JP2004114401A - 可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 - Google Patents
可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004114401A JP2004114401A JP2002278692A JP2002278692A JP2004114401A JP 2004114401 A JP2004114401 A JP 2004114401A JP 2002278692 A JP2002278692 A JP 2002278692A JP 2002278692 A JP2002278692 A JP 2002278692A JP 2004114401 A JP2004114401 A JP 2004114401A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reversible thermochromic
- color
- fabric
- layer
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化する機能を有し、意外性や色変化の妙味を満足させて商品性を高めることができ、人形用衣裳や衣料等、様々な分野に好適に適用される薄手の温度変化により可逆的に色変化する布帛を提供する。
【解決手段】布帛2表面に、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱色層3を設けてなり、0.05乃至0.25mmの厚みを有する薄手の可逆熱変色性布帛1、及び、それを裁断、縫製してなる可逆熱変色性人形用衣装。
【選択図】 図1
【解決手段】布帛2表面に、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱色層3を設けてなり、0.05乃至0.25mmの厚みを有する薄手の可逆熱変色性布帛1、及び、それを裁断、縫製してなる可逆熱変色性人形用衣装。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装に関する。更に詳細には、布帛表面に可逆熱変色層を設けた、薄手の可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層を布帛表面に設けた可逆熱変色性布帛は、人形用衣裳等の玩具分野に適用されている(特開昭61−179371号公報)。
前記した可逆熱変色性布帛は、温度変化により色変化を呈し、様相変化に富む布帛である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記布帛は、加温や降温により可逆的に色変化を呈するとしても、鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化する機能を有するものでなく、必ずしも意外性や色変化の妙味を満足させるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、布帛表面に、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層を設けてなり、0.05乃至0.25mmの厚みを有する可逆熱変色性布帛を要件とする。
更には、布帛表面に可逆熱変色層と非変色層を併設してなること、可逆熱変色層と非変色層が相互に近接配置及び/又は密接配置されてなること、可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調が近似した色調であること、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めること等を要件とする。
更には、前記可逆熱変色性布帛を裁断、縫製してなる可逆熱変色性人形用衣装を要件とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記布帛の材質は特に限定されるものではないが、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、キュプラ、アセテート、綿、羊毛、絹、麻等を例示できる。
布帛の形態としては、織物、編物、組物、不織布、レース生地等の形態が挙げられる。
前記布帛を用いた商品としては、ぬいぐるみ等の玩具、人形の構成要素の一部である人形用衣装の他、カーテン、被服、履物、リボン、スカーフ、ハンカチ等に用いることもできる。
また、前記布帛の厚みは、形成される可逆熱変色性布帛の厚みを0.05乃至0.25mmの厚みとすることから、0.25mm未満のものが用いられる。
【0006】
前記可逆熱変色性組成物は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)前記化合物を呈色させる電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を含む、従来より公知の可逆熱変色性組成物が有効であり、具体的には、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻るものである。
【0007】
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示し、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点以下で発色状態、高温側変色点以上で消色状態を呈し、前記低温側変色点と高温側変色点の間の温度域で、前記発色状態又は消色状態を互変的に記憶保持できる感温変色性色彩記憶性組成物を適用することもできる。
【0008】
前記可逆熱変色性組成物は、前記(イ)、(ロ)、(ハ)の三成分を含む微粒子形態のものであればよく、バインダー樹脂と共にブレンドした粒状物、前記粒状物を別の樹脂で被覆したもの、等が有効であるが、中でも、鮮明な発色性、高発色濃度、均質性、分散安定性、耐薬品性等の面でマイクロカプセル形態のものが好適である。
前記熱変色性組成物をカプセルに内包させる手段としては、界面重合法、界面重縮合法、インサイチュー法、コアセルベート法等、公知のカプセル化方法が適用される。
【0009】
熱変色性顔料の粒子径は、0.5μm〜50μmの範囲、好ましくは、1.0〜30μm、更に好ましくは、1.0〜10μmの範囲にあることが、変色の鋭敏性、持久性、加工適性等の面で有効である。
粒子径が50μmを越える系にあっては、均質な分散性を保持し難く、一方、0.5μm未満の系にあっては、水性媒体中に懸濁した状態でマイクロカプセル化した熱変色性顔料が得られるとしても、濾別又は遠心分離等の手段によるカプセル化顔料の単離に難がある上、強度的に不充分である。
【0010】
又、カプセルに内包されたマイクロカプセル顔料にあっては、可逆熱変色性組成物/マイクロカプセル壁膜=7/1〜1/1(重量比)の範囲にあることが望ましい。 熱変色性組成物の比率が前記範囲より大になると壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、内包した熱変色性組成物の保護機能の低下がみられる。
一方、壁膜の比率が前記範囲より大になると壁膜強度が向上し、保護機能は高められるが、熱変色性組成物の相対的な比率の低下により発色濃度の低下を余儀なくされ、好ましくない。
【0011】
前記可逆熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料は、バインダー樹脂を含むビヒクル中に所定量を分散させてインキ又は塗料となし、従来より汎用のスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、転写印刷等の印刷手段、スプレー塗装等の印刷乃至塗布手段により、布帛表面に可逆熱変色層を形成する。
ここで、可逆熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料は、バインダー樹脂100重量部に対して、20〜400重量部の割合でブレンドされる。20重量部未満では、鮮明な熱変色性を示さない。一方、400重量部を越えると消色時における色残りが発生しがちであり、好適には50〜350重量部の範囲内で適用される。
前記熱変色性組成物及びそれを内包したマイクロカプセル顔料とバインダー樹脂との配合割合を満たすことにより、熱変色層の耐久性が保持されると共に風合いの硬質化を防ぐ。
【0012】
前記バインダー樹脂は、水溶性或いは油溶性の樹脂のいずれであってもよく、目的に応じて適宜、選択して使用できる。
具体的に例示すると、従来より汎用の樹脂、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビニルアルキルエーテル、ロジン、ロジンエステル、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、油溶性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、シェラック、環化ゴム、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水性シリコンゴムエマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エチルセルローズ等を挙げることができ、水や有機溶剤等の適宜の溶剤に溶解または分散させて、熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料を分散させるためのビヒクルを得ることができる。
又、前記樹脂は、1種又は2種以上を併用することができる。
前記にようにして布帛上に形成される可逆熱変色層は、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めることが好ましく、より好ましくは30乃至70%の面積である。
前記した面積を占めることにより、変色前後の様相変化が大きくなり、意外性をいっそう付与することができる。
【0013】
前記可逆熱変色層の下層に公知の印刷手段により非変色層(ベタ印刷に限らず、非熱変色像を含む)を適宜設けたり、可逆熱変色層と非変色層を併設することにより、様相変化を多様化させることができる。
前記可逆熱変色層と非変色層を併設する系においては、可逆熱変色層と非変色層が相互に近接配置及び/又は密接配置することにより、装飾性と変化性に富む布帛が得られる。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を近接配置又は密接配置する系において、前記可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調を近似した色調にすることによって、一見、何も描かれていない無地の状態から、温度変化により像が現出する意外性を付与することもできる。
前記可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調を近似させる具体的な要件としては、可逆熱変色層と非変色層の色差が50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下にすることにより、層相互間の色調は近似し、目視では区別がつき難く、何も描かれていないような無地に近い状態を視認できる。
前記色差(ΔE)は、可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調における三刺激値(Xa 、Ya 、Za )と、非変色層の色調における三刺激値(Xb 、Yb 、Zb )を色差計〔東京電色(株)製、TC−3600〕により測定した値を用いて、以下の式により算出する。
【数1】
なお、前記可逆熱変色層と非変色層を併設(近接配置及び/又は密接配置も含む)する場合、可逆熱変色層は、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めることが好ましく、変色前後の様相変化が大きくなり、いっそう意外性を付与することができる。
また、最上層には、光安定剤等を含む保護層を設けて可逆熱変色層の光劣化を抑制することもできる。
【0014】
前記のようにして得られる可逆熱変色性布帛は、厚みを0.05〜0.25mm、好ましくは0.07〜0.15mmとすることにより、温度変化により鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化を発現させることができる。
厚みが0.05mm未満では耐久性に乏しく、実用性を満足させ難い。
また、厚みが0.25mmを越えると、該厚みによって可逆熱変色性布帛は熱保持性を有するため、熱又は冷熱を加えて変色させようとしても、可逆熱変色性布帛自体が保持する熱或いは冷熱によって、熱伝導に損失を生じて変色に時間を要する等、速やかな変色機能を発現し難くなる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0016】
実施例1(図1参照)
支持体2として厚み0.08mmの白色ナイロン繊維からなるタフタ生地表面に、ピンク色から無色に変色する感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料〔平均粒子径8μm、変色温度15℃、30℃〕30部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキを120メッシュのスクリーン版を用いてベタ印刷を行ない、乾燥硬化させて熱変色層3を形成して厚み0.09mmの可逆熱変色性布帛1を得た。
前記可逆熱変色性布帛1を30℃以上に加温すると、可逆熱変色層中に含まれる感温変色性色彩記憶性組成物が消色して全面が白色を呈し、この状態は15℃を越える温度域で記憶保持される。
次に、室温(25℃)下で、前記白色を呈する布帛に氷水を充填した冷熱ペンで筆記したところ、感温変色性色彩記憶性組成物が速やかに発色してピンク色の筆跡が現出し、この状態は30℃未満の温度域で記憶保持された。
再び30℃以上に加温すると、前記筆跡は速やかに消失して布帛は白色を呈し、この様相変化は繰り返し行うことができた。
【0017】
実施例2(図2参照)
支持体2として厚み0.1mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、青色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度26℃)30部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキを120メッシュのスクリーン版を用いて直径1.5cmの水玉模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層3を設けた。
次いで、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記可逆熱変色層3に併設するように直径1.5cmの水玉模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層4を設けた。
更に、前記可逆熱変色層3と非変色層4を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層5を形成し、最大厚み0.12mmの可逆熱変色性布帛1を得た。
前記可逆熱変色性布帛1を、30℃の屋外から25℃の屋内に持ち込んだところ、黄色単独の水玉模様から、速やかに黄色と青色の二色の水玉模様に変化した。また、前記布帛を30℃の屋外に再び持ち出したところ、速やかに元の黄色単独の水玉模様に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
【0018】
実施例3
支持体として厚み0.08mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、青緑色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度 28℃)20部、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキ(黄緑色から黄色に可逆的に変色する)を120メッシュのスクリーン版を用いて、生地の表面積に対し、面積比が40%となるよう花柄模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層を形成した。
次いで、黄緑色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記熱変色層と相互に密接配置するよう、背景の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層を設けた。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層を形成し、最大厚み0.1mmの可逆熱変色性布帛を構成した。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、全面が黄緑色の状態から、速やかに黄緑色の背景と黄色の花柄の状態に変化し、しかも、可逆熱変色層の布帛に占める面積が大きいため、変化性に意外性を付与できた。再び前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、速やかに元の全面が黄緑色の状態に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
なお、前記黄緑色を呈する可逆熱変色層と、非変色層の色差(ΔE)は25.7であった。
【0019】
実施例4
支持体として厚み0.08mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、赤色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度 28℃)20部、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる熱変色性インキ(オレンジ色から黄色に可逆的に変色する)を120メッシュのスクリーン版を用いて、生地の表面積に対し、面積比が60%となるよう花柄模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層を形成した。
次いで、オレンジ色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記熱変色層と相互に密接配置するよう、オレンジ色背景色の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層を設けた。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層を形成し、最大厚み0.1mmの可逆熱変色性布帛を構成した。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、全面がオレンジ色の状態から、速やかにオレンジ色の背景と黄色の花柄の状態に変化し、しかも、可逆熱変色層の布帛に占める面積が大きいため、変化性に意外性を付与できた。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、速やかに元の全面がオレンジ色の状態に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
なお、前記オレンジ色を呈する可逆熱変色層と、非変色層の色差(ΔE)は17.28であった。
【0020】
実施例5
実施例4で得られた可逆熱変色性布帛を裁断、縫製して可逆熱変色性人形用衣装(スカート)を得た。
前記衣装を人形に着せた後、25℃の屋内で40℃の温水を充填したスタンプ形態の変色具(印面は直径2cmの円形)を用いて、衣装の一部を裏側から加温したところ、速やかに黄色の花柄が現れた。
前記変色具を衣装から離すと、速やかに元の全面がオレンジ色の状態に戻った。
前記様相変化は、変色具の適用により繰り返し行うことができた。
【0021】
比較例1
支持体として厚み0.3mmの白色ポリエステル繊維からなるトリコット生地表面に、実施例1と同様の方法で可逆熱変色層を設けて厚み0.31mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を30℃以上に加温すると感温変色性色彩記憶性組成物が消色して全面が白色を呈する。
次に、室温(25℃)下で、この白色を呈する熱変色性布帛に、実施例1で用いた冷熱ペンにて筆記したところ、加温変色性色彩記憶性組成物の発色が実施例1に比べて鋭敏でないため、同等の筆記速度では十分な濃度を有する鮮明な筆跡が得られず、また、同等の濃度を有する鮮明な筆跡を得ようとすると筆記速度が著しく低下し、実用性に乏しいものであった。
【0022】
比較例2
支持体として厚み0.3mmの白色ポリエステル繊維からなるトリコット生地表面に、実施例2と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.32mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を30℃の屋外から25℃の屋内に持ち込んだところ、実施例2と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、黄色単独の水玉模様から、黄色と青色の二色の水玉模様への変化に時間を要した。また、前記布帛を30℃の屋外に再び持ち出したところ、黄色単独の水玉模様に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0023】
比較例3
支持体として厚み0.27mmの綿布表面に、実施例3と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.3mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、実施例3と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、全面が黄緑色の状態から、黄色の花柄と黄緑色の背景の二色の柄への変化に時間を要した。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、全面が黄緑色の状態に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0024】
比較例4
支持体として厚み0.25mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、実施例4と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.27mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、実施例4と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、全面がオレンジ色の状態から、黄色の花柄とオレンジ色の背景色の二色の柄への変化に時間を要した。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、全面がオレンジ色の状態に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0025】
比較例5
比較例4で得られた熱変色性布帛を裁断、縫製加工して可逆熱変色性人形用衣装(スカート)を得た。
前記衣装を人形に着せた後、25℃の屋内で実施例5で用いた変色具にて衣装の一部を裏側から加温したところ、実施例5と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、花柄が現出するのに時間を要した。
また、前記変色具を衣装から離すと元の全面がオレンジ色の状態に戻るのにも時間を要し、玩具としての変色の妙味に乏しいものであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の可逆熱変色性布帛は、鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化する機能を有し、意外性や色変化の妙味を満足させて商品性を高めることができ、人形用衣裳は勿論、様々な分野に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆熱変色性布帛の一実施例の縦断面拡大説明図である。
【図2】本発明の可逆熱変色性布帛の他の実施例の縦断面拡大説明図である。
【符号の説明】
1 可逆熱変色性布帛
2 布帛
3 可逆熱変色層
4 非変色層
5 保護層
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装に関する。更に詳細には、布帛表面に可逆熱変色層を設けた、薄手の可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層を布帛表面に設けた可逆熱変色性布帛は、人形用衣裳等の玩具分野に適用されている(特開昭61−179371号公報)。
前記した可逆熱変色性布帛は、温度変化により色変化を呈し、様相変化に富む布帛である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記布帛は、加温や降温により可逆的に色変化を呈するとしても、鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化する機能を有するものでなく、必ずしも意外性や色変化の妙味を満足させるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、布帛表面に、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層を設けてなり、0.05乃至0.25mmの厚みを有する可逆熱変色性布帛を要件とする。
更には、布帛表面に可逆熱変色層と非変色層を併設してなること、可逆熱変色層と非変色層が相互に近接配置及び/又は密接配置されてなること、可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調が近似した色調であること、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めること等を要件とする。
更には、前記可逆熱変色性布帛を裁断、縫製してなる可逆熱変色性人形用衣装を要件とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記布帛の材質は特に限定されるものではないが、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、キュプラ、アセテート、綿、羊毛、絹、麻等を例示できる。
布帛の形態としては、織物、編物、組物、不織布、レース生地等の形態が挙げられる。
前記布帛を用いた商品としては、ぬいぐるみ等の玩具、人形の構成要素の一部である人形用衣装の他、カーテン、被服、履物、リボン、スカーフ、ハンカチ等に用いることもできる。
また、前記布帛の厚みは、形成される可逆熱変色性布帛の厚みを0.05乃至0.25mmの厚みとすることから、0.25mm未満のものが用いられる。
【0006】
前記可逆熱変色性組成物は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)前記化合物を呈色させる電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を含む、従来より公知の可逆熱変色性組成物が有効であり、具体的には、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻るものである。
【0007】
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示し、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点以下で発色状態、高温側変色点以上で消色状態を呈し、前記低温側変色点と高温側変色点の間の温度域で、前記発色状態又は消色状態を互変的に記憶保持できる感温変色性色彩記憶性組成物を適用することもできる。
【0008】
前記可逆熱変色性組成物は、前記(イ)、(ロ)、(ハ)の三成分を含む微粒子形態のものであればよく、バインダー樹脂と共にブレンドした粒状物、前記粒状物を別の樹脂で被覆したもの、等が有効であるが、中でも、鮮明な発色性、高発色濃度、均質性、分散安定性、耐薬品性等の面でマイクロカプセル形態のものが好適である。
前記熱変色性組成物をカプセルに内包させる手段としては、界面重合法、界面重縮合法、インサイチュー法、コアセルベート法等、公知のカプセル化方法が適用される。
【0009】
熱変色性顔料の粒子径は、0.5μm〜50μmの範囲、好ましくは、1.0〜30μm、更に好ましくは、1.0〜10μmの範囲にあることが、変色の鋭敏性、持久性、加工適性等の面で有効である。
粒子径が50μmを越える系にあっては、均質な分散性を保持し難く、一方、0.5μm未満の系にあっては、水性媒体中に懸濁した状態でマイクロカプセル化した熱変色性顔料が得られるとしても、濾別又は遠心分離等の手段によるカプセル化顔料の単離に難がある上、強度的に不充分である。
【0010】
又、カプセルに内包されたマイクロカプセル顔料にあっては、可逆熱変色性組成物/マイクロカプセル壁膜=7/1〜1/1(重量比)の範囲にあることが望ましい。 熱変色性組成物の比率が前記範囲より大になると壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、内包した熱変色性組成物の保護機能の低下がみられる。
一方、壁膜の比率が前記範囲より大になると壁膜強度が向上し、保護機能は高められるが、熱変色性組成物の相対的な比率の低下により発色濃度の低下を余儀なくされ、好ましくない。
【0011】
前記可逆熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料は、バインダー樹脂を含むビヒクル中に所定量を分散させてインキ又は塗料となし、従来より汎用のスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、転写印刷等の印刷手段、スプレー塗装等の印刷乃至塗布手段により、布帛表面に可逆熱変色層を形成する。
ここで、可逆熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料は、バインダー樹脂100重量部に対して、20〜400重量部の割合でブレンドされる。20重量部未満では、鮮明な熱変色性を示さない。一方、400重量部を越えると消色時における色残りが発生しがちであり、好適には50〜350重量部の範囲内で適用される。
前記熱変色性組成物及びそれを内包したマイクロカプセル顔料とバインダー樹脂との配合割合を満たすことにより、熱変色層の耐久性が保持されると共に風合いの硬質化を防ぐ。
【0012】
前記バインダー樹脂は、水溶性或いは油溶性の樹脂のいずれであってもよく、目的に応じて適宜、選択して使用できる。
具体的に例示すると、従来より汎用の樹脂、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビニルアルキルエーテル、ロジン、ロジンエステル、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、油溶性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、シェラック、環化ゴム、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水性シリコンゴムエマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エチルセルローズ等を挙げることができ、水や有機溶剤等の適宜の溶剤に溶解または分散させて、熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料を分散させるためのビヒクルを得ることができる。
又、前記樹脂は、1種又は2種以上を併用することができる。
前記にようにして布帛上に形成される可逆熱変色層は、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めることが好ましく、より好ましくは30乃至70%の面積である。
前記した面積を占めることにより、変色前後の様相変化が大きくなり、意外性をいっそう付与することができる。
【0013】
前記可逆熱変色層の下層に公知の印刷手段により非変色層(ベタ印刷に限らず、非熱変色像を含む)を適宜設けたり、可逆熱変色層と非変色層を併設することにより、様相変化を多様化させることができる。
前記可逆熱変色層と非変色層を併設する系においては、可逆熱変色層と非変色層が相互に近接配置及び/又は密接配置することにより、装飾性と変化性に富む布帛が得られる。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を近接配置又は密接配置する系において、前記可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調を近似した色調にすることによって、一見、何も描かれていない無地の状態から、温度変化により像が現出する意外性を付与することもできる。
前記可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調を近似させる具体的な要件としては、可逆熱変色層と非変色層の色差が50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下にすることにより、層相互間の色調は近似し、目視では区別がつき難く、何も描かれていないような無地に近い状態を視認できる。
前記色差(ΔE)は、可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調における三刺激値(Xa 、Ya 、Za )と、非変色層の色調における三刺激値(Xb 、Yb 、Zb )を色差計〔東京電色(株)製、TC−3600〕により測定した値を用いて、以下の式により算出する。
【数1】
なお、前記可逆熱変色層と非変色層を併設(近接配置及び/又は密接配置も含む)する場合、可逆熱変色層は、布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占めることが好ましく、変色前後の様相変化が大きくなり、いっそう意外性を付与することができる。
また、最上層には、光安定剤等を含む保護層を設けて可逆熱変色層の光劣化を抑制することもできる。
【0014】
前記のようにして得られる可逆熱変色性布帛は、厚みを0.05〜0.25mm、好ましくは0.07〜0.15mmとすることにより、温度変化により鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化を発現させることができる。
厚みが0.05mm未満では耐久性に乏しく、実用性を満足させ難い。
また、厚みが0.25mmを越えると、該厚みによって可逆熱変色性布帛は熱保持性を有するため、熱又は冷熱を加えて変色させようとしても、可逆熱変色性布帛自体が保持する熱或いは冷熱によって、熱伝導に損失を生じて変色に時間を要する等、速やかな変色機能を発現し難くなる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0016】
実施例1(図1参照)
支持体2として厚み0.08mmの白色ナイロン繊維からなるタフタ生地表面に、ピンク色から無色に変色する感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料〔平均粒子径8μm、変色温度15℃、30℃〕30部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキを120メッシュのスクリーン版を用いてベタ印刷を行ない、乾燥硬化させて熱変色層3を形成して厚み0.09mmの可逆熱変色性布帛1を得た。
前記可逆熱変色性布帛1を30℃以上に加温すると、可逆熱変色層中に含まれる感温変色性色彩記憶性組成物が消色して全面が白色を呈し、この状態は15℃を越える温度域で記憶保持される。
次に、室温(25℃)下で、前記白色を呈する布帛に氷水を充填した冷熱ペンで筆記したところ、感温変色性色彩記憶性組成物が速やかに発色してピンク色の筆跡が現出し、この状態は30℃未満の温度域で記憶保持された。
再び30℃以上に加温すると、前記筆跡は速やかに消失して布帛は白色を呈し、この様相変化は繰り返し行うことができた。
【0017】
実施例2(図2参照)
支持体2として厚み0.1mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、青色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度26℃)30部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキを120メッシュのスクリーン版を用いて直径1.5cmの水玉模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層3を設けた。
次いで、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記可逆熱変色層3に併設するように直径1.5cmの水玉模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層4を設けた。
更に、前記可逆熱変色層3と非変色層4を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層5を形成し、最大厚み0.12mmの可逆熱変色性布帛1を得た。
前記可逆熱変色性布帛1を、30℃の屋外から25℃の屋内に持ち込んだところ、黄色単独の水玉模様から、速やかに黄色と青色の二色の水玉模様に変化した。また、前記布帛を30℃の屋外に再び持ち出したところ、速やかに元の黄色単独の水玉模様に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
【0018】
実施例3
支持体として厚み0.08mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、青緑色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度 28℃)20部、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる可逆熱変色性インキ(黄緑色から黄色に可逆的に変色する)を120メッシュのスクリーン版を用いて、生地の表面積に対し、面積比が40%となるよう花柄模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層を形成した。
次いで、黄緑色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記熱変色層と相互に密接配置するよう、背景の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層を設けた。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層を形成し、最大厚み0.1mmの可逆熱変色性布帛を構成した。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、全面が黄緑色の状態から、速やかに黄緑色の背景と黄色の花柄の状態に変化し、しかも、可逆熱変色層の布帛に占める面積が大きいため、変化性に意外性を付与できた。再び前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、速やかに元の全面が黄緑色の状態に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
なお、前記黄緑色を呈する可逆熱変色層と、非変色層の色差(ΔE)は25.7であった。
【0019】
実施例4
支持体として厚み0.08mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、赤色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径8μm、変色温度 28℃)20部、黄色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる熱変色性インキ(オレンジ色から黄色に可逆的に変色する)を120メッシュのスクリーン版を用いて、生地の表面積に対し、面積比が60%となるよう花柄模様の印刷を行ない、乾燥硬化させて、可逆熱変色層を形成した。
次いで、オレンジ色蛍光顔料10部、ウレタン系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散してなる黄色蛍光インキを160メッシュのスクリーン版を用いて、前記熱変色層と相互に密接配置するよう、オレンジ色背景色の印刷を行ない、乾燥硬化させて、非変色層を設けた。
更に、前記可逆熱変色層と非変色層を形成したタフタ生地全面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、アクリルポリオール樹脂50部、イソシアネート系架橋剤0.5部、トルエン25部、酢酸エチル25部からなる樹脂溶液を版深120μmのグラビア版を用いて塗工し、乾燥硬化させて保護層を形成し、最大厚み0.1mmの可逆熱変色性布帛を構成した。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、全面がオレンジ色の状態から、速やかにオレンジ色の背景と黄色の花柄の状態に変化し、しかも、可逆熱変色層の布帛に占める面積が大きいため、変化性に意外性を付与できた。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、速やかに元の全面がオレンジ色の状態に戻った。
前記様相変化は、温度変化により繰り返し行うことができた。
なお、前記オレンジ色を呈する可逆熱変色層と、非変色層の色差(ΔE)は17.28であった。
【0020】
実施例5
実施例4で得られた可逆熱変色性布帛を裁断、縫製して可逆熱変色性人形用衣装(スカート)を得た。
前記衣装を人形に着せた後、25℃の屋内で40℃の温水を充填したスタンプ形態の変色具(印面は直径2cmの円形)を用いて、衣装の一部を裏側から加温したところ、速やかに黄色の花柄が現れた。
前記変色具を衣装から離すと、速やかに元の全面がオレンジ色の状態に戻った。
前記様相変化は、変色具の適用により繰り返し行うことができた。
【0021】
比較例1
支持体として厚み0.3mmの白色ポリエステル繊維からなるトリコット生地表面に、実施例1と同様の方法で可逆熱変色層を設けて厚み0.31mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を30℃以上に加温すると感温変色性色彩記憶性組成物が消色して全面が白色を呈する。
次に、室温(25℃)下で、この白色を呈する熱変色性布帛に、実施例1で用いた冷熱ペンにて筆記したところ、加温変色性色彩記憶性組成物の発色が実施例1に比べて鋭敏でないため、同等の筆記速度では十分な濃度を有する鮮明な筆跡が得られず、また、同等の濃度を有する鮮明な筆跡を得ようとすると筆記速度が著しく低下し、実用性に乏しいものであった。
【0022】
比較例2
支持体として厚み0.3mmの白色ポリエステル繊維からなるトリコット生地表面に、実施例2と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.32mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を30℃の屋外から25℃の屋内に持ち込んだところ、実施例2と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、黄色単独の水玉模様から、黄色と青色の二色の水玉模様への変化に時間を要した。また、前記布帛を30℃の屋外に再び持ち出したところ、黄色単独の水玉模様に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0023】
比較例3
支持体として厚み0.27mmの綿布表面に、実施例3と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.3mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、実施例3と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、全面が黄緑色の状態から、黄色の花柄と黄緑色の背景の二色の柄への変化に時間を要した。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、全面が黄緑色の状態に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0024】
比較例4
支持体として厚み0.25mmの白色ポリエステル繊維からなるタフタ生地表面に、実施例4と同様の方法で可逆熱変色層、非変色層、及び、保護層を設けて厚み0.27mmの可逆熱変色性布帛を得た。
前記可逆熱変色性布帛を、25℃の屋内から30℃の屋外に持ち出したところ、実施例4と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、全面がオレンジ色の状態から、黄色の花柄とオレンジ色の背景色の二色の柄への変化に時間を要した。また、前記布帛を25℃の屋内に再び持ち込んだところ、全面がオレンジ色の状態に戻るのにも時間を要し、変色の妙味に乏しいものであった。
【0025】
比較例5
比較例4で得られた熱変色性布帛を裁断、縫製加工して可逆熱変色性人形用衣装(スカート)を得た。
前記衣装を人形に着せた後、25℃の屋内で実施例5で用いた変色具にて衣装の一部を裏側から加温したところ、実施例5と比較して可逆熱変色層の変色が鋭敏でないため、花柄が現出するのに時間を要した。
また、前記変色具を衣装から離すと元の全面がオレンジ色の状態に戻るのにも時間を要し、玩具としての変色の妙味に乏しいものであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の可逆熱変色性布帛は、鋭敏な変色挙動を示して瞬時に様相変化する機能を有し、意外性や色変化の妙味を満足させて商品性を高めることができ、人形用衣裳は勿論、様々な分野に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆熱変色性布帛の一実施例の縦断面拡大説明図である。
【図2】本発明の可逆熱変色性布帛の他の実施例の縦断面拡大説明図である。
【符号の説明】
1 可逆熱変色性布帛
2 布帛
3 可逆熱変色層
4 非変色層
5 保護層
Claims (6)
- 布帛表面に、可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層を設けてなり、0.05乃至0.25mmの厚みを有することを特徴とする可逆熱変色性布帛。
- 布帛表面に可逆熱変色層と非変色層を併設してなる請求項1記載の可逆熱変色性布帛。
- 可逆熱変色層と非変色層が相互に近接配置及び/又は密接配置されてなる請求項2記載の可逆熱変色性布帛。
- 前記可逆熱変色層の発色時又は消色時の色調と、非変色層の色調が近似した色調である請求項3記載の可逆熱変色性布帛。
- 布帛表面に設けた可逆熱変色層の表面積が、布帛の表面積に対して15乃至85%の面積を占める請求項1乃至4のいずれかの可逆熱変色性布帛。
- 請求項1乃至5のいずれかの可逆熱変色性布帛を裁断、縫製してなる可逆熱変色性人形用衣装。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002278692A JP2004114401A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002278692A JP2004114401A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004114401A true JP2004114401A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32273902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002278692A Pending JP2004114401A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004114401A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107912820A (zh) * | 2017-04-27 | 2018-04-17 | 杭州康佳乐旅游用品有限公司 | 可以净化空气及隔离雾霾和微尘的防尘纱及其制造方法 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002278692A patent/JP2004114401A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107912820A (zh) * | 2017-04-27 | 2018-04-17 | 杭州康佳乐旅游用品有限公司 | 可以净化空气及隔离雾霾和微尘的防尘纱及其制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1477320A2 (en) | Thermochromic color-memory composition and microencapsulated pigment containing the same | |
JPH0450288A (ja) | フォトクロミック材料 | |
JP2008280523A (ja) | 感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 | |
JPS62206082A (ja) | 線状体の製造方法 | |
JPH0910013A (ja) | 感温変色性色彩記憶性履物及び任意像形成のための変色具を備えた履物用品 | |
JP2008045062A (ja) | 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 | |
JP2004114401A (ja) | 可逆熱変色性布帛及びそれを用いた可逆熱変色性人形用衣装 | |
JP2002064603A (ja) | 可逆感温変色性携帯電話 | |
JP3984509B2 (ja) | 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた可逆熱変色性積層体 | |
JP4362183B2 (ja) | 熱変色性布帛 | |
JP3984510B2 (ja) | 可逆熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 | |
JPH07119056A (ja) | 熱変色性布帛及びそれを用いた衣料 | |
JP3484590B2 (ja) | 虹彩熱変色性積層体及びそれを用いた織布 | |
JPH11315277A (ja) | 可逆感温多色変色性組成物及び積層体 | |
JP3306608B2 (ja) | 熱変色性真珠光沢加工体 | |
JP2000080360A (ja) | 可逆感温多色変色性組成物及び積層体 | |
JP2000108521A (ja) | 虹彩熱変色性−蓄光性積層体 | |
JP2000132127A (ja) | 色彩変化表示体 | |
JP2002004181A (ja) | 熱変色性布帛 | |
JPH11128532A (ja) | 可逆熱変色性パズル及びそれを用いた可逆熱変色性パズルセット | |
JP3984512B2 (ja) | 水変色性印刷物 | |
JP2001121636A (ja) | 熱変色性布帛 | |
JPH10146204A (ja) | 感温変色性履物 | |
JP2004238751A (ja) | 熱変色性布帛及びそれを用いた人形用衣装 | |
JP2004203907A (ja) | 金属光沢調熱変色性液状組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071218 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080415 |