JP2004115698A - 帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相、および耐衝撃性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、更には、良好な熱安定性有する帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれからなる車両用透明部材、透明シート状部材を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、スルホン酸ホスホニウム塩(B成分)0.01〜5重量部およびラクトン系安定剤(C成分)0.001〜1重量部を含んでなる帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、並びにかかる組成物から形成された成形品、殊に車両用透明部材、または透明シート状成形品。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる車両用透明部材、透明シート部材、透明フィルム部材に関する。更に詳しくは帯電防止性能に優れ、加えて成形耐熱性、透明性、色相および耐衝撃性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品、殊に透明シート状部材や車両用透明部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐熱性、機械的強度などを有するがゆえに電気、機械、自動車、医療用途などに幅広く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は表面固有抵抗が大きく、接触や摩擦などで誘起された静電気が消失し難く、成形品表面への埃の付着、人体への電撃による不快感、更にはエレクトロニクス製品におけるノイズの発生や誤動作を生じるなどの問題がある。すなわち、ポリカーボネート樹脂の帯電性が問題となる場合がある。
【0003】
帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、ポリカーボネート樹脂の基本的な特徴を維持した上で帯電防止性を付与することが常に望まれてきた。即ち良好な帯電防止性を有すると共に、耐衝撃性、透明性、および色相に優れた樹脂組成物が求められてきた。
【0004】
かかる場合の一例として自動車のヘッドランプレンズがある。ポリカーボネート樹脂は、自動車や自動二輪車のヘッドランプレンズ、および自動車の樹脂窓ガラスなどに代表される車両用透明部材にも使用されている。近年、いわゆる素通し型のヘッドランプレンズを装備するヘッドランプが増加している。素通し型のヘッドランプレンズは、集光作用をランプレンズで行う方式からランプリフレクターで行う方式に変更することで可能となり、そしてヘッドランプの意匠性を向上させる。
【0005】
素通し型のヘッドランプレンズでは、レンズ内面に付着した埃が、従来のヘッドランプレンズ(レンズカットのあるレンズ)に比較して目立つ。レンズ内面に付着した埃は、自動車の美観を損なったり、ランプレンズの透明性を低下させるなどする。しかしかかるレンズは安全上の観点から、素人が取り外すことのできないよう設計されている。このため、レンズ内面に付着した埃はふき取りなどにより除去することが困難である。したがって、帯電性が低く、埃のつきにくいヘッドランプレンズが求められる場合がある。更にヘッドランプレンズには、軽微な衝突などでは割れないこと、即ち良好な耐衝撃性が求められ、当然のことながら良好な透明性および色相が求められる。
【0006】
車両用樹脂窓ガラス、リアランプ、およびメーターカバーなどの車両用透明部材の他、樹脂窓サッシガラス(特に二重サッシ樹脂窓ガラス)、車庫やアーケードのカバー、屋外ミラー、メーターカバー、自動販売機のカバー、フラットディスプレー装置用カバー、および太陽電池カバーなどの透明シート状部材(フィルム部材を含む)においても、同様の特性が求められる場合がある。上記の如く、帯電防止性能に優れ、加えて透明性、色相に優れ、更には成形加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれより形成されたヘッドランプレンズに代表される車両用透明部材や透明シート状部材が求められる場合がある。
【0007】
従来、ポリカーボネート樹脂の帯電を防止する方法としては、スルホン酸のアルカリ金属塩を配合する方法、スルホン酸のホスホニウム塩を配合する方法(特許文献1参照)、スルホン酸のホスホニウム塩と亜リン酸エステルを配合する方法(特許文献2参照)、並びにスルホン酸のアミン塩とリン酸エステルを配合する方法(特許文献3参照)などが既に提案されている。しかしながら、これらの提案は、成形耐熱性、耐衝撃性、透明性や色相安定性などとを充分両立したポリカーボネート樹脂組成物を得る方法について開示していない。
【0008】
一方、ポリアルキレングリコール、グリコール、及び多価カルボン酸から成るポリエーテルエステルを熱可塑性樹脂に混合する方法も既に提案されている(特許文献4、5、6参照)。かかるポリマーは他の熱可塑性樹脂に混合することにより持続的な帯電防止性能を示すものの、かかるポリマー単独で十分な帯電防止効果を得るためには、比較的多量の添加が必要となる。そこで更に制電効果を上げるために、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤を併用することについても述べられている。しかしながら、そのような併用組成においてもポリエーテルエステルは比較的多量に添加する必要があり、ポリカーボネート等の透明部材に使用するには透明性が不十分であるという問題もある。
【0009】
更にポリアルキレングリコール、グリコール及び多価カルボン酸から成るポリエーテルエステルとイオン性界面活性剤とを含むポリカーボネート樹脂組成物が開示されている(特許文献7参照)。この場合には、持続的な帯電防止性能に優れているものの透明性が不充分であり、更にヘッドランプ用途等成形品が長時間高温となるような場合には、時間が経つにつれて成形品が白濁するという問題がある。
【0010】
上記の如く、透明性、成形耐熱性、色相、耐衝撃性および帯電防止性能の良好な帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれより形成されたヘッドランプレンズに代表される車両用透明部材や各種透明シート状部材が求められているものの、かかる要求を十分に満足する樹脂組成物は、未だ得られていないのが現状である。
【0011】
【特許文献1】
特開昭62−230835号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平1−14267号公報
【0013】
【特許文献3】
特開平3−64368号公報
【0014】
【特許文献4】
特開平6−57153号公報
【0015】
【特許文献5】
特開平6−65508号公報
【0016】
【特許文献6】
特開平8−283548号公報
【0017】
【特許文献7】
特開平9−249805号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相、および耐衝撃性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、更には、良好な成形耐熱性を有する帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物、並びにそれからなる車両用透明部材、および各種透明シート状部材を提供することにある。
【0019】
本発明者は、上記目的を達成せんとして鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、スルホン酸ホスホニウム塩、特定構造のラクトン系安定剤をそれぞれ特定量配合することによって、成形加工時の耐熱性が顕著に向上することを見出し、これにより帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相、耐衝撃性、および熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られることを究明し、更に鋭意検討を重ねて本発明を完成した。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、下記一般式(I)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩(B成分)0.01〜5重量部および下記一般式(II)で表されるラクトン系安定剤(C成分)0.001〜1重量部を含んでなる帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物にかかるものである。
【0021】
【化3】
Figure 2004115698
【0022】
(式中、Aは炭素数1〜40のアルキル基(炭素数6〜40のアラルキル基を含む)または炭素数6〜40のアリール基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。)
【0023】
【化4】
Figure 2004115698
【0024】
(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。)
かかる構成(1)によれば、成形耐熱性が顕著に向上した帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。これにより従来、問題であった成形加工時の色相変化、樹脂の分解が顕著に改良された色相の好適な成形品が提供される。
【0025】
本発明の好適な態様の1つは、(2)上記(1)に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなる成形品である。かかる構成(2)によれば、帯電防止性能を有し、成形耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂成形品が提供される。
【0026】
本発明の好適な態様の1つは、(3)上記成形品は透明シート状部材である上記(2)に記載の成形品である。かかる構成(3)によれば、特に帯電防止性能が必要とされる各種のシート状部材において色相の良好な成形品が提供される。
【0027】
本発明の好適な態様の1つは、(4)上記成形品は車両用透明部材である上記(2)または(3)のいずれかに記載の成形品である。本発明の上記樹脂組成物は帯電防止性能の乾熱持続性が必要とされる代表的な用途である車両用透明部材に好適な樹脂組成物が提供され、更にかかる組成物からなる車両用透明部材が提供される。したがって、かかる構成(4)によれば更に帯電防止性能、成形耐熱性、耐衝撃性、透明性、および色相のいずれにおいても優れた車両用透明部材が提供される。
【0028】
以下本発明の詳細について説明する。
<A成分について>
本発明でA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
【0029】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましい。
【0030】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
【0031】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によって芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。また本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環族を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環族を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0032】
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
【0033】
分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
【0034】
脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。二官能性アルコールとしては脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、およびトリシクロデカンジメタノールなどが例示される。
【0035】
更にポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
【0036】
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ピリジンなどが用いられる。
【0037】
有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。
【0038】
また、反応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールなどの単官能フェノール類を用いるのが好ましい。更に単官能フェノール類としては、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールなどを挙げることができる。これらの比較的長鎖のアルキル基を有する単官能フェノール類は、流動性や耐加水分解性の向上が求められる場合に有効である。
【0039】
反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは通常10以上に保つのが好ましい。
【0040】
溶融法による反応は、通常二価フェノールと炭酸ジエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールと炭酸ジエステルを混合し、減圧下通常120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には133Pa以下にして生成したフェノール類を系外に除去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0041】
炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0042】
重合速度を速めるために重合触媒を使用することができ、重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ素やアルミニウムの水酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩、亜鉛化合物、ホウ素化合物、ケイ素化合物、ゲルマニウム化合物、有機錫化合物、鉛化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物などの通常エステル化反応やエステル交換反応に使用される触媒があげられる。触媒は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用して使用しても良い。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−8〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−7〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。
【0043】
また、重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化合物を加えることができる。
【0044】
さらに溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また重合後の芳香族ポリカーボネートに対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。失活剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩などのホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどのアンモニウム塩などが好ましく挙げられる。
【0045】
上記以外の反応形式の詳細についても、成書及び特許公報などで良く知られている。
【0046】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するにあたり、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、特に限定されないが、好ましくは13,000〜40,000であり、より好ましくは14,000〜30,000であり、更に好ましくは15,000〜27,000である。
【0047】
粘度平均分子量が13,000未満のポリカーボネート樹脂では、実用上期待される耐衝撃性などが得られない場合がある。一方、粘度平均分子量が40,0000を超えるポリカーボネート樹脂から得られる樹脂組成物は、成形加工温度が高くなる場合が多く、結果的に樹脂組成物の熱劣化が大きくなり、色相や耐衝撃性の点で劣る場合が多い。尚、上記ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が上記範囲外のものを混合して得られたものであってもよい。
【0048】
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
Figure 2004115698
【0049】
また上記の粘度平均分子量の算出法は、本発明の樹脂組成物や該樹脂組成物から成形された成形品の粘度平均分子量測定にも適用される。すなわち、本発明においてこれらの粘度平均分子量は、塩化メチレン100mlに成形品0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を上記式に挿入して求めたものである。
【0050】
<B成分について>
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、A成分であるポリカーボネート樹脂に対してスルホン酸ホスホニウム塩を配合する。かかる配合により良好な帯電防止性が得られる。
【0051】
かかるスルホン酸ホスホニウム塩としては上記一般式(I)で示されるスルホン酸ホスホニウム塩が好適に例示される。
【0052】
上記一般式(I)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩は、帯電防止性能、耐熱性が良好で、またポリカーボネート樹脂との相溶性も比較的良好であることから透明性において優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物が与えられる。
【0053】
上記一般式(I)中、Aは炭素数1〜40のアルキル基(炭素数6〜40のアラルキル基を含む)または炭素数6〜40のアリール基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。
【0054】
上記式(I)において、Aにおけるアルキル基としては、例えばドデシル基、デシル基、ブチル基、エチル基などが挙げられる。尚、かかるアルキル基には、該アルキル基の水素原子の一部がアリール基で置換されたアラルキル基を含む。アラルキル基は炭素数6〜40である。Aにおけるアリール基としては、非置換のまたは置換基を有するフェニル基、非置換のまたは置換基を有するナフチル基などを挙げることができる。これらアルキル基およびアリール基はその水素原子の一部がフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよく、アラルキル基およびアリール基はヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0055】
上記一般式(I)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。R、R、RおよびRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0056】
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖または分岐状のアルキル基であってよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
【0057】
炭素数6〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基および2−フェニルイソプロピル基などが挙げられる。
【0058】
炭素数5〜15のアリール基としては、フェニル基、トリル基およびナフチル基などが挙げられる。
【0059】
、R、RおよびRとしては、これらの中で炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数4〜16のアルキル基がより好ましい。更にR、R、RおよびRはブチル基かまたはオクチル基である態様が更に好ましく、中でもいずれもブチル基であるか、またはいずれか一つがオクチル基であり残りがブチル基である態様が好ましい。R、R、RおよびRがいずれもブチル基であるスルホン酸ホスホニウム塩は、入手容易かつポリカーボネート樹脂との相溶性においても良好な点で好ましく、いずれか一つがオクチル基で残りがブチル基であるスルホン酸ホスホニウム塩は帯電防止性能の熱劣化が少ない点で好ましい。実用上より好適であるのはR、R、RおよびRがいずれもブチル基であるスルホン酸ホスホニウム塩である。
【0060】
次に、B成分のスルホン酸ホスホニウム塩は、A成分のポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部の範囲で使用される。0.01重量部未満では充分な帯電防止性能が得られず、また5重量部をこえると成形耐熱性や耐衝撃性が大幅に低下するため好ましくない。
【0061】
<C成分について>
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を高度に防止するために、上記一般式(II)で示されるラクトン系安定剤が使用される。
【0062】
上記一般式(II)で表されるラクトン系安定剤は、高温時の熱安定性が非常に良好であり、成形加工時の色相、分子量安定性に対して非常に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物が与えられる。
【0063】
上記一般式(II)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。
【0064】
上記式(II)において、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。R、R、RおよびRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖または分岐状のアルキル基であってよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
【0066】
炭素数6〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基および2−フェニルイソプロピル基などが挙げられる。
【0067】
炭素数5〜15のアリール基としては、フェニル基、トリル基およびナフチル基などが挙げられる。
【0068】
およびRとしては、これらの中で水素原子と炭素数6〜20のアラルキル基の組み合わせが好ましい。更にその中でも水素原子と3,4−ジメチルベンジル基の組み合わせが特に好ましい。
【0069】
およびRとしては、これらの中で炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。更にその中でも5,7−ジターシャルブチル基が好ましい。
【0070】
次に、C成分のラクトン系安定剤は、A成分のポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部の範囲で使用される。0.001重量部未満では効果が小さく充分な成形耐熱性が得られず、また1重量部をこえると逆に成形耐熱性が悪化するため好ましくない。
【0071】
<樹脂組成物の製造方法について>
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物の製造に当たっては、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながらその成形品においてポリカーボネート樹脂中に帯電防止剤が均質に分散することが必要であることから、本発明の樹脂組成物は、A成分、B成分およびC成分を溶融混練することにより製造されることが好ましい。
【0072】
上記溶融混練の具体的方法としては、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機などを挙げることができ、中でも混練効率の点から押出機が好ましく、更に二軸押出機などの多軸押出機が好ましい。
【0073】
二軸押出機の代表的な例としては、ZSK(Werner & Pfleiderer社製、商品名)を挙げることができる。同様のタイプの具体例としてはTEX((株)日本製鋼所製、商品名)、TEM(東芝機械(株)製、商品名)、KTX((株)神戸製鋼所製、商品名)などを挙げることができる。その他、FCM(Farrel社製、商品名)、Ko−Kneader(Buss社製、商品名)、およびDSM(Krauss−Maffei社製、商品名)などの溶融混練機も具体例として挙げることができる。
【0074】
上記の中でもZSKに代表されるタイプがより好ましい。かかる二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。
【0075】
二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜40が好ましく、更に28〜38が好ましい。L/Dが大きい方が帯電防止剤の均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により耐衝撃性が低下する場合がある。
【0076】
二軸押出機のスクリュー構成としては各種の仕様が可能である。かかる仕様が任意に変更できる点もZSKタイプの大きな利点である。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1個所以上有することが必要である。より好ましいのは該セグメントから構成された混練ゾーンを2箇所または3箇所有する態様である。
【0077】
更に押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
【0078】
更に帯電防止剤の押出機への供給方法は特に限定されないが、本発明において使用される帯電防止剤は比較的粘稠な液体である場合もあることから、そのような場合には以下の方法も好ましい。(i)帯電防止剤を加温して粘度を低下させ、液注装置を用いて精度よく押出機中に供給する方法。(ii)帯電防止剤とポリカーボネート樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。該方法の1つは、必要な原材料を全て予備混合して押出機に供給する方法である。また他の方法は、帯電防止剤が高濃度に配合されたマスター剤を作成し、該マスター剤を独立にまたは残りのポリカーボネート樹脂等と更に予備混合した後、押出機に供給する方法である。尚、該マスター剤は、粉末形態および該粉末を圧縮造粒などした形態のいずれも選択できる。また他の予備混合の手段は、例えばナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機などがあるが、スーパーミキサーのような高速撹拌型の混合機が好ましい。更に他の予備混合の方法は、例えばポリカーボネート樹脂と帯電防止剤とを溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法である。(iii)帯電防止剤とポリカーボネート樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
【0079】
二軸押出機より押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。本発明の樹脂組成物は帯電防止性を有するため、該ペレットに埃が付着する割合が低減されている。しかしながら更に外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。
【0080】
<好ましい他の添加成分について>
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にブルーイング剤を帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物中0.05〜3.0ppm(重量割合)含んでなることが好ましい。本発明のB成分は黄色味を帯びているため、これらを使用する場合には得られる樹脂組成物は比較的黄色味を強く帯びる。更には耐候性の改良を目的として紫外線吸収剤を配合した場合には、樹脂組成物の黄色味は更に増加する。したがって成形品に自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の使用は非常に有効である。
【0081】
ここでブルーイング剤とは、橙色ないし黄色の光線を吸収することにより青色ないし紫色を呈する着色剤をいい、特に染料が好ましい。ブルーイング剤の配合により本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、更に良好な色相を達成する。ここで重要な点はかかるブルーイング剤の配合量である。樹脂組成物中、ブルーイング剤が0.05ppm未満では色相の改善効果が不十分な場合がある一方、3.0ppmを超える場合には光線透過率が低下し適当ではない。より好ましいブルーイング剤の配合量は樹脂組成物中0.5〜2.0ppmの範囲である。
【0082】
ブルーイング剤としては代表例として、バイエル社のマクロレックスバイオレットBおよびマクロレックスブルーRRや、サンド社のテラゾールブルーRLSなどが挙げられる。
【0083】
<本発明の樹脂組成物からなる成形品について>
上記の如く得られた本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は通常上記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
【0084】
また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の熱可塑性樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより中空成形品とすることも可能である。
【0085】
これにより帯電防止性能に加えて、優れた成形耐熱性、透明性、色相、および耐衝撃性の良好な帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物の成形品が提供される。即ち、本発明によれば、A成分100重量部およびB成分0.001〜5重量部、さらにC成分0.001〜1重量部を溶融混練してなることを特徴とする帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形した成形品が提供される。更に好ましくはブルーイング剤を帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物中0.05〜3.0ppm(重量割合)含んでなる成形品である。
【0086】
<本発明の樹脂組成物が有する特性について>
上述の如く本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相および耐衝撃性に優れ、この結果好適には次の特性を満足する。
【0087】
即ち、成形加工時の色相安定性に非常に優れるため、車両用透明部材や透明シート状部材なる成形品を作成した場合、その色相、透明性は非常に良好で安定しており、さらに成形加工時の分子量低下も抑制されるため成形品は耐衝撃性等の機械的特性も充分維持されるため、成形品は非常に良好な質感を持つにいたる。
【0088】
本発明の成形品としては、各種車両用透明部材(ヘッドランプレンズ、ウインカーランプレンズ、テールランプレンズ、樹脂窓ガラス、メーターカバーなど)、透明シート状部材(フィルム部材を含み、例えば樹脂窓ガラス(特に二重サッシ樹脂窓ガラスなどの建築用)、太陽電池カバー、ディスプレー装置用レンズ、屋外ミラー、メーターカバー、自動販売機のカバー、フラットディスプレー装置用カバー、およびタッチパネルなど)等の他に、照明灯カバーおよび遊技機(パチンコ機など)用部品(回路カバー、シャーシ、パチンコ玉搬送ガイドなど)などを挙げることができる。これらの中でも車両用透明部材が好適に挙げられ、特にヘッドランプレンズ、更に詳しくは素通し型のヘッドランプレンズが好適に挙げられる。
【0089】
<その他の好ましい他の添加成分について>
本発明の樹脂組成物および成形品は上記の如く、A成分、B成分、C成分を必須成分とするものであるが、その他本発明の効果を更に発揮するために他の添加剤を配合することができ、またその他の効果を付与する目的で他の添加剤を配合することができる。かかる点について以下に説明する。
【0090】
本発明で帯電防止剤として配合されるスルホン酸ホスホニウム塩は、通常ポリカーボネート樹脂が溶融加工される温度領域において熱分解反応や酸化反応により少なからず分解する。さらに、分解反応により生成した副生物の中には、着色物並びにポリカーボネート樹脂と副反応を起こす物質が存在するため、加熱溶融して成形したり、成形品に熱履歴が生じると成形品の変色による色相悪化や分子量低下などが起こる場合がある。色相悪化や分子量低下などは高温であるほど生じやすいが、特に、塩基性雰囲気になるとスルホン酸基への求核反応が起こり易くなるため、容易に帯電防止剤の分解が起こると考えられる。かかる分解をできるだけ少なくするには、樹脂組成物に酸性度調整剤を添加し、樹脂酸性度を調整する方法が良い。
【0091】
この目的で用いられる酸性度調整剤としては、弱酸性領域にpk(酸の解離定数の逆数の対数)を持つ様々な酸性化合物が考えられるが、その中でも好ましいpkの範囲は4〜7、特に好ましくは4.5〜5.5である。4以上のものは樹脂組成物の酸性度が強すぎず適度なため成形時に帯電防止剤の分解を抑制する作用があり、さらに成形品表面での帯電防止剤の解離も多くなり帯電防止性能に優れ、7以下のものは樹脂組成物の酸性度が弱すぎず適度であり、帯電防止剤のスルホン酸基やポリカーボネート樹脂のカーボネート結合が求核攻撃を受け難く、分解し難くなるため好ましい。
【0092】
具体的には、弱酸性を示す酸性化合物の中でも、カルボン酸化合物や無水カルボン酸化合物が好ましく使用される。かかる化合物はモノマーまたはポリマー状のいずれも使用することができる。モノマーとしては、酢酸、プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸などの脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、およびコハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、および無水酢酸、無水コハク酸などの脂肪族カルボン酸の酸無水物、安息香酸などの芳香族モノカルボン酸、並びにイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを挙げることができる。ポリマー状としては例えばスチレン−アクリル酸共重合体、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。かかるカルボン酸化合物や無水カルボン酸化合物は上記求核分解反応の抑制に働くだけでなく、帯電防止剤の分解副生物と考えられるベンゼンスルホン酸誘導体とエステル様構造を形成し安定化する可能性も考えられ、更なる副反応によるポリカーボネート樹脂や帯電防止剤の分解を抑制する効果もあると考えられる。
【0093】
上記酸性度調整剤の組成割合は、A成分100重量部あたり、0.0001〜1重量部が好ましく、0.001〜0.5重量部がより好ましい。酸性度調整剤の配合により、本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、更に高温の成形条件においても目的とする良好な特性を発揮することができる。
【0094】
さらに、本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、上記スルホン酸ホスホニウム塩以外の帯電防止剤を、本発明の効果を発揮する範囲で配合することができる。
【0095】
かかる他の帯電防止剤としては、例えば(i)スルホン酸アンモニウム塩等のスルホン酸塩やスルホン酸リチウム塩、スルホン酸ナトリウム塩、スルホン酸カリウム塩、スルホン酸ルビジウム塩、スルホン酸セシウム塩、スルホン酸カルシウム塩、スルホン酸マグネシウム塩、スルホン酸バリウム塩などのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩が挙げられる。該スルホン酸塩は、A成分100重量部あたり0.001〜2重量部の組成割合が適切である。他の帯電防止剤としては、例えば(ii)カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト、金属粉末、金属酸化物粉末などの非有機化合物が挙げられる。該非有機化合物は、A成分100重量部あたり0.05重量部以下の組成割合が適切である。
【0096】
更に本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、良好な透明性を有することから光拡散剤の配合による光拡散機能、白色顔料を配合した光高反射機能、および蛍光染料や蓄光顔料などの特殊染料の配合による意匠効果はより効果的に発揮される。光拡散剤としては、アクリル架橋粒子およびシリコーン架橋粒子などの高分子微粒子、並びにガラスパウダー、極薄ガラスフレークおよび炭酸カルシウム粒子などの無機微粒子が例示される。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、および硫化亜鉛などが例示され、特に酸化チタンが好適である。さらにポリアルキル水素シロキサンに代表されるシリコーン化合物などの有機表面処理剤により表面処理されている酸化チタンがより好適である。また蛍光染料としては、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料などに代表される各種の蛍光染料、並びにビスベンゾオキサゾリル−スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−ナフタレン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−チオフェン誘導体、およびクマリン誘導体などの蛍光増白剤が例示される。上記添加剤は、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する際の周知の配合量で利用することができる。例えば光拡散剤はポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.005〜20重量部に範囲が好ましく、白色顔料はポリカーボネート樹脂100重量部に対し1〜30重量部の範囲が好ましく、蛍光染料や蛍光増白剤はポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.0001〜1重量部の範囲が好ましい。
【0097】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、成形時における分子量の低下や色相の悪化をより高度に防止するために上記ラクトン系安定剤に加えて、更にリン系安定剤が使用される。
【0098】
上記リン系安定剤として、具体的には、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、
【0099】
テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。
【0100】
かかるリン系安定剤組成物は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0001〜1.0重量部、好ましくは0.0005〜0.8重量部、より好ましくは0.001〜0.6重量部の範囲で配合される。0.0001重量部未満では熱安定剤としての効果が不十分であり、成形時の分子量低下や色相悪化が起こりやすく好ましくなく、また1.0重量部以上では、過剰量となり逆に成形時の分子量低下、色相悪化がより起こりやすくなり好ましくない。
【0101】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、前記リン系安定剤と他の安定剤を併用して配合することができる。かかる他の安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが挙げられ、具体的には、トリス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
【0102】
トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
【0103】
これらは、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる他の熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.15重量部が好ましい。
【0104】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、帯電防止剤の樹脂中での分散効率を良くし濃度分布を小さくする目的や、成形時に成形品表面への帯電防止剤の移行性を向上させる目的、さらに成形時の金型からの離型性を付与する目的などで脂肪酸エステル化合物を使用することができる。
【0105】
かかる脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、および2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
【0106】
かかる脂肪酸エステル化合物をポリカーボネート樹脂に使用する場合、あらかじめ脂肪酸エステル化合物中に帯電防止剤を均一に分散させたマスターを作成し、これをポリカーボネート樹脂に配合し成形する方法が帯電防止剤の樹脂中での分散性、濃度の均一性、成形品表面への移行性の観点からより望ましい。
【0107】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を使用することができる。かかる酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、および3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。これら酸化防止剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.05重量部が好ましい。
【0108】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない程度で離型剤を使用することができる。かかる離型剤としては、前記脂肪酸エステル、ポリオルガノシロキサン、パラフィンワックス、および蜜蝋などが挙げられる。かかる離型剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
【0109】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤化合物は、具体的に、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンソフェノン、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0110】
紫外線吸収剤化合物は、具体的に、ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられる。
【0111】
紫外線吸収剤化合物は、具体的に、ヒドロキシフェニルトリアジン系では、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、および2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどを挙げることができる。
【0112】
また本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、およびポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができる。
【0113】
上記紫外線吸収剤および光安定剤は単独であるいは2種以上の混合物で用いることができる。かかる紫外線吸収剤および光安定剤の使用量はそれぞれ、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部が好ましい。
【0114】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、発明の効果を発揮する範囲で上記ブルーイング剤以外にも各種の染顔料を使用することができる。特に透明性を維持する点から、染料が好適である。ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料などを挙げることができる。更にビスベンゾオキサゾリル−スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−ナフタレン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−チオフェン誘導体、およびクマリン誘導体などの蛍光増白剤を使用することができる。これら染料および蛍光増白剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましい。
【0115】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を使用することができる。難燃剤としては、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃剤、芳香族リン酸エステル系難燃剤、あるいは、ハロゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤などが挙げられ、それらを一種以上使用することができる。
【0116】
具体的にハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤は、テトラブロモビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAとの共重合ポリカーボネート型難燃剤などである。
【0117】
具体的に有機塩系難燃剤は、ビス(2,6−ジブロモ−4−クミルフェニル)リン酸カリウム、ビス(4−クミルフェニル)リン酸ナトリウム、ビス(p−トルエンスルホン)イミドカリウム、ビス(ジフェニルリン酸)イミドカリウム、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)リン酸カリウム、ビス(2,4−ジブロモフェニル)リン酸カリウム、ビス(4−ブロモフェニル)リン酸カリウム、ジフェニルリン酸カリウム、ジフェニルリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムあるいはカリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウムあるいはカリウムなどである。
【0118】
具体的にハロゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤は、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェートなどである。
【0119】
具体的に芳香族リン酸エステル系難燃剤は、トリフェニルホスフェート、トリス(2,6−キシリル)ホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)レゾルシンジホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)ヒドロキノンジホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)−4,4’−ビフェノールジホスフェート、テトラフェニルレゾルシンジホスフェート、テトラフェニルヒドロキノンジホスフェート、テトラフェニル−4,4’−ビフェノールジホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールでありフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがヒドロキノンとフェノールでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、同様のフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、(以下に示す「芳香族ポリホスフェート」は、フェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェートと含まない芳香族ポリホスフェートの両方を意味するものとする)芳香環ソースがビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブロモビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがヒドロキノンと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがビスフェノールAと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブロモビスフェノールAと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェートなどである。
【0120】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、他の樹脂やエラストマーを本発明の目的が損なわれない範囲で少割合使用することもできる。
【0121】
かかる他の樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0122】
また、エラストマーとしては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴムなどが挙げられる。
【0123】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物には、各種無機充填材、流動改質剤、抗菌剤、光触媒系防汚剤、赤外線吸収剤、およびフォトクロミック剤などを配合することができる。
【0124】
更に本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。ハードコートは特に好ましくかつ必要とされる表面処理である。
【0125】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお特に説明が無い限り実施例中の部は重量部、%は重量%である。なお、評価は下記の方法によった。
(1)帯電防止性能(帯電圧半減期):長さ50mm×幅50mm×厚さ2.0mmの平滑平板状試験片を温度23℃、相対湿度50%の環境にて一週間保管して状態調整を行った後、スタティックオネストメーター(宍戸静電気(株)製H−0110)によりかかる試験片の帯電圧半減期を測定しS(秒)を求めた。帯電圧半減期の数値が小さいほど帯電防止性能が優れていることを示す。
(2)透明性(ヘイズ):厚さ2.0mmの成形板のヘイズを日本電色(株)製NDH−300Aにより測定した。ヘイズの数値が大きいほど光の拡散が大きく、透明性に劣ることを示す。
(3)色相(YI値):厚さ2.0mmの成形板を日本電色(株)製色差計Z−1001DP型を用いて透過光を測定したX,YおよびZ値からASTM−E1925に基づき、下記式を用いて算出した。YI値が大きいほど成形板の黄色味が強いことを示す。
YI=[100(1.28X−1.06Z)]/Y
【0126】
(4)成形耐熱性
(i)分子量低下量:射出成形機を用いてペレットを成形温度305℃、1分サイクルで「滞留前の色相測定用平板」(70mm×50mm×2mm)に成形した。さらに、シリンダ−中に樹脂を10分間滞留させた後、成形し「滞留後の色相測定用平板」を得た。滞留前後の平板の分子量を測定し、その差を求めた。値が小さいほど成形耐熱性が優れることを示す。
【0127】
(ii)ΔE(色相変化):上記滞留試験において、滞留前後の平板の色相を色差計により測定し、次式により色差△Eを求めた。表に示した値(△E)が小さいほど成形耐熱性が優れることを示す。
ΔE=((L−L’)+(a−a’)+(b−b’)1/2
滞留前の色相:L、a、b
滞留後の色相:L’、a’、b’
【0128】
(5)耐乾熱性(ΔYI):厚さ2.0mmの成形板を温度設定120℃の乾燥機中に500時間保管した。保管前に対する保管後の成形板YI値の差であるΔYI値を算出した。ΔYI値が小さいほど成形板の色変化が小さく、耐乾熱性に優れることを示す。
(6)耐衝撃性(ノッチ付きアイゾット衝撃強さ):ASTM規格 D−256に準拠し、該規格に従って作成した厚さ3.2mmの試験片を用いて試験を行った。
【0129】
[実施例1〜3、比較例1〜3]
ビスフェノールAとホスゲンから界面縮重合法により製造された粘度平均分子量22,000(ポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.40)のポリカーボネート樹脂パウダー100部に、表1記載のスルホン酸ホスホニウム塩、ラクトン系安定剤及び他の添加剤を表1記載の配合量で、さらにブルーイング剤(バイエル社製:マクロレックスバイオレットB)を0.00014部配合し、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練しペレットを得た。室温にて粘調液体状である帯電防止剤はその割合が10重量%となるポリカーボネート樹脂パウダーとの予備混合物をスーパーミキサーを用いて作成した。またその他の安定剤についてもそれぞれ配合量の10〜100倍の濃度を目安に予めポリカーボネート樹脂パウダーとの予備混合物を作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30XSST(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。混練ゾーンはベント口手前に1箇所のタイプとした。押出条件は吐出量25kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで260℃とした。
【0130】
得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度310℃および金型温度80℃の条件で、長さおよび幅が50mmかつ厚さが2mmの平滑平板状の試験片を成形した。射出成形機は三菱重工業(株)製:80MSP−SCを使用した。得られた成形板の各評価結果を表1に示した。また、得られたペレットを同様の方法で乾燥した後、シリンダー温度300℃および金型温度80℃の条件で、図1に示す素通し型のヘッドランプレンズを射出成形機(住友重機械工業(株)製SG260M−HP)を用いて作成した。実施例の各組成にて作成されたこのヘッドランプレンズは、色相、透明性など外観が良好であり、且つ帯電防止性能の持続性も良好であった。
【0131】
更に得られたペレットを同様の方法で乾燥した後、スクリュー径40mmの単軸押出機を用いてシリンダー温度280℃およびダイ温度280℃の条件で、250mm幅のTダイから押し出し、厚み200μmの未延伸フィルムを作製した。なお冷却ロールには温度調整機が接続され、自在に冷却温度を制御することが可能であり、冷却ロールの温度は各フィルムにおいて最も製造が安定する30℃に調整した。実施例の各組成にて作成された色相、透明性など外観が良好であり、且つ所定の大きさに切り出して測定された帯電防止性能の乾熱持続性も良好であった。
【0132】
なお、表1中記号表記の帯電防止剤および熱安定剤など各成分の内容は下記の通りである。
(B成分)
B−1:ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩(竹本油脂(株)製:TCS−101)
【0133】
(C成分)
C−1:3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとO−キシレンの反応生成物(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製:HP−136)
【0134】
(その他の添加剤)
P−1:ホスホナイト系熱安定剤(Sandoz(株)製:サンドスタブP−EPQ)
P−2:亜燐酸(東京化成工業(株)製)
H−1:フェノール系酸化防止剤(日本チバガイギー社製:Irganox1076)
【0135】
[参考例1]
実施例1にて用いたポリカーボネート樹脂(PC)に、帯電防止剤、その他の添加剤を配合しない以外はすべて実施例1と同様の方法によりペレットを得た。得られたペレットを実施例1と同様の方法により成形した。得られた成形板の評価結果を表1に示した。
【0136】
【表1】
Figure 2004115698
【0137】
上記表から明らかなように、本発明の樹脂組成物は帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相および耐衝撃性のいずれもが良好な特性を有する成形品が得られることがわかる。一方、比較例に示された技術においてはいずれかの特性を十分に満足できていない。
【0138】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相、および耐衝撃性に優れた成形品を提供可能であることから、建築物、建築資材、農業資材、海洋資材、車両、電気・電子機器、機械、その他の各種分野において幅広く有用であり、中でも自動車用をはじめとする車両用の透明部材、建材をはじめとする透明シート、透明フィルム部材に極めて有用な成形品を提供するものである。中でも本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、帯電防止性能、成形耐熱性、透明性、色相、耐衝撃性および色相の熱安定性が要求されるヘッドランプレンズ用途において最適であり、持続的に埃の付着し難い耐熱性の良好なヘッドランプレンズを提供し得る。したがって本発明の奏する産業上の効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において成形した自動車の素通し型ヘッドランプレンズの成形品を示す。図示されるとおり該レンズはドーム状の形状である。[1−A]は正面図(成形時のプラテン面に投影した図。したがってかかる面積が最大投影面積となる)を示し、[1−B]はA−A線断面図を示す。
【符号の説明】
1 ヘッドランプレンズ本体
2 レンズのドーム状部分
3 レンズの外周部分
4 成形品のゲート(幅30mm、ゲート部の厚み4mm)
5 スプルー(ゲート部の直径7mmφ)
6 レンズの外周部分の直径(220mm)
7 レンズのドーム部分の直径(200mm)
8 レンズのドーム部分の高さ(20mm)
9 レンズ成形品の厚み(4mm)

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、下記一般式(I)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩(B成分)0.01〜5重量部および下記一般式(II)で表されるラクトン系安定剤(C成分)0.001〜1重量部を含んでなる帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2004115698
    (式中、Aは炭素数1〜40のアルキル基(炭素数6〜40のアラルキル基を含む)または炭素数6〜40のアリール基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。)
    Figure 2004115698
    (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基または炭素数5〜15のアリール基を示す。)
  2. 請求項1に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
  3. 上記成形品は透明シート状部材である請求項2に記載の成形品。
  4. 上記成形品は車両用透明部材である請求項2に記載の成形品。
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