JP2004116815A - 廃棄物処理システム - Google Patents

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Nobuo Ebara
江原 信夫
Isamu Kawakami
河上 勇
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】燃料のランニングコストの低減、廃棄物の燃焼溶融の安定化が図られる廃棄物処理システムを提供する。
【解決手段】種々の廃棄物Aの内、第一廃棄物Bのその一部を、溶融炉3では無くガス化炉2に供給し、ガス化炉2で部分燃焼して熱分解ガスを生成し、当該熱分解ガスを溶融炉3の燃料燃焼装置3aの燃料とすると共に溶融炉3に残りの廃棄物を供給して燃焼溶融することで、従来燃料燃焼装置で必要とされていた燃料を大幅に低減する。また、熱分解ガス生成源である第一廃棄物Bの全部というのでは無く一部をガス化炉2に供給することで、システム搬入量の変動に左右され難く安定した性状の熱分解ガスを生成する。また、溶融炉3に対して不適であるがガス化炉2に対して適しているものが多い第一廃棄物Bの一部をガス化炉2に供給することで、安定した性状の熱分解ガスを一層生成すると共に溶融炉3への不適な廃棄物の供給を低減する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の産業廃棄物を含む廃棄物を処理する廃棄物処理システムが注目されている。この廃棄物処理システムとしては、種々の廃棄物を、ロータリーキルン(溶融炉)に投入し入口側から出口側に移動させる間に、例えば灯油等を燃料としたバーナ(燃料燃焼装置)による加熱で燃焼溶融するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−228124号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような廃棄物処理システムに採用される溶融炉にあっては、燃料燃焼装置の燃料のランニングコストの低減、廃棄物の燃焼溶融の安定化及び熱効率の向上が更に望まれている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、燃料のランニングコストの低減、廃棄物の燃焼溶融の安定化及び熱効率の向上が図られる廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による廃棄物処理システムは、搬入される種々の廃棄物に所定の処理を施す廃棄物処理システムであって、搬入される種々の廃棄物の内、部分燃焼されると燃料燃焼装置の燃料と成り得る熱分解ガスを生じる廃棄物を、第一廃棄物として、その一部を後段に供給する第一供給手段と、搬入される種々の廃棄物の内、第一廃棄物の一部を除く残りの廃棄物を後段に供給する第二供給手段と、第一供給手段から供給される第一廃棄物の一部を部分燃焼して熱分解ガスを生成するガス化炉と、燃料燃焼装置を備えガス化炉からの熱分解ガスを燃料として燃焼して、第二供給手段から供給される残りの廃棄物を燃焼溶融する溶融炉と、を具備した。
【0007】
このように構成された廃棄物処理システムによれば、種々の廃棄物の内、第一廃棄物のその一部が、溶融炉では無くガス化炉に供給され、当該ガス化炉で部分燃焼されて熱分解ガスが生成され、当該熱分解ガスが溶融炉の燃料燃焼装置の燃料とされると共に溶融炉に残りの廃棄物が供給されて燃焼溶融されるため、従来燃料燃焼装置で必要とされていた例えば灯油等の燃料が大幅に低減される。また、このように熱分解ガス生成源である第一廃棄物の全部というのでは無く一部がガス化炉に供給されるため、システム搬入量の変動に左右され難く安定した性状の熱分解ガスが当該ガス化炉で生成され燃料として供される。また、熱分解ガス生成源である第一廃棄物としては、固定炭素が多く、燃焼用空気との接触が少ない溶融炉では燃焼しきるのが難しいがガス化炉では燃焼用空気との接触が多く容易に燃焼される例えば木屑、繊維屑、木材等の建設廃材等や、固定炭素が少ない一方で燃焼速度が速く溶融炉では燃焼ムラを生じるがガス化炉では空気比1以下での緩慢燃焼に従って燃焼ムラ無く燃焼される例えば廃プラスチック、ゴム屑等が挙げられ、このように溶融炉に対して不適であるがガス化炉に対して適している第一廃棄物の一部がガス化炉に供給されるため、安定した性状の熱分解ガスが当該ガス化炉で一層生成され燃料として供されると共に溶融炉への不適な廃棄物の供給が低減される。また、このように種々の廃棄物の全部が溶融炉で燃焼溶融されるのでは無いため、溶融炉が小型化されると共にガス化炉も熱分解ガスを生成するのみの目的から小型化され、これらの小型化に従ってシステムの放熱量が低くされ得る。
【0008】
ここで、ガス化炉に供給される第一廃棄物の一部の量は、溶融炉で残りの廃棄物を燃焼溶融する際に必要とされる熱分解ガスをガス化炉で生成するのに必要な量に相当する量とするのが好ましい。このような構成を採用した場合、燃料燃焼装置で必要とされていた例えば灯油等の燃料が殆ど不要とされる。
【0009】
また、現況の廃棄物処理システムでは、種々の廃棄物は、当該システムに分別して搬入されるが、このように分別して搬入されていると、システム内で分別すること無く容易に上記処理に供される。
【0010】
また、溶融炉は、ロータリーキルンであると、上記作用を効果的に奏するのに好適であると共に、他の溶融炉に比して比較的大きなサイズの廃棄物を直接供給しての燃焼溶融が可能であり、従って、前段に破砕機が不要若しくは破砕機を設置した場合でもその能力が低いもので済み、消費電力が低減されると共に、他の溶融炉に比して廃棄物の滞留時間が長くされ、再利用性の高い良質で均質なスラグが得られると共に高いスラグ化率が達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による廃棄物処理システムの好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る廃棄物処理システムを示す概略構成図である。
【0012】
この廃棄物処理システム1は、産業廃棄物を含む廃棄物Aを所定に処理するもので、概略、被処理物を部分燃焼するガス化炉2と、燃料燃焼装置3aを有し被処理物を燃焼溶融するロータリーキルン3と、を具備している。
【0013】
ここで、廃棄物Aは、その各々が分別してシステム1に搬入され、本実施形態では、廃プラスチック、ゴム屑、木屑、繊維屑、木材等の建設廃材、シュレッダーダスト等を、第一廃棄物Bとし、可燃残渣、不燃残渣、汚泥、焼却灰、医療性廃棄物等を、第一廃棄物Bを除く廃棄物Cとして分けて取り扱い、これらの廃棄物B,Cを、その性状等に応じて、ガス化炉2、ロータリーキルン3の被処理物とする(詳しくは後述)。
【0014】
分別して搬入される廃棄物B,Cに対しては、当該廃棄物B,Cをロータリーキルン3に個別に供給する供給ラインL2a,L2bが各々設定されている。また、供給ラインL2a,L2bの途中には、廃棄物を所望のサイズに破砕する破砕機4,5が各々配設されている。なお、廃棄物Cの内、特に医療性廃棄物は、破砕機5で破砕すると、作業者がメンテナンス作業等を行う際に衛生上の問題が生じる虞があるため、当該医療性廃棄物に対しては、破砕機5を迂回してロータリーキルン3へ直接投入する供給ラインL2cが設定されている。
【0015】
供給ラインL2aは、破砕機4より下流位置で分岐され、この分岐位置から廃棄物Bをガス化炉2に供給する供給ラインL1が設定されている。この分岐位置には、例えばダンパ等の経路切換装置7が配設されている。この経路切換装置7は、廃棄物Bの経路を、供給ラインL1又は供給ラインL2aの何れか一方に選択的に切り換えるものである。そして、この経路切換装置7は、制御装置8により、廃棄物Bの一部が供給ラインL1に向かうように切り換え制御される(詳しくは後述)。
【0016】
従って、供給ラインL1が、廃棄物Bの一部をガス化炉2に供給する供給ライン(第一供給手段)とされ、供給ラインL2a,L2b,L2cを備える供給ラインL2が、第一廃棄物Bの一部を除く残りの廃棄物をロータリーキルン3に供給する供給ライン(第二供給手段)とされる。そして、これらの供給ラインL1,L2は、廃棄物を搬送する例えばコンベアやフィーダ等を備える構成とされている。
【0017】
ここで、供給ラインL2aの破砕機4は、廃棄物をガス化炉2に投入するのに好ましいサイズである100mm程度以下とすべくそれ以上のサイズの廃棄物を破砕するものが用いられ、供給ラインL2bの破砕機5は、廃棄物をロータリーキルン3に投入するのに好ましいサイズである200mm程度以下とすべくそれ以上のサイズの廃棄物を破砕するものが用いられている。
【0018】
ガス化炉2は、所謂流動層式ガス化炉であり、縦長の略円筒形状を成し、炉内を燃焼室として、炉内下部に、導入される廃棄物を部分燃焼して熱分解させる流動層2aを備えると共に、炉内上部に、熱分解により発生する熱分解ガスを燃焼用空気を導入して改質する所謂フリーボード(上部空間)2bを備えている。
【0019】
このガス化炉2では、フリーボード2bの温度を800〜950°Cに、流動層2aの温度を450〜800°Cに、ガスの滞留時間を5秒以上に、ガス化炉内圧力を−20〜300kPaGに、各々設定して好適な運転を実施する。
【0020】
ガス化炉2の底部には、廃棄物を部分燃焼することで生じる炉底灰(ボトムアッシュ)を、ロータリーキルン3の被処理物とすべく上記供給ラインL2bに供給する供給ラインL3が接続されている。この供給ラインL3も、上記供給ラインL1,L2と同様に、例えばコンベアやフィーダ等を備える構成とされている。
【0021】
また、ガス化炉2の上部には、廃棄物を部分燃焼することで生じる熱分解ガスを、ロータリーキルン3の燃料燃焼装置3aの燃料として供給するガスラインL4が接続されている。
【0022】
なお、ガス化率を高めるべくガスラインL4に固気分離装置としてのサイクロンを配設し、ガス化炉2のフリーボード2bからの熱分解ガスに含まれる所定の粒径以上の固形分を分離し、ガス化炉2内に戻してその中に含む未燃炭素分を再びガス化させる一方で、熱分解ガスを、ガスラインL4を介して、燃料燃焼装置3aの燃料として供給するようにしても良い。これにより、熱分解ガスに随伴されて燃料燃焼装置3aに供給される飛灰チャー(フライアッシュ)の粒径の均一性が高められ、この飛灰チャーも燃料燃焼装置3aの燃料として燃焼されることになるから、燃料燃焼装置3aの燃料として一層好ましい。
【0023】
ロータリーキルン3は、円筒形状を成す炉を略横置きして成るもので、回転炉長(L)/回転炉径(D)<5とされる所謂ショートキルンである。このロータリーキルン3は、入口側となる前部(図示左側)から出口側となる後部(図示右側)に向かって下方に所定に傾斜するようにして配設され、その前端部が固定部としての前支持部3cにより閉じられていると共に回転自在に支持され、その後端部が固定部としての二次燃焼塔6に挿入されて回転自在に支持されている。なお、本システム1では、特に好適であるとして、ショートキルンを採用しているが、例えばロングキルンを用いることも可能である。
【0024】
前支持部3cには、上記供給ラインL2a,L2b,L2cに接続されて上流側からの廃棄物を炉内に導入する入口としての導入ダクト3bが貫設され、ロータリーキルン3は、所定の速度で回転することで、炉内の廃棄物を入口側の前部から後端面の出口3dに向かって搬送する。
【0025】
また、前支持部3cには、上記燃料燃焼装置3aが配設されている。この燃料燃焼装置3aは、例えばバーナ等であり、前支持部3cを貫通して炉内に導入され、ガスラインL4を介して供給される燃料としての熱分解ガスを、前支持部3cを貫通して炉内に導入される燃焼用空気を用いて燃焼させる。この燃料燃焼で生じる高温の燃焼ガス及び火炎は、廃棄物の移動方向(図示左側から右側)と同じ方向に向かい、ロータリーキルン3の回転で前部から後部へ移動する廃棄物と接触して当該廃棄物を燃焼溶融して溶融スラグを生成する。
【0026】
ここで、このロータリーキルン3では、溶融温度を1200〜1300°Cに設定して好適な運転を実施する。そして、このような好適な運転で、極めて高いスラグ化率を達成する。
【0027】
そして、ロータリーキルン3の出口3dは、炉内での廃棄物の燃焼溶融で生じる溶融スラグ及び燃焼排ガスの共通出口とされ、この出口3dに連絡される二次燃焼塔6は、出口3dの上部側に、出口3dから排出される燃焼排ガスを二次燃焼用空気を用いて二次燃焼させる二次燃焼室6aを備えると共に、下部側に、出口3dから流下する溶融スラグを急水冷して水砕スラグを得るスラグ貯留水槽(不図示)を備えている。また、上記二次燃焼室6aには、当該二次燃焼塔6aからの燃焼ガスを浄化処理する排ガス処理設備(不図示)が接続されている。
【0028】
また、前述した制御装置8はCPUを備え、第一廃棄物Bの一部、具体的には、ロータリーキルン3に供給される廃棄物の全入熱量の約10%〜30%に相当する量がガス化炉2に向かうように経路切換装置7を切り換え制御する。このロータリーキルン3に供給される廃棄物の全入熱量の約10%〜30%に相当する量とは、ロータリーキルン3の燃料燃焼装置3aの燃料として必要とされる熱分解ガスをガス化炉2で生成するのに必要な量に相当する。
【0029】
そして、廃棄物の重量は各々例えばロードセル等の重量計等で計測され、この計測値に基づいて、制御装置8が、廃棄物Bの内、ガス化炉2に供給すべき量(前述したロータリーキルン3の燃料燃焼装置3aの燃料として必要とされる熱分解ガスをガス化炉2で生成するのに必要な量;以下、燃料相当量と呼ぶ)を予め求めると共に、この求めた燃料相当量がガス化炉2へ向かうように経路切換装置7を切り換え制御する。
【0030】
このように構成された廃棄物処理システム1によれば、システム1に分別して搬入される廃棄物Aの内、第一廃棄物Bは、例えば搬送車等から荷下ろしされて供給ラインL2aを搬送され、破砕機4で所定のサイズに破砕される。この破砕された第一廃棄物Bは、経路切換装置7で経路が選択的に切り換えられ、上記燃料相当量が供給ラインL1を搬送されてガス化炉2に導入され、燃料相当量以外が供給ラインL2aを搬送されてロータリーキルン3に導入される。また、第一廃棄物Bを除く廃棄物Cは、例えば搬送車等から荷下ろしされて供給ラインL2bを搬送され、破砕機5で所定のサイズに破砕される。この破砕された廃棄物Cは、供給ラインL2cを搬送されて破砕機5を迂回する医療性廃棄物と共にロータリーキルン3に導入される。
【0031】
ガス化炉2に導入された燃料相当量の第一廃棄物Bは、上記圧力下で熱分解してガス化され、熱分解ガス及び炉底灰が生成される。
【0032】
この時、熱分解ガス生成源である第一廃棄物Bの全部では無く、燃料相当量(一部)がガス化炉2に供給されるため、システム搬入量の変動に左右され難く安定した性状の熱分解ガスが生成される。
【0033】
ここで、第一廃棄物Bである木屑、繊維屑、木材等の建設廃材等は、固定炭素が多く、燃焼用空気との接触が少ないロータリーキルン3(ロータリーキルン3では廃棄物を炉の回転により撹拌しながら燃焼用空気と接触させるため空気との接触効率が悪い)では燃焼しきるのが難しく、ロータリーキルン3での燃焼には不適であるが、ガス化炉2では流動層2aで流動化されて燃焼用空気との接触が多く容易に燃焼され、安定した性状の熱分解ガスが一層生成される。
【0034】
また、第一廃棄物Bである廃プラスチック、ゴム屑等は、固定炭素は少ないが燃焼速度が速くロータリーキルン3では燃焼ムラを生じ、ロータリーキルン3での燃焼には不適であるが、ガス化炉2では空気比0.2〜0.5の運転で緩慢燃焼とされて燃焼ムラ無く燃焼され、安定した性状の熱分解ガスが一層生成される。また、この廃プラスチック、ゴム屑等は、約5000kcal/kg以上の高熱量を発するから、ガス化炉2での部分燃焼に従って、燃焼させ易い高発熱量の熱分解ガスが容易に生成される。
【0035】
このガス化炉2の熱分解ガス化では、フリーボード2bの温度が800〜950°Cという高温にされているため、タール発生量が低減され後段の配管への付着や腐食等のタールトラブルが回避されていると共にダイオキシン類が好適に分解される。特に、廃プラスチックは、フリーボード2bの温度を600〜700°C程度とするとタールトラブルを生じ易いから、フリーボード2bの温度を800〜950°Cとする本実施形態のガス化炉2は特に有効である。また、上記のようにダイオキシンが好適に分解されるため、ガス化炉2の底部に溜まる炉底灰にはダイオキシンが殆ど無く、この炉底灰の搬送路である供給ラインL3付近での作業環境が向上されている。
【0036】
因みに、ロータリーキルン3に導入される汚泥や焼却灰等は、ガス化炉2に導入して燃焼しても熱分解ガスが生じないため、導入する意味は無い。
【0037】
ガス化炉2で生成された熱分解ガスは、ガスラインL4を通してロータリーキルン3の燃料燃焼装置3aに燃料として供給されて燃焼される。
【0038】
この熱分解ガスの量は、前述したように、燃料燃焼装置3aの燃料として必要とされる量である。従って、従来燃料燃焼装置で必要とされていた例えば灯油等の燃料が殆ど不要とされている(始動時の助燃用として必要とする場合もある)。
【0039】
なお、燃料燃焼装置3a内での熱分解ガス冷却によるタールトラブルを防止すべく燃焼用空気を例えばヒータ等で加熱し200°C以上に保つことが好ましい。
【0040】
そして、ロータリーキルン3では、導入される第一廃棄物Bの残り及び廃棄物Cが、燃料燃焼装置3aで生じる高温の燃焼排ガス及び火炎により、燃焼溶融され溶融スラグが生成される。
【0041】
この時、廃棄物の燃焼溶融の熱源が、前述したように高発熱量で安定した性状の熱分解ガスであるため、廃棄物が安定して燃焼溶融される。
【0042】
また、前述したようにロータリーキルン3での燃焼に不適である第一廃棄物Bの燃料相当量がガス化炉2に供給され、ロータリーキルン3への不適な廃棄物の供給が低減されているため、廃棄物が一層安定して燃焼溶融される。
【0043】
このように、本実施形態においては、第一廃棄物Bの燃料相当量が、ガス化炉2で部分燃焼されて熱分解ガスが生成され、当該熱分解ガスがロータリーキルン3の燃料燃焼装置3aの燃料とされていると共に、ロータリーキルン3で残りの廃棄物が燃焼溶融されるため、従来の燃料燃焼装置で必要とされていた燃料が殆ど不要とされ、燃料のランニングコストが大幅に低減されている。
【0044】
また、第一廃棄物Bの全部では無く燃料相当量がガス化炉2に供給されるため、システム搬入量の変動に左右され難く安定した性状の熱分解ガスがガス化炉2で生成されて燃料燃焼装置3aの燃料とされ、ロータリーキルン3での廃棄物の燃焼溶融が安定化されている。
【0045】
また、ロータリーキルン3に対して不適であるがガス化炉2に対して適している第一廃棄物Bの燃料相当量が、ガス化炉2に供給されるため、安定した性状の熱分解ガスが当該ガス化炉2で一層生成されて燃料燃焼装置3aの燃料とされると共にロータリーキルン3への不適な廃棄物の供給が低減され、ロータリーキルン3での廃棄物の燃焼溶融が一層安定化されている。
【0046】
また、廃棄物Aの全部がロータリーキルン3で燃焼溶融されるのでは無いため、ロータリーキルン3が小型化されると共にガス化炉2も熱分解ガスを生成するのみの目的から小型化が図られ、これらの小型化に従ってシステム1の放熱量が低くされる結果、熱効率の向上が図られている。
【0047】
さらに、溶融炉としてロータリーキルン3が用いられているため、他の溶融炉に比して比較的大きなサイズの廃棄物を直接供給しての燃焼溶融が可能とされ、従って、前段の破砕機5が不要若しくは破砕機5を設置した場合でもその能力が低いもので済み、破砕機5の消費電力が低減されると共に、他の溶融炉に比して廃棄物の滞留時間が長くされ、再利用性の高い良質で均質なスラグが得られると共に高いスラグ化率が達成される。このようにスラグ化率が高くされると、後段への灰の飛散が少なくされ、後段の排ガス処理設備の脱塵負荷が低減される。因みに、破砕機4も、システム1に搬入される廃棄物のサイズが常時上記ガス化炉2に対する所定のサイズより小さい場合には、設置しなくても良い。
【0048】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、ガス化炉2で生成する熱分解ガスの量を燃料燃焼装置3aに必要な燃料量としているが、必要な燃料量の一部の量とすることも可能である。この場合には、燃料燃焼装置を熱分解ガスだけでは無く例えば灯油等の化石燃料等も燃焼し得るものとすることで、燃料燃焼装置に用いる化石燃料等の量を大幅に低減することが可能である。また、このように熱分解ガス以外の化石燃料等を燃焼する燃料燃焼装置とすることで、例えばガスラインL4等のトラブルで熱分解ガスが供給されない場合にも、ロータリーキルン3の運転が可能であり、システム1の信頼性を向上し得る。
【0049】
また、上記実施形態においては、ガス化炉を、タールトラブルを防止すべくフリーボード温度が800〜950°C程度と高い流動層式ガス化炉2としているが、これに限定されるものではなく、他のガス化炉であっても良い。
【0050】
また、上記実施形態においては、溶融炉を、上記述べた種々の効果が得られることから特に好ましいとしてロータリーキルン3としているが、例えば表面溶融炉等に対しても適用可能である。
【0051】
さらにまた、上記実施形態においては、現状通りに、廃棄物Aは個々がシステム1に分別して搬入されているが、分別して搬入されない場合には、システム1内で分別する必要がある。
【0052】
【発明の効果】
本発明による廃棄物処理システムは、種々の廃棄物の内、第一廃棄物のその一部を、溶融炉では無くガス化炉に供給し、当該ガス化炉で部分燃焼して熱分解ガスを生成し、当該熱分解ガスを溶融炉の燃料燃焼装置の燃料とすると共に、溶融炉に残りの廃棄物を供給して燃焼溶融するため、従来燃料燃焼装置で必要とされていた例えば灯油等の燃料が大幅に低減され、燃料のランニングコストを低減するのが可能となる。また、このように熱分解ガス生成源である第一廃棄物の全部というのでは無く一部をガス化炉に供給しているため、システム搬入量の変動に左右され難く安定した性状の熱分解ガスが当該ガス化炉で生成されて燃料として供され、廃棄物の燃焼溶融を安定化するのが可能となる。また、溶融炉に対して不適であるがガス化炉に対して適しているものが多い第一廃棄物のその一部を、ガス化炉に供給するため、安定した性状の熱分解ガスが当該ガス化炉で一層生成され燃料として供されると共に溶融炉への不適な廃棄物の供給が低減され、廃棄物の燃焼溶融を一層安定化するのが可能となる。加えて、このように種々の廃棄物の全部を溶融炉で燃焼溶融するのでは無いため、溶融炉が小型化されると共にガス化炉も熱分解ガスを生成するのみの目的から小型化され、これらの小型化に従ってシステムの放熱量が低くされる結果、熱効率を向上するのが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る廃棄物処理システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…廃棄物処理システム、2…ガス化炉、3…ロータリーキルン(溶融炉)、3a…燃料燃焼装置、A…種々の廃棄物、B…第一廃棄物、C…第一廃棄物を除く廃棄物、L1…供給ライン(第一供給手段)、L2…供給ライン(第二供給手段)。

Claims (4)

  1. 種々の廃棄物に所定の処理を施す廃棄物処理システムであって、
    前記種々の廃棄物の内、部分燃焼されると燃料燃焼装置の燃料と成り得る熱分解ガスを生じる廃棄物を、第一廃棄物として、その一部を後段に供給する第一供給手段と、
    前記種々の廃棄物の内、前記第一廃棄物の一部を除く残りの廃棄物を後段に供給する第二供給手段と、
    前記第一供給手段から供給される前記第一廃棄物の一部を部分燃焼して前記熱分解ガスを生成するガス化炉と、
    燃料燃焼装置を備え前記ガス化炉からの前記熱分解ガスを燃料として燃焼して、前記第二供給手段から供給される前記残りの廃棄物を燃焼溶融する溶融炉と、を具備した廃棄物処理システム。
  2. 前記ガス化炉に供給される前記第一廃棄物の一部の量は、前記溶融炉で前記残りの廃棄物を燃焼溶融する際に必要とされる熱分解ガスを前記ガス化炉で生成するのに必要な量に相当することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
  3. 前記種々の廃棄物は、システムに分別して搬入されることを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物処理システム。
  4. 前記溶融炉は、ロータリーキルンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の廃棄物処理システム。
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