JP2797191B2 - インクジェットプリンタの圧力ダンパ - Google Patents

インクジェットプリンタの圧力ダンパ

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JP2797191B2 JP1036322A JP3632289A JP2797191B2 JP 2797191 B2 JP2797191 B2 JP 2797191B2 JP 1036322 A JP1036322 A JP 1036322A JP 3632289 A JP3632289 A JP 3632289A JP 2797191 B2 JP2797191 B2 JP 2797191B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 インクジェットヘッドとインクタンクとの間に設けら
れ、インクジェットヘッドに流入するインクの圧力変動
を吸収するインクジェットプリンタの圧力ダンパに関
し、 簡単な構造で信頼性の高いインク供給系を実現するこ
とができるようにすることを目的とし、 インクジェットヘッドとインクタンクとの間に設けら
れ、インクジェットヘッド1に流入するインクの圧力変
動を吸収するインクジェットプリンタの圧力ダンパにお
いて、インク排出部にインクを濾過するメッシュフィル
タを設けて構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、インクジェットヘッドとインクタンクとの
間に設けられ、インクジェットヘッドに流入するインク
の圧力変動を吸収するインクジェットプリンタの圧力ダ
ンパに関する。
インクジェットプリンタとして第6図に示すものがあ
る。同図において42は真空脱気してなる液体インクを収
納するインクタンク、43は図示しない制御装置によって
記録用紙45にインクを吹きつけるインクジェットヘッ
ド、41はインクタンクから前述のインクジェットヘッド
にインクを供給するインク供給チューブを示している。
そしてこのインクジェットヘッド43はヘッドキャリッジ
44に取付けられており、制御装置の制御により主走査方
向に移動走査され印字等が行なわれるものとなってい
る。従ってインクジェットヘッド43の走査運動中や反転
運動中にインクヘッド43中のインクやインク供給チュー
ブ41中のインクに加速度が加わり、インクの供給圧力が
変動してしまうためインクジェットヘッド43の安定した
インクの噴射が妨げられるという問題がある。すなわ
ち、インクジェットヘッド1の各ノズル1bに連なるイン
ク流路中の圧力室1cの容積を圧電素子1dで減少させる場
合に、この圧力が気泡に吸収されてしまい、インクに伝
わらないため、ノズルよりインクが噴射されなくなる。
そこで、インクの供給路の途中に圧力ダンパを設けるも
のとしている。
また、このようなインクの供給系にはインクタンク42
のインクカセットの交換等の際等にインク中に入りこむ
微小な粒子や気泡を取り除くためにメッシュフィルタを
設けるものとしている。
〔従来の技術〕
従来この圧力ダンパとして第7図乃至第9図に示すも
のがある。この圧力ダンパ16はインクタンク42からイン
クジェットヘッド43へのインクの供給路中に設けられた
ものである。
この圧力ダンパ16は第8図及び第9図に示すように、
ポリエチレン製の板状の圧力ダンパ本体の両面に溝部や
穴部を形成し、その両面に可撓性フィルム59,60を貼着
して、溝部をインクの流通路とし、穴部を圧力吸収部と
して形成したものである。即ち圧力ダンパ本体50の両面
50a,50bの略中央には圧力吸収部51を円形に凹設すると
共に、この両圧力吸収部51を連通する連通孔52を設けて
いる。そして圧力ダンパ本体20の上端にはインク供給チ
ューブが差し込まれるインク流入プラグ部53を形成し、
このインク流入プラグ23の孔部54に連通するように圧力
ダンパの一面50aにインク流入路56を溝状に形成し、圧
力吸収部51の下部に連通させている。
また、同様にこの面に圧力吸収部51の下部とインク流
出プラグ57との間には流出路を溝状に形成したものであ
る。
そして、インクの圧力変動は圧力吸収器51の両側に設
けられた可撓性フィルム59,60の振動により吸収される
ものとしている。又、従来この圧力ダンパの前段にメッ
シュフィルタ17を設け比較的大きい気泡や微細な粒子を
捕獲するものとしていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来のインクジェットプリンタの
圧力ダンパは、インクの圧力変動は圧力ダンパ16によっ
て吸収され、またインク中の微細な粒子や比較的大きな
気泡はメッシュフィルタ17によって捕獲され、圧力ダン
パ中16には侵入しない。しかしながらこの圧力ダンパ
は、第7図に示されるように、メッシュフィルタとは別
体に設けられており、構成が大型化するという問題があ
った。また、メッシュフィルタ17で捕獲されなかった微
細な気泡は、圧力ダンパ16中に入りこみ、その上部にた
まる。この気泡19を排出するためにパージ動作を行なう
が、このパージ動作では圧力ダンパ16中の気泡19は圧力
ダンパ16のインク排出路16aを介して吸い出されて排出
されるが、メッシュフィルタ17に捕獲された比較的大き
い気泡はインクの表面張力のためメッシュフィルタ17を
通りぬけることができず、捕獲された微細粒子と共にメ
ッシュフィルタ17に残ってしまう。このため装置を長時
間使用しているとメッシュフィルタ17の有効開口面積が
減少してしまうおそれがある。このため従来では装置の
使用期間中にメッシュフィルタ17に目詰まりが発生しな
いように、大きいサイズのメッシュフィルタ17を使用せ
ざるをえなかった。
そこで本発明は、簡単な構造で信頼性の高いインク供
給系を実現することができる圧力ダンパを提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明にあって、上記の課題を解決するための手段
は、インクジェットヘッドとインクタンクとの間に設け
られ、インクジェットヘッドに流入するインクの圧力変
動を吸収するインクジェットプリンタの圧力ダンパにお
いて、インクの圧力変動を吸収する圧力吸収部と、該圧
力吸収部の直下で圧力吸収部に連通し、インクジェット
ヘッドにインクを排出するインク排出部と、上記インク
排出部に設けられ、インクを濾過すると共に気泡を補足
するメッシュフィルタと、上記圧力吸収部の上部に設け
られ、上記メッシュフィルタで補足され、集結してメッ
シュフィルタから離れ、圧力吸収部内でインク中を上昇
して圧力吸収部の上部に蓄留した気泡を排出する気泡排
出路を備えたことである。
〔作用〕
本発明によれば、圧力ダンパ内のメッシュフィルタに
補足された気泡は次々と集まり、ある程度以上の大きさ
になると浮力でメッシュフィルタから離れて浮き上が
る。このとき、メッシュフィルタはインク排出路に設け
られているので、浮き上がった気泡は圧力ダンパの圧力
吸収部の上部に蓄留され、蓄留された気泡は圧力吸収部
の上部から気泡排出路を経て排出される。このため、メ
ッシュフィルタには気泡による目詰まりが発生せず、メ
ッシュフィルタの大きさを小型化でき、圧力ダンパ内に
メッシュフィルタを一体的に設けることができるように
なると共に、インクの安定した供給を行なうことができ
る。
〔実施例〕
以下本発明に係るインクジェットプリンタの圧力ダン
パの実施例を図面に基づいて説明する。
第1図乃至第5図は本発明に係るインクジェットプリ
ンタの圧力ダンパの実施例を示すものである。本実施例
において圧力ダンパ3は第1図に示すように、インクジ
ェットヘッド1とインクタンク2との間でインクジェッ
トヘッド1あるいはヘッドキャリッジ44に搭載されてい
る。この圧力ダンパ3の圧力吸収部6の直下のインク排
出部4にはインクを濾過するメッシュフィルタ5を設け
ている。つまり、メッシュフィルタ5は、このフィルタ
5に補足された気泡がメッシュフィルタから分離すると
き、圧力吸収部6内に移るような位置に設けられてい
る。
この圧力ダンパの構造について詳説すれば、この圧力
ダンパは、第2図乃至第5図に示すように、ポリエチレ
ンを射出成形して板状の圧力ダンパ本体20の両面に溝部
や穴部を形成し、その両面に可撓性フィルム7,8(第2
図乃至第4図ではその記載は省略し、第5図にその厚み
を誇張して示した)を貼着して、溝部をインクの流通路
とし、穴部を空間部として形成したものである。即ち圧
力ダンパ本体20の両面20a,20bの略中央には、第2図及
び第5図に示すように、圧力吸収部6を円形に凹設する
と共に、この両圧力吸収部6を連通する連通孔27を設け
ている。ここで、この連通孔27は圧力吸収部6の高さ寸
法一杯に設けるものとしている。これにより、メッシュ
フィルタ5で補足される気泡は第5図に示されるように
フィルタ5の面5a側であるため、圧力吸収室6a側のみに
貯留され、気泡排出チューブ29が接続される気泡排出路
26を有する圧力吸収室66側への移動が行なわれなくなる
のを防止している。そして圧力ダンパ本体20の上端に
は、第2図及び第3図に示すように、インク供給チュー
ブが差し込まれるインク流入プラグ部23を形成し、この
インク流入プラグ23の孔部24に連通するように圧力ダン
パの第一の面20aにインク流入路21を溝状に形成し、圧
力吸収部6の下部に連通させている。
また、圧力ダンパ本体20の他の面20bには、第2図及
び第5図に示すように、圧力吸収部6の下部と連通し、
島部32を挟んで2本の連通路30,31を凹設すると共に、
メッシュフィルタ5の取付段部28を形成しメッシュフィ
ルタ5を取り付けている。そして他の面20bにはこのメ
ッシュフィルタ5をはさんでインク流出路22を溝状に形
成し、第1の面20aに開口するインク流出孔25に連通さ
せるものとしている。
このインク流出孔25は、インク供給用チューブ25aを
介してインクジェットヘッド1の共通インク室1aに接続
されている。尚、このチューブ25aは短いものであり、
ヘッドキャリッジ44の移動により変動することがない。
また、本実施例において圧力ダンパ本体20の他の面20
bには、圧力吸収部6及び連通孔27の上部に連通し、バ
ージ動作時に気泡を排出する気泡排出路26を設けるもの
とし、第1図に示すように、気泡排出チューブ29を通じ
てインクジェットヘッド1に設けた気泡排出用のダミー
ノズル30に連結するものとしている。
そして、このように構成した圧力ダンパ本体20の両面
20a,20bに可撓性フィルム7,8を貼着して、各通路21,22
及び圧力吸収部6が閉断面構造を有するものとし、圧力
ダンパを構成している。
このような圧力ダンパを、メッシュフィルタ5が下側
で圧力吸収部6が上側となるようにしてインクタンク2
とインクジェットヘッド1との間で、且つヘッドキャリ
ッジ44上に配置するものとし、圧力変動を吸収すると共
にインクの濾過を行なうものとしている。
次に本実施例に係るインクジェットプリンタの圧力ダ
ンパの作用を説明する。
インクタンク2から供給されたインクはインク流入路
21から圧力吸収部6に導かれる。ここで、可撓性フィル
ムの振動によりインクの圧力変動が吸収されると共に、
インク中に含まれるある程度の大きさを有する気泡は浮
力で圧力吸収部6の上部に浮き上がってたまる。
一方、この圧力吸収部6を通過したインクはメッシュ
フィルタ5を通りインク排出路22に導かれる。このとき
微小な気泡や粒子はメッシュフィルタ5によって捕獲さ
れる。そして微小な気泡が多数集まって大きな気泡にな
ると、その浮力でメッシュフィルタ5から離れる。この
気泡5aはその浮力により矢印A(第2図)方向に移動
し、何ら段差部の設けられていない、連通路30,31を通
って圧力吸収部6に捕獲され、その上方に浮き上がり、
既に浮上していた気泡と合体する。
このような状態で、経験的に定められる所定の使用時
間(ドット量(全圧電素子の駆動パルス数)でも良い)
毎に、第1図に示すように、駆動部31と吸引ノズル32と
から構成されるパージ装置33を用い、吸引ノズル32をイ
ンクジェットノズル1の前面のノズルを覆うように配置
する。そして、吸引ポンプ31を動作させるパージ動作を
行なうと、インクジェットノズル1内の気泡や増粘した
インクと共に、圧力ダンパ3の圧力収集部6の上部にた
まった気泡34も気泡排出路26、気泡排出チューブ29、ダ
ミーノズル30を経てパージ装置33によって吸い出され
る。
従って、本実施例によれば、メッシュフィルタに目づ
まりが発生しないからメッシュフィルタを小形にして圧
力ダンパ内に配置することができ、装置への組み付けに
際して手間を省くことができる。また、定期的にパージ
動作を実行すれば、インクタンクとインクジェットヘッ
ドとの間には気泡がなくなるためキャビテーションの発
生を防止することができる。更に本実施例に係る圧力ダ
ンパを使用したインクジェットプリンタは初期に全くイ
ンクが入っていなくとも、その後パージ動作を行なえ
ば、インク流路系に全く気泡を存在させることなくイン
ク充填を行なうことができるから、製品の検査時にはイ
ンクを充填することなく検査を容易に行なうことがで
き、更に装置の輸送時にはインク充填せず使用時にイン
クの充填を行なうことが可能となり、梱包及び輸送の際
に装置にインクが充填されていることに起因する煩わし
さ即ちインクもれの防止等行なわなければならないこと
等が解消される。
尚、本実施例では、インクジェットヘッド1と圧力ダ
ンパ3を別体とし、両者間をチューブで接続する例につ
いて説明したが、このチューブを介在せず、多層板を用
いて一体に作成することも可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、メッシュフィ
ルタに気泡による目詰まりが発生しないため、インクの
安定した供給を行なうことができる他、メッシュフィル
タを小型化して圧力ダンパ内に一体的に設けることがで
きるようになり、装置への実装に際して手間を省くこと
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理図、第2図は本発明に係るインク
ジェットプリンタの圧力ダンパの実施例を示す図、第3
図は第2図に示した圧力ダンパの第2図中のIII−III線
断面図、第4図は第2図に示した圧力ダンパの第2図中
のIV−IV線断面図、第5図は第2図に示した圧力ダンパ
の第2図中のV−V線断面図、第6図は本発明に係る圧
力ダンパが採用されるインクジェットプリンタを示す
図、第7図は従来のインクジェットプリンタの圧力ダン
パを示す図、第8図は従来の圧力ダンパの平面図、第9
図は従来の圧力ダンパの第8図中IX−IX線断面図であ
る。 1……インクジェットヘッド 2……インクタンク 3……圧力ダンパ 4……インク排出部 5……メッシュフィルタ
フロントページの続き (72)発明者 水野 恒雄 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−52349(JP,A) 特開 昭62−273856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/175 - 2/185

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェットヘッドとインクタンクとの
    間に設けられ、インクジェットヘッドに流入するインク
    の圧力変動を吸収するインクジェットプリンタの圧力ダ
    ンパにおいて、 インクの圧力変動を吸収する圧力吸収部と、 該圧力吸収部の直下で圧力吸収部に連通し、インクジェ
    ットヘッドにインクを排出するインク排出部と、 上記インク排出部に設けられ、インクを濾過すると共に
    気泡を補足するメッシュフィルタと、 上記圧力吸収部の上部に設けられ、上記メッシュフィル
    タで補足され、集結してメッシュフィルタから離れ、圧
    力吸収部内でインク中を上昇して圧力吸収部の上部に蓄
    留した気泡を排出する気泡排出路を備えたことを特徴と
    するインクジェットプリンタの圧力ダンパ。
JP1036322A 1989-02-17 1989-02-17 インクジェットプリンタの圧力ダンパ Expired - Lifetime JP2797191B2 (ja)

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