JP2004114114A - 生分解性消失模型用発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密度が0.0301〜0.0500g/cm3の範囲内にある生分解性発泡粒子及び発泡成形体を鋳造用消失模型用材料として使用することにより造形が容易であり、廃棄切削屑の問題が解決され高温環境下での消失模型の形態保持と製品として出来上がった鋳物表面の平滑性が優れる。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高温環境下での消失模型の形態保持と鋳物表面の平滑性が優れる鋳造用消失模型用発泡粒子及び発泡成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋳物鋳造には鋳型製作のために通常木型が使用されている。この木型は鋳型を製作した後に溶湯を注湯するために除去する必要があり、例えばオブジェのような特殊形状を有する鋳物の場合には木型の造形及び鋳型製作後の除去が非常に困難であるという問題があった。
【0003】
最近ではこの木型に代わって造形が容易であり、鋳型製作後の模型除去の必要がない発泡成形体が使用されるようになってきている。この発泡成形体を使用した鋳造方法とは、発泡成形体からなる消失模型を鋳型中に残存させた状態で鋳型内へ溶融した金属(溶湯)を注湯し鋳物の製作をする方法である。消失模型は溶湯を注湯されると高温により気化消失するが、この消失した空間に溶湯が注湯され鋳物が製作される。現在、これらの消失模型用材料として発泡ポリスチレン(PS)、発泡ポリメチルメタクリレート(PMMA)、発泡ポリプロピレン(PP)等が使用されている。
【0004】
このような発泡成形体を消失模型用材料として使用される場合についてはいくつかの欠点があり改善を望まれていた。
【0005】
従来発泡ポリスチレンが、安価であり加工が容易である等の理由によって最も一般的に使用されている。しかし、注湯時の消失の際に大量のススが発生し鋳物肌荒れの発生や作業環境の悪化といった問題点が指摘されていた。
【0006】
これらの問題点を改善する方法としてススの発生の少ない発泡ポリメチルメタクリレートを使用した方法、例えば特開昭60−184447号公報等が知られているが高価であり、熱により分解されやすいことから大量のガスが発生し、吹き返しと呼ばれる現象が起こり鋳物表面にガス傷が生じるといった問題があり改善が望まれていた。
【0007】
更に最近では、環境問題がクローズアップされており発泡ポリスチレン等を使用した消失模型を特殊形状に造形する際大量に発生する廃棄切削屑の処理方法についても問題視されている。
【0008】
このようなガス傷発生の抑制や廃棄切削屑の問題を解決する方法として、ガス傷の発生がなく環境負荷が極めて少ない脂肪族ポリエステルを消失模型用材料として使用する方法が特開2001−347342号公報により提案されているが、該公報記載の方法では密度が0.03〜0.012g/cm3の範囲内にある発泡体を使用しているため発泡体を形成するセルの膜厚が薄くなり、造形前のブロックに成形する際には熱に弱いため収縮が起こり成形困難となる。また、造形後においては鋳造所のような高温作業場では膜の強度が弱いために造形後の消失模型が更に発泡或いは収縮して所定の形状の消失模型が得られない。更には消失模型の表面が収縮する場合は鋳物製作時に消失模型に発生した収縮しわが鋳物表面に転写され鋳物の平滑性が損なわれるといった新たな問題点が発生する可能性が大きくなり十分満足する方法とは言い難い。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−347342号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上述のような従来からの課題である容易な造形、加工工程の簡略化や鋳物肌荒れ等の改善は勿論のこと、脂肪族ポリエステルを使用したときの新たな問題点である模型の形態保持を達成することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果密度が0.0301〜0.0500g/cm3の範囲内にある生分解性発泡粒子及び発泡成形体を鋳造用消失模型用材料として使用することにより造形が容易であり、廃棄切削屑の問題が解決され高温環境下での消失模型の形態保持と製品として出来上がった鋳物表面の平滑性が優れることを見いだし本発明に至った。以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンテレフタレートアジペートおよびこれらの共重合体や混合物をそのまま、あるいは架橋剤等によって変性した樹脂があげられる。この中でも特に、ポリ乳酸が好ましく用いられる。
【0013】
本発明に用いる生分解性発泡粒子及び発泡成形体の密度は0.0301〜0.0500g/cm3の範囲におさまるように発泡、成形加工の段階で加熱等の条件を調整してコントロールする必要がある。密度が0.0500g/cm3を超えると消失時の発生ガス量が多くなり鋳物表面の平滑性を損なうばかりか、発泡成形体を形成するセルの膜厚が必要以上に厚くなり模型製作時の手切削が困難となる。また、0.0301g/cm3未満になると発泡粒子を形成しているセルの膜厚が薄いため熱に弱く、ブロック成形時に収縮したり、造形後には更に発泡や収縮を起こし消失模型の形態保持に劣る。
【0014】
本発明に用いる消失模型用発泡粒子及び発泡成形体は、生分解性であるために廃棄物の処理が容易である。例えば、埋め立てた場合でも土壌中の微生物によって分解するため地球環境への影響が極めて少ない。また、焼却する場合でもポリスチレン等よりも燃焼熱量が低いために炉を傷めることがなく通常の炉を使用することが出来る。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。尚、各測定は次の方法に従って実施した。
【0016】
(1)成形:発泡体ブロックを成形し、外観で評価した。
○:外観良好
△:一部収縮
×:収縮
【0017】
(2)密度:メスシリンダーを用いて発泡体の体積を測定し算出した。
密度(g/cm3)=発泡体の重量/発泡体の体積
【0018】
(3)造形:消失模型製作時、手切削により造形を実施し、評価した。
○:容易に造形出来る
×:造形困難
【0019】
(4)形態保持:造形後、45℃ドライオーブン中で3日間放置し外観で評価した。
○:変化なし
×:膨張或いは収縮
【0020】
(5)作業環境:溶湯注湯時、スス発生状況について評価した。
○:スス発生なし
×:スス発生あり
【0021】
(6)表面平滑:鋳物製造後、鋳物表面の外観で評価した。
○:良好
×:不良
【0022】
(7)生分解性:消失模型製作後の切削屑をコンポストに1ヶ月入れ、外観で評価した。
○:原形をとどめない状態まで分解
×:全く変化なし
【0023】
実施例及び比較例:下記表1中記載の樹脂を使用した発泡性粒子を発泡、型内成形し手切削により消失模型を得た。この時、成形性、密度、造形性、形態保持性の評価を実施しその結果を表中に示した。
【0024】
その後、この消失模型を使用して慣用されている手法にて鋳物を鋳造した。この時、作業環境、出来た鋳物の表面平滑性を評価しその結果も表中に示した。
【0025】
また、消失模型を製作する際に出来た切削屑を使用して生分解性の評価を実施し表中にあわせて示した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1からも明らかなように、実施例で示される本発明の発泡粒子及び成形体を消失模型用材料として使用することにより高温作業場での模型の形状変化を抑制し、表面平滑性の優れた鋳物が製造出来る事を見いだした。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明はポリスチレン等を使用した消失模型と同様の従来の鋳造方法を変更することなく、更に生分解性樹脂を使用することによって作業環境の改善や廃切削屑の処理問題が解決され、更には高温作業場での模型の形態保持性が向上し美麗な鋳物の製造が可能となる利点を有する物である。
Claims (3)
- 密度が0.0301〜0.0500g/cm3の範囲に有ることを特徴とする生分解性消失模型用発泡粒子。
- 生分解性消失模型用材料が主としてポリ乳酸系樹脂からなる請求項1記載の生分解性消失模型用発泡粒子。
- 請求項1又は2記載の発泡粒子よりなることを特徴とする生分解性消失模型用発泡成形体。
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JP2002282353A JP2004114114A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 生分解性消失模型用発泡粒子及び発泡成形体 |
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JP2002282353A Pending JP2004114114A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 生分解性消失模型用発泡粒子及び発泡成形体 |
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JP (1) | JP2004114114A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015165033A (ja) * | 2010-01-14 | 2015-09-17 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002282353A patent/JP2004114114A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015165033A (ja) * | 2010-01-14 | 2015-09-17 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 発泡性ポリ乳酸含有顆粒の製造法 |
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