JP2004114575A - 薄板曲げ加工機、その薄板曲げ加工機を使用した薄板曲げ加工方法および木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品 - Google Patents

薄板曲げ加工機、その薄板曲げ加工機を使用した薄板曲げ加工方法および木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品 Download PDF

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西尾 英樹
Kazuto Yoshida
吉田 和人
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Abstract

【課題】木粉混入樹脂製の薄板を確実に曲げ加工できる薄板曲げ加工機、および薄板曲げ加工方法を提供する。
【解決手段】薄板曲げ加工機1を、テーブル3と、V字状溝7Aを有し薄板10を載せる雌型部材7と、薄板10を加熱する加熱装置20と、加熱状態の薄板10を押圧してその折り曲げ部10Aに沿って曲げる雄型部材6とを備えた構成とし、雄型部材6の押圧部6B先端に、折り曲げ部10Aを溝7Aの底部に押圧する小径Rを形成する。これにより、薄板を、所定温度で加熱しながら、雄型部材の押圧部先端でV字状溝の底部に押圧して折り曲げ加工を行うので、確実に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、V字状溝に沿った角部を確実に形成できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物のリフォーム等に利用される木粉混入樹脂製の薄板を曲げ加工する薄板曲げ加工機、その薄板曲げ加工機を使用した薄板曲げ加工方法および木粉混入樹脂製薄板に関する。
【0002】
【背景技術】
建物のリフォームは、建物の外壁や内壁、床や屋根等を取り替える大規模のものから、室内の例えば玄関や台所の一部を取り替えて再生する小規模のものまである。このようなリフォームの一例として、それまで使用されていた部材を残した状態で、その部材に新しい部材を取り付けて行う上がり框のリフォーム方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献】
特開2001−342738号公報(第2〜3頁、図3,4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報の上がり框のリフォーム方法では、上がり框の上面に板状の上面下地材、前面に板状の前面下地材がそれぞれ設けられた後、上面下地材の上面に板状の上面側化粧材、前面下地材の前面に板状の前面側化粧材がそれぞれ設けられた構成となっている。そのため、部材点数が多くなり、取り付けも多くの手間がかかり面倒であるという問題がある。
ところで、軟質または半硬質の熱可塑性樹脂と微粒子の木粉とを主成分とする組成物で形成される木粉混入樹脂が開発されている。この木粉混入樹脂は、通常は押出成形で形成されるものであり、シート状の薄板に形成されることが多い。
ところが、このようなシート状の薄板を前記公報の上り框に被せて使用しようとすると、薄板にも、それらの角部に合わせた角部が必要となり、角部を形成するための曲げ加工が必要になってくる。
しかし、木粉混入樹脂製の薄板は、木粉が混入しているとはいえ樹脂製なので、低温ではうまく曲がらず、強く曲げようとすると折れてしまうという問題がある。所定温度で暖めながらうまく曲げても、戻りがあるため確実に所定の曲げを確保することができず角部がしっかりと出ない。そうかといって、薄板の折り曲げ部にVカットを入れることは使用目的にそぐわない。そこで、容易にかつ確実に曲げようとして高温で加熱しながら行うと、今度は、樹脂の内部組織が発泡するという問題がある。そのため、薄板を折り曲げても、このような問題が生じないようにすることができる薄板曲げ加工機および薄板曲げ加工方法が要望されるとともに、折り曲げ加工されても割れやクラックが生ぜず、かつ、戻りがない木粉混入樹脂製薄板の加工品が要望されている。
【0005】
本発明の一つの目的は、木粉混入樹脂製の薄板を確実に曲げ加工できる薄板曲げ加工機、および薄板曲げ加工方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、折り曲げ加工されても割れやクラックが生ぜず、かつ、戻りが小さく、角部を有する部位に容易に取り付けることができ、リフォームに適し、利用価値の大きな木粉混入樹脂製の薄板の曲げ加工品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、木粉混入樹脂製の薄板10を曲げ加工する薄板曲げ加工機1であって、基台2上に設けられたテーブル3と、このテーブル3上に設けられ前記薄板10を載せる雌型部材7と、前記薄板10を曲げ加工に際して加熱する加熱装置20と、前記加熱状態の薄板10を押圧してその折り曲げ部10Aに沿って曲げる雄型部材6とを備え、前記雌型部材7にはV字状溝7Aが当該雌型部材7の全長にわたって形成され、前記雄型部材6の押圧部6B先端には、前記薄板10の折り曲げ部10Aを前記溝7Aの底部に押圧する小径Rが形成されていることを特徴とする薄板曲げ加工機である。
【0007】
このような本発明によれば、薄板を、所定温度で加熱しながら、雄型部材の押圧部先端でV字状溝の底部に押圧して折り曲げ加工を行うので、確実に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、V字状溝に沿った角部を確実に形成できる。
この発明において、加工機に取り付けられる薄板を移動させる構造は限定されない。例えば、テーブルが薄板の長手方向(X軸方向)、当該長手方向と水平面内で直交する幅方向(Y軸方向)の2軸方向に移動可能で、雄型部材が、長手方向、幅方向と垂直面内で直交する上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成された構造でもよい。あるいは、テーブルが薄板の長手方向(X軸方向)に移動可能で、雄型部材が、例えばコラムの横架部材にY軸方向、Z軸方向移動可能に設けられた構造でもよい。
また、雌型部材のV字状溝の角度は、90°が好ましいが、それ以上あるいはそれ以下の角度に形成されていてもよい。
【0008】
請求項2に記載の発明は、図2に示すように、請求項lに記載の薄板曲げ加工機において、前記雄型部材6の押圧部6B先端の小径Rは、5ミリ以下の寸法に形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、雄型部材の押圧部先端が小径Rが5ミリ以下の寸法に形成されているので、薄板を押圧して曲げ加工しても、内側角部が丸みを帯びることになり、その結果、薄板に割れやクラックが生じることがなくなる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、図7に示すように、請求項1または請求項2に記載の薄板曲げ加工機において、前記雄型部材6の押圧部6Bは前記雌型部材7の溝7Aに沿った側面部6Cを有し、前記押圧部6Bの幅Tは、前記雌型部材7の溝7Aにおける開口端間の幅寸法Tと略同じ寸法に形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、側面部がV字状溝に嵌り込むような形状となっているので、薄板を確実にV字状溝に押圧することができ、これにより、確実な折り曲げ加工が可能となる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、図4に示すように、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の薄板曲げ加工機において、前記加熱装置20による前記薄板10の加熱温度は70℃以上であることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、樹脂の内部組織が発泡することなく、また、割れやクラックが生じることなく、薄板を容易に折り曲げ加工することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、図1に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄板曲げ加工機において、前記薄板10の曲げ加工後に当該薄板10を冷却する冷却装置30が設けられていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、折り曲げ加工された後の薄板の取り出しを早くすることができる。
この発明で冷却装置としては、ファンや扇風機を利用することが好ましい。
【0012】
請求項6に記載の発明は、図4〜7に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の薄板曲げ加工機1を使用して木粉混入樹脂製の薄板10を曲げ加工する薄板曲げ加工方法であって、前記テーブル3上に設けられた雌型部材7上に前記薄板10を載せた後、この薄板10を前記加熱装置20で加熱しながら薄板10の折り曲げ部10Aを前記雄型部材6で押圧し、前記薄板10に前記雌型部材7のV字状溝7Aに沿った角部を形成し、その後、折り曲げ加工された薄板10を冷却装置30によって冷却することを特徴とする薄板曲げ加工方法である。
このような本発明によれば、薄板を、所定温度で加熱しながら、雄型部材の押圧部先端でV字状溝の底部に押圧するので、容易に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、溝に沿った角部が確実に形成される。
【0013】
請求項7に記載の発明は、図8,9に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の薄板曲げ加工機または請求項6に記載の薄板曲げ加工方法によって製造された木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品40であって、所定の部材51に直接被せて取り付けられることを特徴とする木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品40である。
このような本発明によれば、薄板が折り曲げ加工されても割れやクラックが生ぜず、かつ、戻りがない。その結果、折り曲げ部を、例えば玄関の上がり框の角部に容易に被せたり、カウンターやパーティションの角部に容易に被せたり、窓枠や建具枠にも利用することができるので、例えば、リフォームに適した木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品とすることができ、利用価値の大きな加工品とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の薄板曲げ加工機1が示されている。この薄板曲げ加工機1は基台2を備え、この基台2の上面には、X軸方向(基台の長手方向)に移動自在にテーブル3が設けられている。また、基台2の上面には、テーブル3の長手方向と直交する門型のコラム4が設けられ、このコラム4前面には、Y軸方向(X軸方向と水平面内で直交する方向)およびZ軸方向(X軸、Y軸方向と垂直面内で直交方向)に移動自在な雄型取付体5が設けられ、この雄型取付体5に雄型部材6が着脱可能に設けられている。
【0015】
テーブル3の上面には雌型部材であるワーク支持台7が着脱可能に設けられ、このワーク支持台7には、図示しない取り付け治具を介して木粉混入樹脂製の薄板10が取り付けられるようになっている。この薄板10は、前述のように、熱可塑性樹脂と微粒子の木粉とを主成分とする組成物で形成された木粉混入樹脂製であり、厚さtが、例えば1.2mmの平らなシート状に形成されている。そして、薄板10の幅方向のほぼ中央部が、長さ方向に沿った折り曲げ部10Aとなっている。なお、木粉は各種の木の粉末が使用可能とされ、これにより、できあがった薄板に異なった雰囲気が期待できるものである。
ワーク支持台7は、所定厚さを有する平面矩形状に形成され、長手方向のほぼ中央部に、長手方向沿ったV字条の溝7Aが形成されている。この溝7Aは、その内角αが例えば90°に形成されている。
【0016】
前記雄型部材6は、前記雄型取付体5に着脱可能に取り付けられる軸部6Aと、この軸部6Aの先端に形成され、前記溝7Aに嵌合する押圧部6Bとを有している。押圧部6Bには、溝7Aに沿う側面部6Cが形成され、断面ホームベース状となっており、薄板10を所定長さにわたってV字条に折り曲げることができような長さに形成されている。また、図7に示すように、押圧部6Bの幅寸法Tは、ワーク支持台7におけるV字状溝7Aの開口端間の寸法Tとほぼ同じとなっている。この押圧部6Bの先端は、長手方向に連続して図2に示すように小径Rに加工されており、このRは、半径5mm以下の寸法に設定されている。
基台2の前記コラム4の近傍には、テーブル3を挟んで一方側に加熱装置20が設けられ、他方側には冷却装置30が設けられている。
【0017】
加熱装置20は、薄板10を曲げ加工する際に加熱するもので、図示しないヒータが内蔵された箱体21を含み構成されている。箱体21は、ワーク支持台7上に載せられた薄板10側に向いた傾斜上部21Aを有し、この傾斜上部21Aに図示しないヒータが内蔵されている。そのため、ヒータからの熱が、薄板10の折り曲げ部10Aの周辺に向かい、主に折り曲げ部10Aを加熱できるようになっている。そして、ヒータは、少なくとも70℃以上の温度で加熱できるようになっている。
【0018】
なお、図3には、薄板10で所定の大きさの試験片を複数作り、その試験片を複数段階の温度で加熱した後、冷却し、目視による検査をした状態が示されている。
この図3でわかるように、70℃以上、例えば70℃、75℃のとき、クラックは見つからず、戻りは小さい。
【0019】
冷却装置30は、薄板10を曲げ加工した後にその薄板10を冷却する装置であり、例えばファン32が内蔵された箱体31を含み構成されている。箱体31は、ワーク支持台7上に載せられた薄板10側に向いた傾斜上部31Aを有し、この傾斜上部31Aにファン32が内蔵されている。そのため、ファン32からの熱が、薄板10の折り曲げ部10Aの周辺に向かい、主に折り曲げ部10Aを冷却できるようになっている。そして、ファン32は、常温にまで冷却できるようになっている。
【0020】
次に、図4〜7に基づいて、薄板曲げ加工機1による薄板10の曲げ加工の手順を説明する。
まず、図4に示すように、薄板曲げ加工機1のテーブル3上にワーク支持台7を取り付け、このワーク支持台7上に薄板10を載置し、雄型取付体5に雄型部材6を装着し待機状態とする。次いで、加熱装置20を駆動させヒータで薄板10を加熱し、所定時間経過後、薄板10が熱によって所定の柔らかさになったら、図5に示すように、雄型取付体5をZ軸方向に移動させて雄型部材6の先端部を薄板10の折り曲げ部10Aに押し当て、徐々に力を加えて押圧する。
【0021】
図6に示すように、雄型部材6で薄板10の折り曲げ部10Aを完全に押圧し、曲げ加工工程を完了したら、図7に示すように、加熱装置20のヒータによる加熱を停止する一方で、雄型取付体5をZ軸方向に移動させて雄型部材6を初期位置に戻す。そして、冷却装置30のファン32により、曲げ加工済みの薄板10を冷却し、所定時間冷却後、曲げ加工済みの薄板10をワーク支持台7から取り外す。
【0022】
図8には、薄板10が以上のように折り曲げ加工、冷却された後、ワーク支持台7から取り出された薄板加工品40の完成品が示されている。
薄板加工品40は、厚さtが1.2mmに仕上げられ、折り曲げ部40Aを基点に内角αがほぼ90℃に形成されるとともに、L字状に向き合う辺同士がほぼ同じ幅となっており、所定の長さに形成されている。
【0023】
このような薄板加工品40は、図9に示すように、例えば、玄関50の上がり框51用として利用されている。すなわち、玄関50は、玄関基礎52にフローリング53を設けて形成された玄関フロア54を有し、この玄関フロア54の上がり口の床の縁に上がり框51が設けられている。
そして、薄板加工品40は、その折り曲げ部40Aを、上がり框51の表の一角部に押し当てるとともに、所定の位置に釘打ちして取り付けられる。この際、上がり框51の上面は薄板加工品40の厚さ、例えば1.2mmに合わせて削られており、そこに薄板加工品40が取り付けられているので、フローリング53の上面と薄板40の上面とはほぼ同一高さとなっている。なお、薄板加工品40の厚さは、1.2mmと薄いので、上がり框51の上面を削らずにそのまま取り付けても段差は小さく、ほとんど気にならない。
【0024】
以上のように、薄板10を薄板加工品40に仕上げ、既存の上がり框51に後から被せて使うことができるので、例えば、家のリフォームを行う際に、玄関回りのリフォームで上がり框51に関しては、古い上がり框51を全体にわたって取り替えずに、薄板加工品40を被せて取り付けるだけで、玄関の上がり框51のリフォームが完成する。その結果、古い上がり框51を取り外す手間が省け、少ない手間でリフォームを行うことができるようになる。
【0025】
また、薄板加工品40は、図10に示すように、例えば、カウンター60用として利用されている。すなわち、カウンター60の特に角部の傷みが激しい場合で、カウンター60全体を取り替えるには忍びないような場合、角部に薄板加工品40を被せて取り付けるだけでカウンター60のリフォームが完成し、その結果、少ない手間でリフォームを行うことができるようになる。カウンター60の角部に取り付ける際も、その角部が薄板加工品40の厚さで削られ、薄板加工品40を取り付けたとき、当該薄板加工品40の上面と、カウンター60の上面とは同一高さとなっている。
【0026】
以上のような実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 薄板10を、70℃以上の温度で加熱しながら、雄型部材6押圧部6B先端で、ワーク支持台7のV字状溝7Aの底部に押圧して折り曲げ加工を行うので、確実に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、V字状溝に沿った角部を確実に形成することができる。
(2) 雄型部材6の押圧部6B先端が小径Rが5ミリ以下の寸法に形成されているので、薄板10を押圧して曲げ加工しても、内側角部が丸みを帯びることになり、その結果、薄板10に割れやクラックが生じることがなくなる。
【0027】
(3) 雄型部材6の押圧部6Bが雌型部材7のV字状溝7Aに沿った側面部6Cを有して形成され、側面部6Cは、V字状溝7Aにおける開口端間の幅寸法と同じ寸法に形成され、側面部6CがV字状溝7Aに嵌り込むような形状となっているので、薄板10を確実にV字状溝7Aに押圧することができ、これにより、確実な折り曲げ加工が可能となる。
(4) 薄板10の折り曲げ加工時に、加熱装置20により70℃以上の温度で加熱するので、薄板10を構成する木粉混入樹脂の内部組織が発泡することなく、また、割れやクラックが生じることなく、薄板10を容易に折り曲げ加工することができる。
【0028】
(5) 折り曲げ加工機1には冷却装置30が設けられ、薄板10が、曲げ加工された後、冷却装置30により常温で冷却されるので、折り曲げ加工された薄板10(加工品)の取り出しを早くすることができる。
(6) 薄板曲げ加工機1を使用して、薄板10を折り曲げ加工、冷却した後、取り出して完成された薄板加工品40は、木粉混入樹脂製であっても割れやクラックが生ぜず、かつ、戻りが少ない。その結果、折り曲げ部を、例えば玄関50の上がり框51の角部に被せたり、カウンター60やパーティションの角部に被せたりすることができるので、木粉混入樹脂製薄板10を、例えば、建物のリフォーム用として用いることができ、利用価値の大きな薄板の曲げ加工品とすることができる。
(7) 薄板加工品40を上がり框51に取り付ける際、上がり框51の上面が薄板加工品40の厚さに合わせて削られ、そこに薄板加工品40が取り付けられているので、フローリング53の上面と薄板40の上面とはほぼ同一高さとなっている。従って、上がり框51とフローリング53との段差がなくなり、歩行等に支障がなくなる。また、カウンター60の角部に取り付けた際も、段差がなくなり、使用に支障が起きない。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次のような変形形態でもよいものである。
例えば、前記実施形態では、加熱装置20は、門型のコラム4の近傍、かつ、薄板10を折り曲げる位置に設けられた1個で構成されているが、薄板10全体を予め暖めるために、折り曲げ位置から離れた位置にも補助の加熱装置を設けてもよい。この場合、補助の加熱装置は、前記加熱装置20よりも低い温度で加熱するようにしてもよい。このようにすれば、折り曲げ位置で容易に折り曲げ加工に移行できる。
【0030】
また、前記実施形態では、冷却装置30は、箱体31の傾斜部31Aにファン32を内蔵させて構成されているが、これに限らず、通常の扇風機を用いてもよい。このようにすれば、簡単に移動できるので、最も効率のよい位置に扇風機を配置することができ、冷却効果を向上させることができる。
さらに、前記実施形態では、ワーク支持台7のV字状溝7Aの内角の角度αは90℃に形成されているが、この角度はこれに限らず、90℃以上あるいは90℃以下に設定してもよい。
また、前記実施形態では、薄板10は、厚さ寸法が1.2mmのものが使用されているが、本発明では、1.2mm以上あるいは1.2mm以下の薄板を使用することができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1の発明によれば、薄板を、所定温度で加熱しながら、雄型部材の押圧部先端でV字状溝の底部に押圧して折り曲げ加工を行うので、確実に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、溝に沿った角部が確実に形成される。
【0032】
請求項2の発明によれば、雄型部材の押圧部先端が小径Rが5ミリ以下の寸法に形成されているので、薄板を押圧して曲げ加工しても、内側角部が丸みを帯びることになり、その結果、薄板に割れやクラックが生じることがない。
【0033】
請求項3の発明によれば、雄型部材の押圧部が雌型部材の溝に沿った側面部を有して形成され、側面部は、雌型部材の溝における開口端間の幅寸法と同じ寸法に形成されており、側面部がV字状溝に嵌り込むような形状となっているので、薄板を確実にV字状溝に押圧することができ、これにより、確実な折り曲げ加工が可能となる。
【0034】
請求項4の発明によれば、薄板が70℃以上で加熱されて折り曲げられるので、樹脂の内部組織が発泡することなく、また、割れやクラックが生じることなく、薄板を容易に折り曲げ加工することができる。
【0035】
請求項5の発明によれば、冷却装置により、薄板の曲げ加工後に当該薄板を冷却することができるので、折り曲げ加工された後の薄板の取り出しを早くすることができる。
【0036】
請求項6の発明によれば、薄板を、所定温度で加熱しながら、雄型部材の押圧部先端でV字状溝の底部に押圧するので、容易に曲げ加工ができる。その結果、薄板が木粉混入樹脂製であっても、割れやクラックが生じることなく、溝に沿った角部を確実に形成できる。
【0037】
請求項7の発明によれば、薄板が折り曲げ加工されても割れやクラックが生ぜず、かつ、戻りがない。その結果、折り曲げ部を、例えば玄関の上がり框の角部に容易に被せたり、カウンターやパーティションの角部に容易に被せたり、窓枠や建具枠にも利用することができるので、例えば、リフォームに適した木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品とすることができ、利用価値の大きな加工品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の薄板曲げ加工機を示す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態の雌型部材のV字状溝と雄型部材の押圧部先端との関係を示す図である。
【図3】前記実施形態の木粉混入樹脂製薄板で作った試験片の試験結果を示す図である。
【図4】前記実施形態の木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工の手順を示す図である。
【図5】図4の状態から少し進んだ状態を示す図である。
【図6】図5の状態から少し進んだ状態を示す図である。
【図7】図6の状態から少し進んだ状態を示す図である。
【図8】前記実施形態の薄板曲げ加工機を使用して作られた木粉混入樹脂製の薄板加工品を示す全体斜視図である。
【図9】前記実施形態の木粉混入樹脂製の薄板加工品を玄関の上り框に使用した例を示す斜視図である。
【図10】前記実施形態の木粉混入樹脂製の薄板加工品をカウンターに使用した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1  薄板曲げ加工機
3  テーブル
6  雄型部材
7  雌型部材であるワーク支持台
10  木粉混入樹脂製薄板
20  加熱装置
30  冷却装置
40  木粉混入樹脂製の薄板加工品
50  玄関
51  上がり框
60  カウンター

Claims (7)

  1. 木粉混入樹脂製の薄板を曲げ加工する薄板曲げ加工機であって、基台上に設けられたテーブルと、このテーブル上に設けられ前記薄板を載せる雌型部材と、前記薄板を曲げ加工に際して加熱する加熱装置と、前記加熱状態の薄板を押圧してその折り曲げ部に沿って曲げる雄型部材とを備え、前記雌型部材にはV字状溝が当該雌型部材の全長にわたって形成され、前記雄型部材の押圧部先端には、前記薄板の折り曲げ部を前記溝の底部に押圧する小径Rが形成されていることを特徴とする薄板曲げ加工機。
  2. 請求項lに記載の薄板曲げ加工機において、
    前記雄型部材の押圧部先端の小径Rは、5ミリ以下の寸法に形成されていることを特徴とする薄板曲げ加工機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の薄板曲げ加工機において、前記雄型部材の押圧部は前記雌型部材の溝に沿った側面部を有し、前記雄型部材の押圧部は前記雌型部材の溝に沿った側面部を有し、前記押圧部の幅は、前記雌型部材の溝における開口端間の幅寸法と略同じ寸法に形成されていることを特徴とする薄板曲げ加工機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の薄板曲げ加工機において、前記加熱装置による前記薄板の加熱温度は70℃以上であることを特徴とする薄板曲げ加工機。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄板曲げ加工機において、前記薄板の曲げ加工後に当該薄板を冷却する冷却装置が設けられていることを特徴とする薄板曲げ加工機。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の薄板曲げ加工機を使用して木粉混入樹脂製の薄板を曲げ加工する薄板曲げ加工方法であって、
    前記テーブル上に設けられた雌型部材上に前記薄板を載せた後、この薄板を前記加熱装置で加熱しながら薄板の折り曲げ部を前記雄型部材で押圧し、前記薄板に前記雌型部材のV字状溝に沿った角部を形成し、その後、折り曲げ加工された薄板を冷却装置によって冷却することを特徴とする薄板曲げ加工方法。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の薄板曲げ加工機または請求項6に記載の薄板曲げ加工方法によって製造された木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品であって、所定の部材に直接被せて取り付けられることを特徴とする木粉混入樹脂製薄板の曲げ加工品。
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CN107813113A (zh) * 2017-11-30 2018-03-20 辽宁忠旺铝合金精深加工有限公司 一种不锈钢带孔板折弯方法

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