JP2000042368A - 排気ガス浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化方法

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JP2000042368A
JP2000042368A JP10211038A JP21103898A JP2000042368A JP 2000042368 A JP2000042368 A JP 2000042368A JP 10211038 A JP10211038 A JP 10211038A JP 21103898 A JP21103898 A JP 21103898A JP 2000042368 A JP2000042368 A JP 2000042368A
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JP
Japan
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catalyst
exhaust gas
oxygen
upstream side
temperature
Prior art date
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JP10211038A
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English (en)
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Shinji Yamamoto
伸司 山本
Shinko Takatani
真弘 高谷
Mikio Tsuzuki
幹雄 都筑
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温排気ガスを浄化するにあたり、従来の触
媒よりも耐久性が向上し、特に高温耐久後においても優
れた低温活性と浄化性能、特に優れたHC浄化効率を示
す排気ガス浄化方法を提供することにある。 【解決手段】 低温排気ガスを浄化するにあたり、排気
ガス流れに対して上流側に、触媒層温度が室温から20
0℃の温度域で排気ガス中から酸素を選択的に分離・吸
着する酸素貯蔵能を有し200℃〜400℃の温度域で
酸素放出能を有する酸素吸着材を含有する触媒を配置
し、その下流側に室温から150℃の温度域で炭化水素
吸着能を有し150℃の温度域で炭化水素脱離・浄化能
を有する炭化水素吸着材と貴金属とを含有する触媒を配
置し、前記上流側に配置した触媒の更に上流側に排気ガ
ス流路切り換え可能なバルブを配置し、該下流側に配置
した触媒が、その触媒層温度150℃〜300℃の温度
域で炭化水素を脱離・浄化する際に、該上流側の触媒か
ら下流側の触媒に酸素が供給されるように上記触媒配置
が設定され、前記バルブは上流側の触媒の触媒層中の温
度に応じて調節される排気ガス浄化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化方法
に関し、特に自動車等の内燃機関からエンジン始動直後
の低温時に排出される排気ガス中の炭化水素(以下、
「HC」と称す)、一酸化炭素(以下「CO」と称す)
及び窒化酸化物(以下、「NOx」と称す)のうち、特
に、HCを効率良く浄化することができる排気ガス浄化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、排気ガス浄化用触媒は高温下
での耐久性が十分でなく、触媒が劣化し浄化能が著しく
低下するため、エンジン始動直後の低温時に排出される
排気ガス中の炭化水素(以下、「コールドHC」と称
す)の低減を目的に、HC吸着材を用いて一時的に貯蔵
し、三元触媒が活性化した後に脱離させて該三元触媒で
浄化する方法が検討されている。
【0003】かかるHC吸着材を用いた排気ガス浄化用
触媒としては、例えば、特開平6−74019号公報、
特開平7−144119号公報、特開平6−14245
7号公報、特開平5−59942号公報又は特開平7−
102957号公報等に開示されているものがある。
【0004】特開平6−74019号公報には、排気流
路にバイパス流路を設け、エンジン始動直後のコールド
時に排出されるHCをバイパス流路に配置したHC吸着
材に一旦吸着させ、その後排気流路を切り換えて、下流
の三元触媒が活性化した後、排気ガスの一部をHC吸着
触媒に通じ、脱離したHCを徐々に後段の三元触媒で浄
化するシステムが提案されている。
【0005】特開平7−144119号公報には、エン
ジン始動直後のコールド時に前段の三元触媒に熱を奪わ
れて中段のHC吸着材の吸着効率を向上させ、前段の三
元触媒活性化後は、タンデム配置した中段のHC吸着材
を介して後段の三元触媒に反応熱を伝熱し易くし、後段
の三元触媒での浄化を促進するシステムが提案されてい
る。
【0006】特開平6−142457号公報には、低温
域で吸着したHCが脱離する際に、脱離HCを含む排気
ガスを熱交換器で予熱し、三元触媒での浄化を促進する
コールドHC吸着除去システムが提案されている。
【0007】特開平5−59942号公報には、触媒配
置とバルブによる排気ガスの流路を切り換えることによ
って、HC吸着材の昇温を緩慢にし、コールドHCの吸
着効率を向上するシステムが提案されている。
【0008】また、特開平7−102957号公報に
は、後段の酸化・三元触媒の浄化性能を向上するため、
前段の三元触媒と中段のHC吸着材との間に空気を供給
し、後段の酸化・三元触媒の活性化を促進するシステム
が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報中に
記載されたHC吸着材を用いた従来のシステムでは、H
C吸着材の耐久性が不充分なため、耐久後にはHC吸着
効率が低下し、しかも、後段の三元触媒が活性化する前
にHCが脱離してしまいエミッションを悪化させてしま
う。
【0010】そこで、HC吸着材の吸着効率の向上や脱
離遅延化を図るため、高温ガスのバイパス法や三元触媒
暖気のための熱交換器が使用されているが、システム構
成が繁雑化する一方で、十分な効果が得られず、しか
も、コストが著しく上昇するため、耐久性と吸着効率の
高いHC吸着材が望まれている。
【0011】特に、HC吸着材から脱離するHCの浄化
を目的とした三元触媒は、初期から耐久後まで高い浄化
性能を維持するために貴金属を多量に使用したり、早期
活性化と脱離HCの浄化促進を図るために空気を導入し
てりしている。このため、使用する貴金属量が少なくと
も高い浄化性能が得られる触媒が望まれているが、貴金
属を低減した場合には、耐久性が不十分となり、耐久後
は低温域での触媒活性や浄化性能が悪化するという問題
があった。
【0012】従って、本発明の目的は、低温排気ガスを
浄化するにあたり、従来の触媒よりも耐久性が向上し、
特に高温耐久後においても優れた低温活性と浄化性能、
特に優れたHC浄化効率を示す排気ガス浄化方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究した結果、内燃機関から排出され
るエンジン始動直後の低温排気ガスの浄化において、排
気ガスの上流側に酸素貯蔵・放出能を有する触媒を、そ
の下流側に炭化水素吸着・浄化能を有する触媒を配置
し、下流側の触媒が炭化水素を脱離・浄化する際に、上
流側の触媒から下流側の触媒に酸素を供給することによ
って、吸着したコールドHCが脱離する際のHC浄化効
率が著しく向上・維持されることを見出し、本発明に到
達した。
【0014】請求項1記載の排気ガス浄化方法は、低温
排気ガスを浄化するにあたり、排気ガス流れに対して上
流側に、触媒層温度が室温から200℃の温度域で排気
ガス中から酸素を選択的に分離・吸着する酸素貯蔵能を
有し200℃〜400℃の温度域で酸素放出能を有する
酸素吸着材を含有する触媒を配置し、その下流側に室温
から150℃の温度域で炭化水素吸着能を有し150℃
の温度域で炭化水素脱離・浄化能を有する炭化水素吸着
材と貴金属とを含有する触媒を配置し、前記上流側に配
置した触媒の更に上流側に排気ガス流路切り換え可能な
バルブを配置し、該下流側に配置した触媒が、その触媒
層温度150℃〜300℃の温度域で炭化水素を脱離・
浄化する際に、該上流側の触媒から下流側の触媒に酸素
が供給されるように上記触媒配置が設定され、前記バル
ブは上流側の触媒の触媒層中の温度に応じて調節される
ことを特徴とする。
【0015】請求項2記載の排気ガス浄化方法は、請求
項1記載の排気ガス浄化方法において、上流側に配置し
た触媒が、酸素吸着材として、SiO2 /Al2 3
が20以下のA型およびXゼオライトを含有することを
特徴とする。
【0016】請求項3記載の排気ガス浄化方法は、請求
項1又は2記載の排気ガス浄化方法において、上流側に
配置した触媒の触媒層中の温度が400℃に到達した際
に、該触媒の上流側に設置したバルブを作動させ、排気
ガス流路を切り替えて400℃以上の温度を排気ガスが
当該上流側に配置した触媒に流れ込むことを防止するこ
とを特徴とする。
【0017】請求項4記載の排気ガス浄化方法は、請求
項1〜3いずれかの項記載の排気ガス浄化方法におい
て、上流側に配置した触媒が、次の組成式:[A]
[B]Oy(式中、AはLa、Sr、Ba、Pb、Nd
及びCeからなる群より選ばれた一種以上の元素、B
は、Al、Ti、Cr、Mn、Co、Fe及びNiから
なる群より選ばれた一種以上の元素、Oは酸素を示し、
yは各元素の原子価を満足するのに必要な酸素原子数を
示す)で表されるペロブスカイト型構造の複合酸化物を
含有することを特徴とする。
【0018】請求項5記載の排気ガス浄化方法は、請求
項1〜4いずれかの項記載の排気ガス浄化方法におい
て、上流側に配置した触媒が、白金及び/又はパラジウ
ムを担持したセリウム酸化物を含有することを特徴とす
る。
【0019】請求項6記載の排気ガス浄化方法は、請求
項1〜5いずれかの項記載の排気ガス浄化方法におい
て、下流側に配置した触媒が、炭化水素吸着材としてZ
SM5、USY及びβ−ゼオライトからなる群より選ば
れた一種以上のゼオライトと、貴金属として白金、パラ
ジウム及びロジウムからなる群より選ばれた一種以上の
金属と、活性アルミナと、セリア酸化物と、ジルコニウ
ム酸化物と、バリウム化合物とを含有することを特徴と
する。
【0020】請求項7記載の排気ガス浄化方法は、請求
項6記載の排気ガス浄化方法において、炭化水素吸着材
が、白金、パラジウム、リン、ホウ素、マグネシウム及
びカルシウムからなる群より選ばれた一種以上の元素を
含有することを特徴とする。
【0021】請求項8記載の排気ガス浄化方法は、請求
項7記載の排気ガス浄化方法において、炭化水素吸着材
層の上部に、パラジウムと、ジルコニウム、ネオジウム
及びランタンからなる群より選ばれた一種以上の元素を
金属換算で1〜40モル%及びセリウムを60〜98モ
ル%含むセリウム酸化物とを含有する触媒成分層が配置
されることを特徴とする。
【0022】請求項9記載の排気ガス浄化方法は、請求
項8記載の排気ガス浄化方法において、炭化水素吸着材
層の上部に配置したパラジウムを含有する触媒成分層の
上部に、更に、白金、ロジウム、セリウム、ネオジウム
及びランタンからなる群より選ばれた一種を金属換算で
1〜30モル%ジルコニウムを70〜98%含むジルコ
ニウム酸化物と、活性アルミナとを含有する触媒成分層
が配置されることを特徴とする請求項8記載の排気ガス
浄化方法。
【0023】請求項10記載の排気ガス浄化方法は、請
求項8又は9記載の排気ガス浄化方法において、炭化水
素吸着材層の上部にアルカリ金属及びアルカリ土類金属
からなる群より選ばれた少なくとも一種が含有されてい
る三元触媒が配置されることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の排気ガス浄化方法として
は、内燃機関から排出されるエンジン始動直後の低温排
気ガスを浄化するにあたり、排気ガス流れに対して上流
側に、触媒層温度が室温から200℃の温度域で排気ガ
ス中から酸素を選択的に分離・吸着する酸素貯蔵能を有
し200℃〜400℃の温度域で酸素放出能を有する酸
素吸着材を含有する触媒を配置し、その下流側に室温か
ら150℃の温度域で炭化水素吸着能を有し150℃の
温度域で炭化水素脱離・浄化能を有する炭化水素吸着材
と貴金属とを含有する触媒を配置し、前記上流側に配置
した触媒の更に上流側に排気ガス流路切り換え可能なバ
ルブを配置し、該下流側に配置した触媒が、その触媒層
温度150℃〜300℃の温度域で炭化水素を脱離・浄
化する際に、該上流側の触媒から下流側の触媒に酸素が
供給されるように上記触媒配置が設定され、前記バルブ
は上流側の触媒の触媒層中の温度に応じて調節される構
成とすることによって、該下流側の触媒の脱離炭化水素
浄化効率を向上することができる。
【0025】上流側に配置した触媒が含有する酸素貯蔵
・供給能を有する酸素吸着材材料は、低温排気ガス中か
ら酸素を選択的に分離・吸着できるSiO2 /Al2
3 比が20以下のA型及びX型ゼオライトが有効であ
る。該ゼオライトを含有させた触媒は、触媒層温度が室
温から200℃の温度域で排気ガス中の酸素を選択的に
分離・貯蔵し、200℃から400℃の温度域で酸素を
放出でき、下流側の触媒が低温排気ガスから吸着した炭
化水素を脱離・浄化する際に酸素を効率的に供給でき、
貴金属のHC浄化効率を向上させることができる。その
量は、触媒1Lあたり10g〜300gが性能向上の点
から好ましい。
【0026】また、該上流側の触媒層中の温度(当該触
媒層中に温度検出器を設置して温度を検出)が400℃
に到達した際に、該触媒の上流側に設置したバルブを作
動させて排気ガス流路を切り替えるが、これは400℃
以上の温度の排気ガスが酸素吸着材に流れ込むことを防
止して、該ゼオライトの熱による構造破壊を防止するた
めである。
【0027】また、該上流側に配置した触媒が、触媒層
温度の上昇により200℃以上の温度域で酸素を放出す
るため、耐熱性に優れた材料として、次の組成式: 〔A〕〔B〕Oy (Aは、La、Sr、Ba、Pb、Nd、Ceからなる
群より選ばれた一種以上の元素、Bは、AL、Ti、C
r、Mn、Co、Fe、Neからなる群より選ばれた一
種以上の元素、Oは酸素を示し、yは各元素の原子価を
満足するのに必要な酸素原子数を示す)で表される酸素
移動性の高いペロブスカイト型構造の複合酸化物を含有
することができる。このことによって、該上流側に配置
した酸素吸着材たるゼオライトの性能低下を補うことが
でき、該下流側に配置した触媒の脱離炭化水素の浄化効
率を更に向上できる。
【0028】更に、該上流側に配置した触媒が、触媒層
温度の上昇により200℃以上の温度域で酸素を放出す
る作用を促進するため、白金及び/又はパラジウムを担
持したセリウム酸化物を含有させることができる。該触
媒に、白金及び/又はパラジウム担持セリウム酸化物を
含有させることによって、上流側に配置した触媒の耐久
性が向上し、該下流側に配置した触媒の脱離炭化水素の
浄化効率を長期間に渡って向上できる。
【0029】上流側に配置した触媒が含有する酸素貯蔵
・供給能を有する材料の合計使用量としては、上記、S
iO2 /Al2 3 比が20以下のA型及びX型ゼオラ
イトと、ペロブスカイト型構造の複合酸化物と、白金及
び/又はパラジウムを担持したセリウム酸化物とを組合
せて、上流触媒1Lあたり10g〜300gが好まし
い。酸素貯蔵・供給能を有する材料の使用量が10g未
満では吸着性能が十分に発現せず、逆に300gを越え
ても吸着性能は飽和し、経済的にも有効でない。
【0030】また、下流側に配置される、低温域で排出
される炭化水素を吸着する材料としては、SiO2 /A
2 3 比が20以上のZSM5、USY及びβ−ゼオ
ライトからなる群より選ばれた一種以上を用いることに
よって、低温域で排出される種々の炭化水素を効率良く
吸着することができる。炭化水素吸着材の使用量は、触
媒1Lあたり10g〜300gが好ましい。炭化水素吸
着材の使用量が10g未満では吸着性能が十分に発現せ
ず、逆に300gを越えても吸着性能は飽和し、経済的
にも有効でない。更に、該炭化水素吸着材から脱離する
炭化水素を浄化するため、貴金属として白金、パラジウ
ム及びロジウムからなる群より選ばれた一種以上の元素
と、活性アルミナと、セリア酸化物と、ジルコニウム酸
化物と、バリウム化合物とを含有することによって、触
媒層温度の上昇に伴って脱離する炭化水素を効率良く浄
化することができる。その量は触媒1Lあたり、貴金属
は1g〜30g、活性アルミナは10g〜300g、セ
リア酸化物は5g〜100g、ジルコニウム酸化物は5
g〜100g、バリウム化合物は1g〜50gであるこ
とが脱離HCを効率良く浄化する点から好ましい。
【0031】更に、炭化水素吸着材の高温下における構
造安定性(耐熱性)と、コールドHCの吸着能や温度上
昇時のHC脱離抑制性能を向上するため、白金、パラジ
ウム、リン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムから
なる群より選ばれた一種以上の元素を含有することがで
きる。かかる元素の含有量は、HC吸着材に対して、
0.1重量%から10重量%である。0.1重量%未満
だと充分な改良効果が得られず、逆に、10重量%より
多く使用すると、ゼオライトの細孔が閉塞しHC吸着能
が低下する。
【0032】更に、炭化水素吸着材で吸着したHCが脱
離する際の浄化効率を向上するため、該炭化水素吸着材
層の上部に、パラジウムと、ジルコニウム、ネオジウム
及びランタンからなる群より選ばれた一種以上の元素を
金属換算で1〜40モル%セリウムを60〜98モル%
含むセリウム酸化物とを含有する触媒成分層を配置する
ことができる。特に、パラジウムの浄化性能と耐久性を
向上させるため、パラジウム含有触媒成分層中に、ジル
コニウム、ネオジウム及びランタンからなる群より選ば
れた一種以上の元素を金属換算で1〜40モル%セリウ
ムを60〜98モル%含むセリウム酸化物を含有させる
ことによって、酸素吸蔵能の高いセリウム酸化物が、リ
ッチ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放
出し易くなるため、パラジウムの酸化状態を排気ガスの
浄化に適したものとし、パラジウムの触媒能の低下を抑
制できる。かかるパラジウムの使用量は、触媒1Lあた
り1g〜30gであることが浄化性能の点から好まし
い。かかるセリウム酸化物の使用量は、触媒1Lあたり
5〜100gである。5g未満だと充分な貴金属の分散
性が得られず、100gより多く使用しても改良効果は
飽和し有効でない。
【0033】更に、パラジウムの耐被毒性や浄化性能を
向上するため、パラジウムを含有する触媒成分層の上部
に、白金、ロジウム、セリウム、ネオジウム及びランタ
ンからなる群より選ばれた一種以上の元素を金属換算で
1〜30モル%ジルコニウムを70〜98モル%含むジ
ルコニウム酸化物と活性アルミナとを含有する触媒成分
層を配置することができる。前記白金やロジウムが担持
される基材としては、白金やロジウムの耐久性を向上さ
せるため、ジルコニウム酸化物が適切である。特に、酸
素吸蔵能の高いセリウム含有ジルコニウム酸化物が、リ
ッチ雰囲気及びストイキ近傍で格子酸素や吸着酸素を放
出し易くなるため、白金やロジウムの酸化状態を排気ガ
スの浄化に適したものとし、白金やロジウムの触媒能の
低下を抑制できる。
【0034】かかるジルコニウム酸化物のセリウム含有
量は0.01モル%から30モル%である。セリウム含
有量が0.01モル%未満ではZrO2 のみの場合と変
わらず、上記した元素のZrO2 のセリウムの酸素吸蔵
能による改良効果が現れず、また、セリウム含有量が3
0モル%を越えるとこの効果が飽和もしくは逆にBET
比表面積や熱安定性が低下する。ジルコニウム酸化物の
使用量は、触媒1Lあたり5〜100gである。5g未
満だと充分な貴金属の分散性が得られず、100gより
多く使用しても改良効果は飽和し有効でない。
【0035】また、パラジウムの低温活性を向上するた
め、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有す
る三元触媒を配置することができる。これらの金属に
は、例えばカリウム、カルシウム、ストロンチウム、バ
リウム、ナトリウム、マグネシウム、イットリウムやラ
ンタン等がある。かかる元素の含有量は触媒1L中1〜
40gである。1g未満では、HC類の貴金属に対する
吸着被毒の緩和やパラジウムのシンタリングを抑制でき
ず、逆に、40gを越えても有為な増量効果が得られず
逆に性能を低下させる。
【0036】
【実施例】本発明を次の調製例、実施例及び比較例によ
り説明する。特に表示がない限り、部は重量部示す。
【0037】調製例1 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末を4
00部、組成式:〔La0.6 Sr0.3 Ba0.1 〕〔Mn
0.4 Co0.4 Fe0.1 Al0.1 〕Oy のペロブスカイト
型複合酸化物粉末を250部、パラジウム担持濃度0.
1%のパラジウム担持セリウム酸化物(La0.01Zr
0.32Ce0.67x )粉末を250部と、シリカゾル(S
iO2 濃度として20%)を500部と、純水2000
gとを磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリ
ーを得た。このスラリー液をコージェライト質モノリス
担体(1.0L、400セル)に付着させ、空気流にて
セル内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1
時間焼成した。この作業を2度行い、コート量重量30
0g/L−担体の上流触媒Aを得た。パラジウム担持量
は2.12g/cf(0.075g/L)であった。
【0038】調製例2 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末を6
00部、SiO2 /Al2 3 =50のZSM5を20
0部、SiO2 /Al2 3 =25のUSYを100部
と、シリカゾル(SiO2 濃度として20%)を500
部と、純水1500gとを磁性ボールミルに投入し、混
合・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液をコージ
ェライト質モノリス担体(1.0L、400セル)に付
着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・乾
燥し、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行
い、コート量重量200g/L−担体の上流触媒を得た
(触媒B)。
【0039】セリウム3モル%(CeO2 に換算して
8.7重量%)、ジルコニウム3モル%(ZrO2 に換
算して6.3重量%)とランタン2モル%(La2 3
に換算して5.5重量%)を含有するアルミナ粉末(粉
末A)に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で1
2時間乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担
持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末BのPd濃
度は11重量%であった。
【0040】ランタン1モル%(La2 3 に換算して
2重量%)とジルコニウム32モル%(ZrO2 に換算
して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末(粉末C)
に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、150℃で12時間
乾燥した後、400℃で1時間焼成して、Pd担持セリ
ウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67x )粉末(粉
末D)を得た。この粉末DのPd濃度は2.5重量%で
あった。
【0041】上記粉末B880g、粉末D280g、活
性アルミナ40g及び硝酸水溶液1500gを磁性ボー
ルミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。この
スラリー液を触媒Bに付着させ、空気流にてセル内の余
剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成し
た。この作業を2度行い、コート量重量260g/L−
担体の触媒を得た。パラジウム担持量は146.67g
/cf(5.18g/L)であった(触媒C)。
【0042】次いで、Zr3重量%を担持した活性アル
ミナ物粉末(粉末E)に硝酸ロジウム水溶液を含浸し、
150℃で12時間乾燥した後、400℃で1時間焼成
して、Rh担持Zr3重量%−Al2 3 粉末(粉末
F)を得た。この粉末FのRh濃度は2.0重量%であ
った。
【0043】上記粉末Eを470部と、La1モル%、
Ce20モル%、Zr79モル%のジルコニウム酸化物
粉末(粉末F)を300部と、活性アルミナ30部と、
硝酸水溶液1500gを磁性ボールミルに投入し、混合
・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒Cに
付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・
乾燥し、400℃で1時間焼成した。この作業を2度行
い、コート量重量300g/L−担体の触媒を得た。ロ
ジウム担持量は13.33g/cf(0.47g/L)
であった(触媒D)。
【0044】次いで、上記触媒成分担持コージェライト
質モノリス担体に酢酸バリウム溶液を付着させた後、4
00℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含有
させて下流触媒をE得た。
【0045】調製例3 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末40
0部に代わり、SiO 2 /Al2 3 =15のX型ゼオ
ライト粉末を400部とし、組成式:〔La0. 6 Sr
0.3 Ba0.1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe0.1 Al0.1
y のペロブスカイト型複合酸化物粉末250部に代わ
り、組成式〔La0.5 Sr0.2 Ba0.2 Ce0.05Nd
0.05〕〔Cr0.1 Mn0.3 Fe0.1 Ni0.1 Al0.05
0.05〕Oyのペロブスカイト型複合酸化物粉末を25
0部とし、白金担持濃度0.1重量%の白金担持セリウ
ム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67x )粉末の量を
250部として用いた以外は、実施例1に準じて上流触
媒Fを得た。
【0046】調製例4 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末40
0部に代わり、Al23 /Al2 3 =15のA型ゼ
オライト粉末を100部及びSiO2 /Al23 =1
5のX型ゼオライト粉末を100部とし、組成式:〔L
0.6 Sr0.3Ba0.1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe0.1
Al0.1 〕Oy のペロブスカイト型複合酸化物粉末25
0部に代わり、組成式〔La0.5 Sr0.2 Ba0.2 Ce
0.05Nd 0.05〕〔Cr0.1 Mn0.3 Fe0.1 Ni0.1
0.05Ti0.05〕Oy のペロブスカイト型複合酸化物粉
末を100部とし、パラジウム担持濃度0.1重量%の
パラジウム担持セリウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce
0.67Ox)粉末の量を600部として用いた以外は、実
施例1に準じ、上流触媒Gを得た。
【0047】調製例5 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末40
0部に代わり、SiO 2 /Al2 3 =15のA型ゼオ
ライト粉末を50部及びSiO2 /Al2 3=15の
X型ゼオライト粉末を50部とし、組成式:〔La0.6
Sr0.3 Ba0. 1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe0.1 Al
0.1 〕Oy のペロブスカイト型複合酸化物粉末250部
に代わり、組成式〔La0.8 Sr0.1 Ba0.1 〕〔Mn
0.1 Co0. 9 〕Oy のペロブスカイト型複合酸化物粉末
を100部とし、パラジウム担持濃度0.1重量%のパ
ラジウム担持セリウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce
0.67 x )粉末の量を700部として用いた以外は、実
施例1に準じ、上流触媒Hを得た。
【0048】調製例6 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末40
0部に代わり、SiO 2 /Al2 3 =15のA型ゼオ
ライト粉末を50部とし、組成式:〔La0.6Sr0.3
Ba0.1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe0.1 Al0.1 〕Oy
のペロブスカイト型複合酸化物粉末250部に代わり、
組成式〔La0.8 Sr0.1 Ba0.1 〕〔Mn0.1 Co
0.9 〕Oy のペロブスカイト型複合酸化物粉末50部と
し、パラジウム担持濃度0.1重量%のパラジウム担持
セリウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67x )粉末
の量を900部として用いた以外は、実施例1に準じ、
上流触媒Hを得た。
【0049】調製例7 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末40
0部に代わり、SiO 2 /Al2 3 =15のX型ゼオ
ライト粉末を50部とし、組成式:〔La0.6Sr0.3
Ba0.1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe0.1 Al0.1 〕Oy
のペロブスカイト型複合酸化物粉末250部に代わり、
組成式〔La0.9 Sr0.1 〕Oy のペロブスカイト型複
合酸化物粉末を50部とし、パラジウム担持濃度0.1
重量%のパラジウム担持セリウム酸化物(La0.01Zr
0.32Ce0.67x )粉末の量を800部として用いた以
外は、実施例1に準じ、上流触媒Jを得た。
【0050】調製例8 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末60
0部、SiO2 /Al 2 3 =50のZSM5 200
部、SiO2 /Al2 3 =25のUSY100部に代
わり、SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉
末の量を800部、SiO2 /Al2 3 =50のZS
M5の量を50部、SiO2 /Al2 3 =25のUS
Yの量を50部として用いた以外は、実施例2に準じ、
下流触媒Kを得た。
【0051】調製例9 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末60
0部に代わり、SiO 2 /Al2 3 =25のβ−ゼオ
ライト粉末の量を900部として用い、更に、SiO2
/Al2 3 =50のZSM5及びSiO2 /Al2
3 =25のUSYを用いない以外は、実施例2に準じ、
下流触媒Lを得た。
【0052】調製例10 SiO2 /Al2 3 =50のZSM5 200部、S
iO2 /Al2 3 =25のUSY100部に代わり、
SiO2 /Al2 3 =50のZSM5を400部、S
iO2 /Al2 3 =25のUSYの量を500部とし
て用い、更にSiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオラ
イト粉末を用いない以外は、実施例2に準じ、下流触媒
Mを得た。
【0053】調製例11 SiO2 /Al2 3 =50のβ−ゼオライト粉末90
0部に代わり、ホウ素0.5重量%、カルシウム0.1
重量%を含むSiO2 /Al2 3 =50のβ−ゼオラ
イト900部を用いた以外は、実施例9に準じ、下流触
媒Nを得た。
【0054】調製例12 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末60
0部、SiO2 /Al 2 3 =50のZSM5 200
部、SiO2 /Al2 3 =25のUSY100部に代
わり、リン0.1重量%、マグネシウム0.1重量%、
パラジウム0.1重量%を含むSiO2 /Al2 3
25のβ−ゼオライト700部と、白金0.1重量%、
ホウ素0.1重量%、カルシウム0.1重量%を含むS
iO2 /Al2 3 =50のZSM5を100部と、リ
ン0.5重量%、カルシウム0.1重量%を含むSiO
2 /Al2 3 =25のUSY100部とを用いた以外
は、実施例9に準じ、下流触媒Oを得た。
【0055】比較調製例1 SiO2 /Al2 3 =15のA型ゼオライト粉末90
0部と、シリカゾル(SiO2 濃度として20%)50
0部とのみを用いた以外は、実施例1に準じ、上流触媒
Pを得た。
【0056】比較調製例2 〔La0.6 Sr0.3 Ba0.1 〕〔Mn0.4 Co0.4 Fe
0.1 Al0.1 〕Oy粉末900部と、シリカゾル(Si
2 濃度として20%)500部とのみを用いた以外
は、実施例1に準じ、上流触媒Qを得た。
【0057】比較調製例3 パラジウム担持濃度0.1重量%のパラジウム担持セリ
ウム酸化物(La0.01Zr0.32Ce0.67Ox)粉末90
0部と、シリカゾル(SiO2 濃度として20%)50
0部とのみを用いた以外は、実施例1に準じ、上流触媒
Rを得た。
【0058】比較調製例4 実施例2で得られた粉末B880g及び粉末D280g
と、活性アルミナ40gと、硝酸水溶液1500gとを
磁性ボールミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得
た。このスラリー液をコージェライト質モノリス担体
(1.0L、400セル)に付着させ、空気流にてセル
内の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間
焼成した。この作業を2度行い、コート量重量60g/
L−担体の触媒を得た。パラジウム担持量は146.6
7g/cf(5.18g/L)であった(触媒S)。
【0059】次いで、実施例2で得られた粉末E470
部と、La1モル%、Ce20モル%、Zr79モル%
のジルコニウム酸化物粉末(粉末F)300部と、活性
アルミナ30部と、硝酸水溶液1500gとを磁性ボー
ルミルに投入し、混合・粉砕してスラリーを得た。この
スラリー液を上記触媒Sに付着させ、空気流にてセル内
の余剰のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼
成した。この作業を2度行い、コート量重量100g/
L−担体の触媒を得た。ロジウム担持量は13.33g
/cf(0.47g/L)であった(触媒T)。
【0060】次いで、上記触媒成分担持コージェライト
質モノリス担体に酢酸バリウム溶液を付着させた後、4
00℃で1時間焼成し、BaOとして10g/Lを含有
させて、下流触媒Uを得た。
【0061】比較調製例5 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末60
0部、SiO2 /Al 2 3 =50のZSM5 200
部、SiO2 /Al2 3 =25のUSY100部と、
シリカゾル(SiO2 濃度として20%)を500部
と、純水1500gとを磁性ボールミルに投入し、混合
・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を触媒Uに
付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを除去・
乾燥し、400℃で1時間焼成した。コート量重量30
0g/L−担体の、下流触媒Vを得た。
【0062】比較調製例6 SiO2 /Al2 3 =25のβ−ゼオライト粉末60
0部、SiO2 /Al 2 3 =50のZSM5 200
部、SiO2 /Al2 3 =25のUSY100部と、
シリカゾル(SiO2 濃度として20%)を500部
と、純水1500gとを磁性ボールミルに投入し、混合
・粉砕してスラリーを得た。このスラリー液を比較例4
で得られた触媒Uに付着させ、空気流にてセル内の余剰
のスラリーを除去・乾燥し、400℃で1時間焼成し
た。コート量重量200g/L−担体の、下流触媒Wを
得た。
【0063】上記調製例1〜12及び比較調製例1〜6
で得られた各触媒の仕様を表1及び2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】実施例1〜12及び比較例1〜7 前記調製例1〜12及び比較調製例1〜6で得られた各
触媒を、以下の耐久条件により耐久を行った。
【0067】耐久条件 エンジン排気量 3000cc 燃料 無鉛ガソリン 触媒入口ガス温度 500℃ 耐久時間 50時間 入口ガス組成 CO 0.5±0.1% O2 0.5±0.1% HC 約1100ppm NO 1300ppm CO2 15% A/F変動 2750回(周期65秒/回) 周期:A/F=14.6 55秒 燃料カット 5秒 リッチ スパイク 5秒(CO=2%)
【0068】次いで、耐久後の各触媒を、以下の表3に
示す触媒配置及び図1に示す評価システムに設置して、
排気ガス浄化用触媒装置を得た。各装置を用いて、排気
ガスを浄化する方法は以下の条件で行なった。
【0069】浄化評価条件 エンジン排気量 日産自動車株式会社製 V型6気筒3.3L 燃料 無鉛ガソリン 評価モード LA4−CH(A−bag)
【0070】各実施例、比較例について上記浄化条件で
測定した評価結果(エミッション値)を表3に示す。
【0071】但し、コールドHC排出量は、触媒配置1
にTWCを配置し、ベースエミッションを測定する。コ
ールドHC吸着量は、触媒配置1にTWCを、配置2及
び3に各々の触媒を配置し、上記ベースエミッション
(LA4Abagの0−60秒間)との差分とする。未浄化
脱離HC量は、上記コールドHC吸着量に対し、60秒
以降のベースエミッションとの差分を未浄化脱離HCと
する。また、
【数1】 脱離HC浄化量=コールドHC吸着量−未浄化脱離HC
量として測定した。
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の排気ガス浄化方法は、酸
素貯蔵・放出能を有す触媒と炭化水素吸着・浄化能を有
する触媒とを組み合わせ、内燃機関から排出されるエン
ジン始動直後の低温排気ガス中の炭化水素を吸着した触
媒が触媒層温度の上昇によって炭化水素を脱離する際に
浄化に必要な酸素を供給することによって、炭化水素の
浄化性能を向上し、未浄化のまま排出される炭化水素を
大幅に低減させることができる。
【0074】請求項2記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、酸素吸着材としてSiO2 /Al2 3
比が20以下のA型及びX型ゼオライトを用いることに
よって、触媒層の温度変化で酸素の選択的に分離・吸着
との放出を容易に制御でき、炭化水素を吸着した触媒層
温度の上昇によって炭化水素を脱離する際に、浄化に必
要な酸素を供給でき、浄化性能を向上することができ
る。
【0075】請求項3記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、酸素吸着材として用いるゼオライトが熱
によって破壊されるのを抑制でき、該ゼオライトが酸素
を分離・吸着・放出する性能の維持を図ることができ
る。
【0076】請求項4記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、耐熱性が高く酸素移動性の高い材料を含
有することによって、該触媒が酸素を分離・吸着する性
能の向上を図ることができる。
【0077】請求項5記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、該触媒が酸素を放出する性能の向上を図
ることができる。
【0078】請求項6記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、種々の炭化水素吸着材を組み合わせるこ
とにより、エンジン始動直後の低温時に排出される炭化
水素種を高い効率で吸着し、しかも、貴金属成分を炭化
水素吸着材と接触することで脱離する炭化水素の浄化能
を向上できる。
【0079】請求項7記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、エンジン始動直後の低温時に排出される
HC種を高い効率で吸着し、しかも、耐久後の構造変化
や性能劣化が小さいため、脱離速度の遅延化を図ること
ができる。
【0080】請求項8記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、触媒成分の還元に起因する触媒性能の低
下を抑制できる。
【0081】請求項9記載の排気ガス浄化方法は、上記
効果に加えて、更に浄化性能を向上し、触媒成分の被毒
に起因する触媒性能の低下を抑制できる。
【0082】請求項10記載の排気ガス浄化方法は、上
記効果に加えて、パラジウムの低温活性を向上し、更
に、シンタリング抑制し耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化方法を有効に実施する評
価システムの一例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 29/16 B01J 29/44 A 29/44 F01N 3/08 ZABA F01N 3/08 ZAB 3/24 C 3/24 B ZABE ZAB B01J 23/56 301A (72)発明者 都筑 幹雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA17 AA28 AB01 AB02 AB03 AB08 AB10 BA03 BA14 BA15 BA19 CA12 CA13 DA03 DB10 EA18 FA02 FA04 FB02 FB03 FB10 FB11 FB12 FC07 FC08 GA18 GB01W GB01Y GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB09W GB09Y GB10W GB10Y HA08 HA12 HA18 HB02 HB03 4D048 AA06 AA13 AA18 AB01 AB02 AB03 AB07 BA01X BA02X BA03X BA04X BA06X BA07X BA08X BA09X BA11X BA14Y BA15X BA18X BA19X BA25X BA28X BA30X BA31X BA33X BA36X BA37X BA38X BA41X BA42X BA44X BB02 CA01 CC26 CC32 CC46 CC51 DA01 DA02 DA03 DA06 DA08 DA11 EA04 4G069 AA01 AA03 AA08 AA12 BA01A BA01B BA02B BA04A BA04B BA05A BA05B BA07A BA07B BA13B BB01A BB01B BB02A BB02B BB04A BB04B BB06A BB06B BC01A BC08A BC09A BC09B BC10A BC10B BC12A BC12B BC13A BC13B BC21A BC42A BC42B BC43A BC43B BC44A BC44B BC51A BC51B BC58A BC58B BC62A BC62B BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BC69A BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B BD03A BD03B BD07A BD07B CA03 CA09 DA05 EA19 EB12Y EC23 EC28 ED06 EE09 FA02 FA06 FB15 FB30 ZA02A ZA02B ZA03A ZA03B ZA05A ZA05B ZA11A ZA11B ZA19A ZA19B ZC04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温排気ガスを浄化するにあたり、排気
    ガス流れに対して上流側に、触媒層温度が室温から20
    0℃の温度域で排気ガス中から酸素を選択的に分離・吸
    着する酸素貯蔵能を有し200℃〜400℃の温度域で
    酸素放出能を有する酸素吸着材を含有する触媒を配置
    し、その下流側に室温から150℃の温度域で炭化水素
    吸着能を有し150℃の温度域で炭化水素脱離・浄化能
    を有する炭化水素吸着材と貴金属とを含有する触媒を配
    置し、前記上流側に配置した触媒の更に上流側に排気ガ
    ス流路切り換え可能なバルブを配置し、該下流側に配置
    した触媒が、その触媒層温度150℃〜300℃の温度
    域で炭化水素を脱離・浄化する際に、該上流側の触媒か
    ら下流側の触媒に酸素が供給されるように上記触媒配置
    が設定され、前記バルブは上流側の触媒の触媒層中の温
    度に応じて調節されることを特徴とする排気ガス浄化方
    法。
  2. 【請求項2】 上流側に配置した触媒は、酸素吸着材と
    して、SiO2 /Al2 3 比が20以下のA型および
    Xゼオライトを含有することを特徴とする請求項1に記
    載の排気ガス浄化方法。
  3. 【請求項3】 上流側に配置した触媒の触媒層中の温度
    が400℃に到達した際に、該触媒の上流側に設置した
    バルブを作動させ、排気ガス流路を切り替えて400℃
    以上の温度を排気ガスが当該上流側に配置した触媒に流
    れ込むことを防止することを特徴とする請求項1又は2
    記載の排気ガス浄化方法。
  4. 【請求項4】 上流側に配置した触媒は、次の組成式: [A][B]Oy (式中、AはLa、Sr、Ba、Pb、Nd及びCeか
    らなる群より選ばれた一種以上の元素、BはAl、T
    i、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群より選
    ばれた一種以上の元素、Oは酸素を示し、yは各元素の
    原子価を満足するのに必要な酸素原子数を示す)で表さ
    れるペロブスカイト型構造の複合酸化物を含有すること
    を特徴とする請求項1〜3いずれかの項記載の排気ガス
    浄化方法。
  5. 【請求項5】 上流側に配置した触媒は、白金及び/又
    はパラジウムを担持したセリウム酸化物を含有すること
    を特徴とする請求項1〜4記載の排気ガス浄化方法。
  6. 【請求項6】 下流側に配置した触媒は、炭化水素吸着
    材としてZSM5、USY及びβ−ゼオライトからなる
    群より選ばれた一種以上のゼオライトと、貴金属として
    白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選ばれた
    一種以上の金属と、活性アルミナと、セリア酸化物と、
    ジルコニウム酸化物と、バリウム化合物とを含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5記載の排気ガス浄化方法。
  7. 【請求項7】 炭化水素吸着材は、白金、パラジウム、
    リン、ホウ素、マグネシウム及びカルシウムからなる群
    より選ばれた一種以上の元素を含有することを特徴とす
    る請求項6記載の排気ガス浄化方法。
  8. 【請求項8】 炭化水素吸着材層の上部に、パラジウム
    と、ジルコニウム、ネオジウム及びランタンからなる群
    より選ばれた一種以上の元素を金属換算で1〜40モル
    %及びセリウムを60〜98モル%含むセリウム酸化物
    とを含有する触媒成分層が配置されることを特徴とする
    請求項6又は7記載の排気ガス浄化方法。
  9. 【請求項9】 炭化水素吸着材層の上部に配置したパラ
    ジウムを含有する触媒成分層の上部に、更に、白金、ロ
    ジウム、セリウム、ネオジウム及びランタンからなる群
    より選ばれた一種以上の元素を金属換算で1〜30モル
    %ジルコニウムを70〜98%含むジルコニウム酸化物
    と、活性アルミナとを含有する触媒成分層が配置される
    ことを特徴とする請求項8記載の排気ガス浄化方法。
  10. 【請求項10】 炭化水素吸着材層の上部に、アルカリ
    金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれた少な
    くとも一種が含有される三元触媒が配置されることを特
    徴とする請求項8又は9記載の排気ガス浄化方法。
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