JP4013642B2 - インクタンクおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収保持したフォームを備えたインクタンクおよび当該インクイタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタに関し、特に、インクが無くなった状態(インクエンド)を精度良く、しかも確実に検出可能な検出機構を備えたインクタンクおよびインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのインクタンクとしてはフォーム式のインクタンクが知られている。フォーム式のインクタンクは、インクを吸収保持したフォームが収納されているフォーム収納部と、このフォーム収納部に連通したインク取出し孔と、フォーム収納部を大気開放している大気連通口とを有している。インク取出し孔から、インクジェットヘッドの吐出圧力によってインクを吸引すると、吸引したインク量に対応する空気が大気連通口からフォーム収納部に流入するようになっている。
【0003】
フォーム式のインクタンクの場合におけるインクの有無の検出は、インクジェットヘッドから吐出されるインクドット数や、インクジェットヘッドからインクを吸引するインクポンプのインク吸引量等に基づき、使用されたインク量をカウントし、このカウント結果に基づき行っている。
【0004】
なお、一般に、インクタンク内のインクが殆ど無くなった状態を「リアルエンド」と呼び、インクタンク内のインクの残量が一定量よりも少なくなった状態を「ニアエンド」と呼んでいるが、本明細書で用いる「インクエンド」とは、特に断りのない限り両者を含むものである。
【0005】
しかしながら、インク使用量等をカウントしてインクエンドを検出するインクエンド検出方法は次のような問題点がある。インクジェットヘッドのインク吐出量、およびインクポンプによるインク吸引量にはばらつきがあるので、これらに基づきカウントされたインク使用量は、実際のインク使用量に比べて大きくばらつく。このために、インクエンドを確定するためには大きなマージンを設ける必要がある。この結果、インクエンドが検出された時点において、多量のインクが残っている場合があり、インクが無駄になることが多い。
【0006】
そこで、プリズム反射面の背面をインク界面としておき、インクが無くなるとプリズム反射面が本来の反射面に戻るという光学特性を利用した光学式の検出システムを用いて、インクエンドを直接的に検出することが考えられる。プリズム反射面を利用した検出システムは、例えば特開平10−323993号公報、米国特許第5,616,929号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォーム式のインクタンクの場合には、インクがフォームに吸収保持されているので、上記公報に開示されている検出システムをそのまま適用することが不可能である。そこで、主インク室(フォームが収納されているフォーム収納部)とインク取出し孔との間にインクを貯留可能な小容積の副インク室を形成し、ここにプリズム反射面を配置し、主インク室のインクがある程度消費された状態で副インク室に空気が進入するように圧力制御された構成を採用することが考えられる。
【0008】
このようにすれば、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっているプリズム反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0009】
しかしながら、副インク室内に進入した空気は副インク室内に気泡を生成する。気泡がプリズム反射面の背面に付着し、あるいはその近傍に浮遊した状態が形成されると、インク液面がプリズム反射面より低下しても、気泡間に保持されているインクによってプリズム反射面が覆われた状態が保持される。この結果、当該プリズム反射面の反射状態はインク液面が低下しても変化しない。よって、インクエンドを検出できないという不具合が発生する惧れがある。
【0010】
本発明の課題は、副インク室内の気泡に起因して反射面の反射状態がインク液面が低下しても変化しないという弊害を解消可能なインクタンクを提案することにある。
【0011】
また、本発明の課題は、かかるインクタンクの反射面の反射状態を検出することにより精度良く、且つ確実にインクエンドを検出可能なインクジェットプリンタを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のインクタンクは、
インクが吸収保持されたフォームと、
このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
インク取出し孔と、
前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
前記被検出部は、背面がインク界面となっている反射面を備え、
前記副インク室は、当該副インク室内を、前記主インク室の側の気泡溜め部分と、前記インク取出し孔の側のインク貯留部分とに仕切っている仕切り板と、前記気泡溜めから前記インク貯留部分にインクを導入するために前記仕切り板に形成したインク導入孔を備えており、
前記仕切り板の前記気泡溜め部分に面している表面は、前記気泡溜め部分で発生した気泡を捕捉するための凹凸面となっていることを特徴としている。
【0013】
本発明では、主インク室とインク取出し孔の間に副インク室が形成され、主インク室内のインクの残りが少なくなると、インク取出し孔からインクが供給される毎に、主インク室から副インク室に気泡が進入するようになる。主インク室内のインクが無くなると、インクタンクのインク残量は実質的に副インク室に溜まっているインク量のみになる。この副インク室のインク残量が少なくなると、インク界面となっている反射面の背面がインク液面から露出し、当該反射面の反射状態が変化する。すなわち、背面がインクで覆われている状態では反射面として機能しなかった反射面が、インク液面の低下と共に徐々に反射機能を取り戻す。従って、当該反射面の反射光量に基づきインク残量が所定量以下になった状態を検出できる。よって、副インク室の容積を充分に小さくしておけば、インク残量が実質的に無くなった時点でインクエンドを検出できる。
【0014】
また、副インク室の内部は、仕切り板によって主インク室側に気泡溜め部分が形成され、主インク室から気泡溜め部分に流れ込んだインクは仕切り板のインク導入孔を通ってインク貯留部分に導入される。主インク室内のインクが無くなると、大気に連通している主インク室からは空気が副インク室の気泡溜め部分に進入してここに気泡を形成するので、当該気泡溜め部分に徐々に溜まっていき、当該気泡溜め部分に気泡が満たされた状態になる。気泡が増加するに連れて、副インク室内のインク残量も徐々に減っていくので、そのインク液面も気泡溜め部分内の高さ位置から徐々に低下していく。
【0015】
気泡溜め部分に気泡が満たされて、インク液面が副インク室内の高さ位置まで低下した後は、空気が主インク室の側から進入すると、気泡溜め部分の内部は気泡で満たされているので、新たな気泡を生成するためのインクが存在しない。この結果、空気の進入に伴って、気泡溜め部分の内部を満たして気泡が潰れて徐々に大きな気泡となり、当該気泡溜め部分内の気泡が徐々に消えて空気のみの層が気泡溜め部分の上端側から徐々に形成されていく。
【0016】
すなわち、仕切り板によって気泡溜め部分はインク貯留部分から分離されており、インク導入孔のみを介して連通している。よって、仕切り板により、気泡の形成に必要なインクがインク貯留部分から気泡溜め部分に供給されることを阻止できる。このように、仕切り板はインク液面と気泡を分離するための分離手段として機能し、インク液面が低下すると、容易に、気泡溜め内の気泡とインク液面とが分離する。
【0017】
このようにして、気泡形成用のインクがインク貯留部分の側から供給されなくなるので、気泡溜め部分に溜まっている気泡は、インク液面の低下に伴って当該気泡溜め内において徐々に消滅し、その上端部分に空気のみの層が形成され始める。この空気のみの層は、副インク室内のインク液面の低下、すなわち、主インク室からの空気の進入に伴って徐々にインク貯留部分の側に向けて広がっていく。この結果、気泡溜め部分内の気泡が消滅して空気と置き換わるので、この後は、気泡が形成されない状態で、インク貯留部分内のインク液面が低下していく。
【0018】
従って、インクエンド検出用の反射面の近傍に浮遊している気泡間に保持されているインクによって当該反射面が覆われてしまい、インク液面が当該反射面よりも低下したにも拘わらず、反射面が反射面として機能せずに、インクエンド検出ができないという弊害を回避できる。
【0019】
これに加えて、本発明では、仕切り板の表面には気泡捕捉用の凹凸面が形成されている。主インク室から気泡溜め部分に進入した空気により形成された気泡は、当該気泡溜め部分内をインクと共にインク導入孔の側に流れようとする。しかし、気泡は、仕切り板の表面に形成されている凹凸面の凹部に捕捉されて、その移動が阻止される。気泡が移動しない状態で更に気泡が形成されると、発生した気泡が凹部に捕捉されて静止している気泡と結びつき、一回り大きな気泡を形成する。
【0020】
本発明では、仕切り板の表面に形成した気泡捕捉用の凹凸面によって、発生した気泡の移動が阻止され、気泡の結びつきが促進される。この結果、副インク室の気泡溜め部分における空気層の形成が促進されるので、気泡とインク液面との分離が速やかに形成される。従って、インク貯留部分内に気泡が進入して、そこに露出している反射面の背面に気泡が付着して、インクエンド検出が出来なくなるという弊害を確実に回避できる。
【0021】
ここで、本発明の仕切り板の前記凹凸面には、前記インク導入孔に向かう気泡の流れに直交する方向に延びる凹部および/または凸部が含まれていることが望ましい。このようにすれば、気泡の流れを確実に止めることができる。
【0022】
また、前記凹凸面には、凹部および凸部が交互に形成され、凸部の表面に一段高い不連続な第2の凸部が形成されている部分が含まれていることが望ましい。このようにすれば、凸部および第2の凸部の間に形成されている深い凹部によって気泡が確実に捕捉される。また、不連続な第2の凸部の間を通ってインクを流すことができる。よって、気泡を確実に捕捉できると共に、凹凸面上の残留してしまうインクの量を減らすことができる。
【0023】
更に、前記凹凸面には、前記インク導入孔に向かう気泡の流れ方向に沿って見た場合に、千鳥状に凹部および/または凸部が配置された部分が含まれていることが望ましい。このようにすれば、気泡を確実に捕捉できると共に、凹凸面上にインクが溜まってしまうこともない。
【0024】
更にまた、前記副インク室の内周面と前記仕切り板の外周面の間が液密状態に封止されていることが望ましい。これらの間に隙間があると、毛細管作用によってインク貯留部分から気泡溜め部分に、気泡形成用のインクが供給されてしまい、仕切り板によるインク液面と気泡の分離作用が阻害されるからである。
【0025】
次に、本発明においては、前記副インク室の前記気泡溜め部分を、フィルタによって前記主インク室と仕切り、このフィルタを、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成する構成を採用できる。この場合には、前記フィルタと前記仕切り板の間隔が、前記気泡溜め部分で発生する気泡の径よりも小さい寸法であることが望ましい。このようにすれば、気泡溜め部分で形成された気泡が押し潰された扁平な状態になるので、仕切り板の凹凸面上に確実に捕捉される。また、気泡同士の結びつきも促進される。
【0026】
また、この場合においては、前記フィルタの外周縁部分を、前記副インク室の外周壁部分および前記仕切り板の外周縁部分に対して単一の熱融着工程によって接合して、前記副インク室の内周面と前記仕切り板の外周面の間を液密状態に封止することが望ましい。
【0027】
一方、本発明は、上記構成のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、前記インクタンクの前記被検出部を検出する検出部を備えていることを特徴としている。本発明のインクジェットプリンタによれば、検出部の反射面の反射状態がインク液面の低下に伴って確実に変化するので、確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクタンクの実施例を説明する。なお、以下の実施例はインクジェットプリンタのタンク装着部に対して着脱可能に装着されるインクタンクに対して本発明を適用した例である。しかし、本発明は、インクジェットプリンタに予め配置されたインクタンクに対しても同様に適用可能である。
【0029】
(全体構成)
図1(a)および(b)は本発明を適用したフォーム式のインクタンクを示す平面図および正面図であり、図2は当該インクタンクを底面側から見た場合の斜視図であり、図3は当該インクタンクの分解斜視図である。
【0030】
本例のインクタンク1は、インクジェットプリンタ(図示せず)に形成されているタンク装着部(図示せず)に対して着脱可能に装着して使用される。このインクタンク1は、上側が開口した直方体の容器本体2と、この上側開口3を封鎖している容器蓋4とを有し、これらの内部に主インク室5が形成され、ここに、インクが吸収保持された全体として直方体形状のフォーム6が収納されている。
【0031】
容器本体2の底面にはインク取出し部7が形成されており、このインク取出し部7には円盤状のゴムパッキン8が装着されており、その中心に開けた貫通孔8aがインク取出し孔とされている。インク取出し部7におけるゴムパッキン8よりも奥の部分には、インク取出し孔8aを封鎖可能な弁9が配置されており、この弁9は常にコイルばね10によってゴムパッキン8に押し付けられ、インク取出し孔8aを封鎖している。
【0032】
主インク室5は、第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって仕切られている副インク室20を介してインク取出し孔8aに連通している。また、容器蓋4に形成された大気連通孔13を介して大気開放されている。従って、主インク室5に装着したフォーム6に吸収保持されているインクが、インク取出し孔7を介して吸引されると、吸引されたインクに対応する分の空気が、大気連通口13から主インク室5に入り込む。
【0033】
副インク室20の内部は、後述の図4〜7に示すように、仕切り部材30によって主インク室側の気泡溜め部分21およびインク取り出し孔側のインク貯留部分22に仕切られ、仕切り部材30に形成したインク導入孔33を介して相互に連通している。
【0034】
なお、容器蓋4の大気連通孔13は、容器蓋表面に刻まれた屈曲状の溝13aに繋がっており、この溝13aの端13bは容器蓋4の縁端近傍まで延びている。インクタンク1の出荷時には、容器蓋4の大気連通孔13および溝13aが形成されている部分はシール14が貼り付けられており、使用時には、当該シール14の切り取り線14aに沿って当該シール14の一部14bを剥がすことにより、溝13aの端13bが露出し、大気連通孔13が大気開放状態になる。
【0035】
また、容器底面のインク取出し孔8aの部分もシール15が貼り付けられており、インクタンク1をインクジェットプリンタのタンク装着部に装着するとタンク装着部に取り付けられているインク供給針(図示せず)がシール15を破って当該インク取出し孔8aに差し込まれて、当該インクタンク1が装着状態になる。
【0036】
次に、図4はインクタンク1のIV−IV線で切断した部分を示す断面図であり、図5は図1のV−V線で切断した部分のインクタンク1の断面図であり、図6(a)および(b)は図4における副インク室の部分を拡大して示す拡大部分断面図およびそのb−b線で切断した部分の部分拡大断面図である。
【0037】
これらの図に示すように、インク取出し孔8aと主インク室5の間には第1のフィルタ11および第2のフィルタ12によって仕切られた小容積の副インク室20が形成されている。副インク室20の内部は、そこに配置された仕切り部材30によって気泡溜め部分21およびインク貯留部分22に仕切られている。本例の仕切り部材30は、副インク室20を仕切っている仕切り板31と、このインク貯留部分側の表面の中央から直角に突出している円筒32とを備えており、仕切り板31の一端側の部分には気泡溜め部分21からインク貯留部分22にインクを導くためのインク導入孔33が形成されている。さらに、インクタンク1には、当該インクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否かを光学的に検出するために用いる直角プリズム51および、インクタンク1のインクエンドを光学的に検出するために用いる直角プリズム52を備えた被検出部が配置されている。
【0038】
詳細に説明すると、容器本体2の底板部分201には、矩形断面の筒状枠202が当該底板部分201を貫通して上下に垂直に延びている。この筒状枠202における主インク室5内に垂直に起立している上側筒状枠部分203の矩形の上端開口が主インク室側連通口205となっている。この連通口205には長方形の第1のフィルタ11が取り付けられている。
【0039】
筒状枠22の容器底板部分201から下方に垂直に突出している下側筒状枠部分204の下端開口は、これに一体形成されている底板部分206によって封鎖されており、当該底板部分206の中央にインク取出し部7が形成されている。すなわち、底板部分206の中央からは、円筒状の突出部分207が上方(副インク室内)に垂直に延びている。この突出部分207の中心孔はインク取出し孔8aに連通したインク通路208とされており、ここにゴムパッキン8、弁9およびコイルばね10が装着されており、当該コイルばね10のばね受け209が突出部分206の内周面に一体形成されている。この突出部分209の上端開口が円形の取出し孔側連通口210とされ、ここに第2のフィルタ12が取り付けられている。
【0040】
本例の第1のフィルタ11は、インクを通すと共に、インク取出し孔8aに作用するインク吸引力によって、気泡が通過可能な多孔質材料から形成されている。すなわち、インク吸引力によってメニスカスが破壊する毛管引力となる孔サイズの多孔質材料から形成されている。この第1のフィルタ11は、例えば、不織布やメッシュフィルタ等から形成されている。
【0041】
これに対して、第2のフィルタ12は、インクポンプが吸引されている場合を除くインク吸引力がインク取出し孔に作用した場合、インクを通すが気泡が通過することのないように第1のフィルタ11より孔径の小さい多孔質材料から形成されている。この第2のフィルタ12は、インクに混入している異物を捕捉可能な孔サイズのものである。この第2のフィルタ12も不織布やメッシュフィルタ等から形成することができる。
【0042】
ここで、インク吸引力とは、インク供給対象のインクジェットヘッド(図示せず)でのインク吐出圧力によりインク取出し孔8aに作用するインク吸引力もしくはインクポンプの吸引力によるものである。
【0043】
次に、インクタンク1に配置されている被検出部を、主に図3、図4および図6を参照して説明する。容器本体2の側板部分53の下端部分には、横長の矩形板54が溶着固定されており、この矩形板54の内側面には直角プリズム51および52が一定の間隔で一体形成されている。これら直角プリズム51、52はそれぞれ直交する一対の反射面51a、51bおよび52a、52bを備えている。
【0044】
一方の直角プリズム51は、一定隙間の空気層55を介して容器本体2の側板部分53に対峙している。すなわち、側板部分53には直角プリズム51に対応した形状の凹部56が形成されており、これにより各反射面51a、51bは一定隙間の空気層55を介して主インク室5の側板部分53に対峙している。これに対して、他方の直角プリズム52は、副インク室20のインク貯留部分22を区画形成している筒状枠202に開けた開口部202bから直接にインク貯留部分22の内部に露出しており、各反射面52a、52bの背面がインク界面となっている。
【0045】
図4、図5に示すように、インクタンク1が装着されるインクジェットプリンタ(図示せず)の側には、反射型の光学式センサ57、58が取り付けられている。これらの光学式センサ57、58は、発光素子57a、58aと受光素子57b、58bを備えている。光学式センサ57は、その発光素子57aからの射出光を反射面51aに対して45度の角度で入射させ、この反射面51aおよび反射面51bで反射された戻り光を受光素子57bで受光できるように、その位置が設定されている。同様に、光学式センサ58も、その発光素子58aから射出光を反射面52aに45度の角度で入射させ、この反射面52aおよび反射面52bで反射された戻り光を受光素子58bにより受光できるように、その位置が設定されている。
【0046】
(仕切り部材)
図7は仕切り部材30を示す斜視図である。図6および図7を主に参照して、副インク室20を気泡溜め部分21およびインク貯留部分22に仕切っている仕切り部材30について説明する。仕切り部材30は、副インク室20の内部を仕切っている仕切り板31と、この下側表面の中央から垂直に延びる円筒32を備えている。仕切り板31は矩形の仕切り板本体部分301と、この仕切り板本体部分301の外周縁端から上下に垂直に延びている矩形の外周枠部分302とを備えている。外周枠部分302の外周側面302aは、副インク室20を形成している矩形の筒状枠202における上端開口205側の内周側面205aに液密状態で接合されている。
【0047】
仕切り板本体部分301の表面(気泡溜め部分21の側の表面)は凹凸面303とされている。この凹凸面303は、主インク室5から第1のフィルタ11を介して気泡溜め部分21に進入した空気により形成される気泡がインク導入孔33の側に流れないように捕捉するための気泡トラップとして機能するものである。
【0048】
本例の凹凸面303は、短辺方向に延びる一定幅の凹部304および凸部305が長円方向に向けて交互に一定間隔で形成された構成とされている。また、各凸部305の表面には、一定の間隔で一定長さの第2凸部306が不連続状態に形成されている。仕切り板本体部分301の長辺方向に沿って見た場合に、各凸部304の表面に不連続状態に形成されている第2凸部306は、千鳥状に配列されている。凹部303を基準にすると、各凸部304の高さは例えば0.1mmであり、これらの表面に形成されている第2凸部306の高さは例えば0.2mmであり、各凹部303および各凸部304の幅は例えば5mmである。
【0049】
ここで、仕切り板本体部分301の長辺方向の直角プリズム52が配置されている側の端部分には、その中央部分に短辺方向に長い長円形のインク導入孔33が形成されている。このインク導入孔33の周囲は第2凸部306と同一高さの凸枠部分307により囲まれている。また、この凸状枠部分307から仕切り板本体部分301の両長辺縁までの間には、仕切り板本体部分301の長辺方向に延びる一定長さの凹部308および凸部309が短辺方向に向けて一定の間隔で交互に形成されている。凸部309の高さは第2凸部305の高さと同一とされている。
【0050】
なお、仕切り板本体部分301の中央には円形凹部310が形成されている。本例の仕切り部材30は樹脂材料からなる射出成形品であり、この円形凹部310はゲート跡である。また、仕切り板本体部分301の下側表面(インク貯留部分22側の表面)には、直角プリズム52の上下方向の中央位置よりも下方まで突出した垂れ壁部分311が形成されている。この垂れ壁部分311は仕切り部材30の短辺方向に向けて、その全幅に亘って形成されている。
【0051】
次に、仕切り板本体部分301の下側表面の中央から垂直に延びている円筒32は、インク貯留部分22の底に溜まっているインクを上方に位置している第2のフィルタ12が取り付けられている連通口210まで吸い上げるためのものである。
【0052】
図5〜7を参照して説明すると、円筒32の下端開口の円形端面321には、所定角度間隔で形成された複数の突起322が垂直に突出している。本例では90度間隔で同一高さの4個の突起322が形成されている。円筒32の内周面は、その下端側内周面部分323と、この上側に連続して僅かに内側にせり出したテーパ付き内周面部分324と、この上側に連続している小径の上端側内周面部分325を備えている。
【0053】
円筒32を備えた仕切り板30は、インク貯留部分22の中に形成されている円筒状の突出部分207に対して上側からキャッピングした状態で取り付けられている。突出部分207の外周面にはその下側部分に、所定の角度間隔で外方に突出したリブ207aが形成されている。本例では90度間隔で4本のリブ207aが形成されており、これらのリブ207aの突出量は、これらが円筒32の下端側側外周面部分323にちょうど嵌り込むように設定されている。
【0054】
仕切り部材30の円筒32を突出部分207にキャッピングすると、4本のリブ207aによって、当該円筒32の内周面と突出部分207の外周面の間には4本のインク吸い上げ用の円弧状断面の隙間220が形成される。従って、円筒32の下端の突出部分322の間に形成される隙間221からこの隙間220を経由して上方に位置している第2のフィルタ12に到るインク吸い上げ用の経路が形成される。このようにすると、インク貯留部分22に溜まっているインク量が減って、その液面が第2のフィルタ12よりも低くなった場合においても、インク貯留部分22内のインクを第2のフィルタ12の位置まで吸い上げて、インク通路208からインク取出し孔8aに供給できる。
【0055】
次に、本例の仕切り部材30は次のようにして、副インク室20を構成している筒状枠202の上端開口部分に接合されている。図6から分かるように、筒状枠202の上端開口縁部分は細幅の矩形枠状部分231(外周壁部分)によって規定されている。この矩形枠状部分231の内周側面205aに密着するように、仕切り部材30の外周枠部分302における縁端部302b(外周縁部分)の外周側面302aが形成されている。
【0056】
筒状枠202の矩形枠状部分231の矩形枠状端面231aと、仕切り部材30の端部302aの矩形枠状端面302cとが面一となるように配置し、これらの上に第1のフィルタ11のが外周縁部分11aを載せ、この状態で、第1のフィルタ11をこれらに対して同時に熱融着する。このようにして、三部材が単一の熱融着工程により接合されている。また、この結果、仕切り部材30の外周枠部分302の外周側面302bと筒状枠202の内周側面205aの間が液密状態に封止される。
【0057】
(検出動作)
本例のインクタンク1がインクジェットプリンタのタンク装着部に装着されたか否か、およびインクタンク1のインクエンド検出は、次のように行われる。
【0058】
インクカートリジ1をインクジェットプリンタのカートリッジ装着部に装着すると、インクジェットプリンタの側に配置されているインク供給針(図示せず)の先端部分が、インクタンク1のインク取出し孔8aに装着したゴムパッキン8の貫通孔8aを貫通して、インク通路208内に位置している弁9を押し上げた状態になる。この結果、インク取出し孔8aが開いた状態になるので、インクタンク1の主インク室5内のフォーム6に吸収保持されているインクが、第1のフィルタ11、副インク室20を介してインク通路208に流れ込み、インク取り出し孔8aに差し込まれているインク供給針を通って、インクジェットプリンタ側のインクジェットヘッドに供給可能となる。このようなインク供給機構は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0059】
インクタンク1がこのように装着されると、その側面に形成されている直角プリズム51がインクジェットプリンタ側の光学式センサ57に対峙した状態になる。従って、光学式センサ57からの射出光は、直角プリズム51の反射面51a、51bで反射されて当該光学式センサ57によって受光され、これによって、インクカートリッジ1が装着されたことが検出される。
【0060】
次に、インクジェットヘッドが駆動されてインク吐出が行われると、インク吐出圧力によってインク取出し孔8aにはインク吸引力が作用して、インクジェットヘッドに向けてインクが供給される。インクが供給されてフォーム6に保持されているインクが減少すると、それに伴って、大気連通口13を介して空気が主インク室5内に入り込む。インクの消費に伴ってフォーム6に含浸されているインクが徐々に減少し、それに代って気泡がフォーム6内に入り込む。フォーム6内のインク残量が少なくなると、主インク室5内から空気が、第1のフィルタ11を通って気泡となって副インク室20の気泡溜め部分21内に入り込む。副インク室20のインク貯留部分22とインク取出し孔8aの側の間を仕切っている第2のフィルタ12は気泡を通さない。よって、副インク室20の上端部分に形成されている小容積の気泡溜め部分21に気泡が徐々に溜まっていく。
【0061】
さらにインク残量が少なくなると、主インク室5および副インク室20に溜まっているインクの液面が徐々に下がり、副インク室20のインク貯留部分22内に露出している直角プリズム52の一対のプリズム反射面52a、52bが徐々にインク液面から露出する。この結果、一対の反射面52a、52bは反射面として機能し始める。副インク室20のインク液面が予め定めた液面位置(例えば、図4に示す位置L)を下回ると、光学式センサ58の受光素子58bの受光量が予め定めた受光量を超える。この受光素子58bの受光量の増加に基づき、インクカートリッジ1のインクが無くなったこと(インクエンド)が検出される。
【0062】
副インク室20の容積を充分に小さくしておけば、ここのインク残量が僅かになった時点でインクエンドが検出されるので、インク残量が極力少ない状態でインクエンドを検出でき、インクの無駄を抑制できる。なお、プリズム反射面52a、52bによって検出されるインクエンドを、ニアエンドとみなして、次のように処理すると、更にインクの無駄を無くすことができる。すなわち、光学式センサ58によってインクのニアエンドを検出した後に、以降使用されるインク量をカウントし、その値が副インク室20のインク貯留部分22の容積に相当する量に達したときにリアルエンドを確定すれば、インク残量が実質的に無くなる時点までインクを使用可能である。
【0063】
ここで、副インク室20内に生成された気泡が直角プリズム52のプリズム反射面52a、52bの近傍に浮遊していると、気泡間に保持されているインクによって実質的にプリズム反射面52a、52bが覆われた状態に陥ってしまう。この状態になると、インク液面がプリズム反射面52a、52bよりも低下しても、プリズム反射面52a、52bはインクで覆われた状態のままとなり、その反射状態が変化しないので、インクエンドの検出が不可能となってしまう。
【0064】
しかしながら、本例のインクタンク1では、仕切り板31によって副インク室20の上端部分に気泡溜め部分21が形成されており、この気泡溜め部分22によって、インク残量が所定量以下になるとインク液面は気泡から分離された状態で降下する。よって、気泡がプリズム反射面52a、52bの近傍に浮遊することに起因してインクエンド検出ができなくなるという弊害を回避できる。
【0065】
図8を参照して更に詳しく説明すると、インク残量が少なくなり、インク液面が第1のフィルタ11の高さ位置よりも低下すると、主インク室5から空気が副インク室20の気泡溜め部分21内に進入し、気泡Bを生成する。発生した気泡は当該気泡溜め20に溜まっていく。図8(b)はこの状態を示す説明図である。
【0066】
次に、インク消費に伴ってインク液面が徐々に低下して気泡溜め部分21の下端よりも低い位置になると、気泡溜め部分21内のインク残量は極僅かになる。気泡溜め部分21内のインクは主インク室5から進入した空気が気泡を形成するために用いられる。ここで、気泡溜め部分21とインク貯留部分22との間のインク導入孔33は狭いので、実質的に、インク貯留部分22から気泡溜め部分21に対して気泡生成用のインクが供給されることが無い。また、仕切り部材30の仕切り板31の外周側面302aは液密状態で円筒枠202の内周側面205aに接合されているので、これらの間を通ってインク貯留部分22から気泡溜め部分21にインクが供給されてしまうこともない。この結果、主インク室5の側から空気が進入しても気泡の生成は止まり、インク液面Sは、気泡溜め部分21内の気泡から分離して徐々に降下する。気泡溜め部分21内の気泡からインク液面が分離した後は、気泡溜め部分21内に気泡生成用のインクが実質的に存在しないので、主インク室5から空気が進入すると、気泡が潰れて徐々に纏まり、気泡溜め部分21の上端側から徐々に空気の層が形成されていく。図8(c)にはこの状態を示してある。
【0067】
このように、本例の副インク室20は、仕切り部材30によって気泡溜め部分21はインク貯留部分22から分離されており、インク導入孔33のみを介して連通している。よって、仕切り部材30により、気泡の形成に必要なインクがインク貯留部分22から気泡溜め部分21に供給されることを阻止できる。このように、仕切り部材30はインク液面と気泡を分離するための分離手段として機能し、インク液面が低下すると、容易に、気泡溜め内の気泡とインク液面とが分離する。
【0068】
気泡形成用のインクがインク貯留部分22の側から供給されなくなるので、気泡溜め部分22に溜まっている気泡は、インク液面の低下に伴って当該気泡溜め部分22内において徐々に消滅し、その上端部分に空気のみの層が形成され始める。この空気のみの層は、副インク室20内のインク液面の低下、すなわち、主インク室5からの空気の進入に伴って徐々にインク貯留部分22の側に向けて広がっていく。この結果、気泡溜め部分22内の気泡が消滅して空気と置き換わるので、この後は、気泡が形成されない状態で、インク貯留部分22内のインク液面が低下していく。図8(d)にはこの状態を示してある。
【0069】
従って、インクエンド検出用の直角プリズム52反射面52a、52bの近傍に浮遊している気泡間に保持されているインクによって当該反射面52a、52bが覆われてしまうことがない。よって、インク液面Sの低下に伴って、プリズム反射面52a、52bの背面が徐々に露出していく。この結果、インク液面が所定の高さ位置を下回った時点で、気泡に阻害されることなくインクエンドが確実に検出される。
【0070】
ここで、本例では、仕切り部材30の仕切り板31の表面には気泡捕捉用の凹凸面303が形成されている。主インク室5から気泡溜め部分21に進入した空気により形成された気泡は、当該気泡溜め部分21内をインクと共にインク導入孔33の側に流れようとする。しかし、図8(e)に示すように、気泡Bは、仕切り板31の表面に形成されている凹凸面303の凹部304に捕捉されて、その移動が阻止される。気泡が移動しない状態で更に気泡が形成されると、発生した気泡が凹部304に捕捉されて静止している気泡と結びつき、一回り大きな気泡を形成する。
【0071】
このように、気泡捕捉用の凹凸面303によって、発生した気泡の移動が阻止され、気泡の結びつきが促進される。この結果、副インク室20の気泡溜め部分21における空気層の形成が促進されるので、気泡とインク液面との分離状態が速やかに形成される。従って、インク貯留部分22内に気泡が進入して、そこに露出している反射面52a、52bの背面に気泡が付着して、インクエンド検出が出来なくなるという弊害を確実に回避できる。
【0072】
特に、本例では、仕切り部材30の仕切り板31の凹凸面303に形成されている凹部304および凸部305は、インク導入孔33に向かう気泡の流れにほぼ直交する方向に延びるように形成されている。すなわち、凹凸面303のほぼ全体に亘って、その短辺側の縁に形成されているインク導入孔33に向かうインクの流れに直交するように、短辺方向に延びる凹部304および凸部305が形成されている。また、インク導入孔33から凹凸面303の長辺縁までの間には、凹凸面303の長辺方向に延びる凹凸部307、308が形成されている。従って、凹凸面303によって効率良く気泡の流れを阻止することができる。勿論、インク導入孔33を中心として例えば同心円状に、所定の間隔で円弧形状の凹凸部を形成してもよい。
【0073】
また、本例では、各凸部305の表面には一段高い第2凸部306が不連続状態で形成されている。しかも、第2凸部306は、インクの流れ方向、すなわち気泡の流れ方向である仕切り部材30の長辺方向に沿って見た場合に千鳥状に配置されている。
【0074】
気泡溜め部分21に流入したインクは凹凸面303に沿ってインク導入孔33に向けて流れるが、インク残量が少なくなると、当該凹凸面303上に形成された凹凸部の間を流れることになる。第2凸部306がインク流れ方向に千鳥状に配置されているので、インクは第2凸部306の間に千鳥状に残っている凸部305の表面部分を通って千鳥状に蛇行しながら流れる。従って、インクと共に移動しようとする気泡が確実に凹凸面303によって捕捉される。また、第2凸部306の間に形成される深い凹部304によって気泡が確実に捕捉される。これに加えて、凹凸面303に残量してしまうインクは第2凸部306によって規定される高さ分ではなく、低い凸部305によって規定される高さ分に相当する量であるので、凹凸面303上の残留インクを減らすこともできる。
【0075】
なお、本例において、第1のフィルタ11と仕切り部材30の凹凸面303の間隔を、気泡溜め部分21で発生する気泡の径よりも小さい寸法にしておけば、気泡溜め部分21で形成された気泡が押し潰された扁平な状態になるので、仕切り部材30の凹凸面303上に確実に気泡を捕捉でき、気泡同士の結びつきも促進されるという作用効果が得られるので望ましい。
【0076】
このように、本例のインクタンク1では、インク液面の低下に伴ってプリズム反射面52a、52bの反射状態が気泡に邪魔されることなく確実に変化する。従って、本例のインクタンク1をインク供給源とするインクジェットプリンタにおいては、反射面52a、52bの反射状態に基づき、確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクタンクでは、インクが吸収保持されたフォームが収納されている大気開放された主インク室と、外部にインクを取り出すためのインク取出し孔との間に副インク室を形成し、この副インク室内を主インク室側の気泡溜め部分とインク取り出し孔側のインク貯留部分とに仕切り、インク貯留部分に背面が露出するように配置した反射面を利用して、インクエンドを検出するようにしている。また、気泡溜め部分とインク貯留部分を仕切っている仕切り部材における気泡溜め部分側の表面に気泡捕捉用の凹凸面を形成している。
【0078】
インク残量の減少に伴って低下するインク液面は、仕切り部材によって、主インク室から気泡溜めに進入した空気により形成される気泡から分離される。また、仕切り部材の表面の凹凸面によって気泡溜め部分に発生した気泡が捕捉され、インク貯留部分に進行することが阻止される。従って、インク貯留部分に背面が露出している反射面に気泡が付着し、あるいはその近傍に気泡が浮遊して、インク液面が低下しても反射面の反射状態が変化しないという気泡に起因する弊害を防止できる。よって、確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【0079】
また、仕切り部材の凹凸面に形成した凹凸部が、インク導入孔に向かう気泡の流れに直交する方向に延びている場合には、気泡の流れを阻止して確実に気泡を捕捉できるという効果が得られる。
【0080】
さらに、凹凸面に、凹部および凸部が交互に形成されていると共に、その凸部の表面に一段高い不連続な第2の凸部が形成されている部分が形成されている場合には、凸部および第2の凸部の間に形成されている深い凹部によって気泡が確実に捕捉され、同時に不連続な第2の凸部の間を通ってインクを流すことができる。よって、気泡を確実に捕捉できると共に、凹凸面上に残留してしまうインクの量を減らすことができるという効果が得られる。
【0081】
さらにまた、凹凸面に、インク導入孔に向かう気泡の流れ方向に沿って見た場合に、千鳥状に凹凸部が形成されている場合には、千鳥状の凹凸部に沿ってインクが蛇行して流れるので気泡を確実に捕捉できると共に、凹凸面上にインクが溜まってしまうこともないという効果が得られる。
【0082】
また、副インク室の内周面と仕切り板の外周面の間が液密状態に封止されている場合には、これらの間を通ってインク貯留部分から気泡溜め部分に、気泡形成用のインクが供給されることを防止できるので、仕切り部材によるインク液面と気泡の分離性能を高めることができるという効果が得られる。
【0083】
次に、気泡溜め部分の高さを、ここで形成される気泡の寸法よりも小さくした場合には、気泡溜め部分で形成された気泡が押し潰された扁平な状態になるので、仕切り部材の凹凸面上に気泡が確実に捕捉され、また、気泡同士の結びつきも促進されるという効果が得られる。
【0084】
また、この場合において、フィルタの外周縁部分を、副インク室の外周壁部分および前記仕切り板の外周縁部分に対して単一の熱融着工程によって接合して、副インク室の内周側面と仕切り板の外周側面の間を液密状態に封止すれば、簡単な製造工程によって三部材の接合および、液密状態を形成できるという効果が得られる。
【0085】
次に、本発明のインクジェットプリンタは、インク液面の低下に伴って反射状態が確実に変化する反射面を備えたインクタンクをインク供給源としてるので、当該反射面の反射状態に基づき確実にインクタンクのインクエンドを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明を適用したフォーム式のインクタンクの実施例を示す平面図および正面図である。
【図2】図1のインクタンクを底面側から見た場合の斜視図である。
【図3】図1のインクタンクの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図5】図1のV−V線で切断した場合におけるインクタンクの断面図である。
【図6】(a)は、図4における副インク室の部分を拡大して示す部分拡大断面図であり、(b)はそのb−b線で切断した部分を示す部分拡大断面図である。
【図7】図1の仕切り部材を示す斜視図である。
【図8】図1のインクタンクにおける仕切り部材の作用効果を示すための説明図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 容器本体
3 容器本体の上側開口
4 容器蓋
5 主インク室
6 フォーム
7 インク取出し部
8 ゴムパッキン
8a インク取出し孔
9 弁
10 コイルばね
11 第1のフィルタ
12 第2のフィルタ
13 大気連通孔
20 副インク室
21 気泡溜め部分
22 インク溜め部分
30 仕切り部材
31 仕切り板
32 円筒
33 インク導入孔
301 仕切り板本体部分
302 外周枠部分
303 凹凸面
304 凹部
305 凸部
306 第2凸部
51、52 プリズム
51a、51b、52a、52b 反射面
57、58 光学式センサ
57a、58a 発光素子
57b、58b 受光素子

Claims (8)

  1. インクが吸収保持されたフォームと、
    このフォームが収納されている大気開放された主インク室と、
    インク取出し孔と、
    前記主インク室および前記インク取出し孔の間に形成されており、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって、前記主インク室の側からインクおよび気泡を導入可能な副インク室と、
    前記主インク室から前記副インク室に進入した空気量に基づきインクが無くなったか否かを光学的に検出可能な被検出部とを有し、
    前記被検出部は、背面がインク界面となっている反射面を備え、
    前記副インク室は、当該副インク室内を、前記主インク室の側の気泡溜め部分と、前記インク取出し孔の側のインク貯留部分とに仕切っている仕切り板と、前記気泡溜めから前記インク貯留部分にインクを導入するために前記仕切り板に形成したインク導入孔を備えており、
    前記仕切り板の前記気泡溜め部分に面している表面は、前記気泡溜め部分で発生した気泡を捕捉するための凹凸面となっていることを特徴とするインクタンク。
  2. 請求項1において、
    前記凹凸面には、前記インク導入孔に向かう気泡の流れに直交する方向に延びる凹部および/または凸部が含まれているインクタンク。
  3. 請求項1または2において、
    前記凹凸面には、凹部および凸部が交互に形成され、凸部の表面に一段高い不連続な第2の凸部が形成されている部分が含まれているインクタンク。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
    前記凹凸面には、前記インク導入孔に向かう気泡の流れ方向に沿って見た場合に、千鳥状に凹部および/または凸部が配置された部分が含まれているインクタンク。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室の前記気泡溜め部分は、フィルタによって前記主インク室と仕切られており、
    このフィルタは、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成されており、
    前記フィルタと前記仕切り板の間隔が、前記気泡溜め部分で発生する気泡の径よりも小さい寸法とされているインクタンク。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室の内周面と前記仕切り板の外周面の間が液密状態に封止されているインクタンク。
  7. 請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、
    前記副インク室の前記気泡溜め部分は、フィルタによって前記主インク室と仕切られており、
    このフィルタは、前記インク取出し孔に作用するインク吸引力によって気泡が通過可能な多孔質材料から形成されており、
    前記フィルタの外周縁部分は、前記副インク室の外周壁部分および前記仕切り板の外周縁部分に対して単一の熱融着工程によって接合されることにより、前記副インク室の内周面と前記仕切り板の外周面の間が液密状態に封止されているインクタンク。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載のインクタンクをインク供給源とするインクジェットプリンタであって、
    前記インクタンクの前記被検出部を検出する検出部を備えていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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