JP2004115439A - L−フェニレフリンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不斉還元触媒を用いて、L−フェニレフリンを安全かつ簡便に製造する方法の提供。
【解決手段】1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オン及びその誘導体の硫酸等の鉱酸塩を、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム(II)[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)等の遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応することを特徴とする光学活性なL−フェニレフリンを製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オン及びその誘導体の硫酸等の鉱酸塩を、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム(II)[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)等の遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応することを特徴とする光学活性なL−フェニレフリンを製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品の血管収縮剤として有用な光学活性なL−フェニレフリンを安全かつ簡便に製造する方法に関する。より詳しくは、我が国の野依教授らが最近開発した野依触媒と通称される不斉還元触媒を用いて、高純度のL−フェニレフリンを安全かつ簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このL−フェニレフリンは、光学活性なアルカノールアミンの1種であるが、光学活性なアルカノールアミンを製造する技術としては、原料であるアミノケトン体を水素ガス還元やボロハイドライドを用いてラセミ体を製造し、その後光学分割法を用いて所望の光学活性体を取得する方法がある。また、化合物によっては、不斉触媒を用いた還元反応又は異性化反応により光学活性体を取得する方法も提案されており(米国特許第4,008,281号、K.Tani,et al.,J.Am.Chem.Soc.,106,5208(1984)、その化合物としては、DOPAあるいはMenthol等が例示できる。
【0003】
本発明で製造するL−フェニレフリン[(R)−(−)−フェニレフリンということもできる]は、血管収縮剤として有用な光学活性化合物であり、この化合物のラセミ体の製造方法としては、例えばアミノケトン体である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの水酸基及びアミノ基をベンジル化して保護した後、接触還元反応を行い、その後保護基をはずしてフェニレフリンを製造する方法がある(薬学雑誌、Vol.28 p773〜774(1956))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この反応時に利用する保護基は、アミノケトン体の安定性を増大させ、副次反応の発現を抑制し、目的還元反応の純度を向上させることを目的とするものであるが、この製造方法では、保護基の導入及び除去という工程が増加し、製造面でコスト上不利である。さらに、この還元反応では、水素を使用するため十分な安全配慮が必要であり、かつ水素存在下における常圧あるいは加圧下での還元反応であるため特殊な反応装置が必要であり、作業性に制限がある。
【0005】
また、このようにして得られた化合物は、光学活性なL−フェニレフリンではなく、ラセミ体であることから、このままでは血管収縮剤として使用できない。光学活性体とするためには、通常光学分割することになるが、分割剤としてα−bromocamphor−π−sulfonic acidや、d−酒石酸を使用して光学分割することが知られている[米国特許1,954,398号(1934):ドイツ特許第543529(1932)]
【0006】
そのようなことで、これらの問題を解消できるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。すなわち、工程数増加と手間がかかり、かつ取得量が半減する光学分割を行うことなく、また安全面での配慮が必要となる水素を用いる接触還元によることなく、しかも作業的には汎用装置で高純度の光学活性体が安全かつ簡便に得られるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。そして、さらに好ましくは多工程が必要となる保護基を用いることなくL−フェニレフリンを製造できる方法の開発が望まれた。
【0007】
そこで、本発明者らは、L−フェニレフリンの製造方法における、この問題を解決すべく鋭意研究開発を進めた。その結果、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて水素化移動型不斉還元を行うことにより、光学分割を行うことなく、かつ水素の使用を必要とする接触還元によることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できることを見出した。また、原料物質を適切に選択することにより保護基を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できることも見出した。したがって、本発明は、前記課題を解消することのできる光学活性なL−フェニレフリンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したL−フェニレフリンの製造方法を提供するものであり、その製造方法は1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩を、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応を行うことを特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明では、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いることにより、光学活性なL−フェニレフリンが製造できるものであるから、光学分割が不要であり、しかも、還元反応が水素化移動型不斉還元で水素を必要とする接触還元反応ではないから、特段の安全配慮を必要とせず、かつ特殊な反応装置も必要としないので、本発明は優れた方法である。さらに、本発明では、原料物質に1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いることにより保護基の導入及び除去という工程が不要となリ、この場合は特に有利な態様である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0011】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩、又はその誘導体の鉱酸塩を、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応することを特徴とするものである。なお、L−フェニレフリンの化学式を式1に示す。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明では、原料物質については、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩、又はその誘導体の鉱酸塩のいずれも使用できることは前記したとおりであるが、該誘導体としては、1−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−(N−ベンジル−N−メチル)−エタン−1−オン又は1−(3−アセトオキシフェニル)−2−(N−アセチル−N−メチル)−エタン−1−オン等が例示できる。
【0014】
本発明において、原料物質に誘導体を用いる場合には、そのための官能基の導入及び除去工程が必要となるので、この点からすると誘導体ではなく1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いるのが好ましい。なお、原料物質の鉱酸塩を形成する1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの化学式は式2に示すとおりである。
【0015】
【化2】
【0016】
本発明の製造方法の原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩については、塩酸塩、燐酸塩、硫酸塩等の各種の鉱酸塩が特に制限されることなく使用可能であるが、コスト面や製造の容易さの点で硫酸塩が好ましい。この鉱酸塩の製造方法については既知の方法があり(Legerlotz. U.S.PAT 1,932,347)、また、その誘導体の鉱酸塩の製造方法についても同様に既知の方法がある(K.Achiwa.,Chem.Pharm.Bull.43(5)738−747(1995))。
【0017】
本発明においては、原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩については、これらの方法により製造されたものが好ましく利用できることは勿論であるが、それらの鉱酸の製造方法ついては、何ら限定されるものではなく、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩であれば、各種の製造方法によって製造されたものが特に制限されることはなく使用できることは勿論である。
【0018】
遷移金属の有機金属アレン錯体としては、例えばルテニウムのアレン錯体については[RuCl2(η6−P−cymene)]2(テトラクロロ(ヘキサヘプト6−p−シメン)2ルテニウム)、[RuCl2(η6−(benzene))]2(テトラクロロ(ヘキサヘプト6−ベンゼン)2ルテニウム)、あるいは[RuCl2(mesitylene)]2等の各種のアレン錯体が特に制限されることなく使用できる。また、その遷移金属としては、前記したルテニウム以外にも、ロジウム、イリジウム、あるいはサマリウム等の各種の遷移金属が特に制限されることなく使用できるが、該錯体としては、反応収率の点でテトラクロロ(ヘキサヘプト6−p−シメン)2ルテニウムが好ましい。
【0019】
さらに、不斉還元触媒の配位子を形成する光学活性ジアミンとしては、光学活性なS,S型の各種ジアミン誘導体が使用可能であり、特に光学活性なS,S型の1.2−ジフェニルエチレンジアミン誘導体が優れており、それには、例えば(S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(S,S)−N−(p−メトキシベンゾスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、あるいは(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−シクロヘキシルジアミン等があるが、取扱い易さの点で(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミンが好ましい。
【0020】
以上のとおりであるから、本発明で使用する不斉還元触媒としては、水素化移動型不斉還元触媒として知られている、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](η6−P−シメン)ルテニウム、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](η6−メシチレン)ルテニウム、あるいはクロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン](η6−P−シメン)ルテニウム等が例示できるが、汎用性の点でクロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](P−シメン)ルテニウム[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)が好ましく、その化学式を式3に示す。
【0021】
【化3】
【0022】
本発明の還元反応において使用する第3アミン類としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリn−プロピルアミンなどの各種トリアルキルアミンが特に制限されることなく使用できる。また、ピリジンなどの複素環式化合物のアミン類も使用できるが、取り扱いの点でトリエチルアミンが好ましい。
【0023】
この第3アミン類の還元反応における使用量は、不斉還元触媒に対してはモル量で過剰であることが必要であり、かつ原料の1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対しては、モル比で、0.1〜50倍量使用するのが好ましい。また、水素供与体である蟻酸については工業的に通常使用されているものが制限されることなく使用でき、その使用量は原料の1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対して、モル比で、1〜50が好ましい。
【0024】
触媒使用量は、原料(基質ともいう)である、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対して、基質/触媒比(S/C)として、10〜10000、好ましくは10〜1000で実施される。反応温度については、使用する不斉還元触媒により最適温度は多少異なるが、好ましくは15〜80℃がよい。
【0025】
この還元反応では、反応溶剤は使用しても、しなくてもよいが、使用する場合には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)あるいはN−メチルピロリドンなどの非プロトン系溶剤がよく、好ましくはDMFがよい。
本発明のL−フェニレフリンの製造方法の還元反応においては、反応が終了した後減圧下で反応液より過剰の蟻酸と第3アミンを留去し、残渣に水(酸性又は塩基性)と有機溶媒とを加えて抽出して目的物を取り出し、その後更に、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の精製操作により、より高純度のL−フェニレフリンを製造することができる。
【0026】
【実施例】
以下において、本発明に関し実施例をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0027】
[実施例1]
アルゴン気流下、溶媒のDMF10mlに、室温にて1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩2.18g(10mmol)を加えて撹拌し、これに、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)332mg(0.5mmol)をDMF7mlに溶解した溶液を加えて撹拌する。
【0028】
次いで、蟻酸2.72g(59mmol)とトリエチルアミン2.57g(25mmol)を加え、反応温度54℃で9時間反応した後、減圧濃縮し、未反応の蟻酸とトリエチルアミン及び溶媒を留去した。残渣にクロロホルムと10%塩酸溶液とを加えて水層側に生成物を抽出し、その水層を苛性アルカリでpH9.0前後にすると目的物が析出する。これを濾取し、水で洗浄し、乾燥すると目的物である光学活性なL−フェニレフリン1.27g(収率75%)を得た。得れた目的物をキラルカラムを使用して高速液体クロマトグラムで光学純度を測定したところ、その光学純度は99.1%eeであった。
【0029】
[実施例2]
原料化合物として実施例1の硫酸塩に代えて、塩酸塩である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩を実施例1と同様に用いて還元反応を行い、同様に精製操作を実施して目的物を得たところ、収率は70%で、光学純度は92.1%eeであった。
【0030】
[実施例3]
アルゴン気流下、1−(3−アセトオキシフェニル)−2−(N−アセチル)−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩493mg(1.98mmol)と、クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム(II)[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)5.7mg(0.0099mmol)のDMF溶液3mlに、HCOOH−Et3N(5:2)共沸混合物(Chem.Pharm.Bull.1977,25.p135)0.99mlを加え、60℃で7時間加熱攪拌した。
【0031】
反応液に水10ml、クロロホルム10mlを加え、クロロホルム層を分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。上記留去後、残渣にメタノール10ml、4N−NaOH水溶液10mlを加え90℃で6時間加熱攪拌した。溶媒留去後、水冷下濃塩酸10mlを加え、更にメタノール30mlを加えて不溶物を濾別した。濾液に水30mlを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥して目的物である光学活性なL−フェニレフリン340mg(収率84%)を得た。取得物を、NMRと光学分割カラムによるHPLCで光学純度を測定したところ、その光学純度は91%eeであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明のL−フェニレフリンの製造方法では、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて水素化移動型不斉還元を行うことにより、光学活性なL−フェニレフリンが製造するものである。したがって、本発明では、光学分割が不要であり、しかも、還元反応が水素化移動型不斉還元で水素を必要とする接触還元反応ではないから、特段の安全配慮を必要とせず、かつ特殊な反応装置も必要としない。
【0033】
その結果、本発明では、高純度のL−フェニレフリンが、作業的には汎用装置で、安全かつ簡便に製造することができる。さらに、本発明では、原料物質に1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いることにより保護基の導入及び除去という工程が不要となリ、この場合は特に有利な態様である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品の血管収縮剤として有用な光学活性なL−フェニレフリンを安全かつ簡便に製造する方法に関する。より詳しくは、我が国の野依教授らが最近開発した野依触媒と通称される不斉還元触媒を用いて、高純度のL−フェニレフリンを安全かつ簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このL−フェニレフリンは、光学活性なアルカノールアミンの1種であるが、光学活性なアルカノールアミンを製造する技術としては、原料であるアミノケトン体を水素ガス還元やボロハイドライドを用いてラセミ体を製造し、その後光学分割法を用いて所望の光学活性体を取得する方法がある。また、化合物によっては、不斉触媒を用いた還元反応又は異性化反応により光学活性体を取得する方法も提案されており(米国特許第4,008,281号、K.Tani,et al.,J.Am.Chem.Soc.,106,5208(1984)、その化合物としては、DOPAあるいはMenthol等が例示できる。
【0003】
本発明で製造するL−フェニレフリン[(R)−(−)−フェニレフリンということもできる]は、血管収縮剤として有用な光学活性化合物であり、この化合物のラセミ体の製造方法としては、例えばアミノケトン体である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの水酸基及びアミノ基をベンジル化して保護した後、接触還元反応を行い、その後保護基をはずしてフェニレフリンを製造する方法がある(薬学雑誌、Vol.28 p773〜774(1956))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この反応時に利用する保護基は、アミノケトン体の安定性を増大させ、副次反応の発現を抑制し、目的還元反応の純度を向上させることを目的とするものであるが、この製造方法では、保護基の導入及び除去という工程が増加し、製造面でコスト上不利である。さらに、この還元反応では、水素を使用するため十分な安全配慮が必要であり、かつ水素存在下における常圧あるいは加圧下での還元反応であるため特殊な反応装置が必要であり、作業性に制限がある。
【0005】
また、このようにして得られた化合物は、光学活性なL−フェニレフリンではなく、ラセミ体であることから、このままでは血管収縮剤として使用できない。光学活性体とするためには、通常光学分割することになるが、分割剤としてα−bromocamphor−π−sulfonic acidや、d−酒石酸を使用して光学分割することが知られている[米国特許1,954,398号(1934):ドイツ特許第543529(1932)]
【0006】
そのようなことで、これらの問題を解消できるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。すなわち、工程数増加と手間がかかり、かつ取得量が半減する光学分割を行うことなく、また安全面での配慮が必要となる水素を用いる接触還元によることなく、しかも作業的には汎用装置で高純度の光学活性体が安全かつ簡便に得られるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。そして、さらに好ましくは多工程が必要となる保護基を用いることなくL−フェニレフリンを製造できる方法の開発が望まれた。
【0007】
そこで、本発明者らは、L−フェニレフリンの製造方法における、この問題を解決すべく鋭意研究開発を進めた。その結果、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて水素化移動型不斉還元を行うことにより、光学分割を行うことなく、かつ水素の使用を必要とする接触還元によることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できることを見出した。また、原料物質を適切に選択することにより保護基を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できることも見出した。したがって、本発明は、前記課題を解消することのできる光学活性なL−フェニレフリンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したL−フェニレフリンの製造方法を提供するものであり、その製造方法は1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩を、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応を行うことを特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明では、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いることにより、光学活性なL−フェニレフリンが製造できるものであるから、光学分割が不要であり、しかも、還元反応が水素化移動型不斉還元で水素を必要とする接触還元反応ではないから、特段の安全配慮を必要とせず、かつ特殊な反応装置も必要としないので、本発明は優れた方法である。さらに、本発明では、原料物質に1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いることにより保護基の導入及び除去という工程が不要となリ、この場合は特に有利な態様である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0011】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩、又はその誘導体の鉱酸塩を、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応することを特徴とするものである。なお、L−フェニレフリンの化学式を式1に示す。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明では、原料物質については、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩、又はその誘導体の鉱酸塩のいずれも使用できることは前記したとおりであるが、該誘導体としては、1−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−(N−ベンジル−N−メチル)−エタン−1−オン又は1−(3−アセトオキシフェニル)−2−(N−アセチル−N−メチル)−エタン−1−オン等が例示できる。
【0014】
本発明において、原料物質に誘導体を用いる場合には、そのための官能基の導入及び除去工程が必要となるので、この点からすると誘導体ではなく1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いるのが好ましい。なお、原料物質の鉱酸塩を形成する1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの化学式は式2に示すとおりである。
【0015】
【化2】
【0016】
本発明の製造方法の原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩については、塩酸塩、燐酸塩、硫酸塩等の各種の鉱酸塩が特に制限されることなく使用可能であるが、コスト面や製造の容易さの点で硫酸塩が好ましい。この鉱酸塩の製造方法については既知の方法があり(Legerlotz. U.S.PAT 1,932,347)、また、その誘導体の鉱酸塩の製造方法についても同様に既知の方法がある(K.Achiwa.,Chem.Pharm.Bull.43(5)738−747(1995))。
【0017】
本発明においては、原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩については、これらの方法により製造されたものが好ましく利用できることは勿論であるが、それらの鉱酸の製造方法ついては、何ら限定されるものではなく、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩及びその誘導体の鉱酸塩であれば、各種の製造方法によって製造されたものが特に制限されることはなく使用できることは勿論である。
【0018】
遷移金属の有機金属アレン錯体としては、例えばルテニウムのアレン錯体については[RuCl2(η6−P−cymene)]2(テトラクロロ(ヘキサヘプト6−p−シメン)2ルテニウム)、[RuCl2(η6−(benzene))]2(テトラクロロ(ヘキサヘプト6−ベンゼン)2ルテニウム)、あるいは[RuCl2(mesitylene)]2等の各種のアレン錯体が特に制限されることなく使用できる。また、その遷移金属としては、前記したルテニウム以外にも、ロジウム、イリジウム、あるいはサマリウム等の各種の遷移金属が特に制限されることなく使用できるが、該錯体としては、反応収率の点でテトラクロロ(ヘキサヘプト6−p−シメン)2ルテニウムが好ましい。
【0019】
さらに、不斉還元触媒の配位子を形成する光学活性ジアミンとしては、光学活性なS,S型の各種ジアミン誘導体が使用可能であり、特に光学活性なS,S型の1.2−ジフェニルエチレンジアミン誘導体が優れており、それには、例えば(S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(S,S)−N−(p−メトキシベンゾスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、あるいは(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−シクロヘキシルジアミン等があるが、取扱い易さの点で(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミンが好ましい。
【0020】
以上のとおりであるから、本発明で使用する不斉還元触媒としては、水素化移動型不斉還元触媒として知られている、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](η6−P−シメン)ルテニウム、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](η6−メシチレン)ルテニウム、あるいはクロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン](η6−P−シメン)ルテニウム等が例示できるが、汎用性の点でクロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](P−シメン)ルテニウム[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)が好ましく、その化学式を式3に示す。
【0021】
【化3】
【0022】
本発明の還元反応において使用する第3アミン類としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリn−プロピルアミンなどの各種トリアルキルアミンが特に制限されることなく使用できる。また、ピリジンなどの複素環式化合物のアミン類も使用できるが、取り扱いの点でトリエチルアミンが好ましい。
【0023】
この第3アミン類の還元反応における使用量は、不斉還元触媒に対してはモル量で過剰であることが必要であり、かつ原料の1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対しては、モル比で、0.1〜50倍量使用するのが好ましい。また、水素供与体である蟻酸については工業的に通常使用されているものが制限されることなく使用でき、その使用量は原料の1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対して、モル比で、1〜50が好ましい。
【0024】
触媒使用量は、原料(基質ともいう)である、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩に対して、基質/触媒比(S/C)として、10〜10000、好ましくは10〜1000で実施される。反応温度については、使用する不斉還元触媒により最適温度は多少異なるが、好ましくは15〜80℃がよい。
【0025】
この還元反応では、反応溶剤は使用しても、しなくてもよいが、使用する場合には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)あるいはN−メチルピロリドンなどの非プロトン系溶剤がよく、好ましくはDMFがよい。
本発明のL−フェニレフリンの製造方法の還元反応においては、反応が終了した後減圧下で反応液より過剰の蟻酸と第3アミンを留去し、残渣に水(酸性又は塩基性)と有機溶媒とを加えて抽出して目的物を取り出し、その後更に、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の精製操作により、より高純度のL−フェニレフリンを製造することができる。
【0026】
【実施例】
以下において、本発明に関し実施例をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0027】
[実施例1]
アルゴン気流下、溶媒のDMF10mlに、室温にて1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩2.18g(10mmol)を加えて撹拌し、これに、クロロ[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)332mg(0.5mmol)をDMF7mlに溶解した溶液を加えて撹拌する。
【0028】
次いで、蟻酸2.72g(59mmol)とトリエチルアミン2.57g(25mmol)を加え、反応温度54℃で9時間反応した後、減圧濃縮し、未反応の蟻酸とトリエチルアミン及び溶媒を留去した。残渣にクロロホルムと10%塩酸溶液とを加えて水層側に生成物を抽出し、その水層を苛性アルカリでpH9.0前後にすると目的物が析出する。これを濾取し、水で洗浄し、乾燥すると目的物である光学活性なL−フェニレフリン1.27g(収率75%)を得た。得れた目的物をキラルカラムを使用して高速液体クロマトグラムで光学純度を測定したところ、その光学純度は99.1%eeであった。
【0029】
[実施例2]
原料化合物として実施例1の硫酸塩に代えて、塩酸塩である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩を実施例1と同様に用いて還元反応を行い、同様に精製操作を実施して目的物を得たところ、収率は70%で、光学純度は92.1%eeであった。
【0030】
[実施例3]
アルゴン気流下、1−(3−アセトオキシフェニル)−2−(N−アセチル)−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩493mg(1.98mmol)と、クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム(II)[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)5.7mg(0.0099mmol)のDMF溶液3mlに、HCOOH−Et3N(5:2)共沸混合物(Chem.Pharm.Bull.1977,25.p135)0.99mlを加え、60℃で7時間加熱攪拌した。
【0031】
反応液に水10ml、クロロホルム10mlを加え、クロロホルム層を分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。上記留去後、残渣にメタノール10ml、4N−NaOH水溶液10mlを加え90℃で6時間加熱攪拌した。溶媒留去後、水冷下濃塩酸10mlを加え、更にメタノール30mlを加えて不溶物を濾別した。濾液に水30mlを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥して目的物である光学活性なL−フェニレフリン340mg(収率84%)を得た。取得物を、NMRと光学分割カラムによるHPLCで光学純度を測定したところ、その光学純度は91%eeであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明のL−フェニレフリンの製造方法では、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて水素化移動型不斉還元を行うことにより、光学活性なL−フェニレフリンが製造するものである。したがって、本発明では、光学分割が不要であり、しかも、還元反応が水素化移動型不斉還元で水素を必要とする接触還元反応ではないから、特段の安全配慮を必要とせず、かつ特殊な反応装置も必要としない。
【0033】
その結果、本発明では、高純度のL−フェニレフリンが、作業的には汎用装置で、安全かつ簡便に製造することができる。さらに、本発明では、原料物質に1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩を用いることにより保護基の導入及び除去という工程が不要となリ、この場合は特に有利な態様である。
Claims (7)
- 1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩又はその誘導体の鉱酸塩を、遷移金属の有機金属アレン錯体と光学活性ジアミンを配位子としてなる不斉還元触媒を用いて、第3アミン類の存在下で蟻酸を水素供与体として還元反応することを特徴とする光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 該誘導体が1−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−(N−ベンジル−N−メチル)−エタン−1−オン又は1−(3−アセトオキシフェニル)−2−(N−アセチル−N−メチル)−エタン−1−オンである請求項1記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩又はその誘導体の鉱酸塩が硫酸塩である請求項1又は2記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 光学活性ジアミンが(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミンである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 遷移金属がルテニウムである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 有機金属アレン錯体が、[RuCl2(cymene)]2又は[RuCl2(benzene)]2である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 不斉還元触媒が、クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム(II)[RuCl(S,S)−Tsdpen](p−cymene)である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
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