JP2004116377A - ガス機関用燃料供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動絞り弁の始動開度とアイドル開度とを外部から簡単に位置決めできるようにし、機関始動の確実性とアイドル回転の安定性を得るようにする。
【解決手段】混合器本体1を横貫する吸気道5に直交して設けた弁室43に摺動絞り弁2を嵌挿する。摺動絞り弁2の下端に支持した燃料調整針弁4を、2次レギユレータ7から吸気道5へ延びる燃料噴孔45へ挿通する。摺動絞り弁2に斜面19を有するカム溝20を設け、混合器本体1のねじ孔47に螺合した中空のねじ部材24に押棒23の基端部を摺動可能に嵌合したうえ、押棒23に設けた割溝26を貫通する回止めピン25により結合する。押棒23の先端部23aをカム溝20の斜面19に当接し、押棒23の基端部に操作軸27の先端部を係合する。ねじ孔47とねじ部材24との間に第1のばね部材30を介装し、ねじ部材24と操作軸27との間に第2のばね部材31を介装する。
【選択図】 図1
【解決手段】混合器本体1を横貫する吸気道5に直交して設けた弁室43に摺動絞り弁2を嵌挿する。摺動絞り弁2の下端に支持した燃料調整針弁4を、2次レギユレータ7から吸気道5へ延びる燃料噴孔45へ挿通する。摺動絞り弁2に斜面19を有するカム溝20を設け、混合器本体1のねじ孔47に螺合した中空のねじ部材24に押棒23の基端部を摺動可能に嵌合したうえ、押棒23に設けた割溝26を貫通する回止めピン25により結合する。押棒23の先端部23aをカム溝20の斜面19に当接し、押棒23の基端部に操作軸27の先端部を係合する。ねじ孔47とねじ部材24との間に第1のばね部材30を介装し、ねじ部材24と操作軸27との間に第2のばね部材31を介装する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液化石油ガスをガスに戻して燃料とする、ガス機関用燃料供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、従来のガス機関用燃料供給制御装置では、吸気道5を開閉する摺動絞り弁2のアイドル開度を調節するために、摺動絞り弁2のカム溝20に先端が係合するねじ軸70を、混合器本体1に設けたカム溝20の斜面とほぼ直交するねじ孔47に螺合したものである。摺動絞り弁2のアイドル開度はねじ軸70の螺動により調節されるが、特に機関の冷間始動時、摺動絞り弁2のアイドル開度では機関へ供給される燃料ガス量が十分でなく、機関の円滑な冷間始動が得られない。そこで、摺動絞り弁を一定開度に引き上げて機関を始動するのであるが、常に規定開度に開くには運転者ないし操作者の熟練を要し、非熟練者には始動に困難さを伴うものであつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題はアイドル位置調整機構により、摺動絞り弁の始動開度とアイドル開度とを外部から簡単に位置決めできるようにし、機関始動の確実性とアイドル回転の安定性を得るようにしたガス機関用燃料供給制御装置を提供することにある。
【0004】
本発明の他の課題は、回止めピンを係合する摺動絞り弁の軸方向溝の上端部を閉鎖して2次空気の流入を防止し、機関のアイドル回転はもとより低速回転の安定性を向上させたガス機関用燃料供給制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は混合器本体を横貫する吸気道に直交して円筒状の弁室を設け、該弁室に前記吸気道を開閉する摺動絞り弁を嵌挿し、前記摺動絞り弁の下端に支持した燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿通し、前記摺動絞り弁に斜面を有するカム溝を設け、混合器本体のねじ孔に螺合した中空のねじ部材に押棒の基端部を摺動可能に嵌挿したうえ、前記押棒に設けた割溝を貫通する回止めピンにより結合し、前記押棒の先端部を前記カム溝の斜面に当接し、前記押棒の基端部に操作軸の先端部を係合し、前記ねじ孔と前記ねじ部材との間に第1のばね部材を介装し、前記ねじ部材と前記操作軸との間に第2のばね部材を介装したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では吸気道を開閉する摺動絞り弁のアイドル開度を調節するために、摺動絞り弁のカム溝に係合する押棒を、中空のねじ部材に摺動可能に嵌挿する。押棒に設けた軸方向の割溝を貫通する径方向の回止めピンにより、押棒とねじ部材とを結合する。混合器本体のねじ孔にねじ部材を螺合し、ねじ部材の螺動により摺動絞り弁のアイドル開度を調節する。つまり、押棒をカム溝へ係合して摺動絞り弁をアイドル開度へ押し上げる。
【0007】
一方、押棒と同軸に配した操作軸をばねの力に抗して軸方向へ押し込んで、摺動絞り弁を始動開度にする。この時、回止めピンに対して押棒の割溝が相対移動し、摺動絞り弁のアイドル開度に影響しない。
【0008】
【実施例】
図1に示すように、吸気道5が紙面と垂直方向に貫通する混合器本体1には、吸気道5と直交する上下方向の円筒状の弁室43が設けられ、弁室43に摺動絞り弁2が昇降可能に嵌挿される。摺動絞り弁2の周面には軸方向溝33が設けられ、混合器本体1に固定した回止めピン32が軸方向溝33に係合される。軸方向溝33の上端は摺動絞り弁2の途中で終つており、摺動絞り弁2の上端部で弁室43が閉鎖される。混合器本体1から上方へ突出する円筒部にキヤツプ42が外嵌され、キヤツプ42と摺動絞り弁2との間に戻しばね3が介装される。外部からキヤツプ42の通孔41を経て挿通された遠隔操作ケーブル(図示せず)が摺動絞り弁2に係止される。弁室43の底部には、混合器本体1から燃料噴孔45が僅かに突出され、燃料噴孔45へ摺動絞り弁2の下端に支持した燃料調整針弁4が挿入され、摺動絞り弁2の昇降により燃料噴孔45から吸気道5へ流れるガス量が加減される。
【0009】
本発明によれば、摺動絞り弁2のアイドル位置と始動位置とを調整するために、アイドル位置調整機構21が備えられる。摺動絞り弁2の下端部に斜面19を有するカム溝20が設けられ、カム溝20へ押棒23の小径の先端部23aが当接される。押棒23は斜面19とほぼ直交するねじ孔47に螺合支持され、先端部23aは先端部23aとほぼ同径の孔から弁室43へ突出される。ねじ孔47の先端とねじ部材24との間に第1のばね30が介装される。図示の実施例では、押棒23の基端部が中空のねじ部材24へ嵌挿され、かつ長孔ないし割溝26を横切る径方向の回止めピン25により結合される。こうして、ねじ部材24が押棒23と結合され、かつねじ孔47へ螺合される。押棒23の基端部に操作軸27の先端が連設される。好ましくは、操作軸27の基端には係脱可能に操作レバー29が係合される。
【0010】
機関の冷間始動時、操作レバー29をカバー板52に係合する下端を支点として左方へ倒し、操作軸27をばね31の力に抗してねじ孔47へ押し込むと、押棒23の先端部23aがカム溝20へ突出し、摺動絞り弁2が押し上げられる。したがつて、燃料噴孔45から吸気道5へ流れるガス量が増加し、機関の円滑な始動が得られる。摺動絞り弁2の始動開度は操作レバー29の上端を腕53の切欠へ係合することにより保持される。
【0011】
混合器本体1の左端壁部には2次レギユレータ(2次調圧器)7が備えられる。つまり、混合器本体1の左端面にダイアフラム8を挟んでカバー板63が結合され、ダイアフラム8の左側に大気室61が、ダイアフラム8の右側にガス室62がそれぞれ区画される。ガス室62から燃料噴孔45の下端部へ燃料ジエツト60を有する通路46が突出される。混合器本体1の下端壁部には1次レギユレータ(1次調圧器)37が備えられる。つまり、混合器本体1の下端面にダイアフラム12を挟んでカバー板52が結合される。ダイアフラム12の下面に当て板50が重ね合され、ばね13(図2)が当て板50とカバー板52との間に介装される。ダイアフラム12の上側にガス室48が、ダイアフラム12の下側に大気室51がそれぞれ区画される。
【0012】
図2に示すように、ガス室48の壁部に支軸16によりレバー15が傾動可能に支持され、レバー15の左端部がダイアフラム12に結合した突起14の孔へ係合される一方、レバー15の右端部には流入弁17が備えられ、燃料入口55とガス室48を結ぶ通路に支持した弁座18へばね13の力により付勢係合される。ガス室48のガス量が少くなり、ダイアフラム12の上面に作用するガス圧が弱くなると、ばね13の力によりダイアフラム12と突起14が押し上げられ、レバー15が支軸16を中心として時計方向へ回動し、流入弁17が弁座18から離れ、燃料ガスが補給される。ガス室48の燃料は流入弁10を経て、2次レギユレータのガス室62へ供給される。ガス室62とガス室48を結ぶ通路11の入口に弁座11aが嵌合され、通路11に挿入した流入弁10が、レバー機構により弁座11aへ付勢係合される。
【0013】
図2には明示されていないが、ガス室62に紙面とほぼ垂直方向の支軸によりレバーの中間部分が傾動可能に支持され、レバーの一端が流入弁10の左端部に係合され、レバーの他端部がダイアフラム8の中心突起8aへ係合可能とされる。ガス室62のガス量が少くなると、吸気道5からガス室62に作用する吸気負圧によりダイアフラム8が右方へ吸引され、ダイアフラム8によりレバーが回動され、流入弁10が左方へ引かれて弁座11aから離れ、1次レギユレータ37のガス室48のガスが弁座11a、通路11を経てガス室62へ供給される。
【0014】
図1に示すように、ガス室62の燃料ガスは燃料ジエツト60、通路46、燃料噴孔45を経て吸気道5へ供給される。こうして、図示してない燃料タンクから入口55へ入つた石油液化ガス燃料は、1次レギユレータ37、2次レギユレータ7を経て2段階に調圧され、燃料噴孔45から吸気道5へ供給される。
【0015】
本発明は摺動絞り弁2の下部から側部に至る斜面19を有するカム溝20を設け、斜面19に当接して摺動絞り弁2の始動開度とアイドル開度を調整可能に設定するアイドル位置調整機構21を設けたものである。アイドル位置調整機構21は押棒23の先端部23aが斜面19に当接し、押棒23の基端部が混合器本体1のねじ孔47に螺合した中空のねじ部材24に嵌挿されかつ押棒23を横切る回止めピン25により結合される。回止めピン25は押棒23の基端部に設けた割溝26に摺動可能に係合される。押棒23の基端に操作軸27の先端が連設される。好ましくは、操作軸27の基端に操作レバー29が係脱可能に係止され、操作レバー29の上端が腕53の切欠に、操作レバー29の下端がカバー板52の孔にそれぞれ係合される。
【0016】
ねじ孔47の端部とねじ部材24との間に介装した第1のばね30は、ねじ部材24の緩止めをなすものであり、ねじ部材24と操作軸27の頭部との間に介装した第2のばね31のセツト荷重は、摺動絞り弁2の戻しばね3の荷重よりも小さくされる。しかし、機関の冷間始動時操作レバー29をカバー板52との係合部を支点として所定量傾動すると、第2のばね31の荷重が戻しばね3の荷重よりも大きくなり、押棒23の先端部23aが割溝26の範囲で斜面19へ押し付けられ、摺動絞り弁2が始動開度まで押し上げられる。この始動開度は操作レバー29の上端を腕53に係止することにより保持される。したがつて、摺動絞り弁2の上昇により、機関を始動するに必要な燃料と空気が増量され、始動及び暖機がなされる。機関の暖機が終了した時、操作レバー29を元に戻すと、摺動絞り弁2は割溝26が回止めピン25に当るアイドル開度へ戻る。摺動絞り弁2のアイドル開度はねじ部材24の螺動により調整されるものである。
【0017】
ところで、機関のアイドル運転及び低速運転時は軸方向溝33から微量の空気が吸気道5へ流入し、機関運転の不安定要因となり、場合によつては排ガス規制値に影響を与えるものである。しかし、本発明は摺動絞り弁2の軸方向溝33の上端部を閉鎖したので、軸方向溝33からの空気の流入がなく、機関の始動時、アイドル運転時及び低速運転時の運転性能が向上するものである。
【0018】
本発明はアイドル位置調整機構21を設けたことにより、機関の始動時は操作レバー29を操作するだけで、必要な燃料と空気の増量が可能となり、機関の始動暖機が容易になり、暖機後は操作レバー29を戻せば元のアイドル開度へ戻されるという利点を有するものである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述のように、混合器本体を横貫する吸気道に直交して円筒状の弁室を設け、該弁室に前記吸気道を開閉する摺動絞り弁を嵌挿し、前記摺動絞り弁の下端に支持した燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿通し、前記摺動絞り弁に斜面を有するカム溝を設け、混合器本体のねじ孔に螺合した中空のねじ部材に押棒の基端部を摺動可能に嵌挿したうえ、前記押棒に設けた割溝を貫通する回止めピンにより結合し、前記押棒の先端部を前記カム溝の斜面に当接し、前記押棒の基端部に操作軸の先端部を係合し、前記ねじ孔と前記ねじ部材との間に第1のばね部材を介装し、前記ねじ部材と前記操作軸との間に第2のばね部材を介装したものであり、アイドル位置調整機構を設けたことにより、機関の始動時は操作軸を操作するだけで、必要な燃料と空気の増量が可能となり、機関の始動暖機が容易になり、暖機後は操作軸を戻せば、予め設定されたアイドル開度へ戻すことができる。
【0020】
摺動絞り弁の軸方向溝の上端部を閉鎖したので、軸方向溝からの空気の流入がなく、機関の始動時、アイドル運転時及び低速運転時の運転性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス機関用燃料供給制御装置の摺動絞り弁の中心を通る正面断面図である。
【図2】同ガス機関用燃料供給制御装置の他の部分の正面断面図である。
【図3】従来のガス機関用燃料供給制御装置の摺動絞り弁の中心を通る正面断面図である。
【符号の説明】
1:混合器本体 2:摺動絞り弁 3:戻しばね 4:燃料調整針弁 5:吸気道 7:2次レギユレータ 19:斜面 20:カム溝 21:アイドル位置調整機構 23:押棒 23a:先端部 24:ねじ部材 25:回止めピン 26:割溝 27:操作軸 29:操作レバー 30:第1のばね 31:第2のばね 32:回止めピン 33:軸方向溝 43:弁室 45:燃料噴孔 47:ねじ孔 53:腕
【発明の属する技術分野】
本発明は液化石油ガスをガスに戻して燃料とする、ガス機関用燃料供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、従来のガス機関用燃料供給制御装置では、吸気道5を開閉する摺動絞り弁2のアイドル開度を調節するために、摺動絞り弁2のカム溝20に先端が係合するねじ軸70を、混合器本体1に設けたカム溝20の斜面とほぼ直交するねじ孔47に螺合したものである。摺動絞り弁2のアイドル開度はねじ軸70の螺動により調節されるが、特に機関の冷間始動時、摺動絞り弁2のアイドル開度では機関へ供給される燃料ガス量が十分でなく、機関の円滑な冷間始動が得られない。そこで、摺動絞り弁を一定開度に引き上げて機関を始動するのであるが、常に規定開度に開くには運転者ないし操作者の熟練を要し、非熟練者には始動に困難さを伴うものであつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題はアイドル位置調整機構により、摺動絞り弁の始動開度とアイドル開度とを外部から簡単に位置決めできるようにし、機関始動の確実性とアイドル回転の安定性を得るようにしたガス機関用燃料供給制御装置を提供することにある。
【0004】
本発明の他の課題は、回止めピンを係合する摺動絞り弁の軸方向溝の上端部を閉鎖して2次空気の流入を防止し、機関のアイドル回転はもとより低速回転の安定性を向上させたガス機関用燃料供給制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は混合器本体を横貫する吸気道に直交して円筒状の弁室を設け、該弁室に前記吸気道を開閉する摺動絞り弁を嵌挿し、前記摺動絞り弁の下端に支持した燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿通し、前記摺動絞り弁に斜面を有するカム溝を設け、混合器本体のねじ孔に螺合した中空のねじ部材に押棒の基端部を摺動可能に嵌挿したうえ、前記押棒に設けた割溝を貫通する回止めピンにより結合し、前記押棒の先端部を前記カム溝の斜面に当接し、前記押棒の基端部に操作軸の先端部を係合し、前記ねじ孔と前記ねじ部材との間に第1のばね部材を介装し、前記ねじ部材と前記操作軸との間に第2のばね部材を介装したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では吸気道を開閉する摺動絞り弁のアイドル開度を調節するために、摺動絞り弁のカム溝に係合する押棒を、中空のねじ部材に摺動可能に嵌挿する。押棒に設けた軸方向の割溝を貫通する径方向の回止めピンにより、押棒とねじ部材とを結合する。混合器本体のねじ孔にねじ部材を螺合し、ねじ部材の螺動により摺動絞り弁のアイドル開度を調節する。つまり、押棒をカム溝へ係合して摺動絞り弁をアイドル開度へ押し上げる。
【0007】
一方、押棒と同軸に配した操作軸をばねの力に抗して軸方向へ押し込んで、摺動絞り弁を始動開度にする。この時、回止めピンに対して押棒の割溝が相対移動し、摺動絞り弁のアイドル開度に影響しない。
【0008】
【実施例】
図1に示すように、吸気道5が紙面と垂直方向に貫通する混合器本体1には、吸気道5と直交する上下方向の円筒状の弁室43が設けられ、弁室43に摺動絞り弁2が昇降可能に嵌挿される。摺動絞り弁2の周面には軸方向溝33が設けられ、混合器本体1に固定した回止めピン32が軸方向溝33に係合される。軸方向溝33の上端は摺動絞り弁2の途中で終つており、摺動絞り弁2の上端部で弁室43が閉鎖される。混合器本体1から上方へ突出する円筒部にキヤツプ42が外嵌され、キヤツプ42と摺動絞り弁2との間に戻しばね3が介装される。外部からキヤツプ42の通孔41を経て挿通された遠隔操作ケーブル(図示せず)が摺動絞り弁2に係止される。弁室43の底部には、混合器本体1から燃料噴孔45が僅かに突出され、燃料噴孔45へ摺動絞り弁2の下端に支持した燃料調整針弁4が挿入され、摺動絞り弁2の昇降により燃料噴孔45から吸気道5へ流れるガス量が加減される。
【0009】
本発明によれば、摺動絞り弁2のアイドル位置と始動位置とを調整するために、アイドル位置調整機構21が備えられる。摺動絞り弁2の下端部に斜面19を有するカム溝20が設けられ、カム溝20へ押棒23の小径の先端部23aが当接される。押棒23は斜面19とほぼ直交するねじ孔47に螺合支持され、先端部23aは先端部23aとほぼ同径の孔から弁室43へ突出される。ねじ孔47の先端とねじ部材24との間に第1のばね30が介装される。図示の実施例では、押棒23の基端部が中空のねじ部材24へ嵌挿され、かつ長孔ないし割溝26を横切る径方向の回止めピン25により結合される。こうして、ねじ部材24が押棒23と結合され、かつねじ孔47へ螺合される。押棒23の基端部に操作軸27の先端が連設される。好ましくは、操作軸27の基端には係脱可能に操作レバー29が係合される。
【0010】
機関の冷間始動時、操作レバー29をカバー板52に係合する下端を支点として左方へ倒し、操作軸27をばね31の力に抗してねじ孔47へ押し込むと、押棒23の先端部23aがカム溝20へ突出し、摺動絞り弁2が押し上げられる。したがつて、燃料噴孔45から吸気道5へ流れるガス量が増加し、機関の円滑な始動が得られる。摺動絞り弁2の始動開度は操作レバー29の上端を腕53の切欠へ係合することにより保持される。
【0011】
混合器本体1の左端壁部には2次レギユレータ(2次調圧器)7が備えられる。つまり、混合器本体1の左端面にダイアフラム8を挟んでカバー板63が結合され、ダイアフラム8の左側に大気室61が、ダイアフラム8の右側にガス室62がそれぞれ区画される。ガス室62から燃料噴孔45の下端部へ燃料ジエツト60を有する通路46が突出される。混合器本体1の下端壁部には1次レギユレータ(1次調圧器)37が備えられる。つまり、混合器本体1の下端面にダイアフラム12を挟んでカバー板52が結合される。ダイアフラム12の下面に当て板50が重ね合され、ばね13(図2)が当て板50とカバー板52との間に介装される。ダイアフラム12の上側にガス室48が、ダイアフラム12の下側に大気室51がそれぞれ区画される。
【0012】
図2に示すように、ガス室48の壁部に支軸16によりレバー15が傾動可能に支持され、レバー15の左端部がダイアフラム12に結合した突起14の孔へ係合される一方、レバー15の右端部には流入弁17が備えられ、燃料入口55とガス室48を結ぶ通路に支持した弁座18へばね13の力により付勢係合される。ガス室48のガス量が少くなり、ダイアフラム12の上面に作用するガス圧が弱くなると、ばね13の力によりダイアフラム12と突起14が押し上げられ、レバー15が支軸16を中心として時計方向へ回動し、流入弁17が弁座18から離れ、燃料ガスが補給される。ガス室48の燃料は流入弁10を経て、2次レギユレータのガス室62へ供給される。ガス室62とガス室48を結ぶ通路11の入口に弁座11aが嵌合され、通路11に挿入した流入弁10が、レバー機構により弁座11aへ付勢係合される。
【0013】
図2には明示されていないが、ガス室62に紙面とほぼ垂直方向の支軸によりレバーの中間部分が傾動可能に支持され、レバーの一端が流入弁10の左端部に係合され、レバーの他端部がダイアフラム8の中心突起8aへ係合可能とされる。ガス室62のガス量が少くなると、吸気道5からガス室62に作用する吸気負圧によりダイアフラム8が右方へ吸引され、ダイアフラム8によりレバーが回動され、流入弁10が左方へ引かれて弁座11aから離れ、1次レギユレータ37のガス室48のガスが弁座11a、通路11を経てガス室62へ供給される。
【0014】
図1に示すように、ガス室62の燃料ガスは燃料ジエツト60、通路46、燃料噴孔45を経て吸気道5へ供給される。こうして、図示してない燃料タンクから入口55へ入つた石油液化ガス燃料は、1次レギユレータ37、2次レギユレータ7を経て2段階に調圧され、燃料噴孔45から吸気道5へ供給される。
【0015】
本発明は摺動絞り弁2の下部から側部に至る斜面19を有するカム溝20を設け、斜面19に当接して摺動絞り弁2の始動開度とアイドル開度を調整可能に設定するアイドル位置調整機構21を設けたものである。アイドル位置調整機構21は押棒23の先端部23aが斜面19に当接し、押棒23の基端部が混合器本体1のねじ孔47に螺合した中空のねじ部材24に嵌挿されかつ押棒23を横切る回止めピン25により結合される。回止めピン25は押棒23の基端部に設けた割溝26に摺動可能に係合される。押棒23の基端に操作軸27の先端が連設される。好ましくは、操作軸27の基端に操作レバー29が係脱可能に係止され、操作レバー29の上端が腕53の切欠に、操作レバー29の下端がカバー板52の孔にそれぞれ係合される。
【0016】
ねじ孔47の端部とねじ部材24との間に介装した第1のばね30は、ねじ部材24の緩止めをなすものであり、ねじ部材24と操作軸27の頭部との間に介装した第2のばね31のセツト荷重は、摺動絞り弁2の戻しばね3の荷重よりも小さくされる。しかし、機関の冷間始動時操作レバー29をカバー板52との係合部を支点として所定量傾動すると、第2のばね31の荷重が戻しばね3の荷重よりも大きくなり、押棒23の先端部23aが割溝26の範囲で斜面19へ押し付けられ、摺動絞り弁2が始動開度まで押し上げられる。この始動開度は操作レバー29の上端を腕53に係止することにより保持される。したがつて、摺動絞り弁2の上昇により、機関を始動するに必要な燃料と空気が増量され、始動及び暖機がなされる。機関の暖機が終了した時、操作レバー29を元に戻すと、摺動絞り弁2は割溝26が回止めピン25に当るアイドル開度へ戻る。摺動絞り弁2のアイドル開度はねじ部材24の螺動により調整されるものである。
【0017】
ところで、機関のアイドル運転及び低速運転時は軸方向溝33から微量の空気が吸気道5へ流入し、機関運転の不安定要因となり、場合によつては排ガス規制値に影響を与えるものである。しかし、本発明は摺動絞り弁2の軸方向溝33の上端部を閉鎖したので、軸方向溝33からの空気の流入がなく、機関の始動時、アイドル運転時及び低速運転時の運転性能が向上するものである。
【0018】
本発明はアイドル位置調整機構21を設けたことにより、機関の始動時は操作レバー29を操作するだけで、必要な燃料と空気の増量が可能となり、機関の始動暖機が容易になり、暖機後は操作レバー29を戻せば元のアイドル開度へ戻されるという利点を有するものである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述のように、混合器本体を横貫する吸気道に直交して円筒状の弁室を設け、該弁室に前記吸気道を開閉する摺動絞り弁を嵌挿し、前記摺動絞り弁の下端に支持した燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿通し、前記摺動絞り弁に斜面を有するカム溝を設け、混合器本体のねじ孔に螺合した中空のねじ部材に押棒の基端部を摺動可能に嵌挿したうえ、前記押棒に設けた割溝を貫通する回止めピンにより結合し、前記押棒の先端部を前記カム溝の斜面に当接し、前記押棒の基端部に操作軸の先端部を係合し、前記ねじ孔と前記ねじ部材との間に第1のばね部材を介装し、前記ねじ部材と前記操作軸との間に第2のばね部材を介装したものであり、アイドル位置調整機構を設けたことにより、機関の始動時は操作軸を操作するだけで、必要な燃料と空気の増量が可能となり、機関の始動暖機が容易になり、暖機後は操作軸を戻せば、予め設定されたアイドル開度へ戻すことができる。
【0020】
摺動絞り弁の軸方向溝の上端部を閉鎖したので、軸方向溝からの空気の流入がなく、機関の始動時、アイドル運転時及び低速運転時の運転性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス機関用燃料供給制御装置の摺動絞り弁の中心を通る正面断面図である。
【図2】同ガス機関用燃料供給制御装置の他の部分の正面断面図である。
【図3】従来のガス機関用燃料供給制御装置の摺動絞り弁の中心を通る正面断面図である。
【符号の説明】
1:混合器本体 2:摺動絞り弁 3:戻しばね 4:燃料調整針弁 5:吸気道 7:2次レギユレータ 19:斜面 20:カム溝 21:アイドル位置調整機構 23:押棒 23a:先端部 24:ねじ部材 25:回止めピン 26:割溝 27:操作軸 29:操作レバー 30:第1のばね 31:第2のばね 32:回止めピン 33:軸方向溝 43:弁室 45:燃料噴孔 47:ねじ孔 53:腕
Claims (3)
- 混合器本体を横貫する吸気道に直交して円筒状の弁室を設け、該弁室に前記吸気道を開閉する摺動絞り弁を嵌挿し、前記摺動絞り弁の下端に支持した燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿通し、前記摺動絞り弁に斜面を有するカム溝を設け、混合器本体のねじ孔に螺合した中空のねじ部材に押棒の基端部を摺動可能に嵌挿したうえ、前記押棒に設けた割溝を貫通する回止めピンにより結合し、前記押棒の先端部を前記カム溝の斜面に当接し、前記押棒の基端部に操作軸の先端部を係合し、前記ねじ孔と前記ねじ部材との間に第1のばね部材を介装し、前記ねじ部材と前記操作軸との間に第2のばね部材を介装したことを特徴とする、ガス機関用燃料供給制御装置。
- 第1のばねのセツト荷重は押棒の緩止めをなす値とし、第2のばねの通常の荷重は前記摺動絞り弁の戻しばねの荷重よりも小さく、前記摺動絞り弁の始動開度で前記戻しばねの荷重よりも大きくなるようにした、請求項1に記載のガス機関用燃料供給制御装置。
- 摺動絞り弁の周面に設けた軸方向溝へ、混合器本体から前記弁室へ突出する回止めピンを係合し、かつ軸方向溝の上端は摺動絞り弁の上端よりも下位の位置で終了し、前記摺動絞り弁の下端に設けた燃料調整針弁を、2次レギユレータから前記吸気道へ延びる燃料噴孔へ挿入してなる、ガス機関用燃料供給制御装置。
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-
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- 2002-09-25 JP JP2002279688A patent/JP2004116377A/ja active Pending
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