JP2002055132A - 電気伝導率セルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定装置 - Google Patents

電気伝導率セルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定装置

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JP2002055132A
JP2002055132A JP2000243318A JP2000243318A JP2002055132A JP 2002055132 A JP2002055132 A JP 2002055132A JP 2000243318 A JP2000243318 A JP 2000243318A JP 2000243318 A JP2000243318 A JP 2000243318A JP 2002055132 A JP2002055132 A JP 2002055132A
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cell
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Yasuyuki Harada
康之 原田
Yuko Narasaki
夕子 楢崎
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DKK TOA Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気伝導率標準液を調製して電気伝導率セル
の汚れの点検を行う必要がなく、通常の電気伝導率測定
を行いながら簡便に電極の汚れを検知することができる
電気伝導率セルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定装置
を提供する。 【解決手段】 少なくとも一対の電極間(2a、2b)
に交流電圧を印加して、印加した交流電圧の波形と、電
極間に流れる電流の波形と、に基づいて電気伝導率セル
2の汚れを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気伝導率測定装
置が備える電気伝導率セルの汚れを検出する方法、及び
電気伝導率セルの汚れを判断することのできる電気伝導
率測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶液の電気伝導の割合を測定し、
溶液の成分や溶解物の割合を測定するために、電気伝導
率計が広く使用されている。電気伝導率の測定方法は、
JISK0101、同K0102、同K0130、同K
0040−13−10(水質−電気伝導率の測定)など
に個別の規格として規定されている。
【0003】一般的に、溶液の電気伝導率は溶液中に存
在するイオンに依存し、金属導体と同様にオームの法則
に従う。溶液の場合は、1m立方の相対する2面間の電
気抵抗を抵抗率とし、その逆数を電気伝導率としてS/
mの単位で表す。
【0004】電気伝導率の測定方法としては、少なくと
も一対の電極を備えた電気伝導率セル(以下、単に「セ
ル」と呼ぶ。)を被測定液に浸漬し、この電極間に電圧
を印加することで溶液の電気抵抗を測定して電気伝導率
を求める、所謂、電極法がある。
【0005】電極法による電気伝導率の測定では、電極
と溶液の界面に発生する分極抵抗や分極容量によって測
定誤差が生ずることが知られている。この電極と溶液の
界面に発生する分極による測定誤差を抑制するために、
一般に、セルの電極間には正弦波又は矩形波の交流電圧
を印加し、電極間に流れる電流を検出して電気伝導率に
換算する。
【0006】特公平7−1289号公報には、被測定液
中に浸漬した電極間に矩形波の交流電圧を印加して被測
定液の電気伝導率を測定する装置において、電流が一方
向に流れる過程で電極表面及びその外側に徐々に発生す
る分極の影響を許容し得る最小限度としようとする技術
が開示されている。この技術によれば、電極への印加電
圧が同じ極性である期間において少なくとも2つの点で
電極間に流れる電流をサンプリングし、これらの差或い
は比のいずれかを求めて所定値と比較し、この比較結果
に基づいて電極間に印加する周波数を高め、分極による
影響を抑制する。
【0007】一方、電極法による電気伝導率の測定値
は、被測定液によってセル内が汚染されることにより影
響される。例えば懸濁物質、グリース、油などが被測定
液中にあると電極面の汚れとなる。このような汚れは測
定値に大きく影響するのでセルの洗浄などを行う必要が
ある。
【0008】しかし、日常作業においてはこのようなセ
ルへの汚れの付着は確認し難く、その結果、セルのセル
定数(K=L/A:Lは電気伝導体の長さ(m)、Aは
電気伝導体の有効断面積(m2))が変化して、電気伝
導率の測定誤差となる問題がある。
【0009】JIS K 0102には、白金黒をメッ
キした電極の劣化に関して、電気伝導率標準液(塩化カ
リウム標準液)を用いた試験によってセルの点検を適宜
行い、測定値に3%の測定誤差が生じるような場合には
電極を白金黒で再メッキすることが記載されている。
【0010】このように、従来、セルへの汚れの付着に
よる測定誤差を防止するためには、定期的に電気伝導率
標準液を調製してセル定数の変化を点検し、セルの汚れ
を確認する必要があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気伝
導率標準液による試験では、電気伝導率標準液(例え
ば、塩化カリウム標準液:0.1mol/L、0.01
mol/L、0.001mol/LのKCl水溶液)を
調製する面倒があった。又、この方法では、温度管理を
正確に行わなければ正確にセル定数を点検することがで
きないなどの使用上の制約が多く、簡単に実施できると
は言い難い方法であった。
【0012】上記諸問題を解決するべく、本発明者らは
鋭意検討した結果、電気伝導率セルに汚れが付着すると
セルの界面に大きな分極容量(コンデンサ)が発生する
ことが分かった。その分極容量の測定値は、場合によっ
ては数十μFになることもあった。
【0013】セルに正弦波の交流電圧を印加する場合、
セルに流れる電流を検出することによって電気伝導率を
求めるが、セルが汚れることで発生するこの容量成分の
ために、検出される電流波形は、印加した電圧波形に対
して位相が進むことが分かった。セルの替わりに、電気
伝導率に換算した等価抵抗に分極容量と等価なコンデン
サを追加接続してみたところ、同様な位相の進みを再現
できた。その結果、本発明者らは、検出電流の位相の進
みによって、セルの汚れによる測定値の影響を検出する
ことができることを見出した。
【0014】又、本発明者らは、セルに矩形波を印加す
る場合には、セルが汚れることで発生した容量成分のた
めに、セルに流れる電流の波形が印加電圧の波形を微分
した波形となることから、セルに印加する交流電圧の周
期中の異なる2点の所定時間においてセルに流れる電流
を測定することによってセルの汚れによる測定値の影響
を検出することができることを見出した。
【0015】本発明は斯かる本発明者らの新規な知見に
基づくものである。
【0016】つまり、本発明の主たる目的は、電気伝導
率標準液を調製して電気伝導率セルの汚れの点検を行う
必要がなく、通常の電気伝導率測定を行いながら簡便に
電極の汚れを検知することができる電気伝導率セルの汚
れ検出方法及び電気伝導率測定装置を提供することであ
る。
【0017】又、本発明の目的は、簡便に電気伝導率セ
ルの汚れを検出でき、電気伝導率セルが汚れた場合には
それを操作者に報知し、常により正確な電気伝導率の測
定を行うことを可能とする電気伝導率セルの汚れ検出方
法及び電気伝導率測定装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、本発明に
係る電気伝導率セルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定
装置にて達成される。要約すると、第1の本発明によれ
ば、少なくとも一対の電極間に交流電圧を印加して、印
加した交流電圧の波形と、前記電極間に流れる電流の波
形と、に基づいて電気伝導率セルの汚れを判断すること
を特徴とする電気伝導率セルの汚れ検出方法が提供され
る。
【0019】第1の本発明の一実施態様によると、前記
電極間に正弦波の交流電圧を印加して、印加した交流電
圧の波形と前記電極間に流れる電流の波形の位相を比較
して前記電気伝導率セルの汚れを判断する。そして、本
発明の一実施態様によると、前記比較により、位相差が
所定値以上であるとき、前記電気伝導率セルが汚れてい
ると判断することができる。又、本発明の他の実施態様
によると、前記電気伝導率セルが汚れていない状態にお
ける、前記電極間に印加した交流電圧の波形と、前記電
極間に流れる電流の波形とに位相差が生じないように、
被測定溶液の電気伝導率範囲に応じて予め周波数及び電
圧値が設定された交流電圧を、前記電極間に印加する。
【0020】又、第1の本発明の他の実施態様による
と、前記電極間に正弦波の交流電圧を印加して、前記電
極間に流れる電流を、印加した交流電圧の波形に対して
同期検波して得た信号と、同期をかけずに検波して得た
信号とを比較して前記電気伝導率セルの汚れを判断す
る。そして、本発明の一実施態様によると、前記比較に
より、同期検波により得た電流測定値信号と、同期をか
けずに検波して得た電流測定値信号の差が所定値以上で
あるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると判断する
ことができる。又、本発明の他の実施態様によると、前
記電気伝導率セルが汚れていない状態における、前記電
極間に流れる電流を、印加した交流電圧の波形に対して
同期検波して得た信号と、同期をかけずに検波して得た
信号に差が生じないように、被測定溶液の電気伝導率範
囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定された交流電圧
を、前記電極間に印加する。
【0021】第2の本発明によると、少なくとも一対の
電極間に矩形波の交流電圧を印加して、指定した時間帯
の中の少なくとも2つの異なる時間において前記電極間
に流れる電流を測定して比較することで電気伝導率セル
の汚れを判断することを特徴とする電気伝導率セルの汚
れ検出方法が提供される。本発明の一実施態様による
と、前記少なくとも2つの異なる時間のうち少なくとも
1つの時間における測定は、前記電極間に印加する電圧
波形の各周期毎又はn周期毎に行うことができる。又、
他の実施態様によると、前記少なくとも2つの異なる時
間における測定は、前記電極間に印加する電圧波形の正
側の半サイクル、負側の半サイクル又は正負両サイクル
において行う。そして、本発明の一実施態様によると、
前記少なくとも2つの異なる時間としての時間t1及び
t2における測定値の比較により、t1における測定値
と、t2における測定値の差が所定値以上であるとき、
前記電気伝導率セルが汚れていると判断することができ
る。又、本発明の他の実施態様によると、前記電気伝導
率セルが汚れていない状態における、前記少なくとも2
つの異なる時間において前記電極間に流れる電流を測定
した値に差が生じないように、被測定溶液の電気伝導率
範囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定された交流電
圧を、前記電極間に印加する。
【0022】第3の本発明によると、少なくとも一対の
電極を備える電気伝導率セルと、前記電極間に交流電圧
を印加する電圧印加手段と、前記電極間に流れる電流を
検出する電流検出手段と、前記電極間に印加した交流電
圧の波形と前記電極間に流れる電流の波形とに基づいて
前記電気伝導率セルの汚れを判断する制御手段と、判断
結果を報知する報知手段と、を有することを特徴とする
電気伝導率測定装置が提供される。本発明の一実施態様
によると、前記電圧印加手段は、前記電極間に正弦波の
交流電圧を印加し、前記制御手段は、印加した交流電圧
の波形と前記電極間に流れる電流の波形の位相を比較し
て前記電気伝導率セルの汚れを判断する。そして、前記
比較により、位相差が所定値以上であるとき、前記電気
伝導率セルが汚れていると判断することができる。又、
本発明の他の実施態様によると、前記電圧印加手段は、
前記電気伝導率セルが汚れていない状態における、前記
電極間に印加した交流電圧の波形と、前記電極間に流れ
る電流の波形とに位相差が生じないように、被測定溶液
の電気伝導率範囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定
された交流電圧を、前記電極間に印加する。
【0023】又、第3の本発明の他の実施態様による
と、前記電圧印加手段は、前記電極間に正弦波の交流電
圧を印加し、前記制御手段は、前記電極間に流れる電流
を、印加した交流電圧の波形に対して同期検波して得た
信号と、同期をかけずに検波して得た信号とを比較して
前記電気伝導率セルの汚れを判断する。そして、本発明
の一実施態様によると、前記比較により、同期検波によ
り得た電流検出値信号と、同期をかけずに検波して得た
電流検出値信号の差が所定値以上であるとき、前記電気
伝導率セルが汚れていると判断することができる。又、
本発明の他の実施態様によると、前記電圧印加手段は、
前記電気伝導率セルが汚れていない状態における、前記
電極間に流れる電流を、印加した交流電圧の波形に対し
て同期検波して得た信号と、同期をかけずに検波して得
た信号に差が生じないように、被測定溶液の電気伝導率
範囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定された交流電
圧を、前記電極間に印加する。
【0024】第4の本発明によると、少なくとも一対の
電極を備える電気伝導率セルと、前記電極間に矩形波の
交流電圧を印加する電圧印加手段と、指定した時間帯の
中の少なくとも2つの異なる時間において前記電極間に
流れる電流を測定する電流検出手段と、測定された電流
値を比較して前記電気伝導率セルの汚れを判断する制御
手段と、判断結果を報知する報知手段と、を有すること
を特徴とする電気伝導率測定装置が提供される。本発明
の一実施態様によれば、前記少なくとも2つの異なる時
間のうち少なくとも1つの時間における測定は、前記電
極間に印加する電圧波形の各周期毎又はn周期毎に行う
ことができる。又、他の実施態様によれば、前記少なく
とも2つの異なる時間における測定は、前記電極間に印
加する電圧波形の正側の半サイクル、負側の半サイクル
又は正負両サイクルにおいて行う。そして、本発明の一
実施態様によると、前記少なくとも2つの異なる時間と
しての時間t1及びt2における測定値の比較により、
t1における測定値と、t2における測定値の差が所定
値以上であるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると
判断することができる。又、本発明の他の実施態様によ
ると、前記電圧印加手段は、前記電気伝導率セルが汚れ
ていない状態における、前記少なくとも2つの異なる時
間において前記電極間に流れる電流を測定した値に差が
生じないように、被測定溶液の電気伝導率範囲に応じて
予め周波数及び電圧値が設定された交流電圧を、前記電
極間に印加する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気伝導率セ
ルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定装置を図面に則し
て更に詳しく説明する。
【0026】実施例1 先ず、図1を参照して、本実施例の電気伝導率測定装置
1の概略構成を説明する。本実施例の電気伝導率測定装
置は、電極法によって溶液の電気伝導率を測定するよう
に構成される。電気伝導率測定装置1は、一対の電極2
a、2bを備えた電気伝導率セル(セル)2を被測定液
に浸漬し、電気伝導率測定用の交流電源(電源)3から
セル2の電極間に交流電圧を印加して、その時流れる電
流を電流検出手段7を用いて測定し、その出力をA/D
変換器4を介してCPU(中央演算処理装置)などとさ
れる制御手段5に入力する。制御手段5は、測定値にセ
ル定数や温度などの補正を加えて電気伝導率を算出し、
報知手段6に所定の様式にて電気伝導率の測定値を表示
させる。
【0027】本実施例では、電源3は、制御手段5の制
御の下で、セル2に正弦波の交流電圧(図2(a))を
印加する。又、電流検出手段7は検波器7aを備えてお
り、セル2の電極2a、2bの間に流れる電流を検波し
て電流を測定する。電流の測定値は、A/D変換器4を
介して制御手段5に入力する。本実施例では、検波器7
aは、セル2に流れる電流を、印加電圧の波形に対して
同期をかけることなく検波する。
【0028】尚、制御手段5は、電気伝導率の演算など
を行う演算部、演算に用いる定数や演算結果、或いは後
述するようなセル2に印加する電圧の条件などを記憶す
る記憶部、電源3や報知手段などに所定の指示を与える
指示部などを備え、電気伝導率測定装置1の動作を統轄
的に制御する。詳しい説明は省略するが、電流検出手段
7が、増幅器、演算増幅器などを備え得ることは、当業
者には当然理解されよう。又、セル2は、サーミスタな
どとされる温度検出手段を有している。更に、本実施例
のセル2は2つの電極を有する構成とされるが、本発明
はこれに限定されず、より多くの電極を有する構成とす
ることもできる。
【0029】上述したように、従来、電気伝導率測定装
置では、電極間に電流が流れる過程で電極と被測定液の
界面に発生する分極の影響を避けるために、セルに印加
する電圧としては、交流電圧が用いられる。しかし、こ
のように交流電圧を用いて電気伝導率を測定する場合に
も、電極間で一方向に電流が流れる過程において、電極
と被測定液の界面に分極が起こり、この分極が容量と同
等の影響を及ぼすことが知られている。
【0030】しかし、このような、電極間で一方向に電
流が流れる過程で電極面で発生する分極の影響は、被測
定溶液の電気伝導率範囲(測定範囲)に応じてセルに印
加する電圧の条件、即ち、周波数、電圧値(ピーク間電
圧Vp−p)、或いは周波数及び電圧値(ピーク間電圧
Vp−p)を適宜選択することによってその影響を抑制
し、要求測定精度の範囲で無視し得る程度まで極小化す
ることができる。
【0031】本実施例の電気伝導率測定装置1では、表
1に示すように測定範囲毎にセル2に印加する電圧の周
波数及び印加電圧値(Vp−p)を切り替え、電極間で
一方向に電流が流れる過程で電極と被測定液の界面に生
じる分極が起こらないようにする。本実施例の電気伝導
率測定装置1では、このような制御は、制御手段5が、
内蔵の記憶部に記憶された表1の条件に従って行う。
尚、このようなセル2に印加する電圧の条件の切り替え
は、自動で行っても、操作者が手動にて行っても良い。
【0032】
【表1】
【0033】ここで、清浄なセル2に正弦波の交流電圧
を印加すると、測定される電流の波形は印加した電圧の
波形と同じ正弦波となる(図2(b))。
【0034】一方、セル2の電極2a、2bの表面に汚
れが付いた場合、上述のようにセル2と被測定液の界面
に大きな分極容量(コンデンサ)が発生することが分か
った。このように容量成分が付加されると、測定される
電流の波形は、セル2に印加した交流電圧の正弦波を微
分した波形となると考えられる。しかし、実際には、被
測定液の抵抗があるために完全な微分とはならず、印加
した電圧の波形に対して位相が進んだ波形の正弦波とな
る(図2(c))。このことは、セル2の替わりに、電
気伝導率に換算した等価抵抗に分極容量と等価なコンデ
ンサを追加接続することによって、同様な位相の進みを
再現できることからも確認された。この汚れによる容量
成分は、場合によっては数十μFになることもある。
【0035】本実施例の電気伝導率測定装置1では、表
1に示したように、セル2において、電極間で一方向に
電流が流れる過程で電極面に発生する分極の影響は排除
されており、セル2が汚れていない場合、その影響によ
って測定された電流の波形の位相がずれることはない。
従って、このようにセル2に印加する電圧が制御されて
いるにも拘わらずに、測定された電流の波形の位相がず
れた場合、セル2の汚れの影響であると判断できる。
【0036】一例として、実際に汚れたセル2を用いて
検出した電流波形の印加電圧波形に対する位相差と、電
気伝導率指示値誤差との関係を調べた結果を表2に示
す。この結果は、東亜電波工業(株)製の電気伝導率計
CM−60Vを用い、被測定液としてKCl水溶液(電
気伝導率:10S/m)の電気伝導率を測定した際の、
セル2が清浄な場合と、汚れとして離型材である日本工
材(株)製NUCシリコンをセル2に付着させた場合と
を比較することによって得た。電気伝導率計CM−60
Vは、上述の表1に示した条件に従って、測定範囲に応
じた電圧をセル2に印加し、電極間で一方向に電流が流
れる過程で電極面に発生する分極の影響を抑制してい
る。
【0037】
【表2】
【0038】このように、セル2に流れる電流を検波し
た波形と印加した電圧の波形の位相差Xは、セル2の汚
れ度合いを示す。
【0039】そこで、本実施例の電気伝導率測定装置1
では、通常の電気伝導率測定を行いながら、印加した電
圧の波形(図2(a))と、セル2に流れる電流を検波
した波形(図2(c))とを比較して、両者の間に生じ
る位相差Xを測定する構成とする。即ち、検波器7aは
検波した電流の位相情報を制御手段5に送り、制御手段
5はこの情報と、セル2に印加した電圧の位相情報とを
比較して位相差Xを求める。
【0040】そして、制御手段5は、位相差Xが所定条
件を満たす場合、例えば位相差Xが所定値以上である場
合、セル2が汚れていると判定する。又、制御手段5
は、セル2が汚れていると判断した場合は、報知手段6
としての表示器にメッセージを表示したり、或いは警告
灯を点灯又は点滅することにより操作者にセル2が汚れ
たことを報知する。
【0041】例えば、本実施例の電気伝導率測定装置1
にて、測定範囲が0〜20S/mであり、周波数3KH
z、ピーク間電圧(Vp−p)12mVの正弦波電圧を
セル2に印加する場合、位相差Xが18度以上となった
ときに、セル2が汚れていると判定する。
【0042】尚、セル2が汚れていると判断する基準
は、上述の位相差Xが18度以上に限定されるものでは
なく、電気伝導率測定装置1の使用目的などによって要
求される測定精度との関係で異なる。又、当然、電気伝
導率測定装置1、セル2の構成、更にはセル2に印加す
る電圧の条件などによって異なるため、本発明を実施す
る各電気伝導率測定装置1で適宜決定すれば良い。各測
定範囲、要求測定精度に応じて、この基準値を複数設定
する構成とすることも可能である。
【0043】セル2に印加する電圧の波形と、検出され
た電流の波形との位相差Xの測定は、被測定液の電気伝
導率測定時に常に行う構成とすることもできるが、これ
に限定されるものではなく、予め設定される所定タイミ
ングにて行う構成とすることができる。例えば、電気伝
導率測定装置1の電源投入後一回目の測定時のみ行なっ
たり、操作者の指示により任意の測定時に行うような構
成にすることもできる。
【0044】以上、本発明によれば、電気伝導率標準液
(塩化カリウム標準液)などの標準液を調製せずに、通
常の測定を行いながらセル2の汚れを点検することがで
き、セル2が汚れている場合には、操作者にそれを報知
することができる。
【0045】実施例2 次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例
の電気伝導率測定装置は、実施例1のものと基本的に同
様の構成とされる。従って、同一機能、構成を有する要
素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0046】本実施例においても、電源3によって実施
例1と同様の正弦波の交流電圧をセル2に印加し、セル
2に流れる電流を検波して被測定液の電気伝導率を測定
する。このとき、本実施例では、印加電圧に対して同期
検波方式によって検波した信号と、同期をかけずに検波
した信号とを比較することによってセル2の汚れを判断
する構成とする。
【0047】更に説明すると、図3に示すように、電流
検出手段7は検波器7aを有しており、実施例1と同様
に、印加電圧の波形に対して同期をかけずにセル2に流
れる電流を検波し、セル2に流れる電流値を測定する。
更に、本実施例では、セル2に流れる電流を、同期検波
器7bを用いて印加電圧に対して同期をかけて検波し、
セル2に流れる電流値を測定する。測定された電流値は
それぞれA/D変換器4を介して制御手段5に入力され
る。
【0048】本実施例の電気伝導率測定装置1は、実施
例1と同様、一方向に電流が流れる過程で電極と被測定
液の界面に生じる分極が起こらないように、表1に示す
ような条件により、被測定溶液の電気伝導率範囲、即
ち、測定範囲(測定レンジ)に応じてセル2に印加する
電圧の条件、即ち、周波数及び印加電圧値(ピーク間電
圧Vp−p)を変化させる。
【0049】ここで、実施例1にて説明したように、セ
ル2が汚れている場合、セル2に正弦波の交流電圧を印
加すると、セル2に流れる電流の波形は、印加電圧の波
形に対して位相が進む。
【0050】この時、セル2に流れる電流を、印加電圧
に対して同期をかけずに検波する場合には、図4(b)
の斜線部、即ち、検波波形の同一極性側(図中正側)部
分からセルに流れる電流値が測定され、それに応じた信
号レベルが得られる。一方、セル2に流れる電流を、印
加電圧に対して同期をかけて検波する場合、図4(c)
の斜線部、即ち、負の部分を含んでいる検波波形部分か
らセルに流れる電流値が測定され、それに応じた信号レ
ベルが得られる。そのため、信号レベル(検出電流値)
が小さくなる。これにより、同期検波による信号と同期
をかけずに得た信号を比較すると、信号レベルに差が生
じることとなる。
【0051】本実施例の電気伝導率測定装置1では、上
述のように、セル2において、電極間で一方向に電流が
流れる過程にて電極面に発生する分極の影響は排除され
ているので、セル2が汚れていない場合、その影響によ
って、セル2に流れる電流を同期検波して得られた信号
レベルと、同期を掛けずに得られた信号レベルとには差
は生じない。従って、このようにセル2に印加する電圧
が制御されているにも拘わらずに、両方法によって検波
した信号レベルに差が生じた場合には、セル2の汚れに
よる影響であると判断できる。
【0052】そこで、本実施例では、例えば印加電圧に
対して同期をかけずに検波した電流測定値に基づいて被
測定液の通常の電気伝導率の測定を行うと共に、制御手
段5は、同期検波による信号と同期をかけずに得た信号
を比較する。
【0053】制御手段5は、同期検波した信号レベル
と、同期をかけずに検波した信号レベルとを比較して、
両レベルの差が所定条件を満たす場合にセル2が汚れて
いると判断する。ここで、両レベルの差とは、単に両値
の差のみを意味するものではない。例えば、同期をかけ
ずに検波して得た信号レベルに対する、同期検波して得
た信号レベルの誤差が所定値以上である場合、セル2が
汚れていると判定する。
【0054】又、制御手段5は、セル2が汚れていると
判断した場合には、報知手段6として表示器にメッセー
ジを表示したり、或いは警告灯を点灯又は点滅させるな
どして、セル2が汚れていることを操作者に報知する。
【0055】例えば、本実施例の電気伝導率測定装置1
にて、測定範囲が0〜20S/mであり、周波数3KH
z、ピーク間電圧(Vp−p)12mVの正弦波電圧を
セル2に印加する場合(表1)、同期をかけずに検波し
て得た信号レベルに対する、同期検波して得た信号レベ
ルの誤差が5%以上である場合、セル2が汚れていると
判定する。
【0056】尚、実施例1と同様に、セル2が汚れてい
ると判断する基準は、上述の誤差5%以上に限定される
ものではなく、電気伝導率測定装置1の使用目的などに
よって要求される測定精度との関係で異なる。又、当
然、電気伝導率測定装置1、セル2の構成、更にはセル
2に印加する電圧の条件などによって異なるため、本発
明を実施する各電気伝導率測定装置1で適宜決定すれば
良い。各測定範囲、要求測定精度に応じて、この基準値
を複数設定する構成とすることも可能である。
【0057】又、実施例1と同様、同期検波による信号
と、同期をかけずに得た信号とのレベルの比較は、被測
定液の電気伝導率測定時に常に行ったり、或いは予め設
定される所定のタイミングにて行う構成とすることがで
きる。
【0058】以上、本発明によれば、電気伝導率標準液
(塩化カリウム標準液)などの標準液を調製せずに、通
常の測定を行いながらセル2の汚れを点検することがで
き、セル2が汚れている場合には、操作者にそれを報知
することができる。
【0059】実施例3 次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実
施例の電気伝導率測定装置1は、基本的には実施例1及
び2の電気伝導率測定装置1と同様とされるので、同一
機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説
明は省略する。
【0060】本実施例では、電源3によりセル2に矩形
波電圧を印加して、セル2に流れる電流を測定すること
によって被測定液の電気伝導率を測定する。本実施例の
電気伝導率測定装置1に設けられる電流検出手段7は、
セル2に印加する交流電圧の周期中の、所定期間の電流
をサンプリングするサンプリング手段7cを備えている
(図5)。サンプリング手段7cにてサンプリングされ
た電流値は、A/D変換器4を介して制御手段5に入力
される。
【0061】本実施例の電気伝導率測定装置1は、実施
例1及び2と同様に、電極間で一方向に電流が流れる過
程で、電流と被測定液の界面に生じる分極が起こらない
ように、表2に示す通り、被測定溶液の電気伝導率範囲
(測定範囲)に応じてセル2に印加する電圧の条件、即
ち、周波数及び印加電圧値(ピーク間電圧Vp−p)を
切り替える。
【0062】
【表3】
【0063】ここで、図6に示すように、清浄なセル2
に矩形波の交流電圧(図6(a))を印加すると、測定
される電流の波形は印加した電圧の波形と同じ矩形波と
なる(図6(b))。一方、セル2の電極(2a、2
b)の表面が汚れている場合、セル2に直列に容量成分
が付加されたことになり、測定される電流は矩形波を微
分した波形になる(図6(c))。これにより、セル2
に印加する矩形波電圧の周期中、指定された範囲内の互
いに異なる時間t1、t2において電流を測定すると、
両測定値に差が生じることとなる。
【0064】本実施例の電気伝導率測定装置1では、表
2に示したように、セル2において、電極間で一方向に
電流が流れる過程で電極面に発生する分極の影響は排除
されているので、その影響により、セル2が汚れていな
い場合には、時間t1、t2にて測定した電流値に差は
生じない。従って、このようにセル2に印加する電圧が
制御されているにも拘わらずに、時間t1、t2におけ
る電流値に差が生じた場合、セル2の汚れによる影響で
あると判断できる。
【0065】一例として、実際に汚れたセル2を用いて
電流を測定した結果を表4に示す。尚、時間t1、t2
における表4中電流の測定値は、電気伝導率(S/m)
に換算して示している。この結果は、東亜電波工業
(株)製の電気伝導率計CM−40Gを用いて、セル2
に離型材である日本工材(株)NUCシリコンを付着さ
せて汚し、被測定液であるKCl水溶液の電気伝導率を
測定することによって得た。電気伝導率計CM−40G
は、上述の表3に示した条件に従って、測定範囲に応じ
た電圧をセル2に印加し、電極間で一方向に電流が流れ
る過程で電極面に発生する分極の影響を抑制している。
【0066】
【表4】
【0067】このように、セル2に印加された交流電圧
の異なる時間に対して電流を測定して比較することによ
って、セル2の汚れを判断することができる。
【0068】そこで、図6に示すように、セル2に流れ
る電流を測定する指定時間帯として、本実施例では、セ
ル2に印加する電圧の正側の半周期を指定し、先ず電気
伝導率の測定のために、印加電圧の時間帯t1において
電流を測定する。そして、更に時間帯t1とは異なる時
間帯t2において電流を測定する。時間帯t1、t2に
おける電流の測定値はそれぞれ制御手段5に入力され
る。本実施例では、被測定液の電気伝導率範囲が0〜2
0S/mであり、セル2に、周波数3KHz、印加電圧
値(10mVp−p)の矩形波電圧を印加する場合、印
加電圧の正側半周期における互いに異なる時間帯のそれ
ぞれt1=80μsec、t2=80μsec間の電流
値を測定した。
【0069】こうして、制御手段5は、時間t1にて測
定した電流値から被測定溶液の電気伝導率を算出すると
共に、時間t1にて測定した電流値と、時間t2にて測
定した電流値とを比較することができる。
【0070】制御手段5は、t1の測定結果とt2の測
定結果を比較して、t1、t2における電流測定値の差
が所定条件を満たす場合にセル2が汚れたと判定する。
ここで、両測定値の差とは、単に両値の差のみを意味す
るものではなく、例えばt1における測定結果に対する
t2における測定結果の誤差が所定値以上である場合
に、セル2が汚れたと判定する。
【0071】又、制御手段5は、セル2が汚れていると
判断した場合には、報知手段6として表示器にメッセー
ジを表示したり、或いは警告灯を点灯又は点滅させるな
どして、セル2が汚れていることを操作者に報知する。
【0072】例えば、本実施例の電気伝導率測定装置1
にて、測定範囲が0〜20S/mであり、周波数3KH
z、ピーク間電圧(Vp−p)10mVの矩形波電圧を
セル2に印加する場合、t1における測定結果に対す
る、t2における測定結果の誤差が2%違っていればセ
ル2が汚れていると判定する。
【0073】尚、セル2が汚れていると判断する基準
は、上述の誤差2%に限定されるものではなく、実施例
1及び2と同様に、電気伝導率測定装置1の使用目的な
どによって要求される測定精度との関係で異なる。又、
当然、電気伝導率測定装置1、セル2の構成、更にはセ
ル2に印加する電圧の条件などによって異なるので、本
発明を実施する各電気伝導率測定装置1で適宜決定すれ
ば良い。各測定範囲、要求測定精度に応じて、この基準
値を複数設定する構成とすることも可能である。
【0074】時間t2における電流の測定は、各周期ご
とに毎回測定しても、n周期(nは任意に定めることが
できる。)に1回測定してもよい。又、本実施例では、
電流を測定するための指定時間帯として、時間t0、t
1及びt2を印加電圧の正側の半サイクルに設けたが、
当然これらt0、t1及びt2は、正側の半サイクル、
負側の半サイクル、或いは両サイクルにおいて設けても
よい。
【0075】尚、図6において、時間帯t0は測定待機
時間であり、電圧変化直後に電流を測定すると測定値が
不安定となるため設けられる待機時間である。又、上述
のように、時間t1は電気伝導率を測定するための電流
測定部分であり、時間t1は波形の全域でも一部分でも
かまわない。又、時間t2はセル2の汚れを判定するた
めに電流を測定する部分であり、時間t1と異なればど
こでもかまわない。
【0076】以上、本発明によれば、電気伝導率標準液
(塩化カリウム標準液)などの標準液を調製せずに、通
常の測定を行いながらセル2の汚れを点検することがで
き、セル2が汚れている場合には、操作者にそれを報知
することができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気伝導
率セルの汚れ検出方法及び電気伝導率測定装置は、少な
くとも一対の電極間に交流電圧を印加して、印加した交
流電圧の波形と、電極間に流れる電流の波形と、に基づ
いて電気伝導率セルの汚れを判断する構成とされるか、
或いは、少なくとも一対の電極間に矩形波の交流電圧を
印加して、指定した時間帯の中の少なくとも2つの異な
る時間において電極間に流れる電流を測定して比較する
ことで電気伝導率セルの汚れを判断する構成とされるの
で、電気伝導率標準液などを調製せずに、実際に通常の
測定を行いながら簡便に電気伝導率測定装置のセルの汚
れを点検して、セルが汚れていると判断した場合にはそ
れを操作者に報知することができるので、常により正確
な測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気伝導率測定装置の一実施例の
概略回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る電気伝導率セルの汚れ検出方法を
説明するための、(a)セルに印加する電圧波形(正弦
波)、(b)清浄なセルによる検出電流波形、(c)汚
れたセルによる検出電流波形をそれぞれ示すグラフ図で
ある。
【図3】本発明に係る電気伝導率測定装置の他の実施例
の概略回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る電気伝導率セルの汚れ検出方法を
説明するための、(a)セルに印加する電圧波形(正弦
波)、(b)汚れたセルによる検出電流波形(斜線部は
同期をかけない検波波形)、(c)汚れたセルによる検
出電流波形(斜線部は同期検波波形)をそれぞれ示すグ
ラフ図である。
【図5】本発明に係る電気伝導率測定装置の更に他の実
施例の概略回路構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る電気伝導率セルの汚れ検出方法を
説明するための、(a)セルに印加する電圧波形(矩形
波)、(b)清浄なセルによる検出電流波形、(c)汚
れたセルによる検出電流波形をそれぞれ示すグラフ図で
ある。
【符号の説明】
1 電気伝導率測定装置 2 電気伝導率セル(セル) 3 電圧印加手段(交流電源) 4 A/D変換器 5 制御手段 6 報知手段 7 電流検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G028 AA01 BC04 CG02 DH05 GL03 LR02 LR04 2G060 AA06 AD05 AE07 AF03 AF08 AF10 FA01 FA14 HA02 HC03 HC07 HC13 HC15 HC19 HC22 HD01 HD03 HE03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の電極間に交流電圧を印
    加して、印加した交流電圧の波形と、前記電極間に流れ
    る電流の波形と、に基づいて電気伝導率セルの汚れを判
    断することを特徴とする電気伝導率セルの汚れ検出方
    法。
  2. 【請求項2】 前記電極間に正弦波の交流電圧を印加し
    て、印加した交流電圧の波形と前記電極間に流れる電流
    の波形の位相を比較して前記電気伝導率セルの汚れを判
    断することを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記比較により、位相差が所定値以上で
    あるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると判断する
    ことを特徴とする請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 前記電気伝導率セルが汚れていない状態
    における、前記電極間に印加した交流電圧の波形と、前
    記電極間に流れる電流の波形とに位相差が生じないよう
    に、被測定溶液の電気伝導率範囲に応じて予め周波数及
    び電圧値が設定された交流電圧を、前記電極間に印加す
    ることを特徴とする請求項2又は3の方法。
  5. 【請求項5】 前記電極間に正弦波の交流電圧を印加し
    て、前記電極間に流れる電流を、印加した交流電圧の波
    形に対して同期検波して得た信号と、同期をかけずに検
    波して得た信号とを比較して前記電気伝導率セルの汚れ
    を判断することを特徴とする請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 前記比較により、同期検波により得た電
    流測定値信号と、同期をかけずに検波して得た電流測定
    値信号の差が所定値以上であるとき、前記電気伝導率セ
    ルが汚れていると判断することを特徴とする請求項5の
    方法。
  7. 【請求項7】 前記電気伝導率セルが汚れていない状態
    における、前記電極間に流れる電流を、印加した交流電
    圧の波形に対して同期検波して得た信号と、同期をかけ
    ずに検波して得た信号に差が生じないように、被測定溶
    液の電気伝導率範囲に応じて予め周波数及び電圧値が設
    定された交流電圧を、前記電極間に印加することを特徴
    とする請求項5又は6の方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも一対の電極間に矩形波の交流
    電圧を印加して、指定した時間帯の中の少なくとも2つ
    の異なる時間において前記電極間に流れる電流を測定し
    て比較することで電気伝導率セルの汚れを判断すること
    を特徴とする電気伝導率セルの汚れ検出方法。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも2つの異なる時間のうち
    少なくとも1つの時間における測定は、前記電極間に印
    加する電圧波形の各周期毎又はn周期毎に行うことがで
    きることを特徴とする請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも2つの異なる時間にお
    ける測定は、前記電極間に印加する電圧波形の正側の半
    サイクル、負側の半サイクル又は正負両サイクルにおい
    て行うことを特徴とする請求項8又は9の方法。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも2つの異なる時間とし
    ての時間t1及びt2における測定値の比較により、t
    1における測定値と、t2における測定値の差が所定値
    以上であるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると判
    断することを特徴とする請求項8、9又は10の方法。
  12. 【請求項12】 前記電気伝導率セルが汚れていない状
    態における、前記少なくとも2つの異なる時間において
    前記電極間に流れる電流を測定した値に差が生じないよ
    うに、被測定溶液の電気伝導率範囲に応じて予め周波数
    及び電圧値が設定された交流電圧を、前記電極間に印加
    することを特徴とする請求項8〜11のいずれかの項に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも一対の電極を備える電気伝
    導率セルと、前記電極間に交流電圧を印加する電圧印加
    手段と、前記電極間に流れる電流を検出する電流検出手
    段と、前記電極間に印加した交流電圧の波形と前記電極
    間に流れる電流の波形とに基づいて前記電気伝導率セル
    の汚れを判断する制御手段と、判断結果を報知する報知
    手段と、を有することを特徴とする電気伝導率測定装
    置。
  14. 【請求項14】 前記電圧印加手段は、前記電極間に正
    弦波の交流電圧を印加し、前記制御手段は、印加した交
    流電圧の波形と前記電極間に流れる電流の波形の位相を
    比較して前記電気伝導率セルの汚れを判断することを特
    徴とする請求項13の電気伝導率測定装置。
  15. 【請求項15】 前記比較により、位相差が所定値以上
    であるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると判断す
    ることを特徴とする請求項14の電気伝導率測定装置。
  16. 【請求項16】 前記電圧印加手段は、前記電気伝導率
    セルが汚れていない状態における、前記電極間に印加し
    た交流電圧の波形と、前記電極間に流れる電流の波形と
    に位相差が生じないように、被測定溶液の電気伝導率範
    囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定された交流電圧
    を、前記電極間に印加することを特徴とする請求項14
    又は15の電気伝導率測定装置。
  17. 【請求項17】 前記電圧印加手段は、前記電極間に正
    弦波の交流電圧を印加し、前記制御手段は、前記電極間
    に流れる電流を、印加した交流電圧の波形に対して同期
    検波して得た信号と、同期をかけずに検波して得た信号
    とを比較して前記電気伝導率セルの汚れを判断すること
    を特徴とする請求項13の電気伝導率測定装置。
  18. 【請求項18】 前記比較により、同期検波により得た
    電流測定値信号と、同期をかけずに検波して得た電流測
    定値信号の差が所定値以上であるとき、前記電気伝導率
    セルが汚れていると判断することを特徴とする請求項1
    7の電気伝導率測定装置。
  19. 【請求項19】 前記電圧印加手段は、前記電気伝導率
    セルが汚れていない状態における、前記電極間に流れる
    電流を、印加した交流電圧の波形に対して同期検波して
    得た信号と、同期をかけずに検波して得た信号に差が生
    じないように、被測定溶液の電気伝導率範囲に応じて予
    め周波数及び電圧値が設定された交流電圧を、前記電極
    間に印加することを特徴とする請求項17又は18の電
    気伝導率測定装置。
  20. 【請求項20】 少なくとも一対の電極を備える電気伝
    導率セルと、前記電極間に矩形波の交流電圧を印加する
    電圧印加手段と、指定した時間帯の中の少なくとも2つ
    の異なる時間において前記電極間に流れる電流を測定す
    る電流検出手段と、測定された電流値を比較して前記電
    気伝導率セルの汚れを判断する制御手段と、判断結果を
    報知する報知手段と、を有することを特徴とする電気伝
    導率測定装置。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも2つの異なる時間のう
    ち少なくとも1つの時間における測定は、前記電極間に
    印加する電圧波形の各周期毎又はn周期毎に行うことが
    できることを特徴とする請求項20の電気伝導率測定装
    置。
  22. 【請求項22】 前記少なくとも2つの異なる時間にお
    ける測定は、前記電極間に印加する電圧波形の正側の半
    サイクル、負側の半サイクル又は正負両サイクルにおい
    て行うことを特徴とする請求項20又は21の電気伝導
    率測定装置。
  23. 【請求項23】 前記少なくとも2つの異なる時間とし
    ての時間t1及びt2における測定値の比較により、t
    1における測定値と、t2における測定値の差が所定値
    以上であるとき、前記電気伝導率セルが汚れていると判
    断することを特徴とする請求項20、21又は22の電
    気伝導率測定装置。
  24. 【請求項24】 前記電圧印加手段は、前記電気伝導率
    セルが汚れていない状態における、前記少なくとも2つ
    の異なる時間において前記電極間に流れる電流を測定し
    た値に差が生じないように、被測定溶液の電気伝導率範
    囲に応じて予め周波数及び電圧値が設定された交流電圧
    を、前記電極間に印加することを特徴とする請求項20
    〜23のいずれかの項に記載の電気伝導率測定装置。
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