JP2004116331A - 排気ガス用炭化水素吸着材及びそれを用いた排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス用炭化水素吸着材及びそれを用いた排気ガス浄化用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガス中に含まれる多様なHC種に対する高い吸着効率と保持特性を備え、エンジン始動時に排出されて吸着されたコールドHCの脱離を遅延させることができる排気ガス用炭化水素吸着材と、このような吸着材を使用し、コールドHCの浄化性能に優れた排気ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】炭化水素吸着材として、例えばITQ−4やSSZ−42のようなIFR構造ゼオライト、SSZ−48のようなSFE構造ゼオライト、SSZ−44のようなSFF構造ゼオライト、SSZ−35のようなSTF構造ゼオライトといった12員環及び/又は10員環から構成されるケージ型の1次元細孔構造を有するゼオライトを使用する。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関から排出される排ガス中に含まれる炭化水素(以下、「HC」と称する)を吸着する排気ガス用吸着材の改良技術に係わり、更に詳しくは、物理吸着したHC種の保持特性に優れ、脱離HCの浄化触媒層による処理効率を向上させることができる排気ガス用HC吸着材と、このようなHC吸着材を使用した排気ガス浄化用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関の冷間始動時に大量に排出されるHC(コールドHC)の浄化を目的に、HC吸着材としてゼオライトを用いたHC吸着型三元触媒(HC吸着機能付き三元触媒)が開発されている。このHC吸着型三元触媒は、三元触媒がまだ活性化していないエンジン始動時の低温域において、大量に排出されるHCを一時的に吸着・保持し、その後排気ガス温度の上昇によって三元触媒が活性化した時に、HCを徐々に脱離して浄化するようになっている。
【0003】
合成ゼオライトを主体とした従来のHC吸着材を用いた排ガス浄化用触媒、特に上記したようなHC吸着型三元触媒においては、排ガス中に含まれる水分がゼオライト細孔内の酸点に対する化学吸着を阻害するため、エンジン始動直後の三元触媒が活性化する以前に排出されるコールドHCの吸着は、ゼオライトの分子篩作用に基づく物理吸着によるものが主体となっている。しかし、物理吸着したHCは、ゼオライト細孔内での保持力が弱いため、排ガス温度の上昇や排ガス流量の増加などの外的な(物理的な)要因によって、容易に脱離するものと推測される。
【0004】
従来においては、コールドHCの分子径に適した細孔径を有するゼオライトを選択することによって、コールドHCを比較的効率よく吸着することは可能であるものの、物理吸着したHCをゼオライト細孔内に長時間留めておくことができず、浄化触媒が充分に活性化する前に脱離が始まってしまうことから、所望の浄化処理効率を得ることができないのが実情であった。
【0005】
さらに、従来においては、ゼオライト骨格構造の耐熱性の向上を図るため、ゼオライト骨格を構成しているシリカ(SiO)及びアルミナ(Al)のうちのAlを酸溶液で処理して脱離する方法(脱Al処理)が行われているが、このような脱Al処理により耐熱性が向上する反面、骨格構造中の酸点であるAlのカチオンサイトが減少するため、酸特性が著しく低下し、ゼオライト細孔内に物理吸着したHCを保持する特性に著しく劣るという問題点があった。
【0006】
このため、このようなHC吸着材を用いた排気ガス浄化システムにおいては、例えば特開平6−74019号公報、特開平7−144119号公報、特開平6−142457号公報、特開平5−59942号公報、特開平7−102957号公報、特開平7−96183号公報、特開平11−81999号公報等に提案されているように、HC吸着触媒から脱離したHCが十分に活性化した後の三元触媒に到達するような工夫がなされている。
【0007】
すなわち、特開平6−74019号公報には、排気流路にバイパスを設け、エンジン始動直後のコールド時に排出されるHCをバイパス流路に配置したHC吸着材に一旦吸着させ、その後流路を切換え、下流の三元触媒が活性化した後に排気ガスの一部をHC吸着触媒に通じ、脱離したHCを徐々に後段の三元触媒で浄化するようにしたシステムが提案されている。
【0008】
また、特開平7−144119号公報では、コールド時に前段の三元触媒に熱を奪わせて中段のHC吸着触媒の吸着効率を向上し、前段の三元触媒活性化後は、タンデム配置した中段のHC吸着触媒を介して後段の三元触媒に反応熱を伝熱し易くし、後段の三元触媒における浄化を促進するシステムが提案されている。
【0009】
また、特開平6−1421457号公報には、低温域で吸着したHCが脱離する際に、脱離HCを含む排気ガスを熱交換器で予熱して、三元触媒での浄化を促進するコールドHC吸着除去システムを提案している。
【0010】
一方、特開平5−59942号公報には、触媒配置とバルブによる排気ガス流路の切換えによって、HC吸着材の昇温を緩やかなものとし、コールドHCの吸着効率を向上するシステムが提案されている。
【0011】
特開平7−102957号公報には、後段の酸化・三元触媒の浄化性能を向上させるため、前段の三元触媒と中段のHC吸着材の間に空気を供給し、後段の酸化・三元触媒の活性化を促進するシステムが提案されている。
【0012】
また、特開平7−96183号公報では、ゼオライトと接触する触媒層(PdとAlが主成分)の高温下での劣化抑制の観点から、吸着材層と触媒層との間に多孔質バリヤ層を設け、さらに下層吸着材層の吸着能の低下を抑制するため、Pd担持Al粒子の平均粒子径が15〜25μm、耐火性無機質粒子の平均粒子径が5〜15μmのものを用いることを提案している。
【0013】
さらに、特開平11−81999号公報には、コールド時に吸着材に捕捉されたHCの脱離を緩慢にするために、HC吸着触媒の温度上昇を十分に遅延させるべく、上流三元触媒と下流吸着触媒との間を結ぶ排気通路の排気管の肉厚を厚くしたり、担体などを設置したりすることによって当該部分の熱容量を排気マニホールドの熱容量より大きくする方法の提案がなされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した各公報に記載された技術は、いずれも排気流路の形状や構造、触媒の多段配置などの工夫によって、HC吸着触媒の昇温を遅らせたり、三元触媒の活性化を促進したりするように温度コントロールすることによりコールドHCの浄化効率を高めるようにするものであって、HC吸着材自体の吸着保持能力を向上させることについての検討はなされていない。
【0015】
エンジン始動直後の自動車排ガス中に含まれる炭化水素(コールドHC)の吸着は、上記のようにゼオライトの分子篩作用を利用した物理吸着が主体になっているため、細孔径や骨格構造の最適化を図ることによってコールドHCの吸着効率の向上を図ることができるが、吸着HCの脱離遅延化を図るには、ゼオライト細孔内の酸点へのHO分子の優先的吸着によってこれまで有効に機能していなかった化学吸着をも機能させることが望ましい。
【0016】
従来、ゼオライトの吸着保持能力を向上させるために、ゼオライト細孔内への新たな酸点の付与、あるいは酸点の酸強度や酸量の増加を目的に、ゼオライト細孔内の酸点(プロトン:H)を多価カチオンにイオン交換する方法が用いられてきた。しかしながら、イオン交換した多価カチオンの酸点は、従来の酸点と同様に、排ガス中の水分の影響を受け易く、充分な吸着HCの脱離遅延化の効果を得ることができなかった。さらに、イオン交換して得た酸点は、耐熱性が不十分で高温に曝されたり、還元雰囲気と酸化雰囲気とを繰り返す自動車排ガス雰囲気に長時間曝されたりすると、イオン交換サイトから離脱し、酸点としての機能を損ない易いという問題があった。
【0017】
さらに、前述のように、ゼオライト骨格構造の耐熱性改善を目的に、ゼオライト骨格中のAlを脱Al処理しているため、耐熱性改善効果とのトレードオフとして酸特性が著しく低下し、ゼオライト細孔内に物理吸着したHCを保持する特性に著しく欠けるという問題もあった。
【0018】
本発明は、合成ゼオライトを主成分とする従来の排気ガス用HC吸着材における上記課題に鑑みてなされたものであって、排ガス中に含まれる多様なHC種に対する高い吸着効率と保持特性を備え、しかも吸着したHCの脱離を遅延させることができる排気ガス用炭化水素吸着材と、このような吸着材を使用し、コールドHCの浄化性能に優れた排気ガス浄化用触媒を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的の達成に向けて、ゼオライトの骨格構造について鋭意検討を重ねた結果、員環が交差した複雑な3次元骨格構造を持たず、骨格構造的に不利と考えられていた1次元骨格構造ゼオライトであっても、特定の1次元骨格構造を有するゼオライトにおいては、優れた吸着特性及び保持特性を有することを見出すに到った。そして、さらにゼオライト骨格中のSiを他の金属元素に置換することによって、ゼオライト骨格構造の耐熱性向上,酸特性及び疎水性の改善が図れることを確認した。
【0020】
本発明はこのような知見に基づくものであって、本発明の排気ガス用HC吸着材は、12員環及び/又は10員環から構成されるケージ型の1次元細孔構造を有するゼオライトからなる構成としたことを特徴とし、排気ガス用HC吸着材におけるこのような構成を上記課題を解決するための手段としている。
【0021】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒は、炭化水素吸着材層の上部に、浄化触媒成分層を形成した触媒であって、上記炭化水素吸着材層に、上記した本発明のHC吸着材が含まれている構成としたことを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス用HC吸着材について詳細に説明する。
【0023】
本発明の排気ガス用HC吸着材は、12員環及び/又は10員環から構成されるケージ型の1次元細孔構造を有するゼオライト、例えば、細孔入口が12員環のものでは、ITQ−4やSSZ−42のようなIFR構造ゼオライト又はSSZ−48のようなSFE構造ゼオライト、10員環のものでは、SSZ−44のようなSFF構造ゼオライト又はSSZ−35のようなSTF構造ゼオライト、あるいはこれらを任意に組み合わせたゼオライトからなるものであって、その1次元細孔構造が内部に大きな空孔が生成しているものの入口の空孔がそれほど大きくならない結果生じた管状、チューブ型となっていることから、排ガス中に含まれる多様なHC種に対する分子篩作用に優れ、高い吸着効率が得られることになる。さらに、吸着HCを保持するのに適した骨格構造を有しているため、吸着されたHCの保持特性に優れ、当該吸着材を排気ガス浄化用触媒のHC吸着材層に適用することにより、浄化触媒成分層が充分に活性化した後に吸着HCが脱離するようになるため、特にコールドHCの浄化処理効率が著しく改善されることになる。
【0024】
上記排気ガス用HC吸着材の好適形態としては、上記ゼオライト中のSi原子の一部をアルミニウム(Al),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),硼素(B),バナジウム(V),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),マンガン(Mn),チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属原子によって置換することができ、これによってゼオライト細孔内の酸点の酸特性(酸強度や酸量)が向上し、酸点による化学吸着力が強まり、吸着HCの保持能力が更に向上する。
【0025】
本発明の上記HC吸着材は、炭化水素吸着材層の上部に、浄化触媒成分層を積層して成る排気ガス浄化用触媒の吸着材として好適に用いることができ、当該HC吸着材を上記排気ガス浄化用触媒における炭化水素吸着材層に適用した本発明の排気ガス浄化用触媒においては、エンジン始動直後に排出されるコールドHCがより長時間、炭化水素吸着材層に吸着保持されるようになり、浄化触媒成分層が充分に活性化した後に脱離することになるため、HCの浄化処理効率が著しく改善されることになる。
【0026】
上記排気ガス浄化用触媒の好適形態としては、上記浄化触媒成分層に、白金(Pt),パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属と、セリウム(Ce),ジルコニウム(Zr)及びランタン(La)から成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜10モル%含むアルミナと、ジルコニウム(Zr),ネオジウム(Nd),プラセオジウム(Pr),イットリウム(Y)及びランタン(La)から成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜50モル%含むセリウム酸化物を含有させることができ、これによって活性成分であるPt及びPdの経時劣化を抑制でき、脱離HCの高い浄化処理効率が維持されると共に、三元触媒としても高い浄化性能が得られることになる。
【0027】
上記排気ガス浄化用触媒の他の好適形態としては、上記浄化触媒成分層に、更にセリウム(Ce),ネオジウム(Nd),プラセオジウム(Pr),イットリウム(Y)及びランタン(La)から成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜40モル%含むジルコニウム酸化物を含有させることも望ましく、これによって活性成分であるRhの経時劣化を抑制することができ、脱離HCの高い浄化処理効率を維持できると共に、三元触媒としても高い浄化性能を得ることができる。
【0028】
さらに他の好適形態として、上記浄化触媒成分層に、更にアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属を含有させることができ、これによって、還元雰囲気における浄化活性の向上及び活性成分の経時劣化の抑制を図ることができると共に、脱離HCの高い浄化処理効率を維持することができ、三元触媒としても高い浄化性能が得られることになる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0030】
(実施例1)
IFR構造ゼオライト(ITQ−4)粉末2257g、シリカゾル(固形分20%)1215g、純水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このスラリー液をコージェライト製担体(300セル/6ミル,担体容量1.0L)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成した。そして、このゼオライトを含有する吸着材層のコート量が350g/Lになるまでコーティング作業を繰り返すことによって、触媒−a1を得た。
【0031】
次に、3モル%のCeを含むアルミナ粉末(Al:97モル%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.0%であった。
【0032】
また、1モル%のLaと32モル%のZrを含有するセリウム酸化物粉末(Ce:67モル%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%であった。
【0033】
そして、上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)400g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)141g、硝酸酸性アルミナゾル240g(ベーマイトアルミナ10%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾルで、Al換算で24g)及び炭酸バリウム100g(BaOとして67g)を純水2000gと共に磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このスラリー液を上記コート触媒−a1に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成して、コート層重量66.5g/Lを塗布した触媒−bを得た。
【0034】
次に、3モル%のZrを含むアルミナ粉末(Al:97モル%)に、硝酸ロジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Rh担持アルミナ粉末(粉末c)を得た。この粉末cのRh濃度は2.0%であった。
【0035】
また、3モル%のCeを含むアルミナ粉末(Al:97モル%)に、ジニトロジアンミン白金水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pt担持アルミナ粉末(粉末d)を得た。この粉末dのPt濃度は3.0%であった。
【0036】
さらに、1モル%のLaと20モル%のCeを含有するジルコニウム酸化物粉末に、ジニトロジアンミン白金水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pt担持アルミナ粉末(粉末e)を得た。この粉末eのPt濃度は3.0%であった。
【0037】
そして、上記Rh担持アルミナ粉末(粉末c)118g、Pt担持アルミナ粉末(粉末d)118g、Pt担持ジルコニウム酸化物粉末(粉末e)118g、硝酸酸性アルミナゾル160gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このスラリー液を上記コート触媒−bに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成して、コート層重量37g/Lを塗布した触媒1を得た。
当該触媒1の貴金属担持量は、Pt:0.71g/L、Pd:1.88g/L、Rh:0.24g/Lであった。
【0038】
(実施例2)
IFR構造ゼオライト(ITQ−4)に代え、IFR構造ゼオライト(SSZ−42)を用いてHC吸着材層を形成した以外は、上記実施例1と同様の要領によって、当該実施例2に係わる触媒2を得た。
【0039】
(実施例3)
IFR構造ゼオライト(ITQ−4)に代え、SFE構造ゼオライト(SSZ−48)を用いてHC吸着材層を形成した以外は、上記実施例1と同様の要領によって、当該実施例3に係わる触媒3を得た。
【0040】
(実施例4)
IFR構造ゼオライト(ITQ−4)に代え、SFE構造ゼオライト(SSZ−44)を用いてHC吸着材層を形成した以外は、上記実施例1と同様の要領によって、当該実施例4に係わる触媒4を得た。
【0041】
(実施例5)
IFR構造ゼオライト(ITQ−4)に代え、STF構造ゼオライト(SSZ−35)を用いてHC吸着材層を形成した以外は、上記実施例1と同様の要領によって、当該実施例5に係わる触媒5を得た。
【0042】
(比較例)
SiO/Al比が25のBETAゼオライトに脱Al処理を施すことによって、SiO/Al比を1000にしたゼオライトを用いてHC吸着材層を形成した以外は、上記実施例1と同様の要領によって、当該比較例に係わる触媒6を得た。
【0043】
以上の実施例及び比較例によって得られた各排気ガス浄化用触媒の仕様を表1に示す。
【0044】
表1に示した触媒1〜6を用いた実施例1〜5及び比較例について、下記条件による耐久後の各触媒を図1に示す評価システムの触媒位置2に配置すると共に、触媒位置1に通常の三元触媒を設置して、下記の条件のもとにHC特性評価を行い、HC吸着率と脱離HC浄化率を測定した。
その結果を表1に併せて示す。
【0045】
耐久条件
・エンジン排気量    3000cc
・燃料         ガソリン(日石ダッシュ)
・耐久温度       650℃
・耐久時間       50時間
車両性能試験
・エンジン      日産自動車株式会社製 直列4気筒 2.0L
・評価方法     北米排ガス試験法のLA4−CHのA−bag
【0046】
【表1】
Figure 2004116331
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の排気ガス用HC吸着材は、例えば、IFR構造ゼオライト、SFE構造ゼオライト、SFF構造ゼオライト、STF構造ゼオライトのように、12員環及び/又は10員環から構成されるケージ型の1次元細孔構造を有するゼオライトを用いたものであって、多様なHC種に対する分子篩作用に優れ、吸着HCを保持するのに適した骨格構造を有しているので、HCの高い吸着効率が得られると共に、ゼオライト骨格構造内に吸着したHCの保持特性が著しく向上し、吸着HCの脱離を遅延化することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
【0048】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒においては、このようなHC吸着材を炭化水素吸着材層として使用しているので、エンジン始動直後に排出され、当該吸着材に吸着されたコールドHCの吸着材層からの脱離を遅延させることができ、浄化触媒成分層が充分に活性化した後に、コールドHCが脱離するようになることから、コールドHCの浄化処理効率を著しく改善することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例によって得られた排気ガス浄化用触媒の性能評価に用いたエンジンシステムの構成を示す概略図である。

Claims (8)

  1. 12員環及び/又は10員環から構成されるケージ型の1次元細孔構造を有するゼオライトからなることを特徴とする排気ガス用炭化水素吸着材。
  2. IFR構造ゼオライト,SFE構造ゼオライト,SFF構造ゼオライト及びSTF構造ゼオライトから成る群より選ばれた少なくとも1種のゼオライトからなることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス用炭化水素吸着材。
  3. ITQ−4、SSZ−42、SSZ−48、SSZ−44及びSSZ−35から成る群より選ばれた少なくとも1種のゼオライトからなることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス用炭化水素吸着材。
  4. 上記ゼオライト中のSi原子の一部がアルミニウム,ガリウム,ゲルマニウム,硼素,バナジウム,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,マンガン,チタン及びジルコニウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属原子によって置換されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス用炭化水素吸着材。
  5. 炭化水素吸着材層の上部に、浄化触媒成分層を形成した触媒であって、上記炭化水素吸着材層に請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の炭化水素吸着材が含まれていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  6. 上記浄化触媒成分層に、白金,パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属と、セリウム,ジルコニウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜10モル%含むアルミナと、ジルコニウム,ネオジウム,プラセオジウム,イットリウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜50モル%含むセリウム酸化物が含有されていることを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化用触媒。
  7. 上記浄化触媒成分層に、セリウム,ネオジウム,プラセオジウム,イットリウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種を金属換算で1〜40モル%含むジルコニウム酸化物が更に含有されていることを特徴とする請求項6に記載の排気ガス浄化用触媒。
  8. 上記浄化触媒成分層に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属が更に含有されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の排気ガス浄化用触媒。
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KR20200015625A (ko) * 2017-06-05 2020-02-12 셰브런 유.에스.에이.인크. Sfe 프레임워크 유형 분자체의 합성
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