JP4719027B2 - 水力機械のケーシング排水機構および水力機械の運転方法 - Google Patents

水力機械のケーシング排水機構および水力機械の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、水車、ポンプ水車等の水力機械に係り、特に調相運転のような空転運転において安定した空転運転の継続が可能な水力機械のケーシング排水機構および水力機械の運転方法に関する。
最近のポンプ水車などの水力機械は、経済性を指向して高落差化しており、このような高落差の水力機械の吸出し高さ、或いは押込み深さはキャビテーション防止のなどの観点から相対的に高くなっており、その結果吸出し管内の水圧力は高いものとなっている。
ところで、かかる水力機械において、電力系統の安定化や電力需要の変化に迅速に対応するため、水力機械のランナを長時間にわたって空転させる調相運転が行われることが多い。
図6は上記調相運転について説明するための水力機械を模式的に示す縦断面図である。
図6において、符号1は水力機械であって、この水力機械1は、ランナ上カバー2とランナ下カバー3によって形成されているランナ室4内に駆動軸5により回転するランナ6を有している。上記ランナ室4の外周にはスパイラルケーシング7が配設されており、上記ランナ室4とスパイラルケーシング7とを連通する流路にガイドベーン8が設けられている。また、上記ランナ室4の下部には吸出し管9が接続されている。
ランナ室4の側圧室4aと吸出し管9との間は排水弁10aを有する第1のランナ室排水管10により連通されており、ランナ室4内のランナ6とガイドベーン8との間のランナ外周室4bと吸出し管9とは排水弁11aを有する第2のランナ室排水管11により連通されている。また、上記吸出し管9には吸気弁12aを有する圧縮空気供給管12が接続されている。
このような水力機械1において、調相運転時は電力負荷を軽減するため、ガイドベーン8を全閉した後、吸出し管9内へ高圧空気を供給してランナ室4内の水を吸出し管9内に排水して水面13をランナ6の下端部6aよりも所定距離だけ押し下げ、ランナ6を空気中で空転させて駆動トルクを軽減している。
ところで、調相運転中はランナ6と水面13との間の空間14内の空気は、ランナ6の回転によるランナ遠心風圧力の作用によりランナ6の回転方向に掻き回され、水面13には大きな波立ちや動揺が発生する。これは特に吸出し管9内の圧力が高い場合に顕著になる。この場合、掻き回された空気流によって水面から巻き上げられた水滴はランナ6に吸い込まれランナ外周室4bに運ばれ、ランナ外周室4bに水が溜まるとランナ3の羽根と干渉して軸入力の増加や大きな振動・騒音が発生して運転が困難となる。そこで、第1のランナ室排水管10および第2のランナ室排水管11によりランナ室4と吸出し管9との間を連通させてランナ室4内の排水を促進させることで長時間にわたって安定した調相運転が実施できるようになっている。
この2つのランナ室排水管のうち第2のランナ室排水管11は、特にランナ外周室4b内の水を排水し易くするために、ランナ外周室4bに開口している。ところが、このランナ外周室4bは、通常の運転中すなわちポンプ運転または水車運転にあって、水力機械本体の他の部分よりも水圧脈動が数倍以上大きい部分である。それは、特に起動時などに特に大きくなる。このため一定の運転期間を経ると、第2のランナ室排水管11にクラックが入り水漏れが発生する懸念があり、この場合調相運転が困難となる。
また第1のランナ室排水管10だけで調相運転が出来ないかどうか検討されたが、第1のランナ室排水管10だけでは排水能力が低く、ランナ外周室4bに多量の水が滞留してランナ6の羽根と干渉する問題があった。この場合、ランナ6の回転方向すなわちポンプ方向か水車方向かで状況は異なり、ランナ6がポンプ方向に回転する場合は、水車方向に回転する場合に比べてランナ外周室4bの圧力が高くなるので吸出し管9との差圧が大きくなり排水作用が高く、ポンプ方向の調相運転はほぼ可能である。しかし、水車方向の調相運転は、ほとんどの場合困難であることが多い。
そこで第2のランナ室排水管11に代わるものとして、スパイラルケーシング7内と吸出し管9内とを結ぶケーシング排水管15を設けることが提案されている(特許文献1)。
これは図7に示すように、ランナ6の空転運転時にランナ室4のランナ外周室4bに滞留する水を全閉したガイドベーン8の隙間からスパイラルケーシング7内に逃がすとともに、スパイラルケーシング7内に逃がされた漏水をケーシング排水管15により吸出し管9内に排水するものである。さらに水車方向のようにガイドベーン全閉状態ではランナ外周室4bに滞留する水をスパイラルケーシング7へ逃がしきれないような運転状態によっては、ガイドベーン8の隙間を積極的に大きくするためにガイドベーン8の開度を少し開く、いわゆる小開度状態にすることが提案されている。そして、小開度状態のガイドベーン開度は、ケーシング排水管15の断面積とガイドベーン8の高さおよびガイドベーン8の枚数により数式で計算して求められるようになっており、水温、発電機出力、或いは軸ぶれの検出値等を信号としてガイドベーン8の小開度制御を行うようにしている。すなわち、ランナ室4内の水のスパイラルケーシング7への排水が悪いと、水温上昇や発電機出力(揚水の場合には電動機入力)の増加、軸ぶれの増加につながるという結果を捉えてガイドベーン8を制御するようにしている。
また、従来の調相運転を行う水力機械では、図8に示すように通常運転時のランナ6まわりの圧力的不平衡により発生するスラストを低減するために、外側背圧室4dと側圧室4aを連通する連通管16と、内側背圧室4cと吸出し管9を連通する連通管17が備えられている。さらに、ランナ空転運転時のランナ室4b内の水滴混じりの空気を吸出し管9に戻すための第1の排水管10と、スパイラルケーシング7内の水を吸出し管9に戻すためにスパイラルケーシング7と吸出し管9を連通するケーシング排水管15が備えられている。これらはそれぞれ別個に配管されており、配管類が多く複雑である。
特開平11−270453公報
ところが、上記図7や図8に示したような水力機械においては、小開度状態のガイドベーン開度は水温、発電機出力、或いは軸ぶれの検出値等の信号により制御しているが、発電機出力はともかく、水温或いは軸ぶれは、一般に検出の際の応答が遅くあるいは不確実性があり、適時に確実な制御を行うという観点からは不都合がある。また、発電機出力に関しても実際に発電所での試験を行わねば判定のデータを得ることができず、多くの試験を経なければ制御のためのデータとしては利用できない等の問題がある。したがって、ガイドベーン開度を状況に応じてより大きく開き、ランナを駆動する電動機の入力を減らして経済的な運転を行うことが出来ない等の問題点があった。また、第1のランナ室排水管10およびケーシング排水管15を単独に施工することは配管が複雑になり、保守などの信頼性上問題点があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、ケーシング排水管を用いたランナ空転運転時に、スパイラルケーシング内に流入してくる空気をモニターしガイドベーン開度を適切に制御でき、スパイラルケーシング内に空気溜まりを形成させることなくランナを駆動する電動機の入力を最低に抑えた調相運転が行える水力機械のケーシング排水機構および水力機械の運転方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、駆動軸に固着されたランナと、前記ランナを収容するランナ室と、前記ランナ室に連通するスパイラルケーシングと、前記ランナと前記スパイラルケーシングとの間に設けられたガイドベーンと、前記ランナ室に接続された吸出し管とを備え、かつ前記吸出し管内に高圧空気を注入して自由水面を作り前記ランナを気中で空転運転するようにした水力機械に設けられるケーシング排水機構において、前記スパイラルケーシングと前記吸出し管の間を連通する排出管と、前記ランナ室から前記スパイラルケーシング内への空気流入の状況を検出する気相検出器とを設け、前記気相検出器の検出信号により前記ガイドベーンの開度制御を行うようにするとともに、前記気相検出器をスパイラルケーシングと吸出し管の間を連通する排水管に設けたことを特徴とする水力機械のケーシング排水機構が提供される。
さらに、前記排水管の水平部に非満水型電磁流量計を設けることができる。
また、本発明によれば、通常の運転状態からガイドベーンを全閉とした後に高圧空気注入管から高圧空気を吸出し管内に供給し、ランナ室内の水を空気に置換して水面を前記ランナの下端部よりも下方の設定水位まで下げ、前記ランナを気中で空転運転させる水力機械の運転方法であって、前記スパイラルケーシングと吸出し管の間を連通する排水管に設けられた気相検出器の信号を制御信号として、空転運転時におけるガイドベーンの開度を制御することを特徴とする水力機械の運転方法が提供される。
本発明は、上述のように、ランナ室からスパイラルケーシング内への空気流入の状況を検出する気相検出器をスパイラルケーシングと吸出し管の間を連通する排水管に設け、この気相検出器の検出信号によりガイドベーンの開度制御を行うようにしたので、ランナ空転運転時にガイドベーンの小開度制御を適切に行うことができ、スパイラルケーシング内に空気溜まりを形成させることなく、ランナを駆動する電動機の入力を最低に押さえた調相運転を行うことができる。
以下、図1乃至図5を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図6または図7と同一部分には同一符号を付して説明する。
図1は、本発明の水力機械における第1の実施の形態の概略構成を示す断面図であって、この水力機械1は、ランナ上カバー2とランナ下カバー3によって形成されているランナ室4内に駆動軸5に連結されたランナ6を有している。上記ランナ室4の外周にはスパイラルケーシング7が配設されており、上記ランナ室4とスパイラルケーシング7とを連通する流路にガイドベーン8が設けられている。また、上記ランナ室4の下端部には吸出し管9が接続されている。ランナ室4の側圧室4aと吸出し管9との間は排水弁10aを有する第1のランナ室排水管10により連通されており、上記吸出し管9には吸気弁12aを有する圧縮空気供給管12が接続されている。
スパイラルケーシング7には、吸出し管7の流路に開口するケーシング排水管15が接続されており、そのケーシング排水管15の途中には、排水弁15aの下流側に気相検出器20が設けられている。
このような構成の水力機械において、通常の運転状態からランナ6を気中で空転運転させるいわゆる調相運転を行う場合には、ガイドベーン8を全閉とした後に吸出し管上部に接続された高圧空気注入管12の吸気弁12aを開き、吸出し管9内に高圧空気を供給し、ランナ室4内の水を空気に置換し、水面13をランナ6の下端部6aよりも下方の設定水位まで下げる。次に、水力機械1に接続された入口弁(図示せず)が全閉した時点でケーシング排水管15の排水弁15aを開く。
ランナ空転運転中は、ランナ6によって水滴混じりの空気が吸出し管9からランナ外周室4b側に運ばれるが(この他にシール冷却水などの水も入ってくる)、この空気と水滴の一部は側圧室4a内に入り、側圧室4aを通って吸出し管9に戻る分と第1のランナ室排水管10を通って吸出し管9に戻る分とに分かれ環流している。また、ランナ室4内の水滴混じりの空気はランナ6の回転によって同方向に旋回しているため、その空気には遠心力が作用し、空気と水との密度差によって水がランナ外周室4bの外側、すなわちガイドベーン8の内面側に集まる。この場合、ガイドベーン8の上下には隙間があり、この隙間を通してスパイラルケーシング7内へ漏水しケーシング排水管15を通して吸出し管9内へと還流する。ガイドベーン8が小開度状態にあると、ガイドベーン間の隙間からもスパイラルケーシング7内へ漏水し、ケーシング排水管15を通して吸出し管9内へ流出する還流量は増大する。この場合、ガイドベーン間の隙間が適正値より大き過ぎるとランナ室4から空気が連続的にスパイラルケーシング7内へ入ることになり、その量が多いとケーシング排水管15を通して吸出し管9内へ戻しきれずスパイラルケーシング7内の上部に空気溜まりが形成される。ここで空気溜まりが残った状態でランナ空転運転から発電あるいは揚水運転へ移行すると、水力機械の下池あるいは上池に膨張した空気が吹き出すことになり運転上好ましくなく、適当な方法でスパイラルケーシング内の空気を排気しておく必要がある。
本実施の形態では、ケーシング排水管15の途中に気相検出器20を設けたもので、スパイラルケーシング7内への空気流入状況が把握可能としてある。すなわち、ガイドベーン8の開度が大きいとスパイラルケーシング7内への空気の連続的な流入が生じるが、流入した空気はスパイラルケーシング7内上部の傾斜に沿って入口部に移動し、その入口部に開口したケーシング排水管15内に入り吸出し管9へ戻る。従ってケーシング排水管15内を流れる空気の状況をモニターすればスパイラルケーシング7内への空気の流入状況を把握することが可能である。ここで気相検出器20としては、電極間の導電率の変化を用い空気の混入を検出するもの、或いは空気が混入した際に水量測定が不安定もしくは測定不能になる普通の電磁流量計を用いるもの、その他キャパシタ、超音波、AE(Acoustic Emission)などを用いた計測方法など様々なものを利用することが出来る。
これにより、スパイラルケーシング7内への空気流入の状況を気相検出器20で連続して監視しながらランナ空転運転を行うことができ、スパイラルケーシング内上部に空気溜まりが形成されない範囲でガイドベーン8をなるべく大きく開けて、ランナ6を駆動する電動機入力を小さくした運転が可能となる。しかも、スパイラルケーシング7への空気流入の有無を直接検出し、それに基づいてガイドベーン8の小開度制御を行うため、発電所での試験は基本的に不要であり、制御の確実性も向上する。
図2は、本発明の第2の実施の形態を示す図であり、図2に示すように第1の実施の形態における気相検出器20に加えて、ケーシング排水管15の途中に形成された水平部に非満水型電磁流量計21が挿入されており、ケーシング排水管15内に空気が流入し配管の水平部に自由水面が出来てもスパイラルケーシング7から吸出し管9へ還流する水量が測定可能である。
ガイドベーン開度がスパイラルケーシング7内上部に空気溜まりが形成されないような範囲であれば、ケーシング排水管15内には水のみが流れるか又は水と空気が混じった状態で流れている。したがってこの構成によれば、気相検出器20により配管内の空気の有無の判定と非満水型電磁流量計21による水量測定が同時に行えるため、ガイドベーン開度を開いていく場合に、ガイドベーン開度と水量の変化の関係をリアルタイムに把握することが出来、かつ空気の混入も測定出来るため、空気溜まりが形成されない限界のガイドベーン開度を迅速に設定することが出来る。すなわち、ガイドベーンが全閉時のように配管内への空気の流入がない場合の水のみの流量を非満水型電磁流量計で測定し、この値を基準として、ガイドベーンを多少開いた場合に配管内への空気の流入が生じ水の流量が減少した場合、その減少程度に応じて速やかにガイドベーン開度の微調整が行えるようにしたものである。
以上のように、気相検出器20によるスパイラルケーシング内への空気流入の監視と合わせ、非満水型電磁流量計21によるケーシング排水管15を流れる水量監視を同時に行いながらランナ空転運転を行うことが出来るため、スパイラルケーシング内上部に空気溜まりが形成されない限界のガイドベーン開度まで迅速に開けて、ランナ6を駆動する電動機入力を小さくした運転を行なうことができる。
図3は本発明の第3の実施の形態を示す図であり、図3に示すようにスパイラルケーシング入口上部に気相検出器22が取付けられており、スパイラルケーシング7内に空気が入ってきてスパイラルケーシング内上部に空気溜まりが形成された場合、その水面までの距離が直接測定可能としてある。
したがって、この水面までの距離をモニターすることにより、スパイラルケーシング内上部に空気溜まりが形成されない範囲でガイドベーンをなるべく大きく開けて、ランナ6を駆動する電動機入力を小さくした運転を行うことができる。
図4は、本発明の第4の実施の形態を示す図であり、気相検出器20、または気相検出器20と非満水型電磁流量計21、或いは気相検出器22からの信号がガイドベーン駆動制御部23に入力され、それらの信号によりガイドベーン8の微調整が行われるようにしてある。
しかして、通常運転からランナ空転運転に移行するには、ガイドベーン8を全閉とした後に吸出し管上部に接続された高圧空気注入管12から高圧空気を供給し、ランナ室4内の水を空気に置換し、水面13をランナ6の下端部6aよりも下方の設定水位まで下げる。次に水力機械1に接続された入口弁(図示せず)が全閉した時点でケーシング排水管15の弁15aを開く。この時点でガイドベーンを小開度にしなければ電動機の入力が小さくならない水車方向の運転の場合などでは、気相検出器(および非満水型電磁流量計)の信号に基づくガイドベーン開度制御を開始し、ケーシング排水管15内を流れる空気、水量またはスパイラルケーシング内上部の空気溜まりまでの距離が設定値に達するまでガイドベーン8を開いていく。設定値に達したらガイドベーン8を開くのを停止しその開度を維持する。状態が変化し空気量が増加した場合はガイドベーン開度を小さくし、その逆の場合はガイドベーン開度を大きくするように制御する。
以上述べたようにこの第4の実施の形態によれば、ガイドベーンを小開度状態にする必要がある場合に自動的に適正な開度に制御することが可能となり、スパイラルケーシング内に空気溜まりを形成することなく電動機入力を最小限に抑えたランナ空転運転を行うことが出来る。
本発明の第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態の変形例であり、図4に示されたガイドベーン駆動制御部23に入力される信号として、気相検出器20からの信号、非満水型電磁流量計21からの信号、気相検出器22からの信号に加えて、ランナを駆動する電動機入力に対応する信号(図示せず)をガイドベーン駆動制御部23に入力するように設定し、電動機入力をランナ空転運転時のガイドベーン開度制御に加えたものである。第5の実施の形態は、この信号入力以外の点は第4の実施の形態と同様の構成であるから図4を再び用いて以下説明する。
ランナ空転運転時の電動機入力は、ランナ室4に滞留する水量に敏感に応答し変化するため、この変化をモニターすれば逆にランナ室4内の様子が判断可能である。すなわち、水面押し下げ直後あるいはランナ室4内の滞留水の排出能力が悪い水車方向に回転するランナ空転運転時のようにランナ室4内の滞留水が多い場合は、ランナの羽根外周部と滞留水が干渉して電動機入力は比較的大きく、逆に滞留水が少ないと干渉も少なくなり電動機入力も小さくなる。したがってこの第5の実施の形態では、第4の実施の形態によるケーシング内への空気の流入の検出によるガイドベーン開度の上限値制御に対して、ランナ室4内に滞留する水量に敏感に応答するランナを駆動する電動機入力に対応する信号をガイドベーン開度制御に組み込み他の入力信号とあわせて制御を行うことで、応答の速い制御が可能となる。
第5の実施の形態におけるランナ空転運転時の制御動作について以下説明する。通常運転からランナ空転運転に移行するには、ガイドベーン8を全閉とした後に吸出し管上部に接続された高圧空気注入管12から高圧空気を供給し、ランナ室4内の水を空気に置換し、水面13をランナ6の下端部6aよりも下方の設定水位まで下げる。次に水力機械1に接続された入口弁(図示せず)が全閉した時点でケーシング排水管15の弁15aを開く。この時点でガイドベーンを小開度にしなければ電動機の入力が小さくならない水車方向の運転の場合などでは、気相検出器(および非満水型電磁流量計)の信号と電動機入力信号に基づくガイドベーン開度制御を開始する。ガイドベーン開度を電動機入力が減少してほぼ一定になるまで迅速に開いていく。次いで気相検出器が空気の流入を検出し、それが設定値に達するまでさらに開いていく。こうして設定値に達したら、ガイドベーンを開く操作を一時停止し、状態変化のモニターを維持する。ここで空気流入がなくなり電動機入力が増加するようであればガイドベーン開度を上述と同様に大きくしていく。逆に空気流入が増加するようであればガイドベーン開度を小さくする。このような制御をランナ空転運転中に継続する。
以上述べたように第5の実施の形態によれば、ガイドベーンを小開度状態にする必要がある場合に自動的に適正な開度に制御することが迅速に行え、ケーシング内に空気溜まりを形成することなく電動機入力を最小限に抑えたランナ空転運転を行うことができる。以下、本発明の第6の実施の形態について説明する。先に背景技術として説明した図8に示した連通管16は、通常運転時のみ機能し、ランナ空転運転時にはランナ6まわりがほとんど空気となるために必要ではない。そして第1の排水管10はランナ空転運転時のみ機能する配管である。従って両方の配管が同時に機能することはない。また同様に、それぞれの片端が吸出し管に接続されている連通管17とケーシング排水管15も通常運転時とランナ空転運転時とで別々に機能するもので両方の配管が同時に機能することは無い。
そこで、第6の実施の形態は、図5に示すように、側圧室4aに接続される配管部分を共通配管として一本にまとめるとともに、吸出し管9に向う配管を共通配管として一本にまとめたものである。すなわち、ランナ6のクラウンと上カバー2との隙間に形成されたシール部の外周側の背圧室4dとランナ6のバンドと下カバー3との隙間に形成された側圧室4aとを結ぶ連通管16を設けるとともに、その連通管16と前記吸出し管9とを結ぶ排水管10が設けられ、また、ランナ6のクラウンと上カバー2との隙間に形成されたシール部の内周側4cと吸出し管9とを結ぶ連通管17を設けるとともに、その連通管17と前記スパイラルケーシング7とを結ぶ排水管15を設けられている。
こうすることで通常運転時においては排水管10の排水弁10aを閉止し連通管16の弁16aを開にすることで外側背圧室4dと側圧室4aとの圧力をバランスさせることが出来、他方、ランナ空転運転時には前記弁の開閉の組合せを逆にすることでランナ室4b内の水を吸出し管9内に戻すことが可能である。また、通常運転時においてはケーシング排水管15の排水弁15aを閉止し連通管17の弁17aを開にすることで内側背圧室4cと吸出し管9との圧力をバランスさせることが出来、他方、ランナ空転運転時には前記弁の開閉の組合せを逆にすることでスパイラルケーシング7内の水を吸出し管9内に戻すことが可能である。こうして従来は両方の配管がそれぞれ別個に吸出し管9まで配管されていたことに対して、途中を一本にまとめることで配管を減らすことが出来、水力機械の信頼性を向上することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態を模式的に示す図。 本発明の第2の実施の形態を模式的に示す図。 本発明の第3の実施の形態を模式的に示す図。 本発明の第4の実施の形態を模式的に示す図。 本発明の第6の実施の形態を模式的に示す図。 従来の水力機械を模式的に示した縦断面図。 従来の水力機械を模式的に示した縦断面図。 従来の水力機械を模式的に示した縦断面図。
符号の説明
1 水力機械
4 ランナ室
4a 側圧室
4b ランナ外周室
4c 内側背圧室
4d 外側背圧室
5 駆動軸
6 ランナ
7 スパイラルケーシング
8 ガイドベーン
9 吸出し管
10 第1のランナ室排水管
12 高圧空気注入管
13 水面
15 ケーシング排水管
20 気相検出器
21 非満水型電磁流量計
22 気相検出器
23 ガイドベーン駆動制御部
24 連通管
25 連通管

Claims (4)

  1. 駆動軸に固着されたランナと、前記ランナを収容するランナ室と、前記ランナ室に連通するスパイラルケーシングと、前記ランナと前記スパイラルケーシングとの間に設けられたガイドベーンと、前記ランナ室に接続された吸出し管とを備え、かつ前記吸出し管内に高圧空気を注入して自由水面を作り前記ランナを気中で空転運転するようにした水力機械に設けられるケーシング排水機構において、
    前記スパイラルケーシングと前記吸出し管の間を連通する排出管と、前記ランナ室から前記スパイラルケーシング内への空気流入の状況を検出する気相検出器とを設け、前記気相検出器の検出信号により前記ガイドベーンの開度制御を行うようにするとともに、前記気相検出器をスパイラルケーシングと吸出し管の間を連通する排水管に設けたことを特徴とする水力機械のケーシング排水機構。
  2. 前記排水管の水平部に非満水型電磁流量計が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の水力機械のケーシング排水機構。
  3. 通常の運転状態からガイドベーンを全閉とした後に高圧空気注入管から高圧空気を吸出し管内に供給し、ランナ室内の水を空気に置換して水面を前記ランナの下端部よりも下方の設定水位まで下げ、前記ランナを気中で空転運転させる水力機械の運転方法であって、前記スパイラルケーシングと吸出し管の間を連通する排水管に設けられた気相検出器の信号を制御信号として、空転運転時における前記ガイドベーンの開度を制御することを特徴とする水力機械の運転方法。
  4. 前記ランナを駆動する電動機の入力を制御信号として、空転運転時における前記ガイドベーンの開度を制御することを特徴とする請求項3記載の水力機械の運転方法。
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JP2004116488A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Toshiba Corp 水力機械およびその運転方法

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