JP2004114314A - 樹脂成形システムおよび樹脂成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の注入装置を用いることなく樹脂成形を可能とする樹脂成形システムおよび樹脂成形方法を提供することである。
【解決手段】樹脂成形システム10は、図示されていない真空発生器により内部を減圧にできる圧力槽12と、圧力槽12の内部に設置される成形装置14を備える。成形装置14において、混合器20と組合せ成形型23との間は差圧開閉バルブ22で隔てられている。圧力槽12の内部を減圧すると、組合せ成形型23の内部も減圧されるが混合器20は減圧されず、その間に圧力差が生ずる。減圧が進んで圧力差が所定値になると差圧開閉バルブ22が作動し、混合器20と組合せ成形型23との間が連通し、その圧力差により、混合器20内の混合された主剤と硬化剤とが、強化繊維を配置した組合せ成形型23に注入される。その後所定の硬化処理を行い、FRP製品を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂成形システム10は、図示されていない真空発生器により内部を減圧にできる圧力槽12と、圧力槽12の内部に設置される成形装置14を備える。成形装置14において、混合器20と組合せ成形型23との間は差圧開閉バルブ22で隔てられている。圧力槽12の内部を減圧すると、組合せ成形型23の内部も減圧されるが混合器20は減圧されず、その間に圧力差が生ずる。減圧が進んで圧力差が所定値になると差圧開閉バルブ22が作動し、混合器20と組合せ成形型23との間が連通し、その圧力差により、混合器20内の混合された主剤と硬化剤とが、強化繊維を配置した組合せ成形型23に注入される。その後所定の硬化処理を行い、FRP製品を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形システムおよび樹脂成形方法に係り、特に成形型を用いる樹脂成形システムおよび樹脂成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強化繊維入りの樹脂(Fiber Reinforced Plastic:FRP)製品を製造するには、高圧で樹脂を金型に注入する成形法が用いられる。すなわち、所定の内部形状に形作られた上下金型の中に強化繊維を配置し、注入装置を用いて数気圧から十数気圧の圧力で樹脂を金型内に注入し、室温もしくは加熱により硬化させ、その後金型から取り外してFRP製品を得る。金型で強化繊維を押さえ込みつつ、高圧で樹脂を注入するこの方法は、特に、強化繊維の量を増加させるときに有効とされている。
【0003】
【非特許文献1】
植村益次編集、「FRP構造設計便覧」、初版、社団法人強化プラスティック協会、平成6年9月30日、p342−348
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、高圧で樹脂を金型内に注入するために、堅牢な金型を要し型費用が増加する。また、金型の重量が増加し、特に大型FRP製品用の金型のときはハンドリングが容易でなくなる。高圧の注入装置が必要で、その初期投資とその操作に時間を要し、製造コストが増加する。
【0005】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、簡易な成形型で樹脂成形を可能とする樹脂成形システムおよび樹脂成形方法を提供することである。本発明の他の目的は、樹脂の注入装置を用いることなく樹脂成形を可能とする樹脂成形システムおよび樹脂成形方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る樹脂成形システムは、強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、前記成形装置は、前記主剤を収容し、前記主剤を外部に供給する主剤供給口を有する主剤容器と、前記硬化剤を収容し、前記硬化剤を外部に供給する硬化剤供給口を有する硬化剤容器と、前記主剤供給口及び前記硬化剤供給口とに接続して設けられ、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合器と、前記混合器と接続して設けられ、前記所定外形を内部形状として形作られた成形型と、前記混合器と前記成形型との間に設けられたバルブと、を備え、前記圧力槽の内部を減圧した後前記バルブの連通により、前記強化繊維を配置した前記成形型の中に主剤と硬化剤とが注入されることを特徴とする。
【0007】
上記構成により、混合器と成形型との間をバルブで隔て、成形装置全体が圧力槽の中に収められる。圧力槽の内部を減圧すると、成形型の内部形状の型部分も減圧され、一方混合器は減圧されないので例えば常圧の状態である。そこでバルブを連通し、圧力のより高い混合器と圧力のより低い成形型との間を開放すると、その圧力差により、混合器内の混合された主剤と硬化剤とが、低い強化繊維を配置した成形型に注入される。その後所定の硬化処理を行うことで、FRP製品を得ることができる。したがって、樹脂の注入装置を用いずに樹脂成形が可能となる。また、樹脂注入の際に成形型には高圧がかからないので、堅牢な金型を必要とせず、簡易な型で樹脂成形が可能となる。
【0008】
また、前記バルブは、前記圧力槽の内部の圧力が所定の減圧に達したときに前記混合器と前記成形型との間を連通する差圧開閉バルブであることが好ましい。この構成により、樹脂の注入が所定の減圧に達すれば自動的に行われ、樹脂成形システムの構成が簡易なものになる。
【0009】
また、前記圧力槽は、樹脂成形に必要な温度に耐える耐熱性のプラスチック製袋であることがよい。減圧は、樹脂の流動性を確保するのに十分であればよく、例えば約300torr程度である。樹脂の硬化処理は、注入完了後減圧を解除し、大気圧もしくは外側から加圧して行うことがボイドの発生を防止する面から好ましい。上記構成によれば、簡易な圧力槽により樹脂成形が可能となる。
【0010】
また、前記成形型は、前記所定外形を内部形状に形作られた金属製の成形下型と、前記成形下型と組合わされて樹脂成形の厚みを規定するプラスチック製の蓋からなる組合せ成形型であることが好ましい。樹脂の注入は減圧下で行われるので、堅牢な型を必要としない。上記構成により、樹脂成形の所定外形は金属製の成形下型に彫りこんだ形状で規定し、その厚みは単にプラスチック製の蓋で覆うことで規定する。したがって、簡易な型で樹脂成形が可能となる。
【0011】
また、前記成形型は、成形下型と蓋からなる組合せ成形型であって、前記成形下型と前記蓋との間に設けられたスペーサ機構を備え、前記スペーサ機構は、主剤と硬化剤とが注入されるときは前記成形下型と前記蓋との間の隙間を確保し、主剤と硬化剤とを反応させ樹脂成形を行うときは前記隙間を閉じることが好ましい。上記構成により、樹脂成形を行う際に、成形下型と蓋とを隙間をなくして組合せることができる。したがって、成形下型と蓋との間に隙間がある場合に比べ、より厚みの寸法精度を向上して樹脂成形を行うことができる。
【0012】
また、前記スペーサ機構は、前記樹脂成形における加圧または加熱に応じて前記隙間を閉じることが好ましい。上記構成により、樹脂成形のための加圧あるいは加熱により自動的に成形下型と蓋との隙間がなくなる。したがって、樹脂成形システムの構成を簡易なものとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る樹脂成形システムは、強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、前記成形型は、その一部がプラスチックで形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る樹脂成形方法は、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを用い、成形型の中で強化繊維に主剤と硬化剤とを加え、主剤と硬化剤とを反応させて所定外形に樹脂を成形する樹脂成形方法であって、前記所定外形を内部形状として形作られた成形型に前記強化繊維を配置する強化繊維配置工程と、所定の差圧で作動する差圧開閉バルブを介して前記成形型と隔てられている前記混合器内において、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合工程と、前記差圧開閉バルブが作動し、前記混合器と成形型との間が連通して、前記混合された主剤と硬化剤とが前記成形型の内部に注入される前記所定の差圧まで前記圧力槽内部を減圧する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、樹脂成形システム10の構成を示す図である。樹脂成形システム10は、図示されていない真空発生器により内部を減圧にできる圧力槽12と、圧力槽12の内部に設置される成形装置14を備える。図に示すように、成形装置14は、主剤を収容する主剤容器16、硬化剤を収容する硬化剤容器18、主剤と硬化剤を混合する混合器20、所定の差圧で作動する差圧開閉バルブ22、成形下型24及び蓋26を備える。
【0016】
圧力槽12は、開口端30を除いて気密なプラスチック製の袋である。開口端30にはトラップ32を介して図示されていない真空発生器が接続される。真空発生器を駆動することで、圧力槽12は、その内部に成形装置14を収容したまま、その内部を減圧にすることができる。また、図示されていない加圧器を駆動することで、圧力槽12全体をその外側から圧力を加え、圧力槽12の内部を加圧することもできる。さらに、耐熱性のプラスチック製袋を用いることで、その内部に成形装置14を収容したまま圧力槽12全体を加熱することもできる。なお、圧力槽12に作業用の開閉可能な作業窓を設けてもよい。
【0017】
トラップ32は、例えば、成形装置14における過剰な樹脂を取り除くため、圧力槽12から排除して流れ込ませるための容器である。
【0018】
成形装置14は、成形下型24と蓋26からなる組合せ成形型23に強化繊維を配置し、その組合せ成形型23の中に主剤と硬化剤とを混合したものを注入する装置である。主剤と硬化剤はともに液体で、所定の混合比で混合し、所定の硬化条件で硬化させることで固化する。
【0019】
成形装置14の中の主剤容器16は、供給口を除いて密閉された容器で、内部に主剤を収容する。供給口には、主剤を外部に供給する際の流量を調整する機能を有する主剤流量調整機構34が設けられる。主剤流量調整機構34は、例えばオリフィス板で構成することができる。オリフィス板の穴径の大きさを選定することで所望の供給流量に設定できる。また、手動または自動でオリフィス板の穴径を制御することで、任意の供給流量に調整することもできる。主剤容器16の供給口は混合器20に接続される。
【0020】
硬化剤容器18は、主剤容器16と同様に供給口を除いて密閉された容器で、内部に硬化剤を収容し、供給口には主剤流量調整機構34と同様な硬化剤流量調整機構36が設けられ、硬化剤の供給流量が調整される。硬化剤の供給流量は、主剤の供給流量との間で、樹脂成形に必要な所定の流量比となるように調整される。硬化剤容器18の供給口は混合器20に接続される。
【0021】
混合器20は、主剤流量調整機構34を介して所定の供給流量で供給される主剤と、硬化剤流量調整機構36を介して所定の供給流量で供給される硬化剤とを混合するミキサである。混合器20は、スタティックミキサまたは攪拌式の混合装置で構成することができる。混合器20の出力口は差圧開閉バルブ22の入力端に接続される。
【0022】
差圧開閉バルブ22は、入力端と出力端との圧力の差である差圧が所定値以上のときに入力端と出力端とが連通し、差圧が所定値未満のときは入力端と出力端との間が遮断されるバルブである。差圧開閉バルブ22は、所定の付勢力に設定可能なバネを内蔵するスプリング式圧力バルブを用いることができる。図においては、入力端が混合器20の出力口に接続され、出力端は組合せ成形型23の内部に開放されている。したがって、混合器20内部の圧力に比し、組合せ成形型23の内部の圧力、すなわち圧力槽12の内部の圧力が所定値以上に低く減圧されるまでは、混合器20は組合せ成形型23と隔てられる。減圧が所定値以上に低くなると、混合器20の出力口は組合せ成形型23の内部に開放される。
【0023】
組合せ成形型23は、金属製の成形下型24と、成形下型24と組合わされるプラスチック製の蓋26から構成される。所定の輪郭形状と所定の厚みを有するFRP製品の樹脂成形に対して、成形下型24は所定の輪郭形状を規定する機能を有し、蓋26は、成形下型24と組合せて所定の厚みを規定する機能を有する。成形下型24にはその内部形状として、対象とするFRP製品の外形形状が彫りこまれる。蓋26に用いられるプラスチックの材質は、硬質プラスチックのほか、合成ゴム等の軟質プラスチックでもよい。
【0024】
上記実施の形態の樹脂成形システム10を用いて、FRP製品を樹脂成形する手順を図2のフローチャートに従って説明する。
【0025】
S10は、組合せ成形型23に強化繊維を配置する工程である。組合せ成形型23の内部、より詳しくは成形下型24の内部形状の中に所定量の強化繊維を配置し、蓋26を成形下型24の上に組合せて配置する。強化繊維の配置は、圧力槽12の内部に強化繊維供給装置を設けてもよく、あるいは圧力槽12に設けられた作業窓を用いて行うこともできる。
【0026】
S12は、主剤と硬化剤とを混合器20内で混合する工程である。主剤流量調整機構34と硬化剤流量調整機構36を調整して、樹脂成形に必要な所定の混合比になるように主剤の供給流量と硬化剤の供給流量を調整する。所定の供給流量を確保するため必要な場合には、図示されていない加圧器を駆動させて圧力槽12の内部圧力を高め、主剤容器16及び硬化剤容器18に圧力を加えることもできる。所定の供給流量で供給された主剤と硬化剤とは、例えば攪拌により混合器20において十分に混合される。
【0027】
S14は、圧力槽12の内部を減圧する工程である。必要な減圧は、主剤と硬化剤の種類、FRP製品の形状や大きさ等にあわせ異なるが、例えば、約300Torr程度である。必要な減圧の値が定まると、その減圧設定値に、差圧開閉バルブ22の作動圧を調整する。例えば、スプリング式の圧力バルブを用いるときは、その内蔵バネの付勢力の設定を調整して、作動圧を減圧設定値に調整する。次に、図示されていない真空発生器を駆動させ、圧力槽12の内部の空気を排除し、減圧する。減圧開始時期は、混合器20における混合と平行して、あるいは混合開始から所定時間経過後に設定することができる。
【0028】
圧力槽12の内部の減圧が進んで、所定の減圧設定値まで下がると、差圧開閉バルブ22が作動し、混合器20と組合せ成形型23との間が連通して、圧力差により、混合された主剤と硬化剤とが組合せ成形型23の内部に注入される。組合せ成形型23の内部には強化繊維が配置されているので、混合された主剤と硬化剤とは強化繊維に含浸してゆく。含浸を促進するため、必要な場合には、加圧器を駆動させて圧力槽12の内部を加圧することもできる。組合せ成形型23の内部に十分な量の混合された主剤と硬化剤とが供給されると、組合せ成形型23から初期の気泡を含む樹脂をトラップ32に吸い出す。また、加圧器を駆動させて圧力槽12全体を外側から加圧し、組合せ成形型23内の過剰な樹脂等をトラップに排除する。このようにして、組合せ成形型23の内部は、必要な量だけの、強化繊維に十分含浸された状態の混合された主剤と硬化剤とで満たされる。
【0029】
S16は、硬化工程である。組合せ成形型23の内部が必要な量の主剤と硬化剤とで満たされると、真空発生器の駆動を止め、必要な場合には加圧器を駆動させて、圧力槽12の内部を常圧または加圧状態にする。そしてその状態のまま、圧力槽12全体を所定の硬化条件で加熱する。加熱は図示されていないヒータ等を用いることができる。室温硬化の樹脂を用いるときは、所定の硬化時間経過するまで室温で放置する。
【0030】
S18は、所定の硬化工程が完了し、組合せ成形型23から樹脂成形されたFRP製品を取り外す脱型工程である。脱型は、組合せ成形型23に製品取り外し機構を設けて行うことができ、あるいは圧力槽12に設けられた作業窓を用いて行うこともできる。
【0031】
上記説明で用いた組合せ成形型は、成形下型24と蓋26との単純な組合せである。FRP製品の厚み寸法精度を向上させるために、他の構成を用いてもよい。例えば、成形下型と前記蓋との間に設けられたスペーサ機構を設ける。このスペーサ機構は、主剤と硬化剤とが注入されるときは成形下型と蓋との間の隙間を確保し、主剤と硬化剤とを反応させ樹脂成形を行うときは隙間を閉じる機能を有する。スペーサ機構として、圧力に応じ厚みが減ずるスプリング式のスペーサあるいは温度に応じ形状が変化する形状記憶合金式のスペーサを用いることができる。 上記構成により、樹脂成形を行う際に、樹脂成形のための加圧あるいは加熱により自動的に成形下型と蓋との隙間がなくなる。したがって、成形下型と蓋との間に隙間がある図1の構成に比べ、より厚みの寸法精度を向上して樹脂成形を行うことができる。
【0032】
また、FRP製品の厚みの寸法精度が緩く設定できるときは、組合せ成形型の蓋を省略し、成形下型のみで樹脂成形を行ってもよい。
【0033】
また、差圧開閉バルブの代わりに、汎用の開閉バルブを設け、減圧を例えば圧力計で監視しながら所定の減圧に達したときに開閉バルブを開けるものとしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂成形システムおよび樹脂成形方法によれば、簡易な成形型で樹脂成形を可能となる。本発明に係る樹脂成形システムおよび樹脂成形方法によれば、樹脂の注入装置を用いることなく樹脂成形を可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態における樹脂成形システムの構成の説明図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における樹脂成形のフローチャートである。
【符号の説明】
10 樹脂成形システム、12 圧力槽、14 成形装置、16 主剤容器、
18 硬化剤容器、20 混合器、22 差圧開閉バルブ、23 組合せ成形型、
24 成形下型、26 蓋。
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形システムおよび樹脂成形方法に係り、特に成形型を用いる樹脂成形システムおよび樹脂成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強化繊維入りの樹脂(Fiber Reinforced Plastic:FRP)製品を製造するには、高圧で樹脂を金型に注入する成形法が用いられる。すなわち、所定の内部形状に形作られた上下金型の中に強化繊維を配置し、注入装置を用いて数気圧から十数気圧の圧力で樹脂を金型内に注入し、室温もしくは加熱により硬化させ、その後金型から取り外してFRP製品を得る。金型で強化繊維を押さえ込みつつ、高圧で樹脂を注入するこの方法は、特に、強化繊維の量を増加させるときに有効とされている。
【0003】
【非特許文献1】
植村益次編集、「FRP構造設計便覧」、初版、社団法人強化プラスティック協会、平成6年9月30日、p342−348
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、高圧で樹脂を金型内に注入するために、堅牢な金型を要し型費用が増加する。また、金型の重量が増加し、特に大型FRP製品用の金型のときはハンドリングが容易でなくなる。高圧の注入装置が必要で、その初期投資とその操作に時間を要し、製造コストが増加する。
【0005】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、簡易な成形型で樹脂成形を可能とする樹脂成形システムおよび樹脂成形方法を提供することである。本発明の他の目的は、樹脂の注入装置を用いることなく樹脂成形を可能とする樹脂成形システムおよび樹脂成形方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る樹脂成形システムは、強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、前記成形装置は、前記主剤を収容し、前記主剤を外部に供給する主剤供給口を有する主剤容器と、前記硬化剤を収容し、前記硬化剤を外部に供給する硬化剤供給口を有する硬化剤容器と、前記主剤供給口及び前記硬化剤供給口とに接続して設けられ、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合器と、前記混合器と接続して設けられ、前記所定外形を内部形状として形作られた成形型と、前記混合器と前記成形型との間に設けられたバルブと、を備え、前記圧力槽の内部を減圧した後前記バルブの連通により、前記強化繊維を配置した前記成形型の中に主剤と硬化剤とが注入されることを特徴とする。
【0007】
上記構成により、混合器と成形型との間をバルブで隔て、成形装置全体が圧力槽の中に収められる。圧力槽の内部を減圧すると、成形型の内部形状の型部分も減圧され、一方混合器は減圧されないので例えば常圧の状態である。そこでバルブを連通し、圧力のより高い混合器と圧力のより低い成形型との間を開放すると、その圧力差により、混合器内の混合された主剤と硬化剤とが、低い強化繊維を配置した成形型に注入される。その後所定の硬化処理を行うことで、FRP製品を得ることができる。したがって、樹脂の注入装置を用いずに樹脂成形が可能となる。また、樹脂注入の際に成形型には高圧がかからないので、堅牢な金型を必要とせず、簡易な型で樹脂成形が可能となる。
【0008】
また、前記バルブは、前記圧力槽の内部の圧力が所定の減圧に達したときに前記混合器と前記成形型との間を連通する差圧開閉バルブであることが好ましい。この構成により、樹脂の注入が所定の減圧に達すれば自動的に行われ、樹脂成形システムの構成が簡易なものになる。
【0009】
また、前記圧力槽は、樹脂成形に必要な温度に耐える耐熱性のプラスチック製袋であることがよい。減圧は、樹脂の流動性を確保するのに十分であればよく、例えば約300torr程度である。樹脂の硬化処理は、注入完了後減圧を解除し、大気圧もしくは外側から加圧して行うことがボイドの発生を防止する面から好ましい。上記構成によれば、簡易な圧力槽により樹脂成形が可能となる。
【0010】
また、前記成形型は、前記所定外形を内部形状に形作られた金属製の成形下型と、前記成形下型と組合わされて樹脂成形の厚みを規定するプラスチック製の蓋からなる組合せ成形型であることが好ましい。樹脂の注入は減圧下で行われるので、堅牢な型を必要としない。上記構成により、樹脂成形の所定外形は金属製の成形下型に彫りこんだ形状で規定し、その厚みは単にプラスチック製の蓋で覆うことで規定する。したがって、簡易な型で樹脂成形が可能となる。
【0011】
また、前記成形型は、成形下型と蓋からなる組合せ成形型であって、前記成形下型と前記蓋との間に設けられたスペーサ機構を備え、前記スペーサ機構は、主剤と硬化剤とが注入されるときは前記成形下型と前記蓋との間の隙間を確保し、主剤と硬化剤とを反応させ樹脂成形を行うときは前記隙間を閉じることが好ましい。上記構成により、樹脂成形を行う際に、成形下型と蓋とを隙間をなくして組合せることができる。したがって、成形下型と蓋との間に隙間がある場合に比べ、より厚みの寸法精度を向上して樹脂成形を行うことができる。
【0012】
また、前記スペーサ機構は、前記樹脂成形における加圧または加熱に応じて前記隙間を閉じることが好ましい。上記構成により、樹脂成形のための加圧あるいは加熱により自動的に成形下型と蓋との隙間がなくなる。したがって、樹脂成形システムの構成を簡易なものとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る樹脂成形システムは、強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、前記成形型は、その一部がプラスチックで形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る樹脂成形方法は、減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを用い、成形型の中で強化繊維に主剤と硬化剤とを加え、主剤と硬化剤とを反応させて所定外形に樹脂を成形する樹脂成形方法であって、前記所定外形を内部形状として形作られた成形型に前記強化繊維を配置する強化繊維配置工程と、所定の差圧で作動する差圧開閉バルブを介して前記成形型と隔てられている前記混合器内において、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合工程と、前記差圧開閉バルブが作動し、前記混合器と成形型との間が連通して、前記混合された主剤と硬化剤とが前記成形型の内部に注入される前記所定の差圧まで前記圧力槽内部を減圧する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、樹脂成形システム10の構成を示す図である。樹脂成形システム10は、図示されていない真空発生器により内部を減圧にできる圧力槽12と、圧力槽12の内部に設置される成形装置14を備える。図に示すように、成形装置14は、主剤を収容する主剤容器16、硬化剤を収容する硬化剤容器18、主剤と硬化剤を混合する混合器20、所定の差圧で作動する差圧開閉バルブ22、成形下型24及び蓋26を備える。
【0016】
圧力槽12は、開口端30を除いて気密なプラスチック製の袋である。開口端30にはトラップ32を介して図示されていない真空発生器が接続される。真空発生器を駆動することで、圧力槽12は、その内部に成形装置14を収容したまま、その内部を減圧にすることができる。また、図示されていない加圧器を駆動することで、圧力槽12全体をその外側から圧力を加え、圧力槽12の内部を加圧することもできる。さらに、耐熱性のプラスチック製袋を用いることで、その内部に成形装置14を収容したまま圧力槽12全体を加熱することもできる。なお、圧力槽12に作業用の開閉可能な作業窓を設けてもよい。
【0017】
トラップ32は、例えば、成形装置14における過剰な樹脂を取り除くため、圧力槽12から排除して流れ込ませるための容器である。
【0018】
成形装置14は、成形下型24と蓋26からなる組合せ成形型23に強化繊維を配置し、その組合せ成形型23の中に主剤と硬化剤とを混合したものを注入する装置である。主剤と硬化剤はともに液体で、所定の混合比で混合し、所定の硬化条件で硬化させることで固化する。
【0019】
成形装置14の中の主剤容器16は、供給口を除いて密閉された容器で、内部に主剤を収容する。供給口には、主剤を外部に供給する際の流量を調整する機能を有する主剤流量調整機構34が設けられる。主剤流量調整機構34は、例えばオリフィス板で構成することができる。オリフィス板の穴径の大きさを選定することで所望の供給流量に設定できる。また、手動または自動でオリフィス板の穴径を制御することで、任意の供給流量に調整することもできる。主剤容器16の供給口は混合器20に接続される。
【0020】
硬化剤容器18は、主剤容器16と同様に供給口を除いて密閉された容器で、内部に硬化剤を収容し、供給口には主剤流量調整機構34と同様な硬化剤流量調整機構36が設けられ、硬化剤の供給流量が調整される。硬化剤の供給流量は、主剤の供給流量との間で、樹脂成形に必要な所定の流量比となるように調整される。硬化剤容器18の供給口は混合器20に接続される。
【0021】
混合器20は、主剤流量調整機構34を介して所定の供給流量で供給される主剤と、硬化剤流量調整機構36を介して所定の供給流量で供給される硬化剤とを混合するミキサである。混合器20は、スタティックミキサまたは攪拌式の混合装置で構成することができる。混合器20の出力口は差圧開閉バルブ22の入力端に接続される。
【0022】
差圧開閉バルブ22は、入力端と出力端との圧力の差である差圧が所定値以上のときに入力端と出力端とが連通し、差圧が所定値未満のときは入力端と出力端との間が遮断されるバルブである。差圧開閉バルブ22は、所定の付勢力に設定可能なバネを内蔵するスプリング式圧力バルブを用いることができる。図においては、入力端が混合器20の出力口に接続され、出力端は組合せ成形型23の内部に開放されている。したがって、混合器20内部の圧力に比し、組合せ成形型23の内部の圧力、すなわち圧力槽12の内部の圧力が所定値以上に低く減圧されるまでは、混合器20は組合せ成形型23と隔てられる。減圧が所定値以上に低くなると、混合器20の出力口は組合せ成形型23の内部に開放される。
【0023】
組合せ成形型23は、金属製の成形下型24と、成形下型24と組合わされるプラスチック製の蓋26から構成される。所定の輪郭形状と所定の厚みを有するFRP製品の樹脂成形に対して、成形下型24は所定の輪郭形状を規定する機能を有し、蓋26は、成形下型24と組合せて所定の厚みを規定する機能を有する。成形下型24にはその内部形状として、対象とするFRP製品の外形形状が彫りこまれる。蓋26に用いられるプラスチックの材質は、硬質プラスチックのほか、合成ゴム等の軟質プラスチックでもよい。
【0024】
上記実施の形態の樹脂成形システム10を用いて、FRP製品を樹脂成形する手順を図2のフローチャートに従って説明する。
【0025】
S10は、組合せ成形型23に強化繊維を配置する工程である。組合せ成形型23の内部、より詳しくは成形下型24の内部形状の中に所定量の強化繊維を配置し、蓋26を成形下型24の上に組合せて配置する。強化繊維の配置は、圧力槽12の内部に強化繊維供給装置を設けてもよく、あるいは圧力槽12に設けられた作業窓を用いて行うこともできる。
【0026】
S12は、主剤と硬化剤とを混合器20内で混合する工程である。主剤流量調整機構34と硬化剤流量調整機構36を調整して、樹脂成形に必要な所定の混合比になるように主剤の供給流量と硬化剤の供給流量を調整する。所定の供給流量を確保するため必要な場合には、図示されていない加圧器を駆動させて圧力槽12の内部圧力を高め、主剤容器16及び硬化剤容器18に圧力を加えることもできる。所定の供給流量で供給された主剤と硬化剤とは、例えば攪拌により混合器20において十分に混合される。
【0027】
S14は、圧力槽12の内部を減圧する工程である。必要な減圧は、主剤と硬化剤の種類、FRP製品の形状や大きさ等にあわせ異なるが、例えば、約300Torr程度である。必要な減圧の値が定まると、その減圧設定値に、差圧開閉バルブ22の作動圧を調整する。例えば、スプリング式の圧力バルブを用いるときは、その内蔵バネの付勢力の設定を調整して、作動圧を減圧設定値に調整する。次に、図示されていない真空発生器を駆動させ、圧力槽12の内部の空気を排除し、減圧する。減圧開始時期は、混合器20における混合と平行して、あるいは混合開始から所定時間経過後に設定することができる。
【0028】
圧力槽12の内部の減圧が進んで、所定の減圧設定値まで下がると、差圧開閉バルブ22が作動し、混合器20と組合せ成形型23との間が連通して、圧力差により、混合された主剤と硬化剤とが組合せ成形型23の内部に注入される。組合せ成形型23の内部には強化繊維が配置されているので、混合された主剤と硬化剤とは強化繊維に含浸してゆく。含浸を促進するため、必要な場合には、加圧器を駆動させて圧力槽12の内部を加圧することもできる。組合せ成形型23の内部に十分な量の混合された主剤と硬化剤とが供給されると、組合せ成形型23から初期の気泡を含む樹脂をトラップ32に吸い出す。また、加圧器を駆動させて圧力槽12全体を外側から加圧し、組合せ成形型23内の過剰な樹脂等をトラップに排除する。このようにして、組合せ成形型23の内部は、必要な量だけの、強化繊維に十分含浸された状態の混合された主剤と硬化剤とで満たされる。
【0029】
S16は、硬化工程である。組合せ成形型23の内部が必要な量の主剤と硬化剤とで満たされると、真空発生器の駆動を止め、必要な場合には加圧器を駆動させて、圧力槽12の内部を常圧または加圧状態にする。そしてその状態のまま、圧力槽12全体を所定の硬化条件で加熱する。加熱は図示されていないヒータ等を用いることができる。室温硬化の樹脂を用いるときは、所定の硬化時間経過するまで室温で放置する。
【0030】
S18は、所定の硬化工程が完了し、組合せ成形型23から樹脂成形されたFRP製品を取り外す脱型工程である。脱型は、組合せ成形型23に製品取り外し機構を設けて行うことができ、あるいは圧力槽12に設けられた作業窓を用いて行うこともできる。
【0031】
上記説明で用いた組合せ成形型は、成形下型24と蓋26との単純な組合せである。FRP製品の厚み寸法精度を向上させるために、他の構成を用いてもよい。例えば、成形下型と前記蓋との間に設けられたスペーサ機構を設ける。このスペーサ機構は、主剤と硬化剤とが注入されるときは成形下型と蓋との間の隙間を確保し、主剤と硬化剤とを反応させ樹脂成形を行うときは隙間を閉じる機能を有する。スペーサ機構として、圧力に応じ厚みが減ずるスプリング式のスペーサあるいは温度に応じ形状が変化する形状記憶合金式のスペーサを用いることができる。 上記構成により、樹脂成形を行う際に、樹脂成形のための加圧あるいは加熱により自動的に成形下型と蓋との隙間がなくなる。したがって、成形下型と蓋との間に隙間がある図1の構成に比べ、より厚みの寸法精度を向上して樹脂成形を行うことができる。
【0032】
また、FRP製品の厚みの寸法精度が緩く設定できるときは、組合せ成形型の蓋を省略し、成形下型のみで樹脂成形を行ってもよい。
【0033】
また、差圧開閉バルブの代わりに、汎用の開閉バルブを設け、減圧を例えば圧力計で監視しながら所定の減圧に達したときに開閉バルブを開けるものとしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂成形システムおよび樹脂成形方法によれば、簡易な成形型で樹脂成形を可能となる。本発明に係る樹脂成形システムおよび樹脂成形方法によれば、樹脂の注入装置を用いることなく樹脂成形を可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態における樹脂成形システムの構成の説明図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における樹脂成形のフローチャートである。
【符号の説明】
10 樹脂成形システム、12 圧力槽、14 成形装置、16 主剤容器、
18 硬化剤容器、20 混合器、22 差圧開閉バルブ、23 組合せ成形型、
24 成形下型、26 蓋。
Claims (8)
- 強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、
減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、
前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、
前記成形装置は、
前記主剤を収容し、前記主剤を外部に供給する主剤供給口を有する主剤容器と、
前記硬化剤を収容し、前記硬化剤を外部に供給する硬化剤供給口を有する硬化剤容器と、
前記主剤供給口及び前記硬化剤供給口とに接続して設けられ、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合器と、
前記混合器と接続して設けられ、前記所定外形を内部形状として形作られた成形型と、
前記混合器と前記成形型との間に設けられたバルブと、
を備え、前記圧力槽の内部を減圧した後前記バルブの連通により、前記強化繊維を配置した前記成形型の中に主剤と硬化剤とが注入されることを特徴とする樹脂成形システム。 - 請求項1に記載の樹脂成形システムにおいて、
前記バルブは、前記圧力槽の内部の圧力が所定の減圧に達したときに前記混合器と前記成形型との間を連通する差圧開閉バルブであることを特徴とする樹脂成形システム。 - 請求項1に記載の樹脂成形システムにおいて、
前記圧力槽は、樹脂成形に必要な温度に耐える耐熱性のプラスチック製袋であることを特徴とする樹脂成形システム。 - 請求項1に記載の樹脂成形システムにおいて、
前記成形型は、前記所定外形を内部形状に形作られた金属製の成形下型と、前記成形下型と組合わされて樹脂成形の厚みを規定するプラスチック製の蓋からなる組合せ成形型であることを特徴とする樹脂成形システム。 - 請求項1に記載の樹脂成形システムにおいて、
前記成形型は、成形下型と蓋からなる組合せ成形型であって、前記成形下型と前記蓋との間に設けられたスペーサ機構を備え、前記スペーサ機構は、主剤と硬化剤とが注入されるときは前記成形下型と前記蓋との間の隙間を確保し、主剤と硬化剤とを反応させ樹脂成形を行うときは前記隙間を閉じることを特徴とする樹脂成形システム。 - 請求項5に記載の樹脂成形システムにおいて、
前記スペーサ機構は、前記樹脂成形における加圧または加熱に応じて前記隙間を閉じることを特徴とする樹脂成形システム。 - 強化繊維を配置した成形型の中に主剤と硬化剤とを注入して主剤と硬化剤とを反応させ、所定外形に樹脂を成形する樹脂成形システムであって、
減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを含み、
前記圧力槽は、外圧が前記成形装置に加圧可能な軟質材で形成され、
前記成形型は、その一部がプラスチックで形成されることを特徴とする樹脂成形システム。 - 減圧が可能な圧力槽と、前記圧力槽の内部に設置される成形装置とを用い、成形型の中で強化繊維に主剤と硬化剤とを加え、主剤と硬化剤とを反応させて所定外形に樹脂を成形する樹脂成形方法であって、
前記所定外形を内部形状として形作られた成形型に前記強化繊維を配置する強化繊維配置工程と、
所定の差圧で作動する差圧開閉バルブを介して前記成形型と隔てられている前記混合器内において、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合工程と、
前記差圧開閉バルブが作動し、前記混合器と成形型との間が連通して、前記混合された主剤と硬化剤とが前記成形型の内部に注入される前記所定の差圧まで前記圧力槽内部を減圧する工程と、
を備えることを特徴とする樹脂成形方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002276567A JP2004114314A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 樹脂成形システムおよび樹脂成形方法 |
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JP7344603B2 (ja) | 2019-11-22 | 2023-09-14 | 株式会社micro-AMS | 電磁波成形装置及び電磁波成形方法 |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002276567A patent/JP2004114314A/ja active Pending
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