JP2004120812A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加を防止することができる電源装置を提供することにある。
【解決手段】交流電源ACの位相を検出し、その出力が制御手段に入力される電源位相検出手段20を備え、一対のスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が、前記交流電源ACの電圧のゼロクロス点とピーク点の間の位相において、スイッチング周波数の場合は極小値をオンデューティ比の場合は極大値を持つように設定されて制御されるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電源ACの位相を検出し、その出力が制御手段に入力される電源位相検出手段20を備え、一対のスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が、前記交流電源ACの電圧のゼロクロス点とピーク点の間の位相において、スイッチング周波数の場合は極小値をオンデューティ比の場合は極大値を持つように設定されて制御されるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置に関し、具体的には、交流電圧を直流電圧への整流平滑を行い、この整流平滑で得た直流電圧を高周波電圧に変換して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の電源装置における従来例として、従来例1の概略構成図(特許文献1参照)を図43に示す。この電源装置は、交流電源ACからの交流電圧VSを直流電圧に全波整流する全波整流器DBと、この全波整流器DBの正極出力端子と順方向にアノードが接続されるダイオードD11と、このダイオードD11のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に接続される平滑コンデンサC10と、ダイオードD11のカソードと順方向にアノードが接続されるダイオードD12と、このダイオードD12のカソードと全波整流器DBの負極性出力端子との間に直列接続されるスイッチング素子Q1,Q2と、これらスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、スイッチング素子Q1,Q2の接続点と全波整流器DBの正極性出力端子との間に接続される1次巻線n11を有するとともに負荷回路11と接続される2次巻線n12を有するトランスT11と、ダイオードD11,D12とそれぞれ並列接続されるコンデンサC11,C12とを備えている。
【0003】
ただし、スイッチング素子Q1,Q2の各々は、例えば、MOSFETであって、ソース・サブストレイトが接続されており、ドレイン及びソースにそれぞれカソード及びアノードが接続される寄生ダイオードを有する構造になっている。
【0004】
また、制御回路10は、交流電源ACの周波数よりも十分に高いスイッチング周波数の動作でスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン/オフさせるもので、そのスイッチング周波数は、一周期の間で交流電源ACの電圧が一定と見なせる程度に設定される。なお、制御回路10のQ1,Q2の出力はスイッチング素子Q1,Q2のゲートに接続されるゲート信号を示す。
【0005】
また、負荷回路11は、2次巻線n12の両端と各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、上記一対のフィラメントの各他端間に接続される予熱・共振用のコンデンサC111とにより構成されている。
【0006】
さらに、トランスT11はリーケージトランスであり、このトランスT11の漏れインダクタンスとコンデンサC111とにより共振回路が形成される構成になっている。
【0007】
図44(a)、(b)、(f)、(g)に示す電圧VQ1,VQ2,Vc11,Vc12及び同図(c)、(d)、(e)、(h)に示す電流IT11,IQ1,IQ2,Iinの各々は、図43に示す同符号の信号と対応している。同様に、図45(a)、(b)、(c)に示す電圧Vc11,Vc12,VT11及び同図(d)、(e)に示す電流IQ2,Iinの各々も図43に示す同符号の信号に対応する。また、図44で示すVdcは平滑コンデンサC10の両端にかかる電圧を示す。
【0008】
今、定常状態の回路動作について図44、図45を用いて簡単に説明する。
【0009】
図44の時刻t11の時、スイッチング素子Q2がターンオン、スイッチング素子Q1がターンオフすると、トランスT11に蓄積されるエネルギーにより、トランスT11の1次巻線n11→ダイオードD11→平滑コンデンサC10→スイッチング素子Q2の寄生ダイオード→トランスT11の1次巻線n11の経路で電流が流れる。
【0010】
図44の時刻t12の時、トランスT11に蓄積されるエネルギーが零となり、C10が直流電源となり、平滑コンデンサC10→コンデンサC11→トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q2→平滑コンデンサC10の経路で電流が流れる。
【0011】
図44の時刻t13の時、Vdc(平滑コンデンサC10の電圧)+Vc11(コンデンサC11の電圧)<VS(交流電源電圧)となり、交流電源AC→全波整流器DB→トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q2→全波整流器DB→交流電源ACの経路で電流が流れ、入力電流Iinを取り込む。
【0012】
図44の時刻t14の時、スイッチング素子Q1がターンオン、スイッチング素子Q2がターンオフすると、トランスT11に蓄積されたエネルギーにより、トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q1の寄生ダイオード→コンデンサC12→平滑コンデンサC10→全波整流器DB→交流電源AC→全波整流器DB→トランスT11の1次巻線n11の経路で電流が流れる。
【0013】
図44の時刻t15の時、トランスT11に蓄積されたエネルギーが零となり、コンデンサC11とコンデンサC12が直流電源となり、コンデンサC11→コンデンサC12→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC11の経路で電流が流れる。
【0014】
図44の時刻t16の時、コンデンサC12の充電電圧が零となり、コンデンサC11が直流電源となり、コンデンサC11→ダイオードD12→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC11の経路で電流が流れる。
【0015】
そして、図44の時刻t17の時、回路動作は時刻t11と同様となり、これら一連の回路動作によりトランスT11の2次巻線n12から負荷回路11に高周波電力が供給される。すなわち、交流電流の一周期において、上記の主要な信号波形を観察すると図45に示すようになる。
【0016】
ここで、この図45に示すように、交流電源ACの電圧が正弦波状に上昇及び下降すると、コンデンサC11の電圧Vc11が正弦波状に下降及び上昇すると同時に、コンデンサC12の電圧Vc12が、交流電源ACの正弦波状の電圧と同様に上昇及び下降することによって、1次巻線n11に印可する電圧VT11は、ほぼ一定の変動振幅電圧になる。この結果、図45(f)に示す2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率が小さくなる。
【0017】
上述のように図43に示す従来例は、コンデンサC11とC12の高周波電圧を足し合わせて1次巻線n11に印可する電圧VT11をほぼ一定の振幅の高周波電圧とすることにより2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率を小さくするものである。
【0018】
しかしながら、脈流の全周期に対して、コンデンサC11とC12の高周波電圧を足し合わせによって1次巻線n11に印可する電圧VT11を完全に一定電圧とすることは困難であり、脈流山部と脈流谷部の間の位相においてVT11は低下し、そのときの負荷電流IFLも低下することになる。また、脈流山部と脈流谷部の間の位相のVT11が低下するところでは、負荷回路に流れる共振電流が減少し、スイッチング素子Q2の回生電流は図46(e)のIQ2のように脈流山部と脈流谷部の間の位相にて減少する。
【0019】
このため、負荷インピーダンスの変動などによってこの付近で回生電流が少なくなって、回生電流がなくなるとゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズが増大する恐れがある。特に、放電灯負荷のように負荷インピーダンスが変動するようなものにおいて顕著に現れる。
【0020】
さらに、平滑コンデンサC10は有限の容量であるため、平滑コンデンサC10の電圧Vdcは、図46(a)に示すような商用周波数の2倍の周波数のリップル電圧を持つことになる。これに伴い、図46(b)、(c)に示すコンデンサC11,C12の電圧Vc11,Vc12もこのリップル電圧が重畳される。図46に示す破線は平滑コンデンサC10の電圧Vdcのリプル電圧成分が0のときの包絡線である。
【0021】
これによって、電圧Vdcがその平均値よりも小さい期間では図46(b)に示すようにコンデンサC11の振動電圧Vc11は小さくなり、電圧Vdcがその平均値よりも大きい期間ではコンデンサC11の振動電圧Vc11は大きくなる。これは図46(d)に示す電圧VT11にも現れるため、電圧Vdcがその平均値よりも小さい期間で、かつ脈流山部と脈流谷部の間の位相においてVT11が低下するところでは、図46(e)に示すように電流IQ2が流れ、さらに電圧VT11は低下して、図46(f)に示すように負荷電流IFLも低下することになる。そのため、負荷電流IFLの波高率の低減に限界がある。また、スイッチング素子Q2の回生電流もさらに小さくなり、上記に述べたゼロ電圧スイッチング動作を満足しない領域に入る危険性がさらに高まることになる。
【0022】
このように、従来の電源装置においては、負荷電流の波高率低減に限界があり、また、脈流山部と脈流谷部の間の位相において、ゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子のストレスもしくはノイズが増加するといった課題があった。
【0023】
上記のような課題を鑑みて為された別の従来例2として、図47に示す概略構成図(特願2001−158300号)を有する電源装置が提供されている。この電源装置は、上記従来例1において、全波整流器DBの正極性出力端子とインダクタL10を介してダイオードD11のアノードが接続される構成となっており、その他は従来例1と同様な構成となっているものである。ここで、図47に示すコンデンサC21は図43に示す従来例1のコンデンサC11に相当し、高周波的に見て等価である。同様に、図47に示すコンデンサC22は図43に示す従来例1のコンデンサC12に相当し、高周波的に見て等価である。
【0024】
次に、本従来例の回路動作を従来例1との相違点を中心に説明する。
【0025】
まず、スイッチング素子Q2がオンし、その後しばらくはトランスT11の残留エネルギーによってスイッチング素子Q2に回生電流が流れ、やがてトランスT11の残留エネルギーが0となり、コンデンサC21が放電を開始する。これによって、ダイオードD11のアノード電圧が減少して、全波整流器DBの正極性端子の電圧になると、入力電流Iinの引き込みを開始する。しかしながら、インダクタL10のインダクタンスによって入力電流Iinは徐々に増加するので、この後も、コンデンサC21からの放電が引き続き行なわれ、ダイオードD11のアノード電圧は全波整流器DBの正極性端子の電圧よりもさらに低下する。
【0026】
この後、スイッチング素子Q2がオフすると、インダクタL10及びトランスT11に蓄積されていたエネルギーによって、入力電流Iinを引き込みつつコンデンサC21、コンデンサC22を充電する。全波整流器DBから出力する脈流電圧の谷部においては、引き込む入力電流Iinが少ないため、インダクタL10の残留エネルギーによるコンデンサC21への充電では、コンデンサC21の電圧Vc21の増加が少ない。そのため、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10及びトランスT11の残留エネルギーがなくなり、コンデンサC22→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC21→コンデンサC22という経路でコンデンサC21への充電を始めるとき、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧は高くなる。コンデンサC22の電圧が平滑コンデンサC10の電圧Vdcまで減少すると、ダイオードD12がオンして、平滑コンデンサC10からトランスT11を介してコンデンサC21への充電となり、脈流の谷部付近での共振電流及び負荷電流を増加させることが可能となる。これによって、図48に示すように、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相において、負荷回路11の共振電流の低下を抑制できるので、この位相におけるスイッチング素子Q2の回生電流の確保(図48(f)参照)、及び負荷電流IFLの低下の抑制(図48(g)参照)が可能となり、負荷電流波高率のさらなる低減が可能となる。なお、図48の破線は、従来例1での動作の包絡線である。
【0027】
さらに別の従来例3として、図49に示す概略構成図(特願2001−133071号)を有する放電灯点灯装置が提供されている。この放電灯点灯装置は、上記従来例1において第1のスイッチング素子の一端側の電圧波形の包絡線に相当する電圧を検出する電圧検出部を備え、制御回路部は、電圧検出部の検出した電圧が大きくなるほどランプ電流の増加を抑制し、且つ、電圧検出部の検出した電圧が小さくなるほどランプ電流の低下を抑制するように、第2のスイッチング素子の駆動周波数又はオンデューティの内少なくともいずれか一方を変化させることを特徴としたものである。図49ではスイッチング素子の駆動周波数を変化させる例を示しており、この動作波形図を図50に示す。これらを用いて動作を簡単に説明する。電圧検出回路11の出力電圧Va2は、図50(c)に示すように電圧Vp1の包絡線に相似した電圧波形となる。電圧検出回路11の出力電圧Va2と略一定の直流電圧Va1とを加算した電圧Va3をV/f変換器13に入力し、V/f変換器13から出力される周波数によってインバータ回路INVを駆動する。そのため、インバータ回路INVの駆動周波数は、図50(d)に示すように、脈流の山部では入力電圧の絶対値|Vin|に比例して周波数が高くなり、脈流の谷部では略一定の低い周波数となる。これにより、脈流山部での負荷電流Ilaを抑え、その分脈流谷部の負荷電流Ilaを増加させて、より負荷電流波高率の低減が可能となる。
【0028】
【特許文献1】
特開2000−312483号公報
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように図47に示す従来例2は、インダクタL10等の追加によって、コンデンサC21、C22への充放電電流を変化させ、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相における負荷回路11の共振電流の低下を抑制し、この位相におけるスイッチング素子Q2の回生電流の確保、及び負荷電流IFLの低下の抑制を行ない、負荷電流波高率のさらなる低減を可能とするものである。
【0030】
しかしながら、主の電流経路にインダクタなどのインピーダンス素子の追加が必要となり、コスト的に不利な一面がある。
【0031】
また、図49に示す従来例3において、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相の共振電流及び負荷電流を増加させるためには、脈流谷部の共振電流及び負荷電流をさらに増加させる必要があり、場合によっては脈流谷部の出力増加によって波高率低減に限界が生じる。さらに、スイッチング素子Q2のオンデューティにて上記動作を行った場合、入力電圧ゼロクロス付近における入力電流引き込みが増加し、図51に示すように入力電圧の極性が反転するゼロクロス点において入力電流が不連続(ジャンプ)となり、入力電流高調波、ノイズが増加してしまうという課題があった。
【0032】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、入力電流高調波が少なく、平滑コンデンサの電圧が低くとも負荷回路に流れる電流の波高率が小さく、スイッチング素子の損失を低減した電源装置において、入力電流高調波を抑制しつつ負荷電流の更なる波高率の低下と、負荷インピーダンスの変動によっても脈流全周期においてゼロ電圧スイッチング動作を行なうことで、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加を防止することができる電源装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電源装置は、交流電源の交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される少なくとも一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記整流器の一方の出力端子と第1ダイオードとの接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第1コンデンサと、前記第2ダイオードの他端と前記一対のスイッチング素子との接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第2コンデンサと、前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段とを備える電源装置において、前記交流電源の位相を検出し、その出力が前記制御手段に入力される電源位相検出手段を備え、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が、前記交流電源の電圧のゼロクロス点とピーク点の間の位相において、スイッチング周波数の場合は極小値をオンデューティ比の場合は極大値を持つように設定されて制御されるものであることを特徴とする。
【0034】
本発明の請求項2に係る電源装置は、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の極値となる位相が、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されて制御されるものであることを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項3に係る電源装置は、前記電源位相検出手段は、前記交流電源の電圧を全波整流した脈流電圧を分圧して出力するものであり、第1の直流電源を備え、前記電源位相検出手段の出力電圧が、前記第1の直流電源の電圧と略等しくなる脈流電圧の位相において、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の増減が反転するよう制御され、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値に応じて前記電源位相検出手段の分圧比を変化させることを特徴とする。
【0036】
本発明の請求項4に係る電源装置は、前記制御手段は、三角波発生器を備え、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1の電圧/電流変換器を備え、前記第1の直流電源と、前記電源位相検出手段の出力から前記第1の直流電源の電圧を減算する第1の減算器と、前記減算器の出力に整流素子を介して入力される第2の電圧/電流変換器を備え、前記第1の電圧/電流変換器の出力と前記第2の電圧/電流変換器の出力を減算する第2の減算器と、前記第2の減算器の出力が入力される電流/電圧変換器を備え、第2の直流電源と、前記電流/電圧変換器の出力と前記第2の直流電源の電圧を加算する第1の加算器を備え、前記第1の加算器の出力と前記三角波発生器の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項5に係る電源装置は、前記第1の電圧/電流変換器及び第2の電圧/電流変換器は、第1のトランジスタとそのエミッタに接続される第1の抵抗素子及び第2のトランジスタとそのエミッタに接続される第2の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第1の直流電源は、ある任意の直流電源と前記第2のトランジスタのエミッタに接続される第3の抵抗素子と前記第2の抵抗素子で構成され、前記第1の減算器と前記整流素子は、前記第2のトランジスタと前記第2、第3の抵抗素子で構成され、前記第2の減算器は、カレントミラー回路を備え、前記第1もしくは第2のトランジスタの一方のコレクタが前記カレントミラー回路の入力側コレクタに、他方のコレクタが前記カレントミラー回路の出力側コレクタに接続されて構成され、前記電流/電圧変換器、第2の直流電源及び第1の加算器は、ある任意の直流電源を分圧する第4、第5の抵抗素子の直列回路を備え、前記カレントミラー回路の出力側コレクタと前記第4、第5の抵抗素子の接続点とを接続して構成されることを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項6に係る電源装置は、前記第1の直流電源は、前記交流電源の電圧の実効値に応じた直流電圧を出力する第1の電圧検出手段であることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項7に係る電源装置は、前記制御手段は、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1のA/D変換器を備え、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されるスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の設定値を記憶する記憶手段を備え、前記第1のA/D変換器の出力と前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記演算手段の結果を受けて信号を出力する発振器と、前記発振器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする。
【0040】
本発明の請求項8に係る電源装置は、前記平滑コンデンサの電圧を検出し、その出力が前記制御手段に入力される第2の電圧検出手段を備え、前記第2の電圧検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする。
【0041】
本発明の請求項9に係る電源装置は、前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第3の電圧/電流変換器を備え、前記第3の電圧/電流変換器は第3のトランジスタとそのエミッタに接続される第6の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第3のトランジスタのコレクタが前記第2のトランジスタのコレクタに接続されることを特徴とする。
【0042】
本発明の請求項10に係る電源装置は、前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第2のA/D変換器を備え、前記第1のA/D変換器の出力と、前記第2のA/D変換器の出力と、前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記第2のA/D変換器のデータ読み取り周期が、前記第1のA/D変換器のデータ読み取り周期に比べて非常に長いものであることを特徴とする。
【0043】
本発明の請求項11に係る電源装置は、前記負荷回路に含まれる負荷の両端電圧及び負荷電流、及び負荷回路に含まれて構成される共振回路のインダクタの両端電圧、及び負荷回路に含まれて構成される前記トランスの2次側回路の直流カット用コンデンサの両端電圧、及び前記トランスの1次巻線印加電圧及び2次巻線印加電圧のうち、少なくとも1つを検出し、その出力が前記制御手段に入力される検出手段を備え、前記検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
【0045】
(実施形態1)
図1に実施形態1の概略回路図、図2に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、図1に示すように、従来例1の回路構成に、交流電源ACの位相を検出する電源位相検出手段20を設け、電源位相検出手段20の出力が各スイッチング素子を制御する制御回路10に入力される構成となっており、前記制御回路10は、電源位相検出手段20の出力により交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子のデューティ比を変化させるよう設定するデューティ設定手段12aを備え、スイッチング素子の駆動周波数を設定する周波数設定手段12bを備え、デューティ設定手段12a及び周波数設定手段12bの出力によりスイッチング素子の駆動パルスを生成する発振器13を備え、発振器13の出力パルスによりそれぞれのスイッチング素子を駆動するドライバ14を備えて構成されている。
【0046】
また、デューティ設定手段12aは、交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子のデューティ比を変化させるよう設定するとともに、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、共振電流及び負荷電流を増加させるためにスイッチング素子のデューティ比が極値を持つように設定されることを特徴とするものである。
【0047】
次に、本実施形態の電源装置の回路動作について説明する。
【0048】
なお、本実施形態の電源装置の動作は、基本的に上述の従来例と同様であるので、従来例との相違点を中心に説明する。
【0049】
スイッチング素子Q2がオン状態で、かつVdc(平滑コンデンサC10の電圧)+Vc11(コンデンサC11の電圧)<VS(交流電源電圧)となった時点から入力電流Iinを取り込みを開始し、スイッチング素子Q2がターンオフするまでトランスT11の1次巻線n11の電流は増加しつづける。そして、スイッチング素子Q1がターンオン、スイッチング素子Q2がターンオフすると、トランスT11に蓄積されたエネルギーにより、コンデンサC12及び平滑コンデンサC10への充電を開始し、トランスT11に蓄積されたエネルギーが0になるまで充電される。これにより、充電終了後のコンデンサC12の電圧はトランスT11に蓄積されたエネルギーすなわちスイッチング素子Q2ターンオフ時のトランスT11の1次巻線n11の電流により決定され、よってスイッチング素子Q2のオン時間を制御することにより充電終了後のコンデンサC12の電圧を制御することが可能となる。
【0050】
トランスT11の1次巻線n11に印加する電圧VT11は、コンデンサC11とC12の高周波電圧を略足し合わせたものである。そこで、本実施形態では、図2(d)に示すように、スイッチング素子Q2のオンデューティが脈流電圧と同期して変化し、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つように予め設定することで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を、脈流電圧の谷部と山部の間の位相におけて増加させ、脈流山部及び脈流谷部において抑制するようにしたものである。これにより、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11はより略一定の高周波電圧とすることができ、図2(g)に示すように、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0051】
また、脈流山部及び脈流谷部において共振電流を増加することができるので、図2(f)に示すように、スイッチング素子Q2の回生電流が確保でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことが可能となる。
【0052】
さらに、脈流谷部の入力電圧が0となる点において、スイッチング素子Q2のオンデューティを入力電流引き込みが0となるような値に設定することにより、入力電流のゼロクロス点における不連続を抑制し、入力電流高調波を低減しつつ負荷回路11の電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0053】
以上のように、本実施形態の電源装置では、入力電流高調波を低減しつつ脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行ない、負荷電流波高率の更なる低減が可能となる。
【0054】
(実施形態2)
図3に実施形態2の概略回路図、図4に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、制御回路10において、電源位相検出手段20の出力により交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子の駆動周波数を変化させるよう設定する周波数設定手段12bを備え、スイッチング素子のデューティ比を設定するデューティ設定手段12aを備え、デューティ設定手段12a及び周波数設定手段12bの出力によりスイッチング素子の駆動パルスを生成する発振器13を備えているほかは、実施形態1と同様である。
【0055】
次に、本実施形態の電源装置の回路動作について説明する。
【0056】
本実施形態では、図4(c)に示すように、スイッチング素子Q1、Q2の周波数が脈流電圧と同期して変化し、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q1、Q2の周波数が極小値を持つように予め設定することで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実行値を、脈流電圧の谷部と山部の間の位相におけて増加させ、脈流山部及び脈流谷部において抑制するようにしたものである。これにより、図4(g)に示すように、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0057】
また、脈流山部及び脈流谷部において共振電流を増加することができるので、図4(f)に示すように、スイッチング素子Q2の回生電流が確保でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことが可能となる。
【0058】
さらに、脈流谷部の入力電圧が0となる点において、スイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数を入力電流引き込みが0となるような値に設定することにより、入力電流のゼロクロス点における不連続を抑制し、入力電流高調波を低減しつつ負荷回路11の電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0059】
本実施形態の電源装置も実施形態1の電源装置と同様に、入力電流高調波を低減しつつ脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行ない、負荷電流波高率の更なる低減が可能となる。
【0060】
(実施形態3)
図5に実施形態3の概略回路図を示す。本実施形態の回路構成は、実施形態1、実施形態2に対して、ダイオードD11に並列接続されるコンデンサC11の代わりに整流器DBの出力端間にコンデンサC21を接続し、ダイオードD12に並列接続されるコンデンサC12の代わりに、ダイオードD12のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間にコンデンサC22を接続したものである。
【0061】
本実施形態の回路構成は、高周波的に見て実施形態1、実施形態2と等価であり、回路動作も、図2もしくは図4に示すようにスイッチング素子Q2のオンデューティもしくは周波数を設定すれば、実施形態1、実施形態2とほぼ同様となる。したがって、本実施形態も実施形態1、実施形態2と同様の効果を奏することが可能となる。
【0062】
(実施形態4)
図6に実施形態4の概略回路図、図7に動作波形図、図8に動作説明図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態1、実施形態3において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、制御回路10は、スイッチング素子を駆動する周波数の三角波を発生する三角波発生器33を備え、電源位相検出手段20の出力電圧を電流に変換するV/I変換器30と、電源位相検出手段20の出力電圧から直流電圧V10を差し引いた電圧の略正極性となる電圧だけを電流に変換するV/I変換器31を備え、前記V/I変換器30の出力電流からV/I変換器31の出力電流を減算した電流を電圧に変換するI/V変換器32を備え、前記三角波発生器の出力電圧と、前記I/V変換器32の出力電圧に直流電圧V0を加算した電圧とを比較する比較器34を備え、前記比較器34の出力がドライバ14に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0063】
次に、図7、図8を用いて本実施形態の動作を説明する。まず、電源位相検出手段20によって、図7(a)に示すように、交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形V1が検出される。電圧V1をV/I変換器30に入力することにより、図7(b)に示すように、電流I1が得られる。一方、電圧V1から直流電圧V10を差し引き、ダイオードを介してV/I変換器31に入力することにより、V/I変換器31には図7(c)に示すような電圧V2が入力され、V/I変換器31の出力電流I2は電圧V2と略相似のものとなる。そして、電流I1から電流I2を差し引くことにより、図7(d)に示すような電流I3が得られ、この電流I3を電圧に変換し、直流電圧V0を足し合わせることで、図7(e)に示すように、電圧V3が得られる。
【0064】
次に、電圧V3と、三角波発生器33から出力される電圧V4を比較する比較器34の出力V5がドライバ14に入力される。ここで、比較器34の動作の一部を拡大した図を図8に示す。図8は、V3>V4のときに比較器34の出力V5がHレベルとなる例を示している。図8に示すように、電圧V3が低下(上昇)するとともに、V5のHレベルとなる時間が短く(長く)なっている。また、V5の周波数は三角波V4と略等しい。このことから電圧V3の変化に応じて、比較器34の出力V5のデューティを変化することが可能であり、比較器34の出力V5をスイッチング素子Q2の駆動信号とし、比較器34の出力V5の略反転信号をスイッチング素子Q1の駆動信号とすれば、実施形態1、実施形態3に示すような脈流電圧の位相に対するデューティ変化を実現することが可能となる。また、スイッチング素子の駆動周波数は、三角波発生器33の周波数によって設定可能である。
【0065】
さらに、直流電圧V10を変化させることによりデューティが極大値となる位相を変化させることが可能であり、脈流電圧が0のときのデューティは直流電圧V0によって設定可能である。加えて、デューティの極大値はV/I変換器30もしくはI/V変換器32のゲインを、脈流電圧のピーク付近のデューティはV/I変換器31もしくはI/V変換器32のゲインを変化させることにより、それぞれ設定が可能となる。
【0066】
(実施形態5)
図9に実施形態5の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、I/V変換器32の出力電圧に直流電圧V0を加算した電圧を周波数に変換するV/f変換器35を備え、前記V/f変換器35の出力がドライバ14に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0067】
本実施形態の回路動作において、電圧V3を得るための動作は実施形態4と同様であり、これより実施形態2に示すような脈流電圧の位相に対する周波数変化を実現することが可能となる。
【0068】
(実施形態6)
図10に実施形態6の概略回路図、図11に動作説明図、図12に他の動作例の説明図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態1、実施形態3において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、デューティ設定手段12aは、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。
【0069】
次に、図11を用いて本実施形態の動作を説明する。まず、電源位相検出手段20によって、交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形V1が検出され、電圧V1をA/D変換器40に入力することにより、電圧V1に応じたデジタル出力が得られる。A/D変換器40のbit数が多ければ多いほど略アナログ出力とみなせるので、図11(b)に示すように、ここでは電圧V1で説明する。また、デューティは電源の位相に関わらず常に一定の基準デューティ成分d0と、電源の位相によって変化するデューティ成分Δd1とにわけ、図11に示すように、デューティ成分Δd1に対する演算について説明する。これより、発振器に入力されるデューティ設定値はd0+Δd1となる。
【0070】
デューティ演算手段15aは、電圧V1とデューティ成分Δd1との間に任意の関数が設定されている。本実施形態では一例として、図11(a)に示すように、0≦V1<V11の範囲において傾きが正となる1次関数を、V1≧V11の範囲において傾きが負となる1次関数をものを表している。、図11(b)に示すように、電圧V1=V11となる位相をそれぞれθ1、θ3とし、電圧V1がピークとなる位相をθ2とすると、位相0〜θ1では、図11(a)に示す関係に従い、図11(c)に示すように、デューティは増加する。次に位相θ1〜θ2では、図11(a)に示すように、傾きが負となる1次関数となっているので、図11(c)に示すように、デューティは減少に転じる。次に位相θ2〜θ3では、図11(b)に示すように、電圧V1が減少するので、図11(c)に示すように、デューティは増加し、最後に位相θ3〜πでは、図11(a)に示すように、傾きが正となる1次関数であり、電圧V1が減少するので、図11(c)に示すように、デューティは減少に転じる。電圧V1は脈流電圧を分圧したものであるので、以後この動作を繰り返すことになる。
【0071】
以上のように、本実施形態の回路構成により、実施形態1、実施形態3に示すような脈流電圧の位相に対するデューティ変化を実現することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、図11(a)に示すような関数による例を示したが、例えば、図12に示すように、2次関数もしくは三角関数の一部などを用い、電圧V11においてデューティがピークとなるように設定しても良いことはいうまでもないものである。
【0073】
(実施形態7)
図13に実施形態7の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態6において、デューティの設定を周波数に置き換えたものである。これにより、実施形態2に示すような脈流電圧の位相に対する周波数変化を実現することが可能となる。
【0074】
(実施形態8)
本実施形態の概略回路図は、実施形態1の概略回路図(図1)と同様である。また、動作波形図を図14に示す。
【0075】
従来例1の回路構成において負荷電流を低下させるには、スイッチング素子の駆動周波数を高く、かつ/もしくは、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を小さくすることで実現する。これよりコンデンサC11,C12の高周波電圧が変化し、定格出力時及び出力低下時のVT11の高周波一周期あたりの実効値は、それぞれ図14(b)、(c)に示すような変化となり、負荷回路11に流れる電流IFLの包絡線もほぼ同様の変化となる。すなわち負荷回路11に流れる電流IFLの大きさによって、負荷電流IFLの極小値の位相に変化が生じることとなる。そこで、本実施形態では、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、負荷電流IFLの大きさによって予め設定することによって、負荷電流IFLの大きさが違う場合でも波高率の低減が可能となる。例えば、図14(d)に示すように、脈流電圧の位相に対する定格出力時のデューティ変化を設定し、図14(e)に示すように、脈流電圧の位相に対する出力低下時のデューティ変化を設定する。このように、負荷電流IFLの大きさに応じて、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、それぞれの負荷電流IFLが極小値となる位相と略等しくなるように設定することによって、それぞれの負荷電流波高率を低減することが可能となる。これを全負荷電流変化範囲において適用すれば、すべての負荷電流の波高率を低減することが出来る。
【0076】
また、本実施形態は、デューティで負荷電流の波高率を低減する場合を例にとって書いているが、周波数についても同様の設定を行えば、同様の効果が得られることはいうまでもないものである。
【0077】
(実施形態9)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6の概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図15に示す。
【0078】
本実施形態においては、実施形態8を受け、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、負荷電流の値に応じて、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段について説明する。
【0079】
上述のように、図10の回路構成においては、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、デューティ設定手段12aは、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。そこで、デューティ演算手段15aに設定される電源位相検出手段20の出力とデューティの関係を、負荷電流IFLに応じて図15の実線から破線のように変化させることによって、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態は、デューティの場合を例にとって述べているが、実施形態7の回路構成を用いて、周波数についても同様に設定が可能である。
【0081】
(実施形態10)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6と概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図16に示す。
【0082】
本実施形態は、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段としては、基本的に実施形態9と同様であるが、それに加えて、図16の実線部分から破線部分に示すように、負荷電流IFLの値が小さくなるに従い、デューティ演算手段15aに設定される電源位相検出手段20の出力に対するデューティ変化率の大きさが小さくなるよう変化させることによって、さらに負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0083】
また、本実施形態は、デューティの場合を例にとって述べているが、実施形態7の回路構成を用いて、周波数についても同様に設定が可能である。
【0084】
(実施形態11)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6と概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図17に示す。
【0085】
本実施形態についても、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段の一つであるが、実施形態10の手段とは異なる。
【0086】
本実施形態は、電源位相検出手段20の分圧比を変化させ、電源位相検出手段20からA/D変換器40に入る脈流の振幅を図17(a)の実線から破線に示すように変化させることにより、脈流電圧の谷部と山部の間の位相においてスイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、図17(b)の実線から破線のように変化させることが可能になる。したがって、実施形態10と同様に、負荷電流IFLの大きさを変化させる場合においても負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0087】
(実施形態12)
図18に実施形態12の概略回路図、図19に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、図18に示すように、実施形態1のデューティ設定手段12aにおいて、交流電源ACの各位相に対するスイッチング素子のデューティを設定するための値を予め記憶しておく記憶手段16と、電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもってデューティを演算するデューティ演算手段15aから構成されることを特徴とするものである。
【0088】
本実施形態は、図18におけるトランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、負荷電流IFLの波高率の低減を目的とするものである。
【0089】
従来例1の回路構成において、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値は、図19(b)に示すような変化をするため、電圧VT11の実効値を一定に保つためには図19(c)に示すようなデューティの変化が必要になる。そこで、予め交流電源ACの各位相に対して、図19(c)に示すように設定されたデューティを記憶手段16に記憶しておき、電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を記憶手段16から読み出してデューティを決定して動作させることで、図19(d)の実線に示すように、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、負荷電流IFLの波高率の低減を可能にする。ここで、図19(d)の破線は、デューティ変化を設定する前のものであり、図19(b)と同じものである。
【0090】
また、記憶手段16に記憶されるデータ数を(N−1)個とし、電源位相検出手段20により少なくとも位相を1点検出し(例えば交流電源ACのゼロクロス点など)、電源位相検出手段20からの検出信号が入ると略同時に、記憶手段16に記憶される1番目のデータからデューティの演算を行なってデューティを設定し、このデータは(脈流電圧一周期)/N毎に更新されてデューティを設定し、再び電源位相検出手段20からの検出信号が入ると、前記動作を繰り返すように構成されたものでもよい。
【0091】
本実施形態は、デューティを例にとって述べているが、周波数についても同様である。
【0092】
(実施形態13)
図20に実施形態13の概略回路図を示す。本電源装置の構成は、実施形態12において、デューティ演算手段15及び周波数演算手段17に負荷出力を設定するための出力設定信号が入力され、記憶手段16において、前記出力設定信号毎に交流電源ACの各位相に対するスイッチング素子のデューティを設定するための値を予め記憶しておくとともに、前記出力設定信号毎にスイッチング素子の駆動周波数を設定するための値を予め記憶しておくものであり、前記出力設定信号及び電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもってデューティを演算するデューティ演算手段15aと、前記出力設定信号から得られる設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもって周波数を演算する周波数演算手段15bとから構成されることを特徴とするものである。
【0093】
本実施形態は、全負荷電流変化範囲において、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、全負荷電流変化範囲において負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0094】
(実施形態14)
図21に実施形態14の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態13において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。
【0095】
本実施形態は、記憶手段16に、それぞれの出力設定信号に対して、基準デューティd0や、図11(a)に示すようなV1とΔd1の関係を決定する設定値(例えばV11、0≦V1<V11、V1≧V11のそれぞれの傾き、切片)を予め記憶しておき、それぞれ出力設定信号に対応する設定値を記憶手段16から読み取って基準デューティd0及びデューティ成分Δd1を演算するものであり、その他の基本的な動作は、実施形態6、実施形態13と同様である。
【0096】
本実施形態も同様に、全負荷電流変化範囲において負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0097】
(実施形態15)
図22に実施形態15の概略回路図、図23に動作波形図、図24に他の回路図の一例を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、V/I変換器30、V/I変換器31は、それぞれNPNトランジスタTr1と抵抗素子R3、NPNトランジスタTr2と抵抗素子R4によって構成されるエミッタフォロア回路であり、エミッタを直流電源Vccに接続したPNPトランジスタ2個で構成されるカレントミラー回路CM1を備え、前記NPNトランジスタTr1のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の入力が接続され、前記NPNトランジスタTr2のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の出力が接続され、前記NPNトランジスタTr1のエミッタと直流電源V6の間に抵抗素子R5が接続され、直流電源Vccと基準電位間の間に抵抗素子R6、R7の直列回路が接続され、前記NPNトランジスタTr2のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の出力の接続点と、前記抵抗素子R6、R7の接続点が接続され、前記抵抗素子R6、R7の接続点の電圧が比較器34に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0098】
次に、実施形態4との相違点を中心に、図23を用いて本実施形態の動作を説明する。また、ここでは簡単のためトランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEを無視して説明する。まず電源位相検出手段20によって、図23(a)に示すような電圧波形V1をトランジスタTr1、Tr2のベースに入力する。これにより、トランジスタTr1のエミッタ電圧はほぼ電圧V1となり、抵抗R3によって、図23(b)に示すように、電流I1(=V1/R3)が得られ、カレントミラー回路CM1に入力される。ここで、図22はカレントミラー回路CM1のミラー比は1:1の例を示している。一方、電圧V1が抵抗R4,R5によって直流電圧V6を分圧して得られる電圧が下記数式(数1)よりも低いとき、トランジスタTr2はオフ状態のため、電流I2は流れず、図23(c)に示すように、下記数式(数2)で電流I2が流れ始める。このときの電流I2は、下記数式(数3)で表される。
【0099】
【数1】
【0100】
【数2】
【0101】
【数3】
【0102】
これより、カレントミラー回路CM1の出力電流I1から電流I2を差し引いたものが電流I3となり、図23(d)に示すように、実施形態4の図7(d)と同様の電流I3が得られる。この電流I3を、直流電源Vccを分圧する抵抗R6、R7の接続点に入力すると、電圧V3は下記数式(数4)のように表される。
【0103】
【数4】
【0104】
これより、電流I3に応じて電圧V3が変化することとなり、図23(e)に示すように、実施形態4の図7(e)と同様の電圧V3が得られるものである。このことから、本実施形態の電源装置は、実施形態4と同様の効果を奏することがわかるものである。
【0105】
また、電圧V1の振幅、直流電圧V6、抵抗R4、R5の分圧比の少なくとも1つを変化させることで、デューティが極大値となる位相を変化させることが可能であり、抵抗素子R3、R4、カレントミラー回路のミラー比の少なくとも1つを変化させることにより、デューティの変化幅を変化させることが可能となる。
【0106】
さらに、図22に示す回路構成の動作において、トランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEを無視して説明したが、実際にはVBEを含めて考える必要があり、VBEの温度特性により周囲温度変化でVBEが変化し、脈流電圧位相に対するデューティの変化が温度によって変化してしまう。そこで、図24に示すように、電圧V1を一旦PNPトランジスタTr3で構成されるエミッタフォロア回路に入力し、トランジスタTr3のエミッタ電圧をトランジスタTr1、Tr2のベースに入力することにより、VBEを打ち消し、VBEによる温度特性の影響を抑制するといった回路構成としても良い。
【0107】
(実施形態16)
図25に実施形態16の概略回路図、図26に動作波形図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、電源電圧の大きさに応じた直流電圧を出力する電源電圧検出手段21を備え、直流電圧V10は前記電源電圧検出手段の出力電圧であることを特徴とするものである。
【0108】
実施形態4との相違点について、図26を用いて説明する。図26の実線は電源電圧が大きい場合、破線は電源電圧が小さい場合の波形を示す。実施例4と同様に、電圧V1から直流電圧V10を差し引き、ダイオードを介してV/I変換器31に入力することによってV/I変換器31に図26(b)に示すような電圧V2が入力されるが、ここで、直流電圧V10が電源電圧と比例して変化した場合、図26(a)に示すように、電圧V1と電圧V10の大小関係が反転する位相は、電源電圧が変化しても変わらない。すなわち、直流電圧V10を電源電圧と比例して動作させることにより、電源電圧が変動してもデューティが極大値となる位相を変化させないように設定することが可能となる。本実施形態では、その一例として、図25に示すように、全波整流後の電源電圧を分圧した後、コンデンサなどで平滑して電源電圧に比例した略直流電圧V10を出力する構成を示している。
【0109】
(実施形態17)
図27に実施形態17の動作波形図を示す。本実施形態は、上述の実施形態において、脈流電圧の位相に応じたデューティもしくは周波数の変化が不連続となる位相の前後で、デューティもしくは周波数を一定の値とする期間を設けたことを特徴とするものである。
【0110】
図27に示すように、不連続となる位相とは、脈流電圧のゼロクロス点にあたる位相、もしくは、デューティが極大値となる位相を表している。これは、脈流電圧の変化に比べて極短時間でデューティの増減が反転する場合、制御回路の動作安定性や、またその結果として現れる主回路動作の安定性に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態では、上述の位相において、ある期間デューティを一定にして動作させることで、回路動作の誤動作などを防止する。
【0111】
また、実施形態12において、記憶手段16に記憶されるデータ数を(N−1)個とし、電源位相検出手段20により、例えば交流電源ACのゼロクロス点を検出し、電源位相検出手段20からの検出信号が入ると略同時に、記憶手段16に記憶されるデータからデューティの演算を行ない、デューティを(脈流電圧一周期)/N毎に更新するような構成としたとき、電源位相検出手段20より検出される位相に、実際の回路では、検出される毎に若干のずれが生じることが予想される。脈流電圧一周期のデューティ演算が終了した時点のデューティの値と、次の一周期の演算を開始した最初のデューティの値に、大きく差が生じる可能性がある。そこで、本実施形態のように、このような位相の前後において、ある期間デューティを一定にすることにより、脈流電圧一周期のデューティ演算の境目において、デューティに差を生じることを防止することも可能である。
【0112】
また、本実施形態とは別に、デューティの動作範囲を決定するデューティの最大値、最小値を設けてもよい。これは、例えば、実施形態4などにおいて、電源電圧の瞬時降下、瞬時停電や、過電圧が入力されたときに、設定されるデューティが不安全動作に入るような値となることを防止するためのものである。本実施形態では、デューティにて説明したが、周波数でも同様である。
【0113】
(実施形態18)
図28に実施形態18の概略回路図、図29に動作波形図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、電圧検出手段22の出力電圧を電流に変換するV/I変換器50と、V/I変換器30の出力電流からV/I変換器31の出力電流及び前記V/I変換器50の出力電流を減算した電流を電圧に変換するI/V変換器32を備えたことを特徴とするものである。
【0114】
実施形態4との相違点について、図29を用いて説明する。従来例において、平滑コンデンサC10は有限の容量であるため、図29(b)に示すように、平滑コンデンサC10の電圧Vdcは商用周波数の2倍の周波数のリップル電圧を持ち、これにより電圧VT11にもリップル電圧の影響が現れることを述べた。そこで本実施形態では、電圧検出手段22により平滑コンデンサの電圧を検出し、この電圧をV/I変換器50によって電流に変換することで、図29(c)に示すように、電流I4を得る。この電流I4を、実施形態4における電流I3から差し引くことにより、図29(d)に示すような電流I3’を得る。ここでI3’=I3−I4=I1−I2−I4で表される。電流I3’をI/V変換器32に入力して電圧に変換した後、直流電圧V10’と加算して、図29(d)に示すような電圧V3を得る。このように、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、平滑コンデンサの電圧の平均値以下の期間にデューティをより増加させることで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を増加させ、平滑コンデンサの電圧の平均値以上の期間のデューティの増加を抑えることで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を増加を抑える。この結果、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11をより略一定の高周波電圧とすることで、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0115】
また、周囲温度などによる負荷インピーダンスの変動によって、負荷の消費電流、電力が変化した場合、それに応じて平滑コンデンサの電圧も変化する。本実施形態では、平滑コンデンサ電圧に応じたデューティ制御を含むので、このような負荷インピーダンスの変動に対して負荷の消費電流の変動を抑えることに対応可能である。
【0116】
(実施形態19)
図30に実施形態19の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態15において、実施形態18の回路構成を組合せたものであり、V/I変換器50は、NPNトランジスタTr4と抵抗素子R9によって構成されるエミッタフォロア回路であり、前記NPNトランジスタTr4のコレクタが抵抗素子R6、R7の接続点に接続された構成となるものである。
【0117】
本実施形態の動作を図30を用いて説明する。平滑コンデンサの電圧を抵抗素子R21、R22で分圧した電圧V7を、トランジスタTr4のベースに入力する。トランジスタTr4のエミッタ電圧はほぼ電圧V7となり、抵抗R9によって電流I4(=V7/R9)に変換される。この電流I4を、実施例15における電流I3から差し引くことで、実施形態18と同様の電流I3’が得られる。その他の動作は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏する。
【0118】
(実施形態20)
図31に実施形態20の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態14において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、電圧検出手段22の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器41と、A/D変換器40及び前記A/D変換器41のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備えたことを特徴とするものである。
【0119】
本実施形態は、実施形態14に加えて、平滑コンデンサ電圧検出手段22の出力電圧のリップル成分によって変化させるデューティ成分Δd2を演算し、これによって、基準デューティd0、デューティ成分Δd1、Δd2を全て加算して、動作デューティを設定する。デューティ成分Δd2と電圧検出手段22の出力電圧V7との関係は、図32に示すように、平滑コンデンサの電圧が上昇したときにデューティが小さくなる方向に、平滑コンデンサの電圧が低下したときにデューティが大きくなる方向に変化するように設定される。デューティ成分Δd2の演算は、記憶手段16に、それぞれの出力設定信号に対して、図32に示すようなV7とΔd2の関係を決定する設定値を予め記憶しておき、それぞれ出力設定信号に対応する設定値を記憶手段16から読み取って行なう。その他の基本的な動作は、実施形態14と同様である。また、平滑コンデンサのリップル成分を含めたデューティ制御も可能であり、実施形態18と同様の効果を奏する。
【0120】
(実施形態21)
図33に実施形態21の動作説明図を示す。本実施形態の回路構成は、実施形態20と同様であり、実施形態20において、A/D変換器40のデータ読み込み時間の間隔に比べ、A/D変換器41のデータ読み込み時間の間隔が非常に長いことを特徴とするものである。
【0121】
実施形態20において、デューティを決定するためには、基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2を各々演算した後、これらを加算して行なう。ここで、デューティ成分Δd1は、脈流電圧の位相に応じて変化するものであり、脈流一周期に比べて非常に短いことが望まれる。Δd1の更新周期をTa、脈流電圧の周期をT、スイッチング素子の駆動パルスの周期をThfとすると、Thf≦Ta<<Tで設定する。ここで、マイクロコンピュータなどを用いて基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2の演算を行なう場合、A/D変換器40、A/D変換器41によるデータの読み込み、かつすべての演算を、周期Ta内に終了させてデューティを更新するためには、高速で動作する、高価なマイクロコンピュータが必要となる。そこで本実施形態は、脈流電圧と同等以上の長い時間で変化する平滑コンデンサの電圧に応じて変化するデューティ成分Δd2の更新周期を、デューティ成分Δd1の更新周期よりも非常に長くし、デューティ成分Δd2は更新されるまで前回の値を保持して、基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2の加算を行なうことで、デューティ成分Δd2の演算回数を減らすものである。デューティ成分Δd2の更新周期をTbとすると、Ta<<Tbと表される。これにより、本実施形態では、比較的安価なマイクロコンピュータの使用が可能となるものである。
【0122】
(実施形態22)
図34に実施形態22の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、前記電圧検出手段22の出力を周波数設定手段12bに入力して、平滑コンデンサの電圧に応じてスイッチング素子の駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0123】
また、他の実施形態として、実施形態2において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、前記電圧検出手段22の出力をデューティ設定手段12aに入力して、平滑コンデンサの電圧に応じてスイッチング素子のデューティを変化させるよう設定したものも上げられる。
【0124】
(実施形態23)
図35に実施形態23の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷出力電圧を検出する電圧検出手段23を備え、前記電圧検出手段23の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、負荷出力電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0125】
本実施形態は、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから負荷出力電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電圧の変動を抑えることで負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0126】
(実施形態24)
図36に実施形態24の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷電流を検出する電流検出手段24を備え、前記電流検出手段24の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、負荷電流に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0127】
本実施形態は、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから負荷電流の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0128】
(実施形態25)
図37に実施形態25の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷回路11と直列に直流カット用コンデンサC30が挿入され、前記直流カット用コンデンサC30の電圧を検出する電圧検出手段25を備え、前記電圧検出手段25の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記直流カット用コンデンサに応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0129】
本実施形態の直流カット用コンデンサの電圧の直流成分は、負荷が整流要素を持つような異常状態にならない限り、略0Vに近い値である。しかしながら、高周波的な振動電圧を含み、この振動電圧は共振回路電流によって決まる。すなわち、この直流カット用コンデンサの電圧の包絡線は共振電流の包絡線と同様のものになる。ゆえに、本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから直流カット用コンデンサの変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正することで、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果がある。
【0130】
この直流カット用コンデンサの容量を大きくすることによって、振動電圧を低くすることができるので、電圧検出手段25は比較的低耐圧の部品によって回路を構成することが可能となる。
【0131】
また、負荷が整流要素を持つような異常状態になると、直流カット用コンデンサC30の電圧の直流成分が変化するので、このような異常状態を検出する手段と、電圧検出手段25とを兼用するようにしても良い。
【0132】
本実施形態の回路構成において、負荷回路11に直列に直流カット用コンデンサC30が挿入されたものとなっているが、上述の実施形態の回路構成も同様に、この直流カット用コンデンサが含まれる構成となっても良いことはいうまでもないものである。
【0133】
(実施形態26)
図38に実施形態26の概略回路図、図39に他の構成の一例を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分けて構成され、前記インダクタL1の両端電圧を検出する電圧検出手段26を備え、前記電圧検出手段26の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記インダクタL1の両端電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0134】
本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこからインダクタL1の両端電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0135】
また、図39に示すように、インダクタL1に2次巻線を設け、この2次巻線電圧を電圧検出手段26で検出するような構成を用いても良い。
【0136】
本実施形態の回路構成において、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分けて構成されたものとなっているが、上述の実施形態の回路構成も同様に、このような構成となっても良いことはいうまでもないものである。
【0137】
(実施形態27)
図40に実施形態27の概略回路図、図41に他の構成の一例を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、トランスT11の1次巻線n11の両端電圧を検出する電圧検出手段27を備え、前記電圧検出手段27の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記トランスT11の1次巻線n11の両端電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0138】
本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこからトランスT11の1次巻線n11の両端電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0139】
また、図41に示すように、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分け、トランスT21に3次巻線n23を設け、この3次巻線電圧を電圧検出手段27で検出するような構成を用いても良いものである。
【0140】
以上のように本発明の電源装置における実施形態について説明したが、上述の実施形態の概略回路図には、交流電源ACと全波整流器DBの間に挿入されるフィルタ回路が省略されて描かれている。実際は、図42に示すように、交流電源ACと全波整流器DBの間にフィルタ回路を挿入し、入力電流の高周波成分をフィルタリングして、略正弦波状の入力電流とし、高調波成分を抑制するものである。
【0141】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る電源装置によると、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加を防止することができるものである。
【0142】
本発明の請求項2に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0143】
本発明の請求項3に係る電源装置によると、請求項1または請求項2記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0144】
本発明の請求項4に係る電源装置によると、請求項1ないし請求項3いずれか記載の場合に加えて、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加をより一層確実に防止することができるものである。
【0145】
本発明の請求項5に係る電源装置によると、請求項4記載の場合に加えて、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加をより一層確実に防止することができるものである。
【0146】
本発明の請求項6に係る電源装置によると、請求項3ないし請求項5いずれか記載の場合に加えて、電源電圧が変動した場合においても、上述した効果が得られるものである。
【0147】
本発明の請求項7に係る電源装置によると、請求項1ないし請求項3いずれか記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0148】
本発明の請求項8に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【0149】
本発明の請求項9に係る電源装置によると、請求項5または請求項8記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【0150】
本発明の請求項10に係る電源装置によると、請求項7または請求項8記載の場合に加えて、比較的安価なマイクロコンピュータを用いて実施することができるものである。
【0151】
本発明の請求項11に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源装置に係る実施形態1の概略回路図である。
【図2】本発明の電源装置に係る実施形態1の動作波形図である。
【図3】本発明の電源装置に係る実施形態2の概略回路図である。
【図4】本発明の電源装置に係る実施形態2の動作波形図である。
【図5】本発明の電源装置に係る実施形態3の概略回路図である。
【図6】本発明の電源装置に係る実施形態4の概略回路図である。
【図7】本発明の電源装置に係る実施形態4の動作波形図である。
【図8】本発明の電源装置に係る実施形態4の動作説明図である。
【図9】本発明の電源装置に係る実施形態5の概略回路図である。
【図10】本発明の電源装置に係る実施形態6の概略回路図である。
【図11】本発明の電源装置に係る実施形態6の動作説明図である。
【図12】本発明の電源装置に係る実施形態6の動作説明図である。
【図13】本発明の電源装置に係る実施形態7の概略回路図である。
【図14】本発明の電源装置に係る実施形態8の動作波形図である。
【図15】本発明の電源装置に係る実施形態9の動作波形図である。
【図16】本発明の電源装置に係る実施形態10の動作波形図である。
【図17】本発明の電源装置に係る実施形態11の動作波形図である。
【図18】本発明の電源装置に係る実施形態12の概略回路図である。
【図19】本発明の電源装置に係る実施形態12の動作波形図である。
【図20】本発明の電源装置に係る実施形態13の概略回路図である。
【図21】本発明の電源装置に係る実施形態14の概略回路図である。
【図22】本発明の電源装置に係る実施形態15の概略回路図である。
【図23】本発明の電源装置に係る実施形態15の動作波形図である。
【図24】本発明の電源装置に係る実施形態15の他の回路構成図である。
【図25】本発明の電源装置に係る実施形態16の概略回路図である。
【図26】本発明の電源装置に係る実施形態16の動作波形図である。
【図27】本発明の電源装置に係る実施形態17の動作波形図である。
【図28】本発明の電源装置に係る実施形態18の概略回路図である。
【図29】本発明の電源装置に係る実施形態18の動作波形図である。
【図30】本発明の電源装置に係る実施形態19の概略回路図である。
【図31】本発明の電源装置に係る実施形態20の概略回路図である。
【図32】本発明の電源装置に係る実施形態20の動作説明図である。
【図33】本発明の電源装置に係る実施形態21の動作説明図である。
【図34】本発明の電源装置に係る実施形態22の概略回路図である。
【図35】本発明の電源装置に係る実施形態23の概略回路図である。
【図36】本発明の電源装置に係る実施形態24の概略回路図である。
【図37】本発明の電源装置に係る実施形態25の概略回路図である。
【図38】本発明の電源装置に係る実施形態26の概略回路図である。
【図39】本発明の電源装置に係る実施形態26の他の回路構成図である。
【図40】本発明の電源装置に係る実施形態27の概略回路図である。
【図41】本発明の電源装置に係る実施形態27の他の回路構成図である。
【図42】本発明の電源装置に係る各実施形態の中で補足の回路構成図である。
【図43】従来例1の電源装置に係る概略回路図である。
【図44】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図45】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図46】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図47】従来例2の電源装置に係る概略回路図である。
【図48】従来例2の電源装置に係る動作波形図である。
【図49】従来例3の電源装置に係る概略回路図である。
【図50】従来例3の電源装置に係る動作説明図である。
【図51】従来例3の電源装置に係る動作説明図である。
【符号の説明】
20 電源位相検出手段
AC 交流電源
Q1 スイッチング素子
Q2 スイッチング素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置に関し、具体的には、交流電圧を直流電圧への整流平滑を行い、この整流平滑で得た直流電圧を高周波電圧に変換して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の電源装置における従来例として、従来例1の概略構成図(特許文献1参照)を図43に示す。この電源装置は、交流電源ACからの交流電圧VSを直流電圧に全波整流する全波整流器DBと、この全波整流器DBの正極出力端子と順方向にアノードが接続されるダイオードD11と、このダイオードD11のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に接続される平滑コンデンサC10と、ダイオードD11のカソードと順方向にアノードが接続されるダイオードD12と、このダイオードD12のカソードと全波整流器DBの負極性出力端子との間に直列接続されるスイッチング素子Q1,Q2と、これらスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、スイッチング素子Q1,Q2の接続点と全波整流器DBの正極性出力端子との間に接続される1次巻線n11を有するとともに負荷回路11と接続される2次巻線n12を有するトランスT11と、ダイオードD11,D12とそれぞれ並列接続されるコンデンサC11,C12とを備えている。
【0003】
ただし、スイッチング素子Q1,Q2の各々は、例えば、MOSFETであって、ソース・サブストレイトが接続されており、ドレイン及びソースにそれぞれカソード及びアノードが接続される寄生ダイオードを有する構造になっている。
【0004】
また、制御回路10は、交流電源ACの周波数よりも十分に高いスイッチング周波数の動作でスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン/オフさせるもので、そのスイッチング周波数は、一周期の間で交流電源ACの電圧が一定と見なせる程度に設定される。なお、制御回路10のQ1,Q2の出力はスイッチング素子Q1,Q2のゲートに接続されるゲート信号を示す。
【0005】
また、負荷回路11は、2次巻線n12の両端と各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、上記一対のフィラメントの各他端間に接続される予熱・共振用のコンデンサC111とにより構成されている。
【0006】
さらに、トランスT11はリーケージトランスであり、このトランスT11の漏れインダクタンスとコンデンサC111とにより共振回路が形成される構成になっている。
【0007】
図44(a)、(b)、(f)、(g)に示す電圧VQ1,VQ2,Vc11,Vc12及び同図(c)、(d)、(e)、(h)に示す電流IT11,IQ1,IQ2,Iinの各々は、図43に示す同符号の信号と対応している。同様に、図45(a)、(b)、(c)に示す電圧Vc11,Vc12,VT11及び同図(d)、(e)に示す電流IQ2,Iinの各々も図43に示す同符号の信号に対応する。また、図44で示すVdcは平滑コンデンサC10の両端にかかる電圧を示す。
【0008】
今、定常状態の回路動作について図44、図45を用いて簡単に説明する。
【0009】
図44の時刻t11の時、スイッチング素子Q2がターンオン、スイッチング素子Q1がターンオフすると、トランスT11に蓄積されるエネルギーにより、トランスT11の1次巻線n11→ダイオードD11→平滑コンデンサC10→スイッチング素子Q2の寄生ダイオード→トランスT11の1次巻線n11の経路で電流が流れる。
【0010】
図44の時刻t12の時、トランスT11に蓄積されるエネルギーが零となり、C10が直流電源となり、平滑コンデンサC10→コンデンサC11→トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q2→平滑コンデンサC10の経路で電流が流れる。
【0011】
図44の時刻t13の時、Vdc(平滑コンデンサC10の電圧)+Vc11(コンデンサC11の電圧)<VS(交流電源電圧)となり、交流電源AC→全波整流器DB→トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q2→全波整流器DB→交流電源ACの経路で電流が流れ、入力電流Iinを取り込む。
【0012】
図44の時刻t14の時、スイッチング素子Q1がターンオン、スイッチング素子Q2がターンオフすると、トランスT11に蓄積されたエネルギーにより、トランスT11の1次巻線n11→スイッチング素子Q1の寄生ダイオード→コンデンサC12→平滑コンデンサC10→全波整流器DB→交流電源AC→全波整流器DB→トランスT11の1次巻線n11の経路で電流が流れる。
【0013】
図44の時刻t15の時、トランスT11に蓄積されたエネルギーが零となり、コンデンサC11とコンデンサC12が直流電源となり、コンデンサC11→コンデンサC12→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC11の経路で電流が流れる。
【0014】
図44の時刻t16の時、コンデンサC12の充電電圧が零となり、コンデンサC11が直流電源となり、コンデンサC11→ダイオードD12→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC11の経路で電流が流れる。
【0015】
そして、図44の時刻t17の時、回路動作は時刻t11と同様となり、これら一連の回路動作によりトランスT11の2次巻線n12から負荷回路11に高周波電力が供給される。すなわち、交流電流の一周期において、上記の主要な信号波形を観察すると図45に示すようになる。
【0016】
ここで、この図45に示すように、交流電源ACの電圧が正弦波状に上昇及び下降すると、コンデンサC11の電圧Vc11が正弦波状に下降及び上昇すると同時に、コンデンサC12の電圧Vc12が、交流電源ACの正弦波状の電圧と同様に上昇及び下降することによって、1次巻線n11に印可する電圧VT11は、ほぼ一定の変動振幅電圧になる。この結果、図45(f)に示す2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率が小さくなる。
【0017】
上述のように図43に示す従来例は、コンデンサC11とC12の高周波電圧を足し合わせて1次巻線n11に印可する電圧VT11をほぼ一定の振幅の高周波電圧とすることにより2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率を小さくするものである。
【0018】
しかしながら、脈流の全周期に対して、コンデンサC11とC12の高周波電圧を足し合わせによって1次巻線n11に印可する電圧VT11を完全に一定電圧とすることは困難であり、脈流山部と脈流谷部の間の位相においてVT11は低下し、そのときの負荷電流IFLも低下することになる。また、脈流山部と脈流谷部の間の位相のVT11が低下するところでは、負荷回路に流れる共振電流が減少し、スイッチング素子Q2の回生電流は図46(e)のIQ2のように脈流山部と脈流谷部の間の位相にて減少する。
【0019】
このため、負荷インピーダンスの変動などによってこの付近で回生電流が少なくなって、回生電流がなくなるとゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズが増大する恐れがある。特に、放電灯負荷のように負荷インピーダンスが変動するようなものにおいて顕著に現れる。
【0020】
さらに、平滑コンデンサC10は有限の容量であるため、平滑コンデンサC10の電圧Vdcは、図46(a)に示すような商用周波数の2倍の周波数のリップル電圧を持つことになる。これに伴い、図46(b)、(c)に示すコンデンサC11,C12の電圧Vc11,Vc12もこのリップル電圧が重畳される。図46に示す破線は平滑コンデンサC10の電圧Vdcのリプル電圧成分が0のときの包絡線である。
【0021】
これによって、電圧Vdcがその平均値よりも小さい期間では図46(b)に示すようにコンデンサC11の振動電圧Vc11は小さくなり、電圧Vdcがその平均値よりも大きい期間ではコンデンサC11の振動電圧Vc11は大きくなる。これは図46(d)に示す電圧VT11にも現れるため、電圧Vdcがその平均値よりも小さい期間で、かつ脈流山部と脈流谷部の間の位相においてVT11が低下するところでは、図46(e)に示すように電流IQ2が流れ、さらに電圧VT11は低下して、図46(f)に示すように負荷電流IFLも低下することになる。そのため、負荷電流IFLの波高率の低減に限界がある。また、スイッチング素子Q2の回生電流もさらに小さくなり、上記に述べたゼロ電圧スイッチング動作を満足しない領域に入る危険性がさらに高まることになる。
【0022】
このように、従来の電源装置においては、負荷電流の波高率低減に限界があり、また、脈流山部と脈流谷部の間の位相において、ゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子のストレスもしくはノイズが増加するといった課題があった。
【0023】
上記のような課題を鑑みて為された別の従来例2として、図47に示す概略構成図(特願2001−158300号)を有する電源装置が提供されている。この電源装置は、上記従来例1において、全波整流器DBの正極性出力端子とインダクタL10を介してダイオードD11のアノードが接続される構成となっており、その他は従来例1と同様な構成となっているものである。ここで、図47に示すコンデンサC21は図43に示す従来例1のコンデンサC11に相当し、高周波的に見て等価である。同様に、図47に示すコンデンサC22は図43に示す従来例1のコンデンサC12に相当し、高周波的に見て等価である。
【0024】
次に、本従来例の回路動作を従来例1との相違点を中心に説明する。
【0025】
まず、スイッチング素子Q2がオンし、その後しばらくはトランスT11の残留エネルギーによってスイッチング素子Q2に回生電流が流れ、やがてトランスT11の残留エネルギーが0となり、コンデンサC21が放電を開始する。これによって、ダイオードD11のアノード電圧が減少して、全波整流器DBの正極性端子の電圧になると、入力電流Iinの引き込みを開始する。しかしながら、インダクタL10のインダクタンスによって入力電流Iinは徐々に増加するので、この後も、コンデンサC21からの放電が引き続き行なわれ、ダイオードD11のアノード電圧は全波整流器DBの正極性端子の電圧よりもさらに低下する。
【0026】
この後、スイッチング素子Q2がオフすると、インダクタL10及びトランスT11に蓄積されていたエネルギーによって、入力電流Iinを引き込みつつコンデンサC21、コンデンサC22を充電する。全波整流器DBから出力する脈流電圧の谷部においては、引き込む入力電流Iinが少ないため、インダクタL10の残留エネルギーによるコンデンサC21への充電では、コンデンサC21の電圧Vc21の増加が少ない。そのため、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10及びトランスT11の残留エネルギーがなくなり、コンデンサC22→スイッチング素子Q1→トランスT11の1次巻線n11→コンデンサC21→コンデンサC22という経路でコンデンサC21への充電を始めるとき、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧は高くなる。コンデンサC22の電圧が平滑コンデンサC10の電圧Vdcまで減少すると、ダイオードD12がオンして、平滑コンデンサC10からトランスT11を介してコンデンサC21への充電となり、脈流の谷部付近での共振電流及び負荷電流を増加させることが可能となる。これによって、図48に示すように、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相において、負荷回路11の共振電流の低下を抑制できるので、この位相におけるスイッチング素子Q2の回生電流の確保(図48(f)参照)、及び負荷電流IFLの低下の抑制(図48(g)参照)が可能となり、負荷電流波高率のさらなる低減が可能となる。なお、図48の破線は、従来例1での動作の包絡線である。
【0027】
さらに別の従来例3として、図49に示す概略構成図(特願2001−133071号)を有する放電灯点灯装置が提供されている。この放電灯点灯装置は、上記従来例1において第1のスイッチング素子の一端側の電圧波形の包絡線に相当する電圧を検出する電圧検出部を備え、制御回路部は、電圧検出部の検出した電圧が大きくなるほどランプ電流の増加を抑制し、且つ、電圧検出部の検出した電圧が小さくなるほどランプ電流の低下を抑制するように、第2のスイッチング素子の駆動周波数又はオンデューティの内少なくともいずれか一方を変化させることを特徴としたものである。図49ではスイッチング素子の駆動周波数を変化させる例を示しており、この動作波形図を図50に示す。これらを用いて動作を簡単に説明する。電圧検出回路11の出力電圧Va2は、図50(c)に示すように電圧Vp1の包絡線に相似した電圧波形となる。電圧検出回路11の出力電圧Va2と略一定の直流電圧Va1とを加算した電圧Va3をV/f変換器13に入力し、V/f変換器13から出力される周波数によってインバータ回路INVを駆動する。そのため、インバータ回路INVの駆動周波数は、図50(d)に示すように、脈流の山部では入力電圧の絶対値|Vin|に比例して周波数が高くなり、脈流の谷部では略一定の低い周波数となる。これにより、脈流山部での負荷電流Ilaを抑え、その分脈流谷部の負荷電流Ilaを増加させて、より負荷電流波高率の低減が可能となる。
【0028】
【特許文献1】
特開2000−312483号公報
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように図47に示す従来例2は、インダクタL10等の追加によって、コンデンサC21、C22への充放電電流を変化させ、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相における負荷回路11の共振電流の低下を抑制し、この位相におけるスイッチング素子Q2の回生電流の確保、及び負荷電流IFLの低下の抑制を行ない、負荷電流波高率のさらなる低減を可能とするものである。
【0030】
しかしながら、主の電流経路にインダクタなどのインピーダンス素子の追加が必要となり、コスト的に不利な一面がある。
【0031】
また、図49に示す従来例3において、脈流の谷部と脈流の山部の間の位相の共振電流及び負荷電流を増加させるためには、脈流谷部の共振電流及び負荷電流をさらに増加させる必要があり、場合によっては脈流谷部の出力増加によって波高率低減に限界が生じる。さらに、スイッチング素子Q2のオンデューティにて上記動作を行った場合、入力電圧ゼロクロス付近における入力電流引き込みが増加し、図51に示すように入力電圧の極性が反転するゼロクロス点において入力電流が不連続(ジャンプ)となり、入力電流高調波、ノイズが増加してしまうという課題があった。
【0032】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、入力電流高調波が少なく、平滑コンデンサの電圧が低くとも負荷回路に流れる電流の波高率が小さく、スイッチング素子の損失を低減した電源装置において、入力電流高調波を抑制しつつ負荷電流の更なる波高率の低下と、負荷インピーダンスの変動によっても脈流全周期においてゼロ電圧スイッチング動作を行なうことで、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加を防止することができる電源装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電源装置は、交流電源の交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される少なくとも一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記整流器の一方の出力端子と第1ダイオードとの接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第1コンデンサと、前記第2ダイオードの他端と前記一対のスイッチング素子との接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第2コンデンサと、前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段とを備える電源装置において、前記交流電源の位相を検出し、その出力が前記制御手段に入力される電源位相検出手段を備え、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が、前記交流電源の電圧のゼロクロス点とピーク点の間の位相において、スイッチング周波数の場合は極小値をオンデューティ比の場合は極大値を持つように設定されて制御されるものであることを特徴とする。
【0034】
本発明の請求項2に係る電源装置は、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の極値となる位相が、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されて制御されるものであることを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項3に係る電源装置は、前記電源位相検出手段は、前記交流電源の電圧を全波整流した脈流電圧を分圧して出力するものであり、第1の直流電源を備え、前記電源位相検出手段の出力電圧が、前記第1の直流電源の電圧と略等しくなる脈流電圧の位相において、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の増減が反転するよう制御され、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値に応じて前記電源位相検出手段の分圧比を変化させることを特徴とする。
【0036】
本発明の請求項4に係る電源装置は、前記制御手段は、三角波発生器を備え、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1の電圧/電流変換器を備え、前記第1の直流電源と、前記電源位相検出手段の出力から前記第1の直流電源の電圧を減算する第1の減算器と、前記減算器の出力に整流素子を介して入力される第2の電圧/電流変換器を備え、前記第1の電圧/電流変換器の出力と前記第2の電圧/電流変換器の出力を減算する第2の減算器と、前記第2の減算器の出力が入力される電流/電圧変換器を備え、第2の直流電源と、前記電流/電圧変換器の出力と前記第2の直流電源の電圧を加算する第1の加算器を備え、前記第1の加算器の出力と前記三角波発生器の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項5に係る電源装置は、前記第1の電圧/電流変換器及び第2の電圧/電流変換器は、第1のトランジスタとそのエミッタに接続される第1の抵抗素子及び第2のトランジスタとそのエミッタに接続される第2の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第1の直流電源は、ある任意の直流電源と前記第2のトランジスタのエミッタに接続される第3の抵抗素子と前記第2の抵抗素子で構成され、前記第1の減算器と前記整流素子は、前記第2のトランジスタと前記第2、第3の抵抗素子で構成され、前記第2の減算器は、カレントミラー回路を備え、前記第1もしくは第2のトランジスタの一方のコレクタが前記カレントミラー回路の入力側コレクタに、他方のコレクタが前記カレントミラー回路の出力側コレクタに接続されて構成され、前記電流/電圧変換器、第2の直流電源及び第1の加算器は、ある任意の直流電源を分圧する第4、第5の抵抗素子の直列回路を備え、前記カレントミラー回路の出力側コレクタと前記第4、第5の抵抗素子の接続点とを接続して構成されることを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項6に係る電源装置は、前記第1の直流電源は、前記交流電源の電圧の実効値に応じた直流電圧を出力する第1の電圧検出手段であることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項7に係る電源装置は、前記制御手段は、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1のA/D変換器を備え、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されるスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の設定値を記憶する記憶手段を備え、前記第1のA/D変換器の出力と前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記演算手段の結果を受けて信号を出力する発振器と、前記発振器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする。
【0040】
本発明の請求項8に係る電源装置は、前記平滑コンデンサの電圧を検出し、その出力が前記制御手段に入力される第2の電圧検出手段を備え、前記第2の電圧検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする。
【0041】
本発明の請求項9に係る電源装置は、前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第3の電圧/電流変換器を備え、前記第3の電圧/電流変換器は第3のトランジスタとそのエミッタに接続される第6の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第3のトランジスタのコレクタが前記第2のトランジスタのコレクタに接続されることを特徴とする。
【0042】
本発明の請求項10に係る電源装置は、前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第2のA/D変換器を備え、前記第1のA/D変換器の出力と、前記第2のA/D変換器の出力と、前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記第2のA/D変換器のデータ読み取り周期が、前記第1のA/D変換器のデータ読み取り周期に比べて非常に長いものであることを特徴とする。
【0043】
本発明の請求項11に係る電源装置は、前記負荷回路に含まれる負荷の両端電圧及び負荷電流、及び負荷回路に含まれて構成される共振回路のインダクタの両端電圧、及び負荷回路に含まれて構成される前記トランスの2次側回路の直流カット用コンデンサの両端電圧、及び前記トランスの1次巻線印加電圧及び2次巻線印加電圧のうち、少なくとも1つを検出し、その出力が前記制御手段に入力される検出手段を備え、前記検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
【0045】
(実施形態1)
図1に実施形態1の概略回路図、図2に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、図1に示すように、従来例1の回路構成に、交流電源ACの位相を検出する電源位相検出手段20を設け、電源位相検出手段20の出力が各スイッチング素子を制御する制御回路10に入力される構成となっており、前記制御回路10は、電源位相検出手段20の出力により交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子のデューティ比を変化させるよう設定するデューティ設定手段12aを備え、スイッチング素子の駆動周波数を設定する周波数設定手段12bを備え、デューティ設定手段12a及び周波数設定手段12bの出力によりスイッチング素子の駆動パルスを生成する発振器13を備え、発振器13の出力パルスによりそれぞれのスイッチング素子を駆動するドライバ14を備えて構成されている。
【0046】
また、デューティ設定手段12aは、交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子のデューティ比を変化させるよう設定するとともに、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、共振電流及び負荷電流を増加させるためにスイッチング素子のデューティ比が極値を持つように設定されることを特徴とするものである。
【0047】
次に、本実施形態の電源装置の回路動作について説明する。
【0048】
なお、本実施形態の電源装置の動作は、基本的に上述の従来例と同様であるので、従来例との相違点を中心に説明する。
【0049】
スイッチング素子Q2がオン状態で、かつVdc(平滑コンデンサC10の電圧)+Vc11(コンデンサC11の電圧)<VS(交流電源電圧)となった時点から入力電流Iinを取り込みを開始し、スイッチング素子Q2がターンオフするまでトランスT11の1次巻線n11の電流は増加しつづける。そして、スイッチング素子Q1がターンオン、スイッチング素子Q2がターンオフすると、トランスT11に蓄積されたエネルギーにより、コンデンサC12及び平滑コンデンサC10への充電を開始し、トランスT11に蓄積されたエネルギーが0になるまで充電される。これにより、充電終了後のコンデンサC12の電圧はトランスT11に蓄積されたエネルギーすなわちスイッチング素子Q2ターンオフ時のトランスT11の1次巻線n11の電流により決定され、よってスイッチング素子Q2のオン時間を制御することにより充電終了後のコンデンサC12の電圧を制御することが可能となる。
【0050】
トランスT11の1次巻線n11に印加する電圧VT11は、コンデンサC11とC12の高周波電圧を略足し合わせたものである。そこで、本実施形態では、図2(d)に示すように、スイッチング素子Q2のオンデューティが脈流電圧と同期して変化し、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つように予め設定することで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を、脈流電圧の谷部と山部の間の位相におけて増加させ、脈流山部及び脈流谷部において抑制するようにしたものである。これにより、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11はより略一定の高周波電圧とすることができ、図2(g)に示すように、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0051】
また、脈流山部及び脈流谷部において共振電流を増加することができるので、図2(f)に示すように、スイッチング素子Q2の回生電流が確保でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことが可能となる。
【0052】
さらに、脈流谷部の入力電圧が0となる点において、スイッチング素子Q2のオンデューティを入力電流引き込みが0となるような値に設定することにより、入力電流のゼロクロス点における不連続を抑制し、入力電流高調波を低減しつつ負荷回路11の電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0053】
以上のように、本実施形態の電源装置では、入力電流高調波を低減しつつ脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行ない、負荷電流波高率の更なる低減が可能となる。
【0054】
(実施形態2)
図3に実施形態2の概略回路図、図4に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、制御回路10において、電源位相検出手段20の出力により交流電源ACの位相に同期してスイッチング素子の駆動周波数を変化させるよう設定する周波数設定手段12bを備え、スイッチング素子のデューティ比を設定するデューティ設定手段12aを備え、デューティ設定手段12a及び周波数設定手段12bの出力によりスイッチング素子の駆動パルスを生成する発振器13を備えているほかは、実施形態1と同様である。
【0055】
次に、本実施形態の電源装置の回路動作について説明する。
【0056】
本実施形態では、図4(c)に示すように、スイッチング素子Q1、Q2の周波数が脈流電圧と同期して変化し、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q1、Q2の周波数が極小値を持つように予め設定することで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実行値を、脈流電圧の谷部と山部の間の位相におけて増加させ、脈流山部及び脈流谷部において抑制するようにしたものである。これにより、図4(g)に示すように、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0057】
また、脈流山部及び脈流谷部において共振電流を増加することができるので、図4(f)に示すように、スイッチング素子Q2の回生電流が確保でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことが可能となる。
【0058】
さらに、脈流谷部の入力電圧が0となる点において、スイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数を入力電流引き込みが0となるような値に設定することにより、入力電流のゼロクロス点における不連続を抑制し、入力電流高調波を低減しつつ負荷回路11の電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0059】
本実施形態の電源装置も実施形態1の電源装置と同様に、入力電流高調波を低減しつつ脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行ない、負荷電流波高率の更なる低減が可能となる。
【0060】
(実施形態3)
図5に実施形態3の概略回路図を示す。本実施形態の回路構成は、実施形態1、実施形態2に対して、ダイオードD11に並列接続されるコンデンサC11の代わりに整流器DBの出力端間にコンデンサC21を接続し、ダイオードD12に並列接続されるコンデンサC12の代わりに、ダイオードD12のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間にコンデンサC22を接続したものである。
【0061】
本実施形態の回路構成は、高周波的に見て実施形態1、実施形態2と等価であり、回路動作も、図2もしくは図4に示すようにスイッチング素子Q2のオンデューティもしくは周波数を設定すれば、実施形態1、実施形態2とほぼ同様となる。したがって、本実施形態も実施形態1、実施形態2と同様の効果を奏することが可能となる。
【0062】
(実施形態4)
図6に実施形態4の概略回路図、図7に動作波形図、図8に動作説明図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態1、実施形態3において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、制御回路10は、スイッチング素子を駆動する周波数の三角波を発生する三角波発生器33を備え、電源位相検出手段20の出力電圧を電流に変換するV/I変換器30と、電源位相検出手段20の出力電圧から直流電圧V10を差し引いた電圧の略正極性となる電圧だけを電流に変換するV/I変換器31を備え、前記V/I変換器30の出力電流からV/I変換器31の出力電流を減算した電流を電圧に変換するI/V変換器32を備え、前記三角波発生器の出力電圧と、前記I/V変換器32の出力電圧に直流電圧V0を加算した電圧とを比較する比較器34を備え、前記比較器34の出力がドライバ14に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0063】
次に、図7、図8を用いて本実施形態の動作を説明する。まず、電源位相検出手段20によって、図7(a)に示すように、交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形V1が検出される。電圧V1をV/I変換器30に入力することにより、図7(b)に示すように、電流I1が得られる。一方、電圧V1から直流電圧V10を差し引き、ダイオードを介してV/I変換器31に入力することにより、V/I変換器31には図7(c)に示すような電圧V2が入力され、V/I変換器31の出力電流I2は電圧V2と略相似のものとなる。そして、電流I1から電流I2を差し引くことにより、図7(d)に示すような電流I3が得られ、この電流I3を電圧に変換し、直流電圧V0を足し合わせることで、図7(e)に示すように、電圧V3が得られる。
【0064】
次に、電圧V3と、三角波発生器33から出力される電圧V4を比較する比較器34の出力V5がドライバ14に入力される。ここで、比較器34の動作の一部を拡大した図を図8に示す。図8は、V3>V4のときに比較器34の出力V5がHレベルとなる例を示している。図8に示すように、電圧V3が低下(上昇)するとともに、V5のHレベルとなる時間が短く(長く)なっている。また、V5の周波数は三角波V4と略等しい。このことから電圧V3の変化に応じて、比較器34の出力V5のデューティを変化することが可能であり、比較器34の出力V5をスイッチング素子Q2の駆動信号とし、比較器34の出力V5の略反転信号をスイッチング素子Q1の駆動信号とすれば、実施形態1、実施形態3に示すような脈流電圧の位相に対するデューティ変化を実現することが可能となる。また、スイッチング素子の駆動周波数は、三角波発生器33の周波数によって設定可能である。
【0065】
さらに、直流電圧V10を変化させることによりデューティが極大値となる位相を変化させることが可能であり、脈流電圧が0のときのデューティは直流電圧V0によって設定可能である。加えて、デューティの極大値はV/I変換器30もしくはI/V変換器32のゲインを、脈流電圧のピーク付近のデューティはV/I変換器31もしくはI/V変換器32のゲインを変化させることにより、それぞれ設定が可能となる。
【0066】
(実施形態5)
図9に実施形態5の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、I/V変換器32の出力電圧に直流電圧V0を加算した電圧を周波数に変換するV/f変換器35を備え、前記V/f変換器35の出力がドライバ14に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0067】
本実施形態の回路動作において、電圧V3を得るための動作は実施形態4と同様であり、これより実施形態2に示すような脈流電圧の位相に対する周波数変化を実現することが可能となる。
【0068】
(実施形態6)
図10に実施形態6の概略回路図、図11に動作説明図、図12に他の動作例の説明図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態1、実施形態3において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、デューティ設定手段12aは、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。
【0069】
次に、図11を用いて本実施形態の動作を説明する。まず、電源位相検出手段20によって、交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形V1が検出され、電圧V1をA/D変換器40に入力することにより、電圧V1に応じたデジタル出力が得られる。A/D変換器40のbit数が多ければ多いほど略アナログ出力とみなせるので、図11(b)に示すように、ここでは電圧V1で説明する。また、デューティは電源の位相に関わらず常に一定の基準デューティ成分d0と、電源の位相によって変化するデューティ成分Δd1とにわけ、図11に示すように、デューティ成分Δd1に対する演算について説明する。これより、発振器に入力されるデューティ設定値はd0+Δd1となる。
【0070】
デューティ演算手段15aは、電圧V1とデューティ成分Δd1との間に任意の関数が設定されている。本実施形態では一例として、図11(a)に示すように、0≦V1<V11の範囲において傾きが正となる1次関数を、V1≧V11の範囲において傾きが負となる1次関数をものを表している。、図11(b)に示すように、電圧V1=V11となる位相をそれぞれθ1、θ3とし、電圧V1がピークとなる位相をθ2とすると、位相0〜θ1では、図11(a)に示す関係に従い、図11(c)に示すように、デューティは増加する。次に位相θ1〜θ2では、図11(a)に示すように、傾きが負となる1次関数となっているので、図11(c)に示すように、デューティは減少に転じる。次に位相θ2〜θ3では、図11(b)に示すように、電圧V1が減少するので、図11(c)に示すように、デューティは増加し、最後に位相θ3〜πでは、図11(a)に示すように、傾きが正となる1次関数であり、電圧V1が減少するので、図11(c)に示すように、デューティは減少に転じる。電圧V1は脈流電圧を分圧したものであるので、以後この動作を繰り返すことになる。
【0071】
以上のように、本実施形態の回路構成により、実施形態1、実施形態3に示すような脈流電圧の位相に対するデューティ変化を実現することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、図11(a)に示すような関数による例を示したが、例えば、図12に示すように、2次関数もしくは三角関数の一部などを用い、電圧V11においてデューティがピークとなるように設定しても良いことはいうまでもないものである。
【0073】
(実施形態7)
図13に実施形態7の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態6において、デューティの設定を周波数に置き換えたものである。これにより、実施形態2に示すような脈流電圧の位相に対する周波数変化を実現することが可能となる。
【0074】
(実施形態8)
本実施形態の概略回路図は、実施形態1の概略回路図(図1)と同様である。また、動作波形図を図14に示す。
【0075】
従来例1の回路構成において負荷電流を低下させるには、スイッチング素子の駆動周波数を高く、かつ/もしくは、スイッチング素子Q2のオンデューティ比を小さくすることで実現する。これよりコンデンサC11,C12の高周波電圧が変化し、定格出力時及び出力低下時のVT11の高周波一周期あたりの実効値は、それぞれ図14(b)、(c)に示すような変化となり、負荷回路11に流れる電流IFLの包絡線もほぼ同様の変化となる。すなわち負荷回路11に流れる電流IFLの大きさによって、負荷電流IFLの極小値の位相に変化が生じることとなる。そこで、本実施形態では、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、負荷電流IFLの大きさによって予め設定することによって、負荷電流IFLの大きさが違う場合でも波高率の低減が可能となる。例えば、図14(d)に示すように、脈流電圧の位相に対する定格出力時のデューティ変化を設定し、図14(e)に示すように、脈流電圧の位相に対する出力低下時のデューティ変化を設定する。このように、負荷電流IFLの大きさに応じて、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、それぞれの負荷電流IFLが極小値となる位相と略等しくなるように設定することによって、それぞれの負荷電流波高率を低減することが可能となる。これを全負荷電流変化範囲において適用すれば、すべての負荷電流の波高率を低減することが出来る。
【0076】
また、本実施形態は、デューティで負荷電流の波高率を低減する場合を例にとって書いているが、周波数についても同様の設定を行えば、同様の効果が得られることはいうまでもないものである。
【0077】
(実施形態9)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6の概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図15に示す。
【0078】
本実施形態においては、実施形態8を受け、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、負荷電流の値に応じて、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段について説明する。
【0079】
上述のように、図10の回路構成においては、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、デューティ設定手段12aは、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。そこで、デューティ演算手段15aに設定される電源位相検出手段20の出力とデューティの関係を、負荷電流IFLに応じて図15の実線から破線のように変化させることによって、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態は、デューティの場合を例にとって述べているが、実施形態7の回路構成を用いて、周波数についても同様に設定が可能である。
【0081】
(実施形態10)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6と概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図16に示す。
【0082】
本実施形態は、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段としては、基本的に実施形態9と同様であるが、それに加えて、図16の実線部分から破線部分に示すように、負荷電流IFLの値が小さくなるに従い、デューティ演算手段15aに設定される電源位相検出手段20の出力に対するデューティ変化率の大きさが小さくなるよう変化させることによって、さらに負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0083】
また、本実施形態は、デューティの場合を例にとって述べているが、実施形態7の回路構成を用いて、周波数についても同様に設定が可能である。
【0084】
(実施形態11)
本実施形態の概略回路図は、実施形態6と概略回路図(図10)と同様である。また、動作波形図については、図17に示す。
【0085】
本実施形態についても、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、スイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を変化させる手段の一つであるが、実施形態10の手段とは異なる。
【0086】
本実施形態は、電源位相検出手段20の分圧比を変化させ、電源位相検出手段20からA/D変換器40に入る脈流の振幅を図17(a)の実線から破線に示すように変化させることにより、脈流電圧の谷部と山部の間の位相においてスイッチング素子Q2のオンデューティが極大値を持つ位相を、図17(b)の実線から破線のように変化させることが可能になる。したがって、実施形態10と同様に、負荷電流IFLの大きさを変化させる場合においても負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0087】
(実施形態12)
図18に実施形態12の概略回路図、図19に動作波形図を示す。本電源装置の構成は、図18に示すように、実施形態1のデューティ設定手段12aにおいて、交流電源ACの各位相に対するスイッチング素子のデューティを設定するための値を予め記憶しておく記憶手段16と、電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもってデューティを演算するデューティ演算手段15aから構成されることを特徴とするものである。
【0088】
本実施形態は、図18におけるトランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、負荷電流IFLの波高率の低減を目的とするものである。
【0089】
従来例1の回路構成において、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値は、図19(b)に示すような変化をするため、電圧VT11の実効値を一定に保つためには図19(c)に示すようなデューティの変化が必要になる。そこで、予め交流電源ACの各位相に対して、図19(c)に示すように設定されたデューティを記憶手段16に記憶しておき、電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を記憶手段16から読み出してデューティを決定して動作させることで、図19(d)の実線に示すように、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、負荷電流IFLの波高率の低減を可能にする。ここで、図19(d)の破線は、デューティ変化を設定する前のものであり、図19(b)と同じものである。
【0090】
また、記憶手段16に記憶されるデータ数を(N−1)個とし、電源位相検出手段20により少なくとも位相を1点検出し(例えば交流電源ACのゼロクロス点など)、電源位相検出手段20からの検出信号が入ると略同時に、記憶手段16に記憶される1番目のデータからデューティの演算を行なってデューティを設定し、このデータは(脈流電圧一周期)/N毎に更新されてデューティを設定し、再び電源位相検出手段20からの検出信号が入ると、前記動作を繰り返すように構成されたものでもよい。
【0091】
本実施形態は、デューティを例にとって述べているが、周波数についても同様である。
【0092】
(実施形態13)
図20に実施形態13の概略回路図を示す。本電源装置の構成は、実施形態12において、デューティ演算手段15及び周波数演算手段17に負荷出力を設定するための出力設定信号が入力され、記憶手段16において、前記出力設定信号毎に交流電源ACの各位相に対するスイッチング素子のデューティを設定するための値を予め記憶しておくとともに、前記出力設定信号毎にスイッチング素子の駆動周波数を設定するための値を予め記憶しておくものであり、前記出力設定信号及び電源位相検出手段20の出力から得られた位相における設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもってデューティを演算するデューティ演算手段15aと、前記出力設定信号から得られる設定値を前記記憶手段16から読み出し、その設定値をもって周波数を演算する周波数演算手段15bとから構成されることを特徴とするものである。
【0093】
本実施形態は、全負荷電流変化範囲において、トランスT11の1次巻線n11に印加される電圧VT11を略一定に保ち、全負荷電流変化範囲において負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0094】
(実施形態14)
図21に実施形態14の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態13において、電源位相検出手段20は、交流電源ACの電圧を全波整流した後、インピーダンス素子による分圧によって交流電源ACの全波整流後の電圧と略相似の電圧波形を出力するものであり、電源位相検出手段20の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器40と、前記A/D変換器40のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備え、前記デューティ演算手段15aは前記A/D変換器40のデジタル出力の変化範囲において少なくとも1点極大値を持つ関数にて設定されていることを特徴とするものである。
【0095】
本実施形態は、記憶手段16に、それぞれの出力設定信号に対して、基準デューティd0や、図11(a)に示すようなV1とΔd1の関係を決定する設定値(例えばV11、0≦V1<V11、V1≧V11のそれぞれの傾き、切片)を予め記憶しておき、それぞれ出力設定信号に対応する設定値を記憶手段16から読み取って基準デューティd0及びデューティ成分Δd1を演算するものであり、その他の基本的な動作は、実施形態6、実施形態13と同様である。
【0096】
本実施形態も同様に、全負荷電流変化範囲において負荷電流IFLの波高率の低減が可能となる。
【0097】
(実施形態15)
図22に実施形態15の概略回路図、図23に動作波形図、図24に他の回路図の一例を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、V/I変換器30、V/I変換器31は、それぞれNPNトランジスタTr1と抵抗素子R3、NPNトランジスタTr2と抵抗素子R4によって構成されるエミッタフォロア回路であり、エミッタを直流電源Vccに接続したPNPトランジスタ2個で構成されるカレントミラー回路CM1を備え、前記NPNトランジスタTr1のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の入力が接続され、前記NPNトランジスタTr2のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の出力が接続され、前記NPNトランジスタTr1のエミッタと直流電源V6の間に抵抗素子R5が接続され、直流電源Vccと基準電位間の間に抵抗素子R6、R7の直列回路が接続され、前記NPNトランジスタTr2のコレクタと前記カレントミラー回路CM1の出力の接続点と、前記抵抗素子R6、R7の接続点が接続され、前記抵抗素子R6、R7の接続点の電圧が比較器34に入力される構成となっていることを特徴とするものである。
【0098】
次に、実施形態4との相違点を中心に、図23を用いて本実施形態の動作を説明する。また、ここでは簡単のためトランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEを無視して説明する。まず電源位相検出手段20によって、図23(a)に示すような電圧波形V1をトランジスタTr1、Tr2のベースに入力する。これにより、トランジスタTr1のエミッタ電圧はほぼ電圧V1となり、抵抗R3によって、図23(b)に示すように、電流I1(=V1/R3)が得られ、カレントミラー回路CM1に入力される。ここで、図22はカレントミラー回路CM1のミラー比は1:1の例を示している。一方、電圧V1が抵抗R4,R5によって直流電圧V6を分圧して得られる電圧が下記数式(数1)よりも低いとき、トランジスタTr2はオフ状態のため、電流I2は流れず、図23(c)に示すように、下記数式(数2)で電流I2が流れ始める。このときの電流I2は、下記数式(数3)で表される。
【0099】
【数1】
【0100】
【数2】
【0101】
【数3】
【0102】
これより、カレントミラー回路CM1の出力電流I1から電流I2を差し引いたものが電流I3となり、図23(d)に示すように、実施形態4の図7(d)と同様の電流I3が得られる。この電流I3を、直流電源Vccを分圧する抵抗R6、R7の接続点に入力すると、電圧V3は下記数式(数4)のように表される。
【0103】
【数4】
【0104】
これより、電流I3に応じて電圧V3が変化することとなり、図23(e)に示すように、実施形態4の図7(e)と同様の電圧V3が得られるものである。このことから、本実施形態の電源装置は、実施形態4と同様の効果を奏することがわかるものである。
【0105】
また、電圧V1の振幅、直流電圧V6、抵抗R4、R5の分圧比の少なくとも1つを変化させることで、デューティが極大値となる位相を変化させることが可能であり、抵抗素子R3、R4、カレントミラー回路のミラー比の少なくとも1つを変化させることにより、デューティの変化幅を変化させることが可能となる。
【0106】
さらに、図22に示す回路構成の動作において、トランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEを無視して説明したが、実際にはVBEを含めて考える必要があり、VBEの温度特性により周囲温度変化でVBEが変化し、脈流電圧位相に対するデューティの変化が温度によって変化してしまう。そこで、図24に示すように、電圧V1を一旦PNPトランジスタTr3で構成されるエミッタフォロア回路に入力し、トランジスタTr3のエミッタ電圧をトランジスタTr1、Tr2のベースに入力することにより、VBEを打ち消し、VBEによる温度特性の影響を抑制するといった回路構成としても良い。
【0107】
(実施形態16)
図25に実施形態16の概略回路図、図26に動作波形図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、電源電圧の大きさに応じた直流電圧を出力する電源電圧検出手段21を備え、直流電圧V10は前記電源電圧検出手段の出力電圧であることを特徴とするものである。
【0108】
実施形態4との相違点について、図26を用いて説明する。図26の実線は電源電圧が大きい場合、破線は電源電圧が小さい場合の波形を示す。実施例4と同様に、電圧V1から直流電圧V10を差し引き、ダイオードを介してV/I変換器31に入力することによってV/I変換器31に図26(b)に示すような電圧V2が入力されるが、ここで、直流電圧V10が電源電圧と比例して変化した場合、図26(a)に示すように、電圧V1と電圧V10の大小関係が反転する位相は、電源電圧が変化しても変わらない。すなわち、直流電圧V10を電源電圧と比例して動作させることにより、電源電圧が変動してもデューティが極大値となる位相を変化させないように設定することが可能となる。本実施形態では、その一例として、図25に示すように、全波整流後の電源電圧を分圧した後、コンデンサなどで平滑して電源電圧に比例した略直流電圧V10を出力する構成を示している。
【0109】
(実施形態17)
図27に実施形態17の動作波形図を示す。本実施形態は、上述の実施形態において、脈流電圧の位相に応じたデューティもしくは周波数の変化が不連続となる位相の前後で、デューティもしくは周波数を一定の値とする期間を設けたことを特徴とするものである。
【0110】
図27に示すように、不連続となる位相とは、脈流電圧のゼロクロス点にあたる位相、もしくは、デューティが極大値となる位相を表している。これは、脈流電圧の変化に比べて極短時間でデューティの増減が反転する場合、制御回路の動作安定性や、またその結果として現れる主回路動作の安定性に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態では、上述の位相において、ある期間デューティを一定にして動作させることで、回路動作の誤動作などを防止する。
【0111】
また、実施形態12において、記憶手段16に記憶されるデータ数を(N−1)個とし、電源位相検出手段20により、例えば交流電源ACのゼロクロス点を検出し、電源位相検出手段20からの検出信号が入ると略同時に、記憶手段16に記憶されるデータからデューティの演算を行ない、デューティを(脈流電圧一周期)/N毎に更新するような構成としたとき、電源位相検出手段20より検出される位相に、実際の回路では、検出される毎に若干のずれが生じることが予想される。脈流電圧一周期のデューティ演算が終了した時点のデューティの値と、次の一周期の演算を開始した最初のデューティの値に、大きく差が生じる可能性がある。そこで、本実施形態のように、このような位相の前後において、ある期間デューティを一定にすることにより、脈流電圧一周期のデューティ演算の境目において、デューティに差を生じることを防止することも可能である。
【0112】
また、本実施形態とは別に、デューティの動作範囲を決定するデューティの最大値、最小値を設けてもよい。これは、例えば、実施形態4などにおいて、電源電圧の瞬時降下、瞬時停電や、過電圧が入力されたときに、設定されるデューティが不安全動作に入るような値となることを防止するためのものである。本実施形態では、デューティにて説明したが、周波数でも同様である。
【0113】
(実施形態18)
図28に実施形態18の概略回路図、図29に動作波形図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態4において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、電圧検出手段22の出力電圧を電流に変換するV/I変換器50と、V/I変換器30の出力電流からV/I変換器31の出力電流及び前記V/I変換器50の出力電流を減算した電流を電圧に変換するI/V変換器32を備えたことを特徴とするものである。
【0114】
実施形態4との相違点について、図29を用いて説明する。従来例において、平滑コンデンサC10は有限の容量であるため、図29(b)に示すように、平滑コンデンサC10の電圧Vdcは商用周波数の2倍の周波数のリップル電圧を持ち、これにより電圧VT11にもリップル電圧の影響が現れることを述べた。そこで本実施形態では、電圧検出手段22により平滑コンデンサの電圧を検出し、この電圧をV/I変換器50によって電流に変換することで、図29(c)に示すように、電流I4を得る。この電流I4を、実施形態4における電流I3から差し引くことにより、図29(d)に示すような電流I3’を得る。ここでI3’=I3−I4=I1−I2−I4で表される。電流I3’をI/V変換器32に入力して電圧に変換した後、直流電圧V10’と加算して、図29(d)に示すような電圧V3を得る。このように、脈流電圧の谷部と山部の間の位相において、平滑コンデンサの電圧の平均値以下の期間にデューティをより増加させることで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を増加させ、平滑コンデンサの電圧の平均値以上の期間のデューティの増加を抑えることで、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11の高周波一周期あたりの実効値を増加を抑える。この結果、トランスT11の1次巻線n11の電圧VT11をより略一定の高周波電圧とすることで、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率をさらに低減することが可能となる。
【0115】
また、周囲温度などによる負荷インピーダンスの変動によって、負荷の消費電流、電力が変化した場合、それに応じて平滑コンデンサの電圧も変化する。本実施形態では、平滑コンデンサ電圧に応じたデューティ制御を含むので、このような負荷インピーダンスの変動に対して負荷の消費電流の変動を抑えることに対応可能である。
【0116】
(実施形態19)
図30に実施形態19の概略回路図を示す。本実施形態の電源装置の構成は、実施形態15において、実施形態18の回路構成を組合せたものであり、V/I変換器50は、NPNトランジスタTr4と抵抗素子R9によって構成されるエミッタフォロア回路であり、前記NPNトランジスタTr4のコレクタが抵抗素子R6、R7の接続点に接続された構成となるものである。
【0117】
本実施形態の動作を図30を用いて説明する。平滑コンデンサの電圧を抵抗素子R21、R22で分圧した電圧V7を、トランジスタTr4のベースに入力する。トランジスタTr4のエミッタ電圧はほぼ電圧V7となり、抵抗R9によって電流I4(=V7/R9)に変換される。この電流I4を、実施例15における電流I3から差し引くことで、実施形態18と同様の電流I3’が得られる。その他の動作は上述の実施形態と同様であり、同様の効果を奏する。
【0118】
(実施形態20)
図31に実施形態20の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態14において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、電圧検出手段22の出力電圧をデジタル出力に変換するA/D変換器41と、A/D変換器40及び前記A/D変換器41のデジタル出力を用いてデューティを演算するデューティ演算手段15aを備えたことを特徴とするものである。
【0119】
本実施形態は、実施形態14に加えて、平滑コンデンサ電圧検出手段22の出力電圧のリップル成分によって変化させるデューティ成分Δd2を演算し、これによって、基準デューティd0、デューティ成分Δd1、Δd2を全て加算して、動作デューティを設定する。デューティ成分Δd2と電圧検出手段22の出力電圧V7との関係は、図32に示すように、平滑コンデンサの電圧が上昇したときにデューティが小さくなる方向に、平滑コンデンサの電圧が低下したときにデューティが大きくなる方向に変化するように設定される。デューティ成分Δd2の演算は、記憶手段16に、それぞれの出力設定信号に対して、図32に示すようなV7とΔd2の関係を決定する設定値を予め記憶しておき、それぞれ出力設定信号に対応する設定値を記憶手段16から読み取って行なう。その他の基本的な動作は、実施形態14と同様である。また、平滑コンデンサのリップル成分を含めたデューティ制御も可能であり、実施形態18と同様の効果を奏する。
【0120】
(実施形態21)
図33に実施形態21の動作説明図を示す。本実施形態の回路構成は、実施形態20と同様であり、実施形態20において、A/D変換器40のデータ読み込み時間の間隔に比べ、A/D変換器41のデータ読み込み時間の間隔が非常に長いことを特徴とするものである。
【0121】
実施形態20において、デューティを決定するためには、基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2を各々演算した後、これらを加算して行なう。ここで、デューティ成分Δd1は、脈流電圧の位相に応じて変化するものであり、脈流一周期に比べて非常に短いことが望まれる。Δd1の更新周期をTa、脈流電圧の周期をT、スイッチング素子の駆動パルスの周期をThfとすると、Thf≦Ta<<Tで設定する。ここで、マイクロコンピュータなどを用いて基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2の演算を行なう場合、A/D変換器40、A/D変換器41によるデータの読み込み、かつすべての演算を、周期Ta内に終了させてデューティを更新するためには、高速で動作する、高価なマイクロコンピュータが必要となる。そこで本実施形態は、脈流電圧と同等以上の長い時間で変化する平滑コンデンサの電圧に応じて変化するデューティ成分Δd2の更新周期を、デューティ成分Δd1の更新周期よりも非常に長くし、デューティ成分Δd2は更新されるまで前回の値を保持して、基準デューティ、デューティ成分Δd1、Δd2の加算を行なうことで、デューティ成分Δd2の演算回数を減らすものである。デューティ成分Δd2の更新周期をTbとすると、Ta<<Tbと表される。これにより、本実施形態では、比較的安価なマイクロコンピュータの使用が可能となるものである。
【0122】
(実施形態22)
図34に実施形態22の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、前記電圧検出手段22の出力を周波数設定手段12bに入力して、平滑コンデンサの電圧に応じてスイッチング素子の駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0123】
また、他の実施形態として、実施形態2において、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段22を備え、前記電圧検出手段22の出力をデューティ設定手段12aに入力して、平滑コンデンサの電圧に応じてスイッチング素子のデューティを変化させるよう設定したものも上げられる。
【0124】
(実施形態23)
図35に実施形態23の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷出力電圧を検出する電圧検出手段23を備え、前記電圧検出手段23の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、負荷出力電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0125】
本実施形態は、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから負荷出力電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電圧の変動を抑えることで負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0126】
(実施形態24)
図36に実施形態24の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷電流を検出する電流検出手段24を備え、前記電流検出手段24の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、負荷電流に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0127】
本実施形態は、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから負荷電流の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0128】
(実施形態25)
図37に実施形態25の概略回路図を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、負荷回路11と直列に直流カット用コンデンサC30が挿入され、前記直流カット用コンデンサC30の電圧を検出する電圧検出手段25を備え、前記電圧検出手段25の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記直流カット用コンデンサに応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0129】
本実施形態の直流カット用コンデンサの電圧の直流成分は、負荷が整流要素を持つような異常状態にならない限り、略0Vに近い値である。しかしながら、高周波的な振動電圧を含み、この振動電圧は共振回路電流によって決まる。すなわち、この直流カット用コンデンサの電圧の包絡線は共振電流の包絡線と同様のものになる。ゆえに、本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこから直流カット用コンデンサの変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正することで、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果がある。
【0130】
この直流カット用コンデンサの容量を大きくすることによって、振動電圧を低くすることができるので、電圧検出手段25は比較的低耐圧の部品によって回路を構成することが可能となる。
【0131】
また、負荷が整流要素を持つような異常状態になると、直流カット用コンデンサC30の電圧の直流成分が変化するので、このような異常状態を検出する手段と、電圧検出手段25とを兼用するようにしても良い。
【0132】
本実施形態の回路構成において、負荷回路11に直列に直流カット用コンデンサC30が挿入されたものとなっているが、上述の実施形態の回路構成も同様に、この直流カット用コンデンサが含まれる構成となっても良いことはいうまでもないものである。
【0133】
(実施形態26)
図38に実施形態26の概略回路図、図39に他の構成の一例を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分けて構成され、前記インダクタL1の両端電圧を検出する電圧検出手段26を備え、前記電圧検出手段26の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記インダクタL1の両端電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0134】
本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこからインダクタL1の両端電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0135】
また、図39に示すように、インダクタL1に2次巻線を設け、この2次巻線電圧を電圧検出手段26で検出するような構成を用いても良い。
【0136】
本実施形態の回路構成において、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分けて構成されたものとなっているが、上述の実施形態の回路構成も同様に、このような構成となっても良いことはいうまでもないものである。
【0137】
(実施形態27)
図40に実施形態27の概略回路図、図41に他の構成の一例を示す。本実施形態は、実施形態1もしくは実施形態2において、トランスT11の1次巻線n11の両端電圧を検出する電圧検出手段27を備え、前記電圧検出手段27の出力をデューティもしくは周波数設定手段に入力して、前記トランスT11の1次巻線n11の両端電圧に応じてスイッチング素子のデューティもしくは駆動周波数を変化させるよう設定したことを特徴とするものである。
【0138】
本実施形態も同様に、上述の実施形態の予め設定されるデューティ、周波数を基準として、そこからトランスT11の1次巻線n11の両端電圧の変動分をフィードバックして、デューティ、周波数を補正するものであり、上述の実施形態の効果に加え、負荷電流の変動を抑制する効果もある。
【0139】
また、図41に示すように、リーケージトランスT11を、リーケージインダクタンス成分にあたるインダクタL1と、1次巻線n21と2次巻線n22を有するトランスT21に分け、トランスT21に3次巻線n23を設け、この3次巻線電圧を電圧検出手段27で検出するような構成を用いても良いものである。
【0140】
以上のように本発明の電源装置における実施形態について説明したが、上述の実施形態の概略回路図には、交流電源ACと全波整流器DBの間に挿入されるフィルタ回路が省略されて描かれている。実際は、図42に示すように、交流電源ACと全波整流器DBの間にフィルタ回路を挿入し、入力電流の高周波成分をフィルタリングして、略正弦波状の入力電流とし、高調波成分を抑制するものである。
【0141】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る電源装置によると、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加を防止することができるものである。
【0142】
本発明の請求項2に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0143】
本発明の請求項3に係る電源装置によると、請求項1または請求項2記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0144】
本発明の請求項4に係る電源装置によると、請求項1ないし請求項3いずれか記載の場合に加えて、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加をより一層確実に防止することができるものである。
【0145】
本発明の請求項5に係る電源装置によると、請求項4記載の場合に加えて、入力電流高調波を抑制しつつ、かつ安価で、負荷出力電流の波高率を更に低減でき、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行なうことにより、スイッチング素子のストレスもしくはノイズの増加をより一層確実に防止することができるものである。
【0146】
本発明の請求項6に係る電源装置によると、請求項3ないし請求項5いずれか記載の場合に加えて、電源電圧が変動した場合においても、上述した効果が得られるものである。
【0147】
本発明の請求項7に係る電源装置によると、請求項1ないし請求項3いずれか記載の場合に加えて、負荷出力電流の変化範囲すべての領域で上述した効果が得られるものである。
【0148】
本発明の請求項8に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【0149】
本発明の請求項9に係る電源装置によると、請求項5または請求項8記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【0150】
本発明の請求項10に係る電源装置によると、請求項7または請求項8記載の場合に加えて、比較的安価なマイクロコンピュータを用いて実施することができるものである。
【0151】
本発明の請求項11に係る電源装置によると、請求項1記載の場合に加えて、さらに負荷出力電流の波高率を低減でき、かつ負荷インピーダンスの変動によっても負荷電流などの変動を抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源装置に係る実施形態1の概略回路図である。
【図2】本発明の電源装置に係る実施形態1の動作波形図である。
【図3】本発明の電源装置に係る実施形態2の概略回路図である。
【図4】本発明の電源装置に係る実施形態2の動作波形図である。
【図5】本発明の電源装置に係る実施形態3の概略回路図である。
【図6】本発明の電源装置に係る実施形態4の概略回路図である。
【図7】本発明の電源装置に係る実施形態4の動作波形図である。
【図8】本発明の電源装置に係る実施形態4の動作説明図である。
【図9】本発明の電源装置に係る実施形態5の概略回路図である。
【図10】本発明の電源装置に係る実施形態6の概略回路図である。
【図11】本発明の電源装置に係る実施形態6の動作説明図である。
【図12】本発明の電源装置に係る実施形態6の動作説明図である。
【図13】本発明の電源装置に係る実施形態7の概略回路図である。
【図14】本発明の電源装置に係る実施形態8の動作波形図である。
【図15】本発明の電源装置に係る実施形態9の動作波形図である。
【図16】本発明の電源装置に係る実施形態10の動作波形図である。
【図17】本発明の電源装置に係る実施形態11の動作波形図である。
【図18】本発明の電源装置に係る実施形態12の概略回路図である。
【図19】本発明の電源装置に係る実施形態12の動作波形図である。
【図20】本発明の電源装置に係る実施形態13の概略回路図である。
【図21】本発明の電源装置に係る実施形態14の概略回路図である。
【図22】本発明の電源装置に係る実施形態15の概略回路図である。
【図23】本発明の電源装置に係る実施形態15の動作波形図である。
【図24】本発明の電源装置に係る実施形態15の他の回路構成図である。
【図25】本発明の電源装置に係る実施形態16の概略回路図である。
【図26】本発明の電源装置に係る実施形態16の動作波形図である。
【図27】本発明の電源装置に係る実施形態17の動作波形図である。
【図28】本発明の電源装置に係る実施形態18の概略回路図である。
【図29】本発明の電源装置に係る実施形態18の動作波形図である。
【図30】本発明の電源装置に係る実施形態19の概略回路図である。
【図31】本発明の電源装置に係る実施形態20の概略回路図である。
【図32】本発明の電源装置に係る実施形態20の動作説明図である。
【図33】本発明の電源装置に係る実施形態21の動作説明図である。
【図34】本発明の電源装置に係る実施形態22の概略回路図である。
【図35】本発明の電源装置に係る実施形態23の概略回路図である。
【図36】本発明の電源装置に係る実施形態24の概略回路図である。
【図37】本発明の電源装置に係る実施形態25の概略回路図である。
【図38】本発明の電源装置に係る実施形態26の概略回路図である。
【図39】本発明の電源装置に係る実施形態26の他の回路構成図である。
【図40】本発明の電源装置に係る実施形態27の概略回路図である。
【図41】本発明の電源装置に係る実施形態27の他の回路構成図である。
【図42】本発明の電源装置に係る各実施形態の中で補足の回路構成図である。
【図43】従来例1の電源装置に係る概略回路図である。
【図44】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図45】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図46】従来例1の電源装置に係る動作説明図である。
【図47】従来例2の電源装置に係る概略回路図である。
【図48】従来例2の電源装置に係る動作波形図である。
【図49】従来例3の電源装置に係る概略回路図である。
【図50】従来例3の電源装置に係る動作説明図である。
【図51】従来例3の電源装置に係る動作説明図である。
【符号の説明】
20 電源位相検出手段
AC 交流電源
Q1 スイッチング素子
Q2 スイッチング素子
Claims (11)
- 交流電源の交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される少なくとも一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記整流器の一方の出力端子と第1ダイオードとの接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第1コンデンサと、前記第2ダイオードの他端と前記一対のスイッチング素子との接続点と、前記平滑コンデンサのどちらか一方の端子と、に接続される第2コンデンサと、前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段とを備える電源装置において、
前記交流電源の位相を検出し、その出力が前記制御手段に入力される電源位相検出手段を備え、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が、前記交流電源の電圧のゼロクロス点とピーク点の間の位相において、スイッチング周波数の場合は極小値をオンデューティ比の場合は極大値を持つように設定されて制御されるものであることを特徴とする電源装置。 - 前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の極値となる位相が、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されて制御されるものであることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 前記電源位相検出手段は、前記交流電源の電圧を全波整流した脈流電圧を分圧して出力するものであり、第1の直流電源を備え、前記電源位相検出手段の出力電圧が、前記第1の直流電源の電圧と略等しくなる脈流電圧の位相において、前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の増減が反転するよう制御され、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値に応じて前記電源位相検出手段の分圧比を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電源装置。
- 前記制御手段は、三角波発生器を備え、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1の電圧/電流変換器を備え、前記第1の直流電源と、前記電源位相検出手段の出力から前記第1の直流電源の電圧を減算する第1の減算器と、前記減算器の出力に整流素子を介して入力される第2の電圧/電流変換器を備え、前記第1の電圧/電流変換器の出力と前記第2の電圧/電流変換器の出力を減算する第2の減算器と、前記第2の減算器の出力が入力される電流/電圧変換器を備え、第2の直流電源と、前記電流/電圧変換器の出力と前記第2の直流電源の電圧を加算する第1の加算器を備え、前記第1の加算器の出力と前記三角波発生器の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の電源装置。
- 前記第1の電圧/電流変換器及び第2の電圧/電流変換器は、第1のトランジスタとそのエミッタに接続される第1の抵抗素子及び第2のトランジスタとそのエミッタに接続される第2の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第1の直流電源は、ある任意の直流電源と前記第2のトランジスタのエミッタに接続される第3の抵抗素子と前記第2の抵抗素子で構成され、前記第1の減算器と前記整流素子は、前記第2のトランジスタと前記第2、第3の抵抗素子で構成され、前記第2の減算器は、カレントミラー回路を備え、前記第1もしくは第2のトランジスタの一方のコレクタが前記カレントミラー回路の入力側コレクタに、他方のコレクタが前記カレントミラー回路の出力側コレクタに接続されて構成され、前記電流/電圧変換器、第2の直流電源及び第1の加算器は、ある任意の直流電源を分圧する第4、第5の抵抗素子の直列回路を備え、前記カレントミラー回路の出力側コレクタと前記第4、第5の抵抗素子の接続点とを接続して構成されることを特徴とする請求項4記載の電源装置。
- 前記第1の直流電源は、前記交流電源の電圧の実効値に応じた直流電圧を出力する第1の電圧検出手段であることを特徴とする請求項3ないし請求項5いずれか記載の電源装置。
- 前記制御手段は、前記電源位相検出手段の出力が入力される第1のA/D変換器を備え、前記負荷回路に含まれる負荷の出力値毎に設定されるスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方の設定値を記憶する記憶手段を備え、前記第1のA/D変換器の出力と前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記演算手段の結果を受けて信号を出力する発振器と、前記発振器の出力が入力されて前記一対のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の電源装置。
- 前記平滑コンデンサの電圧を検出し、その出力が前記制御手段に入力される第2の電圧検出手段を備え、前記第2の電圧検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第3の電圧/電流変換器を備え、前記第3の電圧/電流変換器は第3のトランジスタとそのエミッタに接続される第6の抵抗素子で構成されるエミッタフォロア回路であり、前記第3のトランジスタのコレクタが前記第2のトランジスタのコレクタに接続されることを特徴とする請求項5または請求項8記載の電源装置。
- 前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段の出力が入力される第2のA/D変換器を備え、前記第1のA/D変換器の出力と、前記第2のA/D変換器の出力と、前記記憶手段の設定値によりスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を演算する演算手段を備え、前記第2のA/D変換器のデータ読み取り周期が、前記第1のA/D変換器のデータ読み取り周期に比べて非常に長いものであることを特徴とする請求項7または請求項8記載の電源装置。
- 前記負荷回路に含まれる負荷の両端電圧及び負荷電流、及び負荷回路に含まれて構成される共振回路のインダクタの両端電圧、及び負荷回路に含まれて構成される前記トランスの2次側回路の直流カット用コンデンサの両端電圧、及び前記トランスの1次巻線印加電圧及び2次巻線印加電圧のうち、少なくとも1つを検出し、その出力が前記制御手段に入力される検出手段を備え、前記検出手段の出力に応じて前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方が制御されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
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Legal Events
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050906 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070723 |