JP3397044B2 - インクカートリッジ及びインクエンド検出装置 - Google Patents

インクカートリッジ及びインクエンド検出装置

Info

Publication number
JP3397044B2
JP3397044B2 JP18251896A JP18251896A JP3397044B2 JP 3397044 B2 JP3397044 B2 JP 3397044B2 JP 18251896 A JP18251896 A JP 18251896A JP 18251896 A JP18251896 A JP 18251896A JP 3397044 B2 JP3397044 B2 JP 3397044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
filter member
reservoir
filter
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18251896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1024601A (ja
Inventor
幸弘 花岡
健一郎 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP18251896A priority Critical patent/JP3397044B2/ja
Publication of JPH1024601A publication Critical patent/JPH1024601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397044B2 publication Critical patent/JP3397044B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、より詳しくはインクジェット記録装置の記
録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジの残存
インクの有無を検知するインクエンド検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】記録ヘッドがインクを安定して噴射する
ためにはインクカートリッジから記録ヘッドへのインク
の供給は、負の微圧(以下背圧と称する)で行う必要が
ある。この背圧を多孔質体からなるインク含浸部材の毛
細管力によって発生させる方式が有用であり、多くのイ
ンクカートリッジが実用化されている。
【0003】従来、このようなインク含浸部材を用いた
インクジェット記録装置のインクカートリッジの残存イ
ンクの有無を検知する手段として、特開平3−2849
53号に開示されているが如く、インクカートリッジの
内部に2本の金属電極を挿着し、電極間の計測抵抗値
を、予めインクの残存量と抵抗値の関係を示した記憶テ
ーブルと参照することによりインクの有無を判定する方
式が有用とされている。
【0004】また特開平4−00715号に示す如く、
記録ヘッドの総インク噴射パルス数をカウントし、予め
記憶されたインク噴射ドット質量と総インク噴射パルス
数から、使用インク量を算出し、この算出結果よりイン
クカートリッジの残存インク量を推定し、インクエンド
を決定する方式が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−28495
3号に開示された従来例では、印字デュ−ティや、製造
工程によって抵抗とインク残存量の関係が大きく変化す
るため、ドット抜けが発生する前に確実にインクエンド
を確定するためにはインクカートリッジ内部にインクを
多く残したままインクエンドとなるように検出手段の設
定をしなければならず、高価なインクが無駄になるとい
う課題を有する。
【0006】また環境温度によって、インクエンド抵抗
の閾値を変更する必要があり、環境温度の検知手段と、
A/Dコンバーター等のレベルを連続的に検出可能な手
段を記録装置に装備しなければならす、装置が複雑化す
るという課題を有する。
【0007】更にこのインクの抵抗検出方式は、抵抗測
定の際インクに電圧を印加するため、駆動回路がインク
に接する構造の記録ヘッドを用いたインクジェット記録
装置においては、ヘッド駆動回路とインクエンド検出回
路の短絡が起こるという重大な課題を有するため、採用
が不可能である。
【0008】インク噴射パルス数とインク噴射単位より
使用インク量を算出する特開平4−007158号は、
インク噴射パルス数のカウント手段と、記録装置の電源
がOFF状態でインク噴射パルス数を記憶する記憶手段
と、予め入力されたインク噴射ドット質量記憶手段とを
具備し、総インク噴射パルス数とインク噴射ドット質量
より、消費したインクを推定することで実現されている
が、インク噴射ドット質量は環境温度、記録ヘッド個体
間でバラツキを持つため、第1の従来例と同様に、イン
クエンドミスを無くし、インクエンドで確実に印字を停
止するためには、インクの残存量が多い状態でインクエ
ンドとする必要があり、有効に使用できないインクが増
加したり、インクカートリッジのインク寿命が短くなる
という課題を有する。また記録装置の主たる制御手段と
インク噴射パルス数のカウント手段は共通なため、記録
装置を制御しながら、インク噴射パルスのカウントを行
う必要があるため、高速の動作が可能な制御手段が必要
なばかりが、電源OFF時にインク噴射パルス数を記憶
保持しておくバックアップ電源付きのメモリ、あるいフ
ラッシュメモリ等が必要となり、制御装置の複雑化を招
くという課題を有していた。
【0009】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、インクエンドの検出のための制御が容
易で、真のインクのエンドを検知し検出バラツキの無い
インクカートリッジとインクエンド検出装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するためのインクカートリッジとして、インクを含浸
する多孔質部材からなるインク含浸部材を装填したイン
クタンクの下端に前記記録ヘッドに連通するインク取り
出し流路と、前記インク取り出し流路に並設し、外部よ
りインク有無を判別するためのインク溜まりと、前記イ
ンク取り出し流路と前記インク含浸部材の間に第1のフ
ィルタ部材と、前記インク溜まりと前記インク含浸部材
の間に第2のフィルタ部材を設け、インクの表面張力で
発生する毛細管力が、前記インク含浸部材、前記第2の
フィルタ部材、前記記録ヘッドのインク噴射ノズル、前
記第1のフィルタ部材の順に大きくなるような孔径とし
たことを特徴とする。
【0011】本発明の上記の構成によれば、インクエン
ド間際にインク含浸部材、第2のフィルタ部材の順にイ
ンクが無くなり、第2のフィルタ部材の孔部に形成した
メニスカスが壊れた瞬間に、インク溜まり内のインクが
無くなる。フォトインタラプタはインクによる遮蔽状態
から開放されるため出力が変化する。この出力変化を検
出手段により判定し、インクエンドを検知する。第2の
フィルタ部材より記録ヘッドのインク噴射ノズルの毛細
管力が大きいため、インクエンド以前にインク噴射ノズ
ルより気泡を取り込むことはない。また第2のフィルタ
部材より第1のフィルタ部材の毛細管力が大きいため、
インクカートリッジより気泡が記録ヘッドに流れ出るこ
とはない。
【0012】さらにインク含浸部材を部分的に強く圧縮
するように、インク取り出し流路と、インク溜まりの開
口部を前記インクタンクより突出して並設したことによ
り、部分的にインク含浸部材内の毛細管力を大きくし、
インク取り出し流路とインク溜まり部にインクが集まり
やすくなり、インクエンド時のインク残量が減少する。
【0013】また、第1のフィルタ部材と、第2のフィ
ルタ部材を、インク含浸部材を部分的に強く圧縮する厚
みを有する多孔質部材としたことによりインク残量を減
少させる。
【0014】インクカートリッジのインク溜まりの側壁
をインクが毛細管力で上昇するよう微細な溝を形成した
ことにより、インクエンド時にインク溜まり内の側壁の
溝をインクが上昇しインク溜まりは完全に空になるた
め、インクタンクの外部からのインクの有無の判断が容
易になる。
【0015】また、上記のインクカートリッジを用いた
インクエンド検出装置として、インク溜まりを横断する
光軸を有する可視光を検知する透過型フォトインタラプ
タを配置し、前記フォトインタラプタで発生する出力変
化をもとにインクの有無を判断する判定手段を具備した
ことにより、インクエンドの検知が容易になる。
【0016】さらに、前記フォトインタラプタの光軸上
に赤外波長の光を遮断する光学フィルタを配設したこと
により、フォトインタラプタの赤外波長領域の感度を無
くし、インクの赤外波長の透化特性をキャンセルする。
従ってインク有無におけるフォトインタラプタの出力比
が大きくなるためインクエンドの判定が容易に行える。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明について図面を用いて詳細
に実施の形態を説明する。図1は本発明のインクカート
リッジ及びインクエンド検出手段の実施の形態を示す分
解斜視図であり、インクジェット記録装置のキャリッジ
部に搭載した状態を示す。図2は本実施の形態のインク
カートリッジ及びインクエンド検出手段を搭載したイン
クジェット記録装置のキャリッジ部の側断面図である。
図3、図4、図5、図6、図7は本実施の形態の動作の
説明図である。図8は本実施の形態の部分詳細図であ
る。また図9は他の実施の形態を示す側断面図である。
図10は他の実施の形態の全体斜視図である。
【0018】図1、図2に従って構成を説明する。図中
1はインクを噴射させる記録ヘッドであり内部には電気
機械変換素子が接合された圧力室と(図示せぬ)、イン
ク噴射ノズル2と、圧力室へのインク導入路3を具備し
ている。図中4はインクカートリッジであり、インクタ
ンク5と、インクタンク5に装填された、インク含浸部
材6と、蓋部材7と、記録ヘッド1のインク導入路3に
接続されるパッキン部材8とで構成されている。インク
タンク5の底面部には、突出した管状のインク取り出し
流路9と、インク取り出し流路9と同一高さの突起であ
り、且つインク取り出し流路9に並設した開口端を有す
るインク溜まり10が一体的に形成されている。図中1
1はインク取り出し流路9の開口端全面に融着された第
1のフィルタ部材であり、図中12はインク溜まり10
の開口端に融着された第2のフィルタ部材である。イン
ク取り出し流路9の他端にはパッキン部材8が内挿され
ている。インク溜まり10の他端は閉塞している。図中
13は記録ヘッド1とインクカートリッジ4を搭載した
搬送手段である。図中14はインク溜まり10貫く光軸
を有するフォトインタラプタである。15はフォトイン
タラプタ14の赤外波長領域をカットする光学フィルタ
であり、フォトインタラプタ14に固定されている。フ
ォトインタラプタ14の出力はフレキシブル基板16を
経由して記録装置本体の制御ブロック内に設けられた、
インクエンド判定手段17に接続される。
【0019】図中18は着色剤として染料を用いた水性
インクであり、インク含浸部材6の空孔部に保持されて
いる。
【0020】次に各部の構造についてより詳しく説明す
る。
【0021】記録ヘッド1のインク噴射ノズル2は約3
0ミクロンメートルの円形状をしている。インク噴射ノ
ズル2は材料に単結晶シリコン板を用い、ノズル孔の内
面は熱酸化膜を形成し、インク18との濡れ性を良好に
している。但し、ノズル孔表面は撥インク処理を施して
あり、インク18の噴射がスムーズに行えるようにして
ある。インク18と熱酸化膜の接触角は0〜15度であ
り、インク噴射ノズル2とインク18で発生する毛細管
力は約3000パスカルである。従って記録ヘッド1へ
のインクの供給は−3000パスカルを越えない圧力で
行う必要がある。インク導入部3は管状の流路であり、
先端はインクカートリッジ4のパッキン部材8と挿脱可
能となっている。インクカートリッジ4のインクタンク
5の材料は耐インク性が高く、インクの物性変化が小さ
い素材であり、可視光が透過する透明または乳白色のポ
リプロピレンとした。インクタンク5の底面に形成され
たインク取り出し流路9は突出高さは約8ミリメートル
であり、開口端部は広い面積とし、第1のフィルタ部材
11を熱融着してある。インク取り出し流路9は下端に
向かっては段階的に断面積を減じ、終端は円形断面と
し、円形のパッキン部材8を嵌入してある。
【0022】第1のフィルタ部材11は開口径が3〜5
ミクロンメートルのステンレス金網であり、記録ヘッド
1のインク噴射ノズル2の孔寸法より小さい開口寸法で
あり、インク18の表面張力では約9000パスカルの
毛細管力を発生する。従ってインク噴射ノズル2で発生
する毛細管力より十分大きい。
【0023】インク噴射直後の記録ヘッド1内へのイン
ク18の補充は、インク噴射ノズル2の毛細管力で行な
われる。インク噴射ノズル2の毛細管力より、第1のフ
ィルタ部材の毛細管力の方が強いため、印字において
は、第1のフィルタ部材11を気泡が通過することはな
い。またインク噴射ノズル2を目詰まらせるような異物
がインクカートリッジ4から流出することも完全に防止
できる。
【0024】インク溜まり10は前述のように、インク
取り出し流路9と同一高さの突起であり、且つインク取
り出し流路9に並設した開口端を有している。インク溜
まり10はフォトインタラプタ14の光軸上のインクの
厚みが約1.5ミリメートルで、他端が閉塞した形状を
している。またインク溜まり10はフォトインタラプタ
14の光軸上の壁面の厚みは0.5ミリメートルとして
おり乳白色の材料においても、光が透過するようにし
た。インク溜まり10のフォトインタラプタ14の光軸
を除く内面は幅が0.2ミリメートル以下の微細は溝2
1を設けてあり、インク18は表面張力によってこの溝
を垂上がることが可能である。(後述のインクエンドの
瞬間に気泡とインクの入れ替えがスムーズに行える。)
インク溜まり10の開口端部には記録ヘッド1のインク
噴射ノズル2よりやや大きな開口径を有する第2のフィ
ルタ部材12を融着してある。より具体的には50〜7
0ミクロンメートルの開口径を有するナイロンメッシュ
とした。第2のフィルタ部材12とインク18で発生す
る毛細管力は約1200〜2000パスカルである。従
ってインク噴射ノズル2の毛細管力より弱い毛細管力の
ため記録ヘッド1がインク噴射不能に陥る前に第2のフ
ィルタ部材12のメニスカスを壊すことができる。
【0025】インク含浸部材6はエーテル系のポリウレ
タンフォームであり、インクタンク5に装填状態で約1
30〜200ミクロンメートルの開口径からなる空孔を
多数有している。インク含浸部材6の底面部は第1のフ
ィルタ11、第2のフィルタ12を介して各々インク取
り出し流路9とインク溜まり10の突出高さで部分的に
高圧縮状態を作り出している。この圧縮によって第1の
フィルタ部材11と第2のフィルタ部材12はインク含
浸部材6に密着している。この部位のインク含浸部材6
の空孔径は約100ミクロンメートルであり、第2のフ
ィルタ部材12の開口径よりやや大きい。インク含浸部
材とインク18で発生する毛細管力は300〜1000
パスカルである。
【0026】各部の毛細管力は、第1のフィルタ11>
インク噴射ノズル2>第2のフィルタ部材12>インク
含浸部材6となる。(メニスカスの強い順でもある)図
7はインクの吸光度を示す。着色剤に染料を用いたイン
ク18は約700ナノメータ以上の赤外線は吸光せず透
過する。従って一般に広く使用されている赤外発光ダイ
オードを用いたフォトインタラプタではインク18の有
無の検知は不可能なため、本実施の形態では赤色または
ブルーの発光ダイオードを発光側に、フォトダイオード
または、フォトトランジスタを受光側に有するフォトイ
ンタラプタ14を用いた。可視光領域に主たる発光波長
を有するフォトインタラプタであっても、図7に示すよ
う約700ナノメータを中心に赤外領域まで感度を持つ
ため、波長によってはインク18が存在しても透過光が
存在し、インク有無時の出力信号比が小さくなる。そこ
でインクの有無による信号出力比を大きくするため、図
中15に示す赤外カットの光学フィルタをフォトインタ
ラプタ14の光軸上に設置し、赤外波長領域をカットし
た。光学フィルタ15はアクリル樹脂に赤外線吸収剤を
添加し、射出成形で形成した。光学フィルタ15は図7
に示す吸光特性を示し、700ナノメータ以上の波長域
を光学フィルタ1に吸収させた。次に動作の説明を行
う。図3はインクカートリッジ4の初期状態を示し、内
部にインク18が多量に残留している状態を示す図であ
る。図4はインク18の消費が進み、第1のフィルタ部
材11と、第2のフィルタ部材12の上面に気泡19が
集まった状態を示す図である。図5は第2のフィルタ部
材12のメニスカスが壊れ、インク溜まり10内に空気
20が侵入した状態を示す図である。図6は各部のイン
ク圧力を示すグラフである。横軸にはインク18の消費
量、縦軸は圧力である。
【0027】図6においてAは記録ヘッド1内部のイン
ク圧力を示す。Bは第2のフィルタ部材12の毛細管力
(=メニスカス強さ、以下省略)、Cはインク噴射ノズ
ル2の毛細管力、Dは第1のフィルタ部材11と第2の
フィルタ部材12の上面部のインク含浸部材6及びイン
ク溜まり10内の圧力を示す。
【0028】インクカートリッジ4の使用開始時は図3
に示す如く、インク含浸部材6中のインク18はインク
含浸部材6の外周部にメニスカスを形成し、内部はほぼ
インク18で満ちている。第1のフィルタ部材11と第
2のフィルタ部材12には、約−300パスカル大きさ
のインク含浸部材6の外周部の空孔径で発生する背圧が
働いている。上記より設置位置が低い記録ヘッド1には
約−200パスカルの背圧が働いている。第1のフィル
タ部材11と第2のフィルタ部材12の近傍に気泡は存
在しない。インク溜まり10内はインクで満ちており、
フォトインタラプタ14は遮蔽状態である。
【0029】インク噴射のため、記録ヘッド1がインク
18を吸引すると、インク含浸部材6内のインク18は
第1のフィルタ部材11と、インク取り出し流路9を介
して記録ヘッド1に流れる。インク含浸部材6のインク
18が消費された部位は空気が入り込む。インク含浸部
材6の空孔径の大きな部位よりインク18は流れ、メニ
スカスは次第に空孔径の小さい部位に移動する。従って
毛細管力が上昇し、図6に示すよう第1のフィルタ部材
11と第2のフィルタ部材12の上面、記録ヘッド1内
部の背圧は次第に低下する。インク溜まり10内はイン
ク18の流れはないが、インク溜まり10はインク取り
出し流路9と、突出高さがほぼ同じくまた近傍に並設さ
れており、図4中、矢印Gで示す向きのインク18の流
れが生じ、第1のフィルタ部材11の上面と同様に第2
のフィルタ部材12の上面にも気泡19が集まる。更に
インク18の消費が進み、第2のフィルタ部材12のほ
ぼ全面が気泡19で埋め尽くされた状態で、インク18
を吸引すると、気泡19の圧力は第2のフィルタ部材1
2の毛細管力(約1200パスカル)を越え、図5に示
すよう、メニスカスが壊れる。インク溜まり10内のイ
ンク18はインク含浸部材6の毛細管力によりはインク
含浸部材6に吸収される。インク溜まり10はインクタ
ンク5の底面に設けてあるため、移動しにくいが、図8
に示すよう内部の壁面に微細な溝21を設けてあり、こ
の溝をインク18の表面張力で垂上がるため、すべてイ
ンク含浸部材6に吸収される。従ってインク溜まり10
は空となり、空気20でしめられる。図6において、第
2のフィルタ部材12の上面のインク18の圧力は急激
に0に推移する。尚、溝21の代わりに多孔質部材を挿
入してもよい。
【0030】インク溜まり10の透過状態が変化したた
め、フォトインタラプタ14の出力信号が変化し、イン
クエンド判定手段17によりインクエンドと判定され
る。この判定結果により本装置の搭載された、記録装置
はインクエンド状態として、印字の続行を不可とし、停
止する。この状態では記録ヘッド1内のインクの圧力
(−1200パスカル)は図6に示すよう、インク噴射
ノズル2の毛細管力(2500パスカルのメニスカス強
度、図中C)より遥かに弱いため、インク噴射ノズル2
のメニスカスを破壊することがなく、インクエンドを検
出し印字の停止が可能である。
【0031】又、第2のフィルタ部材12より第1のフ
ィルタ部材11のメニスカス強度が大きいため、インク
エンド以前にインクカートリッジ4より記録ヘッド1に
気泡を流出することもない。
【0032】図9は、第1のフィルタ部材40と第2の
フィルタ部材42を高密度のフェルトや、連泡の発泡体
とし、インク取り出し流路42、インク溜まり43はイ
ンクタンク44内部に突出させず、フィルタ部材でイン
ク含浸部材45を圧縮した実施の形態を示すが、先の実
施の形態と同様の効果が得られるものである。
【0033】本実施の形態は光軸がストレートの透過型
のフォトインタラプタ14を使用したが、次に第2の実
施の形態としてプリズムで光軸を形成した方式の説明を
行う。
【0034】図10において、30はインクカートリッ
ジ31に設けられた、プリズムであり、インク溜まり3
2の両側を挟装している。プリズムは可視光発光素子3
3の第1の入射部34と第1の光軸変換部35と、イン
ク溜まり32への第1の出力部36と、これと対象にイ
ンク溜まり32からの第2の入射部37と第2の光軸変
換部38と可視光受光素子39への第2の出力部40か
らなる。プリズム30は赤外線吸収剤を添加したアクリ
ルからなり、一体的に射出成形で形成してある。可視光
発行素子33は赤色ダイオードやランプが使用可能であ
る。また可視光受光素子39はフォトダイオードやフォ
トトランジスタが使用可能である。 本実施の形態によ
れば可視光発光素子33と、可視光受光素子39は平面
的に配置可能であり、インクエンド検出手段の高さを抑
さえることが可能で薄型の記録装置が構成可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、インクカートリッジの
インクエンド状態をインクの背圧により、検出部に変化
を発生させる方式のため、記録ヘッドのインク噴射限界
にインクエンドを設定することができるため、検出バラ
ツキを考慮する必要がなくなる。また光−電気変換素子
を用いた方式のため、検出手段の信号処理が比較的容易
に行える。また非接触検出であり、記録ヘッドのインク
噴射性能に影響を与えること全くないという効果があ
る。更に、検知時間が短く、また電極によるインク抵抗
のような検出回数の制限がないため、記録装置の使用時
は常時検知可能となり、検出ミスを防止可能である。ま
た記録ヘッドのインク噴射デュ−ティや環境温度に左右
されにくく、検出のための補助検出や制御回路における
演算が不要となる効果がある。また、プリズムを使用す
ることにより、インクエンド検出手段の高さを抑さえる
ことが可能で薄型の記録装置が構成可能となる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図。
【図2】本発明の一実施形態の側断面図。
【図3】本発明の一実施形態の動作の説明図。
【図4】本発明の一実施形態の動作の説明図。
【図5】本発明の一実施形態の動作の説明図。
【図6】本発明の一実施形態の各動作における圧力変化
の説明図。
【図7】本発明の一実施形態のインクの照射波長による
吸光度の差を示す説明図。
【図8】本発明の実施の形態の部分詳細を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態を示す側断面図。
【図10】本発明の他の実施形態を示す全体斜視図。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インク噴射ノズル 3 インク導入路 4 インクカートリッジ 5 インクタンク 6 インク含浸部材 7 蓋部材 8 パッキン部材 9 インク取り出し流路 10 インク溜まり 11 第1のフィルタ部材 12 第2のフィルタ部材 13 搬送手段 14 フォトインタラプタ 15 光学フィルタ 16 フレキシブル基板 17 インクエンド判定手段 18 インク 19 気泡 20 空気 31 プリズム 33 可視光発光素子 39 可視光受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−138158(JP,A) 特開 平6−134999(JP,A) 特開 平2−18056(JP,A) 特開 平7−218321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを含浸する多孔質部材からなるイ
    ンク含浸部材を装填したインクタンクの下端に記録ヘッ
    ドに連通するインク取り出し流路と、該インク取り出し
    流路に並設し、外部よりインク有無を判別するためのイ
    ンク溜まりと、前記インク取り出し流路と前記インク含
    浸部材の間に第1のフィルタ部材と、前記インク溜まり
    と前記インク含浸部材の間に第2のフィルタ部材を設
    け、前記インクの表面張力で発生する毛細管力が、前記
    インク含浸部材、前記第2のフィルタ部材、前記記録ヘ
    ッドのインク噴射ノズル、前記第1のフィルタ部材の順
    に大きくなるような孔径としたことを特徴とするインク
    カートリッジ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクカートリッジに於
    いて、前記インク含浸部材を部分的に強く圧縮するよう
    に、前記インク取り出し流路と、前記インク溜まりの開
    口部を前記インクタンクより突出して並設したことを特
    徴とするインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクカートリッジに於
    いて、前記第1のフィルタ部材と、前記第2のフィルタ
    部材を、前記インク含浸部材を部分的に強く圧縮する厚
    みを有する多孔質部材としたことを特徴とするインクカ
    ートリッジ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインクカートリッジに於
    いて、前記インク溜まりの側壁にインクが毛細管力で上
    昇する微細な溝を形成したことを特徴とするインクカー
    トリッジ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のインクカートリッジ
    を用い、前記インク溜まりを横断する光軸を有する可視
    光を検知する透過型フォトインタラプタを配置し、前記
    フォトインタラプタで発生する出力変化をもとにインク
    の有無を判断する判定手段を具備したことを特徴とする
    インクエンド検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のインクエンド検出装置に
    おいて、前記フォトインタラプタの光軸上に赤外波長の
    光を遮断する光学フィルタを配設したことを特徴とする
    インクエンド検出装置。
JP18251896A 1996-07-11 1996-07-11 インクカートリッジ及びインクエンド検出装置 Expired - Fee Related JP3397044B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18251896A JP3397044B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 インクカートリッジ及びインクエンド検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18251896A JP3397044B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 インクカートリッジ及びインクエンド検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1024601A JPH1024601A (ja) 1998-01-27
JP3397044B2 true JP3397044B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=16119708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18251896A Expired - Fee Related JP3397044B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 インクカートリッジ及びインクエンド検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397044B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4013642B2 (ja) * 2002-05-15 2007-11-28 セイコーエプソン株式会社 インクタンクおよびインクジェットプリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1024601A (ja) 1998-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100543403B1 (ko) 잉크 탱크 및 잉크젯 프린터
US8454146B2 (en) Ink containment system and ink level sensing system for an inkjet cartridge
EP2285579B1 (en) An ink containment system and ink level sensing system for an inkjet cartridge
EP0712727A2 (en) Ink supply device for use in ink jet printer and ink tank for use in the same device
JP2005161635A (ja) インクタンクおよびインク供給装置
JP2006281589A (ja) 液体収納容器及びインクジェット記録装置
JPS6315915B2 (ja)
JP3397044B2 (ja) インクカートリッジ及びインクエンド検出装置
US7021736B2 (en) Ink tank and ink jet printer incorporating the same
EP0953450B1 (en) Inkjet ink level detection
US7552989B2 (en) Ink run-out detector, ink cartridge and ink jet recording apparatus
JP3210190B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2797191B2 (ja) インクジェットプリンタの圧力ダンパ
JP6604046B2 (ja) 液体カートリッジ及び液体消費装置
JPH06226990A (ja) インクタンクおよびインクジェット記録装置
JPS60240456A (ja) インク貯蔵器
JP2005161636A (ja) 液体供給システム
JP2003211686A (ja) 液体貯蔵容器及びこれを用いたヘッドカートリッジ
JP3405151B2 (ja) 液体噴射記録装置
JPH11334097A (ja) インクタンクおよびプリント装置
US7452064B2 (en) Ink tank and ink-jet recording apparatus
JPH0747686A (ja) インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP4046292B2 (ja) インクタンク
JP4289631B2 (ja) インクタンク
JP2005161640A (ja) 液体供給機構、液体収納容器、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドカートリッジおよび記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees