JP2003137699A - InP単結晶およびその製造方法 - Google Patents

InP単結晶およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】InP単結晶の生産性を低下させることなく、
皿状腐食孔を完全に無くしたInP単結晶基板を製造す
ることができるInP単結晶基板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】InP原料を融解して原料融液を形成した
後、雰囲気ガスの圧力をInPの解離圧以上30kg/
cm2以下とし、原料融液の温度を単結晶育成温度より
高くした状態で2時間以上該原料融液を保持し、その後
30kg/cm2を越える所定の圧力に雰囲気ガスを昇
圧し、原料融液の温度を単結晶育成温度に下げて、In
P単結晶を育成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザーダイオー
ド、受光素子等の光通信用デバイスや、IC等の電子デ
バイスの製造に供されるInP単結晶およびその製造方
法に関し、更に詳しくは、結晶欠陥の発生を低く抑える
ことができるInP単結晶およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】InP単結晶基板は、光通信に用いられ
るレーザーダイオードや受光素子を製作するための基板
として使用されている。またFeをドープして半絶縁性
にしたInP単結晶基板は、シリコンやGaAsなどよ
りも更に高周波特性に優れたICを製作するための基板
として注目されている。
【0003】しかしながら、InP単結晶は結晶欠陥が
発生しやすいという欠点を有する。この結晶欠陥を有す
るInP単結晶基板上に、レーザーダイオードや受光素
子等の動作層となるエピタキシャル層を形成すると、エ
ピタキシャル層に基板の欠陥が引き継がれて、エピタキ
シャル層の結晶性が損なわれる。その結果、結晶欠陥の
多いInP単結晶基板を使用した場合、レーザーダイオ
ードや受光素子等の特性や信頼性、歩留まりの低下を招
いていた。
【0004】そのため、エピタキシャル層に引き継がれ
る欠陥の量を少なくする目的で、基板とエピタキシャル
層との間にバッファー層を挿入する等の工夫を行ってい
るが、欠陥の引き継ぎを完全になくすことはできていな
い。
【0005】また従来、InP単結晶基板の結晶欠陥と
しては転位が注目されていて、転位の少ない単結晶を育
成する技術が数多く提案されてきた。しかしながら、最
近では転位以外の欠陥にも注目が及ぶようになってき
た。
【0006】InP単結晶基板の転位密度を測定するた
めに、フーバーエッチング液と呼ばれる、燐酸と臭化水
素酸の混酸でエッチングする方法が確立されている。こ
の方法でエッチングされた基板の表面を観察すると、転
位に起因して発生した芯のある腐食孔の他に、少数であ
るが芯のない皿状腐食孔と呼ばれるものが観察される場
合がある。この皿状腐食孔もInP単結晶基板の何らか
の結晶欠陥に関係していると考えられるため、この皿状
腐食孔に注目してこれを低減させるためのInP単結晶
の製造方法が、特公平7−55880号公報に開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記文献に開示されて
いるInP単結晶基板の欠陥を低減するためのInP単
結晶の製造方法は、単結晶育成炉内を不活性ガスで満た
した状態で温度をほぼ一定に保ったまま、原料融液を5
時間以上放置したのちInP単結晶の育成を開始すると
いう方法である。この方法により、基板の皿状腐食孔の
密度を10個/cm2以下にすることができたと、上記文
献には記載されている。しかし上記の方法には、皿状腐
食孔を完全に無くすことはできない、或いは5時間以上
融液を保持するため、InP単結晶の生産性が低下する
といった問題があった。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みなされたもの
で、InP単結晶の生産性を低下させることなく、皿状
腐食孔を完全に無くしたInP単結晶基板を製造するこ
とができるInP単結晶基板の製造方法、およびその製
造方法で製造したInP単結晶を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)InP単結晶を原料融液から育成するInP単結
晶の製造方法において、InP原料を融解して原料融液
を形成した後、雰囲気ガスの圧力をInPの解離圧以上
30kg/cm2以下とし、原料融液の温度を単結晶育
成温度より高くした状態で2時間以上該原料融液を保持
し、その後30kg/cm2を越える所定の圧力に雰囲
気ガスを昇圧し、原料融液の温度を単結晶育成温度に下
げて、InP単結晶を育成することを特徴とするInP
単結晶の製造方法。 (2)原料融液の温度を単結晶育成温度より10℃以上
高くした状態で3時間以上該原料融液を保持することを
特徴とする上記(1)に記載のInP単結晶の製造方
法。 (3)原料融液の温度を単結晶育成温度より30℃以上
高くした状態で2時間以上該原料融液を保持することを
特徴とする上記(1)に記載のInP単結晶の製造方
法。 (4)原料融液の温度を単結晶育成温度より高くした状
態で該原料融液を保持する時間を5時間未満としたこと
を特徴とする上記(1)ないし(3)に記載のInP単
結晶の製造方法。 (5)封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用する単
結晶引上げ法によりInP単結晶を育成することを特徴
とする上記(1)ないし(4)に記載のInP単結晶の
製造方法。 (6)原料融液の温度を単結晶育成温度より高くした状
態で該原料融液を保持する間、原料融液を入れたルツボ
を15rpm以上の回転数で回転させることを特徴とす
る上記(5)に記載のInP単結晶の製造方法。 (7)封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用する縦
型ブリッジマン法によりInP単結晶を育成することを
特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のInP単結
晶の製造方法。 (8)封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用する縦
型温度勾配凝固法によりInP単結晶を育成することを
特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のInP単結
晶の製造方法。 (9)上記(1)ないし(8)に記載のInP単結晶の
製造方法で製造したInP単結晶。 である。ここで、ガス圧力の30kg/cm2とは、ゲ
ージ圧力のことである。
【0010】
【発明の実施の形態】InP単結晶基板では、前述した
皿状腐食孔とは別に、基板の表面をミラー状に研磨する
際に現れるピットが問題となっていた。このピットのサ
イズは、基板の研磨条件やその後の洗浄あるいはエッチ
ング条件によって異なるが、直径数μm前後である。こ
のピットが発生すると、InP単結晶基板に製品として
の価値がなくなるため、基板の製品歩留まりを低下させ
てしまうという問題があった。
【0011】本発明者は、このInP単結晶基板の研磨
された表面に現れるピットを調査している内に、このピ
ットと皿状腐食孔との間に関係があることを見いだし
た。すなわち、InP単結晶基板に皿状腐食孔が存在す
る場合、その同じ単結晶から切り出した基板をミラー状
に研磨すると必ず前記のピットが発生するのである。そ
して皿状腐食孔の密度が高い場合、研磨された表面に発
生するピットの密度も高いのである。
【0012】さらに本発明者は、研磨された表面に発生
するピットを解析した結果、このピットの原因が酸化イ
ンジウムであることを突き止めた。そこで本発明者は、
この酸化インジウムを分解し蒸発させてしまうために、
InP原料を融解した後InP単結晶の育成を開始する
までの間、原料融液の温度を単結晶育成温度より高くし
た状態で、育成炉内の雰囲気ガスの圧力を出来るだけ下
げて原料融液を保持することに想到し、本発明に至った
ものである。
【0013】本発明では、InP原料を融解して原料融
液を形成した後、InP単結晶の育成を開始するまでの
間、雰囲気ガスの圧力をInPの解離圧以上30kg/
cm2以下とし、原料融液の温度を単結晶育成温度より
高くした状態で2時間以上該原料融液を保持する。これ
により、InP原料融液中の酸化インジウムが分解・蒸
発する結果、作製されるInP単結晶基板において、皿
状腐食孔や研磨された表面に発生するピットを防止する
ことが出来る。
【0014】本発明においては、原料融液を保持する雰
囲気のガス圧力をInPの解離圧以上30kg/cm2
以下とする。酸化インジウムを分解し蒸発させてしまう
ためには、雰囲気ガスの圧力は、低い方が望ましい。し
かし原料融液のInPの解離を防ぐため、ガス圧力はI
nPの解離圧以上とする。また、雰囲気ガスの圧力を3
0kg/cm2以上とすると、酸化インジウムの分解・
蒸発の速度が遅くなってしまうため好ましくない。
【0015】また、本発明においては、保持する際の原
料融液の温度を単結晶育成温度より高くする。原料融液
を保持する温度は、単結晶育成温度より10℃以上高い
のが好ましく、30℃以上高いとさらに好ましい。原料
融液の保持温度が高い方が、酸化インジウムの分解・蒸
発を促進することが出来る。しかし、原料融液の保持温
度が高すぎると、InPの解離圧も高くなってしまうた
め、保持温度は単結晶育成温度より50℃以上高くしな
いことが好ましい。
【0016】本発明においては、原料融液の温度を単結
晶育成温度より高くした状態で2時間以上該原料融液を
保持すると、皿状腐食孔や研磨された表面に発生するピ
ットを防止する効果が見られる。また、原料融液の保持
温度をより高くすると、保持時間を短縮することができ
る。
【0017】例えば、原料融液の温度を単結晶育成温度
より10℃以上高くした場合、3時間以上該原料融液を
保持すると本発明の効果は顕著となる。また、原料融液
の温度を単結晶育成温度より30℃以上高くした場合、
2時間以上該原料融液を保持すると本発明の効果は顕著
となる。
【0018】また、原料融液を保持する時間は、長い方
が酸化インジウムの分解・蒸発が進行するが、5時間以
上では効果に差がなく、InP単結晶の生産性が悪くな
るため、保持する時間は5時間未満とするのが好まし
い。
【0019】図1に、封止剤として酸化ホウ素(B
23)を使用する単結晶引上げ法によりInP単結晶を
育成した場合に、原料融液を保持する条件により、In
P単結晶基板にピットが発生する割合(ピット発生率:
%)が変化する様子を示す。
【0020】図1で黒丸●は、原料融液を保持する雰囲
気ガスの圧力を30kg/cm2に設定した場合の、保
持時間とInP単結晶基板のピット発生率との関係を示
している。また図1で白丸○は、原料融液を保持する雰
囲気ガスの圧力を40kg/cm2に設定した場合の、
保持時間とInP単結晶基板のピット発生率との関係を
示している。なお、両方の場合とも、原料融液を保持す
る温度は、単結晶育成温度より10℃高い温度とした。
【0021】図1より、原料融液を保持する雰囲気ガス
の圧力を30kg/cm2に設定した場合、融液の保持
時間を3時間以上にすると、ピットの発生率が0%にな
ることが分かる。これに対して、原料融液を保持する雰
囲気ガスの圧力を40kg/cm2に設定した場合、融
液の保持時間が5時間以上でも、ピットの発生率は0%
となっていない。
【0022】本発明では、原料融液の保持の後、30k
g/cm2を越える所定の圧力に雰囲気ガスを昇圧し、
原料融液の温度を単結晶育成温度に下げて、InP単結
晶の育成を開始する。雰囲気ガスを所定の圧力に昇圧す
る操作と原料融液の温度を単結晶育成温度に温度を下げ
る操作とは、同時でも良く、またどちらが先でも構わな
い。単結晶の育成は、原料融液の温度を変化させた後、
温度が安定してから行うのが好ましい。
【0023】本発明において、単結晶を育成する雰囲気
ガスには、アルゴン(Ar)や窒素(N2)等の不活性
ガスを用いることが出来る。また、本発明において、原
料融液の保持の間に、温度を単結晶育成温度から単結晶
育成温度より50℃高い温度の範囲で変化させても構わ
ない。また、雰囲気ガス圧力をInPの解離圧から30
kg/cm2の範囲で変化させても構わない。
【0024】本発明のInP単結晶の製造方法は、封止
剤として酸化ホウ素(B23)を使用する単結晶引上げ
法によりInP単結晶を育成する場合に有効に用いるこ
とが出来る。
【0025】本発明において、上記の単結晶引上げ法に
よりInP単結晶を育成する場合に、原料融液を保持す
る間、原料融液を入れたルツボを15rpm以上の回転
数で回転させると、原料融液が強制対流により撹拌され
るので、酸化インジウムの分解・蒸発は促進され、効果
はより顕著になる。この場合、ルツボの回転の途中で、
ルツボの回転数を15rpm以上の範囲で変化させても
構わない。またルツボの回転の途中で、回転方向を逆転
させる操作を行っても良い。
【0026】また本発明のInP単結晶の製造方法は、
封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用する縦型ブリ
ッジマン法によりInP単結晶を育成するInP単結晶
の製造方法にも用いることが出来る。
【0027】また本発明は、封止剤として酸化ホウ素
(B23)を使用する縦型温度勾配凝固法によりInP
単結晶を育成するInP単結晶の製造方法にも用いるこ
とが出来る。
【0028】
【実施例】以下、本発明のInP単結晶の製造方法を実
施例により詳述する。但し本発明は、以下の実施例に限
定されるものではない。
【0029】(実施例1)本実施例1では、封止剤とし
て酸化ホウ素(B23)を使用する単結晶引上げ法(L
EC法)により、InP単結晶を製造した。InP単結
晶の育成は、以下の手順で行った。
【0030】直径100mmのPBN製ルツボに、純度
6NのInP多結晶原料1000gとドーパントとして
In23を0.4g、そして液体封止剤として300g
のB23を入れ、単結晶育成炉(引上げ炉)内に設置し
た。
【0031】引上げ炉内をアルゴンガスで置換し、ヒー
ターに直流電流を流し炉内温度を上昇させ、ルツボ内の
23とInP原料を融解した。原料融解後、炉内の温
度を単結晶育成温度より10℃高い温度に設定した。単
結晶育成温度とは、通常原料融液とInP単結晶の固液
界面がInPの融点になる温度であるが、実際には、こ
の実験の前に数回、実際にInP単結晶育成を実施した
温度の平均とした。
【0032】引き続き炉内のアルゴンガスを調整して、
圧力を30kg/cm2に設定し3時間保持した。保持
終了後、炉内にアルゴンガスを供給して炉内のガス圧力
を40kg/cm2に加圧し、炉内の温度を単結晶育成
温度に設定した。そして上軸に取り付けられた種結晶を
融液に接触させて、InP単結晶の引き上げを開始し
た。
【0033】上記方法によりInP単結晶を10本育成
した。実際に単結晶引上げを開始した温度と、融液を保
持した温度との差は8〜13℃の間であった。
【0034】育成されたInP単結晶のシード側とテー
ル側からウェーハを1枚ずつ切り出して、フーバーエッ
チング液でエッチングをして、表面を顕微鏡で観察し
た。その結果、10本の単結晶全てにおいて皿状腐食孔
は全く観察されなかった。
【0035】次に上記10本の単結晶をスライスし、全
ウェーハをミラー状に研磨し、洗浄を行った後、最終的
に研磨ダメージを除去するためのライトエッチングを行
った。この様にして得られた全てのウェーハの表面を目
視及び顕微鏡で観察した結果、ピットは全く観察されな
かった。
【0036】(実施例2)本実施例2では、実施例1と
同様に、PBN製のルツボにInP多結晶原料1000
gとドーパントのIn23を0.4g、B23を300
g入れ、実施例1と同じ手順でルツボ内のB23と原料
を融解した。
【0037】原料融解後、炉内の温度を単結晶育成温度
より30℃高い温度に設定し、引き続き炉内のアルゴン
ガスを調整して圧力を30kg/cm2に設定し2時間
保持した。
【0038】保持終了後、炉内にアルゴンガスを供給し
て炉内ガス圧を40kg/cm2に加圧し、炉内の温度
を単結晶育成温度に設定した。そして上軸に取り付けら
れた種結晶を融液に接触させ、単結晶引き上げを開始し
た。
【0039】上記方法により5本のInP単結晶を育成
した。実施例1と同じ手順で、結晶のシード側とテール
側から切り出したウェーハの皿状腐食孔の有無を観察し
たが、皿状腐食孔は全く観察されなかった。また、実施
例1と同じ手順でミラー状に研磨した表面の観察を行っ
たが、ピットの発生は認められなかった。
【0040】(比較例1)実施例1と同様に、PBN製
のルツボにInP多結晶原料1000gとドーパントの
In23を0.4g、B23を300g入れ、実施例1
と同じ手順でルツボ内のB23と原料を融解した。原料
融解後、炉内の温度を単結晶育成温度より10℃高い温
度に設定し、炉内圧力を40kg/cm2に調整して3
時間保持した。3時間の保持の後、炉内の温度を単結晶
育成温度に設定した。そして上軸に取り付けられた種結
晶を融液に接触させ、単結晶引き上げを開始した。
【0041】上記方法により10本のInP単結晶を育
成した。育成したInP単結晶について、実施例1と同
じ手順で、結晶のシード側とテール側から切り出したウ
ェーハの皿状腐食孔の有無を観察した結果、5本の結晶
では皿状腐食孔は全く見られなかったが、4本の結晶で
はシード側のウェーハに、また1本の結晶ではシード側
とテール側双方のウェーハに皿状腐食孔が観察された。
【0042】次に実施例1と同じ手順で、10本の単結
晶についてミラー状に研磨した表面の表面観察を行っ
た。その結果、皿状腐食孔が見られなかった5本の結晶
では、ピットは観察されなかった。また、シード側で皿
状腐食孔が観察された4本の結晶では、シード側から3
0枚ないし50枚のウェーハでピットが認められた。さ
らに、シード側とテール側で皿状腐食孔が見られた1本
の結晶では、全ウェーハにピットが観察された。
【0043】
【発明の効果】本発明によって製造したInP単結晶か
ら作製したInP単結晶基板では、フーバーエッチング
液でエッチングした際に生じる皿状腐食孔の発生を防止
することができた。さらに本発明により、InP単結晶
基板のミラー状に研磨した表面に発生するピットを完全
に防止することが可能となった。このことにより、In
P単結晶基板の製品歩留まりを飛躍的に向上させること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料融液の保持条件とInP単結晶基板のピッ
ト発生率との関係を示す図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】InP単結晶を原料融液から育成するIn
    P単結晶の製造方法において、InP原料を融解して原
    料融液を形成した後、雰囲気ガスの圧力をInPの解離
    圧以上30kg/cm2以下とし、原料融液の温度を単
    結晶育成温度より高くした状態で2時間以上該原料融液
    を保持し、その後30kg/cm2を越える所定の圧力
    に雰囲気ガスを昇圧し、原料融液の温度を単結晶育成温
    度に下げて、InP単結晶を育成することを特徴とする
    InP単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】原料融液の温度を単結晶育成温度より10
    ℃以上高くした状態で3時間以上該原料融液を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のInP単結晶の製造
    方法。
  3. 【請求項3】原料融液の温度を単結晶育成温度より30
    ℃以上高くした状態で2時間以上該原料融液を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のInP単結晶の製造
    方法。
  4. 【請求項4】原料融液の温度を単結晶育成温度より高く
    した状態で該原料融液を保持する時間を5時間未満とし
    たことを特徴とする請求項1ないし3に記載のInP単
    結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用
    する単結晶引上げ法によりInP単結晶を育成すること
    を特徴とする請求項1ないし4に記載のInP単結晶の
    製造方法。
  6. 【請求項6】原料融液の温度を単結晶育成温度より高く
    した状態で該原料融液を保持する間、原料融液を入れた
    ルツボを15rpm以上の回転数で回転させることを特
    徴とする請求項5に記載のInP単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用
    する縦型ブリッジマン法によりInP単結晶を育成する
    ことを特徴とする請求項1ないし4に記載のInP単結
    晶の製造方法。
  8. 【請求項8】封止剤として酸化ホウ素(B23)を使用
    する縦型温度勾配凝固法によりInP単結晶を育成する
    ことを特徴とする請求項1ないし4に記載のInP単結
    晶の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8に記載のInP単結晶の
    製造方法で製造したInP単結晶。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7046242B1 (ja) 2021-02-02 2022-04-01 Jx金属株式会社 リン化インジウム単結晶インゴットの製造方法及びリン化インジウム基板の製造方法

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