JP2004009716A - インクタンクおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

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中澤 千代茂
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Abstract

【課題】インクが無くなったことを簡単な構成により正確に検出可能な検出部を備えたフォーム式のインクタンクを提案すること。
【解決手段】フォーム式のインクタンク1の主インク室5とインク取出し孔7の間には副インク室30が形成され、ここに進入する空気量が増加すると、インク界面となっている直角プリズム52の反射面が本来の反射面に復帰してインクエンドを検出可能である。直角プリズム52に、気泡の直径より幅の小さい矩形の凹部を設け、ここに一対の反射面を形成してある。インク界面となる反射面が、気泡が侵入しない凹部内に設けられているので、副インク室内に発生した気泡間に保持されているインクによって反射面の背面が覆われて、インク液面が低下しても反射面の反射状態が変化しなくなり、インクエンド検出ができないという不具合を解消できる。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収保持したフォームを備えたインクタンクに関し、特に、インクが無くなった状態(インクエンド)を精度良く検出可能な検出機構を備えたインクタンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのインクタンクとしてはフォーム式のインクタンクが知られている。このフォーム式のインクタンクは、インクを吸収保持したフォームが収納されているフォーム収納部と、このフォーム収納部に連通したインク取出し孔と、フォーム収納部を大気開放している通気孔とを有している。インク取出し孔から、インクジェットヘッドの吐出圧力によってインクを吸引すると、吸引したインク量に対応する空気が通気孔からフォーム収納部に流入するようになっている。
【0003】
ここで、フォーム式のインクタンクの場合におけるインクの有無の検出は、インクジェットヘッドから吐出されるインクドット数や、インクジェットヘッドからインクを吸引するインクポンプのインク吸引量等に基づき、使用されたインク量をカウントし、このカウント結果に基づき行っている。
【0004】
なお、一般に、インクタンク内のインクが殆ど無くなった状態を「リアルエンド」と呼び、インクタンク内のインクの残量が一定量よりも少なくなった状態を「ニアエンド」と呼んでいるが、本明細書で用いる「インクエンド」とは、特に断りのない限り両者を含むものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インク使用量等をカウントしてインクエンドを検出するインクエンド検出方法は次のような問題点がある。インクジェットヘッドのインク吐出量、およびインクポンプによるインク吸引量にはばらつきがあるので、これらに基づきカウントされたインク使用量は、実際のインク使用量に比べて大きくばらつく。このために、インクエンドを確定するためには大きなマージンを設ける必要がある。この結果、インクエンドが検出された時点において、多量のインクが残っている場合があり、インクが無駄になることが多い。
【0006】
そこで、プリズム反射面の背面をインク界面としておき、インクが無くなるとプリズム反射面が本来の反射面に戻るという光学特性を利用した光学式の検出システムを用いて、インクエンドを直接的に検出することが考えられる。プリズム反射面を利用した検出システムは、例えば特開平10−323993号公報、米国特許第5,616,929号公報に開示されている。
【0007】
しかしながら、フォーム式のインクタンクの場合には、インクがフォームに吸収保持されているので、上記公報に開示されている検出システムをそのまま適用することが不可能である。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、フォーム式のインクタンクにおけるインクエンドを、背面がインク界面となっている反射面を利用して精度良く検出可能な検出部を有するインクタンクを提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、副インク室内で発生する気泡に起因して反射面の反射状態がインク液面が低下しても変化しないという弊害を解消可能なインクタンクを提案することにある。
【0010】
また、本発明の別の課題は、かかるインクタンクの反射面の反射状態を検出することにより精度良く、且つ確実にインクエンドを検出可能なインクジェットプリンタを提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のインクタンクは、
インクが吸収保持されたフォームと、
このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し孔と、
前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
前記被検出部は、前記副インク室内において背面がインク界面となっているプリズム面を備え、
当該プリズム面に設けた矩形の凹部の底面が一対の光反射面であることを特徴としている。
【0012】
本発明では、主インク室とインク取出し孔の間に副インク室が形成され、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっている反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0013】
これに加えて、本発明では、インク界面となっているプリズム面に矩形の凹部を設け、その底面を一対の反射面とされているので、凹部に気泡が侵入せず、それ故反射面背面に気泡が付着せず、副インク室内に発生した気泡が反射面背面に付着あるいはその近傍に浮遊して、気泡間に保持されているインクによって当該反射面が覆われてしまうという事態を回避できる。
【0014】
この結果、副インク室内のインク液面が反射面よりも低下したにも拘わらず、反射面が気泡間に保持されているインクによって覆われたままとなり、当該反射面の反射状態が変化せずに、インクエンド検出ができないという弊害を回避できる。
【0015】
ここで、プリズム面に設けた前記凹部の幅が、前記副インク室で発生する前記気泡の直径よりも小さい寸法とすれば、副インク室内に発生した気泡が反射面背面に付着、あるいはその近傍に浮遊することを防止できる。更に、発生する気泡の直径は、略0.5mmより大きいので、前記凹部の幅を0.5mm以下とすることが好ましい。
【0016】
次に、本発明では、インク界面となっている前記凹部及びそのプリズム面周辺の背面は撥水処理が施された表面とされているので、反射面背面に気泡が付着せず、また反射面背面に付着した気泡は当該反射面背面の撥水力によって破裂して消滅する。従って、副インク室内に発生した気泡が反射面背面に付着あるいはその近傍に浮遊して、気泡間に保持されているインクによって当該反射面が覆われてしまうという事態をより確実に回避できる。
【0017】
また、本発明において、前記撥水処理が施された表面は、撥水材料が塗布された表面とすることができる。この場合、前記撥水材料として、フッ素系コーティング材を用いることができる。また、フッ素系コーティング材として、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材を用いることができる。
【0018】
次に、インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡を主インク室から副インク室内に導入可能とするためには、前記副インク室を前記主インク室に連通している主インク室側連通口に第1のフィルタを取り付け、この第1のフィルタを、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成すればよい。
【0019】
この場合、副インク室内に発生した気泡がインク取出し孔の側に排出されないようにするためには、前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口に、第2のフィルタを取り付け、この第2のフィルタを、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成すればよい。
【0020】
次に、本発明のインクタンクは、
インクが吸収保持されたフォームと、
このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し孔と、
前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
前記被検出部は、前記副インク室内において背面がインク界面となっているプリズム面を備え、
当該プリズム面に設けた矩形の凸部の上面が一対の光反射面であることを特徴としている。
【0021】
本発明のインクタンクにおいても、主インク室とインク取出し孔の間に副インク室が形成され、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっている反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0022】
また、インク界面となっているプリズム面に矩形の凸部を設け、その上面を一対の反射面とされているので、反射面が気泡間に保持されているインクによって覆われてしまうという事態を回避できる。
【0023】
この結果、副インク室内のインク液面が反射面よりも低下したにも拘わらず、反射面が気泡間に保持されているインクによって覆われたままとなり、当該反射面の反射状態が変化せずに、インクエンド検出ができないという弊害を回避できる。
【0024】
次に、本発明では、インク界面となっている前記凸部及びそのプリズム面周辺の背面は撥水処理が施された表面とされているので、反射面背面に気泡が付着せず、また反射面背面に付着した気泡は当該反射面背面の撥水力によって破裂して消滅する。従って、副インク室内に発生した気泡が反射面背面に付着あるいはその近傍に浮遊して、気泡間に保持されているインクによって当該反射面が覆われてしまうという事態をより確実に回避できる。
【0025】
また、本発明において、前記撥水処理が施された表面は、撥水材料が塗布された表面とすることができる。この場合、前記撥水材料として、フッ素系コーティング材を用いることができる。また、フッ素系コーティング材として、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材を用いることができる。
【0026】
次に、インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡を主インク室から副インク室内に導入可能とするためには、前記副インク室を前記主インク室に連通している主インク室側連通口に第1のフィルタを取り付け、この第1のフィルタを、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成すればよい。
【0027】
この場合、副インク室内に発生した気泡がインク取出し孔の側に排出されないようにするためには、前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口に、第2のフィルタを取り付け、この第2のフィルタを、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成すればよい。
【0028】
一方、本発明は、上記構成のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、前記インクタンクの前記被検出部を検出する検出部を備えていることを特徴としている。本発明のインクジェットプリンタによれば、検出部の反射面の反射状態がインク液面の低下に伴って確実に変化するので、確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクタンクの実施例を説明する。なお、以下の実施例はインクジェットプリンタのタンク装着部に対して着脱可能に装着されるインクタンクに対して本発明を適用した例である。しかし、本発明は、インクジェットプリンタに予め配置されたインクタンクに対しても同様に適用可能である。
【0030】
[実施例1]
(全体構成)
図1(a)および(b)は本発明を適用した実施例1に係るフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図であり、図2は当該インクタンクを底面側から見た場合の斜視図であり、図3は当該インクタンクの分解斜視図である。
【0031】
本例のインクタンク1は、インクジェットプリンタ(図示せず)に形成されているタンク装着部(図示せず)に対して着脱可能に装着して使用される。このインクタンク1は、上側が開口した直方体の容器本体2と、この上側開口3を封鎖している容器蓋4とを有し、これらの内部に主インク室5が形成され、ここに、インクが吸収保持された全体として直方体形状のフォーム6が収納されている。
【0032】
容器本体2の底面にはインク取出し孔7が形成されており、このインク取出し孔7には円盤状のゴムパッキン8が装着されており、その中心に開けた貫通孔8aがインク取出し口とされている。インク取出し孔7におけるゴムパッキン8よりも奥の部分には、インク取出し口8aを封鎖可能な弁9が配置されており、この弁9は常にコイルばね10によってゴムパッキン8に押し付けられ、インク取出し口8aを封鎖している。
【0033】
主インク室5は、第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって仕切られている副インク室30を介してインク取出し孔7に連通している。また、容器蓋4に形成された大気連通孔13を介して大気開放されている。従って、主インク室5に装着したフォーム6に吸収保持されているインクが、インク取出し孔7を介して吸引されると、吸引されたインクに対応する分の空気が、大気連通口13から主インク室5に入り込む。
【0034】
なお、容器蓋4の大気連通孔13は、容器蓋表面に刻まれた屈曲状の溝13aに繋がっており、この溝13aの端13bは容器蓋4の縁端近傍まで延びている。インクタンク1の出荷時には、容器蓋4の大気連通孔13および溝13aが形成されている部分はシール14が貼り付けられており、使用時には、当該シール14の切り取り線14aに沿って当該シール14の一部14bを剥がすことにより、溝13aの端13bが露出し、大気連通孔13が大気開放状態になる。
【0035】
また、容器底面のインク取出し孔7の部分もシール15が貼り付けられており、インクタンク1をインクジェットプリンタのタンク装着部に装着するとタンク装着部に取り付けられているインク供給針(図4(b)参照)がシール15を破って当該インク取出し口8aに差し込まれて、当該インクタンク1が装着状態になる。
【0036】
次に、図4は図1のIV−IV線で切断した部分のインクタンク1の断面図であり、図5は図1のV−V線で切断した部分のインクタンク1の断面図であり、図6は図1のVI−VI線で切断した部分のインクタンク1の断面図である。
【0037】
これらの図を参照して、インク取出し孔7と主インク室5の間に形成されている副インク室30を含むインク通路部分の構造を説明する。まず、容器本体2の底板部分21には、矩形断面の筒状枠22が当該底板部分21を貫通して上下に垂直に延びている。この筒状枠22における主インク室5内に垂直に起立している上側筒状枠部分23の上端には長方形の連通口25(主インク室側連通口)が形成されている。この連通口25には長方形の第1のフィルタ11が取り付けられている。
【0038】
この筒状枠22の容器底板部分21から下方に垂直に突出している下側筒状枠部分24の下端開口は、これに一体形成されている枠底板部分24aによって封鎖されており、当該枠底板部分24aの略中央からは、全体として円筒状の突出部分26が上方に垂直に延びる状態で一体形成されている。この突出部分26の中心孔はインク取り出し孔7に連通したインク通路27とされており、ここにゴムパッキン8、弁9およびコイルばね10が装着されており、当該コイルばね10のばね受け28が突出部分26の内周面に一体形成されている。
【0039】
この突出部分26は、上記の第1のフィルタ11よりも所定距離だけ下の位置までに延びており、その上端に形成されている円形の連通口29(取出し孔側連通口)には第2のフィルタ12が取り付けられている。
【0040】
本例の第1のフィルタ11は、インクを通すと共に、インク取出し孔7に作用するインク吸引力によって、気泡が通過可能な多孔質材料から形成されている。すなわち、インク吸引力によってメニスカスが破壊する毛管引力となる孔サイズの多孔質材料から形成されている。この第1のフィルタ11は、例えば、不織布やメッシュフィルタ等から形成されている。
【0041】
これに対して、第2のフィルタ12は、インクを通すが、インク取出し孔に作用するインク吸引力によっては気泡が通過することのない多孔質材料から形成されている。すなわち、インク吸引力によってはメニスカスが破壊しない毛管引力となる細かな孔サイズの多孔質材料から形成されている。また、この第2のフィルタ12は、インクに混入している異物を捕捉可能な孔サイズのものである。この第2のフィルタ12も不織布やメッシュフィルタ等から形成することができる。
【0042】
ここで、インク吸引力とは、インク供給対象のインクジェットヘッド(図示せず)でのインク吐出圧力によりインク取出し孔7に作用するインク吸引力である。
【0043】
次に、本例の副インク室30には、インク吸い上げ用のコップ状キャップ31が配置されている。このコップ状キャップ31によって、副インク室30の底に溜まっているインクを上方に位置している第2のフィルタ12が取り付けられている連通口29まで吸い上げるようにしている。
【0044】
図7(a)および(b)は、このコップ状キャップ31を示す斜視図および断面図である。図4ないし図7を参照して説明すると、このコップ状キャップ31は、円筒状胴部32と、この上端開口を封鎖している天板部分33とを備えており、その下端開口34の円形端面35には、所定角度間隔で形成された複数の突起が垂直に突出している。本例では90度間隔で同一高さの4個の突起36が形成されている。円筒状胴部32の内周面は、その下端側内周面部分37と、この上側に連続して僅かに内側にせり出したテーパ付き内周面部分38と、この上側に連続している小径の上端側内周面部分39を備えている。
【0045】
この形状のコップ状キャップ31は、インク室30の中に形成されている円筒状の突出部分26に対して上側からキャッピングした状態で取り付けられている。突出部分26の外周面は、下端側部分が僅かに大きな大径外周面部分41とされ、この上端側部分が小径外周面部分42とされ、これらの間には環状段面43が形成されている。図6に示すように、小径外周面部分42には、所定の角度間隔で外方に突出したリブ44が形成されている。本例では90度間隔で4本のリブ44が形成されており、これらのリブ44の突出量は同一であり、上下方向に所定の長さとされている。また、これらのリブ44の突出量は、これらがコップ状キャップ31の上端側外周面部分39にちょうど嵌り込むように設定されている。
【0046】
コップ状キャップ31を突出部分26にキャッピングすると、4本のリブ44によってコップ状キャップ31が位置決めされ、コップ状キャップ31の内周面と突出部分26の外周面の間には4本のインク吸い上げ用の円弧状断面の隙間45が形成される。また、コップ状キャップ31における下端の円形端面35に形成した突起36の下面から天板部分33の裏面までの高さ寸法は、突出部分26の高さ寸法よりも所定量だけ大きく設定されている。従って、キャッピング状態では、突出部分26の上端に取り付けた第2のフィルタ12とコップ状キャップ31の天板部分33の裏面の間には、所定間隔のインク通路用の隙間46が形成され、この隙間46が隙間45に連通している。さらには、キャッピング状態においては、コップ状キャップ31の下端に形成された4個の突起36の間には、一定幅の4本の円弧状断面の隙間47が形成される。この円弧状断面の隙間47は上記の円弧状断面の隙間45に連通している。
【0047】
ここで、隙間45、46、47を適切な幅に設定しておくことにより、ここにインクによるメニスカスが形成され、毛細管引力によって、隙間47から隙間45を通ってインクが吸い上げられて、隙間46を通って第2のフィルタ12を経由して突出部分上端の連通口29に到るインク吸い上げ用通路を形成することができる。このようにすると、副インク室30に溜まっているインク量が減って、その液面が第2のフィルタ12よりも低くなった場合においても、副インク室30内のインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げて、インク通路27からインク取出し孔7に供給することができる。
【0048】
また、本例では、コップ状キャップ31の外周面32aが副インク室30を形成している筒状枠22の内側側面22aから所定幅だけ離間した状態となるようにしてある。コップ状キャップ31の外周面32aが筒状枠22の内側側面22aに接触すると、副インク室30の内部が接触位置を境として左右に分断されてしまい、副インク室30内に溜まっているインクを効率良く吸い上げることができなくなるおそれがある。本例では、コップ状キャップ31によって副インク室30に溜まっているインクを効率良く吸い上げることができる。
【0049】
(検出部)
次に、本例のインクタンク1には、当該インクタンク1がインクジェットプリンタの装着部に装着されたか否かを光学的に検出するために用いる直角プリズム51が配置されている。また、副インク室30に溜まっているインク残量が所定量を下回ったことを光学的に検出するために用いる直角プリズム52が配置されている。
【0050】
図3、図5、図6および図8を参照して説明すると、容器本体2の側板部分53の下端部分には、横長の矩形板54が接着固定されており、この矩形板54の内側面には直角プリズム51および52が一定の間隔で一体形成されている。直角プリズム51は直交する一対の反射面51a、51bを備えている。直角プリズム52は一対の面52a、52bを備えており、これらの面にはそれぞれ矩形の凹部52c、52dが形成され、凹部52c、52dには一対の反射面52e、52fが形成されている。
【0051】
一方の直角プリズム51は、一定隙間の空気層55を介して容器本体2の側板部分53に対峙している。すなわち、側板部分53には直角プリズム51に対応した形状の凹部56が形成されており、これにより各反射面51a、51bは一定隙間の空気層55を介して主インク室5の側板部分53に対峙している。
【0052】
これに対して、他方の直角プリズム52は、副インク室30を形成している筒状枠22に開けた開口部22bから直接に副インク室30の内部に露出している。すなわち、一対のプリズム面52a、52bと凹部52c、52dの背面がインク界面となっている。従って、副インク室30のインク液面が当該直角プリズム52の取り付け位置よりも上側にある場合には、各反射面52e、52fはインクに接して反射面として機能しない。しかるに、インク液面が下方に下がると、各反射面52e、52fは本来の反射面として機能を徐々に取り戻す。
【0053】
次に、図6に示すように、インクタンク1が装着されるインクジェットプリンタ(図示せず)の側には、反射型の光学式センサ57、58が取り付けられている。これらの光学式センサ57、58は、発光素子57a、58aと受光素子57b、58bを備えている。光学式センサ57は、その発光素子57aからの射出光を反射面51aに対して45度の角度で入射させ、この反射面51aおよび反射面51bで反射された戻り光を受光素子57bにより受光できるように、その位置が設定されている。同様に、光学式センサ58も、その発光素子58aから射出光を反射面52eに45度の角度で入射させ、この反射面52eおよび反射面52fで反射された戻り光を受光素子58bにより受光できるように、その位置が設定されている。
【0054】
(検出動作)
本例のインクタンク1がインクジェットプリンタの装着部に装着されたか否かの検出、およびインクタンク1のインクエンド検出は、次のように行われる。
【0055】
インクタンク1をインクジェットプリンタの装着部に装着すると、図4(b)に示すように、インクジェットプリンタの側に配置されているインク供給針61の先端部分が、インクタンク1のインク取出し孔7に装着したゴムパッキン8の貫通孔8aを貫通して、インク通路27内に位置している弁9を押し上げた状態になる。
【0056】
この結果、インク取出し孔7が開いた状態になるので、インクタンク1の主インク室5内のフォーム6に吸収保持されているインクが、第1のフィルタ11、副インク室30を介してインク通路27に流れ込み、インク供給針61を通って、インクジェットプリンタ側のインクジェットヘッドに供給可能となる。このようなインク供給機構は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0057】
インクタンク1がこのように装着されると、その側面に形成されている直角プリズム51がインクジェットプリンタ側の光学式センサ57に対峙した状態になる。従って、光学式センサ57からの射出光は、直角プリズム51の反射面51a、51bで反射されて当該光学式センサ57によって受光され、これによって、インクタンク1が装着されたことが検出される。
【0058】
次に、インクジェットヘッドが駆動されてインク吐出が行われると、インク吐出圧力によってインク取出し孔7にはインク吸引力が作用して、インクジェットヘッドに向けてインクが供給される。インクが供給されてフォーム6に保持されているインクが減少すると、それに伴って、大気連通口13を介して空気が主インク室5内に入り込む。図4(a)において一点鎖線で示すように、インクの消費に伴ってフォーム6に含浸されているインクが徐々に減少し、それに代って気泡がフォーム6内に入り込む。フォーム6内のインク残量が少なくなると、空気が第1のフィルタ11を通って副インク室30に進入して副インク室30内に気泡を生成する。副インク室30とインク取出し孔7の側の間を仕切っている第2のフィルタ12は気泡を通さないので、副インク室30の内部に気泡が徐々に溜まっていく。
【0059】
さらにインク残量が少なくなると、主インク室5および副インク室30に溜まっているインクの液面が徐々に下がり、副インク室30内に露出している直角プリズム52の一対の反射面52e、52fが徐々にインク液面から露出する。この結果、一対の反射面52e、52fは反射面として徐々に機能し始める。副インク室30のインク液面が予め定めた液面位置(例えば、図5に示す位置L)を下回ると、光学式センサ58の受光素子58bの受光量が予め定めた受光量を超える。この受光素子58bの受光量の増加に基づき、インクタンク1のインクが無くなったこと(インクエンド)が検出される。
【0060】
副インク室30の容積を充分に小さくしておけば、ここのインク残量が僅かになった時点でインクエンドが検出されるので、インク残量が極力少ない状態でインクエンドを検出でき、インクの無駄を抑制できる。なお、この状態をニアエンドとみなして、次のように処理すると、更にインクの無駄を無くすことができる。すなわち、光学式センサ58によってインクのニアエンドを検出した後に、以降使用されるインク量をカウントし、その値が副インク室30の容積に相当する量に達したときにリアルエンドを確定すれば、インク残量が実質的に無くなる時点までインクを使用可能である。
【0061】
特に、本例では、コップ状キャップ31を用いて、副インク室30の底部分に溜まっているインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げるためのインク吸い上げ機構が形成されている。従って、光学式センサ58によるインクのニアエンド検出からインク使用量をカウントしてリアルエンド検出を行う場合、副インク室30に溜まっているインクが実質的に全て吸い上げられてインク取出し孔7からインクジェットヘッドに供給されるので、副インク室30にインクが実質的に無くなった時点でインクのリアルエンドを検出可能となり、当該リアルエンド検出の検出精度を高めることができる。
【0062】
ここで、本例のインクタンク1においては、その直角プリズム52の一対の面52a、52bそれぞれに矩形の凹部52c、52dを設け、ここに一対の反射面52e、52fを形成している。この構成とすることにより、次のような作用効果が得られる。
【0063】
すなわち、インク残量の減少に伴って空気が副インク室30に進入して気泡が発生すると、副インク室30の内部においてはインク液面よりも上の空間は気泡で満たされた状態になり、この状態でインク液面が低下していく。このために、インク液面がプリズム面52a、52bの上端から徐々に低下していく状態では、インク液面から露出したプリズム面52a、52bの近傍には気泡が浮遊している。従って、図8(b)に示すように、インク液面がプリズム面52a、52bより低くなっても、これらの近傍に浮遊している気泡の間に保持されているインクによってプリズム面52a、52bの背面が覆われたままの状態に陥るおそれがある。この状態になると、プリズム面52a、52bは反射面として機能しないので、インクエンド検出ができない。
【0064】
しかしながら、本例では、図8(a)に示すように、副インク室30内においてインク界面となっているプリズム面52a、52bそれぞれに、矩形の凹部52c、52dを設け、ここに一対の反射面52e、52fを形成している。凹部の幅tを気泡の直径より小さくすることで、気泡Bが凹部52c、52dに侵入せず、それ故気泡Bが反射面52e、52fの背面に付着しない。気泡の直径は、略0.5mmより大きいため、凹部の幅tは0.5mm以下に設定することが望ましい。この結果、インク液面が低下して反射面52e、52fが露出すると、当該反射面の反射状態が変化して、インクエンドを確実に検出できる。
【0065】
(実施例の効果)
以上説明したように、本例のインクタンク1では、主インク室5とインク取出し孔7の間に小さな容積の副インク室30を形成し、主インク室5の側からここに気泡を導入可能とし、当該副インク室30からインク取出し孔7の側には気泡が流出しないようにし、当該副インク室30内において背面がインク界面とされているプリズム反射面52e、52fによる反射光量に基づきインクエンドを検出している。従って、インクタンク1からのインク吐出回数やインクポンプによるインク吸引量をカウントした結果に基づきインクタンク1のインクエンドを検出する場合に比べて、極めて正確にインクエンドを検出できる。よって、インクエンド検出時におけるインクタンクのインク残量を少なくでき、インクの無駄を抑制できる。
【0066】
また、本例では、副インク室30内に露出しているインクエンド検出用のプリズム面52a、52bそれぞれに、気泡の直径より幅の小さい矩形の凹部52c、52dを設け、ここに一対の反射面52e、52fを形成してある。インク界面となる反射面52e、52fが、気泡が侵入しない凹部内に設けられているので、副インク室30内に発生した気泡によって反射面52e、52fの背面が包まれ、気泡間に保持されているインクによって反射面52e、52fの背面が覆われて、インク液面が低下してもそれらの反射状態が変化しなくなるという弊害を回避できる。よって、プリズム面52a、52bに矩形の凹部52c、52dを設けるという極めて簡単な構成によって確実にインクエンド検出を行うことが可能になる。
【0067】
次に、本例では、副インク室30の内部にインク取出し孔7に通ずるインク通路27を突出させることにより、これらが形成されているインクエンド検出のための構成部分をコンパクトにしてあるので、インクタンクの設置スペースの増加を抑制できるという利点がある。また、このインク通路27にインク取出し孔7を封鎖している弁9およびコイルばね10などを配置してあるので、当該インク取出し部分もコンパクトに構成できる。
【0068】
(実施例1の変形例)
本例では、直角プリズム52の一対の面52a、52bに気泡の直径より幅の小さい矩形の凹部52c、52dを設け、ここに一対の反射面52e、52fを形成しているが、凹部の幅を任意として凹部及びその周辺に撥水処理を施してもよい。すなわち図8(c)に示すように、プリズム52の凹部52c、52dや反射面52e、52fの背面は、撥水材料60が塗布された撥水処理された表面とされている。撥水材料としては、透明なフッ素系コーティング材、例えば、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材を用いることができる。
【0069】
このようにすれば、気泡Bが凹部52c、52dや反射面52e、52fに付着しない。また、反射面52e、52fに付着した場合には、気泡Bは当該反射面の撥水力によって弾けて消失する。よって、より確実に、気泡Bを反射面52e、52fの近傍から遠ざけることができる。この結果、インク液面が低下して反射面52e、52fが露出すると、当該反射面の反射状態が変化して、インクエンドをより確実に検出できる。
【0070】
また、本例では、コップ状キャップ31を取り付けているがこれを省略することも可能である。
【0071】
さらに、コップ状キャップ31を配置してある場合には、副インク室30とインク取り出し孔7の連通口29に取り付けてある第2のフィルタ12を省略することも可能である。
【0072】
[実施例2]
上記の実施例1では、直角プリズムに気泡の直径より幅の小さい矩形の凹部を設け、ここに一対の反射面を形成することにより、反射面から気泡を遠ざけて気泡間に保持されているインクによって反射面が覆われてしまうという弊害を回避している。この代わりに、直角プリズムに凸部を設け、ここに一対の反射面を形成することにより、反射面が気泡間に保持されているインクによって覆われてしまうという弊害を回避することもできる。
【0073】
図9(a)は、凸部に一対の反射面を形成した構成の直角プリズムを示す図である。本例のインクタンクの主要構成や検出動作は実施例1と同様であるので、それらの詳細な説明は省略するものとする。
【0074】
本例のインクタンクも、主インク室5と、副インク室30と、インク取出し孔7と、大気連通口13と、インクエンド検出用の直角プリズム52を備えており、本例のインクタンクを装着するインクジェットプリンタ(図示せず)の側には、直角プリズム52からの反射光量に基づきインクエンドを検出する光学式センサ(フォトインタラプタ)58を備えている。
【0075】
ここで、本例の直角プリズム52においては、一対の面52a、52bそれぞれに矩形の凸部52g、52hを設け、ここに一対の反射面52i、52jを形成している。この構成とすることにより、次のような作用効果が得られる。
【0076】
すなわち、矩形の凸部52g、52hを設け、ここに一対の反射面52i、52jを形成することで、これらの近傍では気泡Bが密な状態で存在できず、それ故、浮遊している気泡Bの間にインクが保持されることがないので、プリズム52の反射面52i、52jの背面がインクで覆われたままの状態に陥るおそれが無くなる。
【0077】
この結果、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面52i、52jが、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面52i、52jの反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室30の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0078】
(実施例2の変形例)
本例では、直角プリズム52の一対の面52a、52bに矩形の凸部52g、52hを設け、ここに一対の反射面52i、52jを形成しているが、凸部及びその周辺に撥水処理を施してもよい。すなわち図9(b)に示すように、プリズム52の凸部52g、52hや反射面52i、52jの背面は、撥水材料60が塗布された撥水処理された表面とされている。撥水材料としては、透明なフッ素系コーティング材、例えば、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材を用いることができる。
【0079】
このようにすれば、気泡Bが凸部52g、52hや反射面52i、52jに付着しない。また、反射面52i、52jに付着した場合には、気泡Bは当該反射面の撥水力によって弾けて消失する。よって、より確実に、気泡Bを反射面52i、52jの近傍から遠ざけることができる。この結果、インク液面が低下して反射面52i、52jが露出すると、当該反射面の反射状態が変化して、インクエンドをより確実に検出できる。
【0080】
[その他の実施の形態]
実施例1では一対の面52a、52bにそれぞれ矩形の凹部52c、52dを設けここに一対の反射面52e、52fを形成してあり、実施例2ではそれぞれ矩形の凸部52g、52hを設けここに一対の反射面52i、52jを形成してあるが、これら双方を組み合わせた構成を採用することも可能である。即ち、面52aに矩形の凹部52cを設けここに反射面52eを形成し、面52bに矩形の凸部52hを設けここに反射面52jを形成して、反射面52eと反射面52jを対応させることも可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクタンクでは、インクが吸収保持されたフォームが収容されている主インク室と、インクをインクジェットプリンタの側に供給するためのインク取出し孔との間に、小さな容積の副インク室を形成し、主インク室の側からここに気泡を導入可能とし、当該副インク室からインク取出し孔の側には気泡が流出しないようにし、当該副インク室のインク液面の低下に応じて反射状態が変化する反射面を用いて、インクタンクのインクエンドを検出可能としている。
【0082】
従って、インクタンクからのインク吐出回数やインクポンプによるインク吸引量をカウントした結果に基づきインクタンクのインクエンドを検出する場合に比べて、極めて正確にインクエンドを検出できる。よって、インクエンド検出時におけるインクタンクのインク残量を少なくでき、インクの無駄を抑制できる。
【0083】
一方、本発明では、副インク室内に露出しているインクエンド検出用のプリズムに、気泡の直径より幅の小さい矩形の凹部を設け、ここに一対の反射面を形成してある。インク界面となる反射面が、気泡が侵入しない凹部内に設けられているので、副インク室内に発生した気泡によって反射面の背面が覆われて、インク液面が低下しても反射面の反射状態が変化しなくなり、インクエンド検出が不可能になってしまうという弊害を回避できる。従って、プリズムに矩形の凹部を設けるという極めて簡単な構成によって、インクエンド検出を確実に行うことが可能になる。
【0084】
また、本発明では、プリズムの凹部やその反射面の背面(インク界面)に撥水処理を施しているので、副インク室の内部で発生した気泡を反射面の背面から遠ざけることができ、また、気泡を撥水力によって破裂させて消失させることができる。よって、気泡間に保持されているインクによって反射面の背面が覆われ、インク液面が低下しても反射面の反射状態が変化しなくなり、インクエンド検出が不可能になってしまうという弊害を回避できる。従って、インクエンド検出を確実に行うことが可能になる。
【0085】
次に、本発明では、副インク室の内部にインク取出し孔に通ずるインク通路を突出させることにより、これらが形成されているインクエンド検出のための構成部分をコンパクトにしてあるので、インクタンクの設置スペースの増加を抑制できるという利点がある。また、このインク通路にインク取出し孔を封鎖している弁およびコイルばねなどを配置してあるので、当該インク取出し部分もコンパクトに構成できる。
【0086】
また、本発明では、直角プリズムに矩形の凸部を設け、ここに一対の反射面を形成したり、更にこれら凸部や反射面周辺の背面(インク界面)に撥水処理を施しているので、気泡が密な状態で存在できず、浮遊している気泡の間にインクが保持されることが無かったり、副インク室の内部で発生した気泡を反射面の背面から遠ざけることができ、また、気泡を撥水力によって破裂させて消失させることができる。従って、反射面の背面が気泡間に保持されているインクにより覆われ、インク液面が低下しても反射面の反射状態が変化せず、インクエンド検出ができないという弊害を回避できる。
【0087】
次に、本発明のインクジェットプリンタは、インク液面の低下に伴って反射状態が確実に変化する反射面を備えたインクタンクをインク供給源としてるので、当該反射面の反射状態に基づき確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明を適用した実施例1に係るフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図である。
【図2】図1のインクタンクを底面側から見た場合の斜視図である。
【図3】図1のインクタンクの分解斜視図である。
【図4】(a)は図1のIV−IV線で切断した場合におけるインクタンクの断面図であり、(b)はインク供給針が差し込まれた状態を示す部分断面図である。
【図5】図1のV−V線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図6】図1のVI−VI線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図7】図1のインクタンクにおけるコップ状キャップを示す図である。
【図8】図1のインクタンクにおける作用効果を示すための説明図であり、(a)は実施例1の作用効果を示すための説明図であり、(b)は従来例を示すための説明図であり、(c)は実施例1の変形例の作用効果を示すための説明図である。
【図9】本発明による実施例2に係るインクタンクにおける作用効果を示すための説明図である。
【符号の説明】
1  インクタンク
2  容器本体
3  容器本体の上側開口
4  容器蓋
5  主インク室
6  フォーム
7  インク取出し孔
8  ゴムパッキン
9  弁
10  コイルばね
11 第1のフィルタ
12 第2のフィルタ
13 大気連通孔
21 容器本体の底板部分
27 インク通路
30 副インク室
31 キャップ
32 胴部
33 天板部分
36 突起
44 リブ
45 インク吸い上げ用の隙間
46 連通部
47 隙間
51、52 プリズム
51a、51b、52e、52f、52i、52j 反射面
52c、52d 凹部
52g、52h 凸部
57、58 光学式センサ
57a、58a 発光素子
57b、58b 受光素子
60 撥水材料
B 気泡

Claims (17)

  1. インクが吸収保持されたフォームと、
    このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
    インク取出し孔と、
    前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
    前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
    前記被検出部は、前記副インク室内において背面がインク界面となっているプリズム面を備え、
    当該プリズム面に設けた矩形の凹部の底面が一対の光反射面であることを特徴とするインクタンク。
  2. 請求項1において、
    プリズム面に設けた前記凹部の幅が、前記副インク室で発生する前記気泡の直径よりも小さい寸法とされていることを特徴とするインクタンク。
  3. 請求項2において、
    前記凹部の幅が、0.5mm以下であることを特徴とするインクタンク。
  4. 請求項1において、
    インク界面となっている前記凹部及びそのプリズム面周辺の背面は撥水処理が施された表面であることを特徴とするインクタンク。
  5. 請求項4において、
    前記撥水処理が施された表面は、撥水材料が塗布された表面であることを特徴とするインクタンク。
  6. 請求項5において、
    前記撥水材料は、フッ素系コーティング材であることを特徴とするインクタンク。
  7. 請求項6において、
    前記フッ素系コーティング材は、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材であることを特徴とするインクタンク。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室を前記主インク室に連通している主インク室側連通口と、
    この主インク室側連通口に取り付けた第1のフィルタとを有し、
    この第1のフィルタは、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。
  9. 請求項8において、
    前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口と、
    この取出し孔側連通口に取り付けられている第2のフィルタとを有し、
    この第2のフィルタは、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。
  10. インクが吸収保持されたフォームと、
    このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
    インク取出し孔と、
    前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
    前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
    前記被検出部は、前記副インク室内において背面がインク界面となっているプリズム面を備え、
    当該プリズム面に設けた矩形の凸部の上面が一対の光反射面であることを特徴とするインクタンク。
  11. 請求項10において、
    インク界面となっている前記凸部及びそのプリズム面周辺の背面は撥水処理が施された表面であることを特徴とするインクタンク。
  12. 請求項11において、
    前記撥水処理が施された表面は、撥水材料が塗布された表面であることを特徴とするインクタンク。
  13. 請求項12において、
    前記撥水材料は、フッ素系コーティング材であることを特徴とするインクタンク。
  14. 請求項13において、
    前記フッ素系コーティング材は、フルオロオレフィン系ポリマーあるいは含フッ素アクリル系コーティング材であることを特徴とするインクタンク。
  15. 請求項10ないし14のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室を前記主インク室に連通している主インク室側連通口と、
    この主インク室側連通口に取り付けた第1のフィルタとを有し、
    この第1のフィルタは、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。
  16. 請求項15において、
    前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口と、
    この取出し孔側連通口に取り付けられている第2のフィルタとを有し、
    この第2のフィルタは、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。
  17. 請求項1ないし16のうちのいずれかの項に記載のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、
    前記インクタンクの前記被検出部を検出する検出部を備えていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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