JP2004115141A - エレベータ用巻上機 - Google Patents

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▲ひろ▼中 康雄
Yasuo Hironaka
Akira Yamada
山田 晃
Hirofumi Sagawa
佐川 浩文
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Abstract

【課題】エレベータ用巻上機において、モータのロータ部とステータ部との吸引力が働く際にモータの支持部に反力が伝わり、支持部がモータの軸方向に振動し、騒音を発生するという問題点があった。
【解決手段】本発明のエレベータ用巻上機は、支持部を覆い支持部と一体となった構造体に筒状の突起部を設けることで、さらに、筒状の突起部の中心軸に対して突起部の外周から放射状に延びた放射状突起部を設けることで、構造体の軸方向の剛性を高めて、支持部の振動を抑制し、騒音を低減することができるようにしたものである。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻上機で乗りかごを昇降させる構造のロープ式のエレベータ用巻上機で、ロープを巻き上げるシーブ部とモータのロータ部が一体となった巻上機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータ用巻上機は、巻上機本体の固有振動数を変更することが可能な、補強部材を締結する構成となっており、補強部材は放射方向に延びる4つの腕部を有する十字状の板体のものになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−39657号公報(第2,3頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
モータを駆動するためにステータ部のコイルに電流を流すと、ロータ部の磁石とステータ部のコイルとの間に、モータの半径方向に対して円周方向に傾いた斜め方向の吸引力が働くことになる。この力の反力がステータから支持部に伝わり、支持部がモータの軸方向に振動する。この振動により支持部から大きな騒音が発生するという問題点があった。また、巻上機の固有振動数を変化させるために、本体の構造と無関係な補強部材を必要としたり、エレベータ設置後に騒音が問題となったときに取り付けることから据え付け者も専門知識が必要となったりしていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、発明の目的は、支持部を覆う構造体の軸方向の剛性を高めることで、振動を抑制し、騒音を低減することができるエレベータ用巻上機を得るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータ用巻上機においては、エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、シーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、モータのステータ部を支持する支持部と、シーブ部と反対側から支持部を覆う構造体と、構造体の支持部と反対側となる面に筒状の突起部とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的にはエレベータ用巻上機の斜視図である。図において、1および2はエレベータの乗りかごあるいは錘を吊ったロープ、3はロープ1,2を巻き上げるシーブ部、4はシーブ部3を覆っているシーブ部カバー、5はモータのシャフト、6はモータのステータ部を支持する支持部、7はシーブ部3と反対側から支持部6を覆う構造体、8は構造体7と一体となったモータのブレーキを取り付けるためのブレーキ取付部、9は構造体7の支持部6と反対側となる面に設けられた筒状の突起部である。
【0008】
筒状の突起部9の軸中心(筒状の軸中心)は、モータの軸中心と同一あるいは接近して配置されている。ここで、接近とは、少なくともモータの軸中心が、突起部9の筒状の内側に位置するように配置されることを意味している。
【0009】
構造体7と支持部6とは、例えば、ボルトで構造体7と支持部6とが一体となるように締結されている。また、支持部6はステータ部を支持するだけではなく、巻上機全体を接地面に対して支持するものである。また、シャフト5とブレーキ取付部8は非接触で、シャフト5はブレーキ取付部8を突き抜けているとは限っていない。
【0010】
図2は、この発明を実施するための実施の形態1によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的にはエレベータ用巻上機の内部構造を大きく3つに展開した図である。図において、10はモータのコイル、11は支持部6の内側に複数のコイル10を取り付けたモータのステータ部、12はモータの磁石、13は表面に複数の磁石12を取り付けたモータのロータ部であり、14はモータの軸中心を示している。
【0011】
図において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
【0012】
シーブ部3とロータ部13とは、一体となって回転する構造になっている。また、支持部6の内部には、モータのステータ部11とロータ部13とを備えた構成になっており、モータを支持し、さらに巻上機を支持するものである。支持部6の外形としては、モータを接地面に設置できるように円柱状の形状に対して、脚を備えた形状をしている。また、支持部6とシーブ部カバー4は一体になっている。
【0013】
また、構造体7は支持部6に締結されることで一体になっているので、支持部6と同様に巻上機を支持することができるものである。また、支持部6の反シーブ側(シーブ部3がある側の反対側)は、巻上機を組み立てるときにロータ部13などを挿入できるように開放された形状になっている。このため、構造体7はシーブ部3と反対側から支持部6を覆うようになっている。さらに、構造体7は、外部からのゴミがロータ部13、ステータ部11など、モータの内部へ進入することを防ぐためのカバーの役目も兼ねている。
【0014】
図3は、この発明を実施するための実施の形態1によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的にはエレベータ用巻上機の断面図である。図において、ブレーキ15は、構造体7の一部であるブレーキ取付部8に設けられ、ロータ部13の内側から効かせるドラム式のタイプになっている。シャフト5はシーブ部3の内側に設けられたベアリング16で支持されている。
【0015】
次に、動作について説明する。巻上機のモータを駆動するために、ステータ部11のコイル10に電流を流すことで、ロータ部13の磁石12とステータ部11のコイル10との間に、モータの半径方向に対して円周方向に傾いた斜め方向の吸引力が発生する。この吸引力によって、ロータ部13が回転し、ロータ部と一体となっているシーブ部3も回転する。これによって、エレベータの乗りかごが昇降することができるようになる。
【0016】
図4は、この発明を実施するための実施の形態1によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には従来の振動を説明するための巻上機の簡略図である。図において、17,18はモータの軸方向の振動を示す矢印である。なお、支持部6の脚に相当する箇所などは省略しており、図面上の下方向に支持部6の脚がある場合に限っているわけではない。
【0017】
モータを駆動するためにステータ部11のコイル10に電流を流すと、ロータ部13の磁石12とステータ部11のコイル10との間に、モータの半径方向に対して円周方向に傾いた斜め方向の吸引力が働くことになる。この力の反力がステータから支持部6に伝わり、支持部6と構造体7は締結部材で一体となるように構成されているので、さらに構造体7にも伝わる。これによって、支持部6と構造体7とが一体となって、支持部がモータの軸方向に振動17,18する。振動17,18によって、騒音が発生する。
【0018】
振動17,18は、支持部6と構造体7とが一体となって、折れ曲がるような挙動をしていることを示すものである。また、振動17と振動18とは、同時に同方向に向いているとは限らず、お互いが逆方向になることもある。これに対して、構造体7と一体になった筒状の突起部9を設けることで、振動が抑制されることを以下に説明する。
【0019】
図5は、この発明を実施するための実施の形態1によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には実施の形態1の巻上機の振動を説明するための巻上機の簡略図である。図において、19はモータの軸方向の振動を示す矢印であるが、振動17,18とは異なり、単に振動の方向を示しているだけ、あるいは小さな振動である。また、なお、支持部6の脚に相当する箇所などは省略しており、図面上の下方向に支持部6の脚がある場合に限っているわけではない。20は、筒状の突起部9の中で、モータの軸中心に対して、振動19が発生する(あるいは想定される)箇所から周方向に約90度ずれた位置にある振動抑制領域である。
【0020】
筒状の突起部9が、いわゆるリブ構造となっている。ここで、リブ構造とは、板状の部材で、モータの回転軸方向(通常は構造体7の表面に対して直角となる)にあてられたものであり、補強材の役目をはたすものである。筒状の突起部9のリブとしては、半径方向の厚みよりも、軸方向の高さがある方がより構造体7の補強としては有効である。効果の度合いとして、厚みの1乗に対して、高さの3乗で効くため、構造体7の軸方向の厚みに対して、筒状の突起部9の軸方向の高さを2倍以上とすることで、8倍以上の剛性となり、確実に振動を抑制することができる。
【0021】
補強材としての突起部9の振動抑制領域20が振動の発生箇所である振動19に対して、周方向に90度ずれているため、振動19が発生しようとしても、構造体7および支持部6の折れ曲がりが発生することはない。これによって、騒音の発生原因である振動が抑制されているため、騒音を低減することができる。
【0022】
また、筒状の突起部9の軸は、モータの軸中心と同一あるいは接近して配置されているので、構造体7のどの部分に折れ曲がりが発生しようとしても、その振動位置から90度ずれた箇所の突起部9が作用して、折れ曲がりを抑制し、低減する効果を発揮することができる。すなわち、支持部6および構造体7の軸方向全周にわたって剛性が向上しているので、振動を低減することができ、振動により発生していた騒音を低減することができる。
【0023】
コイル10は支持部6に焼きばめで固定されている。焼きばめは金属の熱膨張を利用してはめ込みをしているため、個々の巻上機ごとにコイル10と支持部6の接触境界条件に違いが生じる。このため、コイル10から支持部6に伝わる振動および騒音の元となる加振力にもばらつきが生じ、モータを一体にした巻上機固有の振動位置が個々の巻上機ごとに違い、軸方向の振動の発生位置が異なっている。
【0024】
この振動を抑制するには、振動位置から軸中心を中心として周方向に90度の位置に振動を抑制するためのリブが必要となり、筒状の突起物である突起部9のようなリブの場合、個々の巻上機ごとに振動位置が構造体7のどこにあろうとも(移動していても)振動を抑制するため、モータと一体にしたエレベータ用の巻上機でも、個体差が生じず安定して振動を抑制し、騒音を低減することができる。
【0025】
また、構造体7の面に筒状の突起部9を備えたので、巻上機本体の固有振動数を変更することができ、エレベータを設置する建屋とエレベータ用巻上機の共振を避けて騒音の低減を図ることができる。構造体7の面に設けた筒状の突起部9は、エレベータ据え付け後に取り付けるものではなく、構造体7を成形するときに一体として成形するものである。このため、巻上機の固有振動数を変化させるのに、巻上機本体の構造と無関係な補強部材は必要ではなく、エレベータ設置後に振動が問題となったときに補強部材を取り付けることなく、巻上機単体で振動を抑制し、騒音を低減することができる。また、据え付け者も振動に関する専門知識が必要となることはなく、製造コストのみならず、人件費の低減にもつながる。
【0026】
したがって、エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、シーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、モータのステータ部を支持する支持部と、シーブ部と反対側から支持部を覆う構造体と、構造体の支持部と反対側となる面に筒状の突起部とを備えたエレベータ用巻上機なので、騒音を低減することができる。
【0027】
また、筒状の突起部の軸中心は、モータの軸中心と同一あるいは接近して配置されているので、振動による構造体の折れ曲がりを防止し、騒音を低減することができる。
【0028】
実施の形態2.
図6は、この発明を実施するための実施の形態2によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には一部切りかけのある円弧状の突起のあるエレベータ用巻上機の斜視図である。図において、9aは、一部切りかけのある円弧状の突起(リブ)からなる筒状の突起部である。ここでは、巻上機の接地面に接する箇所が切りかけのある円弧となる突起部9aを示しているが、切りかけはこの方向に限られているわけではない。
【0029】
なお、明細書全文において、筒状とは、完全な形状の筒そのものだけを単に指すものではなく、略筒状、略円筒、略円筒状、その他の筒状のもの一切を含めたものである。例えば、一部切りかけがあり断面が英文字のCの形をした形状の筒、複数の円弧状のもので構成され不連続であっても全体で概ね筒となるものを含んでいる。よって、一部切りかけがあろうとも突起部9aは、筒状の突起部であり、筒状の突起部9と同一またはこれに相当するものである。
【0030】
モータの軸中心に対して、振動が発生する箇所から周方向に約90度ずれた位置にある筒状の突起部9aが存在すれば、振動は抑制される。このため、支持部7の特定の箇所では騒音の原因となる振動が発生していない、あるいは問題になるレベルの振動ではないと事前に分かっていれば、その箇所から約90度ずれた領域に突起がなくても、騒音の発生には影響しない。したがって、一部切りかけのある円弧状の突起で突起部9aを形成しても、巻上機の振動を抑制し、騒音を低減することができる。なお、支持部7の特定の箇所では騒音の原因となる振動が発生していないなどとの判断は、支持部6には脚があること、かごあるいは錘が吊られたロープ1,2は下方に向かっていてその方向に荷重が発生していることなどから、数値解析によって求まる場合もあれば、実験的に得られることもある。
【0031】
よって、筒状の突起部は、一部切りかけのある円弧状の突起としたので、騒音を低減することができる。
【0032】
実施の形態3.
図7は、この発明を実施するための実施の形態3によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には複数の円弧状の突起を示すエレベータ用巻上機の斜視図である。図において、9bは、円弧状の突起からなる突起部であり、複数の突起部9bによって、筒状の突起部を形成するものである。複数の突起部9bを全体として見た場合に、筒状の突起部になっている。よって、複数に分割された状態の突起であろうとも、複数の円弧状の突起から突起部9bは、筒状の突起部であり、筒状の突起部9と同一またはこれに相当するものである。
【0033】
突起部9bの円弧の長さは一定しているとは限らず、また、筒状の突起部9を形成するにあたって、突起部9bと突起部9bとの間隙も一定しているとは限らない。なぜならば、モータの軸中心に対して、振動が発生する箇所から周方向に約90度ずれた位置にある筒状の突起部9bが存在すれば、振動は抑制され、騒音を低減することができるからである。なお、振動の発生箇所に対する考え方は、実施の形態2と同じである。
【0034】
よって、筒状の突起部は、複数の円弧状の突起としたので、騒音を低減することができる。
【0035】
実施の形態4.
図8は、この発明を実施するための実施の形態4によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には放射状突起部を設けたエレベータ用巻上機の斜視図である。図において、21は、突起部9の外周から筒状の突起部9の軸に対して放射状に延びた放射状突起部である。
【0036】
構造体7と筒状の突起部9とは、鋳造、鍛造、その他の方法で一体に成形されるものであり、また、放射状突起部21も構造体7と筒状の突起部9と鋳造、鍛造、その他の方法で一体に成形されるものである。
【0037】
図9は、この発明を実施するための実施の形態4によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的にはエレベータ用巻上機の断面図である。図において、22は筒状の突起部9を覆いカバーとなるカバー部である。
【0038】
ここで、カバー部22があることで、ゴミが巻上機の外部から内部へ進入することが防ぐことができ、故障を防ぐことができる。これによって、例えば、巻上機のベアリング16などがより安定して機能することができ、トラブルの発生を未然に防止することができる。なお、カバー部22を取り付けたものは、図9のみにしか示しておらず、他の図においては図示していないが、他の実施の形態でもカバー部22を取り付けることで同様の効果が得られる。
【0039】
図10は、この発明を実施するための実施の形態4によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には従来の振動を説明するための巻上機の簡略図である。図において、23はモータの軸方向の振動を示す矢印である。振動23の矢印の近傍では、特に構造体7が振動し、ボルトなどで締結されているはずの支持部6と構造体7との間に間隙が生じていることを示したものである。なお、支持部6の脚に相当する箇所などは省略しており、図面上の下方向に支持部6の脚がある場合に限っているわけではない。
【0040】
図10に示すように従来の構造体7の剛性を補強していない形状では、構造体7自身も局所的に振動23が起こり、振動23が大きくなると騒音が発生していた。従来のような構成では、振動の節であるはずの構造体7の最大半径となる位置(外周部)も振動している。
【0041】
そこで、筒状の突起部9の外径を支持部6の外径の1/3以上にする。ここで、筒状の突起部9の外径とは、放射状突起部21を含まない筒状の外径を指している。また、支持部6の外径とは、支持部6の脚にあたる箇所、強度補強部その他の付属部を除いた状態の外周の径(外径)を指しており、モータを覆っている寸法のことである。
【0042】
筒状の突起部9の外径を支持部6の外径の1/3以上にしたことで、より望ましくは、筒状の突起部9の外径を支持部6の外径の1/2以上にしたことで、構造体7または支持部6が振動する場合、モータの軸中心に対して振動の振幅の最大位置が、モータの半径方向に向かって支持部6の外径の1/3以上(1/2
以上)となる位置にあり、その部分に筒状の突起部9が設置されているため、振動を抑制する効果を大きくすることができる。なぜならば、構造体6の中心部は振動の固定端に相当するため節となり、構造体6の中心部は振幅が小さいため、この位置に円筒リブを設置しても効果は小さいからである。
【0043】
構造体6の最大半径となる位置(外周部)も、構造体6の中心部と同じ節に相当するものであるが、実際には剛性が小さいため固定端とまではならず、腹の部分の振動に誘発されて振動が発生している。このため、構造体6の最大半径となる位置(外周部)の振動を抑制する必要がある。この位置の振動を抑制するのに、特に、効果があるのが放射状突起部21である。
【0044】
放射状突起部21は、筒状の突起部9の軸に対して突起部9の外周から放射状に延びたものであるが、放射状に延びた先は構造体7の外周部と同一あるいは近い位置にまで至っているように構成することで、構造体6の最大半径となる位置(外周部)の振動を抑制する効果をさらに高めることができる。
【0045】
構造体7の筒状の突起部9が巻上機全体の軸方向の振動を抑制するリブ構造となり、放射状突起部21が構造体7の局所的な軸方向の振動を抑制するリブ構造となる。突起部9および放射状突起部21によって、軸方向の振動を低減することができ、人間にとって不快な周波数帯の騒音を遮断したり、その周波数帯の騒音を弱めたりすることで、騒音を低減することができる。
【0046】
突起部の外周から筒状の突起部の軸に対して放射状に延びた放射状突起部を設けたことによる振動を抑制する効果は、実施の形態2で述べた筒状の突起部が一部切りかけのある円弧状の突起であるもの、および実施の形態3で述べた筒状の突起部が複数の円弧状の突起であるものであっても、同様にして効果が得られる。
【0047】
これまで述べてきた効果を検証する実験を行っているので、以下に説明する。
【0048】
図11および図12は、この発明を実施するための実施の形態4によるエレベータ用巻上機を説明するための図であり、より具体的には、図11は従来の巻上機の加振試験の振動伝達特性結果の図であり、図12は実施の形態4によるエレベータ巻上機の加振試験の振動伝達特性結果の図である。図において、24,25は周波数が395Hzの領域を示す囲みである。
【0049】
図11の従来の突起無しの構造体7を備えた巻上機の振動伝達特性を見ると、周波数が395Hzの領域24で軸方向の振動が発生していた。一方、同条件で筒状の突起部9と放射状の突起部21とを備えたエレベータ用の巻上機では、図12の周波数が395Hzの領域25に示すように、従来に比べて約10dB低減し、軸方向の振動が抑制されていることがわかる。なお、周波数の帯域によっては振動していても、音にならないことがある。このため、一概に振動伝達特性が高くなっている周波数が騒音の原因となっているとは限っていない。
【0050】
したがって、構造体に筒状の突起部と突起部の外周から筒状の突起部の軸に対して放射状に延びた放射状突起部を設けたので、騒音の発生原因である振動が抑制されて、騒音を低減することができる。
【0051】
また、エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、シーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、モータのステータ部を支持する支持部と、シーブ部と反対側から支持部を覆う構造体と、構造体の支持部と反対側となる面に筒状の突起部とを備え、筒状の突起部の外径は、支持部の外径の1/3以上としたので、騒音を低減することができる。突起部の外周から筒状の突起部の軸に対して放射状に延びた放射状突起部を設けたものでは、騒音の低減効果が大きくなる。
【0052】
また、エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、シーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、モータのステータ部を支持する支持部と、シーブ部と反対側から支持部を覆う構造体と、構造体の支持部と反対側となる面に筒状の突起部と、筒状の突起部を覆うカバー部とを設けたので、騒音を低減することに加えて、故障を防ぐことができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、シーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、モータのステータ部を支持する支持部と、シーブ部と反対側から支持部を覆う構造体と、構造体の支持部と反対側となる面に筒状の突起部とを備えたエレベータ用巻上機なので、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のエレベータ用巻上機を説明するための斜視図である。
【図2】実施の形態1のエレベータ用巻上機を説明するための内部構造の説明図である。
【図3】実施の形態1のエレベータ用巻上機を説明するための断面図である。
【図4】実施の形態1のエレベータ用巻上機の振動を説明するための従来の巻上機の簡略図である。
【図5】実施の形態1のエレベータ用巻上機の振動を説明するための巻上機の簡略図である。
【図6】実施の形態2のエレベータ用巻上機を説明するための斜視図である。
【図7】実施の形態3のエレベータ用巻上機を説明するための斜視図である。
【図8】実施の形態4のエレベータ用巻上機を説明するための斜視図である。
【図9】実施の形態4のエレベータ用巻上機を説明するための断面図である。
【図10】実施の形態4のエレベータ用巻上機の振動を説明するための従来の巻上機の簡略図である。
【図11】実施の形態4のエレベータ用巻上機の振動を説明するための振動伝達特性結果の図である。
【図12】実施の形態4によるエレベータ巻上機の加振試験の振動伝達特性結果の図である。
【符号の説明】
1 ロープ、2 ロープ、3 シーブ部、4 シーブ部カバー、5 シャフト、6 支持部、7 構造体、8 ブレーキ取付部、9 筒状の突起部、9a 突起部、9b 突起部、10 コイル、11 ステータ部、12 磁石、13 ロータ部、14 軸中心、15 ブレーキ、16 ベアリング、17 振動、18 振動、19 振動、20 振動抑制領域、21 放射状突起部、22 カバー部、23 振動、24 395Hzの領域、25 395Hzの領域。

Claims (7)

  1. エレベータの乗りかごを吊ったロープを巻き上げるシーブ部と、このシーブ部と一体になって回転するモータのロータ部と、前記モータのステータ部を支持する支持部と、前記シーブ部と反対側から前記支持部を覆う構造体と、この構造体の前記支持部と反対側となる面に筒状の突起部とを備えたことを特徴とするエレベータ用巻上機。
  2. 筒状の突起部の軸中心は、モータの軸中心と同一あるいは接近して配置されたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用巻上機。
  3. 筒状の突起部は、一部切りかけのある円弧状の突起としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ用巻上機。
  4. 筒状の突起部は、複数の円弧状の突起としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ用巻上機。
  5. 突起部の外周から筒状の突起部の軸に対して放射状に延びた放射状突起部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエレベータ用巻上機。
  6. 筒状の突起部の外径は、支持部の外径の1/3以上としたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエレベータ用巻上機。
  7. 筒状の突起部を覆うカバー部を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエレベータ用巻上機。
JP2002276838A 2002-09-24 2002-09-24 エレベータ用巻上機 Pending JP2004115141A (ja)

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