JP2004115339A - 縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法及び縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GaAs融液2上面に液体酸化ホウ素4を配置し、不純物としてSiを添加する縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法で、GaAs融液2上面と液体酸化ホウ素4との界面に予め砒化ホウ素5を添加し浮遊させながら、GaAs単結晶8を育生させる。GaAs単結晶製造装置は、砒化ホウ素投入機構部を備えている。Siドープn型GaAs単結晶において、キャリア濃度が2×1017〜4×1018cm−3で、極低転位密度(100cm−2以下)、または無転位のGaAs単結晶を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法及び縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaAs(ガリウム砒素)系高周波トランジスタ、集積回路及び発光素子用の基板となるウェハは、液体封止チョクラルスキー(LEC)法、横型ボート(HB、HGF)法、縦型ボート(VBG、VGF)法などの方法を用いて単結晶インゴットを育生し、スライシングにより厚さ数百μmのウェハに切断し、研磨工程を経て製造されており、Si(シリコン)を不純物として添加したSiドープn型GaAsウェハは、発光ダイオード(LED)、半導体レーザダイオード(LD)などの発光素子用の導電性基板として用いられている。
【0003】
LDにおいては、LEDに比較すると動作層である活性層に電流を集中させて電流密度の高い状態で動作させるようにしており、光強度が強い。このため、GaAs基板に転位が存在すると、GaAs基板上にエピタキシャル成長層を形成してもヒロックなどの表面欠陥が生じたり、転位がエピタキシャル成長層に伝播して、連続動作させるときの寿命の劣化が生じる。
従って、Siドープn型GaAsウェハの製造にあっては、その転位密度を、極低転位密度(100cm−2以下)または無転位とすることが強く求められている。
【0004】
しかしながら、上記LEC法では、成長固液界面近傍の温度勾配が大きいため、GaAsウェハの転位密度が104 〜105 cm−2となり、要求値を満たすことができない。
【0005】
また、横型ボート法を用いたGaAsウェハにおいては、2インチ口径サイズは低転位密度化が可能であるが、3 インチ口径サイズの転位密度は、3 ×103 〜104 cm−2となり、103 cm−2以下は得られていない(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
そこで、近時、縦型ボート法により化合物半導体結晶を製造することが試みられている。この縦型ボート法による化合物半導体単結晶の製造方法における低転位化の報告例について説明する。
縦型ボート法では、本発明者らにより、酸化ホウ素(B2 O3 )による液体封止を用いた縦型ボート法により、2インチ口径のSiドープn型GaAsウェハで無転位結晶が得られることが報告され(非特許文献2参照。)、さらに、3 インチ口径のSiドープn型GaAsウェハにおいて、極低転位密度の結晶が得られることが報告されている(非特許文献3参照。)。
【0007】
また、縦型ボート法において、極低転位密度化と無転位化を達成するにあたり、結晶中に発生する転位の形態とその発生要因が報告されており、転位の形態としては、伝播転位とスリップ転位に分類されることが明らかにされている(非特許文献4参照。)。
伝播転位は、単結晶の成長開始時に種結晶の転位を継承する場合や、種付け工程で導入された転位を継承する場合が一つの形態であり、(001)方位のGaAs単結晶では、インゴットの中央ならびに4つの<100>方向群に配向して伝播するのが特徴である(非特許文献5参照。)。
スリップ転位は、成長した結晶に臨界せん断応力以上の応力が加わった場合に発生する。このスリップ転位が育生途中の単結晶の増径部や定径部で導入され、固液界面までスリップ転位が侵入した場合には、スリップ転位が導入された以降の結晶中に転位が伝播する。
従って、上記文献では、スリップ転位の発生を抑制するためには、Siドープn型GaAs結晶内の熱応力の低減が必要であり、縦型ボート法で使用する炉内の温度分布と成長条件の適正化が必要であることが述べられている。
【0008】
また、伝播転位の抑制のために、縦型ボートの下部に配置した種結晶における原料融液との種付界面上に、連結細管を有する挿入部品を載置し、無転位もしくは極低転位密度の化合物半導体単結晶を得る方法が開示されている(特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−298588号公報(第3頁、図1)
【非特許文献1】
菅野卓雄監修、大森正道編、赤井慎一著「超高速化合物半導体デバイス(第5章)結晶技術」、株式会社培風館、1986年、p.141−153
【非特許文献2】
鳥羽隆一、外5名、「縦型ボート法による無転位SiドープGaAsの成長」、日本結晶成長学会誌、社団法人日本結晶成長学会、1993年、第20巻、p.64
【非特許文献3】
鳥羽隆一、「縦型ボート法による無転位GaAs単結晶成長技術の開発」、平成7年度新素材交流会議予稿集、1995年7月11日、 p.21−26
【非特許文献4】
鳥羽隆一、外5名、「縦型ボート法による無転位SiドープGaAsの成長」、日本結晶成長学会第18回研究資料集(バルク単結晶の新しい融液成長技術シンポジュウム)、日本結晶成長学会バルク成長分科会、1993年7月27日、p.16−20
【非特許文献5】
R.Toba,外2名, “Spatial distribution of microdefects around dislocations in Si−doped GaAs ”, ICDS−18,Material Science Forum, (Switzerland ), 1995 Trans Tech Publications,1995,Vols.196−201,p.1785−1789
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のLEC法と横型ボート法では、Siドープn型GaAsウェハの転位密度として、極低転位密度(100cm−2以下)または無転位化ができないという課題がある。
【0011】
縦型ボート法を用いた極低転位密度ないし無転位のSiドープn型GaAs単結晶が得られる状況となったが、結晶全体の転位密度が下がるにつれ、以下に示すような新たな問題点が顕在化してきた。
縦型ボート法においては、蒸気圧の高いAsが融液から蒸発するのを防止するために、GaAs融液上に液体酸化ホウ素を配設し、単結晶の品質向上を図っている。液体酸化ホウ素を用いるSiドープGaAs単結晶の成長においては、不純物であるSiが酸化されやすい元素であるために、GaAs融液中のSiが液体酸化ホウ素との接触によって下記(1)式の酸化還元反応を生じ、遊離ホウ素が生じる。
3Si+2B2 O3 ⇔ 3SiO2 +4B (1)
【0012】
(1)式で生成した遊離ホウ素(B)は、GaAs融液中ならびに液体酸化ホウ素中にトラップされた状態となるが、GaAs融液中のホウ素の飽和溶解度を越えた場合には、GaAs融液中のAsと反応して砒化ホウ素(B13As2 )の析出物が形成される。このGaAs融液中のホウ素の飽和溶解度は、概ね1019台/cm3 前半と推定されている。
砒化ホウ素の融点に関する詳しいデータの報告例は無いが、2000℃を超えるものと推定され、GaAs融液の温度よりも高く、GaAs融液においては、固体として析出する。
【0013】
図5及び図6は、従来の縦型ボート法によるGaAs単結晶育生時のルツボ内における砒化ホウ素析出物の発生を示す断面模式図である。
円筒形のルツボ30内にSiが添加されたGaAs融液32と、その下部の細い円筒部にGaAs種結晶31とが配設され、さらに、GaAs融液32の上部が酸化ホウ素33を用いて液体封止されている。
遊離ホウ素(図示せず)がGaAs融液32中のホウ素の飽和溶解度を越えた場合には、GaAs融液32中のAsと反応して砒化ホウ素34が形成される。
【0014】
ここで、GaAs融液32,砒化ホウ素34,液体酸化ホウ素33のそれぞれの比重は、5.61,3.53,1.84である。
従って、GaAs融液中の反応により形成される砒化ホウ素34は、比重の関係から、図中矢印↑で示すように、GaAs融液32の上方31aへ移動し、図5に示すように、GaAs融液32と液体酸化ホウ素33下部との界面31aに、砒化ホウ素の析出物35として浮遊する。
この場合には、GaAs単結晶成長時に砒化ホウ素析出物に起因する転位の発生という面での実害は無い。
【0015】
しかしながら、図6に示すように、上記界面31a以外の、ルツボ30とGaAs融液32の側面に砒化ホウ素析出物36が形成されてしまうことが多い。この場合には、GaAs成長中にGaAs単結晶表面に砒化ホウ素析出物36が取り込まれ、その後の冷却過程においてGaAs結晶と析出物36の熱膨張係数の違いによる応力が生じ、その近傍にスリップ転位が発生してしまう。
【0016】
図7〜図9は、結晶表面に包含された砒化ホウ素析出物と、その周囲での転位の発生状態を一例として示す。
図7は、砒化ホウ素析出物が単結晶側面に生じた状態を模式的に示す斜視図である。育生した結晶40の側面に砒化ホウ素析出物41が形成されており、点線部分は、この砒化ホウ素析出物41を含むスライスされるウェハ42を示している。
【0017】
図8は、図7の砒化ホウ素析出部分を含むウェハ平面内の転位発生状況を示す模式的な平面図である。図7のGaAs単結晶をスライスしたウェハに、溶融KOH腐食を行うことで、転位のある個所にエッチピットが生じ、転位の発生部42a(図中の四角で囲んだ部分)が視覚化される。
【0018】
図9は、図8の転位発生部の写真を示す図である。図において、黒い部分がGaAsウェハで、GaAsウェハ中の白い点状部分がKOH腐食によるエッチピットが生じている転位を示している。砒化ホウ素の析出物があるGaAsウェハの端部において最も転位が多い。また、砒化ホウ素析出物に起因する転位の形態は、GaAsウェハ内部へ線状の転位である、所謂、スリップ転位が多数発生していることが分かる。
【0019】
このように、砒化ホウ素析出物に基づく転位が発生し、このスリップ転位が固液界面まで到達するような場合には、砒化ホウ素析出以降の結晶成長中に転位が伝播し、GaAs単結晶の転位密度が高くなり、極低転位密度(100cm−2以下)、または、無転位化が強く求められているLD用GaAsウェハが歩留まりよく得られないという課題がある。
【0020】
上述の砒化ホウ素析出物による転位密度の増加を低減するために、酸化ホウ素中に予め二酸化珪素(SiO2 )を添加する方法がある。
この方法は、酸化ホウ素中に予めSiO2 を含有させることで、上記(1)式に示される化学反応の右方向への反応を抑制し、遊離ホウ素の発生が低減され得ることを利用しており、砒化ホウ素析出物の低減の効果が認められる。
しかしながら、遊離ホウ素が発生する反応が十分に抑制されないために、砒化ホウ素析出物の発生が、完全には避けられないという課題がある。
【0021】
以上のように、酸化ホウ素を用いた縦型ボート法によるSiドープGaAsの結晶成長では、不純物のSiと酸化ホウ素の酸化還元反応によって生じた遊離ホウ素がGaAs融液に混入し、過飽和分はAsと反応して融液から砒化ホウ素の析出が生じる。このために、GaAs単結晶の側面に相当する位置であるルツボとGaAs融液の界面に砒化ホウ素析出の核が発生してしまうと、過飽和分のホウ素はそれを核として砒化ホウ素となり、この砒化ホウ素析出物が肥大化してしまい、得られたGaAs単結晶に転位が発生するという課題がある。
【0022】
本発明は、以上の点に鑑みて、液体酸化ホウ素を用いたSiドープn型GaAs単結晶の製造方法において、砒化ホウ素の析出による転位を防止できる、縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法及び縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法は、GaAs融液上面に液体酸化ホウ素を配置し、不純物としてSiを添加する縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法であって、GaAs融液上面と液体酸化ホウ素との界面に予め砒化ホウ素を添加し浮遊させながら、GaAs単結晶を育生することを特徴とする。
前記構成において、好ましくは、前記不純物のSi及び前記液体酸化ホウ素の酸化還元反応によって遊離したホウ素と前記GaAs融液中のAsとが反応して生じる砒化ホウ素を、前記GaAs融液上面と前記液体酸化ホウ素との界面に予め添加する砒化ホウ素を核として析出させることで、前記GaAs融液を収容するルツボと前記GaAs融液間で発生する新たな砒化ホウ素の析出を抑制することにより転位発生を防止する。
ここで、砒化ホウ素の添加時期は、GaAs融液となる原料の充填段階であってよい。或いは、砒化ホウ素の添加時期を、GaAs融液となる原料の溶解段階中、または原料の溶解終了後かつ結晶成長前とすることもできる。
前記砒化ホウ素の添加量は、GaAs融液となる原料に対して4×10−4〜1×10−2重量%であればよい。
また、前記GaAs単結晶中のキャリア濃度は、2×1017〜4×1018cm−3であればよい。
【0024】
この構成によれば、GaAs原料融液と液体酸化ホウ素との界面に予め砒化ホウ素を添加し、浮遊させながらGaAs単結晶を育生するので、この予め添加する砒化ホウ素を、不純物のSiと液体酸化ホウ素の酸化還元反応によって遊離したホウ素と、GaAs融液中のAsが反応して生じる砒化ホウ素に対する析出優先核とすることで、GaAs融液を収容するルツボ側面とGaAs融液間で発生する新たな砒化ホウ素の析出を抑制し、砒化ホウ素析出物と育生するGaAs結晶間の熱膨張差によって生じる転位の発生を防止することができる。
【0025】
さらに、本発明の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置は、ルツボ内のGaAs融液上面に液体酸化ホウ素を配置した縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置であって、ルツボ上部に、砒化ホウ素を投入する砒化ホウ素投入機構部を備えたことを特徴とする。
前記構成において、砒化ホウ素投入機構部を用いて、GaAs融液の原料の溶解段階中、または原料の溶解終了後かつ結晶成長前に、ルツボへ砒化ホウ素が投入されればよい。
【0026】
上記構成によれば、GaAs原料融液上面と液体酸化ホウ素との界面に予め砒化ホウ素を砒化ホウ素投入機構部を用いて添加し、浮遊させながらGaAs単結晶を育生するので、この予め添加する砒化ホウ素を、不純物のSiと液体酸化ホウ素の酸化還元反応によって遊離したホウ素とGaAs融液中のAsが反応して生じる砒化ホウ素に対する析出優先核とすることで、GaAs融液を収容するルツボ側面とGaAs融液間で発生する新たな砒化ホウ素の析出を抑制する。
これにより、砒化ホウ素析出物と育生するGaAs結晶間の熱膨張差によって生じる転位発生を防止できる縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法に用いる縦型ボート法によるGaAs単結晶製造装置の構成を示す断面図である。
図1(A)に示す縦型ボート法によるGaAs単結晶製造装置1は、GaAs融液2と、種結晶3と、液体酸化ホウ素4と、GaAs融液2上面と液体酸化ホウ素4との界面に配設される砒化ホウ素5を収容する縦型ボートとしてのルツボ6と、ヒーター7とから構成されている。図は、GaAs単結晶育生中のルツボ状態を示していて、GaAs原料の融液2の下部が、育生されたGaAs単結晶8である。
ここで、ルツボ6の材料としては、石英、熱分解窒化ホウ素(PBN:Pyrolytic Boron Nitride)、PBNを被覆したグラファイトなどが使用できる。
【0028】
ヒーター7として、本実施の形態では分割した抵抗加熱炉を示しているが、各ヒーターは独立に温調器(図示せず)により温度制御が行われる。
図1(B)は、ヒーター7の温度分布を示す図である。横軸が温度で、縦軸が図1(A)に示すヒーター7の位置に対応する距離を示している。図示するヒーターの温度分布T1 (x)は、結晶成長時の温度分布であり、T2 (x)が、GaAs原料を融液2にするときの温度分布である。
【0029】
結晶成長時のT1 (x)の温度分布において、GaAs融液2とGaAs単結晶8の境界である固液界面よりも上部にあるGaAs融液2がGaAsの融点以上となり、GaAs融液2の下部の育生された単結晶8はGaAsの融点以下となる。
このようなGaAs融液2の温度分布の制御は、図に矢印↓で示すようにヒーター7を固定してルツボ6を移動させることで行うことができる。これにより、GaAs融液2の固液界面を下方から上方へ移動し、GaAs単結晶を育生できる。ここで、ルツボ6を移動しないで、ヒーター7を移動させてもよい。また、ヒーター7の温度制御により炉内の温度分布をT2 (x)からT1 (x)に徐々に変化させてもよい。
【0030】
次に、ルツボに原料を充填する方法について説明する。
図2は図1のルツボに原料を充填するときのルツボ内の断面を示す図である。図示するように、ルツボ6へ、種結晶3とGaAs融液の原料となるGaAs多結晶9が充填される。ルツボ6は、GaAs融液2が収容されるルツボの定径部6aと、一端が閉じた種結晶を保持するルツボの種結晶保持細管部6bと、ルツボの定径部6aとルツボの種結晶保持細管部6bを接続するルツボのテーパー部6cとから構成されている。
【0031】
最初に、ルツボの種結晶保持細管部6bに種結晶が充填され、次に、ルツボのテーパー部6cにGaAs多結晶9aが充填される。
続いて、ルツボの定径部6aへ、GaAs多結晶9b,不純物となるSi10,GaAs多結晶9c,GaAs多結晶9d,砒化ホウ素11,酸化ホウ素12の順に充填する。ここで、GaAs多結晶9b,9c,9dは、外径がほぼルツボ6の内径となるように円筒形状に成形加工しているが、塊状のものであってもよい。
【0032】
本発明の特徴は、砒化ホウ素をGaAs融液上面と液体酸化ホウ素との間に配設する点にある。上記のように、ルツボ6にGaAs融液の原料となるGaAs多結晶9(9a〜9d),不純物となるSi10,砒化ホウ素11,酸化ホウ素12を充填する。
次に、ルツボ6をヒーター7で加熱することで、図1(A)に示すように、比重の関係から、GaAs融液2上面と液体酸化ホウ素4との界面2aに砒化ホウ素5を配設することができる。
【0033】
次に、ルツボへ砒化ホウ素を添加する別の方法を示す。
図3は、本発明に係る実施の形態による縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法において、ルツボに砒化ホウ素を添加する別の方法の断面を示す模式図である。図示するように、GaAs多結晶を溶解中にルツボの上部に配設した砒化ホウ素投入機構部から、砒化ホウ素を投入する方法を示している。
ルツボ6には、図2に示したように、砒化ホウ素以外の原料を充填する。図2は、ルツボの定径部6aの下部と、ルツボのテーパー部6cに充填されるGaAs多結晶9e及び9aより上部のGaAs多結晶が溶解している状態を示している。ここで、ルツボの定径部6aの下部のGaAs多結晶9eは、GaAs融液2になっていない部分である。
この時点で、液体酸化ホウ素4上から、砒化ホウ素投入機構部13を用いて砒化ホウ素11を投入すると、比重の関係により、GaAs融液2上面と液体酸化ホウ素4との界面2aに砒化ホウ素5を配設させることができる。
【0034】
図4は、本発明に係る実施の形態による縦型ボート法を用いたGaAs単結晶の製造方法において、ルツボに砒化ホウ素を添加するさらに別の方法の断面を示す模式図である。図において、種結晶の上部のGaAs多結晶が溶解した後でかつ結晶成長前に、GaAs融液2上に設けた砒化ホウ素投入機構部13から砒化ホウ素11が投入される。これにより、投入された砒化ホウ素11が、比重の関係により、液体酸化ホウ素4内部に沈降し、GaAs融液2上面と液体酸化ホウ素4との界面2aに配設される砒化ホウ素5となる。
【0035】
次に、図1乃至図4を参照して、本発明の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法について説明する。
図1及び図2に示したように、PBN製のルツボ6の種結晶保持細管部6bに種結晶3を挿入し、その上にGaAs多結晶9a〜9d,不純物となるSi10を充填する。
次に、GaAs多結晶9の最上部9dの中央に1〜3mm粒子サイズの砒化ホウ素11を配置し、その上に酸化ホウ素12を充填する。ここで、砒化ホウ素11の添加量は、GaAs多結晶9に対して、4×10−4〜1×10−2重量%とすることが好ましい。また、Siを不純物として添加することで、GaAs単結晶はn型の導電性となるが、GaAs単結晶中のキャリア濃度が、2×1017〜4×1018cm−3の範囲とすればよい。
【0036】
次に、縦型ボート法によるGaAs単結晶製造装置1の炉内(図示せず)を真空引きやアルゴン(Ar)や窒素などの不活性ガスを用いて置換し、炉内を3〜9気圧に加圧した状態にする。そして、ヒーター7を使用して、炉内の昇温を行いGaAs多結晶9などからなる原料を溶解する。この原料を溶解すると、液体酸化ホウ素4の下面とGaAs融液2の上面であるGaAs融液界面2aに砒化ホウ素5が浮遊状態で配設される。
なお、砒化ホウ素5をGaAs融液界面2aへ配設する場合は、図3及び図4で説明したように、ルツボ6の上部に配設する砒化ホウ素投入機構部13を用いて、GaAs原料溶解の途中、または、溶解後でかつ結晶成長前に投入する方法でも良い。
【0037】
次に、GaAs種結晶3の上端側を溶解し、GaAs融液2となじませるメルトバックを行い、種結晶を用いて転位が入らないようにシーディングを行う。そして、ルツボ6を図1(A)の矢印↓で示すヒーター7の低温ゾーンに移動させることで、GaAs融液の固液界面を下方から上方へ移動させてGaAs単結晶成長を行なう。
GaAs融液2の全量が固化したら、ヒーター7を降温し、ルツボ6の冷却を行う。ルツボ6が室温付近となった段階で、縦型ボート法によるGaAs単結晶製造装置1の炉を開放してGaAs単結晶8を取り出す。
このようにして、GaAs単結晶8の育生の前に、予め、GaAs融液界面2aに砒化ホウ素5を配設することで、育生したGaAs単結晶8への砒化ホウ素5の付着を防止することができる。
これにより、砒化ホウ素に起因した転位の伝播を防止できるので、極低転位密度(100cm−2以下)または無転位のGaAs単結晶を得ることができる。
【0038】
次に、予めGaAs融液界面に砒化ホウ素を配設することで、GaAs単結晶の極低転位密度(100cm−2以下)、または、無転位化を達成できる理由を説明する。
GaAs融液2中に添加されたSiは、液体酸化ホウ素4と(1)式の酸化還元反応を生じ、遊離ホウ素が生成されるが、過飽和分は、GaAsの原料の融液2中のAsと結合して、砒化ホウ素となる。この砒化ホウ素は、GaAs融液界面2aに浮遊状態で配設されている砒化ホウ素5を核として析出する。
これにより、ルツボ内で育生されるGaAs単結晶側面への砒化ホウ素析出物の付着や包含を回避し、GaAs単結晶と砒化ホウ素との熱膨張差による熱応力が原因となって発生するスリップ転位を防止すると共に、それに起因した転位の伝播を、極小、または、皆無とすることができる。
【0039】
次に、GaAs融液と液体酸化ホウ素との界面に浮遊させる砒化ホウ素の添加量が、GaAs多結晶に対して、4×10−4〜1×10−2重量%とする理由を説明する。
上記砒化ホウ素の添加量が、4×10−4重量%未満の場合には、ルツボと融液間での自然核発生の抑制効果が少なく、GaAs単結晶側面に砒化ホウ素析出物が発生する。また、上記砒化ホウ素の添加量が、1×10−2重量%以上の場合には、GaAs融液上面以外に側面にまで回り込んでしまい、それ自身が析出核になり、GaAs単結晶側面に砒化ホウ素析出物が発生する。従って、上記砒化ホウ素の添加量が、GaAs多結晶に対して、4×10−4〜1×10−2重量%の範囲内であれば、砒化ホウ素のGaAs単結晶側面への析出を効果的に防止することができる。
【0040】
次に、Siドープn型GaAs単結晶中のキャリア濃度を、2×1017〜4×1018cm−3の範囲とする理由を説明する。
不純物として添加するSiは、不純物硬化と呼ばれる転位低減効果を有しているが、GaAsのキャリア濃度が2×1017cm−3未満の場合には、転位密度低減効果が少なく、砒化ホウ素析出による転位が発生したときには、この転位の長さ、即ち、導入距離が長くなることが分かった。また、GaAsのキャリア濃度が4×1018cm−3以上のSiの添加量の場合には、GaAs結晶品質が劣化するので好ましくない。これは、SiとGa空孔との複合欠陥密度の増加により、深い準位、所謂、ディープレベルが増大するためと推定される。
従って、Siドープn型GaAs単結晶のキャリア濃度が、2×1017〜4×1018cm−3の範囲であれば、Si添加に伴う結晶品質の低下が生じない。
【0041】
以上、説明してきた縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法についての実施例と比較例について述べる。
(実施例1)
GaAs原料となるアンドープGaAs多結晶6000g(グラム)に対し、不純物となるSiを1.62g(270wt・ppmに相当)を図2に示す方法で充填後、砒化ホウ素50mg(2mmサイズ程度で2粒、GaAs原料に対し8.3×10−4重量%に相当)を原料最上面の中央部にセットし、さらに酸化ホウ素280gを充填した。
GaAs原料を溶解後、上述した成長法により、定径部の直径が82mmのGaAs単結晶を成長した。
【0042】
上記のようにして育生したGaAs単結晶の定径部の表面には、砒化ホウ素の自然核発生による砒化ホウ素の析出物は、発生しなかった。
GaAs単結晶を種結晶側から単結晶端部の全域に渡り(100)面の円形ウェハに切り出した。次に、ウェハを溶融KOHによる腐食を行って、各ウェハ面内のエッチピット密度の測定をすることで、転位の評価を行った。
ウェハは、全領域に渡り、結晶側面部の砒化ホウ素の析出物に起因した転位の発生が皆無であり、また、転位密度は8cm−2以下であった。従って、転位密度が、極低転位密度(100cm−2以下)という条件では、転位密度に関する不良率は、零であった。
【0043】
次に、各GaAsウェハのキャリア濃度を、Van der Pauw法を用いたホール測定により求めた。得られたGaAs単結晶のキャリア濃度は、固化率0.06の位置で1.0×1018cm−3、固化率0.92の位置で3.7×1018cm−3であった。
ここで、固化率は、育生したGaAs単結晶の重量に対する部分割合を0〜1の重量比率で表わしたものである。例えば1000gの原料が固化した場合、結晶成長開始から300gのところを固化率0.3と表示する。
従って、育生したGaAs単結晶のキャリア濃度は、おおよそ、1.0×1018cm−3〜3.7×1018cm−3の範囲であった。
【0044】
(実施例2)
実施例1と同様の充填条件で12本のSiドープn型GaAs単結晶を成長させた。得られたGaAs単結晶の種結晶側から端部の全域に渡り、GaAs単結晶側面部の砒化ホウ素析出物に起因した転位の発生は皆無であった。
12本全てのGaAs単結晶の転位密度は、15cm−2以下であり、転位密度に関する不良率は零であった。
そして、固化率0.06と0.92の位置におけるGaAs単結晶のキャリア濃度は、それぞれ、0.96〜1.05×1018cm−3、3.50〜3.85×1018cm−3の範囲であった。
【0045】
(実施例3)
図2に示す方法を用いて、GaAs多結晶6000gに対し、不純物となるSiを1.32g(220wt・ppmに相当)、砒化ホウ素を420mg(2mm程度のサイズ約15〜19粒で、GaAs原料に対し7×10−3重量%に相当)と、さらに酸化ホウ素を、ルツボに充填した。
成長炉内を昇温して上記の原料を溶解し、上述した成長方法を用いて、定径部の直径が82mmのGaAs単結晶の成長を実施した。同一の条件で、合わせて9本のGaAs単結晶成長を行った。
【0046】
得られたGaAs単結晶9本の内3本のGaAs単結晶の側面において、固化率が0.76〜0.96の範囲に、2〜4個の砒化ホウ素の析出物が包含されていた。これは、添加した砒化ホウ素の量が若干過多であったため、一部が原料GaAs溶解時に側面側に巻き込まれてしまったものと考えられる。
6本の単結晶は、結晶側面の析出物に起因した転位の発生は皆無であったが、3本の結晶では転位密度に関する不良率が、15〜22%であり、9本での平均不良率は、6%であった。
【0047】
また、固化率0.06ならびに0.92の位置でのキャリア濃度は、それぞれ、7.0〜7.5×1017cm−3、2.8〜3.2×1018cm−3の範囲であった。
【0048】
(実施例4)
砒化ホウ素を昇温前の充填時に行わないこと以外、実施例3と同一条件の充填を行い、10本のGaAs単結晶を成長した。この場合、砒化ホウ素は、図3または図4に示すように、GaAs原料の溶解途中ないし溶解後に、ルツボ上部の砒化ホウ素投入機構部を用いて、GaAs融液上面の中央部分に添加した。
得られた10本のGaAs単結晶の側面には、砒化ホウ素の析出物は見られず、析出物に起因した転位の発生は皆無であった。
10本全てのGaAs単結晶での転位密度は12cm−2以下であり、転位密度に関する不良率は零であった。また、固化率0.06および0.92の位置におけるキャリア濃度は、それぞれ、7.0〜7.4×1017cm−3、2.8〜3.3×1018cm−3の範囲であった。
【0049】
次に、砒化ホウ素の添加量を変えたときの実施例について説明する。
(実施例5)
砒化ホウ素添加量が4×10−4重量%未満以外は、実施例3と同一条件で、10本のGaAs単結晶を成長させた。
成長後のGaAs単結晶定径部の表面に、10本中、6本に自然核発生による砒化ホウ素の析出物が生じ、GaAsウェハの転位密度が上昇し、LDの基板として使用できないものであった。
【0050】
(実施例6)
砒化ホウ素添加量が1×10−2重量%を越える以外は、実施例3と同一条件で、10本のGaAs単結晶を成長させた。
成長後のGaAs単結晶定径部の表面に、10本中、7本で添加した砒化ホウ素の余剰分がルツボ側面にも回り込み、それが核となって砒化ホウ素の析出が肥大化した。このため、GaAsウェハの転位密度が上昇し、LDの基板として使用できないものであった。
【0051】
次に、GaAs融液と液体酸化ホウ素との界面に砒化ホウ素を添加しない場合の比較例について説明する。
(比較例)
ルツボへ、6000gのアンドープGaAs多結晶と、不純物のSiを1.62g(GaAs多結晶に対して、270wt・ppmに相当)を、図2に示す方法で充填後、砒化ホウ素は充填しないで、さらに酸化ホウ素280gを充填したした。GaAs原料溶解後、上述の成長法により、定径部の直径が82mmのGaAs単結晶を同一条件で15本成長した。
成長後のGaAs単結晶定径部の表面に、15本中、9本に自然核発生による砒化ホウ素の析出物が生じた。自然核発生の発生位置は固化率にして0.68〜0.99であり、個数としては2〜8個であった。
しかし、GaAs単結晶定径に砒化ホウ素の析出物が生じた9本の結晶では、析出部が生じた部分からGaAs単結晶端部まで転位の発生と伝播が認められ、転位密度が100cm−2を越える部分があり、転位密度に関する不良率は24%であった。
【0052】
他方、残りの6本のGaAs単結晶では結晶側面部の析出物に起因した転位の発生は皆無であり、転位密度は16cm−2以下あったため転位密度に関する不良率は零であった。
なお、得られたGaAs単結晶のキャリア濃度は、固化率0.06の位置で0.94〜1.05×1018cm−3、固化率0.92の位置で、3.65〜3.93×1018cm−3であった。
従って、成長させた15本のGaAs単結晶の平均では、転位密度に関する不良率は、14.4%であった。
【0053】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態で<100>方位のGaAs単結晶の育生例を示したが、他の方位、例えば<111>方向でもよい。また、GaAsに限らず、InAsのようなAsを含む III−V族化合物半導体においても同様な効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、GaAs融液上面と液体酸化ホウ素との界面に予め砒化ホウ素を添加することで、GaAs融液側面への砒化ホウ素の析出を効果的に防止でき、砒化ホウ素析出物とGaAs単結晶との熱膨張差によって生じるスリップ転位の発生とその伝播による転位を効率よく防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法に用いるGaAs単結晶製造装置の構成を示す図である。
【図2】図1のルツボに原材料を充填するときのルツボ内の断面を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態による縦型ボート法を用いたGaAs単結晶の製造方法において、ルツボに砒化ホウ素を添加する別の方法の断面を示す模式図である。
【図4】本発明に係る実施の形態による縦型ボート法を用いたGaAs単結晶の製造方法において、ルツボに砒化ホウ素を添加するさらに別の方法の断面を示す模式図である。
【図5】従来の縦型ボート法によるGaAs単結晶育生時のルツボ内における砒化ホウ素析出物の発生を示す断面模式図である。
【図6】従来の縦型ボート法によるGaAs単結晶育生時のルツボ内における砒化ホウ素析出物の発生を示す断面模式図である。
【図7】砒化ホウ素析出物が単結晶側面に生じた状態を模式的に示す斜視図である。
【図8】図7のウェハ平面内の転位発生状況を示す模式的な平面図である。
【図9】図8の転位発生部の写真を示す図である。
【符号の説明】
1 縦型ボート法によるGaAs単結晶製造装置
2 GaAs原料融液
3 種結晶
4 液体酸化ホウ素
5 GaAs融液上面と液体酸化ホウ素の界面に配設される砒化ホウ素
6 ルツボ
6a ルツボの定径部6
6b ルツボの種結晶保持細管
6c ルツボのテーパー部
7 ヒーター
8 GaAs単結晶
9 GaAs多結晶
10 Si
11 砒化ホウ素
12 酸化ホウ素
13 砒化ホウ素投入機構部
Claims (8)
- GaAs融液上面に液体酸化ホウ素を配置し、不純物としてSiを添加する縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法であって、
上記GaAs融液上面と上記液体酸化ホウ素との界面に予め砒化ホウ素を添加し浮遊させながら、上記GaAs単結晶を育生することを特徴とする、縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。 - 前記不純物のSi及び前記液体酸化ホウ素の酸化還元反応によって遊離したホウ素と前記GaAs融液中のAsとが反応して生じる砒化ホウ素を、前記GaAs融液上面と前記液体酸化ホウ素との界面に予め添加する砒化ホウ素を核として析出させることで、前記GaAs融液を収容するルツボと前記GaAs融液間で発生する新たな砒化ホウ素の析出を抑制することにより転位発生を防止することを特徴とする、請求項1に記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。
- 前記砒化ホウ素の添加時期が、前記GaAs融液となる原料の充填段階であることを特徴とする、請求項1または2に記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。
- 前記砒化ホウ素の添加時期が、前記GaAs融液となる原料の溶解段階中、または原料の溶解終了後かつ結晶成長前であることを特徴とする、請求項1または2に記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。
- 前記砒化ホウ素の添加量が、前記GaAs融液となる原料に対して4×10−4〜1×10−2重量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。
- 前記GaAs単結晶中のキャリア濃度が、2×1017〜4×1018cm−3であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造方法。
- ルツボ内のGaAs融液上面に液体酸化ホウ素を配置した縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置であって、
上記ルツボ上部に、砒化ホウ素を投入する砒化ホウ素投入機構部を備えたことを特徴とする、縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置。 - 前記砒化ホウ素投入機構部を用いて、前記GaAs融液の原料の溶解段階中、または原料の溶解終了後に、前記ルツボへ前記砒化ホウ素が投入されることを特徴とする、請求項7に記載の縦型ボート法によるGaAs単結晶の製造装置。
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