JP2004120637A - 監視用カメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術には、以下の欠点がある。監視用カメラ装置のパン軸、チルト軸を回転動作させ別方向の監視映像を撮像する必要がない場合には、所定の方向で常時停止していることになるため、例えば降雪等によって、雪がパン、チルトの可動部に積もって周囲温度が低下した場合、前記パン軸、チルト軸の凍結や凝固が発生し回転障害となる場合がある。
【解決手段】本発明は、上記の課題を解決するため、第１に監視用カメラ装置のパン、チルトの可動部が凍結しないように前記パン、チルトの回転動作を所定の定期的に又は一時的に行わせるようにするものである。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明は、上記の課題を解決するため、第１に監視用カメラ装置のパン、チルトの可動部が凍結しないように前記パン、チルトの回転動作を所定の定期的に又は一時的に行わせるようにするものである。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転機構を備える監視用カメラ装置において、前記回転機構の回転障害対策を施した監視用カメラ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術を図５、図６により説明する。
図５、図６とも主に屋外に設置することを目的とした回転機構を備えた監視用カメラ装置である。図５は従来の寒冷地に設置される監視用カメラ装置で発生する凍結障害をイメージ図に表現したもので、１はカメラ及びレンズを内蔵したカメラケース、２は左右に回転するパンの回転部、３はパンの回転部２を固定するための固定部、２３、２４は降雪時に付着した雪が凍結した部分を示したものである。図６は従来の照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部をブロック図に表現したもので、４は上下方向に回転させるためのチルト用モータ、５はパン用モータ、６はパン用ウォームギヤ、７はチルト用ベルト、８はチルト用シャフト、９はパン用スリップリング、１０は照明灯ケース、１１、１２はコントロール回路ボード、１４はカメラケース１内のカメラレンズ用窓の平板ガラス、１３はカメラレンズ用窓の平板ガラス１４に付着した水滴等を取り除くためのワイパー、１５はパン軸受け、１６はパン用スリップリング９の固定金具、２０は監視用カメラ装置を左右上下に動かすための操作器、２１は監視用カメラ装置で撮像した映像を表示するためのモニタ、２２は監視映像を記録するための映像記録装置で例えばタイムラプスＶＴＲである。
【０００３】
カメラ及びレンズを内蔵したカメラケース１には、レンズの前に防雨、防塵用として平板ガラス１４が取付られていて、更に該平板ガラス１４に付着した水滴等を取り除くためのワイパー１３が取り付けられている。前記カメラケース１はそのものが上下に回転するチルトの回転部であり、パンの回転部２の外側に取付けられている。前記、左右に回転するパンの回転部２には、該回転部２を左右に回転させるためのパン用モータ５、該パン用モータ５に連結されたパン用ウォームギヤ６、パン用スリップリング９、上下方向に回転させるためのチルト用モータ４、チルト用ベルト７、チルト用シャフト８が内蔵されている。照明灯ケース１０は監視対象場所に照明が必要な場合に取り付けられるようになっており、前記カメラケース１のチルト動作に連動して上下に回転できるようにチルト用シャフト８で連結されている。パン用スリップリング９は固定金具１６で固定部３に固定されており、パンの回転部２とはパン軸受け１５によって軸を固定している。
【０００４】
以下動作について説明する。パン軸を回転させる場合、操作器２０によってパン軸回転操作を行うと、コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりパン用モータ５が動作しパン用ウォームギヤ６に駆動力が伝わりパン軸が回転する。チルト軸を回転させる場合、操作器２０によってチルト軸回転操作を行うと、コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりチルト用モータ４が動作し、該チルト用モータ７からチルト用ベルト７に駆動力が伝わり、更にチルト用シャフト８に駆動力が伝わることによってチルト軸が回転する。これによって必要な方向の監視映像をモニタ２１に表示することができる。また監視映像を記録する場合には、例えばタイムラプスＶＴＲ２２に録画する。記録間隔は必要とする記録間隔、あるいは記録媒体の容量と記録期間によって所定の記録間隔が決まる。
【０００５】
監視用カメラ装置の回転、即ちパン軸、チルト軸は、所定の方向の監視映像が必要になった場合のみ回転動作させ、必要以外の場合は所定の方向で常時停止している。図５の実線で示す向きで監視用カメラ装置が停止している間に例えば降雪等によって雪が凍結部分２３、２４に示すような位置に付着し、凍結するとパン軸、チルト軸が凍結によって結合してしまう場合がある。その状態で回転動作させようとしても動かないことになり回転障害となってしまう。
【０００６】
また、従来の類似技術では、回転部材と固定部材との間で回転接点を介して電気信号を伝達するスリップリング装置において、自律的定期的に前記回転接点を順方向あるいは逆方向に３６０度回転させて前記回転接点上にある不純物を除去するクリーニング動作を行うようにしている（特許文献１参照。）。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００１−２５２１３号公報（第３−５頁、図１）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術には、以下の欠点がある。監視用カメラ装置のパン軸、チルト軸を回転動作させ別方向の監視映像を撮像する必要がない場合には、所定の方向で常時停止していることになるため、例えば降雪等によって、雪がパン、チルトの可動部に積もって周囲温度が低下した場合、前記パン軸、チルト軸の凍結や凝固が発生し回転障害となる場合がある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、
第１に監視用カメラ装置のパン、チルトの可動部が凍結しないように前記パン、チルトの回転動作を所定の定期的に又は一時的行わせるようにするものである。第２に外部が例えば氷点下になったこと等を検出するための温度センサを設け、該センサで氷点下になったことを検出して所定の定期的に又は一時的に回転動作を開始するようにする。
第３に凍結に至る温度特性や温度履歴を保存しておき、該保存情報を元に凍結時期を予測し回転動作を開始するようにする。例えば、極低温では雪が監視用カメラ装置に付着し難いことから極低温が所定期間続いている場合には凍結防止用の回転動作を停止するようにする。
第４に監視映像が必要でない期間に回転させるようにする。例えば、タイムラプスＶＴＲに１秒間隔で記録する場合、映像を記録しない期間に回転動作させるようにする。
【００１０】
第５に揺れ補正の範囲内で所定の定期的あるいは連続的に回転させるようにする。例えば、撮像装置のメモリを利用したゆれ補正機能あるいは光学系で揺れを補正するスタビライザーにおけるゆれ補正範囲内で回転動作させるようにする。
第６に凍結防止用の回転動作であることをモニタに表示するようにし、前記回転動作が異常動作でないことを監視者に通知するようにする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図１、図２、図３、図４を使って説明する。図１は例えば寒冷地に設置される監視用カメラ装置のイメージ図、図２は照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図、図３は監視用カメラ装置の周囲温度と凍結防止のための回転動作の設定関係を示した図、図４は監視カメラ装置が揺れ補正機能を有している場合で、揺れ補正範囲内で監視用カメラ装置を回転動作させた場合のイメージ図である。
【００１２】
各図において、従来の技術で説明した符号の説明は省略する。図１の３０はパン軸回転、３１はチルト軸回転で、図２の３２は凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例で、図３の３３は監視用カメラ装置の周囲温度変化の時間経過で、図４の３４は被写体の揺れイメージ、３５は被写体の表示である。
【００１３】
以下、動作について説明する。パン軸を回転させる場合、操作器２０によってパン軸回転指示操作を行うと、該操作器２０からコントロール回路ボード１１、１２に制御信号が伝達され、該コントロール回路ボード１１、１２からの制御でパン用モータ５が回転動作し、該パン用モータ５に連結されているパン用ウォームギヤ６に回転駆動力が伝わりパンの回転部２が水平の左右方向に回転する。チルト軸を回転させる場合、操作器２０によってチルト軸回転指示操作を行うと、前記同様コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりチルト用モータ４が回転動作し、該チルト用モータ４に連結されているチルト用ベルト７の一方に回転駆動力が伝わり、前記チルト用ベルト７のもう一方によりチルト用シャフト８に回転駆動力が伝わることによって、前記チルト用シャフト８に連結されているカメラケース１及び照明灯ケース１０が上下方向に回転する。以上の動作により必要な所定方向の映像を監視カメラ装置で撮像し、モニタ２１に表示することができる。また、監視映像を記録する場合にはタイムラプスＶＴＲ２２に録画する。記録間隔は必要とする記録間隔、あるいは記録媒体の容量と記録期間によって決まる。
【００１４】
監視用カメラ装置の回転はパン軸、チルト軸で、現在の撮像方向と違う所定方向の映像が必要となった場合のみ回転動作させ、必要以外の場合は所定方向に常時停止させておくものである。したがって、そのまま停止状態を維持すると例えば降雪等と気温低下によってパン軸、チルト軸の可動部が凍結によって結合や凝固し回転動作ができなくなる場合があるが、図１のように所定の定期的に又は一時的にパン軸回転３０、チルト軸回転３１を動作させることによって、前記可動部が凍結による結合や凝固を防止することができる。
【００１５】
図３は本発明の一実施例で、監視用カメラ装置の周囲温度の時間経過３３と凍結防止用の回転動作の設定状況を示したものである。監視用カメラ装置に図示しない温度センサを設け周囲温度を検知し、該周囲温度が０℃以上である場合、凍結しないため凍結防止用の回転動作をさせる必要がないので回転動作なしの設定をコントロール回路ボード１１、１２で行い、同様に０℃以下となった場合、凍結防止用の回転動作をするように設定する。また、例えば−１５℃以下であれば雪が付着し難いため逆に凍結しにくくなるため、所定時間以上−１５℃以下が続いた場合には凍結防止用の回転動作をしないようにコントロール回路ボード１１、１２で設定する。また、回転動作中であれば回転動作を停止するように制御する。このようにして凍結防止用の回転動作を必要最小限とし監視映像の途切れを減らすようにする。
【００１６】
また、監視用カメラ装置のパン、チルト回転動作停止中に突然凍結防止用の回転動作が始まると、監視者が誤動作とまちがえる可能性があるため、図２の凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例３２のように監視映像画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることをモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は監視映像信号を該回転動作直前の監視映像信号にフリーズして、前記同様監視映像画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることを示すモニタ表示例３２をモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は監視映像信号出力を断とし、又は全画面１色の映像信号を出力し、無信号画面又は全面１色の画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることを示すモニタ表示例３２をモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は、該回転動作中を示す状態信号を制御信号に含めて出力し、操作器２０で該状態信号を検知し図示しない状態表示器を接続して状態表示することでもよい。
【００１７】
図２のタイムラプスＶＴＲ２２に記録する場合、通常、記録媒体の容量の関係から記録間隔を伸ばし、例えば１秒に１フレーム記録する。この場合、記録する必要がある場合のみ所定の映像があれば良いため、この１秒の間に凍結防止用の回転動作を行えば映像を記録する上で支障はない。
【００１８】
図４は監視用カメラ装置内のメモリを利用した揺れ補正機能、あるいは光学的に揺れを補正するスタビライザーを使用し、その揺れ補正範囲内で凍結防止用の回転動作を示したものである。前記揺れ補正範囲内で凍結防止用の回転動作をした場合、被写体の揺れイメージ３４のように被写体の映像がゆれて監視用カメラ装置に入射されるが、揺れ補正機能によって停止した映像が撮像されて監視用カメラ装置から出力されるため、モニタ２１には被写体の表示３５のように被写体が静止して表示される。したがって、表示映像に凍結防止用の回転動作の影響が現れることなく凍結防止対策ができることになる。
【００１９】
なお、本発明の実施の形態を凍結による回転障害対策で説明したが、粉塵や塩害などの影響を受ける可能性がある設置環境においても監視用カメラ装置が回転動作しない停止状態の時間が長い場合には前記粉塵等が回転軸に付着し、堆積し回転障害が発生する場合もあり、該障害対策としても有効であることは言うまでもない。
【００２０】
【発明の効果】
本発明によれば、パン、チルト回転機構を備えた監視用カメラ装置のパン軸、チルト軸の可動部が降雪や降雨後、周囲温度が低下しても凍結や凝固が起きないようにできるため、回転動作をさせて別の方向の映像が必要でない静止状態のときでも、凍結防止用回転動作をさせるので、降雪等によって凍結や凝固で回転障害とならないような信頼性の高い寒冷地でも使用できる監視用カメラ装置を提供することができる。なお、寒冷地設置用でない場合は本発明の機能を動作させなければよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例で寒冷地に設置される監視用カメラ装置のイメージ図
【図２】本発明の一実施例で照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図
【図３】本発明の一実施例で監視用カメラ装置の周囲温度の時間経過と凍結防止用の回転動作の設定状況を示した図
【図４】本発明の一実施例で監視カメラ装置が揺れ補正機能を有している場合で、揺れ補正範囲内で監視用カメラ装置を回転動作させた場合のイメージ図
【図５】従来例の寒冷地に設置される監視用カメラ装置で発生する凍結障害を示したイメージ図
【図６】従来例の照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図
【符号の説明】
１：カメラケース、２：パンの回転部、３：固定部、４：チルト用モータ、５：パン用モータ、６：パン用ウォームギヤ、７：チルト用ベルト、８：チルト用シャフト、９：パン用スリップリング、１０：照明灯ケース、１１：コントロール回路ボード、１２：コントロール回路ボード、１３：ワイパー、１４：平板ガラス、１５：パン軸受け、１６：固定金具、２０：操作器、２１：モニタ、２２：タイムラプスＶＴＲ、２３：凍結部分、２４：凍結部分、３０：パン軸回転、３１：チルト軸回転、３２：凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例、３３：監視用カメラ装置の周囲温度変化の時間経過、３４：被写体の揺れイメージ、３５：被写体の表示
【発明の属する技術分野】
本発明は回転機構を備える監視用カメラ装置において、前記回転機構の回転障害対策を施した監視用カメラ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術を図５、図６により説明する。
図５、図６とも主に屋外に設置することを目的とした回転機構を備えた監視用カメラ装置である。図５は従来の寒冷地に設置される監視用カメラ装置で発生する凍結障害をイメージ図に表現したもので、１はカメラ及びレンズを内蔵したカメラケース、２は左右に回転するパンの回転部、３はパンの回転部２を固定するための固定部、２３、２４は降雪時に付着した雪が凍結した部分を示したものである。図６は従来の照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部をブロック図に表現したもので、４は上下方向に回転させるためのチルト用モータ、５はパン用モータ、６はパン用ウォームギヤ、７はチルト用ベルト、８はチルト用シャフト、９はパン用スリップリング、１０は照明灯ケース、１１、１２はコントロール回路ボード、１４はカメラケース１内のカメラレンズ用窓の平板ガラス、１３はカメラレンズ用窓の平板ガラス１４に付着した水滴等を取り除くためのワイパー、１５はパン軸受け、１６はパン用スリップリング９の固定金具、２０は監視用カメラ装置を左右上下に動かすための操作器、２１は監視用カメラ装置で撮像した映像を表示するためのモニタ、２２は監視映像を記録するための映像記録装置で例えばタイムラプスＶＴＲである。
【０００３】
カメラ及びレンズを内蔵したカメラケース１には、レンズの前に防雨、防塵用として平板ガラス１４が取付られていて、更に該平板ガラス１４に付着した水滴等を取り除くためのワイパー１３が取り付けられている。前記カメラケース１はそのものが上下に回転するチルトの回転部であり、パンの回転部２の外側に取付けられている。前記、左右に回転するパンの回転部２には、該回転部２を左右に回転させるためのパン用モータ５、該パン用モータ５に連結されたパン用ウォームギヤ６、パン用スリップリング９、上下方向に回転させるためのチルト用モータ４、チルト用ベルト７、チルト用シャフト８が内蔵されている。照明灯ケース１０は監視対象場所に照明が必要な場合に取り付けられるようになっており、前記カメラケース１のチルト動作に連動して上下に回転できるようにチルト用シャフト８で連結されている。パン用スリップリング９は固定金具１６で固定部３に固定されており、パンの回転部２とはパン軸受け１５によって軸を固定している。
【０００４】
以下動作について説明する。パン軸を回転させる場合、操作器２０によってパン軸回転操作を行うと、コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりパン用モータ５が動作しパン用ウォームギヤ６に駆動力が伝わりパン軸が回転する。チルト軸を回転させる場合、操作器２０によってチルト軸回転操作を行うと、コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりチルト用モータ４が動作し、該チルト用モータ７からチルト用ベルト７に駆動力が伝わり、更にチルト用シャフト８に駆動力が伝わることによってチルト軸が回転する。これによって必要な方向の監視映像をモニタ２１に表示することができる。また監視映像を記録する場合には、例えばタイムラプスＶＴＲ２２に録画する。記録間隔は必要とする記録間隔、あるいは記録媒体の容量と記録期間によって所定の記録間隔が決まる。
【０００５】
監視用カメラ装置の回転、即ちパン軸、チルト軸は、所定の方向の監視映像が必要になった場合のみ回転動作させ、必要以外の場合は所定の方向で常時停止している。図５の実線で示す向きで監視用カメラ装置が停止している間に例えば降雪等によって雪が凍結部分２３、２４に示すような位置に付着し、凍結するとパン軸、チルト軸が凍結によって結合してしまう場合がある。その状態で回転動作させようとしても動かないことになり回転障害となってしまう。
【０００６】
また、従来の類似技術では、回転部材と固定部材との間で回転接点を介して電気信号を伝達するスリップリング装置において、自律的定期的に前記回転接点を順方向あるいは逆方向に３６０度回転させて前記回転接点上にある不純物を除去するクリーニング動作を行うようにしている（特許文献１参照。）。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００１−２５２１３号公報（第３−５頁、図１）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術には、以下の欠点がある。監視用カメラ装置のパン軸、チルト軸を回転動作させ別方向の監視映像を撮像する必要がない場合には、所定の方向で常時停止していることになるため、例えば降雪等によって、雪がパン、チルトの可動部に積もって周囲温度が低下した場合、前記パン軸、チルト軸の凍結や凝固が発生し回転障害となる場合がある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、
第１に監視用カメラ装置のパン、チルトの可動部が凍結しないように前記パン、チルトの回転動作を所定の定期的に又は一時的行わせるようにするものである。第２に外部が例えば氷点下になったこと等を検出するための温度センサを設け、該センサで氷点下になったことを検出して所定の定期的に又は一時的に回転動作を開始するようにする。
第３に凍結に至る温度特性や温度履歴を保存しておき、該保存情報を元に凍結時期を予測し回転動作を開始するようにする。例えば、極低温では雪が監視用カメラ装置に付着し難いことから極低温が所定期間続いている場合には凍結防止用の回転動作を停止するようにする。
第４に監視映像が必要でない期間に回転させるようにする。例えば、タイムラプスＶＴＲに１秒間隔で記録する場合、映像を記録しない期間に回転動作させるようにする。
【００１０】
第５に揺れ補正の範囲内で所定の定期的あるいは連続的に回転させるようにする。例えば、撮像装置のメモリを利用したゆれ補正機能あるいは光学系で揺れを補正するスタビライザーにおけるゆれ補正範囲内で回転動作させるようにする。
第６に凍結防止用の回転動作であることをモニタに表示するようにし、前記回転動作が異常動作でないことを監視者に通知するようにする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図１、図２、図３、図４を使って説明する。図１は例えば寒冷地に設置される監視用カメラ装置のイメージ図、図２は照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図、図３は監視用カメラ装置の周囲温度と凍結防止のための回転動作の設定関係を示した図、図４は監視カメラ装置が揺れ補正機能を有している場合で、揺れ補正範囲内で監視用カメラ装置を回転動作させた場合のイメージ図である。
【００１２】
各図において、従来の技術で説明した符号の説明は省略する。図１の３０はパン軸回転、３１はチルト軸回転で、図２の３２は凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例で、図３の３３は監視用カメラ装置の周囲温度変化の時間経過で、図４の３４は被写体の揺れイメージ、３５は被写体の表示である。
【００１３】
以下、動作について説明する。パン軸を回転させる場合、操作器２０によってパン軸回転指示操作を行うと、該操作器２０からコントロール回路ボード１１、１２に制御信号が伝達され、該コントロール回路ボード１１、１２からの制御でパン用モータ５が回転動作し、該パン用モータ５に連結されているパン用ウォームギヤ６に回転駆動力が伝わりパンの回転部２が水平の左右方向に回転する。チルト軸を回転させる場合、操作器２０によってチルト軸回転指示操作を行うと、前記同様コントロール回路ボード１１、１２からの制御によりチルト用モータ４が回転動作し、該チルト用モータ４に連結されているチルト用ベルト７の一方に回転駆動力が伝わり、前記チルト用ベルト７のもう一方によりチルト用シャフト８に回転駆動力が伝わることによって、前記チルト用シャフト８に連結されているカメラケース１及び照明灯ケース１０が上下方向に回転する。以上の動作により必要な所定方向の映像を監視カメラ装置で撮像し、モニタ２１に表示することができる。また、監視映像を記録する場合にはタイムラプスＶＴＲ２２に録画する。記録間隔は必要とする記録間隔、あるいは記録媒体の容量と記録期間によって決まる。
【００１４】
監視用カメラ装置の回転はパン軸、チルト軸で、現在の撮像方向と違う所定方向の映像が必要となった場合のみ回転動作させ、必要以外の場合は所定方向に常時停止させておくものである。したがって、そのまま停止状態を維持すると例えば降雪等と気温低下によってパン軸、チルト軸の可動部が凍結によって結合や凝固し回転動作ができなくなる場合があるが、図１のように所定の定期的に又は一時的にパン軸回転３０、チルト軸回転３１を動作させることによって、前記可動部が凍結による結合や凝固を防止することができる。
【００１５】
図３は本発明の一実施例で、監視用カメラ装置の周囲温度の時間経過３３と凍結防止用の回転動作の設定状況を示したものである。監視用カメラ装置に図示しない温度センサを設け周囲温度を検知し、該周囲温度が０℃以上である場合、凍結しないため凍結防止用の回転動作をさせる必要がないので回転動作なしの設定をコントロール回路ボード１１、１２で行い、同様に０℃以下となった場合、凍結防止用の回転動作をするように設定する。また、例えば−１５℃以下であれば雪が付着し難いため逆に凍結しにくくなるため、所定時間以上−１５℃以下が続いた場合には凍結防止用の回転動作をしないようにコントロール回路ボード１１、１２で設定する。また、回転動作中であれば回転動作を停止するように制御する。このようにして凍結防止用の回転動作を必要最小限とし監視映像の途切れを減らすようにする。
【００１６】
また、監視用カメラ装置のパン、チルト回転動作停止中に突然凍結防止用の回転動作が始まると、監視者が誤動作とまちがえる可能性があるため、図２の凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例３２のように監視映像画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることをモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は監視映像信号を該回転動作直前の監視映像信号にフリーズして、前記同様監視映像画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることを示すモニタ表示例３２をモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は監視映像信号出力を断とし、又は全画面１色の映像信号を出力し、無信号画面又は全面１色の画面と同一画面に凍結防止用の回転動作中であることを示すモニタ表示例３２をモニタ２１に表示する。また、前記凍結防止用の回転動作中は、該回転動作中を示す状態信号を制御信号に含めて出力し、操作器２０で該状態信号を検知し図示しない状態表示器を接続して状態表示することでもよい。
【００１７】
図２のタイムラプスＶＴＲ２２に記録する場合、通常、記録媒体の容量の関係から記録間隔を伸ばし、例えば１秒に１フレーム記録する。この場合、記録する必要がある場合のみ所定の映像があれば良いため、この１秒の間に凍結防止用の回転動作を行えば映像を記録する上で支障はない。
【００１８】
図４は監視用カメラ装置内のメモリを利用した揺れ補正機能、あるいは光学的に揺れを補正するスタビライザーを使用し、その揺れ補正範囲内で凍結防止用の回転動作を示したものである。前記揺れ補正範囲内で凍結防止用の回転動作をした場合、被写体の揺れイメージ３４のように被写体の映像がゆれて監視用カメラ装置に入射されるが、揺れ補正機能によって停止した映像が撮像されて監視用カメラ装置から出力されるため、モニタ２１には被写体の表示３５のように被写体が静止して表示される。したがって、表示映像に凍結防止用の回転動作の影響が現れることなく凍結防止対策ができることになる。
【００１９】
なお、本発明の実施の形態を凍結による回転障害対策で説明したが、粉塵や塩害などの影響を受ける可能性がある設置環境においても監視用カメラ装置が回転動作しない停止状態の時間が長い場合には前記粉塵等が回転軸に付着し、堆積し回転障害が発生する場合もあり、該障害対策としても有効であることは言うまでもない。
【００２０】
【発明の効果】
本発明によれば、パン、チルト回転機構を備えた監視用カメラ装置のパン軸、チルト軸の可動部が降雪や降雨後、周囲温度が低下しても凍結や凝固が起きないようにできるため、回転動作をさせて別の方向の映像が必要でない静止状態のときでも、凍結防止用回転動作をさせるので、降雪等によって凍結や凝固で回転障害とならないような信頼性の高い寒冷地でも使用できる監視用カメラ装置を提供することができる。なお、寒冷地設置用でない場合は本発明の機能を動作させなければよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例で寒冷地に設置される監視用カメラ装置のイメージ図
【図２】本発明の一実施例で照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図
【図３】本発明の一実施例で監視用カメラ装置の周囲温度の時間経過と凍結防止用の回転動作の設定状況を示した図
【図４】本発明の一実施例で監視カメラ装置が揺れ補正機能を有している場合で、揺れ補正範囲内で監視用カメラ装置を回転動作させた場合のイメージ図
【図５】従来例の寒冷地に設置される監視用カメラ装置で発生する凍結障害を示したイメージ図
【図６】従来例の照明灯及び回転機構を備えた監視用カメラ装置の内部を示したブロック図と監視システム接続図
【符号の説明】
１：カメラケース、２：パンの回転部、３：固定部、４：チルト用モータ、５：パン用モータ、６：パン用ウォームギヤ、７：チルト用ベルト、８：チルト用シャフト、９：パン用スリップリング、１０：照明灯ケース、１１：コントロール回路ボード、１２：コントロール回路ボード、１３：ワイパー、１４：平板ガラス、１５：パン軸受け、１６：固定金具、２０：操作器、２１：モニタ、２２：タイムラプスＶＴＲ、２３：凍結部分、２４：凍結部分、３０：パン軸回転、３１：チルト軸回転、３２：凍結防止用回転動作中を示すモニタ表示例、３３：監視用カメラ装置の周囲温度変化の時間経過、３４：被写体の揺れイメージ、３５：被写体の表示
Claims (2)
- 被写体の撮像方向を水平回転及び垂直回転によって設定し制御する回転機構を備えた監視用カメラ装置において、凍結あるいは粉塵あるいは塩害による回転障害を防止するため、所定の定期的に又は一時的に前記回転機構を制御し回転動作させる手段と、前記回転動作中であることをモニタに、監視映像と同一画面に、又は監視映像を断とし全体画面を１色表示し、該画面と同一画面に表示する手段とを有することを特徴とする監視用カメラ装置。
- 請求項１の監視用カメラ装置において、該監視用カメラ装置の周囲温度を検出する手段を有し、該温度検知結果に基づいて前記回転障害を防止するための回転動作の起動と停止を制御する手段とを有することを特徴とする監視用カメラ装置。
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