JP2004117400A - カメラ - Google Patents

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JP2004117400A
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Yoshimi Ono
大野 好美
Katsuhiko Funo
布野 勝彦
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Abstract

【課題】本発明は、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させる。
【解決手段】変倍光学系4の光束入射端側に有害光カット手段12を配置し、カメラが広角撮影状態から望遠撮影状態にされたとき、有害光カット手段12を移動させて、有害光カット手段12に形成されている有害光カット手段開口部11で、望遠撮影に不要な有害な光を十分に除去させる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変倍光学系を持つカメラに係わり、特に広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、フレアが発生しないようにしたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラに取り付けられる変倍光学系として、従来、図6に示すものが知られている。
この図に示す変倍光学系100は、6枚のレンズ101〜106によって構成される6群6枚構成の光学系であり、図7、図8に示す如くレンズ101〜104からなる第1群レンズ107と、レンズ105と106からなる第2群レンズ108との光軸方向間隔を変化させて、倍率を変更させることにより、広角撮影でも、望遠撮影でも行えるようになっている。
そして、このような変倍光学系100では、広角撮影時、望遠時に、光軸に入射する光線束(中心光束)、35mmフィルムに対応するアパーチャサイズが24×36のとき、短辺(=24)に入射する光線束(短辺光束)、アパーチャサイズが24×36のとき、長辺(=36)に入射する光線束(長辺光束)、アパーチャサイズが24×36のとき、対角に入射する光線束(対角光束)など、撮影に必要な光束(以下、これらを必要光束と呼ぶ)の内側に、各レンズ101〜106を支持する部材、変倍させるための部材などが入らないように、これら各部材を配置しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、各レンズ101〜106などを支持している鏡胴などを小型化させて、カメラ全体を小型化させることが多く、鏡胴の先端部分にフードなどを取り付けることが難しい。
このため、変倍光学系100を望遠にさせて、太陽の光などのような強烈な光源側にある被写体を撮影しているとき、これらの強烈な光源がファインダ内に入らないようにしているときでも、太陽光がレンズ端面、鏡胴内壁などに反射して、その反射光がフィルムに到達し、フレアが発生してしまうという問題があった。
そこで、このような変倍光学系100では、図9に示す如く鏡胴109内部のうち、対角光束の外側となる各部分(フレア発生源部分110)に凹凸を付けさせるとともに、無反射塗料を塗布させて、反射率を低減させることにより、反射光を拡散させたり、望遠撮影時における短辺光束の外側に有害光カットシート111を配置させて、有害光束をカットさせたりさせて、フレアの発生を防止させている。
しかしながら、このような変倍光学系100を使用するときには、図10に示す如く広角撮影を行うときにも、第1群レンズ108と有害光カットシート111とがぶつからないように、有害光カットシート111を配置させなければならないことから、変倍光学系100の移動行程が大きいとき、端部112に有害光カットシート111を配置させることができないのみならず、端部113に取り付けた有害光カットシート111によって、短辺光束などがカットされないよう、有害光カットシート111を小さくしなければならない。
このため、このような変倍光学系100では、有害光カットシート111を使用してフレアを防止させるようにしても、望遠撮影を行うとき、対角方向からの有害光をカットさせることが難しく、フレアを防止させることができないというという問題があった。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑み、請求項1では、倍率などが変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
また、請求項2では、広角撮影時に必要な光束を確保する開口形状を持つ、1つの有害光カット手段だけで、倍率などが変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
また、請求項3では、変倍光学係の倍率が変更されたとき、この動作と連動させて、入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
また、請求項4では、撮影不可能状態から撮影可能状態にされたとき、入射開口形状の変更を可能にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
また、請求項5では、撮影不可能状態から撮影可能状態にされたとき、この動作と連動させて、入射開口形状の変更を可能にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
また、請求項6では、撮影待機状態から撮影可能状態にされたとき、入射開口形状をそのままの状態にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができるカメラを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1のカメラでは、複数のレンズ群からなる変倍光学系と、変倍光学系への入射面の前に配置され、変倍に伴い光軸方向に移動して、入射光束を調整する有害光カット手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2では、請求項1に記載のカメラにおいて、前記有害光カット手段は、略広角時の開口を持つことを特徴としている。
また、請求項3では、請求項2に記載のカメラにおいて、変倍時に、変倍光学系の各レンズ群の位置を変化させ、かつ直進するように構成した鏡胴を持ち、変倍時における有害光カット手段の移動は、複数の直進筒の被写体に一番近い直進筒と二番目に近い直進筒との変倍時の移動差に基づいて行われるようにしたことを特徴としている。
また、請求項4では、複数の直進筒と、1つ以上の回転筒とを持ち、撮影可能状態以外に撮影不可能状態と撮影待機状態を持つカメラにおいて、光軸方向の変化により光学系への入射光束を制限する有害光カット手段を有し、撮影不可能状態から撮影状態への移行時、前記有害光カット手段を移動させ、撮影光学系への有害光をカットするようにしたことを特徴としている。
また、請求項5では、請求項4に記載のカメラにおいて、撮影不可能状態から撮影待機状態への動作により複数の直進筒が光軸方向に直進移動するように構成した鏡胴を持ち、撮影不可能状態から撮影待機状態への動作における有害光カット手段の移動は、複数の直進筒の被写体に一番近い直進筒と、二番目に近い直進筒との撮影不可能状態から撮影待機状態への移動差に基づいて行われるようにしたことを特徴としている。
また、請求項6では、請求項5に記載のカメラにおいて、撮影待機状態から撮影可能状態に移動する際、有害光カット手段が被写体に一番近い直進筒に対して、移動しないことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるカメラの一形態で使用される変倍光学系、鏡胴部分の詳細な構成例を示す要部断面図ある。
この図に示すカメラ(鏡胴)1では、光束入射端側にネジ部2が形成された筒部材によって構成される第1直進筒3と、変倍光学系4を構成する第1群レンズ、被写体からの光束を透過させるシャッタ機構などを含み、第1直進筒3内に固定される第1群レンズ・シャッタ部5と、図2に示す如く3つの直進案内部6によって第1直進筒3が直進方向にのみ移動するように第1直進筒3に回転規制をかけながら、光軸方向に動かされたとき変倍光学系4を収納状態から広角撮影状態、または望遠撮影状態に変化させる第2直進筒7と、第1直進筒3、第2直進筒7に対し、回転可能にされた状態で第1直進筒3と第1群レンズ・シャッタ部5との間に配置され、第2直進筒7が光軸方向に動かされて広角撮影状態から望遠撮影状態にされるとき、第2直進筒7に形成されたガイド溝8にスライド自在に係合しているガイドピン9により、第2直進筒7の移動量に応じた回転量だけ、回転させられるとともに、ネジ部2によって、第1直進筒3を光束入射端側に移動させる有害光カット駆動手段10と、図2に示す如く中央部分に広角撮影時の有害光をカットするのに必要な有害光カット手段開口部11が形成され、第1直進筒3の光束入射端側に固定されて、図3(a)に示す如く変倍光学系4が収納状態または広角撮影状態にされているとき、有害光カット手段開口部11によって広角撮影に不要な有害光を遮断させながら、広角撮影に必要な光束のみを通過させ、また図3(b)に示す如く望遠撮影状態にされて第1直進筒3が光束入射端側に繰り出されているとき、有害光カット手段開口部11によって望遠撮影に不要な有害光を遮断させながら、望遠撮影に必要な光束のみを通過させる有害光カット手段12と、を備えている。
【0007】
そして、図4(a)に示す如く変倍光学系4が収納状態にされているとき、有害光カット駆動手段10の回転角度を初期角度に保持させて、有害光カット手段12を初期位置に保持させる。
この後、図4(b)に示す如く第2直進筒7が引き出されて変倍光学系4が広角撮影状態にされ、第1直進筒3のガイドピン9が第2直進筒7のガイド溝8内を直線状に移動したとき、有害光カット駆動手段10の回転角度を初期角度に保持させながら、有害光カット手段開口部12によって、広角撮影に不要な有害光を遮断させながら、広角撮影に必要な光束のみを通過させる。
さらに、図4(c)に示す如く第2直進筒7がさらに引き出され、変倍光学系4が望遠撮影状態にされるとき、第2直線筒7に形成されたガイド溝8によりガイドピン9を回転付勢させて、このガイドピン9が設けられている有害光カット駆動手段10を回転させ、有害光カット駆動手段10の回転量に応じた長さだけ、ネジ部2によって係合されている第1直進筒3を光束入射端側に繰り出させて、有害光カット手段12を光束入射端側に移動させ、有害光カット手段開口部11によって望遠撮影に不要な有害光を遮断させながら、望遠撮影に必要な光束のみを通過させる。
これにより、カメラを望遠状態にしているときにも、有害光カット手段12によって、望遠撮影に不要な有害な光を十分に除去させて、フレアが発生しないようにさせる。
このように、この形態では、光束入射端側に有害光カット手段12を配置し、カメラが広角撮影状態から望遠撮影状態にされたとき、有害光カット手段12を移動させて、有害光カット手段12に形成されている有害光カット手段開口部11で、望遠撮影に不要な有害な光を十分に除去させるようにしているので、倍率などが変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
【0008】
また、上述した実施形態では、広角撮影モードと、望遠撮影モードとを持つカメラを例にして本発明を説明しているが、撮影不可能モードと、撮影可能モードとを持つカメラに対し、本発明を適用させるようにしても良い。
この場合、図5(a)、図5(b)に示すように、カメラ収納状態(撮影不可能状態)から撮影待機状態に移行させたとき、第2直線筒7に形成されたガイド溝13によって、ガイドピン9を回転付勢させて、このガイドピン9が設けられている有害光カット駆動手段10を回転させるとともに、ネジ部2によって係合されている第1直進筒3を光束入射端側に繰り出させて、有害光カット手段12を光束入射端側に移動させ、有害光カット手段開口部11により、撮影に不要な有害光を遮断させながら、撮影に必要な光束のみを通過させる。
そして、図5(c)に示す如くカメラが合焦動作されているとき、第2直進筒のガイド溝が直線状に移動させて、有害光カット駆動手段の回転角度をそのまま保持させる。
また、このような撮影待機状態を持たないカメラでは、撮影不可能状態から撮影可能状態に変えられたとき、同様な方法で有害光カット駆動手段と有害光カット手段を移動させて有害光を除去させても良い。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1のカメラでは、倍率などが変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
また、請求項2のカメラでは、広角撮影時に必要な光束を確保する開口形状を持つ、1つの有害光カット手段だけで、倍率などが変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
また、請求項3のカメラでは、変倍光学係の倍率が変更されたとき、この動作と連動させて、入射開口形状を変更させ、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
また、請求項4のカメラでは、撮影不可能状態から撮影可能状態にされたとき、入射開口形状の変更を可能にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
また、請求項5のカメラでは、撮影不可能状態から撮影可能状態にされたとき、この動作と連動させて、入射開口形状の変更を可能にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
また、請求項6のカメラでは、撮影待機状態から撮影可能状態にされたとき、入射開口形状をそのままの状態にさせ、変倍光学係の倍率が変更されたとき、倍率などに対応させて入射開口形状を変更させて、広角撮影を行うときにも、また望遠撮影を行うときにも、鏡胴内等の反射に起因する有害光を減少させて、フレアなどの発生を防止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの一形態で使用される変倍光学系、鏡胴部分の詳細な構成例を示す要部断面図ある。
【図2】図1に示す変倍光学系、鏡胴部分を光束入射面側から見た詳細な裏面図である。
【図3】図1に示す変倍光学系、鏡胴部分を結像面側から見た詳細な要部断面図である。
【図4】図1に示す変倍光学系、鏡胴部分の収納状態、広角撮影状態、望遠撮影状態例を示す模式図である。
【図5】本発明によるカメラの他の一形態で使用される変倍光学系、鏡胴部分の収納状態、広角撮影状態、望遠撮影状態例を示す模式図である。
【図6】一般的に変倍光学系の一例を示す概略構成図である。
【図7】図6に示す変倍光学系の各光束例を示す模式図である。
【図8】図6に示す変倍光学系の各光束例を示す模式図である。
【図9】図6に示す変倍光学係を使用したカメラで、望遠撮影を行うときの光束例を示す要部断面図である。
【図10】図6に示す変倍光学係を使用したカメラで、広角撮影を行うときの光束例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1:カメラ
2:ネジ部
3:第1直進筒
4:変倍光学系
5:第1群レンズ・シャッタ部
6:直進案内部
7:第2直進筒
8:ガイド溝
9:ガイドピン
10:有害光カット駆動手段
11:有害光カット手段開口部
12:有害光カット手段
13:ガイド溝

Claims (6)

  1. 複数のレンズ群からなる変倍光学系と、変倍光学系への入射面の前に配置され、変倍に伴い光軸方向に移動して入射光束を調整する有害光カット手段と、を備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 請求項1に記載のカメラにおいて、
    前記有害光カット手段は、略広角時の開口を持つことを特徴とするカメラ。
  3. 請求項2に記載のカメラにおいて、
    変倍時に変倍光学系の各レンズ群の位置を変化させ、かつ直進するように構成した鏡胴を持ち、
    変倍時における有害光カット手段の移動を、複数の直進筒のうちの被写体に一番近い直進筒と二番目に近い直進筒との変倍時の移動差に基づいて行われるようにしたことを特徴とするカメラ。
  4. 複数の直進筒と、1つ以上の回転筒とを持ち、撮影可能状態以外に撮影不可能状態と撮影待機状態を実現可能なカメラにおいて、
    光軸方向への移動により撮影光学系への入射光束を制限する有害光カット手段を有し、撮影不可能状態から撮影状態への移行時に前記有害光カット手段を移動させ、撮影光学系への有害光をカットするようにしたことを特徴とするカメラ。
  5. 請求項4に記載のカメラにおいて、
    撮影不可能状態から撮影待機状態への動作により複数の直進筒が光軸方向に直進移動するように構成した鏡胴を持ち、
    撮影不可能状態から撮影待機状態への動作における有害光カット手段の移動は、複数の直進筒のうちの被写体に一番近い直進筒と、二番目に近い直進筒との撮影不可能状態から撮影待機状態への移動差に基づいて行われるようにしたことを特徴とするカメラ。
  6. 請求項5に記載のカメラにおいて、
    前記撮影待機状態から撮影可能状態に移動する際、有害光カット手段が被写体に一番近い直進筒に対して移動しないことを特徴とするカメラ。
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