JP2004122397A - インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ - Google Patents

インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2004122397A
JP2004122397A JP2002286137A JP2002286137A JP2004122397A JP 2004122397 A JP2004122397 A JP 2004122397A JP 2002286137 A JP2002286137 A JP 2002286137A JP 2002286137 A JP2002286137 A JP 2002286137A JP 2004122397 A JP2004122397 A JP 2004122397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
chamber
communication
tank
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002286137A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Yamada
山田 学
Shin Takeuchi
竹内 紳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002286137A priority Critical patent/JP2004122397A/ja
Publication of JP2004122397A publication Critical patent/JP2004122397A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】インクが無くなったことを正確に検出可能な被検出部を備えたフォーム式のインクタンクを提案すること。
【解決手段】フォーム式のインクタンク1の主インク室5とインク取出し口7の間には副インク室20が形成され、副インク室20は仕切り部材30によって、気泡溜め21とインク貯留室22と、これらの間を連通している連通室23とに仕切られている。連通室23は、狭い第1の連通孔33によって気泡溜め21に連通し、狭い第2の連通孔36によってインク貯留室22に連通してている。連通室23内には、インクエンド検出用のプリズム反射面52a、52bの背面が露出している。インク液面は気泡溜め21によって気泡と分離されながら連通室23内を低下する。連通室23にはインク貯留室22から気泡形成用のインクが供給されないので、インク液面の低下に伴って反射面52a、52bが露出してそれらの反射状態が確実に変化して、インクエンドが確実に検出される。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収保持したフォームなどのインク吸収体を備えたインクタンクに関し、特に、インクが無くなった状態(インクエンド)を精度良く検出可能な検出機構を備えたインクタンクに関するものである。また、当該インクタンクのインクエンドを検出するためのインクエンド検出機構および当該インクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのインクタンクとしてはフォームやフェルトなどのインク吸収体にインクを吸収保持させた形式のインクタンクが知られている。例えば、フォーム式のインクタンクは、インクを吸収保持したフォームが収納されているフォーム収納部と、このフォーム収納部に連通したインク取出し孔と、フォーム収納部を大気開放している大気連通口とを有している。インク取出し口から、インクジェットヘッドの吐出圧力によってインクを吸引すると、吸引したインク量に対応する空気が大気連通口からフォーム収納部に流入するようになっている。
【0003】
フォーム式のインクタンクの場合におけるインクの有無の検出は、インクジェットヘッドから吐出されるインクドット数や、インクジェットヘッドからインクを吸引するインクポンプのインク吸引量等に基づき、使用されたインク量をカウントし、このカウント結果に基づき行っている。
【0004】
なお、一般に、インクタンク内のインクが殆ど無くなった状態を「リアルエンド」と呼び、インクタンク内のインクの残量が一定量よりも少なくなった状態を「ニアエンド」と呼んでいるが、本明細書で用いる「インクエンド」とは、特に断りのない限り両者を含むものである。
【0005】
しかしながら、インク使用量等をカウントしてインクエンドを検出するインクエンド検出方法は次のような問題点がある。インクジェットヘッドのインク吐出量、およびインクポンプによるインク吸引量にはばらつきがあるので、これらに基づきカウントされたインク使用量は、実際のインク使用量に比べて大きくばらつく。このために、インクエンドを確定するためには大きなマージンを設ける必要がある。この結果、インクエンドが検出された時点において、多量のインクが残っている場合があり、インクが無駄になることが多い。
【0006】
そこで、プリズム反射面の背面をインク界面としておき、インクが無くなるとプリズム反射面が本来の反射面に戻るという光学特性を利用した光学式の検出システムを用いて、インクエンドを直接的に検出することが考えられる。プリズム反射面を利用した検出システムは、例えば次の特許文献に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−323993号公報
【特許文献2】
米国特許第5,616,929号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォーム式などのインクタンクの場合には、インクがインク吸収体に吸収保持されているので、インク吸収体の収納部に背面が露出する状態にプリズム反射面を配置しても、プリズム反射面には常にインク吸収体が接しているので、インクがなくなってもその反射特性が変化しない。よって、上記公開公報に開示されている検出システムをそのまま適用することが不可能である。そこで、主インク室(インク吸収体の収納部)とインク取出し孔との間にインクを貯留可能な小容積の副インク室を形成し、ここにプリズム反射面を配置することにより当該反射面の背面がインク界面となるようにし、主インク室のインクがある程度消費された状態で副インク室に空気が進入するように圧力制御された構成を採用することが考えられる。
【0009】
このようにすれば、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっているプリズム反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0010】
しかしながら、副インク室内に進入した空気は副インク室内に気泡を生成する。気泡がプリズム反射面の背面に付着し、あるいはその近傍に浮遊した状態が形成されると、インク液面がプリズム反射面より低下しても、気泡間に保持されているインクによってプリズム反射面が覆われた状態が保持される。この結果、当該プリズム反射面の反射状態はインク液面が低下しても変化しない。プリズム反射面を覆っている気泡が消えるまでには時間が掛かるので、それまでは、インクエンドを検出できないという不具合が発生する。インクエンドの検出タイミングが遅れると、インクの空吸引によってインクジェットヘッドの側に気泡が送り込まれ、ドット抜けなどの弊害が発生する。
【0011】
本発明の課題は、インク残量が少なくなったにも拘わらず副インク室内の気泡に起因して反射面の反射状態が変化しないという弊害を解消可能なインクタンク、インクエンド検出機構、およびインクジェットプリンタを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のインクタンクは、
インクが吸収保持されたインク吸収体と、
このインク吸収体が収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し口と、
前記主インク室および前記インク取出し口の間に形成されており、前記インク取出し口に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出するために、背面がインク界面となっている反射面を備えた被検出部とを有し、
前記副インク室は、前記主インク室に連通している気泡溜めと、前記インク取出し口に連通しているインク貯留室と、前記気泡溜めおよび前記インク貯留室の間を連通している連通室とに仕切られ、
前記連通室には、前記反射面の背面側の部分が露出していることを特徴としている。
【0013】
本発明では、主インク室とインク取出し口の間に副インク室が形成され、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し口からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっている反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0014】
また、本発明では、副インク室の内部は、気泡溜めと連通室とインク貯留室に仕切られているので、主インク室からのインクは、まず気泡溜めに流れ込み、次に連通室を介してインク貯留室に流れ込む。主インク室内のインクが無くなると、大気に連通している主インク室からは空気が副インク室の気泡溜めに進入してここに気泡を形成する。インク液面が副インク室内の高さ位置まで低下した後は、気泡溜めの内部は気泡で満たされ、当該気泡溜めには新たな気泡を生成するためのインクが無くなる。この結果、空気の進入に伴って、気泡溜めの内部を満たして気泡が潰れて徐々に大きな気泡となり、インクの消費に伴って、当該気泡溜め内の気泡が徐々に消えて空気のみの層が気泡溜めの上端側から徐々に形成されていく。
【0015】
このようにして、インクの消費に伴ってインク液面は気泡から分離されながら移動する。従って、気泡溜めに連通している連通室内では殆ど気泡が形成されずにインク液面が移動していく。また、連通室とインク貯留室との間の連通孔を小さくしておけば、インク貯留室側から連通室にインクが供給されないので、連通室内に形成された気泡はインクの消費に伴って速やかに消滅する。
【0016】
従って、連通室内に背面が露出している反射面の反射状態は、気泡に邪魔されることなく、当該連通室内でのインク液面の移動に伴って応答性良く変化する。よって、インクエンド検出用の反射面の近傍に浮遊している気泡間に保持されているインクによって当該反射面が覆われてしまい、インク液面が当該反射面よりも低下したにも拘わらず、反射面が反射面として機能せずに、インクエンド検出ができないという弊害を回避できる。
【0017】
ここで、本発明のインクタンクにおいて、
前記被検出部の前記反射面が、前記連通室におけるインク液面の移動方向に沿って延びており、
前記連通室が、前記気泡溜めに連通している第1の連通孔と、前記インク貯留室に連通している第2の連通孔とを備えており、
前記第1連通孔が前記反射面よりも前記インク液面の移動方向の手前側に位置し、前記第2の連通孔が前記反射面よりも前記インク液面の移動方向の後側に位置している構成を採用できる。
【0018】
この場合、前記第2の連通孔を、前記反射面から離れた位置に配置すれば、前記インク貯留室の側から前記連通室内の前記反射面背面部分へのインクの供給(気泡形成用のインクの供給)を確実に防止できる。
【0019】
また、前記第2の連通孔における前記連通室側の開口縁部分および前記インク貯留室側の開口縁部分のうち、少なくとも前記連通室側の開口縁部分を凸曲面とすることが望ましい。このようにすれば、前記第2の連通孔に沿って毛細管力によって前記インク貯留室側から前記連通室側に気泡形成用のインクが吸い上げられるという弊害を回避できる。
【0020】
さらに、前記第2の連通孔における前記連通室側の断面形状を、前記連通室側に向けて広がった台形形状とすれば、毛細管力によるインクの吸い上げを確実に防止できる。
【0021】
さらにまた、前記第2の連通孔と前記インク貯留室との間に多孔質部材を配置すれば、当該多孔室部材の毛細管力によって連通室内のインク(気泡形成用のインク)が吸引されるので、連通室内に発生した気泡を速やかに消滅させることができる。
【0022】
ここで、前記副インク室は、第1のフィルタによって前記主インク室と仕切られ、第2のフィルタによって前記インク取出し口と仕切られた構成とすることができる。この場合、前記第1のフィルタを、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成し、前記第2のフィルタを、前記第1のフィルタよりも目が細かく、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によってインクのみを通過可能な多孔質材料から形成すればよい。また、この場合、前記多孔質部材を、前記第1のフィルタよりも目の粗い素材から形成すればよい。
【0023】
なお、前記多孔質部材はフォームまたはフェルトから形成することができる。
【0024】
また、前記副インク室内の前記気泡溜め、前記連通室および前記インク貯留室は、前記副インク室内に配置した仕切り部材によって区画形成することができる。この場合、この仕切り部材は、前記気泡溜めと前記インク貯留室および前記連通室との間を仕切っている第1の仕切り板と、前記インク貯留室と前記連通室との間を仕切っている第2の仕切り板とを備えた構成とすることができる。
【0025】
さらに、前記反射面は一対のプリズム反射面とすることができる。
【0026】
一方、本発明は、上記構成のインクタンクにおけるインクエンドを検出するインクエンド検出機構であって、
前記インクタンクに形成されている前記被検出部と、
前記被検出部の前記反射面に反射状態の変化を検出する検出部と、
を有していることを特徴としている。
【0027】
本発明のインクエンド検出機構によれば、被検出部である反射面の背面が気泡間に保持されているインクで覆われてしまうことが無いので、確実にインクエンドを検出できる。
【0028】
また、本発明は、上記構成のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、前記インクタンクの前記被検出部における前記反射面の反射状態の変化を検出する検出部を有していることを特徴としている。
【0029】
本発明のインクジェットプリンタによれば、検出部によってインクエンドを確実に検出できるので、インクの空吸引を防止できる。よって、インクの空吸引によってインクジェットヘッドの側に気泡が送り込まれ、ドット抜けなどの印字品位の低下を招くなどの弊害を防止できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクタンクの実施例を説明する。なお、以下の実施例はインクジェットプリンタのタンク装着部に対して着脱可能に装着されるカートリッジ形式のインクタンクに対して本発明を適用した例である。しかし、本発明は、インクジェットプリンタに予め配置されたインクタンクに対しても同様に適用可能である。
【0031】
(全体構成)
図1(a)および(b)は本発明を適用したフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図であり、図2は当該インクタンクを底面側から見た場合の斜視図であり、図3は当該インクタンクの分解斜視図である。
【0032】
本例のインクタンク1は、インクジェットプリンタ(図示せず)に形成されているタンク装着部(図示せず)に対して着脱可能に装着して使用される。このインクタンク1は、上側が開口した直方体の容器本体2と、この上側開口3を封鎖している容器蓋4とを有し、これらの内部に主インク室5が形成され、ここに、インクが吸収保持された全体として直方体形状のフォーム6が収納されている。
【0033】
容器本体2の底面にはインク取出し口7が形成されており、このインク取出し口7には円盤状のゴムパッキン8が装着されており、その中心に開けた貫通孔8aがインク取出し孔とされている。インク取出し口7におけるゴムパッキン8よりも奥の部分には、インク取出し孔8aを封鎖可能な弁9が配置されており、この弁9は常にコイルばね10によってゴムパッキン8に押し付けられ、インク取出し孔8aを封鎖している。
【0034】
主インク室5は、第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって仕切られている副インク室20を介してインク取出し孔8aに連通している。また、容器蓋4に形成された大気連通孔13を介して大気開放されている。従って、主インク室5に装着したフォーム6に吸収保持されているインクが、インク取出し口7を介して吸引されると、吸引されたインクに対応する分の空気が、大気連通口13から主インク室5に入り込む。
【0035】
副インク室20の内部は、後述の図4〜7に示すように、仕切り部材30によって、主インク室側の気泡溜め21と、インク取り出し口側のインク貯留室22と、これらの間を連通している連通室23とに仕切られている。
【0036】
なお、容器蓋4の大気連通孔13は、容器蓋表面に刻まれた屈曲状の溝13aに繋がっており、この溝13aの端13bは容器蓋4の縁端近傍まで延びている。インクタンク1の出荷時には、容器蓋4の大気連通孔13および溝13aが形成されている部分はシール14が貼り付けられており、使用時には、当該シール14の切り取り線14aに沿って当該シール14の一部14bを剥がすことにより、溝13aの端13bが露出し、大気連通孔13が大気開放状態になる。
【0037】
また、容器底面のインク取出し孔8aの部分もシール15が貼り付けられており、インクタンク1をインクジェットプリンタのタンク装着部に装着するとタンク装着部に取り付けられているインク供給針(図示せず)がシール15を破って当該インク取出し孔8aに差し込まれて、当該インクタンク1が装着状態になる。
【0038】
(副インク室および被検出部)
次に、図4はインクタンク1を図1のIV−IV線で切断した部分を示す断面図であり、図5はインクタンク1を図1のV−V線で切断した部分を示す断面図であり、図6は図4における副インク室の部分を拡大して示す拡大部分断面図である。また、図7には仕切り部材を取り出して示してある。
【0039】
これらの図に示すように、インク取出し孔8aと主インク室5の間には第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって仕切られた小容積の副インク室20が形成されている。副インク室20の内部は、そこに配置された仕切り部材30によって、気泡溜め21と、インク貯留室22と、これらの間を連通している連通室23とに仕切られている。
【0040】
また、インクタンク1には、当該インクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否かを光学的に検出するために用いる直角プリズム51および、インクタンク1のインクエンドを光学的に検出するために用いる直角プリズム52を備えた被検出部が配置されている。
【0041】
詳細に説明すると、容器本体2の底板部分201には、矩形断面の筒状枠202が当該底板部分201を貫通して上下に垂直に延びている。この筒状枠202における主インク室5内に垂直に起立している上側筒状枠部分203の矩形の上端開口が主インク室側連通口205となっている。この連通口205には長方形の第1のフィルタ11が取り付けられている。
【0042】
筒状枠22の容器底板部分201から下方に垂直に突出している下側筒状枠部分204の下端開口は、これに一体形成されている底板部分206によって封鎖されており、当該底板部分206の中央にインク取出し口7が形成されている。すなわち、底板部分206の中央からは、円筒状の突出部分207が上方(副インク室内)に垂直に延びている。この突出部分207の中心孔はインク取出し孔8aに連通したインク通路208とされており、ここにゴムパッキン8、弁9およびコイルばね10が装着されており、当該コイルばね10のばね受け209が突出部分206の内周面に一体形成されている。この突出部分207の上端開口が円形の取出し孔側連通口210とされ、ここに第2のフィルタ12が取り付けられている。
【0043】
本例の第1のフィルタ11は、インクを通すと共に、インク取出し孔8aに作用するインク吸引力によって、気泡が通過可能な多孔質材料から形成されている。すなわち、インク吸引力によってメニスカスが破壊する毛管引力となる孔サイズの多孔質材料から形成されている。この第1のフィルタ11は、例えば、不織布やメッシュフィルタ等から形成されている。
【0044】
この第1フィルタ11には、他の部分よりメニスカスの弱い空気通過孔11aが形成されている。この空気通過孔11aは、0.3mm程度の小径の孔であり、仕切り部材30の第1の連通孔33より、遠い位置に形成されている。すなわち、第1フィルタ11における第1の連通孔33に対峙している端部とは反対側の端部に空気通過孔11aが形成されている。
【0045】
これに対して、第2のフィルタ12は、インクポンプによる吸引力が作用している場合を除くインク吸引力がインク取出し孔8aに作用した場合、インクを通すが気泡が通過することのないように第1のフィルタ11より孔径の小さい多孔質材料から形成されている。この第2のフィルタ12は、インクに混入している異物を捕捉可能な孔サイズのものである。この第2のフィルタ12も不織布やメッシュフィルタ等から形成することができる。
【0046】
ここで、インク吸引力とは、インク供給対象のインクジェットヘッド(図示せず)でのインク吐出圧力によりインク取出し孔8aに作用するインク吸引力もしくはインクポンプの吸引力によるものである。
【0047】
次に、インクタンク1に配置されている被検出部(51、52)を、図3〜図6を参照して説明する。容器本体2の側板部分53の下端部分には、横長の矩形板54が溶着固定されており、この矩形板54の内側面には直角プリズム51および52が一定の間隔で一体形成されている。これら直角プリズム51、52はそれぞれ直交する一対の反射面51a、51bおよび52a、52bを備えている。
【0048】
一方の直角プリズム51は、一定隙間の空気層55を介して容器本体2の側板部分53に対峙している。すなわち、側板部分53には直角プリズム51に対応した形状の凹部56が形成されており、これにより各反射面51a、51bは一定隙間の空気層55を介して主インク室5の側板部分53に対峙している。これに対して、他方の直角プリズム52は、副インク室20内において仕切り部材30と共に連通室23を区画形成している筒状枠202の部分に開けた開口部202bから直接に連通室23の内部に露出しており、各反射面52a、52bの背面がインク界面となっている。
【0049】
図4、図5に示すように、インクタンク1が装着されるインクジェットプリンタ(図示せず)の側には、反射型の光学式センサ57、58が取り付けられている。これらの光学式センサ57、58は、発光素子57a、58aと受光素子57b、58bを備えている。光学式センサ57は、その発光素子57aからの射出光を反射面51aに対して45度の角度で入射させ、この反射面51aおよび反射面51bで反射された戻り光を受光素子57bで受光できるように、その位置が設定されている。同様に、光学式センサ58も、その発光素子58aから射出光を反射面52aに45度の角度で入射させ、この反射面52aおよび反射面52bで反射された戻り光を受光素子58bにより受光できるように、その位置が設定されている。
【0050】
次に、図6および図7を主に参照して、副インク室20の内部を、気泡溜め21、インク貯留室22および連通室23に仕切っている仕切り部材30について説明する。仕切り部材30は、副インク室20を仕切っている長方形の水平仕切り板31(第1の仕切り板)と、水平仕切り板31の裏面(インク貯留室側の表面)の中央から垂直に突出している円筒32を備えている。水平仕切り板31における直角プリズム52の側の端部には気泡溜め21と連通室23とを連通している第1の連通孔33が形成されている。
【0051】
この第1の連通孔33と円筒32の間の位置には、水平仕切り板31の裏面から当該水平仕切り板31と同一幅で垂直に延びている垂直仕切り板34(第2の仕切り板)が形成されている。この垂直仕切り板34の下端は外側(円筒32とは反対側)に直角に折れ曲がった水平底板部分35となっている。この水平底板部分35の先端と、これに対峙している筒状枠内周面部分202cとの間には細長い長方形の第2の連通孔36が形成されており、この連通孔36を介して、連通室23とインク貯留室22とが連通している。本例では、水平底板部分35の上面35aは、筒状枠202に形成した開口部202bの下面202dとほぼ同一高さとされている。
【0052】
ここで、第2の連通孔36を規定している水平底板部分35における連通室23側の開口縁35bは、凸円弧面からなっている。このように連通孔36の開口縁35bにアールを付けることにより、開口縁35bと筒状枠内周面部分202cとの隙間はインク貯留室22の側が狭くなるので、インク貯留室22の側から当該連通孔36を介して毛細管力によって連通室23にインクが供給されてしまうことを防止できる。すなわち、連通室23に対する気泡形成用のインクの供給を断つことができる。また、垂直仕切り板34と水平底板部分35の間の入り隅34aも凹円弧面によって規定し、さらには、水平底板部分35および垂直仕切り板34と厚み方向の側端面との出隅も凸円弧面によって規定すれば、より確実に、インク貯留室22から連通室23に対してインクが供給されてしまうことを防止できる。
【0053】
次に、仕切り部材30の水平仕切り板31は矩形の仕切り板本体部分301と、この仕切り板本体部分301の外周縁端から上下に垂直に延びている矩形の外周枠部分302とを備えている。外周枠部分302の外周側面302aは、副インク室20を形成している矩形の筒状枠202における上端開口205側の内周側面205aに液密状態で接合されている。
【0054】
仕切り板本体部分301の表面(気泡溜め21の側の表面)には、その長辺方向に向けて平行に2本のリブ303、304が形成されており、これらにより、フォーム6を組み込んだ時に、第1フィルタ11が撓んで仕切り板本体部分301の表面に接触しないようにしている。さらに、ポンプ吸引が行われた祭、ポンプの吸引圧力で第1フィルタ11が撓まないようになっている。第1フィルタ11が撓むことにより、仕切り板本体部分301と第1フィルタ11間にインク溜りが起きないように一定の空間を確保し、インクが第1の連通孔33にスムースに流れるようになっている。仕切り板本体部分301の裏面中央から垂直に延びている円筒32は、インク貯留室22の底に溜まっているインクを上方に位置している第2のフィルタ12が取り付けられている連通口210まで吸い上げるためのものである。
【0055】
図5〜7を参照して説明すると、円筒32の下端開口の円形端面321には、所定角度間隔で形成された複数の突起322が垂直に突出している。本例では90度間隔で同一高さの4個の突起322が形成されている。円筒32の内周面は、その下端側内周面部分323と、この上側に連続して僅かに内側にせり出したテーパ付き内周面部分324と、この上側に連続している小径の上端側内周面部分325を備えている。
【0056】
この形状の円筒32を備えた仕切り部材30は、インク貯留室22の中に形成されている円筒状の突出部分207に対して上側からキャッピングした状態で取り付けられている。突出部分207の外周面にはその下側部分に、所定の角度間隔で外方に突出したリブ207aが形成されている。本例では90度間隔で4本のリブ207aが形成されており、これらのリブ207aの突出量は、これらが円筒32の下端側側外周面部分323にちょうど嵌り込むように設定されている。
【0057】
仕切り部材30の円筒32を突出部分207にキャッピングすると、4本のリブ207aによって、当該円筒32の内周面と突出部分207の外周面の間には4本のインク吸い上げ用の円弧状断面の隙間220が形成される。従って、円筒32の下端の突出部分322の間に形成される隙間221からこの隙間220を経由して上方に位置している第2のフィルタ12に到るインク吸い上げ用の経路が形成される。このようにすると、インク貯留室22に溜まっているインク量が減って、その液面が第2のフィルタ12よりも低くなった場合においても、インク貯留室22内のインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げて、インク通路208からインク取出し孔8aに供給できる。
(検出動作)
本例のインクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否か、およびインクタンク1のインクエンド検出は、次のように行われる。
【0058】
インクタンク1をインクジェットプリンタのカートリッジ装着部に装着すると、インクジェットプリンタの側に配置されているインク供給針(図示せず)の先端部分が、インクタンク1のインク取出し孔8aに装着したゴムパッキン8の貫通孔8aを貫通して、インク通路208内に位置している弁9を押し上げた状態になる。この結果、インク取出し孔8aが開いた状態になるので、インクタンク1の主インク室5内のフォーム6に吸収保持されているインクが、第1のフィルタ11、副インク室20を介してインク通路208に流れ込み、インク取出し孔8aに差し込まれているインク供給針を通って、インクジェットプリンタ側のインクジェットヘッドに供給可能となる。このようなインク供給機構は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0059】
インクタンク1がこのように装着されると、その側面に形成されている直角プリズム51がインクジェットプリンタ側の光学式センサ57に対峙した状態になる。従って、光学式センサ57からの射出光は、直角プリズム51の反射面51a、51bで反射されて当該光学式センサ57によって受光され、これによって、インクタンク1が装着されたことが検出される。
【0060】
次に、インクジェットヘッドが駆動されてインク吐出が行われると、インク吐出圧力によってインク取出し孔8aにはインク吸引力が作用して、インクジェットヘッドに向けてインクが供給される。インクが供給されてフォーム6に保持されているインクが減少すると、それに伴って、大気連通口13を介して空気が主インク室5内に入り込む。インクの消費に伴ってフォーム6に含浸されているインクが徐々に減少し、それに代って気泡がフォーム6内に入り込む。フォーム6内のインク残量が少なくなると、主インク室5内から空気が、第1のフィルタ11を通って気泡となって副インク室20の気泡溜め21内に入り込み、ここに気泡が徐々に溜まっていく。
【0061】
このとき、第1フィルタ11には、他の部分よりメニスカスの弱い空気通過孔11aが形成されているので、気泡溜め21に取り込められる気泡は、空気通過孔11aからのみ取り込まれる。そして、空気通過孔11aから取り込められた気泡は、第1フィルタ11の他の部分を通過する気泡に比較して大きい径の気泡となる。そして、空気通過孔11aが仕切り部材30の第1の連通孔33から離れた位置に形成されているから、気泡は、第1の連通孔33までの間に他の気泡と合体して更に大きな気泡になり易く、また気泡が消え易い。更に、大きな気泡が気泡溜め21の上下端に接しながら移動することによって、気泡溜め21のインクが第1の連通孔33へ押し出されるので、空気通過孔11aが離れているほど、気泡溜め21の残留インクは減少させられる。その結果、気泡溜め21においては、気泡が発生しにくいと同時に気泡が壊れ易くなる。このことから、空気連通孔11aは第1の連通孔33とは反対側の隅に設けることが望ましい。 さらにインク残量が少なくなると、主インク室5および副インク室20に溜まっているインクの液面が徐々に下がる。副インク室20の連通室23内には、インク液面の移動方向に沿って延びている直角プリズム52の一対のプリズム反射面52a、52bの背面が露出しているので、インク液面が低下すると、それに伴ってプリズム反射面52a、52bの背面が上側から除去に露出していく。この結果、一対の反射面52a、52bは反射面として機能し始める。副インク室20のインク液面が予め定めた液面位置(例えば、図4に示す位置L)を下回ると、光学式センサ58の受光素子58bの受光量が予め定めた受光量を超える。この受光素子58bの受光量の増加に基づき、インクカートリッジ1のインクが無くなったこと(インクエンド)が検出される。
【0062】
副インク室20の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が僅かになった時点でインクエンドが検出されるので、インク残量が極力少ない状態でインクエンドを検出でき、インクの無駄を抑制できる。なお、プリズム反射面52a、52bによって検出されるインクエンドを、ニアエンドとみなして、次のように処理すると、更にインクの無駄を無くすことができる。すなわち、光学式センサ58によってインクのニアエンドを検出した後に、以降使用されるインク量をカウントし、その値が副インク室20のインク貯留部分22の容積に相当する量に達したときにリアルエンドを確定すれば、インク残量が実質的に無くなる時点までインクを使用可能である。
【0063】
ここで、副インク室20内に生成された気泡が直角プリズム52のプリズム反射面52a、52bの近傍に浮遊していると、気泡間に保持されているインクによって実質的にプリズム反射面52a、52bが覆われた状態に陥ってしまう。この状態になると、インク液面がプリズム反射面52a、52bよりも低下しても、プリズム反射面52a、52bはインクで覆われた状態のままとなり、その反射状態が変化しないので、インクエンドの検出が不可能となってしまう。
【0064】
しかしながら、本例のインクタンク1では、仕切り部材30の水平仕切り板31によって副インク室20の上端部分に気泡溜め21が形成されており、この気泡溜め21によって、インク残量が所定量以下になるとインク液面は気泡から分離された状態で降下する。また、プリズム反射面52a、52bの背面は、インク貯留室22ではなく、当該インク貯留室22と気泡溜め21との間を連通している連通室23内に露出している。よって、気泡がプリズム反射面52a、52bの近傍に浮遊することに起因してインクエンド検出ができなくなるという弊害を回避できる。
【0065】
詳しく説明すると、インク残量が少なくなり、インク液面が第1のフィルタ11の高さ位置よりも低下すると、主インク室5から空気が副インク室20の気泡溜め21内に進入し、気泡を生成する。発生した気泡は当該気泡溜め21に溜まっていく。インク消費に伴ってインク液面が徐々に低下して気泡溜め21の下端よりも低い位置になると、気泡溜め部分21内のインク残量は極僅かになる。気泡溜め21内のインクは主インク室5から進入した空気が気泡を形成するために用いられる。
【0066】
ここで、気泡溜め21と連通室23との間の第1の連通孔33は小さいので、連通室23から気泡溜め21に対して気泡生成用のインクが供給されることが殆ど無い。また、仕切り部材30の仕切り板31の外周側面302aは液密状態で円筒枠202の内周側面205aに接合されているので、これらの間を通ってインク貯留室22から気泡溜め21にインクが供給されてしまうこともない。この結果、主インク室5の側から空気が進入しても気泡の生成は止まり、インク液面は、気泡溜め21内の気泡から分離して連通室23内を徐々に降下する。このように、連通室23内においては、インク液面は気泡から徐々に分離されながら低下していく。
【0067】
連通室23は、その下端部分において狭い第2の連通孔36を介してインク貯留室22に連通しており、当該連通孔36は、プリズム反射面52a、52bに対して下方の離れた位置にある。従って、連通室23内のインクが減っても、連通孔36を介してインク貯留室22の側からインクが当該連通室23に供給されることが殆どない。さらに、本例では、連通孔36の開口縁35b、35cにアールを付けると共に入り隅34a、出隅34bにもアールを付けて、インクが毛細管力によってインク貯留室22の側から連通室23に吸い上げられてしまうことを防止している。よって、連通室23内でインク液面が低下していくと、連通室23には気泡形成用のインクが無くなり、気泡が速やかに消滅する。この結果、インク液面の低下に伴って、応答性良く、プリズム反射面52a、52bが露出して、その反射状態が変化するので、確実にインクエンドが検出される。
【0068】
このように、本例の副インク室20は、仕切り部材30によって、気泡溜め21と、インク貯留室22と、これらの間を連通している連通室23との仕切られており、連通室23内に、プリズム反射面52a、52bの背面が露出している。よって、インク残量が少なくなると、インク貯留室22から連通室23に対して気泡形成用のインクが供給されることを確実に防止あるいは抑制できる。
【0069】
よって、副インク室20内において低下するインク液面は、気泡溜め21によって気泡から分離されながら連通室23の内部を移動し、連通室23内において発生した気泡はインク液面の低下に伴って速やかに消滅する。従って、インクエンド検出用の直角プリズム52反射面52a、52bの近傍に浮遊している気泡間に保持されているインクによって当該反射面52a、52bが覆われてしまうことがない。よって、インク液面Sの低下に伴って、プリズム反射面52a、52bの背面が徐々に露出していき、インク液面が所定の高さ位置を下回った時点で、気泡に阻害されることなくインクエンドが確実に検出される。
【0070】
なお、図8には、連通室23とインク貯留室22とを連通している第2の連通孔36の別の例を示してある。この図に示す連通孔36Aは、垂直仕切り板34の水平底板部分35の先端面に連通室23の側に向けて広がったテーパ35Aをつけることにより、全体として連通室23の側に向けて広がった台形状の断面形状となっている。この断面形状の連通孔36Aを採用しても、当該連通孔36Aを介してインクが連通室23の側に吸い上げられてしまうことを防止できる。
【0071】
また、図8において想像線で示すように、連通孔36Aにおけるインク貯留室22の側の部分にフェルトやフォームなどからなるフィルタ37を取り付けるようにしてもよい。フィルタ37の毛細管力によって連通室23からインクが吸引されるので、連通室23内における気泡形成用のインクを効率良く除去できる。フィルタ37は、連通孔36Aにおける連通室23の側に取り付けてもよい。なお、フィルタ37は第1のフィルタ11よりも目の粗いものとしておけば、インク流路抵抗の不必要な増加を防止できるので好ましい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクタンクでは、インクが吸収保持されたインク吸収体が収納されている大気開放された主インク室と、外部にインクを取り出すためのインク取出し口との間に副インク室を形成し、この副インク室内を、主インク室側の気泡溜めと、インク取出し口側のインク貯留室と、これらの間を連通する連通室とに仕切り、連通室内に背面が露出するように配置した反射面を利用して、インクエンドを検出するようにしている。
【0073】
本発明によれば、副インク室の気泡溜めに気泡が溜まるので、連通室内においては、インク液面が気泡から分離されながらインク消費に伴って低下する。また、連通室にはインク貯留室の側から実質的にインクが供給されないので、連通室内で発生した気泡は速やかに消滅する。従って、反射面の背面が気泡間に保持されたインクによって覆われてインク液面が低下しても反射面の反射状態が変化しないという弊害を確実に防止でき、インクエンドを確実に検出できる。
【0074】
また、本発明では、連通室とインク貯留室とを連通している第2の連通孔を反射面の背面から離した位置に形成してある。また、第2の連通孔の開口縁を凸曲面によって規定して当該連通孔を介してインク貯留室から連通室に向けてインクが吸い上げられないようにしている。従って、本発明によれば、インク貯留室から連通室への気泡形成用のインクの供給を確実に阻止できるので、連通室内での気泡発生を防止あるいは抑制でき、インクエンドを確実に検出できる。
【0075】
さらに、第2の連通孔にフィルタを取り付けて連通室内のインクをフィルタによって吸引するようにすれば、連通室から気泡形成用のインクを除去できるので、連通室内で発生した気泡を速やかに消滅させることができ、インクエンドを速やかに検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明を適用したフォーム式のインクタンクの実施例を示す平面図および正面図である。
【図2】図1のインクタンクを底面側から見た場合の斜視図である。
【図3】図1のインクタンクの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図5】図1のV−V線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図6】図4における副インク室の部分を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図7】(a)は図1の仕切り部材を示す斜視図であり、(b)はその平面図であり、(c)はその立面図である。
【図8】図1のインクタンクにおける第2の連通孔の別の形状、おおび第2の連通孔にフィルタを取り付けた例を示す説明図である。
【符号の説明】
1  インクタンク
2  容器本体
3  容器本体の上側開口
4  容器蓋
5  主インク室
6  フォーム
7  インク取出し口
8  ゴムパッキン
8a インク取出し孔
9 弁
10 コイルばね
11 第1のフィルタ
12 第2のフィルタ
13 大気連通孔
20 副インク室
21 気泡溜め
22 インク貯留室
23 連通室
30 仕切り部材
31 水平仕切り板(第1の仕切り板)
32 円筒
33 第1の連通孔
34 垂直仕切り板(第2の仕切り板)
34a 入り隅
34b 出隅
35 水平底板部分
35a 上面
35b、35c 開口縁
36、36A 第2の連通孔
37 フィルタ
51、52 プリズム
51a、51b、52a、52b 反射面
57、58 光学式センサ
57a、58a 発光素子
57b、58b 受光素子

Claims (12)

  1. インクが吸収保持されたインク吸収体と、
    このインク吸収体が収納されている大気開放された主インク室と、
    インク取出し口と、
    前記主インク室および前記インク取出し口の間に形成されており、前記インク取出し口に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
    前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出するために、背面がインク界面となっている反射面を備えた被検出部とを有し、
    前記副インク室は、前記主インク室に連通している気泡溜めと、前記インク取出し口に連通しているインク貯留室と、前記気泡溜めおよび前記インク貯留室の間を連通している連通室とに仕切られ、
    前記連通室には、前記反射面の背面側の部分が露出しているインクタンク。
  2. 請求項1において、
    前記被検出部の前記反射面は、前記連通室におけるインク液面の移動方向に沿って延びており、
    前記連通室は、前記気泡溜めに連通している第1の連通孔と、前記インク貯留室に連通している第2の連通孔とを備えており、
    前記第1連通孔は前記反射面よりも前記インク液面の移動方向の手前側に位置し、前記第2の連通孔は前記反射面よりも前記インク液面の移動方向の後側に位置していることを特徴とするインクタンク。
  3. 請求項2において、
    前記第2の連通孔は、前記反射面から離れた位置に配置されていることを特徴とするインクタンク。
  4. 請求項2または3において、
    前記第2の連通孔における前記連通室側の開口縁部分および前記インク貯留室側の開口縁部分のうち、少なくとも前記連通室側の開口縁部分を凸曲面としたことを特徴とするインクタンク。
  5. 請求項4において、
    前記第2の連通孔における前記連通室側の断面形状を、前記連通室側に向けて広がった台形形状としたことを特徴とするインクタンク。
  6. 請求項2ないし5のうちのいずれかの項において、
    前記第2の連通孔と前記インク貯留室との間に多孔質部材を配置したことを特徴とするインクタンク。
  7. 請求項6において、
    前記副インク室は、第1のフィルタによって前記主インク室と仕切られ、第2のフィルタによって前記インク取出し口と仕切られており、
    前記第1のフィルタは、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成されており、
    前記第2のフィルタは、前記第1のフィルタよりも目が細かく、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によってインクのみを通過可能な多孔質材料から形成されており、
    前記多孔質部材は、前記第1のフィルタよりも目の粗い素材から形成されていることを特徴とするインクタンク。
  8. 請求項7において、
    前記多孔質部材はフォームまたはフェルトであることを特徴とするインクタンク。
  9. 請求項2ないし8のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室内に配置した仕切り部材を有し、
    この仕切り部材は、前記気泡溜めと前記インク貯留室および前記連通室との間を仕切っている第1の仕切り板と、前記インク貯留室と前記連通室との間を仕切っている第2の仕切り板とを備えていることを特徴とするインクタンク。
  10. 請求項1ないし9のうちのいずれかの項において、
    前記反射面は一対のプリズム反射面であることを特徴とするインクタンク。
  11. 請求項1ないし10のうちのいずれかの項に記載のインクタンクにおけるインクエンドを検出するインクエンド検出機構であって、
    前記インクタンクに形成されている前記被検出部と、
    前記被検出部の前記反射面の反射状態の変化を検出する検出部と、
    を有していることを特徴とするインクエンド検出機構。
  12. 請求項1ないし10のうちのいずれかの項に記載のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、
    前記インクタンクの前記被検出部における前記反射面の反射状態の変化を検出する検出部を有していることを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP2002286137A 2002-09-30 2002-09-30 インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ Withdrawn JP2004122397A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002286137A JP2004122397A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002286137A JP2004122397A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004122397A true JP2004122397A (ja) 2004-04-22

Family

ID=32279267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002286137A Withdrawn JP2004122397A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004122397A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016203498A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 セイコーエプソン株式会社 液体供給ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016203498A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 セイコーエプソン株式会社 液体供給ユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100545511B1 (ko) 잉크탱크 및 그것을 사용하는 잉크젯프린터
US8123328B2 (en) Ink tank and ink jet printer incorporating the same
JP4217659B2 (ja) インクジェット記録用インクタンク
KR100543403B1 (ko) 잉크 탱크 및 잉크젯 프린터
JP2004017599A (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP2004122397A (ja) インクタンク、インクエンド検出機構およびインクジェットプリンタ
JP4013642B2 (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP2003237097A (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP2004009716A (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP2003237099A (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP2003237096A (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
JP3800204B2 (ja) インクタンクおよびインクジェットプリンタ
CA2617221C (en) Ink tank and ink jet printer incorporating the same
JP5862019B2 (ja) 液体容器
JP4048813B2 (ja) 光学式検出装置、インクタンク及びインクジェットプリンタ
JP2003311996A (ja) インクタンク、インク供給システムおよびインクジェットプリンタ
JP4110791B2 (ja) フォーム式インクタンク及びその製造方法並びにインクジェットプリンタ
JP2002086756A (ja) インクタンク、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP2002326369A (ja) インクタンクのインクエンド検出方法および検出装置
JP2003145794A (ja) インクタンク、プリンタ及びプリンタシステム
JP2013049199A (ja) 液体容器
JP2004358793A (ja) インクカートリッジの残量検出方法、インクカートリッジの残量検出システム、インクジェットプリンタ及びインクカートリッジ
JP2006272903A (ja) インクタンク
JP2008030497A (ja) インクタンク

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110