JP2004114226A - 主軸移動型立形工作機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】棒状工作物を主軸内に挿入し、順次、棒状工作物の軸線方向の位置決め,旋削加工,切断加工を繰り返すバーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械を提供する。
【解決手段】立て旋盤1は、基体3と、床面に垂直な軸線を有しチャック5が設けられた主軸4と、主軸を支持し主軸軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台7と、工具11を取付け可能な刃物台8と、スプラッシュガード9とを備え、主軸台は第2の方向に移動可能で、棒状工作物6の一端側をチャックで把持し、主軸台と工具を相対移動させて棒状工作物を加工し、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具11aで切断加工する。また、主軸台の上方に設けられ、棒状工作物の他端を支持する棒状工作物支持手段100と、加工済工作物をチャックより受け取り、加工領域外に移動させる工作物移動手段2とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】立て旋盤1は、基体3と、床面に垂直な軸線を有しチャック5が設けられた主軸4と、主軸を支持し主軸軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台7と、工具11を取付け可能な刃物台8と、スプラッシュガード9とを備え、主軸台は第2の方向に移動可能で、棒状工作物6の一端側をチャックで把持し、主軸台と工具を相対移動させて棒状工作物を加工し、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具11aで切断加工する。また、主軸台の上方に設けられ、棒状工作物の他端を支持する棒状工作物支持手段100と、加工済工作物をチャックより受け取り、加工領域外に移動させる工作物移動手段2とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主軸の軸線が床面に対してほぼ垂直方向を向いて、主軸台が主軸の軸線と平行な方向に移動可能な主軸移動型立形工作機械にかかり、特に、主軸内に挿入された棒状工作物をチャックから所定量突出させ、所定の形状に加工し、突切り工具で切断して機外に移動させる工程を繰り返すいわゆるバーフィード加工を可能とした主軸移動型立形工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤において、径方向寸法より軸線方向寸法の方が長い棒状工作物(バー材,バーワーク)をバーフィード装置から供給するとともに、旋削加工の完了した棒状工作物を突切りバイトなど突切り工具で切断加工するというバーフィード加工はよく行われている。
しかしながら、主軸台が少なくとも主軸の軸線と平行な第1の方向(Z軸方向)に移動可能な主軸移動型立形工作機械におけるバーフィード加工は、主軸および棒状工作物が床面に対してほぼ垂直方向を向くため、技術的に解決しなければならない点が多い。
そこで、本出願人は、特開2000−79501号公報(特許文献1)などで、主軸移動型立形工作機械の棒状工作物供給装置などに関する技術を提案している。この公報には、棒状工作物を主軸台のZ軸方向(主軸軸線と平行な方向)に移動させる動作と、棒状工作物を駆動体で駆動して上昇させる動作で、チャック側から棒状工作物を挿入する棒状工作物供給装置に関する技術が記載されている。
【0003】
主軸台が主軸の軸線と平行な方向(Z軸方向)に移動する主軸移動型工作機械の場合、突切りバイトが固定される刃物台はZ軸方向には移動しないことが多い。また、突切りバイトによる切断加工は、びびりを防止するために通常はチャックになるべく近い位置で行なうことが好ましい。さらに、切断した工作物を受け取るバケットの構成や動作は簡素なものであるのが好ましい。
【0004】
図13は、従来の主軸移動型立形工作機械200で棒状工作物6を切断加工するときの動作を示す説明図である。
図13(A),(B)に示すように、主軸移動型立形工作機械200の場合、突切りバイト201に対して主軸台202の位置を上下動作させて、加工済工作物6aの軸線方向寸法を所定の寸法L1,L2としている。
棒状工作物6を突切りバイト201で切断加工して加工済工作物6aをバケット203に収納するときは、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h1,h2が短いほど、加工済工作物6aがバケット203に落下するときの傷の防止や確実な受取り動作が可能になる。
一方、主軸内に挿入された棒状工作物6は、一端がチャック(または、コレットチャック)で把持されるが、チャックから所定量離れた他の部分も支持しないと、主軸の回転により棒状工作物6がいわゆるみそすり運動をして、振動の発生,加工精度の低下などの問題が生じる。
そこで、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤では、主軸内にフィラーチューブを挿入するなどしてみそすり運動を防止している。
【0005】
図13に示すバケット203が、加工済工作物6aを受け取る受取り位置と加工済工作物6aを搬出する搬出位置との間で揺動動作のみを行なって加工済工作物6aを移動させるタイプのものである場合には、受取り位置でのバケット203の高さ位置は常時同じである。
そこで、図13(A)に示すように、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h1を適正値にするために、加工済工作物6aの軸線方向寸法を最大長さL1のものに合わせてバケット203の高さ位置を設定すると、図13(B)に示すように、軸線方向寸法L2の短い加工済工作物6aの場合には、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h2が大きくなってしまう。
このように距離h2が大きいと、加工済工作物6aがバケット203内に落下するときにこの加工済工作物6aに傷が付く恐れがあるので、この点を解決するための技術が求められていた。
【0006】
特開平11−10407号公報(特許文献2)には、ワーク払い出し装置が開示されている。このワーク払い出し装置が設けられた工作機械は、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤である。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−79501号公報
【特許文献2】
特開平11−10407号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載のワーク払い出し装置は、ワークの径に対応させて、ワークバケットがバー材から切り落とされた加工済ワークを受け取る準備位置を調整可能にしているので構成が複雑になっていた。
また、この調整範囲を大きくしようとすると、加工領域の前方を覆う前カバー側にワークバケットが揺動したときに、前カバーに形成された搬出シュートの位置にワークバケットが一致しなくなって、ワークバケットからシュートに加工済ワークをスムースに渡すことができない恐れがあり、調整範囲を大きくすることができなかった。
【0009】
一方、棒状工作物のみそすり運動を防止するためのフィラーチューブは、工作物の直径が変わった場合、フィラーチューブも段取り替えをする必要がある。しかしながら、主軸移動型立形工作機械において、フィラーチューブ交換等の段取り替え作業は大変であった。
そこで、フィラーチューブ交換等の段取り替え作業をすることなく、棒状工作物のみそすり運動を防止してバーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械の出現が望まれていた。
さらに、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤にバーフィード装置を付属させると、棒状工作物の長さ相当分の設置面積を有するバーフィード装置を主軸の後部に配置しなければならないので、旋盤の設置面積が大幅に増大してしまうという問題点も生じていた。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、主軸移動型立形工作機械において棒状工作物を連続的に加工するバーフィード加工を可能にするとともに、棒状工作物の種類の変更も簡単な段取り替え作業で可能とし、加工済工作物に打痕を残したり、加工精度不良を生じさせたり、工作機械に振動を発生させたりすることがない主軸移動型立形工作機械を提供することを目的とする。
また、設置面積の省スペース化を図ったバーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる主軸移動型立形工作機械は、工作機械の基体と、床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物の一端側を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、前記主軸台の上方に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端側を支持する棒状工作物支持手段と、前記基体に設けられ、前記切断加工された加工済工作物を前記チャックより受け取るとともに、前記工作機械の前記加工領域外に移動させる工作物移動手段とを有している。
また、本発明の主軸移動型立形工作機械は、工作機械の基体と、床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、前記棒状工作物を切断加工するための前記突切り工具を保持し、この突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能に前記刃物台に取付けまたは交換可能に設けられた突切り工具保持手段と、前記加工済工作物を加工領域外に搬出するために前記スプラッシュガードに設けられた搬出口と、前記チャックから前記加工済工作物を受け取るための工作物受け取り部材を有して前記基体に設けられ、この工作物受け取り部材を、前記突切り工具で切断加工された前記加工済工作物を前記チャックから受け取る受取り位置と、前記搬出口に対応する搬出位置とに移動させる工作物移動手段とを備え、前記工作物受け取り部材が前記受取り位置に位置して前記突切り工具が前記棒状工作物を切断加工しているときこの棒状工作物の下端と前記工作物受け取り部材の底面との間の距離が所定の寸法範囲内になるように、前記突切り工具保持手段により前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能にした。
【0012】
前記搬出口の位置に対応する前記スプラッシュガードの外部側位置には、前記搬出口から搬出された前記加工済工作物を回収可能な回収箱が設けられているのが好ましい。
前記スプラッシュガードは、開口部とこの開口部を開閉可能に遮蔽する開閉扉を有するものであり、前記搬出口はこの開閉扉に設けられているのが好ましい。
好ましくは、前記突切り工具保持手段は、前記刃物台の工具装着部に着脱可能に取付けまたは交換されるベース部材と、前記突切り工具を保持するとともに前記ベース部材に取付けられ、前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能なホルダ部材と、前記ベース部材と前記ホルダ部材との間に設けられ、前記ホルダ部材の軸線のまわり方向への回転を規制する回転規制手段とを有している。
前記ホルダ部材には、前記突切り工具の刃先部近傍に切削油剤を噴出可能なノズルが設けられ、前記ホルダ部材と前記ベース部材には、前記切削油剤を前記ノズルに供給可能な供給路が形成されているのが好ましい。
前記棒状工作物支持手段は、前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材とを備え、この当接部材の自重により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっているのが好ましい。
前記棒状工作物支持手段は、前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材と、この当接部材を駆動する駆動体とを備え、この駆動体に駆動された前記当接部材により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっているのが好ましい。
一つの実施態様として、前記主軸台は前記第2の方向にも移動可能であるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1から図12までを参照して説明する。
本実施形態における主軸移動型立形工作機械は、棒状工作物を少なくとも旋削加工,切断加工可能な工作機械であり、NC(数値制御)装置とプログラマブルロジックコントローラ(PLC)とからなる制御装置により制御されている。なお、制御装置はNC装置にPLC部を内蔵したものであってもよい。
この工作機械の主軸の軸線は、床面に対して垂直方向を向いている場合を示しているが、この垂直方向に対して所定角度傾斜した方向(この場合も、「床面に対してほぼ垂直方向」とする)を向いている場合でもよい。
主軸移動型工作機械では、主軸を回転可能に支持する主軸台が、少なくとも主軸の軸線方向と平行な第1の方向に移動可能である。主軸台または刃物台は、第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能である。本実施形態では、主軸台が第2の方向にも移動可能な場合を示しているが、刃物台を第2の方向に移動可能にした場合でもよい。
主軸台と刃物台の工具を、第1の方向と第2の方向に相対的に移動させて、加工領域で棒状工作物を所定の形状に旋削加工するとともに、旋削加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する。
【0014】
本実施形態では、主軸移動型立形工作機械として立て旋盤を例にとって示しており、この立て旋盤の主軸の先端にチャックが設けられ、主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の棒状工作物をチャックで把持している。立て旋盤は、主軸の軸線が床面に対してほぼ垂直方向を向いている立形の主軸移動型工作機械の一つである。
なお、本発明における主軸移動型立形工作機械は、主軸台が少なくとも第1の方向に移動可能で、主軸台または刃物台が第2の方向に相対的に移動する構成とした、ターニングセンタ,研削盤などの工作機械であってもよい。また、主軸台7と刃物台が直交3軸方向に相対的に移動する工作機械であってもよい。
【0015】
工作機械では、径方向寸法より軸線方向寸法の方が長い棒状工作物(たとえば、軸線方向寸法が2〜4mの棒状の材料(バー材,バーワーク))を供給し旋削加工等の加工が完了したら、この旋削加工の完了した部位を突切りバイトなどで切り落とし、加工済工作物として回収していく場合と、未加工の材料(チャックワーク)が供給され旋削加工が終わったら加工済工作物として搬出する場合等がある。
本実施形態の立て旋盤は、棒状工作物のほかにチャックワークの加工も可能であるが、本発明は棒状工作物専用の工作機械であってもよい。
【0016】
まず最初に、主軸移動型の立て旋盤(主軸移動型立形工作機械)について説明する。
図1から図12は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は、主軸移動型の立て旋盤の正面図、図2は、図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードの図示を省略している。図3は、図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードも図示している。図4は図3の左側面断面図である。
図1から図4に示すように、基体3を有する立て旋盤(以下、旋盤と記載)1には、工作物移動手段としての工作物受け取り部材移動手段2と、工作物供給装置14とが設けられている。これら旋盤1,工作物受け取り部材移動手段2および工作物供給装置14は制御装置により制御される。
工作物供給装置14は、基体3の近傍に設けられ、所定の位置に棒状工作物受取り位置が設定されている。この棒状工作物受取り位置で、工作物供給装置14は、主軸4の先端(下方端部)に設けられた中空型のチャック5側から、棒状工作物(バー材,バーワーク)6を供給してチャック5,主軸4などの中空穴内に挿入する。この挿入動作は、主軸台7の第1の方向(Z軸方向)への移動動作や棒状工作物6を駆動体(たとえば、シリンダ)などにより上昇させる動作などで行うことができる。
【0017】
旋盤1は、基体3,主軸4,主軸台7,刃物台8およびスプラッシュガード9などを備えている。
主軸台7は主軸4を回転可能に支持しており、主軸4の軸線CLは、床面に対して垂直方向を向いている。サドル10は、主軸台7を、主軸4の軸線CLと平行なZ軸方向(第1の方向)に移動可能に支持するとともに、Z軸方向に対して直交するX軸方向(第2の方向)に移動する。したがって、主軸台7はZ軸方向およびX軸方向に移動可能である。
刃物台8は、割出し用の駆動モータを有し、一つまたは複数の工具11を取付け可能に基体3に設けられている。刃物台8には、工具11を取付けるためのタレット12が、所定の方向(たとえば、X軸方向)と平行な軸線CL2を中心に旋回割出し可能に設けられている。
タレット12には、棒状工作物6を所定の形状に旋削加工するための工具(内径工具,外径工具など)11のほかに、棒状工作物6を切断加工するための突切り工具としての突切りバイト11aが取付けられている。突切りバイト11aは、タレット12の一つの所定の面に着脱可能に取付けられている。
なお、主軸台7がZ軸方向のほかX軸方向にも移動し、刃物台8が移動しないタイプの主軸移動型の旋盤1で説明を行なっているが、主軸台がZ軸方向にのみ移動し、刃物台がX軸方向に移動するタイプの主軸移動型立形工作機械であってもよい。その場合には、刃物台が主軸台に対して相対的にX軸方向に移動することになる。
【0018】
旋盤1は、チャック5に把持された棒状工作物6を旋削加工および切断加工するための加工領域13を有している。加工領域13では、主軸4のチャック5に把持された棒状工作物6を所定の回転速度で回転させる。
主軸4内に挿入され所定の長さ突出した状態の棒状工作物6をチャック5で把持し、主軸台7と刃物台8の工具11とをZ軸方向とX軸方向に相対的に移動させて、棒状工作物6を所定の形状に旋削加工する。そして、旋削加工の完了した部位を、加工済工作物6aとして突切りバイト11aで所定の位置で切断加工する。
主軸4の中心は、X軸方向と平行な移動軌跡上を、加工領域13内で旋削加工,切断加工が行なわれる位置(加工位置)と、加工領域13外の工作物供給装置14に設定された棒状工作物受取り位置との間で移動する。
【0019】
旋盤1のベッド20は、加工領域13の下方に位置する前部より後部の方が高くなっており、側面視でほぼL字状をなしている。ベッド20は、前部ベッド21と後部ベッド22を有している。
後部ベッド22の前面には、刃物台8が取付けられている。後部ベッド22の上面には、一対の平行なX軸用ガイドレール23がX軸方向に設けられている。サドル10にはスライド本体が固定されている。
X軸用ガイドレール23とスライド本体は、直動転がり案内を構成するものである。サドル10は、X軸用ガイドレール23に沿ってX軸方向に移動可能に配置されている。
【0020】
二本のX軸用ガイドレール23の間には、X軸用ボールねじのねじ軸24が、X軸用ガイドレール23と平行に配置されている。ねじ軸24には、サドル10に固定されたナット25がねじ込まれている。ねじ軸24は、歯付きプーリ,歯付きベルトなどを有する伝達機構26を介して、X軸用サーボモータ27により正逆方向に回転駆動される。
X軸用サーボモータ27に駆動されてねじ軸24が回転すると、ナット25が固定されているサドル10が、一対のX軸用ガイドレール23に案内支持されてX軸方向に往復移動する。
サドル10の移動動作が、工具11,突切り工具11aに対する主軸台7のX軸方向の移動となる。この旋盤1では、X軸方向へのサドル10の移動可能な距離が、工作物供給装置14の方向に長くなっている。
サドル10の前面には、一対の平行なZ軸用ガイドレール28がZ軸方向に設けられている。主軸台7にはスライド本体が固定されている。Z軸用ガイドレール28とスライド本体は、直動転がり案内を構成するものである。主軸台7は、Z軸用ガイドレール28に沿ってZ軸方向に移動可能に配置されている。
【0021】
サドル10の上部には、Z軸用サーボモータが取付けられている。Z軸用サーボモータは、出力軸とZ軸ボールねじのねじ軸とを連結する連結部材を介して、ねじ軸を回転駆動するようになっている。Z軸ボールねじのねじ軸には、主軸台7に固定されたナットがねじ込まれている。
Z軸用サーボモータに駆動されてねじ軸が回転すれば、前記ナットが固定されている主軸台7が、Z軸用ガイドレール28に案内支持されてZ軸方向に移動する。主軸台7の移動動作が、工具11に対する主軸台7のZ軸方向の移動となる。
主軸台7の上部には、チャック5の複数の爪(たとえば、三つ爪)5aを駆動するための、中空型のチャックシリンダ13cが設けられている。チャック5の爪5aは、チャックシリンダ13cに駆動されて開閉動作を行い、棒状工作物6の把持,把持解除を行う。
【0022】
主軸台7には、チャックシリンダ13cが回転するのを規制する回転規制部材13aが設けられており、チャックシリンダ13cのロータリージョイントの固定部が回転するのを規制している。符号13bは、チャック5の爪5aが開状態か閉状態かを検出する検出部材である。
主軸台7の内部には、ビルトイン型の主軸モータが組み込まれている。この主軸モータは、主軸台7側に取付けられたステータと、主軸4側に取付けられたロータとを有している。主軸受を介して主軸台7に回転可能に支持されている主軸4は、チャック5で棒状工作物6を把持した状態で、主軸モータにより所定の回転数(回転速度)で回転駆動される。
なお、主軸台7およびサドル10に関するZ軸方向およびX軸方向の案内面を、直動転がり案内で説明しているが、他の転がり案内、滑り案内等の案内面であってもよい。また、主軸台7の主軸モータは、ビルトイン型が好ましいが、歯車機構、ベルト・プーリ機構など伝達機構を介して駆動するものであってもよい。
【0023】
スプラッシュガード9は、開口部とこの開口部を開閉可能に遮蔽する開閉扉45を有し、加工領域13を覆って基体3に取付けられている。
スプラッシュガード9は、主軸台7が加工領域13内で棒状工作物6を旋削加工,切断加工しているとき、加工領域13内の切りくずや切削油剤(クーラント)など飛散物が加工領域13の外部に飛散するのを防止している。
【0024】
旋盤1は、突切り工具保持手段40,搬出口41および工作物受け取り部材移動手段2などを備えている。突切り工具保持手段40は、刃物台8に取付けられて(または、交換可能に設けられて)、突切りバイト11aを保持している。突切り工具保持手段40は、突切りバイト11aで突切り加工するときの突切りバイト11aのZ軸方向の位置(高さ位置)を調整可能である。
また、突切り工具保持手段40は、突切りバイト11aの高さ位置が所定の位置に調整されているものを交換可能に設けたものであってもよい。さらに、突切り工具保持手段40全体が交換可能なものであってもよい。
搬出口41は、加工済工作物6aを加工領域13外に搬出するために、スプラッシュガード9の開閉扉45に(または、スプラッシュガード9に)設けられている。
搬出口41にはシュート41aが設けられている。このシュート41aは、加工済工作物6aを、工作物受け取り部材であるバケット42から搬出口41を介して回収箱46にスムーズに案内するために、開閉扉45に取付けられている。
【0025】
本発明の工作物移動手段は、基体3に設けられ、切断加工された加工済工作物6aをチャック5より受け取るとともに、旋盤1の加工領域13外に移動させる機能を有している。本実施形態では、工作物移動手段として工作物受け取り部材移動手段2が設けられている。
工作物受け取り部材移動手段2は、刃物台8に対向して配置されている。工作物受け取り部材移動手段2は、チャック5から一個または複数(ここでは、一個)の加工済工作物6aを受け取るためのバケット(工作物受け取り部材)42を有して、基体3に設けられている。
バケット42は、ロータリーアクチュエータ50に駆動されて揺動可能になっており、受取り位置B1と、搬出口41に対応する搬出位置(加工領域13内の所定位置で、退避位置)B2とに移動する。
バケット42は、受取り位置B1で開口部44aが上方向を向くように、バケット支持部材53に支持されている。すなわちバケット42は、その開口部44aの近傍が、支軸44cで回転可能に支持されている。
バケット42は、受取り位置B1では、チャック5に把持された状態の棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工しているときに、切断加工された加工済工作物11aをチャック5から受け取る。
バケット42は、工具11による旋削加工中は搬出位置B2に退避している。搬出位置B2では、バケット42は、搬出口41を塞いで、切りくずや切削油剤など飛散物が加工領域13外に飛散するのを防止している。バケット42に収納されている加工済工作物6aは、搬出口41を通して加工領域13外に搬出可能である。
【0026】
旋盤1は、バケット42が受取り位置B1に位置して突切りバイト11aが棒状工作物6を切断加工しているとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離hが所定の寸法範囲内になるように、突切り工具保持手段40により突切りバイト11aのZ軸方向の位置を調整可能にしている。
これにより、刃物台8がZ軸方向に移動しなくても、チャック5に把持され所定形状に旋削加工された棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工して加工済工作物6aをバケット42に収納するとき、軸線方向寸法Lが異なる加工済工作物6aであっても、加工済工作物6aの下端43とバケット底面44との間の距離hを、ほぼ一定の小さな寸法にすることができる(後述する図9(A),(B)参照)。
したがって、加工済工作物6aは、軸線方向寸法Lが長くてもバケット42に当たることがない。また、加工済工作物6aは、その軸線方向寸法Lが短い場合でもバケット42から離れすぎることがなくなるので、加工済工作物6aがバケット42内に落下するときの衝撃が少なくなって傷の発生を防止でき、不良品を発生させる恐れがない。
【0027】
工作物受け取り部材移動手段2は、基体3に取付けられたロータリーアクチュエータ50と、ロータリーアクチュエータ50に駆動されて正逆方向に所定角度回転する回転軸51と、ロータリーアクチュエータ50に取付けられ、回転軸51を軸線のまわり方向のみに回転可能に支持している軸支持部材51aと、回転軸51に取付けられ、回転軸51の中心軸線CL3を中心として所定角度θだけ揺動するアーム52と、アーム52の先端部に取付けられ、バケット42を揺動可能に支持するバケット支持部材53とを有している。
なお、符号51bは、回転軸51に形成された円周溝部に先端部が係合するように軸支持部材51aに設けられ、回転軸51が軸線方向に移動するのを規制している移動規制部材である。
加工領域13には、仕切り板材54が配置されている。仕切り板材54は、刃物台8に対向して配置され、基体3に取付けられている。仕切り板材54には傾斜面が形成されて、加工領域13内の切りくずや切削油剤などを下方に案内するようになっている。
ロータリーアクチュエータ50は、仕切り板材54の裏側(図1,図2の右側)に配置されているので、切りくずや切削油剤がロータリーアクチュエータ50に直接当たることがなく、故障を防止することができる。回転軸51,アーム52,バケット支持部材53およびバケット42は、加工領域13内に配置されている。
なお、工作物受け取り部材移動手段2は、バケット42を直線運動、または直線運動と回転運動を組み合わせた運動で、受取り位置B1と搬出位置B2とに移動させるものであってもよい。
【0028】
バケット42は、底面44側が狭く、開口部44aが広い所定形状を有している。底面44にはカムフォロア44dが設けられている。バケット42は、受取り位置B1では、自重により、底面44が下方で開口部44aが上方向を向いている。
搬出位置B2では、スプラッシュガード9に固定されたカム部材9aの傾斜面部にカムフォロア44dが係合して、バケット42は支軸44cを支点として傾斜し、バケット42の開口部44aを形成する縁部44bが開閉扉45の搬出口41を塞ぐことにより、加工領域13を外部から遮蔽している。また、バケット42の移動面とシュート41aとがほぼ平行となり、加工済工作物6aがスムースに移動する。
【0029】
加工済工作物6aを回収するための回収箱46は、搬出口41の位置に対応するスプラッシュガード9の外部側位置(すなわち、加工領域13外の所定位置)に設けられているので、旋削加工中でも加工済工作物6aを回収箱46から取り出すことができる。
回収箱46は、開閉扉45の前面に固定された上カバー46bと、基体3に案内部46cを介して移動可能に設けられた回収箱収納部60と、回収箱収納部60に着脱可能に収納されている回収部46a等とから構成されている。
回収部46aには着脱作業のための把手61が取付けられている。回収部46aには、多数の孔47が貫通形成されているので、切削油剤などを回収箱46から孔47を介して排出できる。
回収箱収納部60にはパイプ60aが立設されている。すなわち、回収箱収納部60には、パイプ60aの上部高さ位置まで切削油剤がたまっている。回収箱46の孔47を通過し、パイプ60aの高さをこえた切削油剤は、回収箱収納部60から排出される。
開閉扉45をX軸方向に開閉すると、開閉扉45に取付けられた上カバー46bによって、回収箱収納部60と、この回収箱収納部60に収納された回収部46aが、開閉扉45と一緒にX軸方向に移動する。
【0030】
回収箱収納部60の下部には、回収箱収納部60で回収された切削油剤を受けるための油受け部材62がX軸方向に長く延びて配置されている。油受け部材62は、回収箱収納部60の移動範囲より長い寸法を有して、基体3に固定されている。
回収箱収納部60がX軸方向のどの位置に移動しても、回収箱収納部60内の切削油剤は油受け部材62で回収される。油受け部材62には、パイプ63が接続されている。油受け部材62で回収された切削油剤は、パイプ63を流れて回収タンク(図示せず)で回収される。
このように、加工済工作物6aやバケット42などに付着した切削油剤は、回収箱収納部60に必要以上にたまると油受け部材62で回収されるので、開閉扉45を開閉しても、切削油剤が床面を汚すことはない。また、回収箱収納部60内に切削油剤がたまっているため、順次、加工済工作物が回収されてきたとき、加工済工作物に打痕が付くのを防止することができる。
【0031】
次に、突切り工具保持手段40について説明する。
図5から図8は突切り工具保持手段40を示す図で、図5は正面図、図6は平面図、図7は図5のVII−VII線断面図、図8は図5のVIII−VIII線矢視図である。図9は、棒状工作物6を切断加工するときの動作を示す説明図である。
図2,図5から図8に示すように、突切り工具保持手段40は、ベース部材70,ホルダ部材71,回転規制手段72などを有している。
ベース部材70は、刃物台8の工具装着部(ここでは、タレット12の一つの面)に着脱可能に取り付けられ、または交換可能になっている。ホルダ部材71は、突切りバイト11aを保持するとともにベース部材70に取付けられ、突切りバイト11aのZ軸方向の位置(高さ位置)を容易に調整可能になっている。
【0032】
本実施形態では、ホルダ部材71がベース部材70に対してZ軸方向に移動可能になっているが、変形例として、加工済工作物6aの長さ寸法Lに応じて突切りバイト11aのZ軸方向の高さ位置が所望の位置になるような複数種類のホルダ部材を準備して、加工済工作物6aの長さ寸法Lに応じてホルダ部材を交換するようにしてもよい。
さらに、他の変形例として、ベース部材に対してホルダ部材をZ軸方向に移動可能に嵌合させ、突切りバイト11aがZ軸方向の所望の高さ位置になるようにホルダ部材を自動的に移動させる制御を行なってもよい。このようにすれば、異なる長さ寸法の加工済工作物6aを自動的に順次切断加工することができる。
また、自動工具交換可能な工作機械の場合には、ベース部材にHSK工具やBT工具などのシャンク部等を有する工具交換可能な交換工具とし、突切りバイト11aのZ軸方向の高さ位置が所望の位置となるような交換工具タイプの突切り工具保持手段40を複数種類準備しておき、自動工具交換装置(ATC)などで交換するようにしてもよい。
【0033】
回転規制手段72は、ベース部材70とホルダ部材71との間に設けられ、ホルダ部材71の軸線CL4のまわり方向への回転を規制している。回転規制手段72を設けたので、突切りバイト11aは、ベース部材70に対して回転することなく、棒状工作物6の方向を向いた状態で位置決め保持される。
ベース部材70は、複数(ここでは、四本)のボルト73によりタレット12に着脱可能に固定されている。ベース部材70には、断面円形の孔74が貫通形成されている。孔74の所定位置には、キー溝75が軸線CL4と平行に貫通形成されている。
ホルダ部材71には、円筒状の嵌合部76が形成されている。嵌合部76には、キー77が軸線CL4と平行に取付けられており、キー77が、Z軸方向に移動可能にキー溝75に嵌合している。キー溝75とキー77は、回転規制手段72を構成して、ホルダ部材71が軸線CL4のまわり方向に回らないように規制している。
【0034】
ベース部材70とホルダ部材71には、ホルダ部材71をZ軸方向の所望の位置に固定するための固定手段78が設けられている。固定手段78は、回転規制手段72とは軸線CL4を挟んで平面視で180度反対方向に配置されている。
固定手段78は、ベース部材70にねじ込まれた一本または複数本(ここでは、二本)の止めねじ79と、嵌合部76に形成されて止めねじ79で押される被係止部80とにより構成されている。
二本の止めねじ79は上下の所定位置に配置されており、ベース部材70に貫通形成された雌ねじにねじ込まれており、容易に締め付けたり緩めたりすることができる。
被係止部80は、軸線CL4と平行にZ軸方向に延びて平面上に形成され、上端部80aのみが行き止まりになっている。したがって、止めねじ79を操作することにより、ホルダ部材71をベース部材70に対して所望の高さ位置に位置決め固定することができる。
また、ホルダ部材71は、ベース部材70から上方に抜き出すことができる。被係止部80の上端部80aに上側の止めねじ79が係合することにより、ホルダ部材71の下方への移動動作が規制される。
【0035】
ホルダ部材71の上面には、刃先部85を有する突切りバイト11aが、取付部材86aを介してボルト86により着脱可能に取付けられている。ホルダ部材71には、突切りバイト11aの刃先部85近傍に切削油剤87を噴出可能なノズル88が設けられている。ホルダ部材71とベース部材70には、切削油剤87をノズル88に供給可能な供給路89が形成されている。
ノズル88をホルダ部材71に設けたので、ベース部材70に対してホルダ部材71のZ軸方向の位置が変化しても、ノズル88から切削油剤87を常時刃先部85に供給して、切断加工を良好に行うことができる。
ホルダ部材71には、嵌合パイプ90が嵌合部76と平行に且つ下方に突出して取付けられている。嵌合パイプ90の内部は、供給路89の一部を構成している。
【0036】
ベース部材70には、嵌合パイプ90がZ軸方向に移動自在に嵌合する被嵌合孔91が形成されている。被嵌合孔91は、軸線CL4と平行にZ軸方向に形成され、被嵌合孔91は供給路89の一部を構成している。タレット12内に形成されたタレット内供給路93は、被嵌合孔91に連通している。
嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間は、シール部材92によりシールされている。シール部材92は、ベース部材70に取付けられ、被嵌合孔90の上部に配置されている。
したがって、切削油剤87は、タレット12の外部からタレット内供給路93,ベース部材70の供給路89a,被嵌合孔91,嵌合パイプ90,ホルダ部材71内の供給路89の順に流れてノズル88に供給された後、刃先部85に噴射される。
ホルダ部材71を、ベース部材70に対してZ軸方向に移動させて位置調整しても、嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間はシール部材92によりシールされているので、嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間から切削油剤が漏れることはなく、突切りバイト11aの高さ位置にかかわらず、切削油剤87を常にノズル88に供給することができる。
【0037】
図9(A)に示すように、突切りバイト11aで棒状工作物6を切断加工して、短い軸線方向寸法L1の加工済工作物6aを得る場合には、段取り作業時に、ホルダ部材71をベース部材70に対して下方の所定位置に位置決め固定しておく。
突切りバイト11aで切断加工するとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1は、所定の寸法範囲内になるように小さくなっている。
一方、図9(B)に示すように、突切りバイト11aで棒状工作物6を切断加工して、長い軸線方向寸法L2の加工済工作物6aを得る場合には、段取り作業時に、予めホルダ部材71を上方に移動させて、突切りバイト11aのZ軸方向の位置を上方の所定位置に位置決め固定しておく。
突切りバイト11aで切断加工するとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面との間の距離h2を、所定の寸法範囲内になるように小さくすることができる。
【0038】
このように、突切り工具保持手段40で突切りバイト11aの高さ位置を調整することにより、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1, h2が所定の寸法範囲内になる。
その結果、主軸移動型立形工作機械でも、チャック5に把持され所定形状に旋削加工された棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工して加工済工作物6aをバケット42に収納するとき、加工済工作物6aを傷つけることなく確実にバケット42に収納することができる。
こうして、連続加工を効率的に行なって、同じ形状の複数の加工済工作物6aを得ることができる。
突切りバイト11aによる切断加工を常にチャック5になるべく近い位置で行うことができるので、切断加工時のびびりを防止することができる。
【0039】
次に、チャック5に一端側を把持された棒状工作物6の他端側を支持するための棒状工作物支持手段100について説明する。
図10から図12は、それぞれ、棒状工作物支持手段100の正面断面図,平面図,図10のA部拡大図である。図1,図10から図12に示すように、旋盤1は、主軸台7の上方に設けられ、主軸4内に挿入された棒状工作物6の他端側を支持する棒状工作物支持手段100を備えている。
棒状工作物支持手段100は、主軸台7の上方に立設された工作物支持本体101と、工作物支持本体101に対してZ軸方向に移動可能に設けられた当接部材103とを有している。
当接部材103の下端には、主軸4内に挿入された棒状工作物6の上端(他端)6bと係合する凹部102が形成されている。当接部材103は、その自重により棒状工作物6を常時下方に押圧して、棒状工作物6の支持を行なっている。
すなわち、棒状工作物6の旋削加工と切断加工が進んでその軸線方向長さが次第に短くなると、当接部材103は、その凹部102が棒状工作物6の上端との係合を維持しつつ、その自重により下方に移動するとともに棒状工作物6を常時下方に押圧して、棒状工作物6に振れが生じないように支持している。
棒状工作物6は、その下部(一端側)がチャック5により把持され、上部が当接部材103により常時支持された両端支持の状態で、主軸4の軸線CLを中心として回転するので、高精度な切削加工,切断加工が行われる。
当接部材103は、自重を利用して棒状工作物6を支持しているので、振れ止めのためのシリンダ装置など駆動手段が不要であり、簡素で安価な構成で信頼性の高いものにすることができる。
【0040】
工作物支持本体101は、主軸台7の上部に三本の支持棒104をZ軸方向を向けて且つ軸線CLのまわりに均等に配置している。三本の支持棒104の上部は、水平方向に配置されたほぼ三角形状の下側板材105により位置決め支持されている。
下側板材105の上部には、三本の別の支持棒106が、Z軸方向を向き且つ軸線CLのまわりに均等に配置されている。三本の支持棒106の上部は、水平に配置されたほぼ三角形状の上側板材107により位置決め保持されている。
当接部材103は、凹部102が下端に形成された回転部108と、回転部108の上方に配置されて回転部108と連結された非回転部109とを有している。
回転部108と非回転部109との間には、ベアリング部110が設けられている。非回転部109には、第1の溝109aと第2の溝109bが形成されている。
【0041】
当接部材103は、全体的にZ軸方向に移動可能で、且つ回転部108のみが棒状工作物6とともに回転することができる。凹部102にはテーパが形成されているので、棒状工作物6の径の大小にかかわらず、凹部102が棒状工作物6の上端と良好に係合することができる。
下側板材105の中心部にはブシュ111が取付けられ、上側板材107の中心部には別のブシュ112が取付けられている。下側板材105には回転規制部材113が取付けられており、第1の溝109aと係合して非回転部109が回転するのを規制している。
また、第1の溝109aの上部109cと回転規制部材113が当接することにより、当接部材103が落下するのを防止している。下側板材105には下端位置検出部材114が設けられており、当接部材103が下端位置に下降したことを、第2の溝109bとの係合で検出している。
非回転部109は、下方のブシュ111と上方のブシュ112に支持された非回転状態で、Z軸方向のみに自在に移動することができる。
【0042】
工作物支持本体101により中心位置が高精度に支持された当接部材103で棒状工作物6の上端を支持することにより、棒状工作物6を振れが生じないように支持することができる。これにより、棒状工作物6は、振れが生じないように支持された状態で高精度に旋削加工,切断加工される。
なお、棒状工作物支持手段100は、当接部材103を駆動する駆動体を備え、この駆動体に駆動された当接部材103により棒状工作物6を常時下方に押圧してこの棒状工作物6の支持を行なうようにしてもよい。すなわち、シリンダや駆動モータ(たとえば、サーボモータ等)など駆動体で当接部材103を昇降移動させ、この当接部材103で棒状工作物6の上端を振れが発生しないように支持するものであってもよい。
【0043】
次に、旋盤1の動作について図1から図12までを参照して説明する。
旋盤1の運転開始時には、工作物供給装置14には未加工の棒状工作物を収納しておき、棒状工作物受取り位置に、これから加工する棒状工作物を位置決めしておく。
一方、旋盤1では、刃物台8が駆動されて所定の工具11が加工位置に割り出されている。開閉扉45は閉じられた状態になっており、工作物受け取り部材移動手段2はバケット42を搬出位置B2に退避させている。
運転が開始されると、主軸台7が移動軌跡上をX軸方向に移動し、棒状工作物受取り位置で棒状工作物6が主軸4内に挿入される。棒状工作物支持手段100の当接部材103も棒状工作物に押されて上昇する。
なお、当接部材103をシリンダや駆動モータなど駆動体の駆動力で昇降移動させるものは、当接部材103を上端位置に移動後、棒状工作物6を挿入するとよい。
【0044】
チャック5は、チャックシリンダ13cに駆動され、複数の爪5aで棒状工作物6を把持して工作物供給装置14から受取る。主軸台7は、棒状工作物受取り位置上方に移動後、工作物供給装置14に設けられた位置決め部材の上方に移動する。主軸台7が下降して、棒状工作物6を位置決め部材の上面に当接または所定量すきまを有する状態にする。
主軸台7は、チャック5が棒状工作物6の把持を解除した後、棒状工作物6が所定の長さ突出した状態になるまで上昇する。そして、チャック5が棒状工作物6を把持する。
こうして、チャック5が棒状工作物6を受け取ったのち、主軸台7は、棒状工作物軸線方向寸法位置決め位置から移動軌跡上を通って加工位置に移動する。このように、主軸台7がZ軸方向のほかX軸方向にも移動するので、主軸台7の移動動作が、棒状工作物6の搬送(搬入)の機能も発揮することができる。
【0045】
その後、加工領域13の加工位置では、主軸4のチャック5に把持された棒状工作物6が所定の回転速度で回転し、主軸台7が刃物台8の工具11に対して相対的にZ軸方向およびX軸方向に移動することにより、棒状工作物6が所定の形状に旋削加工される。
工具11の種類を変える場合には、主軸台7を待避位置に移動させた後、所望の工具11を割出す。旋削加工中は、切削油剤が工具11の刃先部に供給されるようになっている。また、刃物台8に回転工具が装着できる場合には、棒状工作物6に回転工具による加工を行なってもよい。
旋削加工が完了すると、主軸台7を待避位置(刃物台割出し位置)に移動させた後、割出し用駆動モータを駆動してタレット12を割出し、突切りバイト11aを加工位置に位置させる。その後、ロータリーアクチュエータ50を駆動し、アーム52を揺動させることにより、バケット42を搬出位置B2から受取り位置B1に移動させる。
【0046】
次いで、主軸台7をZ軸方向,X軸方向に移動して、棒状工作物6の下部をバケット42の内方に位置させる(図9(A),(B)の状態)。この状態で、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1(または、距離h2) が所定の寸法範囲内になっている。
その後、チャック5に把持された棒状工作物6を所定の回転速度で回転させ、主軸台7を所定のZ軸方向の高さ位置のままX軸方向に移動させれば、棒状工作物6は突切りバイト11aにより切断加工される。
この切断加工中も、ノズル88から切削油剤87が突切りバイト11aの刃先部85に供給される。旋削加工の完了した部位は、突切りバイト11aが棒状工作物6を完全に切断加工することにより、加工済工作物6aとなってバケット42内に落下する。加工済工作物6aは、その一部または大部分がバケット42内に入った状態で切断され、そのまま重力で落下するので受け取りミスがなくなる。
【0047】
このとき、加工済工作物6aの下端43とバケット42の底面44との間の距離h1(または、距離h2)が所定の寸法範囲内になって小さいので、加工済工作物6aに傷がつく恐れはない。
こうして、バケット42に加工済工作物6aが収納された後、ロータリーアクチュエータ50を駆動して、バケット42を受取り位置B1から搬出位置B2に移動させる。すると、加工済工作物6aは、その自重等によりバケット42からシュート41aに案内されて搬出口41を通って回収箱46に回収される。
【0048】
工作物受け取り部材移動手段2は、加工領域13内でアーム52を揺動動作のみの単純動作させるという簡素な構成である。
したがって、受取り位置B1で加工済工作物6aを確実にバケット42に収納することができ、工作物受け取り部材移動手段2を安価で信頼性の高いものにすることができ、また、搬出位置B2では、バケット42が搬出口41を確実に遮蔽し、加工領域13から切りくずや切削油剤が外部に飛散するのを防止することができる。
【0049】
バケット42が受取り位置B1から離れた後、主軸台7をZ軸方向およびX軸方向に移動させて、工作物供給装置7に取付けられている位置決め部材(図示せず)の上方に移動させる。
主軸台7を下降させて、棒状工作物6を位置決め部材に当接させるか、または、所定のすきまを有する位置まで移動させる。チャックシリンダ13cを駆動して、チャック5の爪5aによる棒状工作物6の把持を解除する。
棒状工作物6が所定の長さ突き出した状態になるまで、主軸台7を上昇させる。チャック5の爪5aで棒状工作物6を把持した後、上記と同様にして、棒状工作物6の旋削加工,切断加工を続行する。
これら旋削加工および切断加工時には、棒状工作物6の下部はチャック5により把持され、上端部は棒状工作物支持手段100により支持されているので、高精度に旋削加工および切断加工を行なうことができる。
こうして、旋削加工と切断加工を繰り返してその棒状工作物6が短くなってしまうと、主軸台7は加工位置から工作物供給装置14に移動し、次の棒状工作物6を受け取りに行なって、上述と同様の動作を繰り返すことになる。
【0050】
長さ寸法の異なる加工済工作物6aを加工する場合には、突切り工具保持手段40により、突切りバイト11aのZ軸方向の位置を調整する段取り作業が行なわれる。
この段取り作業では、止めねじ79を緩めて、ホルダ部材71を上下方向の所定高さ位置に移動させたのち止めねじ79を締める。これにより、ホルダ部材71がベース部材70に対して位置決め保持されるので、突切りバイト11aがZ軸方向の所定高さ位置に位置決めされる。その後、上述と同様にして、棒状工作物6の搬入,旋削加工および切断加工などがなされて、加工済工作物6aがバケット42により順次搬出される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、主軸移動型立形工作機械において、棒状工作物を主軸内に挿入しておき、順次、棒状工作物の軸線方向の位置決め,旋削加工,切断加工を繰り返すバーフィード加工が可能になる。
また、バーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械の設置面積の省スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図12は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は主軸移動型の立て旋盤の正面図である。
【図2】図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードの図示を省略している。
【図3】図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードも図示している。
【図4】図3の左側面断面図である。
【図5】突切り工具保持手段の正面図である。
【図6】前記突切り工具保持手段の平面図である。
【図7】図5のVII−VII線断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII線矢視図である。
【図9】棒状工作物を切断加工するときの動作を示す説明図である。
【図10】棒状工作物支持手段の正面断面図である。
【図11】前記棒状工作物支持手段の平面図である。
【図12】図10のA部拡大図である。
【図13】従来の主軸移動型立形工作機械で棒状工作物を切断加工するときの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 主軸移動型の立て旋盤(主軸移動型立形工作機械)
2 工作物受け取り部材移動手段(工作物移動手段)
3 基体
4 主軸
5 チャック
6 棒状工作物
6a 加工済工作物
7 主軸台
8 刃物台
9 スプラッシュガード
11 工具
11a 突切りバイト(突切り工具)
13 加工領域
40 突切り工具保持手段
41 搬出口
42 バケット(工作物受け取り部材)
43 下端
44 底面
45 開閉扉
46 回収箱
70 ベース部材
71 ホルダ部材
72 回転規制手段
85 刃先部
87 切削油剤
88 ノズル
89 供給路
100 棒状工作物支持手段
101 工作物支持本体
102 凹部
103 当接部材
B1 受取り位置
B2 搬出位置
CL 主軸の軸線
CL4 ホルダ部材の軸線
h,h1, h2 距離
X軸方向 第2の方向
Z軸方向 第1の方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、主軸の軸線が床面に対してほぼ垂直方向を向いて、主軸台が主軸の軸線と平行な方向に移動可能な主軸移動型立形工作機械にかかり、特に、主軸内に挿入された棒状工作物をチャックから所定量突出させ、所定の形状に加工し、突切り工具で切断して機外に移動させる工程を繰り返すいわゆるバーフィード加工を可能とした主軸移動型立形工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤において、径方向寸法より軸線方向寸法の方が長い棒状工作物(バー材,バーワーク)をバーフィード装置から供給するとともに、旋削加工の完了した棒状工作物を突切りバイトなど突切り工具で切断加工するというバーフィード加工はよく行われている。
しかしながら、主軸台が少なくとも主軸の軸線と平行な第1の方向(Z軸方向)に移動可能な主軸移動型立形工作機械におけるバーフィード加工は、主軸および棒状工作物が床面に対してほぼ垂直方向を向くため、技術的に解決しなければならない点が多い。
そこで、本出願人は、特開2000−79501号公報(特許文献1)などで、主軸移動型立形工作機械の棒状工作物供給装置などに関する技術を提案している。この公報には、棒状工作物を主軸台のZ軸方向(主軸軸線と平行な方向)に移動させる動作と、棒状工作物を駆動体で駆動して上昇させる動作で、チャック側から棒状工作物を挿入する棒状工作物供給装置に関する技術が記載されている。
【0003】
主軸台が主軸の軸線と平行な方向(Z軸方向)に移動する主軸移動型工作機械の場合、突切りバイトが固定される刃物台はZ軸方向には移動しないことが多い。また、突切りバイトによる切断加工は、びびりを防止するために通常はチャックになるべく近い位置で行なうことが好ましい。さらに、切断した工作物を受け取るバケットの構成や動作は簡素なものであるのが好ましい。
【0004】
図13は、従来の主軸移動型立形工作機械200で棒状工作物6を切断加工するときの動作を示す説明図である。
図13(A),(B)に示すように、主軸移動型立形工作機械200の場合、突切りバイト201に対して主軸台202の位置を上下動作させて、加工済工作物6aの軸線方向寸法を所定の寸法L1,L2としている。
棒状工作物6を突切りバイト201で切断加工して加工済工作物6aをバケット203に収納するときは、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h1,h2が短いほど、加工済工作物6aがバケット203に落下するときの傷の防止や確実な受取り動作が可能になる。
一方、主軸内に挿入された棒状工作物6は、一端がチャック(または、コレットチャック)で把持されるが、チャックから所定量離れた他の部分も支持しないと、主軸の回転により棒状工作物6がいわゆるみそすり運動をして、振動の発生,加工精度の低下などの問題が生じる。
そこで、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤では、主軸内にフィラーチューブを挿入するなどしてみそすり運動を防止している。
【0005】
図13に示すバケット203が、加工済工作物6aを受け取る受取り位置と加工済工作物6aを搬出する搬出位置との間で揺動動作のみを行なって加工済工作物6aを移動させるタイプのものである場合には、受取り位置でのバケット203の高さ位置は常時同じである。
そこで、図13(A)に示すように、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h1を適正値にするために、加工済工作物6aの軸線方向寸法を最大長さL1のものに合わせてバケット203の高さ位置を設定すると、図13(B)に示すように、軸線方向寸法L2の短い加工済工作物6aの場合には、加工済工作物6aの下端とバケット203の底面との間の距離h2が大きくなってしまう。
このように距離h2が大きいと、加工済工作物6aがバケット203内に落下するときにこの加工済工作物6aに傷が付く恐れがあるので、この点を解決するための技術が求められていた。
【0006】
特開平11−10407号公報(特許文献2)には、ワーク払い出し装置が開示されている。このワーク払い出し装置が設けられた工作機械は、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤である。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−79501号公報
【特許文献2】
特開平11−10407号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載のワーク払い出し装置は、ワークの径に対応させて、ワークバケットがバー材から切り落とされた加工済ワークを受け取る準備位置を調整可能にしているので構成が複雑になっていた。
また、この調整範囲を大きくしようとすると、加工領域の前方を覆う前カバー側にワークバケットが揺動したときに、前カバーに形成された搬出シュートの位置にワークバケットが一致しなくなって、ワークバケットからシュートに加工済ワークをスムースに渡すことができない恐れがあり、調整範囲を大きくすることができなかった。
【0009】
一方、棒状工作物のみそすり運動を防止するためのフィラーチューブは、工作物の直径が変わった場合、フィラーチューブも段取り替えをする必要がある。しかしながら、主軸移動型立形工作機械において、フィラーチューブ交換等の段取り替え作業は大変であった。
そこで、フィラーチューブ交換等の段取り替え作業をすることなく、棒状工作物のみそすり運動を防止してバーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械の出現が望まれていた。
さらに、主軸の軸線が水平方向を向いている旋盤にバーフィード装置を付属させると、棒状工作物の長さ相当分の設置面積を有するバーフィード装置を主軸の後部に配置しなければならないので、旋盤の設置面積が大幅に増大してしまうという問題点も生じていた。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、主軸移動型立形工作機械において棒状工作物を連続的に加工するバーフィード加工を可能にするとともに、棒状工作物の種類の変更も簡単な段取り替え作業で可能とし、加工済工作物に打痕を残したり、加工精度不良を生じさせたり、工作機械に振動を発生させたりすることがない主軸移動型立形工作機械を提供することを目的とする。
また、設置面積の省スペース化を図ったバーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる主軸移動型立形工作機械は、工作機械の基体と、床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物の一端側を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、前記主軸台の上方に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端側を支持する棒状工作物支持手段と、前記基体に設けられ、前記切断加工された加工済工作物を前記チャックより受け取るとともに、前記工作機械の前記加工領域外に移動させる工作物移動手段とを有している。
また、本発明の主軸移動型立形工作機械は、工作機械の基体と、床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、前記棒状工作物を切断加工するための前記突切り工具を保持し、この突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能に前記刃物台に取付けまたは交換可能に設けられた突切り工具保持手段と、前記加工済工作物を加工領域外に搬出するために前記スプラッシュガードに設けられた搬出口と、前記チャックから前記加工済工作物を受け取るための工作物受け取り部材を有して前記基体に設けられ、この工作物受け取り部材を、前記突切り工具で切断加工された前記加工済工作物を前記チャックから受け取る受取り位置と、前記搬出口に対応する搬出位置とに移動させる工作物移動手段とを備え、前記工作物受け取り部材が前記受取り位置に位置して前記突切り工具が前記棒状工作物を切断加工しているときこの棒状工作物の下端と前記工作物受け取り部材の底面との間の距離が所定の寸法範囲内になるように、前記突切り工具保持手段により前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能にした。
【0012】
前記搬出口の位置に対応する前記スプラッシュガードの外部側位置には、前記搬出口から搬出された前記加工済工作物を回収可能な回収箱が設けられているのが好ましい。
前記スプラッシュガードは、開口部とこの開口部を開閉可能に遮蔽する開閉扉を有するものであり、前記搬出口はこの開閉扉に設けられているのが好ましい。
好ましくは、前記突切り工具保持手段は、前記刃物台の工具装着部に着脱可能に取付けまたは交換されるベース部材と、前記突切り工具を保持するとともに前記ベース部材に取付けられ、前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能なホルダ部材と、前記ベース部材と前記ホルダ部材との間に設けられ、前記ホルダ部材の軸線のまわり方向への回転を規制する回転規制手段とを有している。
前記ホルダ部材には、前記突切り工具の刃先部近傍に切削油剤を噴出可能なノズルが設けられ、前記ホルダ部材と前記ベース部材には、前記切削油剤を前記ノズルに供給可能な供給路が形成されているのが好ましい。
前記棒状工作物支持手段は、前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材とを備え、この当接部材の自重により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっているのが好ましい。
前記棒状工作物支持手段は、前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材と、この当接部材を駆動する駆動体とを備え、この駆動体に駆動された前記当接部材により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっているのが好ましい。
一つの実施態様として、前記主軸台は前記第2の方向にも移動可能であるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1から図12までを参照して説明する。
本実施形態における主軸移動型立形工作機械は、棒状工作物を少なくとも旋削加工,切断加工可能な工作機械であり、NC(数値制御)装置とプログラマブルロジックコントローラ(PLC)とからなる制御装置により制御されている。なお、制御装置はNC装置にPLC部を内蔵したものであってもよい。
この工作機械の主軸の軸線は、床面に対して垂直方向を向いている場合を示しているが、この垂直方向に対して所定角度傾斜した方向(この場合も、「床面に対してほぼ垂直方向」とする)を向いている場合でもよい。
主軸移動型工作機械では、主軸を回転可能に支持する主軸台が、少なくとも主軸の軸線方向と平行な第1の方向に移動可能である。主軸台または刃物台は、第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能である。本実施形態では、主軸台が第2の方向にも移動可能な場合を示しているが、刃物台を第2の方向に移動可能にした場合でもよい。
主軸台と刃物台の工具を、第1の方向と第2の方向に相対的に移動させて、加工領域で棒状工作物を所定の形状に旋削加工するとともに、旋削加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する。
【0014】
本実施形態では、主軸移動型立形工作機械として立て旋盤を例にとって示しており、この立て旋盤の主軸の先端にチャックが設けられ、主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の棒状工作物をチャックで把持している。立て旋盤は、主軸の軸線が床面に対してほぼ垂直方向を向いている立形の主軸移動型工作機械の一つである。
なお、本発明における主軸移動型立形工作機械は、主軸台が少なくとも第1の方向に移動可能で、主軸台または刃物台が第2の方向に相対的に移動する構成とした、ターニングセンタ,研削盤などの工作機械であってもよい。また、主軸台7と刃物台が直交3軸方向に相対的に移動する工作機械であってもよい。
【0015】
工作機械では、径方向寸法より軸線方向寸法の方が長い棒状工作物(たとえば、軸線方向寸法が2〜4mの棒状の材料(バー材,バーワーク))を供給し旋削加工等の加工が完了したら、この旋削加工の完了した部位を突切りバイトなどで切り落とし、加工済工作物として回収していく場合と、未加工の材料(チャックワーク)が供給され旋削加工が終わったら加工済工作物として搬出する場合等がある。
本実施形態の立て旋盤は、棒状工作物のほかにチャックワークの加工も可能であるが、本発明は棒状工作物専用の工作機械であってもよい。
【0016】
まず最初に、主軸移動型の立て旋盤(主軸移動型立形工作機械)について説明する。
図1から図12は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は、主軸移動型の立て旋盤の正面図、図2は、図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードの図示を省略している。図3は、図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードも図示している。図4は図3の左側面断面図である。
図1から図4に示すように、基体3を有する立て旋盤(以下、旋盤と記載)1には、工作物移動手段としての工作物受け取り部材移動手段2と、工作物供給装置14とが設けられている。これら旋盤1,工作物受け取り部材移動手段2および工作物供給装置14は制御装置により制御される。
工作物供給装置14は、基体3の近傍に設けられ、所定の位置に棒状工作物受取り位置が設定されている。この棒状工作物受取り位置で、工作物供給装置14は、主軸4の先端(下方端部)に設けられた中空型のチャック5側から、棒状工作物(バー材,バーワーク)6を供給してチャック5,主軸4などの中空穴内に挿入する。この挿入動作は、主軸台7の第1の方向(Z軸方向)への移動動作や棒状工作物6を駆動体(たとえば、シリンダ)などにより上昇させる動作などで行うことができる。
【0017】
旋盤1は、基体3,主軸4,主軸台7,刃物台8およびスプラッシュガード9などを備えている。
主軸台7は主軸4を回転可能に支持しており、主軸4の軸線CLは、床面に対して垂直方向を向いている。サドル10は、主軸台7を、主軸4の軸線CLと平行なZ軸方向(第1の方向)に移動可能に支持するとともに、Z軸方向に対して直交するX軸方向(第2の方向)に移動する。したがって、主軸台7はZ軸方向およびX軸方向に移動可能である。
刃物台8は、割出し用の駆動モータを有し、一つまたは複数の工具11を取付け可能に基体3に設けられている。刃物台8には、工具11を取付けるためのタレット12が、所定の方向(たとえば、X軸方向)と平行な軸線CL2を中心に旋回割出し可能に設けられている。
タレット12には、棒状工作物6を所定の形状に旋削加工するための工具(内径工具,外径工具など)11のほかに、棒状工作物6を切断加工するための突切り工具としての突切りバイト11aが取付けられている。突切りバイト11aは、タレット12の一つの所定の面に着脱可能に取付けられている。
なお、主軸台7がZ軸方向のほかX軸方向にも移動し、刃物台8が移動しないタイプの主軸移動型の旋盤1で説明を行なっているが、主軸台がZ軸方向にのみ移動し、刃物台がX軸方向に移動するタイプの主軸移動型立形工作機械であってもよい。その場合には、刃物台が主軸台に対して相対的にX軸方向に移動することになる。
【0018】
旋盤1は、チャック5に把持された棒状工作物6を旋削加工および切断加工するための加工領域13を有している。加工領域13では、主軸4のチャック5に把持された棒状工作物6を所定の回転速度で回転させる。
主軸4内に挿入され所定の長さ突出した状態の棒状工作物6をチャック5で把持し、主軸台7と刃物台8の工具11とをZ軸方向とX軸方向に相対的に移動させて、棒状工作物6を所定の形状に旋削加工する。そして、旋削加工の完了した部位を、加工済工作物6aとして突切りバイト11aで所定の位置で切断加工する。
主軸4の中心は、X軸方向と平行な移動軌跡上を、加工領域13内で旋削加工,切断加工が行なわれる位置(加工位置)と、加工領域13外の工作物供給装置14に設定された棒状工作物受取り位置との間で移動する。
【0019】
旋盤1のベッド20は、加工領域13の下方に位置する前部より後部の方が高くなっており、側面視でほぼL字状をなしている。ベッド20は、前部ベッド21と後部ベッド22を有している。
後部ベッド22の前面には、刃物台8が取付けられている。後部ベッド22の上面には、一対の平行なX軸用ガイドレール23がX軸方向に設けられている。サドル10にはスライド本体が固定されている。
X軸用ガイドレール23とスライド本体は、直動転がり案内を構成するものである。サドル10は、X軸用ガイドレール23に沿ってX軸方向に移動可能に配置されている。
【0020】
二本のX軸用ガイドレール23の間には、X軸用ボールねじのねじ軸24が、X軸用ガイドレール23と平行に配置されている。ねじ軸24には、サドル10に固定されたナット25がねじ込まれている。ねじ軸24は、歯付きプーリ,歯付きベルトなどを有する伝達機構26を介して、X軸用サーボモータ27により正逆方向に回転駆動される。
X軸用サーボモータ27に駆動されてねじ軸24が回転すると、ナット25が固定されているサドル10が、一対のX軸用ガイドレール23に案内支持されてX軸方向に往復移動する。
サドル10の移動動作が、工具11,突切り工具11aに対する主軸台7のX軸方向の移動となる。この旋盤1では、X軸方向へのサドル10の移動可能な距離が、工作物供給装置14の方向に長くなっている。
サドル10の前面には、一対の平行なZ軸用ガイドレール28がZ軸方向に設けられている。主軸台7にはスライド本体が固定されている。Z軸用ガイドレール28とスライド本体は、直動転がり案内を構成するものである。主軸台7は、Z軸用ガイドレール28に沿ってZ軸方向に移動可能に配置されている。
【0021】
サドル10の上部には、Z軸用サーボモータが取付けられている。Z軸用サーボモータは、出力軸とZ軸ボールねじのねじ軸とを連結する連結部材を介して、ねじ軸を回転駆動するようになっている。Z軸ボールねじのねじ軸には、主軸台7に固定されたナットがねじ込まれている。
Z軸用サーボモータに駆動されてねじ軸が回転すれば、前記ナットが固定されている主軸台7が、Z軸用ガイドレール28に案内支持されてZ軸方向に移動する。主軸台7の移動動作が、工具11に対する主軸台7のZ軸方向の移動となる。
主軸台7の上部には、チャック5の複数の爪(たとえば、三つ爪)5aを駆動するための、中空型のチャックシリンダ13cが設けられている。チャック5の爪5aは、チャックシリンダ13cに駆動されて開閉動作を行い、棒状工作物6の把持,把持解除を行う。
【0022】
主軸台7には、チャックシリンダ13cが回転するのを規制する回転規制部材13aが設けられており、チャックシリンダ13cのロータリージョイントの固定部が回転するのを規制している。符号13bは、チャック5の爪5aが開状態か閉状態かを検出する検出部材である。
主軸台7の内部には、ビルトイン型の主軸モータが組み込まれている。この主軸モータは、主軸台7側に取付けられたステータと、主軸4側に取付けられたロータとを有している。主軸受を介して主軸台7に回転可能に支持されている主軸4は、チャック5で棒状工作物6を把持した状態で、主軸モータにより所定の回転数(回転速度)で回転駆動される。
なお、主軸台7およびサドル10に関するZ軸方向およびX軸方向の案内面を、直動転がり案内で説明しているが、他の転がり案内、滑り案内等の案内面であってもよい。また、主軸台7の主軸モータは、ビルトイン型が好ましいが、歯車機構、ベルト・プーリ機構など伝達機構を介して駆動するものであってもよい。
【0023】
スプラッシュガード9は、開口部とこの開口部を開閉可能に遮蔽する開閉扉45を有し、加工領域13を覆って基体3に取付けられている。
スプラッシュガード9は、主軸台7が加工領域13内で棒状工作物6を旋削加工,切断加工しているとき、加工領域13内の切りくずや切削油剤(クーラント)など飛散物が加工領域13の外部に飛散するのを防止している。
【0024】
旋盤1は、突切り工具保持手段40,搬出口41および工作物受け取り部材移動手段2などを備えている。突切り工具保持手段40は、刃物台8に取付けられて(または、交換可能に設けられて)、突切りバイト11aを保持している。突切り工具保持手段40は、突切りバイト11aで突切り加工するときの突切りバイト11aのZ軸方向の位置(高さ位置)を調整可能である。
また、突切り工具保持手段40は、突切りバイト11aの高さ位置が所定の位置に調整されているものを交換可能に設けたものであってもよい。さらに、突切り工具保持手段40全体が交換可能なものであってもよい。
搬出口41は、加工済工作物6aを加工領域13外に搬出するために、スプラッシュガード9の開閉扉45に(または、スプラッシュガード9に)設けられている。
搬出口41にはシュート41aが設けられている。このシュート41aは、加工済工作物6aを、工作物受け取り部材であるバケット42から搬出口41を介して回収箱46にスムーズに案内するために、開閉扉45に取付けられている。
【0025】
本発明の工作物移動手段は、基体3に設けられ、切断加工された加工済工作物6aをチャック5より受け取るとともに、旋盤1の加工領域13外に移動させる機能を有している。本実施形態では、工作物移動手段として工作物受け取り部材移動手段2が設けられている。
工作物受け取り部材移動手段2は、刃物台8に対向して配置されている。工作物受け取り部材移動手段2は、チャック5から一個または複数(ここでは、一個)の加工済工作物6aを受け取るためのバケット(工作物受け取り部材)42を有して、基体3に設けられている。
バケット42は、ロータリーアクチュエータ50に駆動されて揺動可能になっており、受取り位置B1と、搬出口41に対応する搬出位置(加工領域13内の所定位置で、退避位置)B2とに移動する。
バケット42は、受取り位置B1で開口部44aが上方向を向くように、バケット支持部材53に支持されている。すなわちバケット42は、その開口部44aの近傍が、支軸44cで回転可能に支持されている。
バケット42は、受取り位置B1では、チャック5に把持された状態の棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工しているときに、切断加工された加工済工作物11aをチャック5から受け取る。
バケット42は、工具11による旋削加工中は搬出位置B2に退避している。搬出位置B2では、バケット42は、搬出口41を塞いで、切りくずや切削油剤など飛散物が加工領域13外に飛散するのを防止している。バケット42に収納されている加工済工作物6aは、搬出口41を通して加工領域13外に搬出可能である。
【0026】
旋盤1は、バケット42が受取り位置B1に位置して突切りバイト11aが棒状工作物6を切断加工しているとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離hが所定の寸法範囲内になるように、突切り工具保持手段40により突切りバイト11aのZ軸方向の位置を調整可能にしている。
これにより、刃物台8がZ軸方向に移動しなくても、チャック5に把持され所定形状に旋削加工された棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工して加工済工作物6aをバケット42に収納するとき、軸線方向寸法Lが異なる加工済工作物6aであっても、加工済工作物6aの下端43とバケット底面44との間の距離hを、ほぼ一定の小さな寸法にすることができる(後述する図9(A),(B)参照)。
したがって、加工済工作物6aは、軸線方向寸法Lが長くてもバケット42に当たることがない。また、加工済工作物6aは、その軸線方向寸法Lが短い場合でもバケット42から離れすぎることがなくなるので、加工済工作物6aがバケット42内に落下するときの衝撃が少なくなって傷の発生を防止でき、不良品を発生させる恐れがない。
【0027】
工作物受け取り部材移動手段2は、基体3に取付けられたロータリーアクチュエータ50と、ロータリーアクチュエータ50に駆動されて正逆方向に所定角度回転する回転軸51と、ロータリーアクチュエータ50に取付けられ、回転軸51を軸線のまわり方向のみに回転可能に支持している軸支持部材51aと、回転軸51に取付けられ、回転軸51の中心軸線CL3を中心として所定角度θだけ揺動するアーム52と、アーム52の先端部に取付けられ、バケット42を揺動可能に支持するバケット支持部材53とを有している。
なお、符号51bは、回転軸51に形成された円周溝部に先端部が係合するように軸支持部材51aに設けられ、回転軸51が軸線方向に移動するのを規制している移動規制部材である。
加工領域13には、仕切り板材54が配置されている。仕切り板材54は、刃物台8に対向して配置され、基体3に取付けられている。仕切り板材54には傾斜面が形成されて、加工領域13内の切りくずや切削油剤などを下方に案内するようになっている。
ロータリーアクチュエータ50は、仕切り板材54の裏側(図1,図2の右側)に配置されているので、切りくずや切削油剤がロータリーアクチュエータ50に直接当たることがなく、故障を防止することができる。回転軸51,アーム52,バケット支持部材53およびバケット42は、加工領域13内に配置されている。
なお、工作物受け取り部材移動手段2は、バケット42を直線運動、または直線運動と回転運動を組み合わせた運動で、受取り位置B1と搬出位置B2とに移動させるものであってもよい。
【0028】
バケット42は、底面44側が狭く、開口部44aが広い所定形状を有している。底面44にはカムフォロア44dが設けられている。バケット42は、受取り位置B1では、自重により、底面44が下方で開口部44aが上方向を向いている。
搬出位置B2では、スプラッシュガード9に固定されたカム部材9aの傾斜面部にカムフォロア44dが係合して、バケット42は支軸44cを支点として傾斜し、バケット42の開口部44aを形成する縁部44bが開閉扉45の搬出口41を塞ぐことにより、加工領域13を外部から遮蔽している。また、バケット42の移動面とシュート41aとがほぼ平行となり、加工済工作物6aがスムースに移動する。
【0029】
加工済工作物6aを回収するための回収箱46は、搬出口41の位置に対応するスプラッシュガード9の外部側位置(すなわち、加工領域13外の所定位置)に設けられているので、旋削加工中でも加工済工作物6aを回収箱46から取り出すことができる。
回収箱46は、開閉扉45の前面に固定された上カバー46bと、基体3に案内部46cを介して移動可能に設けられた回収箱収納部60と、回収箱収納部60に着脱可能に収納されている回収部46a等とから構成されている。
回収部46aには着脱作業のための把手61が取付けられている。回収部46aには、多数の孔47が貫通形成されているので、切削油剤などを回収箱46から孔47を介して排出できる。
回収箱収納部60にはパイプ60aが立設されている。すなわち、回収箱収納部60には、パイプ60aの上部高さ位置まで切削油剤がたまっている。回収箱46の孔47を通過し、パイプ60aの高さをこえた切削油剤は、回収箱収納部60から排出される。
開閉扉45をX軸方向に開閉すると、開閉扉45に取付けられた上カバー46bによって、回収箱収納部60と、この回収箱収納部60に収納された回収部46aが、開閉扉45と一緒にX軸方向に移動する。
【0030】
回収箱収納部60の下部には、回収箱収納部60で回収された切削油剤を受けるための油受け部材62がX軸方向に長く延びて配置されている。油受け部材62は、回収箱収納部60の移動範囲より長い寸法を有して、基体3に固定されている。
回収箱収納部60がX軸方向のどの位置に移動しても、回収箱収納部60内の切削油剤は油受け部材62で回収される。油受け部材62には、パイプ63が接続されている。油受け部材62で回収された切削油剤は、パイプ63を流れて回収タンク(図示せず)で回収される。
このように、加工済工作物6aやバケット42などに付着した切削油剤は、回収箱収納部60に必要以上にたまると油受け部材62で回収されるので、開閉扉45を開閉しても、切削油剤が床面を汚すことはない。また、回収箱収納部60内に切削油剤がたまっているため、順次、加工済工作物が回収されてきたとき、加工済工作物に打痕が付くのを防止することができる。
【0031】
次に、突切り工具保持手段40について説明する。
図5から図8は突切り工具保持手段40を示す図で、図5は正面図、図6は平面図、図7は図5のVII−VII線断面図、図8は図5のVIII−VIII線矢視図である。図9は、棒状工作物6を切断加工するときの動作を示す説明図である。
図2,図5から図8に示すように、突切り工具保持手段40は、ベース部材70,ホルダ部材71,回転規制手段72などを有している。
ベース部材70は、刃物台8の工具装着部(ここでは、タレット12の一つの面)に着脱可能に取り付けられ、または交換可能になっている。ホルダ部材71は、突切りバイト11aを保持するとともにベース部材70に取付けられ、突切りバイト11aのZ軸方向の位置(高さ位置)を容易に調整可能になっている。
【0032】
本実施形態では、ホルダ部材71がベース部材70に対してZ軸方向に移動可能になっているが、変形例として、加工済工作物6aの長さ寸法Lに応じて突切りバイト11aのZ軸方向の高さ位置が所望の位置になるような複数種類のホルダ部材を準備して、加工済工作物6aの長さ寸法Lに応じてホルダ部材を交換するようにしてもよい。
さらに、他の変形例として、ベース部材に対してホルダ部材をZ軸方向に移動可能に嵌合させ、突切りバイト11aがZ軸方向の所望の高さ位置になるようにホルダ部材を自動的に移動させる制御を行なってもよい。このようにすれば、異なる長さ寸法の加工済工作物6aを自動的に順次切断加工することができる。
また、自動工具交換可能な工作機械の場合には、ベース部材にHSK工具やBT工具などのシャンク部等を有する工具交換可能な交換工具とし、突切りバイト11aのZ軸方向の高さ位置が所望の位置となるような交換工具タイプの突切り工具保持手段40を複数種類準備しておき、自動工具交換装置(ATC)などで交換するようにしてもよい。
【0033】
回転規制手段72は、ベース部材70とホルダ部材71との間に設けられ、ホルダ部材71の軸線CL4のまわり方向への回転を規制している。回転規制手段72を設けたので、突切りバイト11aは、ベース部材70に対して回転することなく、棒状工作物6の方向を向いた状態で位置決め保持される。
ベース部材70は、複数(ここでは、四本)のボルト73によりタレット12に着脱可能に固定されている。ベース部材70には、断面円形の孔74が貫通形成されている。孔74の所定位置には、キー溝75が軸線CL4と平行に貫通形成されている。
ホルダ部材71には、円筒状の嵌合部76が形成されている。嵌合部76には、キー77が軸線CL4と平行に取付けられており、キー77が、Z軸方向に移動可能にキー溝75に嵌合している。キー溝75とキー77は、回転規制手段72を構成して、ホルダ部材71が軸線CL4のまわり方向に回らないように規制している。
【0034】
ベース部材70とホルダ部材71には、ホルダ部材71をZ軸方向の所望の位置に固定するための固定手段78が設けられている。固定手段78は、回転規制手段72とは軸線CL4を挟んで平面視で180度反対方向に配置されている。
固定手段78は、ベース部材70にねじ込まれた一本または複数本(ここでは、二本)の止めねじ79と、嵌合部76に形成されて止めねじ79で押される被係止部80とにより構成されている。
二本の止めねじ79は上下の所定位置に配置されており、ベース部材70に貫通形成された雌ねじにねじ込まれており、容易に締め付けたり緩めたりすることができる。
被係止部80は、軸線CL4と平行にZ軸方向に延びて平面上に形成され、上端部80aのみが行き止まりになっている。したがって、止めねじ79を操作することにより、ホルダ部材71をベース部材70に対して所望の高さ位置に位置決め固定することができる。
また、ホルダ部材71は、ベース部材70から上方に抜き出すことができる。被係止部80の上端部80aに上側の止めねじ79が係合することにより、ホルダ部材71の下方への移動動作が規制される。
【0035】
ホルダ部材71の上面には、刃先部85を有する突切りバイト11aが、取付部材86aを介してボルト86により着脱可能に取付けられている。ホルダ部材71には、突切りバイト11aの刃先部85近傍に切削油剤87を噴出可能なノズル88が設けられている。ホルダ部材71とベース部材70には、切削油剤87をノズル88に供給可能な供給路89が形成されている。
ノズル88をホルダ部材71に設けたので、ベース部材70に対してホルダ部材71のZ軸方向の位置が変化しても、ノズル88から切削油剤87を常時刃先部85に供給して、切断加工を良好に行うことができる。
ホルダ部材71には、嵌合パイプ90が嵌合部76と平行に且つ下方に突出して取付けられている。嵌合パイプ90の内部は、供給路89の一部を構成している。
【0036】
ベース部材70には、嵌合パイプ90がZ軸方向に移動自在に嵌合する被嵌合孔91が形成されている。被嵌合孔91は、軸線CL4と平行にZ軸方向に形成され、被嵌合孔91は供給路89の一部を構成している。タレット12内に形成されたタレット内供給路93は、被嵌合孔91に連通している。
嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間は、シール部材92によりシールされている。シール部材92は、ベース部材70に取付けられ、被嵌合孔90の上部に配置されている。
したがって、切削油剤87は、タレット12の外部からタレット内供給路93,ベース部材70の供給路89a,被嵌合孔91,嵌合パイプ90,ホルダ部材71内の供給路89の順に流れてノズル88に供給された後、刃先部85に噴射される。
ホルダ部材71を、ベース部材70に対してZ軸方向に移動させて位置調整しても、嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間はシール部材92によりシールされているので、嵌合パイプ90と被嵌合孔91との間から切削油剤が漏れることはなく、突切りバイト11aの高さ位置にかかわらず、切削油剤87を常にノズル88に供給することができる。
【0037】
図9(A)に示すように、突切りバイト11aで棒状工作物6を切断加工して、短い軸線方向寸法L1の加工済工作物6aを得る場合には、段取り作業時に、ホルダ部材71をベース部材70に対して下方の所定位置に位置決め固定しておく。
突切りバイト11aで切断加工するとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1は、所定の寸法範囲内になるように小さくなっている。
一方、図9(B)に示すように、突切りバイト11aで棒状工作物6を切断加工して、長い軸線方向寸法L2の加工済工作物6aを得る場合には、段取り作業時に、予めホルダ部材71を上方に移動させて、突切りバイト11aのZ軸方向の位置を上方の所定位置に位置決め固定しておく。
突切りバイト11aで切断加工するとき、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面との間の距離h2を、所定の寸法範囲内になるように小さくすることができる。
【0038】
このように、突切り工具保持手段40で突切りバイト11aの高さ位置を調整することにより、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1, h2が所定の寸法範囲内になる。
その結果、主軸移動型立形工作機械でも、チャック5に把持され所定形状に旋削加工された棒状工作物6を突切りバイト11aで切断加工して加工済工作物6aをバケット42に収納するとき、加工済工作物6aを傷つけることなく確実にバケット42に収納することができる。
こうして、連続加工を効率的に行なって、同じ形状の複数の加工済工作物6aを得ることができる。
突切りバイト11aによる切断加工を常にチャック5になるべく近い位置で行うことができるので、切断加工時のびびりを防止することができる。
【0039】
次に、チャック5に一端側を把持された棒状工作物6の他端側を支持するための棒状工作物支持手段100について説明する。
図10から図12は、それぞれ、棒状工作物支持手段100の正面断面図,平面図,図10のA部拡大図である。図1,図10から図12に示すように、旋盤1は、主軸台7の上方に設けられ、主軸4内に挿入された棒状工作物6の他端側を支持する棒状工作物支持手段100を備えている。
棒状工作物支持手段100は、主軸台7の上方に立設された工作物支持本体101と、工作物支持本体101に対してZ軸方向に移動可能に設けられた当接部材103とを有している。
当接部材103の下端には、主軸4内に挿入された棒状工作物6の上端(他端)6bと係合する凹部102が形成されている。当接部材103は、その自重により棒状工作物6を常時下方に押圧して、棒状工作物6の支持を行なっている。
すなわち、棒状工作物6の旋削加工と切断加工が進んでその軸線方向長さが次第に短くなると、当接部材103は、その凹部102が棒状工作物6の上端との係合を維持しつつ、その自重により下方に移動するとともに棒状工作物6を常時下方に押圧して、棒状工作物6に振れが生じないように支持している。
棒状工作物6は、その下部(一端側)がチャック5により把持され、上部が当接部材103により常時支持された両端支持の状態で、主軸4の軸線CLを中心として回転するので、高精度な切削加工,切断加工が行われる。
当接部材103は、自重を利用して棒状工作物6を支持しているので、振れ止めのためのシリンダ装置など駆動手段が不要であり、簡素で安価な構成で信頼性の高いものにすることができる。
【0040】
工作物支持本体101は、主軸台7の上部に三本の支持棒104をZ軸方向を向けて且つ軸線CLのまわりに均等に配置している。三本の支持棒104の上部は、水平方向に配置されたほぼ三角形状の下側板材105により位置決め支持されている。
下側板材105の上部には、三本の別の支持棒106が、Z軸方向を向き且つ軸線CLのまわりに均等に配置されている。三本の支持棒106の上部は、水平に配置されたほぼ三角形状の上側板材107により位置決め保持されている。
当接部材103は、凹部102が下端に形成された回転部108と、回転部108の上方に配置されて回転部108と連結された非回転部109とを有している。
回転部108と非回転部109との間には、ベアリング部110が設けられている。非回転部109には、第1の溝109aと第2の溝109bが形成されている。
【0041】
当接部材103は、全体的にZ軸方向に移動可能で、且つ回転部108のみが棒状工作物6とともに回転することができる。凹部102にはテーパが形成されているので、棒状工作物6の径の大小にかかわらず、凹部102が棒状工作物6の上端と良好に係合することができる。
下側板材105の中心部にはブシュ111が取付けられ、上側板材107の中心部には別のブシュ112が取付けられている。下側板材105には回転規制部材113が取付けられており、第1の溝109aと係合して非回転部109が回転するのを規制している。
また、第1の溝109aの上部109cと回転規制部材113が当接することにより、当接部材103が落下するのを防止している。下側板材105には下端位置検出部材114が設けられており、当接部材103が下端位置に下降したことを、第2の溝109bとの係合で検出している。
非回転部109は、下方のブシュ111と上方のブシュ112に支持された非回転状態で、Z軸方向のみに自在に移動することができる。
【0042】
工作物支持本体101により中心位置が高精度に支持された当接部材103で棒状工作物6の上端を支持することにより、棒状工作物6を振れが生じないように支持することができる。これにより、棒状工作物6は、振れが生じないように支持された状態で高精度に旋削加工,切断加工される。
なお、棒状工作物支持手段100は、当接部材103を駆動する駆動体を備え、この駆動体に駆動された当接部材103により棒状工作物6を常時下方に押圧してこの棒状工作物6の支持を行なうようにしてもよい。すなわち、シリンダや駆動モータ(たとえば、サーボモータ等)など駆動体で当接部材103を昇降移動させ、この当接部材103で棒状工作物6の上端を振れが発生しないように支持するものであってもよい。
【0043】
次に、旋盤1の動作について図1から図12までを参照して説明する。
旋盤1の運転開始時には、工作物供給装置14には未加工の棒状工作物を収納しておき、棒状工作物受取り位置に、これから加工する棒状工作物を位置決めしておく。
一方、旋盤1では、刃物台8が駆動されて所定の工具11が加工位置に割り出されている。開閉扉45は閉じられた状態になっており、工作物受け取り部材移動手段2はバケット42を搬出位置B2に退避させている。
運転が開始されると、主軸台7が移動軌跡上をX軸方向に移動し、棒状工作物受取り位置で棒状工作物6が主軸4内に挿入される。棒状工作物支持手段100の当接部材103も棒状工作物に押されて上昇する。
なお、当接部材103をシリンダや駆動モータなど駆動体の駆動力で昇降移動させるものは、当接部材103を上端位置に移動後、棒状工作物6を挿入するとよい。
【0044】
チャック5は、チャックシリンダ13cに駆動され、複数の爪5aで棒状工作物6を把持して工作物供給装置14から受取る。主軸台7は、棒状工作物受取り位置上方に移動後、工作物供給装置14に設けられた位置決め部材の上方に移動する。主軸台7が下降して、棒状工作物6を位置決め部材の上面に当接または所定量すきまを有する状態にする。
主軸台7は、チャック5が棒状工作物6の把持を解除した後、棒状工作物6が所定の長さ突出した状態になるまで上昇する。そして、チャック5が棒状工作物6を把持する。
こうして、チャック5が棒状工作物6を受け取ったのち、主軸台7は、棒状工作物軸線方向寸法位置決め位置から移動軌跡上を通って加工位置に移動する。このように、主軸台7がZ軸方向のほかX軸方向にも移動するので、主軸台7の移動動作が、棒状工作物6の搬送(搬入)の機能も発揮することができる。
【0045】
その後、加工領域13の加工位置では、主軸4のチャック5に把持された棒状工作物6が所定の回転速度で回転し、主軸台7が刃物台8の工具11に対して相対的にZ軸方向およびX軸方向に移動することにより、棒状工作物6が所定の形状に旋削加工される。
工具11の種類を変える場合には、主軸台7を待避位置に移動させた後、所望の工具11を割出す。旋削加工中は、切削油剤が工具11の刃先部に供給されるようになっている。また、刃物台8に回転工具が装着できる場合には、棒状工作物6に回転工具による加工を行なってもよい。
旋削加工が完了すると、主軸台7を待避位置(刃物台割出し位置)に移動させた後、割出し用駆動モータを駆動してタレット12を割出し、突切りバイト11aを加工位置に位置させる。その後、ロータリーアクチュエータ50を駆動し、アーム52を揺動させることにより、バケット42を搬出位置B2から受取り位置B1に移動させる。
【0046】
次いで、主軸台7をZ軸方向,X軸方向に移動して、棒状工作物6の下部をバケット42の内方に位置させる(図9(A),(B)の状態)。この状態で、棒状工作物6の下端43とバケット42の底面44との間の距離h1(または、距離h2) が所定の寸法範囲内になっている。
その後、チャック5に把持された棒状工作物6を所定の回転速度で回転させ、主軸台7を所定のZ軸方向の高さ位置のままX軸方向に移動させれば、棒状工作物6は突切りバイト11aにより切断加工される。
この切断加工中も、ノズル88から切削油剤87が突切りバイト11aの刃先部85に供給される。旋削加工の完了した部位は、突切りバイト11aが棒状工作物6を完全に切断加工することにより、加工済工作物6aとなってバケット42内に落下する。加工済工作物6aは、その一部または大部分がバケット42内に入った状態で切断され、そのまま重力で落下するので受け取りミスがなくなる。
【0047】
このとき、加工済工作物6aの下端43とバケット42の底面44との間の距離h1(または、距離h2)が所定の寸法範囲内になって小さいので、加工済工作物6aに傷がつく恐れはない。
こうして、バケット42に加工済工作物6aが収納された後、ロータリーアクチュエータ50を駆動して、バケット42を受取り位置B1から搬出位置B2に移動させる。すると、加工済工作物6aは、その自重等によりバケット42からシュート41aに案内されて搬出口41を通って回収箱46に回収される。
【0048】
工作物受け取り部材移動手段2は、加工領域13内でアーム52を揺動動作のみの単純動作させるという簡素な構成である。
したがって、受取り位置B1で加工済工作物6aを確実にバケット42に収納することができ、工作物受け取り部材移動手段2を安価で信頼性の高いものにすることができ、また、搬出位置B2では、バケット42が搬出口41を確実に遮蔽し、加工領域13から切りくずや切削油剤が外部に飛散するのを防止することができる。
【0049】
バケット42が受取り位置B1から離れた後、主軸台7をZ軸方向およびX軸方向に移動させて、工作物供給装置7に取付けられている位置決め部材(図示せず)の上方に移動させる。
主軸台7を下降させて、棒状工作物6を位置決め部材に当接させるか、または、所定のすきまを有する位置まで移動させる。チャックシリンダ13cを駆動して、チャック5の爪5aによる棒状工作物6の把持を解除する。
棒状工作物6が所定の長さ突き出した状態になるまで、主軸台7を上昇させる。チャック5の爪5aで棒状工作物6を把持した後、上記と同様にして、棒状工作物6の旋削加工,切断加工を続行する。
これら旋削加工および切断加工時には、棒状工作物6の下部はチャック5により把持され、上端部は棒状工作物支持手段100により支持されているので、高精度に旋削加工および切断加工を行なうことができる。
こうして、旋削加工と切断加工を繰り返してその棒状工作物6が短くなってしまうと、主軸台7は加工位置から工作物供給装置14に移動し、次の棒状工作物6を受け取りに行なって、上述と同様の動作を繰り返すことになる。
【0050】
長さ寸法の異なる加工済工作物6aを加工する場合には、突切り工具保持手段40により、突切りバイト11aのZ軸方向の位置を調整する段取り作業が行なわれる。
この段取り作業では、止めねじ79を緩めて、ホルダ部材71を上下方向の所定高さ位置に移動させたのち止めねじ79を締める。これにより、ホルダ部材71がベース部材70に対して位置決め保持されるので、突切りバイト11aがZ軸方向の所定高さ位置に位置決めされる。その後、上述と同様にして、棒状工作物6の搬入,旋削加工および切断加工などがなされて、加工済工作物6aがバケット42により順次搬出される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、主軸移動型立形工作機械において、棒状工作物を主軸内に挿入しておき、順次、棒状工作物の軸線方向の位置決め,旋削加工,切断加工を繰り返すバーフィード加工が可能になる。
また、バーフィード加工が可能な主軸移動型立形工作機械の設置面積の省スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図12は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は主軸移動型の立て旋盤の正面図である。
【図2】図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードの図示を省略している。
【図3】図1に示す立て旋盤の部分正面図で、スプラッシュガードも図示している。
【図4】図3の左側面断面図である。
【図5】突切り工具保持手段の正面図である。
【図6】前記突切り工具保持手段の平面図である。
【図7】図5のVII−VII線断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII線矢視図である。
【図9】棒状工作物を切断加工するときの動作を示す説明図である。
【図10】棒状工作物支持手段の正面断面図である。
【図11】前記棒状工作物支持手段の平面図である。
【図12】図10のA部拡大図である。
【図13】従来の主軸移動型立形工作機械で棒状工作物を切断加工するときの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 主軸移動型の立て旋盤(主軸移動型立形工作機械)
2 工作物受け取り部材移動手段(工作物移動手段)
3 基体
4 主軸
5 チャック
6 棒状工作物
6a 加工済工作物
7 主軸台
8 刃物台
9 スプラッシュガード
11 工具
11a 突切りバイト(突切り工具)
13 加工領域
40 突切り工具保持手段
41 搬出口
42 バケット(工作物受け取り部材)
43 下端
44 底面
45 開閉扉
46 回収箱
70 ベース部材
71 ホルダ部材
72 回転規制手段
85 刃先部
87 切削油剤
88 ノズル
89 供給路
100 棒状工作物支持手段
101 工作物支持本体
102 凹部
103 当接部材
B1 受取り位置
B2 搬出位置
CL 主軸の軸線
CL4 ホルダ部材の軸線
h,h1, h2 距離
X軸方向 第2の方向
Z軸方向 第1の方向
Claims (9)
- 工作機械の基体と、
床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、
この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、
一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、
前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、
前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、
前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物の一端側を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、
前記主軸台の上方に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端側を支持する棒状工作物支持手段と、
前記基体に設けられ、前記切断加工された加工済工作物を前記チャックより受け取るとともに、前記工作機械の前記加工領域外に移動させる工作物移動手段とを有する主軸移動型立形工作機械。 - 工作機械の基体と、
床面に対してほぼ垂直方向を向いている軸線を有し先端にチャックが設けられた主軸と、
この主軸を回転可能に支持し、少なくとも前記主軸の軸線と平行な第1の方向に移動可能な主軸台と、
一つまたは複数の工具を取付け可能に前記基体に設けられた刃物台と、
前記基体に設けられ、前記工作機械の加工領域を覆うスプラッシュガードとを備え、
前記主軸台または前記刃物台は、前記第1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動可能であり、
前記主軸内に挿入され所定の長さ突出した状態の径方向寸法より軸線方向寸法が長い棒状工作物を前記チャックで把持し、前記主軸台と前記刃物台の前記工具とを相対的に移動させて前記棒状工作物を所定の形状に加工するとともに、加工の完了した部位を加工済工作物として突切り工具で所定の位置で切断加工する主軸移動型立形工作機械であって、
前記棒状工作物を切断加工するための前記突切り工具を保持し、この突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能に前記刃物台に取付けまたは交換可能に設けられた突切り工具保持手段と、
前記加工済工作物を加工領域外に搬出するために前記スプラッシュガードに設けられた搬出口と、
前記チャックから前記加工済工作物を受け取るための工作物受け取り部材を有して前記基体に設けられ、この工作物受け取り部材を、前記突切り工具で切断加工された前記加工済工作物を前記チャックから受け取る受取り位置と、前記搬出口に対応する搬出位置とに移動させる工作物移動手段とを備え、
前記工作物受け取り部材が前記受取り位置に位置して前記突切り工具が前記棒状工作物を切断加工しているときこの棒状工作物の下端と前記工作物受け取り部材の底面との間の距離が所定の寸法範囲内になるように、前記突切り工具保持手段により前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能にしたことを特徴とする主軸移動型立形工作機械。 - 前記搬出口の位置に対応する前記スプラッシュガードの外部側位置には、前記搬出口から搬出された前記加工済工作物を回収可能な回収箱が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の主軸移動型立形工作機械。
- 前記スプラッシュガードは、開口部とこの開口部を開閉可能に遮蔽する開閉扉を有するものであり、前記搬出口はこの開閉扉に設けられているものであることを特徴とする請求項2または3に記載の主軸移動型立形工作機械。
- 前記突切り工具保持手段は、
前記刃物台の工具装着部に着脱可能に取付けまたは交換されるベース部材と、
前記突切り工具を保持するとともに前記ベース部材に取付けられ、前記突切り工具の前記第1の方向の位置を調整可能なホルダ部材と、
前記ベース部材と前記ホルダ部材との間に設けられ、前記ホルダ部材の軸線のまわり方向への回転を規制する回転規制手段とを有していることを特徴とする請求項2から4のいずれかの項に記載の主軸移動型立形工作機械。 - 前記ホルダ部材には、前記突切り工具の刃先部近傍に切削油剤を噴出可能なノズルが設けられ、
前記ホルダ部材と前記ベース部材には、前記切削油剤を前記ノズルに供給可能な供給路が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の主軸移動型立形工作機械。 - 前記棒状工作物支持手段は、
前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、
この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材とを備え、
この当接部材の自重により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっていることを特徴とする請求項1に記載の主軸移動型立形工作機械。 - 前記棒状工作物支持手段は、
前記主軸台の上方に立設された工作物支持本体と、
この工作物支持本体に対して前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記主軸内に挿入された前記棒状工作物の他端と係合する凹部が下端に形成された当接部材と、
この当接部材を駆動する駆動体とを備え、
この駆動体に駆動された前記当接部材により前記棒状工作物を常時下方に押圧してこの棒状工作物の支持を行なっていることを特徴とする請求項1に記載の主軸移動型立形工作機械。 - 前記主軸台は前記第2の方向にも移動可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれかの項に記載の主軸移動型立形工作機械。
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