JP2002246396A - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
エピタキシャルウェーハの製造方法Info
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Abstract
バルク部分のゲッタリング能力の大きいエピタキシャル
ウェーハの製造方法の提供。 【解決手段】グロウンイン欠陥が板状または棒状であ
り、さらに表面に存在する該欠陥の(100)面での長
さが0.12μm以上であるものの存在密度が、0.3個/cm2
以下である単結晶基板上にエピタキシャル膜を形成させ
るエピタキシャルウェーハの製造方法。
Description
素子に使用されるシリコン単結晶、およびその単結晶か
ら得られる集積回路を形成させるための、エピタキシャ
ルウェーハに関する。
バイス)の高密度化傾向は、急速に進行しており、デバ
イスを形成させるシリコンウェーハの品質への要求は、
ますます厳しくなっている。すなわち集積が高密度化す
るほど回路は繊細となるので、リーク電流の増大やキャ
リアのライフタイム短縮原因となる、転位などの結晶欠
陥、およびドーパント以外の金属系元素の不純物は、こ
れまでよりはるかに厳しく制限される。
キー単結晶引き上げ法)による、シリコン単結晶より切
り出したウェーハが用いられてきた。CZ法では、石英
るつぼ内のシリコン溶融液に種結晶を浸けて引上げ、成
長させて単結晶が製造されるが、引上げ育成技術の進歩
により、欠陥の少ない無転位の大型単結晶が製造される
ようになっている。しかしながら、石英るつぼを用いる
ことによる酸素の含有や、液相のシリコン融液から固相
の単結晶を直接成長させることにともなう格子欠陥、す
なわちグロウンイン(grown-in)欠陥の発生は避けがた
い。
製時の熱履歴によって析出し結晶欠陥を生じさせるの
で、デバイスが形成される活性領域に析出すると不良品
を発生させ歩留まりを劣化させる。grown-in欠陥もデバ
イス活性領域での存在は性能低下の原因となる。このデ
バイスが形成される活性領域は、通常、表面から20μm
以内であり、ウェーハの表面層だけに限られる。そこ
で、CZ法で作られた単結晶によるウェーハを基板材と
し、その表面に結晶格子が整合する不純物が極めて少な
く欠陥のない結晶薄膜を形成させ、これを活性領域とす
るエピタキシャルウェーハが多用されるようになってい
る。
は、従来、高ボロン濃度のシリコン単結晶が用いられて
きた。これは、製造過程で汚染が生じやすい電気特性を
劣化させる不純物金属元素のゲッタリング効果が大きい
からである。ところが最近では、デバイスに対する様々
な要求の変化や、基板からエピタキシャル膜へのボロン
の拡散などから、基板のボロン濃度が低減される傾向に
ある。しかしボロン濃度を下げるとゲッタリング能力が
低くなるという問題があり、他の手段によるゲッタリン
グ能力の維持が必要となってくる。
る欠陥(BMD:Bulk Micro Defect)は、不純物金属
元素のゲッタリングサイトとして有効に作用する。ウェ
ーハ表層の活性領域での酸素析出は避けねばならない
が、ウェーハ内部にはこのBMDが多く存在することが
望ましく、エピタキシャルウェーハ用の単結晶基板とし
ても同様であり、上記のようにボロン濃度を低減する場
合、それを補う目的でBMDはより多く含まれることが
好ましい。
ル膜形成は、ほとんどの場合CVD法が適用される。こ
れは、SiCl4やSiHCl3などの原料ガスをキャ
リアガスとともに反応炉内に導入し、単結晶基板上で熱
分解させ形成させる。ところがこのCVDの過程で単結
晶基板は1100℃近傍の高温に加熱されるため、酸素析出
の核が消失し、ゲッタリング作用のあるBMDの形成が
不十分になるという問題がある。
用いる単結晶基板のBMDを均一かつ高密度に生成さ
せ、さらに安定化させるために、単結晶引き上げ速度を
制御したり、例えば特開平11-189493号公報あるいは特
開2000-44389号公報に開示された発明のように、窒素な
ど他元素ををドープする方法が考えられている。しか
し、酸素析出物の安定性が増すと、エピタキシャル膜中
に転位や積層欠陥など増大する傾向がある。
しも明らかではないが、酸素析出物やgrown-in欠陥に起
因していると推測される。このように、内部のバルク部
分はゲッタリング能力に優れたBMDが高密度に存在
し、表面は欠陥の極めて少ないエピタキシャル膜が形成
されている望ましい形態のエピタキシャルウェーハが、
安定して十分に得られているとは言い難い。
のエピタキシャル膜の欠陥が極めて少なく、かつバルク
部分のゲッタリング能力の大きいエピタキシャルウェー
ハの製造方法の提供にある。
板内部にゲッタリングシンクとなるBMDが高密度に存
在し、かつ表面のエピタキシャル膜の欠陥はできるだけ
少ない、エピタキシャルウェーハを作製するための条件
を種々検討した。その過程で、機構については必ずしも
明らかではないが、エピタキシャル膜の欠陥発生に対
し、単結晶基板の酸素析出物やgrown-in欠陥が関係して
いると推測された。
歴等とエピタキシャル膜欠陥発生との関係を調べていく
と、次のようなことが明らかになった。まず基板表面に
生じる酸素析出物は、エピタキシャル膜の欠陥発生に大
きく影響する。しかし、酸素量が1×1018atoms/cm3
程度の単結晶基板の場合、通常適用される単結晶引上げ
条件範囲では、単結晶基板表面に酸素析出物はほとんど
現れず、エピタキシャル膜への影響は無視できると考え
られた。
の観察は、主として原子力間力顕微鏡(AFM:Atomic
Force Microscopy)を用いておこなった。このgrown-i
n欠陥は、多ければそれだけエピタキシャル膜の欠陥が
増すという単純な傾向を示すのではなく、その形状、大
きさおよび数により、エピタキシャル膜欠陥が発生した
り、しなかったりすることが明らかになってきた。
洞で多面体形状のものと板状または棒状のものがある。
多面体形状のものは正八面体に近いものであり、板状ま
たは棒状のものは正八面体の平行な二辺がとくに長く伸
びたものと考えられる。この欠陥の形状とエピタキシャ
ル膜の欠陥発生とを対比してみると、存在するgrown-in
欠陥が多面体形状である単結晶基板の上に形成されたエ
ピタキシャル膜には欠陥発生が少なく、その欠陥形状が
板状または棒状である単結晶基板ではエピタキシャル膜
の欠陥発生が多いことがわかった。ただし、grown-in欠
陥の形状が板状または棒状であっても、その大きさが小
さければエピタキシャル膜の欠陥発生は少ない。
欠陥の形状とも密接な関係あることが見出された。すな
わちgrown-in欠陥が多面体形状である場合はBMDの発
生が少なく存在密度が低いのに対し、板状または棒状で
ある場合にはBMDの存在密度が高くなる。したがっ
て、grown-in欠陥は板状または棒状であって、しかも大
きなものが存在しない単結晶基板が好ましい。
欠陥発生、またはBMDの存在密度に、どのようにして
影響を及ぼすのかは明らかではない。しかしながら、単
結晶基板のgrown-in欠陥の形状やその量が、エピタキシ
ャルウェーハの膜の欠陥発生の多少、およびBMDの存
在密度の大小によく対応し、単結晶基板の段階にてその
良否を判定できることがわかったのである。
に区分するため、次のように定義した。電子顕微鏡を用
いて(100)面に平行な断面にて観察すると、多面体形
状欠陥では正方形ないしはそれに近い形状になってお
り、板状または棒状欠陥では長方形ないしは平行四辺形
である。この2種の欠陥形状について、長辺に平行な方
向に計った欠陥の全長に対するこれと直角な方向に計っ
た幅の比が、0.5を超える場合を多面体形状とし、0.5以
下の場合を板状または棒状として区分することにした。
また、長辺方向の全長を、この欠陥の大きさとした。な
お欠陥が二つ連結したツインと呼ばれる形状の場合は、
分解して独立した二つの欠陥と見なし、それぞれを評価
した。このようにgrown-in欠陥を定義して、AFMまた
は透過型電子顕微鏡にて欠陥の形状、大きさおよび密度
を実測し、その単結晶基板にエピタキシャル膜を形成さ
せ、得られたウェーハの膜の欠陥およびバルクの基板で
のBMDとの関係を調査した。
晶基板のgrown-in欠陥の影響について種々調査していく
過程で、それが強く表れる特定の大きさのあることかわ
かってきた。板状または棒状欠陥の大きさすなわち全長
が、ある大きさを境にしてそれより大きければエピタキ
シャル膜の欠陥発生に強く影響するが、小さければ影響
が少ない。したがってその大きさ以上の板状または棒状
のgrown-in欠陥に着目し、これの少ない単結晶基板を用
いればよいのである。
ャルウェーハを得るためのすぐれた指針となることがわ
かったので、次にこのようなgrown-in欠陥形態を安定し
て得ることのできる単結晶製造方法を検討した。その結
果、融液組成として窒素を高濃度に添加して、引き上げ
単結晶の特定の温度域での冷却速度を大きくする、とい
う条件にて単結晶を育成すれば、板状または棒状でかつ
微細に分散したgrown-in欠陥形態が実現できることがわ
かった。そこでさらにこれらの限界条件を明確にし、本
発明を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
らに表面に存在する該欠陥の、(100)面での長さが
0.12μm以上であるものの存在密度が、0.3個/cm2以下
である単結晶基板上にエピタキシャル膜を形成させるこ
とを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
の製造方法は、エピタキシャル膜を形成させる単結晶基
板に存在するgrown-in欠陥の、大きさ、形状および存在
密度を限定する。これは、これらgrown-in欠陥の形態
が、得られたエピタキシャルウェーハのエピタキシャル
膜の欠陥、および不純物重金属元素のゲッタリングサイ
トとなるBMDの存在量と、密接な関係を有するからで
ある。すなわち、エピタキシャル膜形成前の単結晶基板
に存在するgrown-in欠陥は、板状または棒状であり、そ
の単結晶基板のエピタキシャル膜を形成させる面には、
(100)面での長さが0.12μm以上である欠陥の数が
0.3個/cm2以下であることとする。
く板状または棒状とするのは、この形状になっておれば
BMD密度が高くなり、ゲッタリング性能のすぐれたエ
ピタキシャルウェーハが製造できるからである。そして
単結晶基板表面において、この板状または棒状の大きさ
が0.12μm以上である欠陥数が、0.3個/cm2以下である
こととするのは、このような欠陥の数が0.3個/cm2を
超えると、その上に形成されるエピタキシャル膜の欠陥
が増加するからである。さらに、この大きさが0.12μm
以上である欠陥数を基板表面にて0.3個/cm2以下とす
ることは、基板内部のBMD生成密度をより高くすると
いう効果も得られる。
は、原子力間顕微鏡(AFM)を用いた直接観察による
ものである。実際には観察面上のgrown-in欠陥の形状を
表面検査装置(たとえばKLAテンコール社製SP−
1)を用いて発生位置を確認した後、その部分をAFM
により観察する。欠陥の形状および大きさの検出方法と
しては、この方法の他、薄膜化して透過型電子顕微鏡観
察または表面の走査型電子顕微鏡観察による直接観察
か、偏光赤外線または赤外線レーザの散乱光強度計測に
よる間接測定でもよい。
て、ライト液エッチング後光学顕微鏡観察により計測す
る。またエピタキシャル膜の欠陥は、上記表面検査装置
を用いてその存在密度を測定できる。
または棒状となっているエピタキシャルウェーハ用基板
を得るための単結晶の育成条件は、融液の窒素濃度を1
×10 14〜1×1015atoms/cm3とし、かつ育成中単結
晶の1100℃から900℃までの温度域における冷却速度を5
℃/min以上とするのが好ましい。
が、多面体から板状あるいは棒状に変化してくる。その
上窒素の含有は、結晶内に形成される酸素析出物の熱的
な安定性を増加させ、高温の熱処理が施されても酸素析
出物が容易には消失しなくなり、BMDのゲッタリング
作用を高く維持させる効果がある。これらの効果は、窒
素濃度が1×1014atoms/cm3未満では十分に得られな
いので、これより高くすることが望ましい。しかし、1
×1015atoms/cm3を超えて高くすると、多結晶化する
おそれがある。
度域における冷却速度を、5℃/min以上とするとよいの
は、grown-in欠陥の大きさが小さくなり、そして酸素析
出物の発生密度が増大するからである。
の形状は変化するが、その大きさは安定せず、酸素析出
物は熱的な安定性が増しても発生密度が低いことがあ
る。これに対し上記温度域にて冷却速度を5℃/minとす
ることにより、窒素を高めた効果が十分発揮されるよう
になる。これは、1100℃から900℃までは、grown-in欠
陥が形成され酸素析出物の核が形成される温度域であ
り、この温度域の冷却速度を速くすることによって、gr
own-in欠陥の大きさが小さくなり、かつ酸素析出物の核
が均一に多数分散するようになるためと推定される。冷
却速度が5℃/min未満では、grown-in欠陥が大きな状態
で発生し、ウェーハ内部の酸素析出物の密度が低くな
る。しかしこの温度域の冷却速度は速くしすぎると、単
結晶が割れるおそれがあるので、20℃/min以下とする
のが望ましい。
は12インチ(300mm)のp型(ボロンドープ:1.5×10
16atoms/cm3、比抵抗1〜3Ωcm)のシリコン単結晶
を、酸素濃度は7〜8.5×1017 atoms/cm3のほぼ一定
として、窒素濃度および単結晶冷却速度を変えて育成し
た。これらの単結晶中央部のほぼ同一の位置から切り出
した厚さ0.7mmの基板を使用し、キャリアガスを水素と
してSiHCl3を供給し1150℃にて表面に厚さ4.0μm
のエピタキシャル膜を形成させた。このときの成長速度
は3μm/minとした。
ンコール社製SP1)にてまず単結晶の基板面における
位置と数を確認した。その欠陥位置100箇所をランダム
に選択して、AFMを用いてその形状および大きさを計
測し、大きさが0.12μm以上の板状または棒状欠陥の面
密度を求めた。エピタキシャル膜の欠陥は、上記の表面
検査装置を用い、その表面密度を求めた。
以上の板状または棒状grown-in欠陥の存在密度と、その
上に形成させたエピタキシャル膜の欠陥密度との関係の
調査例を図1に示す。これから明らかなように、単結晶
基板の上記板状または棒状のgrown-in欠陥を0.3個/cm
2以下とすれば、エピタキシャル膜の欠陥が極めて少な
いエピタキシャルウェーハが製造できることがわかる。
濃度を1×1014atoms/cm3とした場合および4×1014
atoms/cm3とした場合について、それぞれ1100℃から90
0℃の温度範囲を3℃/minまたは5℃/minの冷却速度と
して単結晶を育成した。他の条件はすべて実施例1と同
じである。これらの単結晶から採取した基板について、
実施例1と同様、表面のgrown-in欠陥存在密度を測定
し、さらにエピタキシャル膜を成長させた。このエピタ
キシャルウェーハにて、1000℃、16時間の熱処理をおこ
なって酸素析出物を成長させた後、ウェーハを劈開破壊
してライト液にてエッチング処理し、光学顕微鏡で観察
して内部の酸素析出物すなわちBMD密度を測定した。
基板表面における大きさ0.12μm以上の板状または棒状g
rown-in欠陥の存在密度と、内部のBMDの密度との関
係を図2に示す。
ない場合は、冷却速度の如何に関わりなく板状または棒
状のgrown-in欠陥は観察されず、BMD密度も低い。窒
素を添加した場合、板状または棒状の大きさ0.12μm以
上のgrown-in欠陥が発生してくるが、単結晶の1100℃か
ら900℃の間の冷却速度が3℃/minでは、この大きな欠
陥が多くBMD密度は低い。これに対し、窒素を添加
し、かつ上記温度範囲の冷却速度が5℃/minである場合
は、板状または棒状の大きさ0.12μm以上のgrown-in欠
陥密度が0.3個/cm3以下であり、BMDは高密度で存
在している。
900℃までという特定の温度域における冷却速度を大き
くすることで、大きなgrown-in欠陥の少ない単結晶基板
が得られ、それによってエピタキシャル膜の欠陥が極め
て少なく、しかもBMD密度が高いゲッタリング性能の
すぐれたウェーハが製造できることがわかる。
陥が極めて少なく、しかも不純物重金属元素のゲッタリ
ング能力のすぐれたのエピタキシャルウェーハの製造が
可能である。
ャル膜の欠陥密度との関係を示す図である。
ウェーハのBMD密度との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】グロウンイン(grown-in)欠陥が板状また
は棒状であり、さらに表面に存在する該欠陥の(10
0)面での長さが0.12μm以上であるものの存在密度
が、0.3個/cm2以下である単結晶基板上に、エピタキ
シャル膜を形成させることを特徴とするエピタキシャル
ウェーハの製造方法。
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JP2001041214A JP4126879B2 (ja) | 2001-02-19 | 2001-02-19 | エピタキシャルウェーハの製造方法 |
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-
2001
- 2001-02-19 JP JP2001041214A patent/JP4126879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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