JP2004116418A - ガス燃料用圧力レギュレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース10内に設けた1つ又は複数の圧力制御室(17、18、19)と、各圧力制御室を形成する区画面に設けたダイヤフラム(20,21,22)と、各圧力制御室に連通するガス流入側通路(12、28、34)及びガス流出側通路(28、34、13)と、各ダイヤフラムに連結され、ケースに設けた支軸24、30,36廻りに回動してガス流入側通路を開閉する開閉バルブ(23、31、39)と、この開閉バルブを開方向又は閉方向に付勢するケースに取付けられた付勢部材(26、32.38)とを備え、付勢部材38の付勢力の方向は前記支軸36に対し直角方向である。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス燃料エンジンの燃料供給用圧力レギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
LPG(液化石油ガス)や天然ガス等のガス燃料を使用するエンジンにおいては、高圧の燃料タンクからのガス燃料を圧力レギュレータで減圧し、これをミキサーで空気と混合してエンジンに供給する。このようなミキサーに接続する圧力レギュレータは例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
一方、従来よりレギュレータ内を複数室に分割し、各室にダイヤフラムとスプリングにより動作するバルブを備え、燃料圧力とエンジン吸気負圧及び各室内圧力に応じてガス燃料をエンジンに供給するレギュレータが用いられている。このような圧力レギュレータは、ガス連通路を開閉するバルブを有し、このバルブを駆動するために、スプリングにより一定方向に付勢されるとともにダイヤフラムに連結された支軸廻りに回転可能なレバーを備えている。
【0004】
図8は、従来の圧力レギュレータのバルブ駆動用レバー部分の構成説明図である。
ダイヤフラム101に連結されたレバー102は支軸ピン103廻りに回転可能である。支軸ピン103は、レバー102の両側の屈曲片109の外側でケース110と一体に設けたボス111に支持される。レバー102の一方の端部にゴム製のバルブ104が固定される。このバルブ104が連通路105を開閉する。ダイヤフラム101の中心に連結部材106が固定される。連結部材106の端部の係止頭部106aがレバー102のバルブと反対側の端部に設けた長孔107を挿通してレバー102と連結される。
【0005】
レバー102のバルブ104側の端部に、このバルブ104に隣接してバネ受け片108が設けられる。バネ受け片108にコイルバネ112の端部が当接する。コイルバネ112は、ケース110に保持され、調整ネジ113によりバネ受け片108に対する付勢力(バネ力)を調整可能である。このコイルバネ112は、バネ受け片108を押圧してレバー102を支軸ピン103廻りに回転させ、バルブ104が連通路105を閉じる方向((A)で上側、(C)で下側)に付勢する。
【0006】
このような構成の圧力レギュレータにおいて、入口(不図示)から燃料ガスを導入し、エンジンが始動してその吸気負圧がダイヤフラム101に作用すると、(C)図の連結部材106が下方に移動し、レバー102を支持ピン103廻りに回転させてバルブ104を吸気負圧に応じた開度だけ開く。これにより吸気負圧に応じた量のガス燃料が出口(負図示)からエンジンに供給される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−130264号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧力レギュレータでは、コイルバネ112の付勢方向がレバー102の支軸ピン103に対し傾斜しているため、支軸ピン103に対し支軸方向に分力を生じてレバー102を片側((B)図で下側)に移動させる力が作用する。したがって、レバー102の屈曲片109がボス111に押し付けられて摩擦力を発生し、レバー102の円滑な回転動作を阻害する。このため、バルブの開き始めの吸気負圧が高くなり、極低い吸気負圧での高精度の燃料供給制御ができなくなる。
【0009】
また、ダイヤフラム101の変位に伴って連結部材106の係止頭部106aでレバー102を挟持した状態で下方に押圧する際、レバー102の傾斜角度によって,連結部材106とレバー102との当接位置が片当り状態となって長孔107に沿ってずれるため、摩擦力が大きくなり円滑なレバーの動きを阻害する。このため、バルブ動作にヒステリシスを生じ、同じ吸気負圧でもバルブが開く方向の場合と閉じる方向の場合とで流量が変わり安定した燃料供給ができず運転感覚が低下する。
【0010】
さらに、組立て誤差等により、バルブ104が連通路105の開口面に対し斜めに組立てられると、バルブ104の開閉位置がずれて精度の高い燃料制御ができず、低い吸気負圧でバルブを開くことができなくなる。
【0011】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、バネ力及びダイヤフラムによって動作する例えばレバーを介してバルブを支軸廻りに回動させて開閉動作する圧力レギュレータにおいて、レバーの回転動作を円滑にして、バルブ動作のヒステリシスをなくすとともに小さな圧力でダイヤフラムを動作させて、例えば低いエンジンの吸気負圧でバルブの開閉動作を可能とするガス燃料用圧力レギュレータの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、高圧ガスの入口及び圧力制御されたガスの出口を有するケースと、このケース内に設けた1つ又は複数の圧力制御室と、各圧力制御室を形成する区画面に設けたダイヤフラムと、各圧力制御室に連通するガス流入側通路及びガス流出側通路と、前記ダイヤフラムに連結され、前記ケースに設けた支軸廻りに回動して前記ガス流入側通路を開閉する開閉バルブと、この開閉バルブを開方向又は閉方向に付勢する前記ケースに取付けられた付勢部材とを備え、前記付勢部材の付勢力の方向は前記支軸に対し直角方向であることを特徴とするガス燃料用圧力レギュレータを提供する。
【0013】
この構成によれば、開閉バルブを一定方向に付勢する付勢部材(例えばバネ)の付勢力の方向が、この開閉バルブの回動支軸と直角な方向であるため、支軸に沿って開閉バルブを位置ずれさせる不要な分力は発生せず、付勢部材のもつ付勢力が有効にバルブ開閉動作に用いられる。したがってバルブ自体又はこれを保持する部材(例えばレバー)が支軸に沿って移動する方向の力が作用しなくなる。このため、バルブ自体又はその保持部材が支軸の一方の端部の支持部材側に偏ってこの支持部材に押圧されることがなくなり、円滑な回転動作ができ、ヒステリシスの抑制とともに、ダイヤフラムの両面に作用する圧力差が小さくても精度よくバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0014】
好ましい構成例では、前記圧力制御室として第1〜第3室を有し、第1室は、第1ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入側通路として高圧ガス源に連通する前記ケースの入口を有し、前記開閉バルブとして前記入口を開閉する第1バルブを有し、前記付勢部材として第1バネを有し、前記ガス流出側通路として第2室に連通する第1連通路を有し、第2室は、第2ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入通路として前記第1連通路を有し、前記開閉バルブとして前記第1連通路を開閉する第2バルブを有し、前記付勢部材として第2バネを有し、前記ガス流出側通路として第3室に連通する第2通路を有し、第3室は、第3ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入通路として前記第2連通路を有し、前記開閉バルブとして前記第2連通路を開閉する第3バルブを有し、前記付勢部材として第3バネを有し、前記ガス流出側通路としてエンジンに連通する前記ケースの出口を有し、前記第3バネの付勢方向が前記第3バルブの開閉動作の回動支軸と直角であることを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、それぞれダイヤフラム及びバネを有する第1〜第3室を備え、エンジンに連通する出口を有する第3室と第2室との間の連通路に設けた例えばバルブ開閉用レバーを、その回転支軸がこのレバーを押圧するバネの付勢方向と直交するように配置したため、支軸に対するバネの分力が発生せず、したがってレバーを支軸に沿って移動させようとする力が作用しなくなる。このため、レバーが支軸の一方の端部の支持部材側に偏ってこの支持部材に押圧されることがなくなり、円滑な回転動作ができ、ヒステリシスの抑制とともに、エンジン側からの低い吸気負圧で精度よくバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0016】
さらに好ましい構成例では、前記第3バルブは、前記支軸に枢着されたレバーに設けられ、該レバーに対し前記第3ダイヤフラムを半球状の曲面を介して係合させたことを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、ダイヤフラムがレバーを押圧する際、半球状の曲面を介して押圧するため、レバーの角度にかかわらず一定の圧接力でレバーに沿って変位することができ、特にヒステリシスの低減に寄与する。
【0018】
さらに好ましい構成例では、前記第3バルブは、自在回転可能な継手を介して前記レバーに取付けられたことを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、レバーの取付角度にかかわらずバルブが自在回転して最適状態で連通路を閉じることができ、バルブ動作の信頼性が高まるとともに低い吸気負圧においても安定した高精度のバルブ開閉動作が得られる。
【0020】
好ましい適用例は、本発明の圧力レギュレータを吸気通路に接続したガス燃料エンジンである。
本発明の圧力レギュレータを介して燃料を供給することにより、燃料供給の流量ヒステリシスが抑制され安定した燃料供給できるとともに、低い吸気負圧で精度よくバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るガス燃料エンジンの構成図である。
エンジン1の燃焼室2に臨んで点火プラグ3が備わる。燃焼室2に吸気通路4及び排気通路5が連通する。吸気通路4上にミキサー6が備わる。ミキサー6にエアクリーナ9を通して空気が導入されるとともに、圧力レギュレータ7を介して例えば20MPaのCNG(圧縮天然ガス)が充填された燃料タンク8が接続される。
【0022】
図2は本発明に係る圧力レギュレータの外観構成図であり、(A)は側面図、(B)は底面図である。
圧力レギュレータ7の上面(配設位置によっては底面)側のケース10内に、ダイヤフラム室11が形成され後述の第3ダイヤフラムが装着される。ダイヤフラム室11の下側に、高圧燃料タンク側に接続される入口12及びミキサー側に接続される出口13が設けられる。14、15はそれぞれ別のダイヤフラム室を示し、その内部に後述の第1及び第2ダイヤフラムが装着される。16は、後述の第3バネ調整ネジである。
【0023】
図3は、本発明に係る圧力レギュレータの内部構成図である。
この圧力レギュレータ7は、ケース10内に第1室17、第2室18及び第3室19を有し、各室17〜19にそれぞれ第1ダイヤフラム20、第2ダイヤフラム21及び第3ダイヤフラム22が装着され、各ダイヤフラム20〜22はそれぞれ各室17〜19の仕切りの一部(区画面)を構成する。
【0024】
第1室17は、高圧ガス源である燃料タンク8(図1)に連通する入口12を有し、この入口12を開閉する第1バルブ23が備わる。第1バルブ23は、回転支軸24廻りに回転可能な第1レバー25により駆動される。第1レバー25は、第1ダイヤフラム20及びその中心に作用する第1バネ26により、第1室17内の圧力に応じて回転駆動される。第1ダイヤフラム20の外側にはポート27を通して大気圧が作用する。第1バネ26は、バルブ23を開く方向に付勢する。
【0025】
第1室17と第2室18は第1連通路28を介して連通する。第1連通路28は、第2室18に設けた回転支軸30廻りに回転可能な第2レバー29により開閉される。第2レバー29の一方の端部が、第1連通路28を開閉する第2バルブ31を構成する。第2レバー29の他方の端部にトーションバネからなる第2バネ32が係合する。第2バネ32は、軸33廻りに矢印方向に回転して第2レバー29を第2バルブ31が開く方向に付勢する。第2ダイヤフラム21の両側にはそれぞれ第2室18内の圧力及び第3室19内の圧力が作用する。第2ダイヤフラム21は、第2バネ32とともに第2室18内の圧力に応じて第2レバー29を回転動作させて第2バルブ31を開閉する。
【0026】
第3室19は、第2連通路34を通して第2室18と連通する。この第2連通路34は、回転支軸36廻りに回転可能な第3レバー35により開閉される。第3レバー35の端部に第2連通路34を開閉する第3バルブ39が設けられる。第3レバー35にはバネ受け片37が一体的に備わる。このバネ受け片37に第3バネ38が当接する。第3バネ38は、ケース10に設けた調整ネジ16によりバネ力を調整可能である。この第3バネ38は、バネ受け片37を押圧して第3バルブ39が閉じる方向に第3レバー35を回転させる。
【0027】
第3レバー35のバルブ39と反対側の端部は、連結部材40を介して第3ダイヤフラム22の中心に連結される。この第3ダイヤフラム22の一方の側に出口13を介してエンジン側の吸気負圧が作用し、他方の側にポート41を介して大気圧が作用する。この第3ダイヤフラム22は、第3バネ38とともに第3室19内の圧力に応じて第3レバー35を回転動作させて第3バルブ39を開閉する。
【0028】
図3の状態は、圧力レギュレータ7の入口12に連通する不図示の燃料供給管のバルブ(不図示)が閉じられて燃料が供給されていない状態で、エンジンの始動前の状態である。したがって、第1室17、第2室18及び第3室19は、ともに大気圧状態であって、第1〜第3ダイヤフラム20,21.22の両側は同圧となる。したがって、第1バルブ23は第1バネ26によって開かれ、第2バルブ31は第2バネ32によって開かれる。また、第3バルブ39は第3バネ38によって閉じられる。
【0029】
図4は、図3の状態からガス燃料を導入した状態で且つエンジン始動前の状態である。
この状態では、入口12から高圧のガス燃料が導入されるため、第1室17及び第2室18が高圧になる。したがって、第1室17では、第1ダイヤフラム20が第1バネ26に抗して上昇し、第1レバー25を回転させて第1バルブ23を閉じる。これにより、ガス燃料はレギュレータ7の入口12で停止され内部には流入されない状態になる。
【0030】
第2室18では、室内の圧力が高くなるため第2ダイヤフラム21が第2バネ32に抗して第2レバー29を回転させて第2バルブ31を閉じる。また、第3室19は、エンジン始動前であって大気圧のため、第3ダイヤフラム22に作用する力はダイヤフラム両側がいずれも大気圧で変わらないため、第3バルブ39は閉じたままである。
【0031】
この状態からエンジンが始動すると、出口13を通してエンジンの吸気負圧が第3室19に作用する。これにより、第3ダイヤフラム22が連結部材40を介して第3レバー35を押上げ、回転支軸36廻りに半時計方向に回転させる。これにより、第3バルブ39が開いて第2室18に吸気負圧が作用する。これにより、高圧だったとき(図4)の第2ダイヤフラム21による第2バルブ31を閉じる方向の力が弱まり、第2バネ32により第2バルブ31が開く。これにより、吸気負圧がさらに第1室17に作用し、第1ダイヤフラム20による第1バルブ23を閉じる方向の力が弱まる。これにより第1バルブ23が開いて入口12からガス燃料が流入する。このガス燃料の流量は出口13側に作用するエンジンの吸気負圧に対応する。これにより、エンジン負荷に応じた吸気負圧に対応してガス燃料を供給することができる。
【0032】
図5は、上記実施形態における第3レバーの詳細構成説明図である。
第3レバー35の回転支軸36は、例えばピアノ線その他鋼製の線材等からなるピン状の軸部材(ピン支軸)である。この回転支軸36はその両端でケース10と一体のボス42に支持される。第3レバー35は、これと一体のバネ受け片37を有し、その端部にバネ受け突起43が備わる。このバネ受け突起43はそのバネ受け側の端部が半球状の凸曲面である。このバネ受け突起43に対し、第3バネ38の端部に設けた押圧係止部材44の半球状凹部が被さって係合する。このような半球状の曲面同士の接触を介して第3バネ38が第3レバー35のバネ受け片37を押圧する。これにより、第3レバー35が傾いた場合であっても、傾きに追従して第3バネ38が確実にバネ受け片37を押圧してバネ力を有効に付勢方向に付与できる。
【0033】
本実施形態では、(B)に示すように、回転支軸36の軸方向に対し、第3バネ38の付勢方向が直交するように各部材が配設される。これにより、第3バネ38のバネ力は全て有効に第3レバー35を回転支軸36廻りに回転するために用いられ、従来(図8)のように回転支軸方向に沿ってレバーをずらせるような分力は発生しない。これにより、第3レバー35の回転に対する摩擦抵抗力を低減して小さな吸気負圧により高感度で第3バルブ39を動作させることができ、低負荷時における高精度な燃料供給制御が達成される。
【0034】
第3ダイヤフラム22の中心に設けた連結部材40は、その先端が半球状の凸曲面40aである。この半球状凸曲面40aが第3レバー35に形成した半球状凹部45内に係入して曲面同士の接触を介して連結部材40が第3レバー35を第3室19内の負圧状態に応じて押圧する。これにより、第3レバー35の傾斜角度が変わっても、ほぼ一定の圧接力で第3レバーを押圧することができ、安定した滑らかなレバー回転動作が得られ、低い吸気負圧でのバルブ動作を可能とするとともに、特にヒステリシス抑制の効果を高めることができる。
【0035】
なお、連結部材40は、図では押圧時にのみ第3レバー35に当接してこれを下降((C)図)させるが、上昇動作についても適当な手段(結合手段や復帰バネ等)で連結又は係合状態に保持しておくことが望ましい。
【0036】
第3ダイヤフラム22の厚さについてみると、前記第1及び第2ダイヤフラム20,22とともに、各ダイヤフラム20〜22の厚さは、従来0.23mm程度であったものを0.15mm程度まで薄型化している。
【0037】
ダイヤフラムは、布材に軟化したゴム材を練り込み、これを成型し加硫することにより形成される。このダイヤフラムは通常円形であり、例えば図5(C)の第3ダイヤフラム22のように、その周縁部をケース10の本体10aとその蓋10bとの間に挟んでガスケット50でシールして固定される。本発明では、このダイヤフラムの受圧部分の厚さを従来に比べ薄くして、約0.15mm〜0.2mmである。この場合、0.15mmより薄くすることは製造上困難であり又できたとしても強度上好ましくない。また、0.2mmより厚くすると感度が鈍くなり、低い吸気負圧の微妙な変化に追従できなくなる。
【0038】
なお、ダイヤフラムの周縁部を厚く形成して、厚くなった周縁部をケース本体10aと蓋10bとの間に挟んで固定し、ガスケット50を省略してもよい。
【0039】
図6は、第3レバーの別の例の構成説明図である。
この例では、第3レバー46(図3〜5の第3レバー35に相当)は、その端部に折返し片46aが形成される。この折返し片46aに、一方の端部が拡大された長孔47が形成される。第3ダイヤフラム22の中心に固定された連結部材40の端部に拡大した連結頭部40aが設けられる。この連結頭部40aは、半球状の凸曲面を先端部側に有する。この連結頭部40aは、第3レバー46の長孔47の拡大された端部を通してこの長孔47に挿入し、横にずらせてこの長孔47に係止する。第3室19に吸気負圧が作用して第3ダイヤフラム22が変位すると、(C)に示すように、連結頭部40aが第3レバー46を押圧してこれを回転支軸36廻りに回転させる。このとき、連結頭部40aの半球状凸曲面が第3レバーに当接して押圧するため、第3レバー46の傾斜角度が変わっても、ほぼ一定の圧接力で第3レバーを押圧することができ、安定した滑らかなレバー回転動作が得られ、低い吸気負圧でのバルブ動作を可能とするとともに、特にヒステリシス抑制の効果を高めることができる。
【0040】
吸気負圧が小さくなって第3ダイヤフラム22が戻る場合には、このダイヤフラムに固定された連結部材40の拡大径の連結頭部40aが、第3レバー46の長孔46aに挿入されて係止しているため、ダイヤフラムの動作に伴いこの連結部材40が第3レバー46を引き戻す。これにより、吸気負圧に応じて、円滑なレバー回転動作が得られ、吸気負圧に対する応答感度の向上及びヒステリシス低減の効果が得られる。
【0041】
また、この実施形態の例においては、第3バルブ39が自在継手48を介して第3レバー46の下面側に取付けられる。第3バルブ39は金属等の剛性の大きい材料で形成する。第2連通路34の端部の内縁に弾性シール材49が装着される。この自在継手48は、例えば、レバー端部に突出する球状部材をバルブ側から摺動可能に包む構成である。これにより、第3バルブ39が、第3レバー46に対し全方向に傾斜可能に取付けられる。したがって、(B)に示すように、第3バルブ39で第2連通路34を閉じたときに、組立て誤差等により第3レバー46が傾斜していても、その傾きを吸収して連通路開口面の周縁に対し均一な圧接力で第3バルブ39を押圧してシール材49を介して閉状態とすることができる。これにより、シール性が向上して閉状態の信頼性が高まるとともに、微妙な吸気負圧の変化に応じて第3レバー46が回転したときに、レバー動作に高感度で対応して開閉動作させることができ、低い吸気負圧でバルブ開閉動作を確実に行うことができる。その他の構成及び作用効果は、前記図5の実施形態と同様である。
【0042】
図7は、吸気負圧に対する第3バルブのバルブ特性のグラフである。横軸は吸気負圧、縦軸は流量を示す。×印は従来のバルブを示し、△印は第3レバーを押圧する連結部材の押圧面を凸曲面とした一部改良型のバルブを示し、○印は第3バネを第3レバー支軸に直交させるとともに第3レバーを押圧する連結部材の押圧面を凸曲面とした本発明のバルブを示すグラフである。すなわち、上記本発明の実施形態で説明した改良点
【0043】
▲1▼:第3バネ38端部の曲面受け構造(図5のバネ受け突起43)、
▲2▼:支軸ピン36と第3バネ38の直交配置構造(図5)、
▲3▼:第3レバー46の折返し片46aと、この折返し片46aに係止する連結頭部40aの半球状曲面でレバーを押圧する構造(図6)、
▲4▼:第3バルブ39を自在継手48を介して取付けた構造(図6)、
▲5▼:ダイヤフラムを薄くした構造、
のうち△印は▲1▼、▲3▼及び▲5▼の改良を行なったものであり、○印は▲1▼〜▲5▼の全ての改良を行なったものである。
【0044】
グラフから分るように、従来のバルブ(×印)ではバルブ開の立上り位置(バルブが開き始める吸気負圧の位置)が高く、ほぼ10mmAqにならないと反応しない。また、ヒステリシスが大きく、開き方向の流量と閉じる方向の流量との間に大きな差が生じている。これに対し、一部改良型のバルブ(△印)では、ヒステリシスが改善されている。さらに本発明のバルブ(○印)ではバルブの開き始め位置の吸気負圧が低くなってほぼ2〜3mmAqで開くとともにヒステリシスが改善され、開き方向の流量と閉じる方向の流量との間にほとんど差が生じていない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、開閉バルブを一定方向に付勢する付勢部材(例えばバネ)の付勢力の方向が、この開閉バルブの回動支軸と直角な方向であるため、支軸に沿って開閉バルブを位置ずれさせる不要な分力は発生せず、付勢部材のもつ付勢力が有効にバルブ開閉動作に用いられる。したがってバルブ自体又はこれを保持する部材(例えばレバー)が支軸に沿って移動する方向の力が作用しなくなる。このため、バルブ自体又はその保持部材が支軸の一方の端部の支持部材側に偏ってこの支持部材に押圧されることがなくなり、円滑な回転動作ができ、ヒステリシスの抑制とともに、ダイヤフラムの両面に作用する圧力差が小さくても精度よくバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0046】
また、それぞれダイヤフラム及びバネを有する第1〜第3室を備え、エンジンに連通する出口を有する第3室と第2室との間の連通路に設けた例えばバルブ開閉用レバーを、その回転支軸がこのレバーを押圧するバネの付勢方向と直交するように配置した構成とすれば、支軸に対するバネの分力が発生せず、したがってレバーを支軸に沿って移動させようとする力が作用しなくなる。このため、レバーが支軸の一方の端部の支持部材側に偏ってこの支持部材に押圧されることがなくなり、円滑な回転動作ができ、ヒステリシスの抑制とともに、エンジン側からの低い吸気負圧で精度よくバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0047】
すなわち、それぞれダイヤフラム及びバネを有する第1〜第3室を備え、エンジンに連通する出口を有する第3室と第2室との間の連通路(実施例の第2連通路34)に設けたバルブ開閉用レバー(実施例の第3レバー35,46)を、その回転支軸36がこのレバーを押圧するバネ(実施例の第3バネ38)の付勢方向と直交するように配置することにより、支軸36に対するバネ38の分力が発生せず、したがってレバー35,46を支軸36に沿って移動させようとする力が作用しなくなり、レバーが支軸の一方の端部の支持部材に対し押圧されることがなくなり、円滑な回転動作ができ、ヒステリシスの抑制とともに、エンジンからの低い吸気負圧でバルブ開閉動作が達成でき、高精度な燃料供給制御が可能になる。
【0048】
また、前記レバーと第3ダイヤフラムとを半球状の曲面を介して係合させた構成とすれば、ダイヤフラムがレバーを押圧する際、半球状の曲面を介して押圧するため、レバーの角度にかかわらず一定の圧接力でレバーに沿って変位することができ、特にヒステリシスの低減に寄与する。
【0049】
さらに、前記第3バルブは、自在回転可能な継手を介して前記レバー(第3レバー)に取付けられた構成とすれば、レバーの取付角度にかかわらずバルブが自在回転して最適状態で連通路を閉じることができ、バルブ動作の信頼性が高まるとともに低い吸気負圧においても安定した高精度のバルブ開閉動作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス燃料エンジンの構成図。
【図2】圧力レギュレータの外観図。
【図3】本発明に係る圧力レギュレータのガス燃料を供給していない状態の内部構成図。
【図4】図3の圧力レギュレータにガス燃料を供給した状態の内部構成図。
【図5】本発明に係るバルブ駆動用レバーの詳細構成説明図。
【図6】本発明に係るバルブ駆動用レバーの別の例の詳細構成説明図。
【図7】吸気負圧に対するバルブ特性のグラフ。
【図8】従来の圧力レギュレータの要部構成図。
【符号の説明】
1:エンジン、2:燃焼室、3:点火プラグ、4:吸気通路、5:排気通路、
6:ミキサー、7:圧力レギュレータ、8:燃料タンク、9:エアクリーナ、
10:ケース、11:ダイヤフラム室、12:入口、13:出口、
14,15:ダイヤフラム室、16:第3バネ調整ネジ、17:第1室、
18:第2室、19:第3室、20:第1ダイヤフラム、
21:第2ダイヤフラム、22:第3ダイヤフラム、23:第1バルブ、
24:回転支軸、25:第1レバー、26:第1バネ、27:ポート、
28:第1連通路、29:第2レバー、30:回転支軸、31:第2バルブ、
32:第2バネ、33:軸、34:第2連通路、35:第3レバー、
36:回転支軸、37:バネ受け片、38:第3バネ、39:第3バルブ、
40:連結部材、40a:凸曲面、41:ポート、42:ボス、
43:バネ受け突起、44:押圧係止部材、45:半球状凹部、
46:第3レバー、45a:折返し片、47:長孔、48:自在継手、
49:シール材、50:ガスケット、
101:ダイヤフラム、102:レバー、103:支軸ピン、104:バルブ、105:連通路、106:連結部材、106a:係止頭部、107:長孔、
108:バネ受け片、109:屈曲片、110:ケース、111:ボス。
Claims (5)
- 高圧ガスの入口及び圧力制御されたガスの出口を有するケースと、
このケース内に設けた1つ又は複数の圧力制御室と、
各圧力制御室を形成する区画面に設けたダイヤフラムと、
各圧力制御室に連通するガス流入側通路及びガス流出側通路と、
前記ダイヤフラムに連結され、前記ケースに設けた支軸廻りに回動して前記ガス流入側通路を開閉する開閉バルブと、
この開閉バルブを開方向又は閉方向に付勢する前記ケースに取付けられた付勢部材とを備え、
前記付勢部材の付勢力の方向は前記支軸に対し直角方向であることを特徴とするガス燃料用圧力レギュレータ。 - 前記圧力制御室として第1〜第3室を有し、
第1室は、第1ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入側通路として高圧ガス源に連通する前記ケースの入口を有し、前記開閉バルブとして前記入口を開閉する第1バルブを有し、前記付勢部材として第1バネを有し、前記ガス流出側通路として第2室に連通する第1連通路を有し、
第2室は、第2ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入通路として前記第1連通路を有し、前記開閉バルブとして前記第1連通路を開閉する第2バルブを有し、前記付勢部材として第2バネを有し、前記ガス流出側通路として第3室に連通する第2通路を有し、
第3室は、第3ダイヤフラムを有するとともに、前記ガス流入通路として前記第2連通路を有し、前記開閉バルブとして前記第2連通路を開閉する第3バルブを有し、前記付勢部材として第3バネを有し、前記ガス流出側通路としてエンジンに連通する前記ケースの出口を有し、
前記第3バネの付勢方向が前記第3バルブの開閉動作の回動支軸と直角であることを特徴とする請求項1に記載のガス燃料用圧力レギュレータ。 - 前記第3バルブは、前記支軸に枢着されたレバーに設けられ、該レバーに対し前記第3ダイヤフラムを半球状の曲面を介して係合させたことを特徴とする請求項2に記載のガス燃料用圧力レギュレータ。
- 前記第3バルブは、自在回転可能な継手を介して前記レバーに取付けられたことを特徴とする請求項3に記載のガス燃料用圧力レギュレータ。
- 請求項1から4のいずれかに記載の圧力レギュレータを吸気通路に接続したことを特徴とするガス燃料エンジン。
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JP2002281722A JP2004116418A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガス燃料用圧力レギュレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002281722A JP2004116418A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガス燃料用圧力レギュレータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004116418A true JP2004116418A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276098
Family Applications (1)
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JP2002281722A Pending JP2004116418A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガス燃料用圧力レギュレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004116418A (ja) |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281722A patent/JP2004116418A/ja active Pending
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