JP2004115770A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】スチレンを配合せず、臭気が低く、安全性が高く、高肉持ち感の塗膜が得られる、不飽和ポリエステル系木工塗料用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸と(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコール成分と(c)少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを(a):(b):(c)のモル比が1.00:1.60〜0.80:0.05〜0.50の範囲で反応させて得られる不飽和ポリエステル(A)と、反応性希釈剤として
CH2=CHCOO−(CH2CH2O)m−CH2−(CH2)4−CH2−(OCH2CH2)n−OCOCH=CH2
で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸と(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコール成分と(c)少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを(a):(b):(c)のモル比が1.00:1.60〜0.80:0.05〜0.50の範囲で反応させて得られる不飽和ポリエステル(A)と、反応性希釈剤として
CH2=CHCOO−(CH2CH2O)m−CH2−(CH2)4−CH2−(OCH2CH2)n−OCOCH=CH2
で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレンを含有しない安全性の高い木工塗料用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは基材である木材、木質系合板の塗装に供せられる光速硬化の、臭気が低く、安全性の高い木工塗料用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】活性エネルギー線硬化は、省エネルギ、省スペース、短時間硬化等の利点を有し、近年その利用範囲が拡大している。中でも反応性希釈剤を配合した無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が注目されている。無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成は、重合性オリゴマー、反応性希釈剤、重合開始剤(電子線硬化の場合は不要)、着色剤、その他添加剤等からなる。
重合性オリゴマーとしては不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が用いられ、それらの中で特に木工塗装においては高肉持ち感の塗膜が得られること、安価なことから不飽和ポリエステル樹脂が多く使用されている。不飽和ポリエステル樹脂は、一般的には無水マレイン酸やフマル酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸と、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコールとを主原料として、エステル化反応させた不飽和ポリエステルをスチレンモノマーで溶解し、製造されている。例えば特開平6−322088号公報にはスチレンモノマー等の反応性希釈剤を配合した不飽和ポリエステル樹脂系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が記載されている。
【0003】ところが、近年、スチレンモノマーは、その揮発性、臭気、毒性による作業環境の悪化が指摘されており、スチレンモノマーに代わる反応性希釈剤を配合した不飽和ポリエステル樹脂系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の従来技術の欠点をなくし、スチレンを配合せず、臭気が低く、安全性が高く、高肉持ち感の塗膜が得られる、不飽和ポリエステル樹脂系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1:0〜1:1の範囲としたジカルボン酸と(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールの使用割合がモル比で1:0〜1:4とした多価アルコール成分と(c)少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを(a):(b):(c)のモル比を1.00:1.60〜0.80:0.05〜0.50として反応させて得られる数平均分子量500〜10,00
0である不飽和ポリエステル(A)、反応性希釈剤として
【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いれば、この課題を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において不飽和ポリエステルは、酸成分としてエチレン性不飽和ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸とエーテル基含有多価アルコール及びエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールと少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とをエステル化反応させて得られる。
【0007】エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0008】エチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0009】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1:0〜1:1の範囲である必要があり、1:0〜1:0.5の範囲であることがより望ましい。エチレン性不飽和ジカルボン酸に対するエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1を超えると活性エネルギー線照射時の硬化性が十分でなく、硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。
【0010】エーテル基含有多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0011】エーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0012】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールの使用割合がモル比で1:0〜1:4の範囲である必要があり、1:0〜1:1の範囲であることがより望ましい。エーテル基含有多価アルコールに対するエーテル基含有以外の多価アルコールの使用割合がモル比で4を超えると硬化塗膜表面にタックが残る。
【0013】少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物としては、グリセリンのジアリルエーテル、トリメチロールプロパンのジアリルエーテル、ペンタエリスリトールのトリアリルエーテル等が挙げられる。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(a)のジカルボン酸成分:(b)の多価アルコール成分:(c)のアリルエーテル化合物成分の使用割合がモル比で1:1.60〜0.80:0.05〜0.50の範囲である必要があり、1:1.60〜0.80:0.10〜0.30の範囲であることがより望ましい。本(a)、(b)、(c)の連比において(b)の多価アルコール成分の使用割合がモル比で1.60を超えるもしくは0.80未満では合成されるポリエステルの分子量が低く硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。(c)のアリルエーテル化合物の使用割合がモル比で0.05未満だと硬化塗膜表面にタックが残り、0.50を超えると活性エネルギー線照射時の硬化性が十分でなく、硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。
【0015】本発明の不飽和ポリエステル(A)は数平均分子量500〜10,000の範囲である必要があり、600〜8,000の範囲であることがより望ましい。数平均分子量が500未満だと硬化塗膜表面にタックが残り、10,000を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり、塗装作業性を著しく低下させる。
【0016】不飽和ポリエステル(A)の合成は、エチレン性不飽和ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸とエーテル基含有多価アルコール及びエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールと少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを常法によりエステル化反応させる。反応温度は例えば170〜220℃とし、6〜20時間程度かけて反応させる。エステル化反応により生成した縮合水は系外へ取り除く。この反応を速やかに進行させるために、減圧法、または、窒素ガス等の不活性ガスバブリング法によってもよい。
【0017】不飽和ポリエステルの諸物性を向上させる目的で、他の樹脂や変性剤により変性することも、本発明では可能である。主な変性手法としては、エポキシ樹脂、(ジ)シクロペンタジエン、等が挙げられる。
【0018】本発明において
【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の(m+n)は1〜6である必要性があり、2〜4であるのが望ましい。(m+n)の値が1より小さいと皮膚刺激性が高くなり、6より大きくなると希釈性が悪くなり、得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する。
【0019】本発明において1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)以外の反応性希釈剤を必要に応じて配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることができる。この時、その他反応性希釈剤は不飽和ポリエステル(A)と、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の合計100部に対して0〜100部配合することができる。
【0020】本発明に使用されるその他反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の公知慣用のものが挙げられる。
【0021】本発明において不飽和ポリエステル(A)と1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の質量比は95:5〜25:75である必要があり、70:30〜35:65であるのが望ましい。1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)がこの範囲((A):(B)=95:5〜25:75)より少ないと活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高く塗工しにくくなり、またこの範囲((A):(B)=95:5〜25:75)より多いと基材への密着性が低下する。
【0022】本発明において紫外線を照射することにより硬化させる場合、光重合開始剤を配合することができる。光重合性開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等の公知慣用のものが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種類以上組合せて用いることができる。
【0023】これらの光重合開始剤の使用割合は、不飽和ポリエステル(A)、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)、及びその他反応性希釈剤の合計100質量部に対して、1〜10質量部であるのが望ましく、2〜7質量部使用するのがより望ましい。この量が1質量部未満であると、硬化性が充分でなく、10質量部を超えると、得られた塗膜の物性が低下する。
【0024】本発明において電子線を照射することにより硬化させる場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は1〜5Mradである必要があり、2〜3.5Mradであるのがより望ましい。照射量が1Mradよりすくないと硬化が不十分となり、5Mradより多いと基材を損傷させる恐れがある。
【0025】さらに、必要に応じて各種の重合禁止剤を添加することもできる。
【0026】重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等の公知慣用のものが挙げられる。
【0027】また、必要に応じて、上記以外の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、顔料等の公知慣用のものを添加することもできる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下「部」、「%」とは、特に断りのない限り「質量部」、「質量%」のことである。
【0029】合成例1(不飽和ポリエステルAの合成)
撹拌機、温度計、水分分離器、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、フマル酸696部(6.00モル)、ジエチレングリコール477部(4.50モル)、プロピレングリコール136.8部(1.80モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル160.5部(0.75モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.3部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温し、さらに190℃まで4時間かけて昇温した。3時間保温して酸価29となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は27、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1200であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルAとする。
【0030】合成例2(不飽和ポリエステルBの合成)
合成例1と同じ合成装置に、フマル酸522部(4.50モル)、アジピン酸219部(1.50モル)、ジエチレングリコール334部(3.15モル)、プロピレングリコール239部(3.14モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル321部(1.50モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.4部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温して1時間保温し、さらに195℃まで3時間かけて昇温した。6時間保温して酸価16となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は14、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1950であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルBとする。
【0031】合成例3(不飽和ポリエステルCの合成)
合成例1と同じ合成装置に、フマル酸522部(4.50モル)、アジピン酸219部(1.50モル)、ジエチレングリコール79.5部(0.75モル)、プロピレングリコール456部(6.00モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル321部(1.5モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.4部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温して1時間保温し、さらに190℃まで3時間かけて昇温した。6時間保温して酸価26となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は23、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1400であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルDとする。
【0032】
合成例1〜3における配合モル比を表1に示す。
【表1】
【0033】市販のエポキシアクリレート(大阪有機化学工業製 R540)を樹脂Eとする。
【0034】実施例1
合成例1で得られた不飽和ポリエステルAを60部、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(美源商事社製 ミラマーM202 m+n≒2)40部に光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)を3%加えて均一に混合することにより試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
【0035】実施例2
合成例2で得られた不飽和ポリエステルBを40部、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(新中村化学株式会社製 NKエステルA−HD−3E m+n≒3)45部、アクリロイルモルホリン(株式会社興人製 ACMO)15部に光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)を3%加えて均一に混合することにより試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
【0036】実施例3、比較例1〜6
表2に示すように、実施例1と同様にして試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。なお反応性希釈剤の皮膚刺激性(PII値)はメーカー値を示した。ミラマーM220は美源商事株式会社、アロニックスM−220、アロニックスM−350は東亜合成株式会社、ACMOは株式会社興人のカタログ又は技術資料からそれぞれデータを転載した。
【表2】
【0037】(1)硬化性試験
試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をガラス板にアプリケーターで厚み25μmに塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)1灯、照射距離15cm、コンベアースピード20m/分の条件でUV照射して、硬化するまでのパス回数を調べた。
【0038】(2)密着性
15cm角の突板合板にバーコーターで試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を25g/m2で塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)1灯、照射距離15cm、コンベアースピード20m/分の条件で上記硬化性試験にて得られたパス回数だけUV照射した。その塗膜上に、同じ試験用硬化性樹脂組成物を同条件で塗布、UV照射したものを試験板とした。この試験板にカッターナイフで100個の2mm角の碁盤目を付け、基材−塗膜間および塗膜層間の密着性をセロテープ剥離試験で行い、残った数を数えた。
【0039】(3)耐割れ性
密着性試験時と同様に作製した試験板を80℃で2時間及び−20℃で2時間の寒熱繰返し条件で2回処理した後、塗膜に発生した割れの長さを測定した。
【0040】臭気
密着性試験時と同様に作製した試験板をUV照射した直後に臭いをかいだ。
○:ほとんど臭気がなし。
△:臭気が少しきになる。
×:臭気がきになる。
【0041】肉持ち感
前記硬化性試験と同様に硬化するパス回数までUV照射した硬化塗膜を目視にて塗膜の肉持ち感を評価した。
○:目視による肉持ち感がいい。
×:目視による肉持ち感が悪い。
【表3】
【発明の効果】実施例と比較例で検証したように本発明によれば、スチレンを配合せず、臭気が低く、安全性が高く、硬化性に優れ、密着性、耐割れ性ともに優れ、高肉持ち感の塗膜が得られることは明らかである。
【発明の属する技術分野】本発明はスチレンを含有しない安全性の高い木工塗料用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは基材である木材、木質系合板の塗装に供せられる光速硬化の、臭気が低く、安全性の高い木工塗料用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】活性エネルギー線硬化は、省エネルギ、省スペース、短時間硬化等の利点を有し、近年その利用範囲が拡大している。中でも反応性希釈剤を配合した無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が注目されている。無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成は、重合性オリゴマー、反応性希釈剤、重合開始剤(電子線硬化の場合は不要)、着色剤、その他添加剤等からなる。
重合性オリゴマーとしては不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が用いられ、それらの中で特に木工塗装においては高肉持ち感の塗膜が得られること、安価なことから不飽和ポリエステル樹脂が多く使用されている。不飽和ポリエステル樹脂は、一般的には無水マレイン酸やフマル酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸と、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコールとを主原料として、エステル化反応させた不飽和ポリエステルをスチレンモノマーで溶解し、製造されている。例えば特開平6−322088号公報にはスチレンモノマー等の反応性希釈剤を配合した不飽和ポリエステル樹脂系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が記載されている。
【0003】ところが、近年、スチレンモノマーは、その揮発性、臭気、毒性による作業環境の悪化が指摘されており、スチレンモノマーに代わる反応性希釈剤を配合した不飽和ポリエステル樹脂系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の従来技術の欠点をなくし、スチレンを配合せず、臭気が低く、安全性が高く、高肉持ち感の塗膜が得られる、不飽和ポリエステル樹脂系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1:0〜1:1の範囲としたジカルボン酸と(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールの使用割合がモル比で1:0〜1:4とした多価アルコール成分と(c)少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを(a):(b):(c)のモル比を1.00:1.60〜0.80:0.05〜0.50として反応させて得られる数平均分子量500〜10,00
0である不飽和ポリエステル(A)、反応性希釈剤として
【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いれば、この課題を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において不飽和ポリエステルは、酸成分としてエチレン性不飽和ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸とエーテル基含有多価アルコール及びエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールと少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とをエステル化反応させて得られる。
【0007】エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0008】エチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0009】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1:0〜1:1の範囲である必要があり、1:0〜1:0.5の範囲であることがより望ましい。エチレン性不飽和ジカルボン酸に対するエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1を超えると活性エネルギー線照射時の硬化性が十分でなく、硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。
【0010】エーテル基含有多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0011】エーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0012】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールの使用割合がモル比で1:0〜1:4の範囲である必要があり、1:0〜1:1の範囲であることがより望ましい。エーテル基含有多価アルコールに対するエーテル基含有以外の多価アルコールの使用割合がモル比で4を超えると硬化塗膜表面にタックが残る。
【0013】少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物としては、グリセリンのジアリルエーテル、トリメチロールプロパンのジアリルエーテル、ペンタエリスリトールのトリアリルエーテル等が挙げられる。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル(A)は(a)のジカルボン酸成分:(b)の多価アルコール成分:(c)のアリルエーテル化合物成分の使用割合がモル比で1:1.60〜0.80:0.05〜0.50の範囲である必要があり、1:1.60〜0.80:0.10〜0.30の範囲であることがより望ましい。本(a)、(b)、(c)の連比において(b)の多価アルコール成分の使用割合がモル比で1.60を超えるもしくは0.80未満では合成されるポリエステルの分子量が低く硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。(c)のアリルエーテル化合物の使用割合がモル比で0.05未満だと硬化塗膜表面にタックが残り、0.50を超えると活性エネルギー線照射時の硬化性が十分でなく、硬化塗膜の耐水性及び耐薬品性が低下する。
【0015】本発明の不飽和ポリエステル(A)は数平均分子量500〜10,000の範囲である必要があり、600〜8,000の範囲であることがより望ましい。数平均分子量が500未満だと硬化塗膜表面にタックが残り、10,000を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり、塗装作業性を著しく低下させる。
【0016】不飽和ポリエステル(A)の合成は、エチレン性不飽和ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸とエーテル基含有多価アルコール及びエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールと少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを常法によりエステル化反応させる。反応温度は例えば170〜220℃とし、6〜20時間程度かけて反応させる。エステル化反応により生成した縮合水は系外へ取り除く。この反応を速やかに進行させるために、減圧法、または、窒素ガス等の不活性ガスバブリング法によってもよい。
【0017】不飽和ポリエステルの諸物性を向上させる目的で、他の樹脂や変性剤により変性することも、本発明では可能である。主な変性手法としては、エポキシ樹脂、(ジ)シクロペンタジエン、等が挙げられる。
【0018】本発明において
【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の(m+n)は1〜6である必要性があり、2〜4であるのが望ましい。(m+n)の値が1より小さいと皮膚刺激性が高くなり、6より大きくなると希釈性が悪くなり、得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する。
【0019】本発明において1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)以外の反応性希釈剤を必要に応じて配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることができる。この時、その他反応性希釈剤は不飽和ポリエステル(A)と、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の合計100部に対して0〜100部配合することができる。
【0020】本発明に使用されるその他反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の公知慣用のものが挙げられる。
【0021】本発明において不飽和ポリエステル(A)と1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の質量比は95:5〜25:75である必要があり、70:30〜35:65であるのが望ましい。1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)がこの範囲((A):(B)=95:5〜25:75)より少ないと活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高く塗工しにくくなり、またこの範囲((A):(B)=95:5〜25:75)より多いと基材への密着性が低下する。
【0022】本発明において紫外線を照射することにより硬化させる場合、光重合開始剤を配合することができる。光重合性開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等の公知慣用のものが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種類以上組合せて用いることができる。
【0023】これらの光重合開始剤の使用割合は、不飽和ポリエステル(A)、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)、及びその他反応性希釈剤の合計100質量部に対して、1〜10質量部であるのが望ましく、2〜7質量部使用するのがより望ましい。この量が1質量部未満であると、硬化性が充分でなく、10質量部を超えると、得られた塗膜の物性が低下する。
【0024】本発明において電子線を照射することにより硬化させる場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は1〜5Mradである必要があり、2〜3.5Mradであるのがより望ましい。照射量が1Mradよりすくないと硬化が不十分となり、5Mradより多いと基材を損傷させる恐れがある。
【0025】さらに、必要に応じて各種の重合禁止剤を添加することもできる。
【0026】重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等の公知慣用のものが挙げられる。
【0027】また、必要に応じて、上記以外の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、顔料等の公知慣用のものを添加することもできる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下「部」、「%」とは、特に断りのない限り「質量部」、「質量%」のことである。
【0029】合成例1(不飽和ポリエステルAの合成)
撹拌機、温度計、水分分離器、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、フマル酸696部(6.00モル)、ジエチレングリコール477部(4.50モル)、プロピレングリコール136.8部(1.80モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル160.5部(0.75モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.3部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温し、さらに190℃まで4時間かけて昇温した。3時間保温して酸価29となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は27、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1200であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルAとする。
【0030】合成例2(不飽和ポリエステルBの合成)
合成例1と同じ合成装置に、フマル酸522部(4.50モル)、アジピン酸219部(1.50モル)、ジエチレングリコール334部(3.15モル)、プロピレングリコール239部(3.14モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル321部(1.50モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.4部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温して1時間保温し、さらに195℃まで3時間かけて昇温した。6時間保温して酸価16となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は14、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1950であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルBとする。
【0031】合成例3(不飽和ポリエステルCの合成)
合成例1と同じ合成装置に、フマル酸522部(4.50モル)、アジピン酸219部(1.50モル)、ジエチレングリコール79.5部(0.75モル)、プロピレングリコール456部(6.00モル)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル321部(1.5モル)、トルエン6部、ハイドロキノン0.4部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を150℃まで昇温して1時間保温し、さらに190℃まで3時間かけて昇温した。6時間保温して酸価26となったところで、130℃まで冷却し窒素ガスの吹き込み量を多くしてトルエン及び、水分を除きながら2時間保温した後に取り出した。得られた不飽和ポリエステルの酸価は23、重量平均分子量(GPCにて測定、ポリスチレン換算)は1400であった。この不飽和ポリエステルを不飽和ポリエステルDとする。
【0032】
合成例1〜3における配合モル比を表1に示す。
【表1】
【0033】市販のエポキシアクリレート(大阪有機化学工業製 R540)を樹脂Eとする。
【0034】実施例1
合成例1で得られた不飽和ポリエステルAを60部、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(美源商事社製 ミラマーM202 m+n≒2)40部に光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)を3%加えて均一に混合することにより試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
【0035】実施例2
合成例2で得られた不飽和ポリエステルBを40部、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(新中村化学株式会社製 NKエステルA−HD−3E m+n≒3)45部、アクリロイルモルホリン(株式会社興人製 ACMO)15部に光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)を3%加えて均一に混合することにより試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
【0036】実施例3、比較例1〜6
表2に示すように、実施例1と同様にして試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。なお反応性希釈剤の皮膚刺激性(PII値)はメーカー値を示した。ミラマーM220は美源商事株式会社、アロニックスM−220、アロニックスM−350は東亜合成株式会社、ACMOは株式会社興人のカタログ又は技術資料からそれぞれデータを転載した。
【表2】
【0037】(1)硬化性試験
試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をガラス板にアプリケーターで厚み25μmに塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)1灯、照射距離15cm、コンベアースピード20m/分の条件でUV照射して、硬化するまでのパス回数を調べた。
【0038】(2)密着性
15cm角の突板合板にバーコーターで試験用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を25g/m2で塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)1灯、照射距離15cm、コンベアースピード20m/分の条件で上記硬化性試験にて得られたパス回数だけUV照射した。その塗膜上に、同じ試験用硬化性樹脂組成物を同条件で塗布、UV照射したものを試験板とした。この試験板にカッターナイフで100個の2mm角の碁盤目を付け、基材−塗膜間および塗膜層間の密着性をセロテープ剥離試験で行い、残った数を数えた。
【0039】(3)耐割れ性
密着性試験時と同様に作製した試験板を80℃で2時間及び−20℃で2時間の寒熱繰返し条件で2回処理した後、塗膜に発生した割れの長さを測定した。
【0040】臭気
密着性試験時と同様に作製した試験板をUV照射した直後に臭いをかいだ。
○:ほとんど臭気がなし。
△:臭気が少しきになる。
×:臭気がきになる。
【0041】肉持ち感
前記硬化性試験と同様に硬化するパス回数までUV照射した硬化塗膜を目視にて塗膜の肉持ち感を評価した。
○:目視による肉持ち感がいい。
×:目視による肉持ち感が悪い。
【表3】
【発明の効果】実施例と比較例で検証したように本発明によれば、スチレンを配合せず、臭気が低く、安全性が高く、硬化性に優れ、密着性、耐割れ性ともに優れ、高肉持ち感の塗膜が得られることは明らかである。
Claims (4)
- (a)エチレン性不飽和ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸の使用割合がモル比で1:0〜1:1の範囲としたジカルボン酸と(b)エーテル基含有多価アルコールとエーテル基含有多価アルコール以外の多価アルコールの使用割合がモル比で1:0〜1:4とした多価アルコール成分と(c)少なくとも1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物とを(a):(b):(c)のモル比が1.00:1.60〜0.80:0.05〜0.50の範囲で反応させて得られる数平均分子量500〜10,000である不飽和ポリエステル(A)と、反応性希釈剤として
【化1】
CH2=CHCOO−(CH2CH2O)m−CH2−(CH2)4−CH2−(OCH2CH2)n−OCOCH=CH2
で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)のm+nが1〜6であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 不飽和ポリエステル(A)と
【化1】で表される1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート(B)の質量比が95:5〜25:75であることを特徴とする請求項1〜2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 活性エネルギー線が紫外線または電子線であることを特徴とする請求項1〜3に記載の硬化性樹脂組成物。
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- 2002-09-27 JP JP2002319012A patent/JP2004115770A/ja active Pending
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