を表2に示す条件で変性してから、さらに表3の条件で各種変性した。
この際、実施例5では、ヒドロキシエチルメタクリレート1.5gとブタンジオールジアクリレート1.0gを添加し、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを添加し、60℃で10時間反応させた。表3に示した変性量は両変性剤合計の値である。
【0093】
[参考例1]
実施例2と同様に重合し、末端変性したポリプロピレンを表3に示す条件で変性反応を試みた。得られたポリマーは、ポリプロピレン1分子あたりの変性量は、8.9個/鎖であったが、実施例2よりも数平均分子量が小さくなり、単分散性も若干低下した。変性反応の温度が高かったために、末端エポキシ化ポリプロピレンが切断されたものと考えられる。
【0094】
表1〜3から明らかなように、実施例1〜5で得られたポリマーは、特定のエポキシ基で変性されており、数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000の範囲であり、さらに、ポリプロピレン1分子あたりの変性剤の導入量は、1.0〜27個/鎖の範囲であった。
【0095】
一方、参考例1で得られたポリマーは、ポリプロピレン1分子あたりの変性剤の導入量は、8.9個/鎖であったものの、変性前よりも分子量が低下し分子量分布が広がっていることから、ポリマー鎖の切断が進行していることが判る。
【0096】
【発明の効果】
本発明の変性ポリオレフィンは、末端がエポキシ基で変性されたポリオレフィンを、さらに特定の変性剤と反応させてグラフト結合させているため、ポリオレフィン系材料及び極性を有する材料との親和性が優れているという効果を発揮する。
したがって、本発明の変性ポリオレフィンは、塗装や接着、印刷が容易で、溶剤に対する溶解性が高いため、塗料、表面改質剤、プライマー、インキ、接着剤、粘着剤、相溶化剤、反応性ポリマー或いはコーティング剤として好適であり、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (2)

  1. 末端の少なくとも一方が下記一般式(A)で表される構造を有するポリオレフィンに、下記一般式(B)で表されるユニットがグラフト結合しており、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
    Figure 2004123776
    [一般式(A)中、RはH又はC1〜10のアルキル基を示し、xは1〜100の整数である。]
    Figure 2004123776
    [一般式(B)中、Rは上記と同じ;RはOR、Cl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン、NR 又はR―NR 基;RはH、又は―COR基である。
    ここで、RはH、又はハロゲンを有しうるC1〜10のアルキル基;C1〜10のアルキル置換基を有しうる芳香族基;−(CH)a−O−P(O)(OR、又は−(CH)a−O−P(O)(O)(O−(CH)b−N (a及びbは夫々1〜5の整数);Li、Na、又はKから選択されるアルカリ金属M;C5〜10の脂環式炭化水素;R−COCR=CH;ROR;RSi(OR、或いはR―NCOを示し、また、RはC1〜10のアルキレン基若しくは−[(CH)q−O−]r−であり、q及びrは夫々1〜5の整数を示す。
    さらに、nは0.5〜500であるが、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、nの合計は2〜500である。]
  2. 末端の少なくとも一方が下記一般式(A)で表される構造を有するポリオレフィンに、下記一般式(C)で表されるユニットがグラフト結合しており、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることを特徴とする変性ポリオレフィン。
    Figure 2004123776
    [一般式(A)中、RはH又はC1〜10のアルキル基を示し、xは1〜100の整数である。]
    Figure 2004123776
    [一般式(C)中、RはH、若しくはC1〜10のアルキル基、又はCl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン;RはAr−X’、OCO−R、CHO、COR、CN、ピリジル基、ピロリドニル基、Si(OR、C1〜10のハロゲン化アルキル、ハロゲン、OR、OSOM或いはNH−CO−Rである。
    ここで、X’はR、OH、COOH、NH、CN、NO、C1〜10のハロゲン化アルキル、CH=CH、又はOCO−Rのいずれか、RはH、又はC1〜10のアルキル基、Mは前記のアルカリ金属である。
    さらに、mは0.5〜500であるが、ポリオレフィン1分子あたり該ユニットが2以上存在する場合、mの合計は2〜500である。]
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