JP2004119893A - Soiウェーハの製造方法及びsoiウェーハ - Google Patents

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戸部 敏視
Takuo Takenaka
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Abstract

【課題】直径8インチ以上の大口径ウェーハを貼り合わせてSOIウェーハを製造する場合であっても、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスター等がなく、かつ強力なゲッタリング能力を有するSOIウェーハを簡単かつ安価で製造する方法及びそのようなSOIウェーハを提供する。
【解決手段】少なくとも、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハを、前記絶縁体を介してベースウェーハと貼り合わせてSOIウェーハを製造する方法であって、貼り合わせる際に、接合界面に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムを介して前記ボンドウェーハとベースウェーハを接合し、その後熱処理を施すことにより貼り合わせることを特徴とするSOIウェーハの製造方法、ならびにそのようなSOIウェーハ。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス作製用基板であるSOIウェーハ、特に貼り合わせSOIウェーハに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路等のデバイスを作製するための基板としては、主にチョクラルスキー法(CZ法)によって育成されたシリコン単結晶ウェーハが用いられている。このウェーハ上にデバイスを作製する際、p−nジャンクションや絶縁体を形成することにより各素子間の分離を行なっていた。
【0003】
しかし近年、素子分離用絶縁体を予め基板ウェーハ内に形成しておく構造の基板が使われてきた。この代表的なものがSOI(Silicon on insulator)ウェーハである。SOIウェーハの具体的構造はウェーハの深さ方向に対して、表層のシリコン単結晶層(シリコン活性層)の下に酸化膜等の絶縁体層(埋め込み絶縁膜)をはさみ、その下部にまたシリコン単結晶層(ベースウェーハ)をもつ三層構造になっている。
【0004】
このSOIウェーハの製法には大きく分けて、以下の二種類の方法がある。
第一の方法は表層から酸素イオンを注入し、その後の熱処理にて二つのシリコン単結晶層間にシリコン酸化膜を形成するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法である。
【0005】
第二の方法はシリコン単結晶ウェーハに熱酸化等の方法で表面に酸化膜を形成し、その酸化膜を形成したウェーハと別途用意したシリコン単結晶ウェーハを貼り合わせてSOI構造とする貼り合わせSOI法である。
【0006】
両者ともに特徴があるが、シリコン活性層の結晶性が優れているなどの点から第二の方法である貼り合わせSOI法が注目されている。
この貼り合わせSOI法は、古くは、二枚のウェーハを貼り合わせる際、接合界面に様々な接着剤等を用いて貼り合わす方法が用いられていた(例えば、特許文献1。)。
【0007】
しかし、近年では直径6インチ(150mm)のウェーハ口径までは鏡面研磨された二枚のウェーハを室温にて密着させた後、貼り合わせ強度を高めるための熱処理を施すことによって、十分良好な貼り合わせ強度を持つSOIウェーハを作製できる技術が進んでいる。そのため、接着剤等を用いる方法はあまり使用されなくなってきた。
【0008】
しかし、最近のさらなる大口径化の流れにおいては、直径が8インチ以上のウェーハを貼り合わせる場合に、接着剤を用いない方法では、貼り合わせ界面にボイドと呼ばれる結合不良(空隙)や、シリコン活性層が薄膜化された後に顕在化するブリスターと呼ばれる欠陥(薄いシリコン活性層が膨れた状態の欠陥)などの不良を含む可能性が懸念され始めた。
【0009】
特に、貼り合わせSOI法によるSOIウェーハの製法として近年注目されているスマートカット(登録商標)法(例えば、特許文献2。)は、一方の基板(ボンドウェーハ)の表面から水素イオン等のイオン注入を行なった後、その表面を他方の基板と接合するため、イオン注入中に表面に付着したパーティクルや有機物等の汚染物が、接合前の洗浄で除去されずに残留しやすく、これらが、貼り合わせ界面にボイドやブリスターなどの不良を発生させる原因となっていることがわかってきた。
【0010】
一方、デバイス動作に悪影響のある重金属不純物は、シリコン単結晶ウェーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合に問題とされており、その除去法としてのゲッタリング技術も様々な方法にて開発が進められてきている。
【0011】
これら重金属不純物のデバイスに与える影響については、SOIウェーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合にもやはり問題であり、SOIウェーハの場合、通常のシリコン単結晶ウェーハよりさらにゲッタリング技術の付加方法が困難である。
【0012】
というのは、電子デバイスを形成する表層シリコン層(シリコン活性層)直下に存在する酸化膜等の絶縁膜が重金属不純物の動きを阻害するからである。また通常のシリコン単結晶ウェーハに比して、各段に構造が複雑であるSOIウェーハにおいては、単にSOI構造を形成するのみでも製造コストが高く、その上ゲッタリング技術を付加すると、さらに高価な電子デバイス作製用基板となってしまうという問題もある。
【0013】
【特許文献1】
特開昭62−120044号公報
【特許文献2】
特許第3048201号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、直径8インチ以上の大口径ウェーハを貼り合わせてSOIウェーハを製造する場合であっても、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスター等がなく、かつ強力なゲッタリング能力を有するSOIウェーハを簡単かつ安価で製造する方法及びそのようなSOIウェーハを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハを、前記絶縁体を介してベースウェーハと貼り合わせてSOIウェーハを製造する方法であって、貼り合わせる際に、接合界面に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムを介して前記ボンドウェーハとベースウェーハを接合し、その後熱処理を施すことにより貼り合わせることを特徴とするSOIウェーハの製造方法である(請求項1)。
【0016】
このようにSOIウェーハを製造することで、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスター等がなく、かつ強力なゲッタリング能力を有する貼り合わせSOIウェーハを簡単かつ安価で製造できる。
尚、本明細書中で、SiOを主成分とする接着剤等とは、接着剤等に含まれる有機溶剤等以外の成分の中でSiOが主たる成分であるものを指す。
【0017】
この場合、前記ベースウェーハとしてCZシリコンウェーハを用いることが好ましく(請求項2)、前記CZシリコンウェーハの酸素濃度が、10ppma以上25ppma以下の範囲のものを用いることが好ましい(請求項3)。
【0018】
このように、ベースウェーハとして酸素を高濃度に含有するCZシリコンウェーハを用いることで、熱処理の間に、接着剤又はフィルムに含まれるボロン、リン、窒素等がベースウェーハに拡散し、それらがベースウェーハ中で酸素析出を促進させるために、強力なゲッタリング能力を付加することができる。
【0019】
この場合、前記熱処理の後に、さらに酸素析出熱処理を施すことができる(請求項4)。
【0020】
このように、酸素析出熱処理を施し、ベースウェーハ中での酸素析出をさらに促進させることにより、より強力なゲッタリング能力を付加することができる。
【0021】
この場合、前記貼り合わせるシリコンボンドウェーハとベースウェーハを、それぞれ直径8インチ(200mm)以上のものとすることができる(請求項5)。
【0022】
本発明の方法によると、このようにシリコンボンドウェーハとベースウェーハを、それぞれ直径8インチ(200mm)以上、特には12インチ(300mm)以上のものとした場合でも、貼り合わせ界面にボイドやブリスターのない高品質なものとすることができる上に、強力なゲッタリング能力を有するものとすることができる。
【0023】
さらに本発明によれば、前記製造方法で製造された、シリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスターがなく、かつ優れたゲッタリング能力を有するSOIウェーハが提供される(請求項6)。
【0024】
また、本発明では、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハを、前記絶縁体を介してベースウェーハと貼り合わせたSOIウェーハであって、接合界面に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムの層を介して前記ボンドウェーハとベースウェーハが貼り合わされたものであることを特徴とするSOIウェーハが提供される(請求項7)。
【0025】
このような貼り合わせSOIウェーハは、シリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスター等がない高品質のものであり、かつボロン、リン、窒素等の作用により強力なゲッタリング能力を有する。
【0026】
この場合、前記ベースウェーハが、CZシリコンウェーハであることが好ましく(請求項8)、前記CZシリコンウェーハの酸素濃度が、10ppma以上25ppma以下の範囲であることが好ましい(請求項9)。
【0027】
このように、ベースウェーハが酸素を高濃度に含有するCZシリコンウェーハであることで、それらがベースウェーハ中で酸素析出を生じるために、強力なゲッタリング能力を持つものとすることができる。
【0028】
この場合、さらに、前記ベースウェーハに、前記接着剤又はフィルムに含まれるボロン、リン、又は窒素が拡散した層を含むものであることが好ましい(請求項10)。
【0029】
このような、ベースウェーハに含まれるボロン、リン、又は窒素が拡散した層は、それらが酸素析出を促進するために強力なゲッタリング層となるし、接合界面直下に存在するためにその効果が十分に発揮されるものとなる。
【0030】
この場合、前記シリコンボンドウェーハとベースウェーハが、それぞれ直径8インチ以上であるものとすることができる(請求項11)。
【0031】
このように、シリコンボンドウェーハとベースウェーハが、それぞれ直径8インチ以上、特には12インチ(300mm)以上である場合でも、本発明のSOIウェーハは貼り合わせ界面にボイドやブリスターのない高品質なものであると同時に、強力なゲッタリング能力を有するものである。
【0032】
さらに本発明は、前記ボンドウェーハを薄膜化したシリコン活性層を有するSOIウェーハを提供する(請求項12)。
【0033】
このように、本発明のSOIウェーハは、シリコンボンドウェーハを、例えば10〜500nmの厚さへと薄膜化してシリコン活性層を形成したものである場合でも、貼り合わせ界面は剥れにくく、その貼り合わせ強度は十分に高いものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、本発明の貼り合わせSOIウェーハについて図1を参照して説明する。本発明のSOIウェーハ1は、ベースウェーハ2、絶縁体3、およびボンドウェーハを薄膜化したシリコン活性層4を含む。さらに、絶縁体3とベースウェーハ2の間には、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムの層5がある。絶縁体3の直下には、接着剤又はフィルムの層5からボロン、リン、窒素等が拡散したゲッタリング層6を有し、重金属不純物の強力なゲッタリング層として働く。
【0035】
以下、本発明のSOIウェーハの製造方法について説明する。
先ず、シリコン単結晶ウェーハ二枚とSiOを主成分とする接着剤、もしくはSiOフィルムを用意する。SiOを主成分とする接着剤を作製するのに用いるものとしては、例えば、一般に市販されているスピンオングラス形成用塗布剤のOCD(東京応化製)や、粉末の酸化珪素を溶媒に混合した溶液等を挙げることができる。また、SiOフィルムを作製するために用いるものとしては、前記SiOを主成分とする接着剤を作製するのに用いられるものの材質を予めフィルム状に加工したもの等を挙げることができる。本発明では、これらのものに、添加物としてボロン、リン、窒素等を加えた接着剤又はフィルムを用いる。ボロン、リン、窒素等を加えることは、例えばB、P、Siといった化合物を所定量混合させることで行う。混合させる量は特に限定されないが、通常シリコンウェーハの抵抗制御用にドープされる量より多くするのが望ましく、例えば数百ppm〜数%で混合させることが出来る。
【0036】
次に、シリコン単結晶ウェーハ(シリコンボンドウェーハ)一枚を熱酸化膜等の絶縁体で覆った後、そのボンドウェーハを残りのシリコン単結晶ウェーハ(ベースウェーハ)と絶縁体を介して貼り合わせる。その際、絶縁体で覆われたボンドウェーハとベースウェーハを、上記SiOを主成分とする接着剤、もしくは上記SiOフィルムを介して接合し、その後熱処理を施す。
【0037】
こうすることで、従来の接着剤を用いない貼り合わせ法より低温の熱処理で貼り合わすことができる。このようなSOIウェーハは、貼り合わせ界面にボイドやブリスターのない良好なものである上に、接着剤又はフィルム中に添加したボロン、リン、窒素などの成分が熱処理中にベースウェーハや酸化膜中に拡散して高濃度不純物層を形成し、それがゲッタリング層として働くため、シリコン活性層の重金属不純物に対する強力なゲッタリング能力を発揮する。
【0038】
さらに、この時ベースウェーハとしてCZシリコンウェーハのような高濃度に酸素を含むウェーハを使用すれば、ボロン、リン、あるいは窒素が酸素析出を促進させるため、これらがベースウェーハ中に拡散した高濃度不純物層は、絶縁体の直下に強力なゲッタリング能力を持つゲッタリング層を形成することになる。
【0039】
この場合、酸素析出を促進させ、より強力なゲッタリング能力を付加するために、ベースウェーハとして用いるCZシリコンウェーハの酸素濃度は10ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会による換算係数を用いて算出した値)以上の範囲のものとするのが良く、一方酸素濃度が25ppmaを超える範囲のものでは析出過多により基板強度低下などの弊害が発生する可能性があるため、酸素濃度としては10ppma以上25ppma以下の範囲が好適である。
【0040】
また、上記貼り合わせのための熱処理の後に、さらに600〜900℃、数時間〜10時間、900〜1100℃、数時間〜20時間の二段熱処理のような酸素析出を促進する熱処理を施すことができる。このように、酸素析出熱処理を施し、ベースウェーハ中での酸素析出をさらに促進させることにより、SOIウェーハにより強力なゲッタリング能力を付加することができる。
【0041】
このような本発明の方法によると、シリコンボンドウェーハとベースウェーハが、それぞれ直径8インチ(200mm)以上、さらには12インチ(300mm)以上のものを用いた場合でも、貼り合わせ界面にボイドやブリスターがなく高品質である上に、強力なゲッタリング能力を有する貼り合わせSOI基板を簡単かつ安価で製造することができる。
【0042】
さらに、本発明のSOIウェーハは、シリコンボンドウェーハを、例えば10〜500nmの厚さへと薄膜化してシリコン活性層を形成したものである場合でも、貼り合わせ界面は剥れにくく、その貼り合わせ強度は十分に高いものである。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例、比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1)
CZ法により、直径12インチ(300mm)、初期酸素濃度18ppma(JEIDA)、結晶方位<100>のシリコン単結晶を引き上げた。この単結晶のインゴットをスライスして、研磨し、通常デバイス作製用基板として使用される厚さ725μmのウェーハの形状へ加工した。このウェーハ(シリコンボンドウェーハ)に1000℃、120分で酸素雰囲気の熱処理を施し、表面に100nmの酸化膜を形成した。その後、この酸化膜上から、水素イオンを注入エネルギー35keV、注入量5×1016/cmの条件でイオン注入した後、表面の汚染物を除去するための洗浄を行なった。
【0044】
次に、主成分としてSiOを5.9重量%、副成分としてボロン(B)を4.0g/100mlと高濃度に含む接着剤(スピンオングラス形成用の塗布剤のOCD(東京応化製))を、洗浄済みの他のウェーハ(ベースウェーハ)に塗布した。この接着剤を塗布した面に、前記ボンドウェーハのイオン注入した酸化膜表面を室温で接合させ、その状態で、500℃、30分の剥離熱処理を行った。これにより、ボンドウェーハ内部の水素イオン注入層において剥離が発生し、厚さ約200nmのシリコン活性層を有するSOIウェーハが形成された。そして、このSOIウェーハの接合強度を高めるため、1100℃、120分の熱処理を酸素雰囲気にて施した。
【0045】
以上の工程により作製した貼り合わせSOIウェーハ10枚のシリコン活性層表面を蛍光灯下で目視により観察したところ、ボイドやブリスターは全く観察されなかった(実施例1)。
【0046】
一方、スピンオングラスを塗布しなかったこと以外は、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハ10枚のシリコン活性層表面を蛍光灯下で目視により観察したところ、10枚中4枚にボイドやブリスターが観察された(比較例1)。
【0047】
また、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハを、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)にて、ウェーハ表面から深さ方向のボロン濃度分布を測定したところ、ベースウェーハ中に3μm幅の高濃度ボロン層(ピーク濃度1×1019/cm)が形成されていることが確認できた。
【0048】
(実施例2)
次に、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハを、酸素析出物をベースウェーハ中に形成させるべく、800℃、4時間+1000℃、16時間の二段熱処理(酸素析出熱処理)を施した後、劈開し、その断面をセコ液により選択エッチングした。その選択エッチング後の劈開面を光学顕微鏡にて観察したところ、SIMS測定にて高濃度ボロン層と判断された層に酸素析出物を主とした微小欠陥層が形成できており、その欠陥密度は1010cm−3程度であることがわかった。すなわち、接合面直下に強力なゲッタリング層を形成できた。
【0049】
(実施例3、実施例4、実施例5、比較例2)
続いて、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハ(実施例3)、および通常のCZシリコンウェーハ(比較例2)を用意した。さらに、主成分としてSiOを5.9重量%、副成分としてリン(P)を4.0g/100mlと高濃度に含む接着剤(OCD)を用いる他は、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハ(実施例4)、および主成分としてSiOを5.9重量%、副成分として窒素(Si)を4.0g/100mlと高濃度に含む接着剤(OCD)を用いる他は、実施例1と同一条件で作製した貼り合わせSOIウェーハ(実施例5)を用意した。そして、これらのウェーハに実施例2の二段階熱処理(酸素析出熱処理)を施した。その後、これらの実施例3〜実施例5、比較例2のウェーハの表面にFe、Ni、Cuを1012cm−2塗布し、ウェーハへの拡散熱処理として1000℃、60分の熱処理を行った。さらにその後、硝酸、フッ酸の混合液で表面から数μmづつステップエッチングを施し、その溶液中の不純物濃度をICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)にて測定し、Fe、Ni、Cuの深さ方向の濃度分布を測定した。
【0050】
その結果、実施例3〜実施例5の貼り合わせSOIウェーハでは、Cuは表層のシリコン活性層中で全く検出されず、酸化膜直下のゲッタリング層に汚染したほとんどのCuが存在していることがわかった。Fe、Niに関しては、酸化膜中の拡散が遅いため、全てをゲッタリング層へ捕獲することはできず、拡散熱処理後の表層のシリコン活性層にもわずかに存在していたが、その濃度は比較例2の通常のCZシリコンウェーハにおける値より低下しており、ゲッタリング層の効果があった。一方、比較例2のウェーハでは汚染したすべての重金属が、シリコン活性層中に高濃度に存在した。
【0051】
(実施例6)
また、接合強度を高めるための熱処理を800〜1000℃まで低下させて2時間行う他は、実施例1と同一条件で貼り合わせSOIウェーハを作製した。このSOIウェーハを蛍光灯下で目視により観察したところ、ボイドやブリスターは見られず、接着剤の接合効果により、このような低温でも接合不良を低減する効果があることが確認された。
【0052】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0053】
例えば、本発明では、接合強度を高めると同時に、高濃度不純物層を形成する目的で施す熱処理の条件は上記例に限定されないものであり、接合することができれば熱処理温度や時間、雰囲気等は任意である。
【0054】
また、SiOを主成分とした接着剤又はフィルムに含まれる副成分であるボロン、リン、窒素の含有濃度も上記例に限定されないものであり、これらの副成分の含有濃度変更も任意である。
【0055】
また、上記例では、SiOを主成分とする接着剤又はフィルムに含有させるボロン、リン、窒素を単独で入れる場合につき例を挙げて説明したが、本発明はこれらに限定されず、2種あるいは3種とも入れても、拡散によりゲッタリング能力を発揮することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、直径8インチ以上の大口径ウェーハを貼り合わせる際に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムを用いることで、絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハとベースウェーハの貼り合わせ界面にボイドやブリスター等がなく、かつ強力なゲッタリング能力を有するSOIウェーハを簡単かつ安価で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるSOIウェーハの概略断面図である。
【符号の説明】
1…SOIウェーハ、 2…ベースウェーハ、 3…絶縁体、
4…シリコン活性層、 5…接着剤又はフィルムの層、
6…ゲッタリング層。

Claims (12)

  1. 少なくとも、表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハを、前記絶縁体を介してベースウェーハと貼り合わせてSOIウェーハを製造する方法であって、貼り合わせる際に、接合界面に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムを介して前記ボンドウェーハとベースウェーハを接合し、その後熱処理を施すことにより貼り合わせることを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  2. 請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法であって、前記ベースウェーハとしてCZシリコンウェーハを用いることを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  3. 請求項2に記載のSOIウェーハの製造方法であって、前記CZシリコンウェーハの酸素濃度が、10ppma以上25ppma以下の範囲のものを用いることを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法であって、前記熱処理の後に、さらに酸素析出熱処理を施すことを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法であって、前記貼り合わせるシリコンボンドウェーハとベースウェーハを、それぞれ直径8インチ(200mm)以上のものとすることを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするSOIウェーハ。
  7. 表面が絶縁体で覆われたシリコンボンドウェーハを、前記絶縁体を介してベースウェーハと貼り合わせたSOIウェーハであって、接合界面に、SiOを主成分とし、これに少なくとも、ボロン、リン、窒素のうちいずれか一つ以上を含む接着剤又はフィルムの層を介して前記ボンドウェーハとベースウェーハが貼り合わされたものであることを特徴とするSOIウェーハ。
  8. 請求項7に記載のSOIウェーハであって、前記ベースウェーハが、CZシリコンウェーハであることを特徴とするSOIウェーハ。
  9. 請求項8に記載のSOIウェーハであって、前記CZシリコンウェーハの酸素濃度が、10ppma以上25ppma以下の範囲であることを特徴とするSOIウェーハ。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のSOIウェーハであって、さらに、前記ベースウェーハに、前記接着剤又はフィルムに含まれるボロン、リン、又は窒素が拡散した層を含むことを特徴とするSOIウェーハ。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のSOIウェーハであって、前記シリコンボンドウェーハとベースウェーハが、それぞれ直径8インチ以上であることを特徴とするSOIウェーハ。
  12. 請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のSOIウェーハであって、前記ボンドウェーハを薄膜化したシリコン活性層を有することを特徴とするSOIウェーハ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007322298A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 加速度センサおよびその製造方法

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