JP2004114414A - ハニカム構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱することなく硬化させることができ、優れた強度、粘着性を有するハニカム構造体を提供することであり、且つ3次元の曲面を有する形状の構造体の製造を可能するハニカム構造体の製造方法に関する。
【解決手段】ハニカムコアに直接、繊維強化プラスチック表面材を接着固定したハニカム構造体において、繊維強化プラスチック表面材が光硬化性プリプレグからなるハニカム構造体に関するもので、光硬化性プリプレグが光硬化性樹脂(a)、熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)、光硬化剤(c)および繊維強化剤(d)を含有するものに関する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量構造物等に用いられるハニカム構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化プラスチック(以下、FRPと略す)を面板とするハニカムサンドイッチ構造材は、軽量、耐衝撃性、圧縮強度、引張強度、せん断強度に優れていることから、航空機及び宇宙機器その他の構造材料として適応が進められている。このFRPを面板とするハニカムサンドイッチ構造材の製造方法は、ハニカムコアを上下両面から接着剤シートを介して、または直接FRP面板用プリプレグ積層体で挟んで加熱接着成形するものである(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、この製造方法においては、プリプレグ積層体、接着剤シートおよびハニカムコア中に含まれる吸湿水分、並びに樹脂および接着剤シート中に含まれる揮発成分等のガスが発生し、これらの膨張によりハニカムコアのセル内の圧力が増大するため、セル壁の変形、破壊による強度の低下が起こる可能性があった。さらに、この製造方法においては、加熱、減圧などの工程を行うため、成形品の形状の自由度は小さく、3次元の曲面を有するような複雑な形状のものを製造することは困難であった(特許文献1参照)。
【0004】
また、従来の製造方法に関しては、ハニカムコアにプリプレグ積層体を貼り付ける工程において、その粘着性が充分でない為、ハニカムコアとプリプレグ積層体の間に接着剤層を介して施工を行っていた。この場合、製造の工程が多くなることや粘着剤層そのものの硬化が遅いなどの問題が残る。
【0005】
【特許文献1】特開平06−270304号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加熱することなく硬化させることができ、且つ優れた強度、粘着性を有するハニカム構造体を提供することであり、且つ3次元の曲面を有する形状の構造体の製造を可能するハニカム構造体の製造方法に関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
即ち、本発明はハニカムコアに直接、FRP表面材を接着固定したハニカム構造体であって、FRP表面材が光硬化性プリプレグからなるハニカム構造体であり、好ましくは光硬化プリプレグが光硬化性樹脂(a)、熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)、光硬化剤(c)、および繊維強化材(d)を含有しているものであり、好ましくは光硬化性樹脂(a)がビニルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂であり、好ましくは熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)が、アクリル系重合体であり、好ましくはハニカムコアがアルミニウムからなるものである。また、光硬化性プリプレグにハニカムコアを押しつけ粘着させた後、光照射して硬化せしめることを特徴とするハニカム構造体の製造方法に関するものである。
【0009】
次に本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム構造体に用いられるハニカムコアに関しては、特に限定されるものではなく、材質としては、例えばアルミニウム、アラミド、紙、セラミックなどが挙げられ、アルミニウムが好適に用いられる。セルの形状に関しても蜂の巣状(六角形)に限られるものではなく例えば吊鐘、レンガ積、波状等、各種の形状物も用いることができる。コアサイズおよびセルの箔厚に関しても、特に限定されるものではない。
【0011】
次に、本発明のハニカム構造体に用いられる光硬化プリプレグに関して説明する。光硬化プリプレグとは、繊維等に光硬化性樹脂を含浸せしめたものであり、本発明のハニカム構造体に用いられる光硬化プリプレグは、紫外線及び可視光の照射で硬化が可能なもので、光硬化性樹脂(a)、熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)、光硬化剤(c)および繊維強化材(d)から構成されるものが好ましい。
【0012】
かかる光硬化性樹脂(a)としては、例えばビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂等が挙げられ、好ましくはビニルエステル樹脂およびビニルウレタン樹脂が用いられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができ、反応性が高く強度が高いことから、好ましくはビニルエステル樹脂および/又はビニルウレタン樹脂に、不飽和ポリエステル樹脂を併用して用いられ、好ましくは(ビニルエステル樹脂および/又はビニルウレタン樹脂):不飽和ポリエステル樹脂の重量比が5:95〜95:5である。かかる範囲で併用することで粘着性および接着性の優れた光硬化プリプレグを得ることができる。
【0013】
上記したビニルウレタン樹脂としては、ポリオール(ポリエステル、ポリエーテル)類、イソシアネート類、および水酸基含有(メタ)アクリレート類から得られるウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーを重合性単量体に溶解したものである。
【0014】
ウレタン(メタ)アクリレートの製法は、上記ポリオール類と上記イソシアネート類とを反応して、イソシアネート基含有化合物を得、次いで上記水酸基含有(メタ)アクリレート類を反応して得ることが一般的である。
【0015】
上記ポリオール類としては、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールが挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシプロピレンジオール、ポリテトラメチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンジオール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、飽和二塩基酸又はその酸無水物と、多価アルコール類の重縮合物が挙げられる。
【0016】
かかる飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いられる。
【0017】
かかるイソシアネート類としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネートおよびその異性体又は異性体の混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートが挙げられ、これらを単独又は2種以上併用して用いられる。
【0018】
かかる多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパンー1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いられる。
【0019】
上記した水酸基含有(メタ)アクリレート類としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いられる。
【0020】
上記ビニルウレタン樹脂を溶解する為の重合性単量体としては液状のものであり、例えばスチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用して用いることができるが、好ましくはスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレートが用いられる。
【0021】
次にビニルエステル樹脂としては、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸との反応によって製造されるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、および末端カルボキシポリブタジエンとグリシジルメタクリレートとの反応によって製造される耐食性、機械的強度の優れたポリブタジエンタイプビニルエステル樹脂などを重合性単量体に溶解したものが挙げられ、特に前者は最も代表的なビニルエステル樹脂である。
【0022】
かかるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂とは、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独またはビスフェノールタイプのエポキシとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹脂であって、該エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを公知の方法で反応して得られるエポキシビニルエステルを言う。
【0023】
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂として代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られるジメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、あるいはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン若しくはメチルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などである。また、上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂などである。
【0024】
また、上記した不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノブテンマレート、ソルビン酸またはモノ(2−エチルヘキシル)マレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられる。
【0025】
次に不飽和ポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来一般の不飽和ポリエステル樹脂成形品に慣用されている公知の不飽和ポリエステル樹脂を用いることができるが、例えばα,β−不飽和カルボン酸又は場合により飽和カルボン酸を含むα,β−不飽和カルボン酸と多価アルコール類との縮合反応により得られる不飽和ポリエステルが挙げられ、これらを重合性単量体に溶解したものである。
【0026】
かかるα,β―不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸が挙げられ、飽和カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いられる。
【0027】
上記したα,β―不飽和カルボン酸と縮合する成分としては、上記した多価アルコール類と同様のものが用いられる。また、得られた不飽和ポリエステルを溶解せしめる重合性単量体も、上記と同様のものを用いることができる。
【0028】
次にアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主たる成分とする重合性単量体から導かれる熱可塑性(メタ)アクリル重合体と重合性単量体から構成されるものである。該重合体に使用される単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、該重合体は、必要により上記した(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能な他の重合性単量体を併用し、該単量体混液を重合して得られるものである。
【0029】
エポキシ樹脂としては、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する液状樹脂であれば何でもよく、固体のエポキシ樹脂でも液体エポキシ樹脂に溶解して使用することができ、例えば通常のビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンの縮合物のようなジグリシジルエーテル、脂肪族のグリシジルエーテル、脂環式エポキサイド、フタル酸誘導体とエピクロルヒドリンの縮合物のようなジグリシジルエステル、ヒダントイン系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂などがあげられ、単体または2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
上記した光硬化性樹脂(a)中には、粘度、粘着性、含浸成形収縮などを調節する為に、添加剤や充填材等を、光反応を阻害しない範囲で用いることができる。また、エポキシ樹脂を使用する場合には光カチオン硬化剤を用いる。
【0031】
次に、上記した光硬化プリプレグの第二成分である熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)としては、好ましくは重合性単量体に対する溶解性もしくは膨潤性の優れたものが用いられ、例えばスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、フマル酸エステル、アクリル系重合性モノマー等を重合せしめたものが挙げられるが、好ましくはアクリル系重合性モノマーを乳化重合や懸濁重合によって重合せしめ、得られた重合体を乾燥させて得られるアクリル系重合体微粉末が挙げられる。
【0032】
かかるアクリル系重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル等であり、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いることができる。
【0033】
また、上記したアクリル系重合性モノマーに上記したスチレンやフマル酸エステル類のような重合性単量体を併用した所望の熱可塑性樹脂粉末を用いることもできる。樹脂粉末の平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜0.5mmのものが用いられる。市販品としては、日本ゼオン製品、ゼオンF301、F303、F320、F325、F340、F345、F351等が挙げられる。かかる増粘剤の添加量は、光硬化性樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは10〜40重量部用いられる。
【0034】
次に、上記した光硬化プリプレグの第三成分である光硬化剤(c)とは、波長300〜600nmの可視光および紫外線領域の光を照射することで、重合反応を進行させ、常温でも樹脂を硬化せしめるものであり、例えばイルガキュアー819、イルガキュアー651(チバスペシャリティーケミカル製)等が挙げられ、それらを単独又は2種以上を併用して用いられる。またそれらの添加量は、光硬化性樹脂(a)100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
【0035】
次に、上記した光硬化プリプレグの第四成分である繊維強化材(d)としては、一般的に繊維強化材として用いられるもので良く、例えばガラス繊維、ポリエステル繊維、フェノール繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維、炭素繊維等がある。これらの形態としては、例えばチョップドストランド、チョップドストランドマット、ロービング、織物状などが挙げられる。これらの繊維強化材は樹脂組成物の粘度や得られる成形品の強度などを考慮して選ばれる。また繊維強化材の使用量は、光硬化性樹脂(a)、増粘剤(b)および光硬化剤(c)の混合物である光硬化性コンパウンド100重量部に対して、好ましくは20〜30重量%使用される。
【0036】
本発明のハニカム構造体に用いられる光硬化プリプレグの製造は、好ましくは繊維強化材に常法によって光硬化性樹脂(a)を含浸させ、それをポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の2枚のフィルムに挟み固定したシート材である。保存は、通常薄い2枚のフィルムに挟まれて、長尺のまま、紙管や鉄管などパイプ状のものに巻き取られているか、あるいは片面に両面剥離性のフィルムが積層され、このフィルムを外側にして巻き取られる。該シート材は、一定の長さで折り畳みながら保管することもでき、アルミ蒸着フィルム等の光を透過させないフィルムで包み、ゲル化を防がなければならない。
【0037】
上記したシート材は、常温または50℃までの加温、好ましくは30℃〜45℃で増粘し、液状分のないプリプレグ化した繊維強化樹脂シートとなる。
【0038】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、光硬化プリプレグの片面の保護フィルムを剥がし、その面にハニカムコアを押しつける。光硬化プリプレグ中にハニカムコアの一部が入り込んだ状態で、波長300〜600nmの紫外線および可視光線を照射して硬化させることによって、FRPが面材となったハニカム構造体を得ることができる。
【0039】
また、光硬化プリプレグとハニカムコアの接着性をより強固にするため、光硬化性樹脂や、光硬化性樹脂にチキソ性を付与したパテを光硬化プリプレグの接着面に塗布した後、ハニカムコアを押しつけて、その後光照射によって硬化させることもできる。
【0040】
さらに曲面を有するようなハニカム構造体を成形する場合、一度、離型剤を塗布した型枠に光硬化プリプレグを貼り付け、その上からハニカムコアを押しつけて付着させ、そのままの状態で光を照射することによって得ることができる。
【0041】
サンドイッチ構造の場合は、さらにこれらのハニカムコアに光硬化プリプレグを乗せた後、光照射することで容易にハニカム構造体を得ることができる。
【0042】
得られたハニカム構造体は、曲面を有する成形物への使用が容易であることと、軽量かつ面圧に強いという特徴から、風車羽根や型枠などに用いられる。
【0043】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、文中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0044】
(参考例1)光硬化プリプレグの製造
不飽和ポリエステル樹脂(ポリライトFWー281、大日本インキ化学工業(株)製)80重量部、ビニルエステル樹脂(DION9102−01NP、大日本インキ化学工業(株)製)20重量部に対し、アクリル系増粘剤(F303、日本ゼオン製)30重量部を添加し、充分攪拌する。紫外線硬化剤としてイルガキュア−651(チバスペシャリティーケミカル製)1重量部をさらに添加し、攪拌混合後、シートモールディングコンパウンド(以下、SMCと略す)製造装置を使用し、1インチのガラスチョップドストランドに含浸させ、折り畳みながらシートを保管ボックス中に取り出した。得られたシートを45℃に加温し、2時間保管、増粘させ、繊維強化樹脂シートを作成した。該繊維強化樹脂シートは、粘着性があるものの、保護フィルムの剥ぎ取り性は良好で、樹脂分の付着等はなかった。得られたシート中の繊維強化材の含有率は、アセトン溶解後の残査となるガラス繊維重量から25%であることが確認された。
【0045】
(参考例2)光硬化プリプレグの製造
ビニルエステル樹脂(DION9102−01NP、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部を光硬化性樹脂(a)として使用する以外は参考例1と同様にしてプリプレグを製造した。
【0046】
(参考例3)光硬化プリプレグの製造
ビニルウレタン樹脂(ポリライト586、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部を光硬化性樹脂(a)として使用する以外は参考例1と同様にしてプリプレグを製造した。
【0047】
(参考例4)光硬化プリプレグの製造
エポキシ樹脂(エピクロン850、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部に対して光カチオン重合触媒(アデカオプトマーSP170、旭電化工業(株)製)3重量部を添加、攪拌し、さらにアクリル系増粘剤(F303、日本ゼオン製)3重量部を添加混合したコンパウンドを、SMC製造装置で、1インチのガラスチョップドストランドに含浸させ、折り畳みながらシートを保管ボックス中に取り出した。得られたシートを45℃に加温し、2時間保管、増粘させ、繊維強化樹脂シートを作成した。該繊維強化樹脂シートは、粘着性があるものの、保護フィルムの剥ぎ取り性は良好で、樹脂分の付着等はなかった。実施例1と同様に繊維強化材の含有率を測定したところ24%であった。
【0048】
(参考例5)接着面塗布用光硬化樹脂の製造
不飽和ポリエステル樹脂(FW−281、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部に対して紫外線硬化剤としてイルガキュアー651(チバスペシャリティーケミカル製)1重量部を添加し、攪拌混合し溶解させた。
【0049】
(参考例6)接着面塗布用光硬化パテの製造
参考例5の光硬化樹脂100重量部にアエロジル200(アエロジル製)5重量部添加し攪拌混合した。
【0050】
(実施例1)ハニカム構造体の製造
ガラス板上に参考例1の光硬化プリプレグを置き、上面の保護フィルムを除去した後、アルミ製ハニカムコア(コアサイズ1/8インチ、厚さ2mm)を乗せ、ガラス板で上から均一に押しつける。さらに、片面の保護フィルムを取り除いたもう一枚の光硬化プリプレグでハニカムコアを挟み込むように乗せる。ガラス板でハニカム構造体を挟み込み、波長350〜400nmのケミカルランプ(東芝ライテック製)を用い、照射距離5cm、照射時間30分で硬化させる。得られたハニカム構造体はハニカムコアとFRPが剥がれることなく、十分な強度を有するものである。
【0051】
(実施例2)ハニカム構造体の製造
光硬化プリプレグとして参考例2で製造したものを用いる以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。得られたハニカム構造体はハニカムコアとFRPが剥がれることなく、十分な強度を有するものである。
【0052】
(実施例3)ハニカム構造体の製造
光硬化プリプレグとして参考例3で製造したものを用いる以外は実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。得られたハニカム構造体はハニカムコアとFRPが剥がれることなく、十分な強度を有するものである。
【0053】
(実施例4)ハニカム構造体の製造
参考例4で得られた光硬化プリプレグをガラス板上に置き、上面の保護フィルムを除去した後、アルミ製ハニカムコア(コアサイズ1/8インチ、厚さ2mm)を乗せ、ガラス板で上から均一に押しつける。さらに、片面の保護フィルムを取り除いたもう一枚の光硬化プリプレグでハニカムコアを挟み込むように乗せる。ガラス板でハニカム構造体を挟み込み、波長300〜450nmの紫外線ランプ(トスキュア401、東芝ライテック製)で照射距離10cm、照射時間30分で硬化させる。得られたハニカム構造体は、ハニカムコアとFRPが剥がれることなく、十分な強度を有するものである。
【0054】
(実施例5)ハニカム構造体の製造
ハニカムコアを挟み込む前に、光硬化プリプレグの接着面に参考例5で得られた接着面塗布用光硬化樹脂を塗布する以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体はハニカムコアとFRPが剥がれることなく、また、外観上光硬化樹脂とFRPの境目のない、十分な強度を有するものである。
【0055】
(実施例6)ハニカム構造体の製造
ハニカムコアを挟み込む前に、光硬化プリプレグの接着面に参考例6で得られた接着面塗布用光硬化パテを塗布する以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体はハニカムコアとFRPが剥がれることなく、また、外観上光硬化樹脂とFRPの境目のない、十分な強度を有するものである。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、加熱することなく硬化させることができ、且つ優れた強度、粘着性を有するハニカム構造体を提供することであり、且つ3次元の曲面を有する形状の構造体の製造を可能するハニカム構造体の製造方法を提供するものである。

Claims (6)

  1. ハニカムコアに直接、繊維強化プラスチック表面材を接着固定したハニカム構造体であって、繊維強化プラスチック表面材が光硬化性プリプレグからなるハニカム構造体。
  2. 光硬化プリプレグが光硬化性樹脂(a)、熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)、光硬化剤(c)および繊維強化材(d)を含有する、請求項1記載のハニカム構造体。
  3. 光硬化性樹脂(a)が、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含有する請求項2記載のハニカム構造体。
  4. 熱可塑性樹脂粉末からなる増粘剤(b)が、アクリル系重合体である請求項2記載のハニカム構造体。
  5. ハニカムコアがアルミニウムからなる請求項1記載のハニカム構造体。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の光硬化性プリプレグにハニカムコアを押しつけ粘着させた後、光照射して硬化せしめることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008195745A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Shimizu Corp 光硬化型プリプレグ

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JP2008195745A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Shimizu Corp 光硬化型プリプレグ

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