JP2518438B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2518438B2
JP2518438B2 JP2063544A JP6354490A JP2518438B2 JP 2518438 B2 JP2518438 B2 JP 2518438B2 JP 2063544 A JP2063544 A JP 2063544A JP 6354490 A JP6354490 A JP 6354490A JP 2518438 B2 JP2518438 B2 JP 2518438B2
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剛 早川
晴夫 井上
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、キャリッジの移動に伴う振動,衝撃等に
より発生するインクの圧力変動を防止する機構を備えた
インクジェットプリンタに関するものである。
[従来の技術] 従来のインクジェットプリンタにおいて、プリンタ本
体にインクタンクを設けてあり、インクタンクよりキャ
リッジ上のヘッドモジュールへ可撓性チューブでインク
を供給し、キャリッジ移動に伴う振動・衝撃などにより
発生するインクの圧力変動を吸収するために、衝撃吸収
用のダンパをキャリッジ等に別個に設けていた(例え
ば、特開昭59−73953号公報)。
[解決しようとする課題] しかし、従来のプリンタでは可撓性チューブを用いな
ければならず、またインクをインクタンクに補充しなけ
ればならない。使用者の便を考えると、交換可能なイン
クカートリッジがキャリッジ上に直接装着可能なことが
好ましい。また、従来のように衝撃吸収用のダンパを別
個設ける構成にすると、キャリッジの構成が複雑・大型
化しキャリッジの移動に大きなエネルギおよびスペース
を要してしまう。
そこで本発明の目的は、インクカートリッジをキャリ
ッジ上に装着した場合でも、ヘッドの移動によりインク
に加わる圧力変動に敏感に対応しかつ素早く回復するよ
うにし、しかもインクの射出方向における小型化が可能
なインクジェットプリンタを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明のインクジェットプリンタの特徴は、インクカ
ートリッジからヘッドモジュールヘインクを導くインク
流路が形成してある連結ブロックが、ヘッドモジュール
とインクカートリッジとの間に設けてある。連結ブロッ
クには、インク流路の一部をなしかつ開口部を有するイ
ンク通過室が刻設してあり、開口部を閉塞する可撓性シ
ートが開口部の外周部に位置する側壁端面に固着されて
いる。インク通過室内部には、可撓性シートに対し非接
合かつ接離自在である凸部が設けられており、この凸部
によって細長く蛇行するインク溝が区画形成されてい
る。インク溝は、一部が連結ブロックからヘッドモジュ
ールへ連通する排出口より上方に位置している。そして
インクは、通常は、インク通過室内のインク溝内を通過
し、過大な圧力が加わった時には、可撓性シートを撓ま
せて凸部との間に生じた間隙内に浸入可能であるところ
にある。
なお、インク溝が、インクカートリッジとヘッドモジ
ュールとを結べ経路に対し垂直な平面内で蛇行してお
り、可撓性シートがこの平面に平行に配置してあること
が好ましい。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図示のように、キャリッジ(図示省略)上には、
インクカートリッジ1,連結ブロック2及びヘッドモジュ
ール3が搭載してある。
インクカートリッジ1は、内部にインクが収納された
インク袋5が収めてあり、インク袋5の口はセプタム6
に連結している。セプタム6はインクカートリッジ1の
外部にゴム部6aが設けられている。インクカートリッジ
1は所定手段により、キャリッジ上に着脱可能に装着さ
れるようになっており、インクカートリッジ1が装着さ
れたときゴム部6aに後述のニードル10が貫入される。連
結ブロック2はヘッドモジュール3又はキャリッジ上に
固着されている。連結ブロック2は第1〜4図示のよう
に、インクカートリッジ1とヘッドモジュール3との間
に設けてあり、このインクカートリッジからヘッドモジ
ュールへインクを導くインク流路を形成したものであ
り、ポリエチレン,ポリプロピレン等の耐薬品性があり
かつ白色系で光の反射率の良い材料により一体成形され
ている。連結ブロック2には、上方へ延びた第1のイン
ク通過室2a及び蛇行したインク溝2rが形成してある第2
のインク通過室2bが一体に設けてある。
第1のインク通過室2aは、第4図示のようにヘッドモ
ジュール側に直線状のインク溝2cが刻設してあり、下端
部には、フィルタ機構7を介してニードル10がインクカ
ートリッジ側に取り付けられ、上端部は、第2,3図示の
ようにインクカートリッジ側へ延びた連絡通路2jにより
第2のインク通過室2bと連通している。
フィルタ機構7は、フィルタ8とインク室2f及びイン
ク室2fの下端部に設けられたニードル10の連通孔10aに
より構成されている。
ニードル10は第3図示のように、前方部に連通孔10a
と連通する横孔10bが開けられている。
第1のインク通過室2aの開口部には、透明な第1の可
撓性シート11が固着してある。固着してある部分は第4
図のクロスハッチングの部分であり、同図に示すように
可撓性シート11は第1のインク通過室2aのインク溝2cを
形成する側壁の前端面に固着してある。そして固着部分
の内側には、端面と同一の高さで、可撓性シート11が固
着されておらず、この可撓性シートと接離自在な突出部
2kが、連結ブロック2に一体的に形成されている。第1
の可撓性シート11はポリエチレン,ポリプロピレン等の
耐薬品性のある材料等の薄膜で形成され可撓性があり、
しかも透明であり、熱溶着,超音波溶着等により固着し
てある。第1,3,4図示のように、可撓性シート11を介し
て突出部2kと対向するようにフォトリフレクタ12が設け
てある。フォトリフレクタ12は光を出す部分と光を受け
る部分とがあり、その光の差を比較するものである。
インク経路の一部をなす第2のインク通過室2bは、第
2図示のように後面に開口部たる断面円形の大きな凹部
2mが刻設され、その凹部2mの下端に連絡通路2jが連通さ
れてインク流入口となり、この凹部の略中央位置に一対
のインク排出口2qが設けてある。また、凹部2mの内側に
は、インク流入口2jとインク排出口2qとを連通する蛇行
しかつ左右対称のインク溝2rを区画するために、後端面
と同一高さの凸部2pが連結ブロック2と一体に形成して
ある。インク溝2rは、第1図示のようにインクカートリ
ッジ1とヘッドモジュール3とを結ぶ経路に対して垂直
な平面内で次のように蛇行している。すなわち、一旦凹
部2mの側面に沿ってこの凹部の上端部2s付近に至り、そ
こよりこの凹部の周方向に下降して、インク排出口2qの
位置よりも下方まで下がり、そこより上昇してインク排
出口2qへ至っている。インク溝2rはこのような形状であ
るため、凹部2mの上端部2s付近においてインク中の気泡
はトラップされ、気泡がインク排出口2qへ至ることが阻
止される。この上端部2sは、他のインク流路の部分より
大きく形成してもよい。一対のインク排出口2qはいずれ
もヘッドモジュール3側に排出管2tが形成してある。
凹部2mの外周部に位置する側壁端面には、凹部2mを閉
塞する円形形状の第2の可撓性シート13が固着してあ
る。第2の可撓性シート13はポリエチレン,ポリプロピ
レン等の耐薬品性のある材料等の薄膜で形成されて可撓
性があり、熱溶着,超音波溶着等により、第2図のクロ
スハッチングで示す部分が固着してある。そして、前記
した凸部2pは、第2の可撓性シート13に対して非接合か
つ接離自在である。
ヘッドモジュール3は第1図示のように、後面に突設
してある一対のインク供給パイプ3aが連結部材14により
排出管2tと連結され、インク供給パイプ3aはインク溜め
3bと連通し、ここより各圧電素子作用室3cへ別れ、イン
クはノズル部3dは鉛直方向2列に形成してある各ノズル
(図示省略)より吐出される。ヘッドモジュール3に
は、各圧電素子作用室3cにそれぞれ圧電素子3eが設けて
ある。
次に作用について説明する。
インクカートリッジ1をキャリッジの上に装着してニ
ードル10とセプタム6とを結合する。プリンタの最初の
使用時等の場合はインク吸引手段(図示省略)等により
ノズル部3dより吸引する。すると連結ブロック2、ヘッ
ドモジュール3の中の空気等が吸い出されて、インク袋
5の中のインクがニードル10を経てヘッドモジュール3
の方へ充填されていく。
プライミングシーケンスによりインクのヘッドモジュ
ール3への充填が終わると、印字信号に従ってキャリッ
ジがホームポジションから記録位置に移動し、記録位置
を往復しながら印字を行っていく。このとき、キャリッ
ジの移動等により連結ブロック2,ヘッドモジュール3等
の中のインクに圧力変動が発生する。しかし、連結ブロ
ック2の第2のインク通過室2bの後面、及び第1のイン
ク通過室2aの前面は第2の可撓性シート13及び第1の可
撓性シート11で形成してあるため、この可撓性シート13
及び11が圧力の変動に応じて動き、圧力の変動が吸収さ
れる。さらに詳しく説明すると、印字時においてもキャ
リッジの移動などによりインクに圧力の変動を生じる
が、通常の圧力変動の範囲内であれば、可撓性シート13
は凸部2pに接触した状態のままでインクはインク溝2r内
を通過し、ノズル部3dから吐出される。しかし、この圧
力が過大になると、可撓性シート13が外方に撓んで凸部
2pの端面から離れてその間に間隙を生じ、この間隙内に
インクが浸入する。このようにして、圧力を直接にヘッ
ドモジュールに伝えず圧力を吸収するので、ノズル部3d
からのインクの吐出に乱れを生じない。従って、インク
の圧力変動が発生することによるノズル部3dからのイン
ク吐出の不均一等が防止され、均一で高精度のインク吐
出が可能となる。このように本実施例では、インクカー
トリッジ1とヘッドモジュール3とを結ぶインク流路
を、連結ブロック2に形成してあるインク溝2c,2r及び
そのインク溝の開口部を閉塞する可撓性シート11,13に
より構成し、これによりインクのスロッシュコントロー
ルを同時に行うため、衝撃吸収用のダンパーを新たに設
ける必要がない。
インク袋5の中に収納されたインクの中の空気の気
泡,ごみ等がインクの使用に従ってニードル10より連結
ブロック2側へ入っていく。しかし、フィルタ8がある
ために、気泡,ごみ等がそこでトラップされて、インク
室2fの上方に溜まる。またフィルタ8を通過した気泡
や、インクの中に溶存していて第1のインク通過室2aま
たは第2のインク通過室2bで、集積されて発生した気泡
は直線状のインク溝2c,蛇行したインク溝2rに沿って進
み、凹部2mの上端部2sに溜まる。従って、ヘッドモジュ
ール3へは気泡,ごみ等のないきれいなインクが供給さ
れ、インクの吐出不良,ノズルの目詰まり等が防止され
る。
なお、インク袋5に何等かの外力が加わるなどしてイ
ンクに過大な圧力が加わった時には、第2の可撓性シー
ト13は凸部2pとは固着されていないために、凸部2pから
離れる方向に撓んで間隙を生じ、連絡通路2jを出たイン
クの一部は可撓性シート13と凸部2pの間の間隙にも浸入
し、この時に過大な圧力を吸収する。
インク袋5の中のインクがなくなると、インクに負圧
が生じて、突出部2kと第1の可撓性シート11との間のイ
ンクがインク溝2c側へ流れだし、突出部壁面の白色が現
れるために、フォトリフレクタ12の受ける光の量が増加
し、インクがなくなったことが検知される。
インクがなくなるとインクカートリッジ1を外して新
しいインクカートリッジ1が装着される。このとき、ニ
ードル10内には空気が混入するが、ニードル10の前方に
設けてあるフィルタ8により阻止され、連結ブロック2,
ヘッドモジュール3内に空気が入るのが防止される。イ
ンクカートリッジ1を交換後、再び印字作業を行うこと
ができる。
上記実施例では連結ブロック2のインク流路全てにお
いて可撓性シートを適用したが、第2のインク通過室2b
のみに可撓性シートを用いる等、インク流路の一部のみ
において可撓性シートを適用してもよい。
更に上記実施例では圧電素子を用いたが、本発明はバ
ブルジェットを用いたもの等、種々の形式のインクジェ
ットプリンタに適用可能である。
[効果] 本発明は、インクカートリッジとヘッドモジュールと
を結ぶ連結ブロックのインク流路の一部であるインク通
過室に開口部及びその開口部を閉塞する可撓性シートを
設けて、衝撃吸収用のダンパの作用も同時に行わせるこ
ととしたため、衝撃吸収用のダンパを別個設ける必要が
なく、構成が簡単で小型化が可能である。また、衝撃吸
収用ダンパを別個に設けた場合に生ずるインク流路との
結合部分のシーリング等の問題も回避される。
さらに、インク通過室には細長く蛇行するインク溝が
凸部によって区画形成してあるため、キャリッジに搭載
する場合にスペース的に都合がよく、特にインクカート
リッジとヘッドモジュールとを結ぶ経路に対し垂直な平
面内で蛇行するように形成した場合は、連結ブロックは
余分なスペースを殆どとらない。
また、インク溝を蛇行させることにより長くしている
ので、可撓性シートとの接合面積は増加し、さらに可撓
性シートは凸部に対して非接合かつ接離自在であるの
で、インクがシートと凸部との間に生じる間隙内に浸入
してシートとの接合面積を増し、圧力吸収効果を高めて
いる。このようにスペース的に効率がよく圧力吸収効果
は大である。また、インク通過室のインク溝を蛇行さ
せ、かつインク溝の一部をインク排出口よりも上方に位
置させることにより、その部分において気泡を溜め、ヘ
ッドモジュールへ進むのを防止することができ、連結ブ
ロックに気泡溜まり部を設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はキャリッジ上のヘッドモジュール,連結ブロッ
ク,インクカートリッジの間の結合状態を示す部分破断
側面図、第2図は連結ブロックの背面図、第3図は第2
図及び第4図のA−A線断面図、第4図は連結ブロック
の正面図である。 1……インクカートリッジ、 2……連結ブロック、 2b……インク通過室、 2j……インク流入口(連絡通路)、 2m……開口部(凹部)、 2p……凸部、 2q……インク排出口、 2r……蛇行したインク溝、 2s……インク溝の一部(上端部の気泡溜まり部)、 3……ヘッドモジュール、 13……可撓性シート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクカートリッジからヘッドモジュール
    ヘインクを導くインク流路が形成してある連結ブロック
    が、上記ヘッドモジュールと上記インクカートリッジと
    の間に設けてあり、 上記連結ブロックには、上記インク流路の一部をなしか
    つ開口部を有するインク通過室が刻設してあり、上記開
    口部を閉塞する可撓性シートが上記開口部の外周部に位
    置する側壁端面に固着されており、 上記インク通過室内部には、上記可撓性シートに対し非
    接合かつ接離自在である凸部が設けられており、この凸
    部によって細長く蛇行するインク溝が区画形成され、 上記インク溝は、一部が上記連結ブロックから上記ヘッ
    ドモジュールへ連通する排出口より上方に位置してお
    り、 上記インクは、通常は、上記インク通過室内の上記イン
    ク溝内を通過し、過大な圧力が加わった時には、上記可
    撓性シートを撓ませて上記凸部との間に生じた間隙内に
    浸入可能である ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】上記インク溝は、上記インクカートリッジ
    と上記ヘッドモジュールとを結ぶ経路に対し垂直な平面
    内で蛇行しており、 上記可撓性シートは上記平面に平行に配置してある ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリ
    ンタ。
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