JP2004116488A - 水力機械およびその運転方法 - Google Patents

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黒川 敏史
Hiroshi Komiya
小宮 浩
Akira Shinohara
篠原 朗
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Abstract

【課題】発電運転や揚水運転などの通常運転から空転運転への切り替えを迅速に行うとともに、信頼性の高い水力機械を提供する。
【解決手段】水力機械30は、ガイドベーン7、入口弁14a、ケーシング排水弁13a、給気弁16a、およびこれらの開閉を制御する制御装置50を備え、前記制御装置は、通常運転から空転運転への切り替え時の水面押下に際して、ガイドベーン7の開度を空転運転中の定常運転開度である第2の開度より大きな第1の開度に設定し、ランナ室1内の排水が完了した後に前記第2の開度に設定するように制御信号を出力する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水車、ポンプ水車などの水力機械に係り、とりわけ調相運転のような空転運転を行なう水力機械において通常運転から空転運転の切り替えを迅速かつ確実に行なうとともに安定した空転運転の継続が可能な水力機械およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水車やポンプ水車といった水力機械は、水を作動流体としてランナを回転させて発電運転を行い、あるいはランナを回転させて揚水運転を行なうなど、ランナが水中で回転することによって仕事を出入りさせることを目的としているが、これ以外にランナを空気中で回転させる空転運転が行われることがある。このような空転運転には、水力機械の発電機や発電電動機が接続された電力系統の電気的な位相を調整する目的で行なわれる調相運転や、ポンプ水車による揚水運転の開始時に行なわれる揚水待機運転などがある。
【0003】
図7に空転運転を行う水力機械30の一般的な構成図を示す。図7に示すように、水力機械30は、ランナ上カバー1aとランナ下カバー1bによって形成されるランナ室1と、ランナ室1内に配置され主軸(回転軸)周りに回転するランナ10とを備えている。ランナ室1の外方には、ケーシング12が連結されており、ランナ室8の下方にはドラフトチューブ2が連結されている。
【0004】
なお、ケーシング12はランナ室1を取り囲むように渦巻状に設けられており、ランナ室1への巻き始め部から巻き終い部にかけてその断面直径が徐々に小さくされている。また、ケーシング12の巻き始め部は導水管14に接続され、この導水管14は第2弁駆動部14bによって駆動される入口弁14aを介して図示しない上池に接続され、ドラフトチューブ2は図示しない下池へと接続されている。
【0005】
ランナ室1の外周部には可動式のガイドベーン7が前記上カバー1aと下カバー1bとの間に保持され、ランナ室1の周方向に沿って複数枚設けられている。これらのガイドベーン7はガイドベーン駆動制御部17によりその開度を調整され、ケーシング12とランナ室1の間を流出・流入する水の流量を調整している。なお、ランナ室1を取り囲むように渦巻状に設けられたケーシング12とランナ室1との間には周方向に沿って固定式のステーベーンが複数枚設けられている。
【0006】
すなわち、水力機械30は、入口弁14aを開くことによって上池からの流路が連通するように構成となっており、入口弁14aを開き、ガイドベーン7の開度を制御してランナ室1内へ流入・流出する水の流量を調整して発電運転や揚水運転といった通常運転を行なう。
【0007】
また、このような水力機械30においてはこれらの構成のほか、空転運転を行うために以下の構成が設けられている。
ランナ室1には、ランナ室1内に圧縮空気を導入してランナ室8の水面9をドラフトチューブ2にまで押し下げる圧縮空気供給管16が連通している。圧縮空気供給管16には、給気弁駆動部16bによって駆動される給気弁16aが設けられている。またケーシング12内とドラフトチューブ2内とは、ケーシング排水管13によって互いに連通している。ケーシング排水弁13には、第1弁駆動部13bによって駆動されるケーシング排水弁13aが設けられている。
【0008】
また、ランナ室1を形成する下カバー1bとドラフトチューブ2との間には、排水弁駆動部3bによって駆動される排水弁3aを備えた排水管3が設けられている。さらに上カバー1aおよび下カバー1bには、ランナ10とランナ室1との間のシール部にシール水を給水するためのシール給水管4,5が設けられている。また、上カバー1aには、上カバー1aと回転軸であるランナ10の主軸との間のシール部に給水するための主軸封水部給水管6が設けられている。
【0009】
このような構成の水力機械30において空転運転を行う場合、ガイドベーン駆動制御部17によってガイドベーン7が全閉とし、給気弁駆動部16bによって給気弁16aを動作させ圧縮空気供給管16からランナ室1内に圧縮空気を供給しランナ室1内の水を排水するが、このとき排水弁駆動部3bを駆動して排水弁3aを開いておくことで、排水を促進することができる。
【0010】
また、排水が完了し、ランナ10を空転運転させる際には、ランナ10と上カバー1aや下カバー1bとのシール部、および、ランナ10の主軸(回転軸)と上カバー1aの間のシール部には水が存在しないため、これらのシール部が過熱する恐れがある。このため、ランナ10の空転運転時にはシール給水管4,5、また主軸封水部給水管6を介して給水を行い、これらの各シール部の冷却を行なう。これらの給水は、シール部を冷却してランナ室1内に導かれるが、ランナ10の回転による遠心力の作用で、ランナ10とガイドベーン7との間、すなわちランナ10の外周部に滞留することとなる。
【0011】
このような滞留水は、ランナ10の回転により攪拌されてランナ10の摩擦損失を増大させるだけでなく、ランナ室1外周部の温度上昇を招き機器の健全性を損なう恐れがあるため、できるだけ少なくすることが好ましく、通常は上述の排水管3を用いて排水するようにしている。しかしながら、排水管3の排水容量が小さく排水効果が十分でないこともあるため、従来の水力機械ではガイドベーン7を小開度に設定し、ランナ10を空転運転させているときにこれらの滞留水をガイドベーン7の間隙から効率よく排水する技術が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
図8はこの技術を用いて水力機械30を通常運転から空転運転に移行する場合の入口弁14,ガイドベーン7,ケーシング排水弁13a,および給気弁16aの開閉方法を示したものである。
【0013】
発電運転や揚水運転などの通常運転中は入口弁14が全開とされ、ガイドベーン7は運転指令に対応する開度に設定されている。水力機械30に対して空転指令が発せられると、ガイドベーン7と入口弁14が閉鎖される。
【0014】
ガイドベーン7が閉鎖されるとランナ室1内への水の流入が絶たれるので、給気弁16aを開いてランナ室1内に圧縮空気を導入し、排水弁3aを開きランナ室1内の水を排水しながら水面押下を行なう。そして、水面押下が完了し入口弁14aが全閉になると、ケーシング排水弁13aを開くとともにガイドベーン7をランナ10の回転方向ごとに予め定められた小開度に保持する。このようにすると、ランナ10の空転運転中の各シール部への給水はランナ10とガイドベーン7との間で滞留して水カーテンを形成することなく、小開度に保持されたガイドベーン7の間隙を通過してケーシング排水管3からドラフトチューブ2へと円滑に排水される。
【0015】
【特許文献1】
特開平11−270453号公報(第5頁−第7頁,第3図,第4図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術であっても、ランナ室1内の排水は依然として上記排水管3を用いて行なっており、通常運転時に空転運転指令を受けてから空転運転を開始する場合、ランナ室1内の排水に長時間を要する。したがって、発電運転から空転運転への切り替えを迅速に行い、機器の運用上の利点を十分に生かすためには、この滞留水を円滑かつ迅速に排水することが必要であった。さらに、空転運転時には入口弁14aを閉鎖することが必須であるが、入口弁14aを早く閉鎖すると入口弁14aに流水遮断の負荷がかかり好ましくないという問題がある。このため、通常運転から空転運転に迅速な切り替えを行なうためには入口弁14aに流水遮断の負荷をかけずに迅速に閉鎖する方法が必要である。
【0017】
また、このようにランナ室1内の排水を行なっている間では、ガイドベーン7が閉じられているためランナ室1の外周部には多量の滞留水が存在することとなる。この滞留水は上述のような空転運転中の滞留水の量と比較して多量であるため、ランナ10とガイドベーン7との間で水カーテンを形成する。そして、このためにランナ室1の外周部が過熱し、もしくは摩擦損失が増大するだけでなく、振動や騒音の原因になるという問題があった。
【0018】
さらに、この排水管3はランナ室1の近傍に設置される関係で常運転時などにも水圧脈動に伴う加振力が作用する部位であるが、一般的にはコンクリート内に埋設されるので、万一損傷を受けた場合は、修理が不可能で大規模な改修が必要になってしまうため、十分な強度を持たせる必要があった。
【0019】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、発電運転や揚水運転といった通常運転から空転運転への切り替えを迅速に行ない、ランナ室内の排水が円滑かつ迅速に行なえると共に、機器の信頼性の高い水力機械を提供することをその目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は、その請求項1に記載したように、上カバーと下カバーによって形成されるランナ室と、前記ランナ室内に配置され主軸周りに回転するランナと、前記ランナ室の外方に連通し、前記ランナ室を包囲するように設けられたケーシングと、前記ランナ室の下方に連通して設けられたドラフトチューブと、前記ランナ室に連通し、前記ランナ室内に圧縮空気を導入してランナ室の水面押下を行なう圧縮空気供給管と、前記圧縮空気供給管の途中に設けられた給気弁と、前記ケーシング内と前記ドラフトチューブ内とを接続するケーシング排水管と、前記ケーシング排水管に設けらたケーシング排水弁と、前記ランナ外方の前記ランナ室内にその周方向に沿って設けられ、前記ランナ室へ流入・流出する水の流量を調整可能に複数設けられたガイドベーンと、前記ケーシングへの流路を遮断する入口弁とを備え、発電運転または揚水運転である通常運転と前記ランナを空気中で回転させる空転運転を行う水力機械において、前記通常運転からランナ空転運転への切替時に、前記空転運転の指令を受けて前記ガイドベーンおよび前記入口弁を全閉とする指令を出力し、前記ガイドベーンが全閉となると前記給気弁を開く指令を出力し、その後前記入口弁が閉鎖されると前記ケーシング排水弁を開く指令および前記ガイドベーンを予め定められた第1の開度とする指令をそれぞれ出力し、その後前記ガイドベーンを前記第1の開度よりも小さい予め定められた第2の開度とする指令および前記給気弁を閉じる指令をそれぞれ出力する制御装置を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、通常運転から空転運転への切り替え時の水面押下に際して、一旦ガイドベーン開度を空転運転中の定常運転開度である第2の開度よりも大きくすることによってランナ室内のランナとガイドベーンとの間にに多量に存在する滞留水を迅速に排水することができる。そして、排水が完了した後にガイドベーン開度を空転運転中の定常運転開度である第2の開度とするので、空転運転中もンナ室内の滞留水を効果的に排出することができる。このため、通常運転から空転運転への切り替えが迅速に行なえるとともに、従来の水力機械に設けられていた下カバーとドラフトチューブを連通する排水管を設けずとも済むため、信頼性の高い水力機械およびその運転方法を提供することが可能となる。
【0022】
また、請求項2乃至5に記載の発明は請求項1記載の発明に加えて、制御装置がそれぞれ、ガイドベーンをを第1の開度とする指令を出力してから予め定められた時間が経過した場合、水力機械に連結される発電電動機の入力が予め定められた空転運転中の発電電動機入力以下になったことを検出した場合、水力機械の主軸の軸振れの値が予め定められた空転運転中の軸振れの値以下になったことを検出した場合、もしくはケーシング内の水面の位置を検出する水位検出手段を設け前記水位検出手段によって検出される前記ケーシング内の水面の位置が予め定められた位置以下になったことを検出した場合に、ランナとガイドベーン開度を第2の開度とする指令を出力することを特徴とするものである。
【0023】
これらの発明によれば、請求項1に記載の発明に加えて、ランナ室内の排水が完了したことを確実に検出してガイドベーン開度を空転運転中の定常運転開度である第2の開度に設定することが可能であるので、迅速かつ確実に通常運転から空転運転に切り替えることのできる水力機械を提供することができる。
【0024】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載された発明に加え、通常運転時のガイドベーンの閉鎖時間をt、入口弁の閉鎖時間を前記ガイドベーンの閉鎖時間よりも短いtivとしたとき、空転運転の指令を受けて前記ガイドベーンを閉鎖する指令を出力した後、
【数2】
Figure 2004116488
で定まる時間tが経過した後に前記入口弁を閉鎖する指令を出力することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、請求項1乃至5に記載された発明に加えて、空転運転指令が制御装置に入力されて、ガイドベーンと入口弁を閉鎖する際に入口弁の閉鎖速度を早くし、かつ入口弁に流水遮断の負荷をかけないようにすることが可能であるので、通常運転から空転運転の切り替えが迅速に行うことができる水力機械を提供することができる。
【0026】
また、請求項7記に載の発明は、請求項1乃至5に記載された発明に加え、ケーシング内の水面の位置を検出する水位検出手段を設け、空転運転中に前記水位検出手段によって検出されるケーシング内の水位を検出し、この検出値が予め定められた水位より高い場合に制御装置がガイドベーンを第2の開度とする指令を出力し、前記予め定めた水位以下となった場合にガイドベーンを全閉とする指令を出力することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、請求項1乃至5に記載された発明に加えて、空転運転中であってもケーシング内の水位を検出してガイドベーンの間隙から漏洩する圧縮空気の量が多い場合にガイドベーンを閉鎖して漏洩を防ぐことができるので、空転運転中の水面の位置を保ち、安定した空転運転を行うことができる水力機械を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は水力機械の縦断面図であり、図2は図1の水力機械を用いて発電運転から空転運転へ切り替える場合のフローチャートであり、図3はこの場合の入口弁,ガイドベーン,ケーシング排水弁,および給気弁の開閉を時間を横軸として示す説明図である。なお、図1において図7と同一の構成については同一の符号を付しその詳細な説明を適宜省略する。
【0029】
図1に示すように、水力機械30は、ランナ上カバー1aとランナ下カバー1bによって形成されるランナ室1と、ランナ室1内に配置され主軸(回転軸)周りに回転するランナ10とを備えている。ランナ室1の外方には、ケーシング12が連結されており、ランナ室8の下方にはドラフトチューブ2が連結されている。
【0030】
なお、図示しないが、ケーシング12はランナ室1を取り囲むように渦巻状に設けられており、ランナ室1への巻き始め部から巻き終い部にかけてその断面直径が徐々に小さくされている。
ケーシング12の巻き始め部は導水管14に接続され、この導水管14は第2弁駆動部14bによって駆動される入口弁14aを介して図示しない上池に接続され、ドラフトチューブ2は図示しない下池へと接続されている。
【0031】
ランナ室1の外周部には可動式のガイドベーン7が前記上カバー1aと下カバー1bとの間に保持されて、ランナ室1の周方向に沿って複数枚設けられている。これらのガイドベーン7はガイドベーン駆動制御部17によりその開度を調整され、ケーシング12とランナ室1の間を流出・流入する水の流量を調整している。なお、ランナ室1を取り囲むように渦巻状に設けられたケーシング12とランナ室1との間には周方向に沿って固定式のステーベーンが複数枚設けられている。
【0032】
すなわち、水力機械30は入口弁14aを開くことによって上池からの流路が連通するように構成されており、入口弁14aを開いて発電運転や揚水運転といった通常運転を行なう。
【0033】
本実施の形態の水力機械30においてはこれらの構成のほか、空転運転を行うために以下の構成が設けられている。
ランナ室1には、ランナ室1内に圧縮空気を導入してランナ室8の水面9をドラフトチューブ2にまで押し下げる圧縮空気供給管16が連通している。圧縮空気供給管16には、給気弁駆動部16bによって駆動される給気弁16aが設けられている。またケーシング12内とドラフトチューブ2内とは、ケーシング排水管13によって互いに連通している。ケーシング排水弁13には、第1弁駆動部13bによって駆動されるケーシング排水弁13aが設けられている。
【0034】
なお、このケーシング排水管13は、ケーシング12の上部に接続されるようにするのが好ましい。特に、ケーシング12はランナ室1への巻き始め部から巻き終い部にかけてその断面直径が徐々に小さくなるように構成されているため、ケーシング排水管13のケーシング12への開口部は、ケーシング12のランナ室1への巻き始め部の上部に設けるとよい。
【0035】
さらに上カバー1aおよび下カバー1bには、ランナ10とランナ室1との間のシール部にシール水を給水するためのシール給水管4,5が設けられている。また、上カバー1aには、上カバー1aと回転軸であるランナ10の主軸との間のシール部に給水するための主軸封水部給水管6が設けられている。
【0036】
そして、本実施の形態においては、ガイドベーン7を駆動するガイドベーン駆動制御部17、ケーシング排水管13aを駆動する第1弁駆動部13b、入口弁14aを駆動する第2弁駆動部14b、および給気弁16aを駆動する給気弁駆動部16bを開閉させる制御信号を出力する制御装置50が設けられている。
【0037】
以上の構成によって発電運転や揚水運転といった通常運転から空転運転への切り替えを行なう場合について、図2および図3を用いて以下に説明する。
【0038】
通常運転時には、入口弁14aを全開とし、ガイドベーン7を運転状態に応じた適正開度に設定する制御信号が制御装置50からガイドベーン駆動制御部17、および第2弁駆動部に出力されて運転を行っている。この状態から水力機械30の空転指令が制御装置50へ入力されると、制御装置50はフロー101にてガイドベーン7と入口弁14aの閉鎖するための制御信号をガイドベーン駆動制御部17、および第2弁駆動部に出力する。
【0039】
このとき制御装置50は、ガイドベーン7、および入口弁14aの閉鎖に際して、水路に水圧脈動などが生じないように適宜制御信号を出力するが、一般的に入口弁14aは流路を閉止するための弁であり流水の遮断を目的としていないため、ガイドベーン7が全閉となり流水を遮断した後に入口弁14aが閉じるように制御信号を出力する。すなわち、本実施の形態では、入口弁14aを閉鎖するのに要する時間tivがガイドベーンを閉鎖するときに要する時間tよりも短くし、かつ、t=tの時点で入口弁14aの閉鎖を開始する。そしてこのときの、tの値を、
【数3】
Figure 2004116488
と設定する。tの値をこのように設定すれば、入口弁14aの閉鎖をガイドベーン7の全閉を待たずに行なうことで、水力機械30に対する空転指令が制御装置50に入力されてから入口弁の閉鎖までに要する時間を短くし、かつ入口弁14aの閉鎖をガイドベーン7の閉鎖よりも後にすることで入口弁14aに流水遮断の負荷をかけることを防止できる。このため、入口弁14aの閉鎖時間tivを短くすることが可能である。
【0040】
そして、本実施の形態では、フロー102においてガイドベーン7が全閉となると、フロー103にて制御装置50から給気弁駆動部16bに制御信号を出力し、給気弁駆動部16bを駆動させて給気弁16aを開く。これによってランナ室1内に圧縮空気が導入されるが、このときガイドベーン7が全閉になっているため、ランナ室1内の水が排水されて水面が押し下げられる。
【0041】
そして、フロー103に続くフロー106では、制御装置50はランナ室1内の水面押下が完了したかを判定し、水面押下が完了するとフロー107にて給気弁駆動部16bに制御指令を出力して給気弁16aを閉じる。
なお、上記水面押下の完了は、例えばドラフトチューブ2に設けられた図示しない水位計によって判定される。
【0042】
また、フロー103で示した給気弁16aの開操作と並行して、制御装置50はフロー104に進み、入口弁14aの全閉を判定する。そしてフロー104にて入口弁14aが全閉となると、制御装置50はフロー105にて第1弁駆動部13bに制御指令を出力しケーシング排水管13aを開く。そして、これとほぼ同時に、制御装置50はガイドベーン7の開度をランナ10の回転方向によって予め定められた開度GVO1とする制御指令をガイドベーン駆動制御部17に出力する。この開度GVO1は、空転運転中に滞留水の排出を行なうためのガイドベーン7の定常運転開度GVO2よりも大きな開度であり、かつ、水面押下中にランナ室1内に導入された圧縮空気がガイドベーン7の間隙を通して多量に流出しない開度に設定される。このように比較的大きな開度に設定することによって、ランナ室10内の水面押下に伴ってランナ10とガイドベーン7との間に存在する多量の滞留水をケーシング内に効果的に排水する。ランナ室1内から排水されたこれらの滞留水は、ケーシング排水管13を介してドラフトチューブ2へと排水される。
【0043】
また、フロー105においては、ガイドベーン7を開度GVO1に設定すると同時に、制御装置50内に設けられている図示しないタイマーを起動してガイドベーン7が開度GVO1とされている時間tの計測を開始する。
【0044】
そしてフロー105に続くフロー108では、制御装置50はフロー105にて起動したタイマーの値が予め設定した時間tが経過したかを判定し、tが経過したと判定されるとフロー109にてガイドベーン7の開度をランナ10の回転方向によってそれぞれ予め定められた空転運転中の通常の開度である定常運転開度GVO2とする制御指令をガイドベーン駆動制御部17に出力する。
【0045】
ここで、tの値は、ランナ室1内の水面押下時にランナ10とガイドベーン7との間に存在する多量の滞留水を排水するために必要かつ十分な時間に予め定められており、tが経過した時点でランナ室1内の排水が完了する。ランナ室1内の排水が完了すると、ランナ室1内のランナ10とガイドベーン7との間には、シール給水管4,5からランナ10とランナ室1との間のシール部への給水と主軸封水部給水管6から上カバー1aと回転軸であるランナ10の主軸との間のシール部への給水が滞留するのみとなるため、ガイドベーン7の開度を定常運転開度GVO2としても十分に排水が可能となる。
【0046】
そして、上記フロー103、フロー106、およびフロー107として示した水面押下のための給気弁16aの操作と、フロー105、フロー108、およびフロー109として示したランナ室1内の排水のためのガイドベーン7の操作が完了し、給気弁16を閉止しガイドベーン7を定常運転開度GVO2へ設定すると、通常運転から空転運転への切り替えが終了する。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、通常運転から空転運転への切り替えの際に、入口弁14aが閉鎖された時点でケーシング排水管13aを開き、ガイドベーン7を空転運転中の定常運転開度GVO2よりも大きな開度GVO1となるように制御することによって、空転運転への切り替え中、すなわち水面押下時にランナ室1内に大量に存在する滞留水を迅速に排水することができる。
【0048】
したがって、本実施の形態によれば水力機械30の通常運転から空転運転への切り替えを迅速に行なうことができるとともに、多量の滞留水がランナ室1内に存在することによるランナ10の摩擦損失を低減し、ランナ室1外周部の温度上昇や振動や騒音の発生を抑えられるので、機器の信頼性を高めることが可能である。また、本実施の形態によれば、図7にて示した従来の水力機械に設けられていた排水管3を省略することができ、この点からも機器の信頼性が高めることができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、ガイドベーン開度を開度GVO1にした後にタイマーを起動し時間tが経過した時点で空転運転中の定常運転開度GVO2とするものであるが、ガイドベーン開度を空転運転中の定常運転開度GVO2に設定する指令は、以下のような種々の方法で検出し、制御装置50から出力するようしてもよい。
【0050】
例えば、ランナ10の主軸(回転軸)が連結されている図示しない発電電動機への入力値を制御装置50にて検出し、この値が予め定めた入力値以下になった場合にガイドベーン開度を定常運転開度GVO2に設定する指令を出力する。
【0051】
通常運転から空転運転への切り替え時にランナ10を回転し続けると、ランナ室1内に水が存在する場合、その粘性によって回転損失が生じ、ランナ10を回転させるのに必要な発電電動機への入力は大きい。そして、ランナ室1内の排水が進むとこの回転損失が徐々に小さくなる。上述の例はこれを制御装置50にて検出するものであり、発電電動機への入力を検出するだけでよいため、比較的簡単な構成で確実にランナ室1内の排水が完了したことを検出することができる。
【0052】
なお、揚水運転からランナ10の回転方向を変えずに空転運転に切り替える場合は、常に発電電動機は電動機として使用されているため、上述のように発電電動機への入力はランナ室1内の排水が進むにつれて徐々に減少する。これに対して発電運転からランナ10の回転方向を変えずに空転運転に切り替える場合は、ガイドベーン7が全閉となってランナ10の回転速度が低下しそうになるとこれを補うように発電電動機が電力系統からの入力を受けて電動機として作用することとなる。すなわちこのような場合、空転運転への切り替えの際には発電電動機への入力が最初0から増大し、ランナ室の排水が進むと減少する。従って、発電運転からランナ10の回転方向を変えずに空転運転に切り替える運転を行う場合には、制御装置50を例えば発電電動機への入力の時間微分値を検知するよう構成し、発電電動機への入力が減少しながら予め定めた入力値以下になったことを検出した場合にガイドベーン開度を定常運転開度GVO2に設定する指令を出力するものとすればよい。
【0053】
また、別の例として、ランナ10の主軸(回転軸)の振動を検出し、その振幅が予め定めた値より以下となった時点でガイドベーン開度を定常運転開度GVO2に設定する指令を出力する構成とすることもできる。
【0054】
空転運転への切り替えに際して、ランナ室1内に圧縮空気が導入されると、ランナ室1内で空気と水が混ざり合った状態となるため、ランナ10の主軸(回転軸)に振動を生じる。この振動は空転運転への切り替えを開始した当初は小さいものの、圧縮空気の量が多くなると比較的大きくなり、排水が完了すると再び小さくなる。すなわちこの例では、ランナ10の主軸(回転軸)に振動を検出する図示しない振動検出手段を設置し、制御装置50によって通常運転から空転運転への切り替え時に前記主軸(回転軸)の振動が大きくなることを検出し、その後この振動が小さくなった時点でガイドベーン開度を定常運転開度GVO2に設定する指令をガイドベーン駆動制御部17に対して出力する構成とすればよい。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態を図4,図5を参照して説明する。
本実施の形態は、第1の実施の形態におけるガイドベーン7の開度GVO1への設定する制御指令を、ガイドベーン7の間隙からの空気量に応じて変化するケーシング12内の水面の位置を検出する水位検出手段の検出値によって出力するものである。
【0056】
すなわち、本実施の形態においては、図4に示すように、水位検出手段としてケーシング12内の水位を計測する水位計18が設けられている。水位計18は、その上部と下部がケーシング12とそれぞれ水位計作動弁19を介して接続されており、水位計18が計測した水位値は制御装置50へ送信される。また、これらの水位計作動弁19にはそれぞれ水位計作動弁駆動部19aが設けられており、制御装置50によって制御されて水位の計測時に自動的に開かれ、発電運転や揚水運転といったの通常運転時には閉じるように構成されている。
【0057】
本実施の形態の制御装置50のフローチャートを図5に示す。なお、図5において図2と同一のフローについては同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0058】
本実施の形態では、制御装置50はフロー105aにて給気弁駆動部16bに給気弁16aを開く制御信号を出力しガイドベーン駆動制御部17にガイドベーン開度を開度GVO1に設定する制御信号を出力するとともに、水位測定を開始するために水位計作動弁駆動部19に対して水位計作動弁19を開くように制御信号を出力し、これによって水位計18が水位の計測を開始する。
【0059】
また、フロー108aにおいて制御装置50は水位計18の計測した水位値を参照し、この値が予め定めた水位以下となったかを判定する。
【0060】
水面押下時にガイドベーン7の開度を開度GVO1に設定すると、ランナ10とガイドベーン7との間に存在する多量の滞留水がガイドベーン7の間隙を介して排水されるが、給気弁16aが閉じて水面押下がほぼ完了すると、前記滞留水の量が少なくなり、ガイドベーン7の間隙からは圧縮空気もケーシング12内に漏れ出すようになる。ケーシング12内に漏れ出た圧縮空気はケーシング排水管13を介してドラフトチューブ2へと還流するが、その量が多くなるとケーシング排水管13によって排出できる量を超え、ケーシング12の上部に溜まるので、ケーシング12内の水位が低下する。本実施の形態においてはケーシング12内の水位を水位計18によって測定し、この水位が予め定めた水位以下になるとランナ室1内の排水が完了したと判定し、ガイドベーン7の開度を空転運転中の定常運転開度GVO2に設定する制御信号を制御装置50からガイドベーン駆動制御部17に対して出力する。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、ランナ室1内の排水が完了したことを確実に検知して、水力機械30の空転運転への切り替えを迅速に行なうことが可能となる。
【0062】
さらに、本実施の形態の変形例を図6に示す。なお、図6において図4と同一の構成には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。図6に示したように本変形例では、図4における水位計18の代わりにケーシング12内の空気を検出する空気検出器21を水位検出手段としてケーシング12の巻き始め部の予め定められた高さに設けている。
【0063】
本変形例によっても、図4および図5によって説明した第2の実施の形態と同様に、水面押下時にガイドベーン7の開度を開度GVO1に設定した後に水面押下がほぼ完了すると、ガイドベーン7の間隙から漏れ出る圧縮空気の量が増えてケーシング12内の上部に溜まるため、空気検出器21によってこれを検出することができる。したがって、ランナ室1内の水面押下に際して排水が完了したことを確実に検知することが可能となる。
【0064】
また、本変形例において空気検出器21にてランナ室1内の排水が完了したことを検出しガイドベーン7を定常運転開度GVO2とする指令を出力する値が異なる場合は、設置高さが異なる空気検出器21を1つずつ設け、ランナ10の回転方向によってこれらの空気検出器21のいずれかを用いるように切り替える構成としてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態で排水が完了したことを検知する水位検出手段、すなわち図4における水位計18や図6における空気検出器21等の設置位置は、以下のようにするとよい。
ランナ室1から漏洩した圧縮空気は、上述のようにその量が少ない場合ケーシング排水管13を介してドラフトチューブ2へと還流し排出されるが、漏洩する圧縮空気の量が増えケーシング排水管13によって排出できる量を超えると、ケーシング排水管13のケーシング12への開口部付近に溜まることとなる。したがってこの位置に水位検出手段を設けることによって排水の完了を確実に検出することが可能となる。特にケーシング排水管13はケーシング12の最上部、すなわち巻き始め部の上部に設けられることが多いため、水位検出手段もこの位置に設けるとよい。
また、ガイドベーン7の開度を定常運転開度とする指令を出力するトリガーとなる水位検出手段の検出値は、ガイドベーン7の開度やランナ室1内に圧縮空気供給管16を介して導入される圧縮空気の圧力などから適宜設定されればよい。
【0066】
また、本実施の形態の構成を用いて、ガイドベーン7の開度が、ランナ10の回転方向によって予め定められた空転運転中の定常運転開度GVO2となった後の空転運転中におけるケーシング12内への圧縮空気の漏洩を最小限に抑えることも可能である。
【0067】
この場合、空転運転中にも図4における水位計18、もしくは図6における空気検出器などの水位検出手段を作動させる。そして、制御装置50からガイドベーン駆動制御部17に対し、ケーシング12内の空気量が予め定めた量よりも多くなった場合、すなわちケーシング12内の水位が予め定めた値以下になった場合にガイドベーン7を全閉とする制御指令を出力させ、ケーシング12内の空気がケーシング排水管13を介してドラフトチューブ2に排出されてケーシング12内の水位が予め定めた値よりも高くなった場合に、ガイドベーン7を定常運転開度GVO2に設定する制御信号を出力するようにすればよい。
【0068】
このような構成とすると、通常運転から空転運転への切り替えを迅速に行なえるだけでなく、ガイドベーン7の開度が定常運転開度GVO2に設定される空転運転中にランナ室1内からケーシング12内に漏洩する圧縮空気の量が何らかの理由で多くなった場合にもケーシング12内に溜まる圧縮空気の量を最小限に抑え、安定した空転運転を行うことが可能となる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、発電運転や揚水運転といった通常運転から空転運転への切り替えの際の水面押下時にガイドベーン開度を調整するので、ランナ室内の排水を円滑かつ迅速に行ない、通常運転から空転運転への切り替えを迅速に行なうことができる。そしてこれによって、ランナ室内に滞留する水によって引き起こされる騒音、振動、もしくはランナ外周部の温度上昇等を抑え、機器の信頼性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る水力機械の縦断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る水力機械を通常運転から空転運転に切り替える際のフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る水力機械を通常運転から空転運転に切り替える際の入口弁、ガイドベーン、ケーシング排水弁、および給気弁の開閉を示すタイムチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る水力機械の縦断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る水力機械を通常運転から空転運転に切り替える際のフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る水力機械の縦断面図。
【図7】従来の空転運転を行う水力機械の縦断面図。
【図8】従来の水力機械において通常運転から空転運転に切り替える際の入口弁、ガイドベーン、ケーシング排水弁、および給気弁の開閉を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 ランナ室
1a 上カバー
1b 下カバー
2  ドラフトチューブ
3 排水管
3a 排水弁
3b 排水弁駆動部
4、5  シール給水管
6  主軸封水部給水管
7  ガイドベーン
9  水面
10  ランナ
12  ケーシング
13  ケーシング排水管
13a  ケーシング排水弁
13b  第1弁駆動部
14  導入管
14a  入口弁
14b  第2弁駆動部
16  圧縮空気供給管
16a  給気弁
16b  給気弁駆動部
17  ガイドベーン駆動制御部
18 水位計
19 水位計作動弁
19a 水位計作動弁駆動部
21 空気検出器
30 水力機械
50 制御装置

Claims (8)

  1. 上カバーと下カバーによって形成されるランナ室と、
    前記ランナ室内に配置され主軸周りに回転するランナと、
    前記ランナ室の外方に連通し、前記ランナ室を包囲するように設けられたケーシングと、
    前記ランナ室の下方に連通して設けられたドラフトチューブと、
    前記ランナ室に連通し、前記ランナ室内に圧縮空気を導入してランナ室の水面押下を行なう圧縮空気供給管と、
    前記圧縮空気供給管の途中に設けられた給気弁と、
    前記ケーシング内と前記ドラフトチューブ内とを接続するケーシング排水管と、
    前記ケーシング排水管に設けらたケーシング排水弁と、
    前記ランナ外方の前記ランナ室内にその周方向に沿って設けられ、前記ランナ室へ流入・流出する水の流量を調整可能に複数設けられたガイドベーンと、
    前記ケーシングへの流路を遮断する入口弁と、
    を備え、発電運転または揚水運転である通常運転と前記ランナを空気中で回転させる空転運転を行う水力機械において、
    前記通常運転からランナ空転運転への切替時に、前記空転運転の指令を受けて前記ガイドベーンおよび前記入口弁を全閉とする指令を出力し、前記ガイドベーンが全閉となると前記給気弁を開く指令を出力し、その後前記入口弁が閉鎖されると前記ケーシング排水弁を開く指令および前記ガイドベーンを予め定められた第1の開度とする指令をそれぞれ出力し、その後前記ガイドベーンを前記第1の開度よりも小さい予め定められた第2の開度とする指令および前記給気弁を閉じる指令をそれぞれ出力する制御装置を備えることを特徴とする水力機械。
  2. ガイドベーンを第2の開度とする指令は、ガイドベーンをを第1の開度とする指令を出力してから、予め定められた時間が経過すると出力されることを特徴とする請求項1記載の水力機械。
  3. ガイドベーンを第2の開度とする指令は、水力機械に連結される発電電動機の入力が予め定められた空転運転中の発電電動機入力以下になったことを検出すると出力されることを特徴とする請求項1記載の水力機械。
  4. ガイドベーンを第2の開度とする指令は、水力機械の主軸の軸振れの値が予め定められた空転運転中の軸振れの値以下になったことを検出すると出力されることを特徴とする請求項1記載の水力機械。
  5. ケーシング内の水面の位置を検出する水位検出手段を設け、前記水位検出手段によって検出される前記ケーシング内の水面の位置が予め定められた位置以下になったことを検出した場合にガイドベーンを第2の開度とする指令が出力されることを特徴とする請求項1記載の水力機械。
  6. 通常運転時のガイドベーンの閉鎖時間をt、入口弁の閉鎖時間を前記ガイドベーンの閉鎖時間よりも短いtivとしたとき、空転運転の指令を受けて前記ガイドベーンを閉鎖する指令を出力した後、
    Figure 2004116488
    で定まる時間tが経過した後に前記入口弁を閉鎖する指令を出力することを特徴とする請求項1乃至5記載の水力機械。
  7. ケーシング内の水面の位置を検出する水位検出手段を設け、空転運転中に前記水位検出手段によって検出されるケーシング内の水位を検出し、この検出値が予め定められた水位より高い場合に制御装置がガイドベーンを第2の開度とする指令を出力し、前記予め定めた水位以下となった場合にガイドベーンを全閉とする指令を出力することを特徴とする請求項1乃至5に記載の水力機械。
  8. 上カバーと下カバーによって形成されるランナ室と、
    前記ランナ室内に配置され主軸周りに回転するランナと、
    前記ランナ室の外方に連通し、前記ランナ室を包囲するように設けられたケーシングと、
    前記ランナ室の下方に連通して設けられたドラフトチューブと、
    前記ランナ室に連通し、前記ランナ室内に圧縮空気を導入してランナ室の水面押下を行なう圧縮空気供給管と、
    前記圧縮空気供給管の途中に設けられた給気弁と、
    前記ケーシング内と前記ドラフトチューブ内とを接続するケーシング排水管と、
    前記ケーシング排水管に設けらたケーシング排水弁と、
    前記ランナ外方の前記ランナ室内にその周方向に沿って設けられ、前記ランナ室へ流入・流出する水の流量を調整可能に複数設けられたガイドベーンと、
    前記ケーシングへの流路を遮断する入口弁と、
    を備え、発電運転または揚水運転である通常運転と前記ランナを空気中で回転させる空転運転を行う水力機械の運転方法において、
    前記通常運転時に前記空転運転の指令を受けると、前記ガイドベーンおよび前記入口弁の閉鎖を開始し、前記ガイドベーンが全閉となると前記給気弁を開き、その後前記入口弁が閉鎖されると前記ケーシング排水弁を開いて前記ガイドベーンを予め定められた第1の開度とし、その後前記ガイドベーンを前記第1の開度よりも小さい予め定められた第2の開度として前記空転運転へ切り替えることを特徴とする水力機械の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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