JP4126920B2 - インクタンクおよびインクジェットプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収保持したフォームを備えたインクタンクに関し、特に、インクが実質的に無くなった状態を精度良く検出可能な被検出部を備えたインクタンク、および当該インクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのインクタンクとしてはフォーム式のインクタンクが知られている。このフォーム式のインクタンクは、インクを吸収保持したフォームが収納されているフォーム収納部と、このフォーム収納部に連通したインク取出し孔と、フォーム収納部を大気開放している大気連通口とを有している。インク取出し孔から、インクジェットヘッドの吐出圧力によってインクを吸引すると、吸引したインク量に対応する空気が大気連通口からフォーム収納部に流入するようになっている。
【0003】
ここで、フォーム式のインクタンクの場合におけるインクの有無の検出は、インクジェットヘッドから吐出されるインクドット数や、インクジェットヘッドからインクを吸引するインクポンプのインク吸引量等に基づき、使用されたインク量をカウントし、このカウント結果に基づき行っている。
【0004】
なお、一般に、インクタンク内のインクが殆ど無くなった状態を「リアルエンド」と呼び、インクタンク内のインクの残量が一定量よりも少なくなった状態を「ニアエンド」と呼んでいるが、本明細書で用いる「インクエンド」とは、特に断りのない限り両者を含むものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インク使用量等をカウントしてインクエンドを検出するインクエンド検出方法は次のような問題点がある。インクジェットヘッドのインク吐出量、およびインクポンプによるインク吸引量にはばらつきがあるので、これらに基づきカウントされたインク使用量は、実際のインク使用量に比べて大きくばらつく。このために、インクエンドを確定するためには大きなマージンを設ける必要がある。この結果、インクエンドが検出された時点において、多量のインクが残っている場合があり、インクが無駄になることが多い。
【0006】
そこで、インクが無くなると本来の反射面に戻るプリズム反射面を利用した光学式の検出システムを用いて、インクエンドを直接的に検出することが考えられる。プリズム反射面を利用した検出システムは、例えば特開平10−323993号公報に開示されている。
【0007】
しかしながら、フォーム式のインクタンクの場合には、インクがフォームに吸収保持されているので、上記公開公報に開示されている検出システムをそのまま適用することが不可能である。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、フォーム式のインクタンクにおけるインクエンドを、背面がインク界面となっている反射面を利用して精度良く検出可能な被検出部を有するインクタンク、および当該インクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタを提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のインクタンクは、
インクが吸収保持されたフォームと、
このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し孔と、
前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記副インク室内のインク残量を光学的に検出可能な被検出部とを有し、
前記被検出部は、背面がインク界面となっている反射面と、前記副インク室に進入した前記気泡の直径より狭い間隔によって前記インクを前記反射面の背面側に導くインク流路とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、主インク室とインク取出し孔の間に副インク室が形成され、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。従って、この副インク室の容積を充分に小さくしておき、当該副インク室内のインク残量に基づきインクタンクのインクエンドを検出すれば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0011】
また、副インク室内に進入したインクは気泡の直径より狭い間隔のインク流路によって反射面の背面側に案内されるので、インク流路の近傍には徐々に気泡が溜まり始め、その後、インク残量の減少に伴ってインク流路内ではインクと気泡とが入れ替わるが、インク流路が気泡の直径より狭い間隔なので、このインク流路に進入した気泡は押し潰された状態で反射面に押し付けられ、面接触状態になる。
すなわち、副インク室内に進入した気泡が反射面の背面側近傍で多数浮遊した状態になると、各気泡間に保持されているインクによって反射面の背面が覆われた状態が形成されてしまう。この状態では、副インク室内が実質的に気泡で覆われてインク無しの状態になっても、反射面の背面が各気泡間に保持されているインクで覆われているので、当該反射面がインク界面のままであり、反射面として機能しない。この結果、副インク室内にインクが無くなりインクエンド状態になっても、それを検出できない。しかしながら、本発明では、反射面の背面側のインク流路部分を通過する気泡は押しつぶされた状態で通過するので、反射面の背面に強く押し付けられ、面接触状態になる。このために、インク界面となっている反射面は非反射状態から反射状態に切り換わり、気泡間に保持されているインクによって光反射面の背面が覆われてしまうという弊害を回避でき、確実にインクエンドを検出できる。
【0012】
ここで、反射面の背面をインク界面とするためには、当該反射面の背面と、この背面に対して所定の間隔で対峙している対向面とによって、前記インク流路の一部を形成すればよい。
【0015】
ここで、前記反射面の背面と前記対向面の間隔を、前記反射面における検出光の入射位置を包含する所定幅の部分と、前記反射面における検出光の反射位置を包含する所定幅の部分とが、これら以外の部分よりも広くなるように、設定することができる。この構成によれば、検出光の入射位置および反射位置の部分を経由する経路に沿って気泡を確実に通過させることができる。よって、インクエンドを確実に検出できる。
【0016】
また、前記反射面の背面と前記対向面とによって形成されている前記インク流路の部分を、前記反射面における検出光の入射位置を包含する所定幅の部分、および/または前記反射面における検出光の反射位置を包含する所定幅の部分にのみ形成してもよい。この構成によっても確実にインクエンドを検出できると共に、インクエンドの被検出部の構造を簡単にすることができる。
【0017】
次に、反射面としては直交する一対のプリズム反射面とすることができる。
【0018】
一方、本発明によるインクタンクは、前記主インク室および前記副インク室を連通している主インク室側連通口と、この主インク室側連通口に取り付けられている第1のフィルタとを有し、この第1のフィルタを、気泡が通過可能な多孔質材料から形成したものとすることができる。
【0019】
また、前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口と、この取出し孔側連通口に取り付けられている第2のフィルタとを有し、この第2のフィルタを、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成したものとすれば、副インク室に進入した気泡がインク取出し孔からインクジェトヘッド側に進入することを防止できる。
【0020】
次に、本発明は、上記構成のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、前記インクタンクの被検出部を検出する検出部を備えていることを特徴としている。本発明のインクジェットプリンタによれば、インクタンクのインクエンドを確実に検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクタンクの実施例を説明する。なお、以下の実施例はインクジェットプリンタのタンク装着部に対して着脱可能に装着されるインクタンクに対して本発明を適用した例である。しかし、本発明は、インクジェットプリンタに予め配置されたインクタンクに対しても同様に適用可能である。
【0022】
[実施例1]
(全体構成)
図1(a)および(b)は本発明を適用した実施例1に係るフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図であり、図2は当該インクタンクを底面側から見た場合の斜視図であり、図3は当該インクタンクの分解斜視図である。
【0023】
本例のインクタンク1は、インクジェットプリンタ(図示せず)に形成されているタンク装着部(図示せず)に対して着脱可能に装着して使用される。このインクタンク1は、上側が開口した直方体の容器本体2と、この上側開口3を封鎖している容器蓋4とを有し、これらの内部に主インク室5が形成され、ここに、インクが吸収保持された全体として直方体形状のフォーム6が収納されている。
【0024】
容器本体2の底面にはインク取出し孔7が形成されており、このインク取出し孔7には円盤状のゴムパッキン8が装着されており、その中心に開けた貫通孔8aがインク取出し口とされている。インク取出し孔7におけるゴムパッキン8よりも奥の部分には、インク取出し口8aを封鎖可能な弁9が配置されており、この弁9は常にコイルばね10によってゴムパッキン8に押し付けられ、インク取出し口8aを封鎖している。
【0025】
主インク室5は、第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって区画されている副インク室30を介してインク取出し孔7に連通している。また、容器蓋4に形成された大気連通孔13を介して大気開放されている。従って、主インク室5に装着したフォーム6に吸収保持されているインクが、インク取出し孔7を介して吸引されると、吸引されたインクに対応する分の空気が、大気連通口13から主インク室5に入り込む。
【0026】
なお、容器蓋4の大気連通孔13は、容器蓋表面に刻まれた屈曲状の溝13aに繋がっており、この溝13aの端13bは容器蓋4の縁端近傍まで延びている。インクタンク1の出荷時には、容器蓋4の大気連通孔13および溝13aが形成されている部分はシール14が貼り付けられており、使用時には、当該シール14の切り取り線14aに沿って当該シール14の一部14bを剥がすことにより、溝13aの端13bが露出し、大気連通孔13が大気開放状態になる。
【0027】
また、容器底面のインク取出し孔7の部分もシール15が貼り付けられており、インクタンク1をインクジェットプリンタのタンク装着部に装着するとタンク装着部に取り付けられているインク供給針(図4(b)参照)がシール15を破って当該インク取出し口8aに差し込まれて、当該インクタンク1が装着状態になる。
【0028】
次に、図4(a)および(b)はそれぞれ図1のIV−IV線で切断した部分のインクタンク1の断面図およびその部分拡大断面図であり、図5は図1のV−V線で切断した部分のインクタンク1の断面図であり、図6は図1のVI−VI線で切断した部分のインクタンク1の断面図である。
【0029】
これらの図に示すように、インク取出し孔7と主インク室5の間には副インク室30が形成されている。すなわち、容器本体2の底板部分21には、矩形断面の筒状枠22が当該底板部分21を貫通して上下に垂直に延びている。この筒状枠22における主インク室5内に垂直に起立している上側筒状枠部分23の上端には長方形の連通口25(主インク室側連通口)が形成されている。この連通口25は長方形の第1のフィルタ11によって封鎖されている。
【0030】
筒状枠22の容器底板部分21から下方に垂直に突出している下側筒状枠部分24の下端開口は、これに一体形成されている枠底板部分24aによって封鎖されており、当該枠底板部分24aの略中央からは、全体として円筒状の突出部分26が上下方向に垂直に延びる状態で一体形成されている。この突出部分26の中心孔はインク取出し孔7に連通したインク通路27とされており、ここにゴムパッキン8、弁9およびコイルばね10が装着されており、当該コイルばね10のばね受け28が突出部分26の内周面に一体形成されている。この突出部分26の上端に形成されている円形の連通口29(取出し孔側連通口)は第2のフィルタ12によって封鎖されている。
【0031】
本例の第1のフィルタ11は、インクを通すと共に、インク取出し孔7に作用するインク吸引力によって、気泡が通過可能な多孔質材料から形成されている。すなわち、インク吸引力によってメニスカスが破壊する毛管引力となる孔サイズの多孔質材料から形成されている。この第1のフィルタ11は、例えば、不織布やメッシュフィルタ等から形成されている。
【0032】
これに対して、第2のフィルタ12は、インクポンプが吸引されている場合を除くインク吸引力がインク取出し孔に作用した場合、インクを通すが気泡が通過することのないように第1のフィルタ11より孔径の小さい多孔質材料から形成されている。この第2のフィルタ12は、インクに混入している異物を捕捉可能な孔サイズのものである。この第2のフィルタ12も不織布やメッシュフィルタ等から形成することができる。
【0033】
ここで、インク吸引力とは、インク供給対象のインクジェットヘッド(図示せず)でのインク吐出圧力によりインク取出し孔7に作用するインク吸引力もしくはインクポンプの吸引力によるものである。
【0034】
次に、本例の副インク室30には、インクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否か、およびインクタンク1のインクエンドを光学的に検出するための被検出部が配置されている。本例の被検出部は、インクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否かを検出するために用いる直角プリズム51と、副インク室30に溜まっているインク残量が所定量を下回ったことを光学的に検出するために用いる直角プリズム52と、第1のフィルタ11を介して副インク室30に進入した気泡を、直角プリズム52の反射面背面(インク界面)に導くためのインク流路60とを備えている。
【0035】
図3、図4、図5および図6を参照して説明すると、容器本体2の側板部分53の下端部分には、横長の矩形板54が溶着固定されており、この矩形板54の内側面には直角プリズム51および52が一定の間隔で一体形成されている。これら直角プリズム51、52はそれぞれ直交する一対の反射面51a、51bおよび52a、52bを備えている。
【0036】
一方の直角プリズム51は、一定隙間の空気層55を介して容器本体の側板部分53に対峙している。すなわち、側板部分53には直角プリズム51に対応した形状の凹部56が形成されており、これにより各反射面51a、51bは一定隙間の空気層55を介して主インク室5の側板部分53に対峙している。これに対して、他方の直角プリズム52は、副インク室30を区画形成している筒状枠22に開けた開口部22bから直接に副インク室30の内部に露出しており、各反射面52a、52bの背面がインク界面となっている。
【0037】
副インク室30の内部には、当該副インク室30を第1のフィルタ11の側の上側部分と、第2のフィルタ12の側の下側部分とに仕切っている仕切り板61が配置され、この仕切り板61によってインク流路60が形成されている。この仕切り板61は副インク室30の内部において、直角プリズム52の反射面52a、52bに対応する高さ位置に配置され、当該副インク室30を上下に二分しており、この仕切り板61と第1のフィルタ11の間に、第1のフィルタ11を介して副インク室30の上側部分に進入したインクおよび気泡を直角プリズム52の反射面52a、52bの背面側に導くインク流路部分63が形成されている。
【0038】
また、仕切り板61には、直角プリズム52の各反射面52a、52bに対して一定の間隔で対峙している一対の対向面61a、61bが形成されており、これら各反射面52a、52bの背面と対向面61a、61bとによって、インク流路部分63に連続したインク流路部分64が形成されている。従って、副インク室30のインク液面が当該直角プリズム52の取り付け位置よりも上側にある場合には、各反射面52a、52bはインクに接しているので、反射面として機能しない。しかるに、インク液面が下方に下がると、各反射面52a、52bは本来の反射面として機能する。
【0039】
このように、副インク室30の内部に形成されているインク流路60はインク流路部分63とインク流路部分64から構成されている。また、本例では、直角プリズム52の各反射面52a、52bの背面がインク界面となっているインク流路部分64の幅は、第1のフィルタ11を介して副インク室30に進入した空気により形成される気泡の直径よりも狭い寸法とされている。
【0040】
ここで、図6に示すように、インクタンク1が装着されるインクジェットプリンタ(図示せず)の側には、反射型の光学式センサ57、58が取り付けられている。これらの光学式センサ57、58は、発光素子57a、58aと受光素子57b、58bを備えている。光学式センサ57は、その発光素子57aからの射出光を反射面51aに対して45度の角度で入射させ、この反射面51aおよび反射面51bで反射された戻り光を受光素子57bで受光できるように、その位置が設定されている。同様に、光学式センサ58も、その発光素子58aから射出光を反射面52aに45度の角度で入射させ、この反射面52aおよび反射面52bで反射された戻り光を受光素子58bで受光できるように、その位置が設定されている。
【0041】
(検出動作)
本例のインクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否か、およびインクタンク1のインクエンド検出は、次のように行われる。
【0042】
インクタンク1をインクジェットプリンタのタンク装着部に装着すると、図4(b)に示すように、インクジェットプリンタの側に配置されているインク供給針65の先端部分が、インクタンク1のインク取出し孔7に装着したゴムパッキン8の貫通孔8aを貫通して、インク通路27内に位置している弁9を押し上げた状態になる。
【0043】
この結果、インク取出し孔7が開いた状態になるので、インクタンク1の主インク室5内のフォーム6に吸収保持されているインクが、第1のフィルタ11、インク室30を介してインク通路27に流れ込み、インク供給針65を通って、インクジェットプリンタ側のインクジェットヘッドに供給可能となる。このようなインク供給機構は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0044】
インクタンク1がこのように装着されると、その側面に形成されている直角プリズム51がインクジェットプリンタ側の光学式センサ57に対峙した状態になる。従って、光学式センサ57からの射出光は、直角プリズム51の反射面51a、51bで反射されて当該光学式センサ57によって受光され、これによって、インクタンク1が装着されたことが検出される。
【0045】
次に、インクジェットヘッドが駆動されてインク吐出が行われると、インク吐出圧力によってインク取出し孔7にはインク吸引力が作用して、インクジェットヘッドに向けてインクが供給される。インクが供給されてフォーム6に保持されているインクが減少すると、それに伴って、大気連通口13を介して空気が主インク室5内に入り込む。図4(a)において二点鎖線で示すように、インクの消費に伴ってフォーム6に含浸されているインクが徐々に減少し、それに代って気泡がフォーム6内に入り込む。フォーム6内のインク残量が少なくなると、第1のフィルタ11を通って気泡が副インク室30内に入り込む。ここで、この副インク室30とインク取出し孔7の側の間を仕切っている第2のフィルタ12は気泡を通さない。よって、副インク室30の内部に気泡が徐々に溜まっていく。
【0046】
さらにインク残量が少なくなると、主インク室5および副インク室30に溜まっているインクの液面が徐々に下がり、副インク室30内に露出している直角プリズム52の一対のプリズム反射面52a、52bが徐々にインク液面から露出する。この結果、一対の反射面52a、52bは反射面として機能し始める。インク室30のインク液面が予め定めた液面位置(例えば、図5に示す位置L)を下回ると、光学式センサ58の受光素子58bの受光量が予め定めた受光量を超える。この受光素子58bの受光量の増加に基づき、インクカートリッジ1のインクが無くなったこと(インクエンド)が検出される。
【0047】
副インク室30の容積を充分に小さくしておけば、ここのインク残量が僅かになった時点でインクエンドが検出されるので、インク残量が極力少ない状態でインクエンドを検出でき、インクの無駄を抑制できる。
【0048】
ここで、第1のフィルタ11を介して主インク室5から副インク室30に進入した気泡は、インクと共に仕切り板61によって規定されるインク流路部分63に沿ってプリズム反射面52a、52bに向けて案内される。そして、プリズム反射面52a、52bの背面と対向面61a、61bとによって形成されている狭い幅のインク流路部分64を通過して、仕切り板61の下側部分に到る。
【0049】
インク流路部分64の幅は、第1のフィルタ11を介して副インク室内に進入した空気により形成される気泡の直径よりも狭い寸法とされているので、当該インク流路部分64を通過する気泡は押し潰されながら流れ、その側面を規定しているプリズム反射面52a、52bに押し付けられながら移動する。インク残量が減少して副インク室30内のインク液面が、当該インク流路部分64の上端位置から徐々に低下し始めると、このインク流路部分64の上端近傍には徐々に気泡が溜まり始める。
【0050】
その後、インク流路部分63によって副インク室30に進入した気泡はプリズム反射面52a、52bに導かれる。従って、プリズム反射面52a、52bによって規定されているインク流路部分64においては、インク残量の減少に伴ってインクと気泡とが入れ替わるので、当該インク流路部分64ではインク残量の減少に正確に対応してインク液面が低下する。従って、プリズム反射面52a、52bによってインクエンドを正確に検出できる。
【0051】
また、プリズム反射面52a、52bによって規定されているインク流路部分64の幅は、ここを通過する気泡の直径よりも狭い寸法とされているので、このインク流路部分64においてインクと入れ替わった気泡は押し潰された状態になり、プリズム反射面52a、52bに押し付けられ、面接触状態になる。この結果、インク液面が低下しても、気泡間に保持されているインクによってプリズム反射面52a、52bが覆われてしまい、プリズム反射面52a、52bが反射面として機能しないという弊害を確実に防止できる。よって、インクエンド検出を確実に行うことができる。
【0052】
なお、プリズム反射面52a、52bによって検出されるインクエンドを、ニアエンドとみなして、次のように処理すると、更にインクの無駄を無くすことができる。すなわち、光学式センサ58によってインクのニアエンドを検出した後に、以降使用されるインク量をカウントし、その値がインク室30に溜まっているインク量に相当する量に達したときにリアルエンドを確定すれば、インク残量が実質的に無くなる時点までインクを使用可能である。
【0053】
(実施例の効果)
以上説明したように、本例のインクタンク1では、主インク室5とインク取出し孔7の間に小さな容積の副インク室30を形成し、主インク室5の側からここに気泡を導入可能とし、当該副インク室30からインク取出し孔7の側には気泡が流出しないようにし、当該副インク室30のインク残量に基づき、インクタンク1のインクエンドを検出可能としている。
【0054】
従って、インクタンク1からのインク吐出回数やインクポンプによるインク吸引量をカウントした結果に基づきインクタンク1のインクエンドを検出する場合に比べて、極めて正確にインクエンドを検出できる。よって、インクエンド検出時におけるインクタンクのインク残量を少なくでき、インクの無駄を抑制できる。
【0055】
また、本例では、副インク室30の内部にインク流路部分63、64からなるインク流路60を形成し、主インク室5から副インク室30に進入したインクおよび気泡をインク流路部分63によって直角プリズム52の反射面52a、52bに導き、さらに、当該反射面52a、52bによって規定されるインク流路部分64を経由させるようにしている。
【0056】
従って、副インク室30に進入した気泡は確実にプリズム反射面52a、52bに導かれるので、当該プリズム反射面のインク流路部分においては、確実に、インク残量の減少に伴ってインク液面が低下する。よって、インクエンドを正確に検出可能である。
【0057】
また、プリズム反射面52a、52bによって形成されているインク流路部分64の幅は、副インク室30内で発生する気泡の直径よりも狭い寸法とされている。従って、当該インク流路部分64に進入した気泡は押し潰されて、面接触状態でプリズム反射面52a、52bに押し付けられた状態になる。この結果、インク液面が低下しても、気泡間に保持されているインクによってプリズム反射面52a、52bが覆われた状態が保持され、インクエンドの検出ができなくなるという弊害を回避できる。
【0058】
一方、本例では、副インク室30の内部にインク取出し孔7に通ずるインク通路27を突出させることにより、これらが形成されているインクエンド検出のための構成部分をコンパクトにしてあるので、インクタンクの設置スペースの増加を抑制できるという利点がある。また、このインク通路27にインク取出し孔7を封鎖している弁9およびコイルばね10などを配置してあるので、当該インク取出し部分もコンパクトに構成できる。
【0059】
[実施例2]
次に、図7および図8には、本発明を適用した実施例2に係るインクタンクの主要部分を示す断面図である。本例のインクタンク1Aの基本的な構成は実施例1のインクタンク1と同一であり、副インク室およびインク取出し孔の構成のみが異なっている。従って、図7、8においては対応する部分には同一の符号を付し、以下においては、相違している部分についてのみ説明する。
【0060】
まず、図7および図8は、それぞれ、実施例1を示す図5、6に対応する部分でインクタンクを切断した場合の断面図である。これらの図を参照して、インクタンク1Aにおけるインク取出し孔7Aと主インク室5間に形成されているインク通路部分の構造を説明する。容器本体2の底板部分21には、矩形断面の筒状枠22が当該底板部分21を貫通して上下に垂直に延びている。この筒状枠22における主インク室5内に垂直に起立している上側筒状枠部分23の上端には長方形の連通口25が形成されている。この連通口25は長方形の第1のフィルタ11によって封鎖されている。
【0061】
この筒状枠22の容器底板部分21から下方に垂直に突出している下側筒状枠部分24の下端開口は、これに一体形成されている枠底板部分24aによって封鎖されており、当該枠底板部分24aの略中央からは、全体として円筒状の突出部分26Aが上方に垂直に延びる状態で一体形成されている。この突出部分26Aの中心孔はインク取り出し孔7Aに連通したインク通路27とされており、ここにゴムパッキン8、弁9およびコイルばね10が装着されており、当該コイルばね10のばね受け28が突出部分26Aの内周面に一体形成されている。
【0062】
この突出部分26Aは、上記の第1のフィルタ11よりも所定距離だけ下の位置までに延びており、その上端に形成されている円形の連通口29は第2のフィルタ12によって封鎖されている。従って、本例のインクタンク1Aでは、主インク室5とインク取出し孔7Aの間に副インク室30Aが区画形成されている。
【0063】
次に、本例の副インク室30Aには、インク吸い上げ用のコップ状キャップ31が配置されている。このコップ状キャップ31によって、副インク室30Aの底に溜まっているインクを上方に位置している第2のフィルタ12が取り付けられている連通口29まで吸い上げるようにしている。
【0064】
このコップ状キャップ31は、円筒状胴部32と、この上端開口を封鎖している天板部分33とを備えており、その下端開口34の円形端面35には、所定角度間隔で形成された複数の突起が垂直に突出している。本例では90度間隔で同一高さの4個の突起36が形成されている。円筒状胴部32の内周面は、その下端側内周面部分37と、この上側に連続して僅かに内側にせり出したテーパ付き内周面部分38と、この上側に連続している小径の上端側内周面部分39を備えている。
【0065】
この形状のコップ状キャップ31は、副インク室30Aの中に形成されている円筒状の突出部分26に対して上側からキャッピングした状態で取り付けられている。突出部分26の外周面は、下端側部分が僅かに大きな大径外周面部分41とされ、この上端側部分が小径外周面部分42とされ、これらの間には環状段面43が形成されている。図8に示すように、小径外周面部分42には、所定の角度間隔で外方に突出したリブ44が形成されている。本例では90度間隔で4本のリブ44が形成されており、これらのリブ44の突出量は同一であり、上下方向に所定の長さとされている。また、これらのリブ44の突出量は、これらがコップ状キャップ31の上端側外周面部分39にちょうど嵌り込むように設定されている。
【0066】
コップ状キャップ31を突出部分26Aにキャッピングすると、4本のリブ44によってコップ状キャップ31が位置決めされ、コップ状キャップ31の内周面と突出部分26の外周面の間には4本のインク吸い上げ用の円弧状断面の隙間45が形成される。また、コップ状キャップ31における下端の円形端面35に形成した突起36の下面から天板部分33の裏面までの高さ寸法は、突出部分26の高さ寸法よりも所定量だけ大きく設定されている。従って、キャッピング状態では、突出部分26の上端に取り付けた第2のフィルタ12とコップ状キャップ31の天板部分33の裏面の間には、所定間隔のインク通路用の隙間46が形成され、この隙間46が隙間45に連通している。さらには、キャッピング状態においては、コップ状キャップ31の下端に形成された4個の突起36の間には、一定幅の4本の円弧状断面の隙間47が形成される。この円弧状断面の隙間47は上記の円弧状断面の隙間45に連通している。
【0067】
ここで、隙間45、46、47を適切な幅に設定しておくことにより、隙間47から隙間45を通ってインクが吸い上げられて、隙間46を通って第2のフィルタ12を経由して突出部分上端の連通口29に到るインク吸い上げ用通路を形成することができる。このようにすると、副インク室30Aに溜まっているインク量が減って、その液面が第2のフィルタ12よりも低くなった場合においても、副インク室内のインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げて、インク通路27からインク取出し孔7Aに供給することができる。
【0068】
また、本例では、コップ状キャップ31の外周面32aが副インク室30Aを形成している筒状枠22の内側側面22aから所定幅だけ離間した状態となるようにしてある。コップ状キャップ31の外周面32aが筒状枠22の内側側面22aに接触すると、インク室内部が接触位置を境として左右に分断されてしまい、インク室内に溜まっているインクを効率良く吸い上げることができなくなるおそれがある。本例では、コップ状キャップ31によってインク室に溜まっているインクを効率良く吸い上げることができる。
【0069】
次に、副インク室30Aには、当該インクタンク1Aがインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否か、およびインクタンク1Aのインクエンドを光学的に検出するための被検出部が配置されている。この被検出部は、インクタンク1Aがインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否かを光学的に検出するために用いる直角プリズム51と、副インク室30Aに溜まっているインク残量が所定量を下回ったことを光学的に検出するために用いる直角プリズム52と、副インク室30Aに進入したインクおよび気泡を直角プリズム52の反射面位置を経由させるためのインク流路部分70とを備えている。
【0070】
直角プリズム51、52は実施例1の場合と同一であるが、インク流路70は、全体としてL型に折れ曲がった仕切り板71によって形成されている。この仕切り板71は、第1のフィルタ11に対して一定の間隔で平行に延びている平板部分72と、この平板部分72における直角プリズム52の側の端から直角に折れ曲がっている折り曲げ部分73とを備えている。平板部分72によって副インク室30Aの内部は二分され、当該平板部分72と第1のフィルタ11の間には一定の幅のインク流路部分74が形成されている。
【0071】
また、仕切り板71の折り曲げ部分73の下半部分は、直角プリズム52の一対の反射面52a、52bの背面に対して一定の間隔で対峙している一対の対向面73a、73bを備えている。これら一対の反射面52a、52bと一対の対向面73a、73bとによって、インク流路部分74に連続している狭い幅のインク流路部分75が形成されており、これらインク流路部分74、75によってインク流路70が構成されている。
【0072】
ここで、インク流路部分75の間隔は、インク流路部分74よりも狭く、しかも、副インク室30A内に形成される気泡の直径よりも小さな寸法に設定されている。従って、このインク流路部分75内に進入した気泡は、押し潰されて、当該インク流路部分75を形成しているプリズム反射面52a、52bに面接触状態となるように押し付けられた状態が形成される。
【0073】
このように構成した本例のインクタンク1Aにおいても実施例1のインクタンク1と同様の作用効果を備えている。すなわち、主インク室5とインク取出し孔7Aの間に小さな容積の副インク室30Aを形成し、主インク室5の側からここに気泡を導入可能とし、当該副インク室30Aからインク取出し孔7Aの側には気泡が流出しないようにしてある。よって、当該副インク室30Aのインク残量に基づき、インクタンク1のインクエンドを検出可能である。
【0074】
また、本例では、副インク室30Aの内部に仕切り板71を配置して、主インク室5から副インク室30Aに進入したインクおよび気泡を直角プリズム52の反射面52a、52bに導き、当該反射面52a、52bによって規定されるインク流路部分75を経由させるようにしている。
【0075】
従って、副インク室30Aに進入した気泡は確実にプリズム反射面52a、52bに導かれるので、当該プリズム反射面のインク流路部分においては、確実に、インク残量の減少に伴ってインク液面が低下する。よって、インクエンドを正確かつ確実に検出可能である。
【0076】
さらに、プリズム反射面52a、52bによって形成されているインク流路部分75の間隔は、副インク室30A内で発生する気泡の直径よりも狭い寸法とされている。従って、当該インク流路部分75に進入した気泡は押し潰されて、面接触状態でプリズム反射面52a、52bに押し付けられた状態になる。この結果、インク液面が低下しても、気泡間に保持されているインクによってプリズム反射面52a、52bが覆われた状態が保持され、インクエンドの検出ができなくなるという弊害を回避できる。
【0077】
さらにまた、本例では、副インク室30Aの内部にインク取出し孔7に通ずるインク通路27を突出させることにより、これらが形成されているインクエンド検出のための構成部分をコンパクトにしてあるので、インクタンクの設置スペースの増加を抑制できるという利点がある。また、このインク通路27にインク取出し孔7を封鎖している弁9およびコイルばね10などを配置してあるので、当該インク取出し部分もコンパクトに構成できる。
【0078】
これに加えて、本例では、コップ状キャップ31を用いて、副インク室30Aの底部分に溜まっているインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げるためのインク吸い上げ機構が形成されている。従って、光学式センサ58によるインクのニアエンド検出からインク使用量をカウントしてリアルエンド検出を行う場合、副インク室30Aに溜まっているインクが実質的に全て吸い上げられてインク取出し孔7からインクジェットヘッドに供給されるので、副インク室30Aにインクが実質的に無くなった時点でインクのリアルエンドを検出可能となり、当該リアルエンド検出の検出精度を高めることができる。
【0079】
なお本例では、第2のフィルタ12を具備した構成になっているが、コップ状キャップ31を用いる場合には、第2のフィルタ12を省略することも可能である。
【0080】
(その他の実施の形態)
上記の実施例1、2では、直角プリズム52の反射面52a、52bと、仕切り板対向面61a、61bあるいは74a、74bとの間に、一定幅の狭いインク流路部分64あるいは75を形成している。このインク流路部分を次のように形成することもできる。
【0081】
実施例2の構成の場合を例に挙げて説明すると、まず、図9に示すように、直角プリズム52の一対の反射面52a、52bの背面側に形成されているインク流路部分75は全体として一定の間隔とされている。しかし、反射面52aにおける検出光L1の入射位置81を包含する所定幅の部分75aと、他方の反射面52bにおける検出光L1の反射位置82を包含する所定幅の部分75bは、これら以外の部分よりも広い間隔のインク流路部分とされている。
【0082】
検出光L1の入射および反射位置に対応するインク流路部分の間隔を広くしておくと、気泡がこれらの部分75a、75bを通過しやすい。よって、気泡が確実に、検出光L1の入射位置および反射位置に対応するインク流路部分75a、75bを通過するので、インクエンドを正確に検出できる。
【0083】
次に、図10に示す例では、インク流路部分75を、検出光L1の入射位置81および反射位置82を包含する所定幅の部分75a、75bにのみ形成したものである。このようにしても、気泡が確実に、検出光L1の入射位置および反射位置に対応するインク流路部分75a、75bを通過するので、インクエンドを正確に検出できる。
【0084】
なお、インク流路部分75の部分をより簡単な構造とするためには、図11に示すように、検出光L1の入射位置81を包含する所定幅の部分75aにのみインク流路部分75を形成するようにしてもよい。この代わりに、検出光L1の反射位置82を包含する所定幅の部分にのみインク流路部分75を形成するようにしてもよい。この構成によってもインクエンド検出を確実かつ精度良く行うことができる。
【0085】
さらにまた、本実施の形態では、仕切り板61、71を容器本体2に一体に設けた例を挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、別部品であっても構わないものであり、例えば、図12に示すように、仕切り板71Aは、コップ状キャップ31Aと一体に形成されていても構わない。図12の場合、コップ状キャップ31Aの天板部分32Aを、幅の狭いインク流路を形成するプリズム反射面と対向する部分を除いて筒状枠22に内接するように広くして、この部分に仕切り板71Aを一体形成してある。この場合、容器本体2が簡略な形状となることから、容易に成形し易い等の効果がある。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクタンクでは、インクが吸収保持されたフォームが収容されている主インク室と、インクをインクジェットプリンタの側に供給するためのインク取出し孔7との間に、小さな容積の副インク室30を形成し、主インク室5の側からここに気泡を導入可能とし、当該副インク室30からインク取出し孔7の側には気泡が流出しないようにし、当該副インク室30のインク残量に基づき、インクタンク1のインクエンドを検出可能としている。
【0087】
従って、インクタンク1からのインク吐出回数やインクポンプによるインク吸引量をカウントした結果に基づきインクタンク1のインクエンドを検出する場合に比べて、極めて正確にインクエンドを検出できる。よって、インクエンド検出時におけるインクタンクのインク残量を少なくでき、インクの無駄を抑制できる。
【0088】
また、本発明では、副インク室の内部にインク流路を形成し、主インク室から副インク室に進入したインクおよび気泡をインクエンド検出用の直角プリズム反射面などの反射面の背面側に導くようにしている。従って、副インク室に進入した気泡を確実に反射面に導くことができるので、当該反射面の背面によって規定されているインク流路部分においては、確実に、インク残量の減少に伴ってインク液面が低下する。よって、インクエンドを正確かつ確実に検出可能である。
【0089】
さらに、本発明では、反射面によって形成されているインク流路部分の幅を、副インク室内で発生する気泡の直径よりも狭い寸法に設定するなどの構成を採用することにより、当該インク流路部分に進入した気泡を押し潰して、面接触状態で反射面に押し付けるようにしている。この結果、インク液面が低下したにも拘わらず、気泡間に保持されているインクによって反射面が覆われた状態が保持され、インクエンドの検出ができなくなるという弊害を回避できる。
【0090】
従って、本発明によるインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタにおいては、インクタンクのインクエンドを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明を適用した実施例1に係るフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図である。
【図2】図1のインクタンクを底面側から見た場合の斜視図である。
【図3】図1のインクタンクの分解斜視図である。
【図4】(a)は図1のIV−IV線で切断した場合におけるインクタンクの断面図であり、(b)はインク供給針が差し込まれた状態を示す部分断面図である。
【図5】図1のV−V線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図6】図1のVI−VI線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図7】本発明を適用した実施例2に係るインクタンクを示す図であり、当該インクタンクを図1に示すV−V線に対応する位置で切断した部分の断面図である。
【図8】本発明を適用した実施例2に係るインクタンクを示す図であり、当該インクタンクを図1に示すVI−VI線に対応する位置で切断した部分を示す断面図である。
【図9】図8に示すインク流路部分の別の例を示す断面図である。
【図10】図8に示すインク流路部分の更に別の例を示す断面図である。
【図11】図8に示すインク流路部分の更に別の例を示す断面図である。
【図12】図7の仕切り板とコップ状キャップを一体に形成した例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A インクタンク
2 容器本体
3 容器本体の上側開口
4 容器蓋
5 主インク室
6 フォーム
7、7A インク取出し孔
8 ゴムパッキン
9 弁
10 コイルばね
11 第1のフィルタ
12 第2のフィルタ
13 大気連通孔
21 容器本体の底板部分
27 インク通路
30、30A 副インク室
31 コップ状キャップ
32 胴部
33 天板部分
36 突起
44 リブ
45 インク吸い上げ用の隙間
46 連通部
47 隙間
51、52 プリズム
51a、51b、52a、52b 反射面
57、58 光学式センサ
57a、58a 発光素子
57b、58b 受光素子
60 インク流路
61 仕切り板
61a、61b 対向面
63、64 インク流路部分
65 インク供給針
70 インク流路
71 仕切り板
73a、73b 対向面
74、75 インク流路部分
Claims (8)
- インクが吸収保持されたフォームと、
このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し孔と、
前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記副インク室内のインク残量を光学的に検出可能な被検出部とを有し、
前記被検出部は、背面がインク界面となっている反射面と、前記副インク室に進入した前記気泡の直径より狭い間隔によって前記インクを前記反射面の背面側に導くインク流路とを備えていることを特徴とする。 - 請求項1において、
前記反射面の背面と、この背面に対して所定の間隔で対峙している対向面とによって、前記インク流路の一部が形成されていることを特徴とするインクタンク。 - 請求項2において、
前記反射面の背面と前記対向面の間隔は、
前記反射面における検出光の入射位置を包含する所定幅の部分および検出光の反射位置を包含する所定幅の部分が、これら以外の部分よりも広いことを特徴とするインクタンク。 - 請求項2において、
前記反射面の背面と前記対向面とによって形成されている前記インク流路の部分は、
前記反射面における検出光の入射位置を包含する所定幅の部分、および/または検出光の反射位置を包含する所定幅の部分にのみ形成されていることを特徴とするインクタンク。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記反射面は、直交する一対のプリズム反射面であることを特徴とするインクタンク。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記主インク室および前記副インク室を連通している主インク室側連通口と、
この主インク室側連通口に取り付けられている第1のフィルタとを有し、
前記第1のフィルタは、前記インクおよび前記気泡が通過可能な多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。 - 請求項6において、
前記副インク室および前記インク取出し孔を連通している取出し孔側連通口と、
この取出し孔側連通口に取り付けられている第2のフィルタとを有し、
前記第2のフィルタは、前記第1のフィルタより孔径が小さい多孔質材料から形成されていることを特徴とするインクタンク。 - 請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、前記インクタンクの被検出部を検出するための検出部を備えていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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