JP2007002117A - ポリオレフィン樹脂塗装用プライマー - Google Patents

ポリオレフィン樹脂塗装用プライマー Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリオレフィンに対して高い親和性を有し、さらに極性材料に対する親和性も有する特定の変性ポリマーを含有してなるプライマーを提供する。
【解決手段】 DSCで測定した融解熱が70J/g以下であり、かつ13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が65%〜99%であるポリマーを、極性基含有不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリオレフィン樹脂塗装用プライマーに関し、さらに詳しくは、自動車のバンパー等の塗装に有用なプライマーに関する。
ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹脂は安価で優れた物性、例えば衝撃性と硬さの良好なバランスなどを有することから、成形物素材として広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂は無極性であるためアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂等の極性の高い樹脂との親和性がほとんどないため、塗装や接着が困難であるという欠点がある。この問題を解決するために自動車のポリプロピレンバンパーの塗装に見られるようにプライマー組成物をコーティングする方法等が提案されている。
このプライマー組成物としては、ポリプロピレンを不飽和カルボン酸またはその無水物で変性し、次いで塩素化した塩素化ポリプロピレン変性物を主成分としたものが一般に用いられている。しかしながら、これらの塩素化ポリプロピレンプライマーも性能的には必ずしも十分ではなく、多くの問題点が指摘されている。例えば塩素含有量が多いとポリオレフィンに対する親和性が低下し、その結果ポリオレフィンへの付着能が低下してしまう。一方、塩素含有量が少ないと、溶剤に溶解して使用した場合、特に低温において固体が析出したり流動性が低下するといったように溶液性状の低下が著しく、塗装性等において不具合をもたらす。
さらに、ジカルボン酸無水物の含有量については、含有量が低い場合は、塗料やコーティング材といった極性ポリマーとの親和性が十分に得られない。一方、ジカルボン酸の含量が高いとポリオレフィンに対する親和性が低下したり耐水性が低下し、また溶液状態での保存時に粘度が急激に上昇するためスプレー塗装等に使用しづらいという問題があった。
本出願人は、これらの課題を解決するべく、今まで鋭意研究を重ね、何件もの特許出願を行なってきた。例えば、我々は変性ポリプロピレンの主鎖構造を規定することによって種々の用途に有用な変性ポリオレフィンが得られる提案をしている(特許文献1参照)。
近年、環境問題に対する意識向上からポリオレフィン樹脂塗装用プライマーは非塩素系へ移行しつつあるものの、密着性や耐ガソリン性について完全に塩素系プライマーを代替できる性能を備えたプライマーはない。
特開2004−035623号公報
本発明の目的は、上記のような状況に鑑み、ポリオレフィンに対して高い親和性を有し、さらに極性材料に対する親和性も有する特定の変性ポリマーを含有してなるプライマーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するポリマーを極性基含有不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含有するプライマーを用いることにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、変性ポリマーを含むポリオレフィン樹脂塗装用プライマーであって、DSCで測定した融解熱が70J/g以下であり、かつ13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が65%〜99%であるポリマーを、極性基含有不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において不飽和化合物が無水マレイン酸であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマーが提供される。
更に、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、不飽和化合物が無水マレイン酸とアクリル酸であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマーが提供される。
本発明の好ましい態様としては次のものが包含される。
(1)13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が70%〜98%のポリマーを不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(2)13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が75%〜97%のポリマーを不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(3)ポリマーの融解熱が45J/g以下であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(4)ポリマーの融解熱が0.5〜40J/gであることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(5)ポリマーの融解熱が1〜35J/gであることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(6)ポリマー中のプロピレンユニットが68〜93モル%であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(7)ポリマー中のプロピレンユニットが70〜91モル%であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(8)ポリマー中のプロピレンユニットが72〜89モル%であるであることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(9)ポリマーが、エチレンあるいは炭素数4〜8のα−オレフィンに由来するユニットを含み、75〜87モル%のプロピレンユニット及びエチレンあるいは炭素数4〜8のα−オレフィンを有する変性ポリマーであることを特徴とする上記ポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(10)ポリマーの融点が25〜105℃であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(11)ポリマーのMFRが1〜1,000であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(12)ポリマーのMFRが10〜500であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(13)ポリマーのMFRが20〜300であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(14)ポリマーの重量平均分子量が5,000〜1,000,000g/ccであることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(15)ポリマーの重量平均分子量が50,000〜500,000g/ccであることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(16)ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)が、1.3〜40であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(17)ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、1.7〜5.0であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(18)ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜3.0であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(19)変性量が、ポリマーに対して0.01〜10重量%であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(20)変性量が、ポリマーに対して0.05〜5重量であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(21)変性量が、ポリマーに対して0.2〜1重量%であることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(22)ポリマーをラジカル反応開始剤の存在下、不飽和化合物で変性して得られる変性ポリマーを含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(23)溶質として変性ポリマーを0.1〜30重量%含有するポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(24)溶質として変性ポリマーを1〜20重量%含有するポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(25)溶質として変性ポリマーを5〜10重量%含有するポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(26)上記(23)乃至(25)において、トルエンを溶剤とすることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(27)上記(1)乃至(26)において、自動車バンパーに用いることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(28)上記(1)乃至(26)において、自動車内装材に用いることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
(29)上記(1)乃至(26)において、自動車外装材に用いることを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
本発明のポリオレフィン樹脂塗装用プライマーに用いる変性ポリマーは芳香族及び脂肪族系の有機溶媒に可溶であり、プライマーとして利用した場合、スプレー塗装等の作業性に優れ、得られた塗膜はポリオレフィン材料及び極性材料と密着性が良好で、耐ガソリン性、耐ガソホール性が高いことから、非塩素系プライマーの代替材料となる。
以下、本発明のポリオレフィン樹脂塗装用プライマーについて各項目毎に詳細に説明する。
1.ポリマー
本発明において用いられるポリマーは、13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が65%〜99%であり、好ましくは70%〜98%、より好ましくは75%〜97%である。ポリマーは、ポリプロピレンを基本骨格とし、エチレンあるいは炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体であっても良く、68〜93モル%のプロピレンユニットを有しても良く、好ましくは70〜91モル%、より好ましくは72〜89モル%である。プロピレンユニットが68モル%未満の場合は基材への高い密着性が得られないので好ましくなく、93モル%より多い場合はトルエンに対して難溶となり好ましくない。コモノマーはエチレンもしくは炭素数4〜8のα−オレフィンであり、α−オレフィンとしては、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。好ましくはエチレン又は1−オクテンがコモノマーとして用いられる。
ポリマーの融点は好ましくは25〜105℃、より好ましくは30〜90℃、更に好ましくは35〜80℃、特に好ましくは40〜70℃である。該融点が25℃未満だとペレットや塊状の固体形状を維持できず移送、保存の面で取り扱いにくいため 好ましくなく、105℃より大きいとトルエンなどの有機溶媒に難溶或いは不溶となり好ましくない。ポリマーの融解熱は70J/g以下、好ましくは45J/g以下、より好ましくは0.5〜40J/g、特に好ましくは1〜30J/gである。該融解熱が45J/gより大きいと混練(変性)時に必要な熱量が大きくなるためコスト的に好ましくない。
また、ポリマーは、アイソタクチック連鎖由来の結晶化度が0.1〜50%であることが好ましい。ポリマーのアイソタクチック連鎖由来の結晶化度は好ましくは0.25〜15%、より好ましくは0.5〜13%、特に好ましくは0.5〜11%である。該結晶化度が0.1%未満だとバンパー材への密着性が低下するため好ましくなく、50%より大きいとトルエンなどの有機溶媒に難溶或いは不溶となり好ましくない。
ポリマーのMFRは好ましくは1〜1,000であり、より好ましくは10〜500、更に好ましくは20〜300である。
ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000g/cc、より好ましくは50,000〜500,000g/ccであり、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.3〜40、より好ましくは1.5〜5.0、更に好ましくは1.7〜3.0である。
本発明における上記ポリマーは、特定の触媒を用いてモノマーおよび重合温度の組み合わせを調整し、タクティシティーを制御することで製造できる。使用できる触媒としては、必要な立体規則性を得られるものであれば、特に限定されないが、一般的には適当なキラルシングルサイト触媒が用いられる。その触媒としては、周期表の3属から10属の遷移金属錯体が挙げられ、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの4属の金属が好ましい。その配位子としては、シクロペンタジエニル基、ピリジニル基、アミド基などが挙げられる。
シングルサイト触媒としての遷移金属錯体は、WO03/040201に述べられているようなオレフィン重合に有効なピリジンアミン錯体が挙げられる。錯体に使用する遷移金属は、US6559262に有るようにより望ましい立体規則性を与えるように、変更することも可能である。
好ましい遷移金属錯体は、US特許No.6048950に示された ビスインデニルビスジメチルシリルジルコニウムジクロライド/MAOの錯体やWO98/27154に示されたジメチルシリルで架橋されたビスインデニルハフニウムのジメチル錯体/NCA活性化剤の錯体がある。EP1070087には、架橋された非対称のビスシクロペンタジエニル基を有する触媒は、エラスティックな性質を有するポリマーを与えることが示されている。また、US特許No6448358やNo6265212およびUS特許No5192401やNo5391629に示されているメタロセンも使用できる。
その他のシングルサイト触媒としては、US特許5026798に示されたメタロセンも使用可能である。さらに、B(CF)3で活性化されたペンタメチルシクロペンタジエニルトリメチルチタンも、重量平均分子量(Mw)が400万以下のエラスティックなポリプロピレンを得る触媒として挙げられる(Organomet.Chem.(1997)548,23-28)。
シングルサイト触媒の活性化は種々の方法で行うことができる。活性化剤として、アルモキサン好ましくはメチルアルモキサンが使用でき、その量は対メタロセン比 1倍から20000倍が好ましい。さらに、高分子量のポリマーは、EP277004またはEP426637の示された方法で合成される配位能のないか、またはあっても非常に弱いアニオンの活性化剤を使用することで、得ることができる。配位能のないアニオン(NCA)には、10属から14属の錯体が利用でき、原子が4つのアリール基で置換されたボロンやアルミニウム錯体が望ましく、特にアリール基およびアルキルアリール基上の水素を、ハロゲン、特にフッ素で置換した錯体が望ましい。NCA前駆体としては、ボランのような中性の物質を使用することもできる。
NCAは、遷移金属錯体に対し、少なくとも0.25当量以上好ましくは0.5当量以上、さらに好ましくは、0.8当量以上、4当量以下好ましくは2当量以下、より好ましくは、1.5当量以下で使用される。
触媒系として、スカベンジャーの役割で1種あるいは2種以上の有機金属化合物を使用することもできる。本発明でも、触媒活性の向上および反応系の極性不純物を除去することに効果のある化合物を使用することができる。
重合は、ここで示した触媒の存在下、0℃から200℃の範囲で1秒から10時間を行う。均一系の重合は、例えば、連続の溶液重合やモノマーを溶媒とするバルク重合で行われる。連続プロセスでは、適当な攪拌を行いながら、定常状態を維持して実施される。重合熱の除去には、内部冷却システムの他、種々の方法が利用できる。
重合の際、いくつかの反応器で、同一の触媒混合物を使用することも、異なった触媒混合物を使用することもできる。ここで言う触媒混合物とは、少なくとも1種の触媒と少なくとも1種の活性化剤を含んだものをいう。文献によっては、触媒という言葉には活性化剤を含んでいることもある。
それぞれの反応器に溶液またはスラリーとして適切な触媒混合物を供給し、重合を行う。その際、触媒と活性化剤はそれぞれ別に供給する(リアクターまでのライン中で活性化すること、予備活性化)ことも、予め混合して活性化した触媒溶液またはスラリーを反応器の供給することも可能である。US特許6207756のカラム8 20行目からカラム14の21行目に有るように反応器を直列あるいは並列に使用することも可能である。
2.変性ポリマー
(1)極性基含有不飽和化合物
1.のポリマーを変性する極性基含有不飽和化合物としては、一般式(a)、(b)で示される化合物、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物から選ばれた1種又は2種以上が用いられる。
Figure 2007002117
式(a)中、RはH又はC1〜10のアルキル基;RはOR、Cl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン、N(R又はR―N(R基;RはH、又は―COR基である。ここで、RはH、又はハロゲンを有しうるC1〜10のアルキル基;C1〜10のアルキル置換基を有しうる芳香族基;−(CH)a−O−P(O)(OR、又は−(CH)a−O−P(O)(O)(O−(CH)b−N(R(a及びbは夫々1〜5の整数);Li、Na、又はKから選択されるアルカリ金属M;C5〜10の脂環式炭化水素;グリシジル基;R−COCR=CH;ROR;RSi(OR、或いはR―NCOを示し、また、RはC1〜10のアルキレン基若しくは−[(CH)q−O−]r−であり、q及びrは夫々1〜5の整数を示す。
Figure 2007002117
式(b)中、RはH、若しくはC1〜10のアルキル基、又はCl、Br、F若しくはIから選択されるハロゲン;RはAr−X’、OCO−R、CHO、COR、CN、ピリジル基、ピロリドニル基、Si(OR、C1〜10のハロゲン化アルキル、ハロゲン、OR、OSOM或いはNH−CO−Rである。ここで、X’はR、OH、COOH、NH、CN、NO、C1〜10のハロゲン化アルキル、CH=CH、又はOCO−Rのいずれか、RはH、又はC1〜10のアルキル基、Mは前記のアルカリ金属である。
式(a)で表される化合物として、(メタ)アクリル酸の他に、(メタ)アクリル酸の誘導体として、例えば、次のようなものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、トリフェニルメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、トリフェニルメチルメタクリレートなどのアルキルエステル;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジルエステル;アクリル酸ナトリウム塩、アクリル酸カリウム塩、アクリル酸リチウム塩、メタクリル酸ナトリウム塩、メタクリル酸カリウム塩、メタクリル酸リチウム塩などの(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩;アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、α−クロロ−メチルアクリレート、メタクリル酸クロリド、メタクリル酸ブロミド、α−クロロ−メチルメタクリレートなど(メタ)アクリル酸のハロゲン化物;アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N一ジイソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸誘導体;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−へキサンジオールジメタクリレート、などのジ(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルメタクリレートなどのOH基又はアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸誘導体;2−イソシアナートエチルメタクリレート、2−イソシアナートエチルアクリレートなどのイソシアナート基含有(メタ)アクリル酸誘導体;エチレングリコールメタクリレートホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン、等のP含有(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。さらに、他のP含有(メタ)アクリル酸誘導体としては、CH=C(CH)CO−O−CH−CH(CHCl)−O−PO(OH)、CH=C(CH)CO−O−CH−CH−O−PO(OH)−O−NH(CHCHOH)2、なども挙げられる。
本発明において、一般式(a)で表される化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、又はそれらのアルキルエステル、グリシジルエステル、及びOH基又はアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。
また、一般式(b)で表される化合物としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル化合物;塩化ビニル、臭化ビニル、ふっ化ビニル、よう化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、ビニルスルホン酸カリウム塩、ビニルスルホン酸リチウム塩、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクロレイン、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド、アリルクロリドなどのビニル化合物;スチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、ジビニルベンゼン、ビニル安息香酸、シアノスチレン、ニトロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tブチルスチレン、アセトキシスチレン、p−ジメチルアミノメチルスチレンなどのスチレン誘導体。
また、ジカルボン酸として、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ビニルマレイン酸、アリルコハク酸など不飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジエチルなどの不飽和脂肪族ジカルボン酸エステル等の誘導体、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロテレフタル酸などのシクロアルケンジカルボン酸、及びそれらの誘導体を用いることができる。さらに、ジカルボン酸無水物として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のジカルボン酸無水物を用いることができる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸が好ましく、特にマレイン酸が好ましい。また、ジカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。
(2)ラジカル反応開始剤
ラジカル反応開始剤としては、一般にラジカル重合における開始剤として用いられているアゾ系化合物や有機過酸化物などを使用することが出来る。
ラジカル反応開始剤の好適な代表例としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン等のパーオキシエステル、2,3−ジメチル−2,3−ジフィニルブタン等のジフェニルブタン類、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがあげられる。
ラジカル反応開始剤は、1種類のみを使用しても2種類以上を使用しても良い。2種類以上を使用する場合、複数のラジカル反応開始剤を同時に添加しても別々に添加してもよい。例えば、半減期の長いラジカル反応開始剤を変性反応開始段階で全量一度に添加し、その後半減期の短いラジカル反応開始剤を連続的に又は逐次的に分割して投入してもよい。
ラジカル反応開始剤の添加量は、ポリマーに対して、0.05〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましく、1〜10重量%がより好ましい。0.05重量%未満では変性効率が低く、未反応のまま反応系に残存する不飽和化合物量が多くなり、接着性や接着強度の耐久性が低下する原因となる。50重量%を超えると、ポリマーの変性度が低下するとともに、変性反応条件下でのポリマーの分子量低下を促進する。
(3)混練機
次に、ポリマーの変性反応に用いる混練機は、通常用いられている押出混練機を用いることができる。
押出混練機は、ポリマーをケーシング(筒状シリンダー)内の一端から連続的に受け入れ、この筒状シリンダー内で回転する押出用スクリューによって混練しながら他端へと押出す間に、筒状シリンダー内に添加される変性剤、ラジカル反応開始剤と混合し、反応させて変性ポリマーとする装置である。
なお、シリンダーの下流領域には、混練されて吐出されるポリマーが過剰蓄熱して分解したり、架橋反応しないよう変性ポリマーを冷却するための冷却手段を設けることが望ましい。
変性反応条件は、ポリマーの種類や分子量、不飽和化合物及びラジカル反応開始剤の種類や量等によって異なる。反応温度は、混練機内が100〜250℃、好ましくは150〜200℃となるようにする。100℃未満では混錬が十分に行われない、また反応速度が遅い等の問題があり、一方、250℃を超えるとポリマーの分子鎖が切断されるので好ましくない。変性反応の反応温度は、変性反応中、同一温度に維持しても変化させてもよい。
反応時間(混練機内の滞留時間)は、0.1分〜20分が好ましく、0.2分〜10分がより好ましい。滞留時間が0.1分よりも短いと、変性反応による変性率(グラフト率)が低い。一方、滞留時間が長いほど、ポリマーへの不飽和化合物の導入量が向上するものの、20分よりも長くなるとポリマーの劣化による分子量低下や着色が著しくなる。
ラジカル変性反応を2段以上の連続型混練機を用いて行い、各段の少なくとも一部に変性剤又はラジカル反応開始剤の少なくとも1種を追加できる。混練機には、変性剤又はラジカル反応開始剤の少なくとも1種を複数の個所から分割供給することができる。
不飽和化合物を2種類以上使用する場合、複数の不飽和化合物を同時にポリマーに添加しても、別々に添加してもよい。例えば、相対的に変性反応速度の遅い不飽和化合物を変性反応の初期に添加し、ある程度反応を進行させた後に相対的に変性反応速度の速い不飽和化合物を添加すること、あるいは、変性反応条件下ではポリマーヘのグラフト以外の反応が起こりにくい比較的安定な不飽和化合物を、変性反応開始の段階で全量一度に添加し、その後、変性反応条件下では比較的不安定で消費され易い不飽和化合物を、連続的に又は逐次的に分割して投入することもできる。
また、ポリマーを変性反応温度まで昇温する前に、どちらか一方の不飽和化合物のみを添加しておき、所定の温度になってから他方の不飽和化合物を添加してもよいし、ポリマーを変性反応温度まで昇温した後に両方を同時又は逐次的に添加してもよい。
複数回に分けて変性を行う場合、各回で用いる不飽和化合物は同じであっても良い。
変性反応を行う際に、必要に応じて不飽和化合物の重合度を調節するために、連鎖移動調節剤を添加してもよい。連鎖移動調節剤を添加すると、不飽和化合物同士の重合度が低下するとともに鎖長を均一化することが出来る。
(4)連鎖移動調節剤
連鎖移動調節剤としては、反応条件下において該不飽和化合物の重合度を制御出来る化合物であれば制限されないが、代表例としてはt−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、ビス−2−アミノジフェニルスルフィド等のジスルフィド類などが挙げられる。
(5)酸化防止剤
一方、高温で変性反応を行う際に、ポリマーの分解反応を抑制する為に、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤は、反応条件下でラジカル補足剤及び/又は過酸化物分解剤として作用し、変性反応時にポリマーが熱酸化して劣化することを防止する。
酸化防止剤としては、反応条件下においてポリマーの分解反応を抑制できる化合物であれば制限はない。しかし、ポリマー中にチタン及び/又はバナジウムのイオン及び/又は化合物が含まれる場合に、フェノール性水酸基を有する酸化防止剤を使用すると、キノン化合物のごとき発色団を形成し、変性ポリマーが着色する可能性があるので注意が必要である。
好適な酸化防止剤の代表例としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフォスファイト類、ジステアリルチオジプロピオネート等のチオエーテル類などが挙げられる。
上記の変性反応によって、ポリマーから、前記不飽和化合物で変性した変性ポリマーを製造することができる。すなわち、プライマー用途に有用な機能性が高い変性ポリマーを、効率良く簡便なプロセスで経済的に製造することができる。
本発明により製造された変性ポリマーは、不飽和化合物がポリマーの主鎖に対してグラフト結合している。ポリマーへの不飽和化合物の導入量、すなわち変性量は、ポリマーに対して0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.2〜1重量%である。
ポリマーへの不飽和化合物の導入量が、ポリマーに対して0.01重量%未満であると、変性ポリマーのプライマーとしての機能性が低くなり、一方、10重量%を超えるものは製造コストが高くなり経済性の面で好ましくない。代表的なグラフト条件が参考としてWO02/36651A1に具体的に記載されている。
このようにして得られる変性ポリマーは、13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が65%〜99%である。好ましくは、13C NMRで測定したトライアッド[mm]分率が70%〜98%、より好ましくは75%〜97%である。
3.ポリオレフィン樹脂塗装用プライマー
上記のようにして得られる変性ポリマーは、芳香族及び脂肪族系の有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンに可溶であり、プライマーとして利用した場合、スプレー塗装等の作業性に優れ、得られた塗膜はポリオレフィン材料及び極性材料と密着性が良好で、耐ガソリン性、耐ガソホール性が高い。
ここで有機溶剤に可溶とは、常温のトルエンに対し、5重量%以上の変性ポリマーが完全に溶解することを意味する。
上記変性ポリマーを溶質としてプライマーとする場合、溶質濃度を0.1〜30重量%の有機溶剤溶液として用いることができる。好ましくは1〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
また、本発明における変性ポリマーは水中に分散した乳化物の形態で塗装用プライマーとして取り扱うことも可能である。
(実施例)
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、本実施例、比較例中で用いる分析は次に示す評価方法に基づいて行なった。
(1)分子量の測定
以下の文献を参照に測定した。
米国特許4,540,753、 Macromolecules, 1988, vol.21, 3360
(2)融点、融解熱の測定
融解熱の測定はPerkin Elmer社製DSC(7シリーズ熱分析システム)を用いて行った。約200〜230℃でプレスして作成したシート状サンプル6〜10mgを室温で240時間放置し、−50℃〜−70℃まで冷却した後200℃〜220℃まで毎分20℃の速度で昇温した。融解ピークの頂点を融点とし、該ピークとベースラインの間の面積を融解熱(J/g)として計算した。
(3)エチレン含有量の測定
エチレン含有量の測定はPerkin Elmer社製1760 赤外分光計モデルを用い、1155cm1の透過率と、722cm-1と732cm-1で大きい方の透過率の比をXとし、下式によりエチレン含量(重量%)を求めた。
エチレン含有量(重量%) = 82.585−111.987X+30.045X2
(4)MAH含有量の測定
測定するサンプルをキシレンに完全に溶解させた後、アセトンに沈殿させて残留モノマー等の不純物を除去し乾燥した。0.5〜1gの精製ポリマーを150mlのキシレンに溶解し、数滴の水を加えて1時間リフラックスさせた。これにチモールブルーの1%DMF溶液を数滴加えて過剰量の0.025Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定した。(系は黄から青へ変色し)次いで、0.05Nの塩酸イソプロパノール溶液で系が青から黄に変わるまで逆滴定した。これらの結果からジカルボン酸の中和に必要な水酸化カリウムの量を計算しグラフトされた無水マレイン酸の量を求めた。
(5)結晶化度の測定
結晶化度100%の時のΔH=189J/gとして、上記DSC測定より得られたΔH(融解熱量)から結晶度(%)を算出した。
(6)アイソタクチックトライアッド[mm]分率
ポリマーの13C NMRスペクトルは、サンプルをジクロロエタン溶液に溶解して測定した。メチル炭素の13C 共鳴(19−22ppm)の相対的ピーク面積を計算してアイソタクチックトライアッド分率を決定した。
(実施例1)
(1)ポリプロピレン及び変性ポリプロピレンの製造
米国特許公開公報2004/0054086号に記載されている方法にて、表1に示す物性のプロピレン−エチレン共重合体及び無水マレイン酸変性プロピレン−エチレンポリマーを得た。
(2)塗装用プライマー
上記で得られた無水マレイン酸変性プロピレン−エチレンポリマーを5重量%のトルエン溶液にして塗装用プライマーとし、評価を行なった。結果を表1に示す。なお、このポリマーの100gのトルエンへの溶解度は20g以上であった。
(実施例2及び3)
実施例1と同様にして、ポリマー及び無水マレイン酸変性プロピレン−エチレンポリマーを得、評価を行った。結果を表1に示す。なお、このポリマーの100gのトルエンへの溶解度は20g以上であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして、プロピレンとエチレンと共重合を行ない、マレイン酸で変性した後、引続きアクリル酸でも変性を行なった。結果を表1に示す。
上記した実施例1〜4の塗装用プライマー溶液を用い、スプレー塗装性、密着性、耐ガソリン性及び耐ガソホール性について評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2007002117
なお、それぞれの評価は下記のとおり行なった。
(評価)
[塗装物]
予めイソプロピルアルコールで表面を洗浄した自動車バンパー用ポリオレフィン基板に実施例1〜3または比較例1及び2の塗装用プライマー(樹脂濃度5重量%)を塗布した。さらにその上からアクリルウレタンベース塗料(関西ペイント社製レタンPG80III)を塗装し、60℃で20分間焼き付けし、室温に戻して3日後に以下の方法により密着性、耐ガソリン性及び耐ガソホール性を評価した。
[評価方法]
スプレー塗装性
常温で100gのトルエンに5g以上溶解し、市販のスプレー塗装用ノズルを用いてスプレー可能であればスプレー塗装性は「可」とした。一方、前記トルエンに対する溶解性が1g以下、或いはトルエンには可溶だがスプレー塗装時に目詰まりや著しい糸引き等によりスプレー塗装面が以降の密着試験、耐ガソリン・ガソホール性試験による評価に値しない場合は「不可」とした。
密着性(碁盤目剥離試験)
(JIS K−5400に準拠)試験板の塗膜面に垂直に、試験板に到達する深さまで2.0mm間隔で平行にカットして、2mm角の碁盤目を100個作り、セロテープ(登録商標)と密着させた後、60°に近い角度で引き剥がす。結果は、残存した碁盤目の数と有効な碁盤目の数(カットした碁盤目の数−不具合碁盤目)の割合を分数で表記した。
耐ガソリン及び耐ガソホール試験
試験片4端面をカッター又は端面処理用カッタで塗装面に垂直になる様カット処理する。サンプル中央部分に試験板に到達する深さで60°のクロスカットを作り、ガソリンまたはガソリン:エタノール(9:1、容量比)溶液に浸す。1時間後のサンプル塗装面を観察し、評価有効面の膨れ・はがれ・割れ・しわの発生の有無を調べ、これらが観察された場合評価を「否」とした。また、サンプル塗装面に顕著な差が見られなければ「良」の評価とした。

Claims (3)

  1. DSCで測定した融解熱が70J/g以下であり、かつ13C NMRで測定したポリプロピレン連鎖由来のアイソタクチックトライアッド[mm]分率が65%〜99%であるポリマーを、極性基含有不飽和化合物で変性した変性ポリマーを含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
  2. 不飽和化合物が無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
  3. 不飽和化合物が無水マレイン酸とアクリル酸であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィン樹脂塗装用プライマー。
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