JP2004117085A - 電気化学測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気化学測定装置において、劣化判定用基準液や洗浄液を不要とし、簡便に劣化度合いを判定することができ、被験液測定時の電位差の安定値を精度良く予測可能な電気化学測定装置を提供する。
【解決手段】少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とを補正パラメータとし、被験液測定時の電位差の安定値を予測する補正手段とを有することにより、高精度に電位差の安定値を予測可能である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作用電極と参照電極とを有する電気化学式センサを用いた電気化学測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からPH計やORP計等として多岐に利用されている電気化学測定装置は、作用電極と参照電極を備え、被験液との電気化学反応を生じる各種電極の電気化学応答を測定することにより、被験液の特性を測定するものである。しかしこの各電極は空気中や電極表面の汚れや酸化などにより劣化してしまう。そのため、特性が既知である劣化判定用基準液を用い、この基準液に対する各電極の電気化学応答を測定することにより電極の劣化度合いを評価し判定していた。
【0003】
更に前述の判定により劣化が認められた電極の洗浄処理として、電極表面を研磨した上で精製水により洗浄するか、専用の洗浄液を用いて処理していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら劣化判定用基準液は、測定時の電極の劣化判定はもとより、測定装置の動作点検や校正時の精度チェック等、多様な場合に用いられるため常備しておかなければならず、その上基準液としての精度の維持が必要であるため、一般的に使用期限や使用環境、及び保存条件などが決められており、使い勝手が悪い上にコストもかかる。
【0005】
また洗浄処理においても、研磨や洗浄液を用いた処理では手間がかかり煩わしい上、処理のばらつきも生じやすくなる可能性がある。
【0006】
従って、本発明は前述の従来技術の問題点を解決した電気化学測定装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とを補正パラメータとし、被験液測定時の電位差の安定値を予測する補正手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置を提供する。
【0008】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極のインダクタンス成分を更に測定する。
【0009】
また本発明は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とから各電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置を提供する。
【0010】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極に交流電流を印加する、交流電流印加手段を更に備え、この交流電流の出力を切り換えることにより、前記クリーニング電流を発生させる出力切換手段を有する。
【0011】
また本発明は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、各電極が被験液に浸漬した累積回数と累積時間との内、少なくとも一方の値から電極の使用状態を算出する使用状態算出手段と、前記使用状態算出手段により算出した電極の使用状態と、予め設定してある使用限界値とを比較することにより電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置を提供する。
【0012】
また本発明は、作用電極と参照電極とを有し、この作用電極と参照電極との内少なくとも一方が1つの電極と2つの不溶性導電体との3つの導電体を、被験液に反応させるための基準液や機能膜等の触媒で覆い、この触媒と被験液とを接触させる接触部を有して成り、被験液に対する両電極間の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、前記触媒を介し、前記2つの不溶性導電体間の抵抗成分を算出する抵抗成分算出手段と、前記抵抗成分算出手段により算出した抵抗成分と、予め設定してある触媒抵抗成分評価範囲とを比較し、触媒の劣化度合いを判定する触媒劣化判定手段と、前記触媒劣化判定手段の判定結果に基づき、触媒の劣化度合いを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置を提供する。
【0013】
本発明の電気化学測定装置は、作用電極と参照電極に更に対電極を加え、参照電極を基準電位とする電圧を対電極から作用電極に印加し、対電極と作用電極間に発生する電流値を測定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とを補正パラメータとし、被験液測定時の電位差の安定値を予測する補正手段とを有することにより、被験液や他の電極を媒介とすることなく、各電極のみの電気容量成分と抵抗成分とを算出できるため、高精度に電位差の安定値を予測可能である。
【0015】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極のインダクタンス成分を更に測定することにより、電極表面の平坦率や電極内部の孔空度合いを検出できるため、これを補正パラメータとして用いることでより更に高精度に電位差の安定値を予測可能である。
【0016】
また本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とから各電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することにより、電極表面の研磨や専用の洗浄液を用いることなく、簡便に電極の洗浄を行なうことが可能である。
【0017】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極に交流電流を印加する、交流電流印加手段を更に備え、この交流電流の出力を切り換えることにより、前記クリーニング電流を発生させる出力切換手段を有することにより、クリーニング電流を発生させる電源を別途設ける必要がなく、コスト低減が可能である。
【0018】
また本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、各電極が被験液に浸漬した累積回数と累積時間との内、少なくとも一方の値から電極の使用状態を算出する使用状態算出手段と、前記使用状態算出手段により算出した電極の使用状態と、予め設定してある使用限界値とを比較することにより電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することにより、自動で電極の使用限界を検出できることから、洗浄時期や交換時期を簡便に知ることができる。
【0019】
また本発明の電気化学測定装置は、作用電極と参照電極とを有し、この作用電極と参照電極との内少なくとも一方が1つの電極と2つの不溶性導電体との3つの導電体を、被験液に反応させるための基準液や機能膜等の触媒で覆い、この触媒と被験液とを接触させる接触部を有して成り、被験液に対する両電極間の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、前記触媒を介し、前記2つの不溶性導電体間の抵抗成分を算出する抵抗成分算出手段と、前記抵抗成分算出手段により算出した抵抗成分と、予め設定してある触媒抵抗成分評価範囲とを比較し、触媒の劣化度合いを判定する触媒劣化判定手段と、前記触媒劣化判定手段の判定結果に基づき、触媒の劣化度合いを報知する報知手段とを有することにより、基準触媒の劣化や不足によって生じる誤差を低減することができる。
【0020】
本発明の電気化学測定装置は、作用電極と参照電極に更に対電極を加え、参照電極を基準電位とする電圧を対電極から作用電極に印加し、対電極と作用電極間に発生する電流値を測定することにより、ポーラログラフ式やクーロメトリ式等の電気化学測定装置においても、同様の劣化判定やクリーニングを行なうことができる。
【0021】
【実施例】
本発明の第1実施例は、内表面に電気化学測定装置の各電極に各々接触するような導電体を配した電極保護キャップを装着することにより、前記導電体を介して各電極のインピーダンス測定を行い、このインピーダンス値から算出される、電極表面の汚れ度合いを示す抵抗成分と、酸化膜が形成されることにより電極表面に発生する電気二重層容量を示す電気容量成分とから、電極の劣化判定を行い、この判定結果に基づいてクリーニング電流を各電極に印加することにより電極表面を洗浄するものであり、更に被験液測定時の安定値を精度良く予測測定するものである。
【0022】
図1に本発明の電気化学測定装置の全体構成図を示す。
【0023】
本発明の電気化学測定装置は、電極保護キャップ1と本体3とで構成しており、本体3は作用電極4と参照電極5とから構成されるセンサ部2を有し、電極保護キャップ1と本体3とを電気的に接続するための接続端子6と、表示部14と電源スイッチ19とを有して構成する。また電極保護キャップ1は、本体3に電気的に接続するための接続端子6’を備えており、キャップ内表面には、作用電極4及び参照電極5に各々接触するような作用側キャップ導電体4’と参照側キャップ導電体5’を配して構成する。
【0024】
図2は本発明の電気化学測定装置の機能構成ブロック図である。
【0025】
本発明は電極保護キャップ1と本体3により構成しており、本体3は電気化学式センサとして作用電極4と参照電極5とを備えた交換可能なセンサ部2を有し、両電極は各々、電気化学応答測定モードと、インピーダンス測定モードと、クリーニングモードとを切り換えるモード切換部7を介して、両電極間の電位差を出力する増幅器9と、インピーダンス測定を行なうインピーダンス測定回路10と、クリーニング電流を発生するクリーニング電流印加電源8に接続している。モード切換部7はマイコン12に接続され制御される。また増幅器9とインピーダンス測定回路10は、アナログ信号をディジタル信号へ変換するA/Dコンバータ11接続され、更にクリーニング電流印加電源8と共にマイコンに接続される。このクリーニング電流印加電源8とインピーダンス測定回路10は、電極保護キャップ1側に電流又は電圧を印加するためのキャップ接続端子6に接続しており、キャップ接続端子6はマイコン12に接続され制御される。
【0026】
マイコン12は更に本発明の電気化学測定装置に電力を供給する電源13と、各種測定結果やメッセージ等を表示する表示部14と、各種設定値や測定値等を記憶しておくメモリ部15に接続されている。
【0027】
また電極保護キャップ1は、本体3のセンサ部2の電極に対応する導電体である、作用側キャップ導電体4’と参照側キャップ導電体5’とが、本体接続端子6’に接続されている。
【0028】
本体3に電極保護キャップ1を装着すると、作用電極4と参照電極5に各々作用側キャップ導電対4’と参照側キャップ導電体5’とが接触し、本体接続端子6’がキャップ接続端子6に接続され、電流又は電圧がこの接続部を介して、各導電体に印加される。
【0029】
図3のフローチャートを用いて、本発明の電気化学測定装置の動作を示す。
【0030】
まず電源スイッチ19により電源をオンすると、ステップS1において本体3に電極保護キャップ1が装着されているかどうか判断される。キャップ接続端子6は電極保護キャップ1の本体3への着脱をマイコン12に伝達する。電極保護キャップ1が装着されていなければNOに進み、ステップS9において、電極保護キャップ1を装着するよう指示するメッセージを表示部14に表示する。また、電極保護キャップ1が装着されていればYESに進み、ステップS2において、後述する洗浄回数Nを計測するクリーニングカウンタをN=0とする。
【0031】
ステップS3において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4のみをインピーダンス測定回路10に接続し、このとき参照電極5はどこにも接続されず、回路上切断されている状態に切り換える。(以降、モード切換部7に接続されている電極において、モード切り換え時に説明のない電極については回路上切断された状態であるとする。)作用電極4をインピーダンス測定モードに切り換える。インピーダンス測定回路10からキャップ接続端子6と、本体接続端子6’と、作用側キャップ導電体4’とを介してインピーダンス測定用交流電流を印加し、作用電極4のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0032】
続くステップS4においては、マイコン12によりモード切換部7を制御し、参照電極5のみをインピーダンス測定回路10に接続し、作用電極4をインピーダンス測定モードに切り換えることにより、前記と同様にして参照電極5のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0033】
ステップ5において、各電極で得られたインピーダンス値と位相角とから電極毎の抵抗成分と電気容量成分とを算出する。更にステップS6において、両電極の抵抗成分と電気容量成分とを合成し、両電極の合成抵抗成分Rと合成容量成分Cとを算出する。
【0034】
ステップS7において、出荷時に予め設定しておいた初期抵抗成分RL0と、測定精度を保証できる抵抗成分の限界値RL1とをメモリより読み込み、続くステップS8において、前記電極の合成抵抗成分RがRL0≦R≦RL1の範囲であるかどうか、すなわち、抵抗成分Rにより示される電極の劣化度合いが、応答測定において測定精度を保証可能な程度であるか、又は洗浄が必要であるかどうかが判断される。
【0035】
抵抗成分Rが前記範囲外であった場合、電極がこのままの状態では劣化の影響が大きく、測定精度が保証できないため洗浄が必要である、と判断されNOに進み、ステップS10において、クリーニングカウンタによりクリーニング回数を1プラスする。続くステップS11において、クリーニング回数が10回を超えたかどうか判断される。10回を超えていれば、洗浄の効果がないと見なしYESに進み、ステップS14において、表示部14にエラーを表示し、更にセンサを交換するよう指示するメッセージを表示し、一定時間後自動的に電源をオフする。
【0036】
また、クリーニング回数が10回を超えていない場合NOに進み、ステップS12においてマイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とをクリーニング印加電源8に接続してクリーニングモードへ切り換え、ステップS13においてクリーニング電流印加電源から、キャップ接続端子6と、本体接続端子6’と、各電極に対応するキャップ導電体とを介して、各電極にクリーニング電流を印加して、電極を洗浄する。洗浄が終了すると再びステップS3に戻り、各電極のインピーダンス測定を始める。
【0037】
前記ステップS8において、RがRL0≦R≦RL1の範囲であり、洗浄の必要もなく測定精度が保てると判断されると、YESに進みステップS15において、前記ステップS6で算出した合成抵抗Rと合成容量Cとをメモリし、前回測定時のR、Cの値を更新する。
【0038】
ステップS16において、表示部14に電極保護キャップ1を外すよう指示するメッセージを表示する。続くステップS17において、電極保護キャップ1が外されたかどうかが判断される。外されていなければNOに進み、再びステップS16において電極保護キャップ1を外すよう指示するメッセージの表示を繰り返す。外されるとYESに進み、ステップS18において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とを増幅器9に接続することにより応答測定モードに切り換える。ステップS19において、両電極が被験液に浸漬し両電極間に電位差が検出されたかどうかが判断される。電位差が発生していなければNOに進み、電位差の検出を繰り返し、電位差が発生したらYESに進み、ステップS20において、電位差発生時から、予め設定しておいた電位差測定時間間隔Δt後の電位差Vを測定する。
【0039】
ステップS21において、前記電位差Vと、ステップS15においてメモリ部15に記録した合成抵抗成分Rと合成抵抗成分Cとをパラメータとして、次式で表される被験液測定時の安定値Vcを予測する予測式に代入する。予測式は、Vc=V/(1−e(−Δt/C・R))で表される。
【0040】
ステップS22において、前記算出した予測値を表示部14に表示し、再びステップS20において測定を繰り返す。これにより、高精度な応答測定が可能であり、予測により測定時間を短縮することができる。
【0041】
本発明の第2実施例は、第1実施例の構成をより簡便な構成にしたものである。図4に第2実施例の機能構成ブロック図を示す。
【0042】
本実施例は、電極保護キャップ1と本体3により構成しており、本体3は電気化学式センサとして作用電極4と参照電極5、及び対電極17とを備えた交換可能なセンサ部2を有し、両電極は各々、電気化学応答測定モードと、インピーダンス測定モードと、クリーニングモードとを切り換えるモード切換部7を介して、両電極間の電位差を出力する増幅器9と、インピーダンス測定を行なうインピーダンス測定回路10、及びインピーダンス測定回路10内にあって、交流電流の出力を切り換えてクリーニング電流を発生させる交流電流出力切換部16に接続している。
【0043】
また増幅器9とインピーダンス測定回路10とがアナログ信号をディジタル信号へ変換するA/Dコンバータ11に接続され、更にこのA/Dコンバータ11と前記モード切換部7、及び前記インピーダンス測定回路10とがマイコン12に接続される。 更にマイコン12は、本発明の電気化学測定装置に電力を供給する電源13と、各種測定結果やメッセージ等を表示する表示部14と、各種設定値や測定値等を記憶しておくメモリ部15に接続されている。
【0044】
また電極保護キャップ1は、本体3に装着したときに前記センサ部2の3つの電極全てに接触して各種信号を伝達するための共通キャップ導電体18を備えて構成する。
【0045】
以上の構成とすることにより、第1実施例と比較して、まず、インピーダンス測定回路10内に交流電流出力切換部16を設け、インピーダンス測定回路10においてクリーニング電流を発生させることができるため、別途クリーニング電流印加電源が不要となる。
【0046】
またセンサ部2において、作用電極4と参照電極5に加え、対電極17を設け、更に、電極保護キャップ1の内表面に電極毎に接触するよう設けた作用側キャップ導電体4’と参照側キャップ導電体5’とを、前記3つの電極全てに接触するよう共通キャップ導電体18としたことにより、対電極17と共通キャップ導電体を介して各電極に対するインピーダンス測定及びクリーニング電流印加が可能であり、キャップ接続端子6と本体接続端子6’とが不要となる。
【0047】
ここで本実施例のフローチャートは、図3で示した第1実施例のフローチャートと同じであるが、処理の異なる部分のみを説明する。
【0048】
まずステップS1において、第1実施例ではキャップ接続端子6により、電極保護キャップ1の着脱がマイコン12に伝達されることにより、キャップの着脱を判断していた。本実施例においては、電源スイッチ19により電源オンすると共に、対電極17と作用電極4間のインピーダンス測定を行なうことにより電極保護キャップ1の着脱を検出する。すなわち、電極保護キャップ1を外している場合、対電極17と作用電極4間は空気中にあるためインピーダンス値は無限大を示し、電極保護キャップ1を本体3に装着している場合、共通キャップ導電体18を介しているため、ある一定範囲のインピーダンス値を示すため、このインピーダンス値をマイコン12で処理することによりキャップの着脱を検出することが可能である。
【0049】
またステップS3の作用電極インピーダンス値及び位相角測定においては、第1実施例では、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4のみインピーダンス測定回路10に接続することにより、インピーダンス測定回路から、キャップ接続端子6と本体接続端子6’、及び作用側キャップ導電対4’とを介して、作用電極に交流電流を印加して作用電極4のインピーダンス値と位相角とを測定した。本実施例においては、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と対電極17とをインピーダンス測定回路10に接続する。このとき電極保護キャップ1の共通キャップ導電体18が両電極に接触していることから、インピーダンス測定回路10から対電極17と共通キャップ導電体18とを介して作用電極4に交流電流を印加して作用電極4のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0050】
続くステップS4における、参照電極インピーダンス値及び位相角測定も、前記同様、対電極17と共通キャップ導電体18とを介して参照電極5のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0051】
ステップS5からステップS11までの処理は第1実施例と同様であり、更にステップS11においてクリーニングカウンタがN>10と判断されYESに進みステップS14において表示部14にエラーメッセージを表示して電源OFFする処理も第1実施例と同様である。
【0052】
ここでステップS11においてNOと判断され、インピーダンス測定モードからクリーニングモードに切り換えるステップS12において、第1実施例ではマイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とをクリーニング電流印加電源8へ接続することによりクリーニングモードに切り換えた。更に続くステップS13において、クリーニング電流印加電源8から、キャップ接続端子6と本体接続端子6’、及び各電極に対応するキャップ導電体とを介して各電極にクリーニング電流を印加して電極を洗浄した。
【0053】
本実施例では、ステップS12において、マイコン12によりモード切換部7を制御し作用電極4と参照電極5、及び対電極17とをインピーダンス測定回路10内に接続する。またマイコン12によりインピーダンス測定回路10を制御し、作用電極4と参照電極5とをグランドに接続することによりクリーニングモードとする。更に続くステップS13において、交流電流出力切換部16により、各電極のインピーダンス測定時に用いる交流電流を直流電流に変換し且つ電流値を設定しクリーニング電流を発生させる。クリーニング電流はインピーダンス測定回路10から、対電極17と共通キャップ導電体18を介して作用電極4及び参照電極5に印加され、電極を洗浄する。
【0054】
また、ステップS15からステップS22までの処理は第1実施例において示した処理と同様である。
【0055】
本発明の第3実施例は、電極の使用回数やトータル使用時間等の使用状態から、電極の劣化度合い及び洗浄時期を予測するものである。クリーニング電流を各電極に印加することにより電極表面を洗浄するものであり、更に被験液測定時の安定値を精度良く予測測定するものである。
【0056】
第3実施例の機能構成ブロック図は、第1実施例の図2で示した機能構成ブロック図と同じであり、マイコン12における処理のみ第1実施例と異なるため、装置の動作を含めた処理を次のフローチャートにより説明する。
【0057】
図5のフローチャートを用いて第3実施例の動作を説明する。まず電源オンすると、ステップS31において、電極保護キャップ1が本体3に装着されているかどうか判断される。キャップ接続端子6は電極保護キャップ1の本体3への着脱をマイコン12に伝達する。電極保護キャップ1が装着されていなければNOに進み、ステップS9において、電極保護キャップ1を装着するよう指示するメッセージを表示部14に表示する。
【0058】
また、電極保護キャップ1が装着されていればYESに進み、ステップS32において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4のみをインピーダンス測定回路10に接続し、作用電極4をインピーダンス測定モードに切り換える。インピーダンス測定回路10からキャップ接続端子6と、本体接続端子6’と、作用側キャップ導電体4’とを介してインピーダンス測定用交流電流を印加し、作用電極4のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0059】
続くステップS33においては、マイコン12によりモード切換部7を制御し、参照電極5のみをインピーダンス測定回路10に接続し、作用電極4をインピーダンス測定モードに切り換えることにより、前記と同様にして参照電極5のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0060】
ステップ34において、各電極で得られたインピーダンス値と位相角とから電極毎の抵抗成分と電気容量成分とを算出する。更にステップS35において、両電極の抵抗成分と電気容量成分とを合成し、両電極の合成抵抗成分Rと合成容量成分Cとを算出すると共に、この両成分の値をメモリ部15に記録し、メモリを更新する。
【0061】
ステップS36において、キャップ接続端子6から電極保護キャップ1の本体3への着脱をマイコン12に伝達することにより、電極保護キャップを外したかどうかが判断される。電極保護キャップ1が外されていなければNOに進み、ステップS39において、電極保護キャップ1を装着するよう指示するメッセージを表示部14に表示する。
【0062】
また、電極保護キャップ1が外されていればYESに進み、ステップS37においてマイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とを増幅器9に接続することにより、応答測定モードへ切り換える。続くステップS38において、作用電極4と参照電極5間の電位差が発生したかどうか、つまり両電極が被験液に浸漬されたかどうかが判断される。電位差が発生していなければNOに進み、電位差の検出を繰り返す。
【0063】
電位差が発生した場合YESに進み、ステップS40において、マイコン12により、使用回数を1回とカウントし、メモリ部15内に記録してある累積使用回数を更新する。更にステップS41において、メモリ部15内に予め記録してある、センサ部の洗浄なしで連続使用した場合の限界使用回数を読み込み、更新した累積使用回数と比較する。
【0064】
ステップS42において、累積使用回数が限界使用回数を超えたかどうか判断される。超えていなければNOに進み、ステップS51において電位差発生時から、予め設定しておいた電位差測定時間間隔Δt秒後の電位差Vを測定する。
【0065】
ステップS52において、前記電位差Vと、ステップS35においてメモリ部15に記録した合成抵抗成分Rと合成抵抗成分Cとをパラメータとして、次式で表される被験液測定時の安定値Vcを予測する予測式に代入する。予測式は、Vc=V/(1−e(−Δt/C・R))で表される。
【0066】
ステップS53において、前記算出した予測値を表示部14に表示し、再びステップS51において測定を繰り返す。
【0067】
またステップS42において、累積使用回数が限界使用回数を超えた場合YESに進み、洗浄処理を行なうための手順に移る。ステップS43において、マイコン12により洗浄回数を1回とカウントし、メモリ部15内に記録してある累積洗浄回数を更新する。更にステップS44において、メモリ部15内に予め記録してある、センサ部の過洗浄を防止する限界洗浄回数を読み込み、更新した累積洗浄回数と比較する。
【0068】
ステップS45において、累積洗浄回数が限界洗浄回数を超えたかどうか判断される。超えていればYESに進み、ステップS54において、測定エラーとセンサ交換を指示するメッセージを表示部14に表示し、一定時間後自動的に電源をオフする。
【0069】
また累積洗浄回数が限界洗浄回数を超えていない場合NOに進み、ステップS46において、測定をストップし、洗浄するよう指示するメッセージを表示部14に表示する。続くステップS47において、キャップ接続端子6から電極保護キャップ1の本体3への着脱をマイコン12に伝達することにより、電極保護キャップを装着したかどうかが判断される。電極保護キャップ1が装着されていなければNOに進み、ステップS46に戻り、洗浄を指示するメッセージの表示を繰り返す。
【0070】
電極保護キャップ1の装着が確認されるとYESに進み、ステップS48において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とをクリーニング電流印加電源8に接続し、クリーンニングモードに切り換える。続くステップS49において、クリーニング電流印加電源8より予め設定してあるクリーニング電流を発生させ、キャップ接続端子6と本体接続端子6’、及び作用側キャップ導電体4’と参照側キャップ導電体5’とを各々介して、作用電極4と参照電極5に印加することにより両電極を洗浄する。更にステップS50において、累積使用回数を0回に戻し、再びステップS32に戻り各電極のインピーダンス測定を行なう。
【0071】
なお、第1から第3実施例においては、予め電流値を設定してあるクリーニング電流を印加したが、予め電圧値を設定しておくことによりクリーニング電圧として印加することもできる。
【0072】
本発明の第4実施例は、作用電極4と参照電極5とが各々基準触媒と被験液接触部とを介して被験液と反応することにより被験液測定を行なうタイプの電気化学測定装置において、不溶性導電体として白金線を用いて基準触媒の劣化を判定するものである。
【0073】
図6は本実施例の電気化学測定装置の外観図である。電極保護キャップ1と、交換可能なセンサ部2を備えた本体3とから構成しており、本体3は更に、電極保護キャップ1を装着したときに本体3と電極保護キャップ1とを電気的に接続するキャップ接続端子6と、測定結果やメッセージ等を表示する表示部14、及び電源スイッチ19を備えて構成している。
【0074】
またセンサ部2の構成として、まず作用電極4は作用側第1白金線21と作用側第2白金線22と共に、作用側ガラス管29に封入した液体である作用側基準触媒24の中に浸漬される。更にガラス管29の一部には水素イオンを選択的に透過させるガラス隔膜23を設け、このガラス隔膜を介して被験液と作用側基準触媒24とが接触するよう構成している。
【0075】
参照電極5も前記作用電極4と同様に、参照側第1白金線25と参照側第2白金線26と共に、液体である参照電極基準触媒28を封入した参照側ガラス管30の中に浸漬しており、この参照側ガラス管30の一部に、被験液と参照電極基準触媒28とを接触させる液絡部27を設けて構成している。
【0076】
また電極保護キャップ1の内表面には、キャップ装着時に前記ガラス隔膜23と液絡部27に各々接する作用触媒導電体23’と参照触媒導電体27’とを備え、更に本体3のキャップ接続端子6に接続する本体接続端子6’を備えて構成している。
【0077】
図7は本実施例の機能構成ブロック図を示す。まず本体3は、ガラス隔膜23に接触している作用電極基準触媒24に覆われた作用側第1白金線21と作用側第2白金線22、及び作用電極4は、応答測定モードとインピーダンス測定モードとを切り換えるモード切換部7に接続されている。同様に、液絡部27に接触している参照電極基準触媒28に覆われた参照側第1白金線25と参照側第2白金線26、及び参照電極5もモード切換部7に接続されている。このモード切換部7は応答測定モードに切り換える増幅器9とインピーダンス測定モードに切り換えるインピーダンス測定回路10とに接続しており、更にマイコン12に接続され制御される。
【0078】
また増幅器9とインピーダンス測定回路10とはA/Dコンバータ11を介してマイコン12に接続されている。またインピーダンス測定回路10とマイコン12はキャップ接続端子6に接続されており、更にマイコン12は装置に電力を供給する電源13と測定結果や操作を指示するメッセージ等を表示する表示部14、及び測定データや各種設定値等を記録しておくメモリ15とに接続して構成している。
【0079】
また電極保護キャップ1は、作用触媒導電体23’と参照触媒導電体27’とが本体接続端子6’に接続している。
【0080】
図8と図9とを用いて、本実施例の電気化学測定装置の動作を説明する。まず、電源スイッチ19により装置の電源をオンすると、ステップS60において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用側第1白金線21と作用側第2白金線22とをインピーダンス測定回路10に接続することにより、作用電極インピーダンス測定モードに切り換える。続くステップS61において、この2つの白金線間のインピーダンスを測定することにより作用電極基準触媒24に対して、後述する基準触媒劣化判定を行なう。
【0081】
ステップS62において、前述の基準触媒劣化判定結果が、一定以上劣化しているかどうか判断される。一定以上劣化している場合YESに進み、ステップS67において、作用電極基準触媒24が劣化又は基準触媒の量が不足していることを示すメッセージを表示部14に表示し、一定時間後に自動的に電源をオフする。
【0082】
また劣化していない場合NOに進み、ステップS63においてマイコン12によりモード切換部7を制御し、参照側第1白金線25と参照側第2白金線26とをインピーダンス測定回路10に接続することにより、参照電極インピーダンス測定モードに切り換える。続くステップS64において、この2つの白金線間のインピーダンスを測定することにより参照電極基準触媒24に対して、後述する基準触媒劣化判定を行なう。
【0083】
ステップS65において、前述の基準触媒劣化判定結果が、一定以上劣化しているかどうか判断される。一定以上劣化している場合YESに進み、ステップS67において、参照電極基準触媒24が劣化又は基準触媒の量が不足していることを示すメッセージを表示部14に表示し、一定時間後に自動的に電源をオフする。
【0084】
また、劣化していない場合NOに進み、ステップS66において、キャップ接続端子6が電極保護キャップ1の着脱マイコン12に伝達することにより、電極保護キャップ1が装着されているかどうか判断される。装着されていない場合NOに進み、ステップS68においてキャップの装着を指示するメッセージを表示部14に表示する。
【0085】
また、電極保護キャップ1が装着されている場合YESに進み、ステップS69においてマイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4をインピーダンス測定回路10に接続する。インピーダンス測定回路10からキャップ接続端子6にインピーダンス測定用交流電流を印加すると、交流電流は本体接続端子6’と作用触媒導電体23’を介して、ガラス隔膜23と作用電極基準触媒24、及び作用電極4に印加され、このガラス隔膜23と作用電極基準触媒24とを含む作用電極4のインピーダンス値と位相角とが測定される。
【0086】
続くステップS70においては、参照電極5をインピーダンス測定回路10に接続し、前記作用電極4と同様に、キャップ接続端子6と本体接続端子6’、及び参照触媒導電体27’とを介して、液絡部27と参照電極基準触媒28、及び参照電極5とに交流電流を印加し、この液絡部27と参照電極基準触媒28とを含む参照電極5のインピーダンス値と位相角とを測定する。
【0087】
ステップS71において、各電極において測定したインピーダンス値と位相角とから、各々抵抗成分と電気容量成分とを算出する。続くステップS72において、両電極の抵抗成分と電気容量成分とを合成し、両電極の合成抵抗成分Rと合成容量成分Cとを算出する。更にメモリ部15にRとCの値を記録し更新する。
【0088】
ステップS75において電極保護キャップ1を外したかどうかが判断される。外されていない場合はNOに進み、キャップを外すよう指示するメッセージを表示部14に表示する。キャップが外された場合はYESに進み、ステップS76においてマイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4と参照電極5とを増幅器9に接続することにより、応答測定モードに切り換える。続くステップS77において、両電極が被験液に浸漬され、両電極間に電位差Vが発生したかどうか判断される。電位差Vが発生していない場合、被験液に浸漬していないと判断しNOに進み、電位差Vの検出を繰り返す。
【0089】
また電位差Vが発生した場合には、両電極が被験液に浸漬されたと判断しYESに進み、ステップS78において、電位差発生時から、予め設定しておいた電位差測定時間間隔Δt後の電位差Vを測定する。
【0090】
ステップS79において、前記電位差Vと、ステップS72においてメモリ部15に記録した合成抵抗成分Rと合成抵抗成分Cとをパラメータとして、次式で表される被験液測定時の安定値Vcを予測する予測式に代入する。予測式は、Vc=V/(1−e(−Δt/C・R))で表される。
【0091】
ステップS80において、前記算出した予測値を表示部14に表示し、再びステップS78において測定を繰り返す。これにより、高精度な応答測定が可能であり、予測により測定時間を短縮することができる。
【0092】
次に、図8に示したフローチャートのステップS61とステップS64とにおいて行なう基準触媒劣化判定の処理手順について図9を用いて詳述する。
【0093】
図8のフローチャートにおいてステップS60とステップS63において、各電極側の第1及び第2白金線がインピーダンス測定回路10に接続されると、図9に示すフローチャートのステップS90において、各電極基準触媒を介して第1及び第2白金線間のインピーダンス値と位相角とを測定する。更にステップS91において、測定したインピーダンス値と位相角とから抵抗成分を算出する。ここで、この抵抗成分は、白金線表面の汚れによる劣化よりも、基準触媒の不足や汚れによる劣化の方がはるかに大きく影響することから、ステップS92において、この抵抗成分は各電極基準触媒の抵抗値であると見なす。
【0094】
ステップS93において、各電極基準触媒の正常なときの抵抗値は予め初期値として設定しメモリ部15に記録しておき、この初期値をメモリより読み込み、前記算出した抵抗値と比較して、ステップS94において、その程度差異があるかによって劣化判定を行なう。
【0095】
なお、第4実施例において不溶性導電体として白金線を用いたが、金、パラジウム、カーボン又は水銀等を用いても良い。
【0096】
なお、第1及び第2実施例で示した図3のフローチャートのステップS3とステップS4において、及び、第3実施例で示した図5のフローチャートのステップS32とステップS33において、及び、第4実施例で示した図8のフローチャートのステップS71とステップS72において、各電極のインピーダンス値と位相角との測定より抵抗成分と電気容量成分とを算出した。この両成分に加え更に各電極のインダクタンス成分も算出することにより、電極表面の平坦率や電極内部の孔空度合いを検出できることから、前記各フローチャートにおいて各々、ステップS21とステップS52、及びステップS79において、被験液測定時の安定値を予測する際の補正パラメータとして用いることで、より高精度な予測が可能である。
【0097】
本発明の第5実施例は、作用電極4に流れる電流値を測定するタイプの電気化学測定装置の一例である。図10に本実施例の機能構成ブロック図を示す。
【0098】
この図10の機能構成ブロック図は、第2実施例において図4で示した機能構成ブロック図において、増幅器9に変えて電流検出器31とポテンショスタット32、及び設定電位可変装置33とを加えて構成した部分のみ異なる。以下、この異なる構成部を説明する。
【0099】
第2実施例においては作用電極4と参照電極5とをモード切換部7を介して増幅器9に接続していたが、本実施例においては、作用電極4を電流検出器31に接続し、参照電極5は対電極17と共にポテンショスタット32を介して設定電位可変装置33に接続する。更に電流検出器31はポテンショスタット32とA/Dコンバータ11に接続されて構成する。
【0100】
本実施例の動作を図11のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートにおいて、ステップS101からステップS117までは、図3で示した第1実施例及び第2実施例のフローチャートのステップS1からステップS17までと同様であるが、ステップS118からステップS122までは、作用電極4に流れる電流を検出するため第1及び第2実施例と異なる。
【0101】
ステップS118において、マイコン12によりモード切換部7を制御し、作用電極4を電流検出器31へ接続し、且つ参照電極5と対電極17とをポテンショスタットへ接続することにより応答測定モードへの切り換えを行なう。ステップS119において、電流値Iが発生したかどうかを判断することにより、前記3つの電極が被験液に浸漬されたかどうかが判断される。電流値Iが発生していなければNOに進み、電流値の検出を繰り返す。
【0102】
また電流値Iが発生した場合YESに進み、ステップS120において、作用電極4に流れる電流値Iの測定を開始する。測定原理としては、参照電極5に発生する定電位を基準電位として、ポテンショスタット32と設定電位可変装置33とを用いて対電極の電位を基準電位に合わせようとするときに、作用電極に発生する電流値を電流検出器31を用いて測定するものである。これにより電流値Iの測定開始時から、予め設定しておいた一定時間間隔Δt後の電流値Iを測定する。
【0103】
ステップS121において、前記電流値Iと、ステップS115においてメモリ部15に記録した合成抵抗成分Rと合成抵抗成分Cとをパラメータとして、次式で表される被験液測定時の安定値Icを予測する予測式に代入する。予測式は、Ic=I/(1−e(−Δt/C・R))で表される。
【0104】
ステップS122において、前記算出した予測値を表示部14に表示し、再びステップS120において測定を繰り返す。これにより、ポーラログラフ式やクーロメトリ式等の電流値測定タイプの電気化学測定装置においても、同様の劣化判定やクリーニング、又は被験液測定時の安定値の予測を行なうことができる。
【0105】
【発明の効果】
本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とを補正パラメータとし、被験液測定時の電位差の安定値を予測する補正手段とを有することにより、被験液や他の電極を媒介とすることなく、各電極のみの電気容量成分と抵抗成分とを算出できるため、高精度に電位差の安定値を予測可能である。
【0106】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極のインダクタンス成分を更に測定することにより、電極表面の平坦率や電極内部の孔空度合いを検出できるため、これを補正パラメータとして用いることでより更に高精度に電位差の安定値を予測可能である。
【0107】
また本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とから各電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することにより、電極表面の研磨や専用の洗浄液を用いることなく、簡便に電極の洗浄を行なうことが可能である。
【0108】
前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極に交流電流を印加する、交流電流印加手段を更に備え、この交流電流の出力を切り換えることにより、前記クリーニング電流を発生させる出力切換手段を有することにより、クリーニング電流を発生させる電源を別途設ける必要がなく、コスト低減が可能である。
【0109】
また本発明の電気化学測定装置は、少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、各電極が被験液に浸漬した累積回数と累積時間との内、少なくとも一方の値から電極の使用状態を算出する使用状態算出手段と、前記使用状態算出手段により算出した電極の使用状態と、予め設定してある使用限界値とを比較することにより電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することにより、自動で電極の使用限界を検出できることから、洗浄時期や交換時期を簡便に知ることができる。
【0110】
また本発明の電気化学測定装置は、作用電極と参照電極とを有し、この作用電極と参照電極との内少なくとも一方が1つの電極と2つの不溶性導電体との3つの導電体を、被験液に反応させるための基準液や機能膜等の触媒で覆い、この触媒と被験液とを接触させる接触部を有して成り、被験液に対する両電極間の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、前記触媒を介し、前記2つの不溶性導電体間の抵抗成分を算出する抵抗成分算出手段と、前記抵抗成分算出手段により算出した抵抗成分と、予め設定してある触媒抵抗成分評価範囲とを比較し、触媒の劣化度合いを判定する触媒劣化判定手段と、前記触媒劣化判定手段の判定結果に基づき、触媒の劣化度合いを報知する報知手段とを有することにより、基準触媒の劣化や不足によって生じる誤差を低減することができる。
【0111】
本発明の電気化学測定装置は、作用電極と参照電極に更に対電極を加え、参照電極を基準電位とする電圧を対電極から作用電極に印加し、対電極と作用電極間に発生する電流値を測定することにより、ポーラログラフ式やクーロメトリ式等の電気化学測定装置においても、同様の劣化判定やクリーニングを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学測定装置の全体構成図である。
【図2】第1実施例の機能構成ブロック図である。
【図3】第1実施例のフローチャートである。
【図4】第2実施例の機能構成ブロック図である。
【図5】第3実施例のフローチャートである。
【図6】本発明の電気化学測定装置の別の全体構成図である。
【図7】第4実施例の機能構成ブロック図である。
【図8】第4実施例のメインフローチャートである。
【図9】第4実施例のサブフローチャートである。
【図10】第5実施例の機能構成ブロック図である。
【図11】第5実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
1  電極保護キャップ
2  センサ部
3  本体
4  作用電極
4’ 作用側キャップ導電体
5  参照電極
5’ 参照側キャップ導電体
6  キャップ接続端子
6’ 本体接続端子
7  モード切換部
8  クリーニング電流印加電源
9  増幅器
10 インピーダンス測定回路
11 A/Dコンバータ
12 マイコン
13 電源
14 表示部
15 メモリ部
16 交流電流出力切換部
17 対電極
18 共通キャップ導電体
19 電源スイッチ
21 作用側第1白金線
22 作用側第2白金線
23 ガラス隔膜
23’作用触媒導電体
24 作用電極基準触媒
25 参照側第1白金線
26 参照側第2白金線
27 液絡部
27’参照触媒導電体
28 参照電極基準触媒
29 作用側ガラス管
30 参照側ガラス管
31 電流検出器
32 ポテンショスタット
33 設定電位可変装置

Claims (7)

  1. 少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、
    各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、
    この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、
    前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とを補正パラメータとし、被験液測定時の電位差の安定値を予測する補正手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置。
  2. 前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極のインダクタンス成分を更に測定することを特徴とする請求項1記載の電気化学式測定装置。
  3. 少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、
    各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、
    この導電体を介して、各電極の電気容量成分と抵抗成分とを各々測定する電極測定手段と、
    前記電極測定手段により測定した各電極の電気容量成分と抵抗成分とから各電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、
    前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置。
  4. 前記電極測定手段は、前記導電体を介して各電極に交流電流を印加する、交流電流印加手段を更に備え、この交流電流の出力を切り換えることにより、前記クリーニング電流を発生させる出力切換手段を有することを特徴とする請求項3記載の電気化学測定装置。
  5. 少なくとも作用電極と参照電極とを有し、被験液に対する両電極の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、
    各電極に各々接触可能に設けられた導電体と、
    各電極が被験液に浸漬した累積回数と累積時間との内、少なくとも一方の値から電極の使用状態を算出する使用状態算出手段と、
    前記使用状態算出手段により算出した電極の使用状態と、予め設定してある使用限界値とを比較することにより電極の劣化度合いを判定する劣化判定手段と、
    前記劣化判定手段の判定結果に基づき、前記導電体を介して各電極にクリーニング電流を印加することにより、電極表面を洗浄する洗浄手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置。
  6. 作用電極と参照電極とを有し、この作用電極と参照電極との内少なくとも一方が1つの電極と2つの不溶性導電体との3つの導電体を、被験液に反応させるための基準液や機能膜等の触媒で覆い、この触媒と被験液とを接触させる接触部を有して成り、被験液に対する両電極間の電気化学応答により発生する電位差を測定する電気化学測定装置において、
    前記触媒を介し、前記2つの不溶性導電体間の抵抗成分を算出する抵抗成分算出手段と、
    前記抵抗成分算出手段により算出した抵抗成分と、予め設定してある触媒抵抗成分評価範囲とを比較し、触媒の劣化度合いを判定する触媒劣化判定手段と、
    前記触媒劣化判定手段の判定結果に基づき、触媒の劣化度合いを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気化学測定装置。
  7. 前記電気化学測定装置は、作用電極と参照電極に更に対電極を加え、参照電極を基準電位とする電圧を対電極から作用電極に印加し、対電極と作用電極間に発生する電流値を測定することを特徴とする請求項1乃至6記載の電気化学測定装置。
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JP2010537198A (ja) * 2007-08-21 2010-12-02 メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド 電気化学インピーダンス分光法によって検出されるセンサ誤動作に対処するための方法およびシステム
KR101424758B1 (ko) 2012-12-27 2014-08-01 한국광해관리공단 광산배수를 포함하는 지하수의 휴대용 중금속 검출 장치 및 이를 이용한 광산배수를 포함하는 지하수의 오염도 검출 방법
JP2017075950A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 エイチエム デジタル リミテッド 電極汚染報知機能を有する電気伝導度を用いた測定装置

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