JP2009214126A - 塗型剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗型剤の巻き込み欠陥を生ずることなく、模型の熱分解に起因する鋳物欠陥を防止できる、消失模型鋳造用の塗型剤組成物の提供すること。
【解決手段】耐火性骨材と発泡合成樹脂粒体物とを含有する消失模型鋳造用塗型剤組成物において、発泡合成樹脂粒体物の含有量が、耐火性骨材100重量部に対し0.1〜5重量部添加することにより、塗型剤中に含有させる樹脂粒体物の重量が少なくて体積が大きくなることから、燃焼ガスの発生量を抑えられ且つ穏やかに燃焼するため塗型剤の巻き込み欠陥がなく、鋳込み時に多くの空洞を生成できることからガス欠陥が十分に抑制され、鋳肌も良好となると考えられる。
【選択図】図1
【解決手段】耐火性骨材と発泡合成樹脂粒体物とを含有する消失模型鋳造用塗型剤組成物において、発泡合成樹脂粒体物の含有量が、耐火性骨材100重量部に対し0.1〜5重量部添加することにより、塗型剤中に含有させる樹脂粒体物の重量が少なくて体積が大きくなることから、燃焼ガスの発生量を抑えられ且つ穏やかに燃焼するため塗型剤の巻き込み欠陥がなく、鋳込み時に多くの空洞を生成できることからガス欠陥が十分に抑制され、鋳肌も良好となると考えられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、消失模型鋳造法に用いられる塗型剤組成物に関する。
消失模型鋳造法はフルモールド法とも言われ、合成樹脂発泡体にて製作した模型を鋳物砂に埋設したまま鋳型として利用するプロセスである。このプロセスでは鋳込まれた溶湯によって合成樹脂発泡体を熱分解させるため、発生する多量の熱分解ガス及び残渣によって鋳物に鋳造欠陥が発生する欠点がある。特に合成樹脂発泡体としてポリスチレンを用いた場合は、炭化成分により鋳肌が悪化する。
特許文献1は、シリカやアルミナ等の非中空球状体の耐火骨材の使用により、また特許文献2や特許文献3は、多孔質の不燃物を塗型剤組成物中に混入させ、或いは塗型剤組成物の耐火骨材を多孔質とすることにより、塗型膜の通気性を向上させることを提案している。また、特許文献4はニトロセルロースを微細分散配合した塗型剤を提案している。特許文献5は有機粒体物を用いた消失模型鋳造用の塗型剤を提案している。
特開平4−105748号
特開平4−262832号
特開平7−112238号
特開平3−180244号
特開2001−1104号
しかし、特許文献1〜3は、予め通気性を確保することは塗型膜の強度を犠牲にする結果となり、砂込め時に塗型膜の削れ、割れ、剥がれ等が発生する問題がある。また、特許文献4では、少量しか添加されないため鋳物欠陥が十分抑制できず、さらに爆発的に燃焼するため塗型剤の巻き込み欠陥の問題がある。また、特許文献5では、複雑な形状の鋳物を製造する場合、注湯時のガス欠陥抑制の為に有機粒状物を多量に使用していくと、有機粒状物自体に起因するガス発生の欠点や塗型剤の巻き込み欠陥も認められるようになるため、ガス欠陥の低減と塗型剤の巻き込み欠陥の低減を両立する改善が求められている。
本発明は、塗型剤の巻き込み欠陥を生じることなしに、模型の熱分解に起因する鋳物欠陥を防止できる、消失模型鋳造用の塗型剤組成物を提供することを課題としている。
本発明は、耐火性骨材と発泡合成樹脂粒体物とを含有する塗型剤組成物に関する。また、本発明は、該本発明の塗型剤組成物を表面に塗布した合成樹脂発泡体製の模型を鋳物砂に埋設し、鋳込み時に合成樹脂発泡体充填部を空洞化して鋳造を行う消失模型鋳造法に関する。
本発明によれば、塗型剤の巻き込み欠陥を生ずることなく、合成樹脂発泡体製の模型の熱分解に起因する鋳物欠陥を防止できる。更に、本発明の塗型剤組成物は、より複雑な形状の消失模型を用いる鋳造法でも、このような優れた効果を奏することができる。
本発明は、発泡合成樹脂粒体物を含有してなる消失模型鋳造用の塗型剤組成物に関する。この塗型剤組成物を合成樹脂発泡体製の模型の表面に塗布して塗型膜とすると、合成樹脂発泡体は鋳物砂に埋設し砂込めを行う時は骨材として作用する。次いで鋳込みを行うと、合成樹脂発泡体は熱によって穏やかに分解、又は気化等してその充填部が空洞化され、この空洞が模型の熱分解により生ずるガスの通路として作用するものと推定される。なお本発明では、発泡合成樹脂粒体物を用いているため、塗型剤中に含有させる樹脂粒体物の重量が少なくて体積が
大きくなることから、燃焼ガスの発生量を抑えられ且つ穏やかに燃焼するため塗型剤の巻き込み欠陥がなく、鋳込み時に多くの空洞を生成できることからガス欠陥が十分に抑制され、鋳肌も良好となると考えられる。
大きくなることから、燃焼ガスの発生量を抑えられ且つ穏やかに燃焼するため塗型剤の巻き込み欠陥がなく、鋳込み時に多くの空洞を生成できることからガス欠陥が十分に抑制され、鋳肌も良好となると考えられる。
本発明に用いられる発泡合成樹脂粒体物とは、内部に発泡気泡構造を有する発泡合成樹脂粒体物や中空構造の合成樹脂粒体物など、軽量で可燃性である合成樹脂粒体物を意味する。
本発明に係る発泡合成樹脂粒体物を構成する合成樹脂は、鋳込時の温度において合成樹脂自体が可燃性であれば、その種類を問わない。例えばポリスチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)クリル酸エステル系樹脂等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフイン系樹脂等が挙げられる。好ましくはポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、ポリエステル系樹脂であり、より好ましくは、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂である。具体的には、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、スチレンと他の単量体とを共重合した樹脂、メタクリル酸メチルと他の単量体とを共重合した樹脂、及び塩化ビニリデンと他の単量体とを共重合した樹脂から選ばれる1種以上である。
ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂(スチレンの単独重合体)や、スチレンを優位量使用し、スチレン系単量体と共重合可能な単量体とを共重合した共重合樹脂が挙げられるが、コストや物性からポリスチレン樹脂が好ましく使用される。
スチレン系単量体としては、スチレン、及びα−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられる。さらに、これらスチレン系単量体と共重合が可能な共重合単量体成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、セチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、マレイン酸、無水マレイン酸などの各種単量体を1種又は2種以上、添加し共重合しても良い。また、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性等の多官能性の単量体を併用することもできる。
ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂が、コスト、性能面から最も好ましい。
発泡前のポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、10万〜50万、更に15万〜35万が好ましい。この重量平均分子量Mwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計により標準PMMA(ポリメタクリル酸メチル系樹脂)試料を基準に求められた値である。この求め方は、例えば1984年度版「高分子特性解析」(共立出版)24〜55頁に記載されている方法により測定されたものである。
また、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル系樹脂が好ましい。ポリメタクリル酸メチル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル酸メチルの単独重合体)や、メタクリル酸メチルを優位量使用し、メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体とを共重合した合成樹脂が挙げられるが、コストや物性、特に、残渣の少なさ等からポリメタクリル酸メチル樹脂が好ましく使用される。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂としては、例えば特開2001−233986号公報などに記載されている樹脂が挙げられる。すなわち、メタクリル酸メチル単量体単位70〜100重量%及びこれと共重合可能な単官能不飽和単量体単位0〜30重量%および多官能性単量体0〜0.2ビニル基mol%とからなる単量体成分を重合して得られるメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられ、一例として、重量平均分子量Mwが25万〜80万であるものが挙げられる。重量平均分子量Mwは、前記と同様の方法で測定される。
メタクリル酸メチル単量体と共重合可能な単官能不飽和単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン等を含むビニル芳香族炭化水素等がある。その内でも、好ましい単官能不飽和単量体としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルが挙げられる。
また、メタクリル酸メチル単量体と共重合可能な多官能性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2価のアルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールまたはこれら多価アルコール誘導体をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等のアルケニル基を2個以上有するアリール化合物等が挙げられる。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂を製造する際には、メタクリル酸メチルの重合に用いられる公知の連鎖移動剤を使用してもよい。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂は、燃焼した時に残渣が少ないので、高度に精密な鋳物を作る場合に好ましい。
発泡合成樹脂粒体物は、合成樹脂粒体物の形成中、又は形成後に、発泡剤を含浸又は圧入し、場合によっては練り込み等により合成樹脂粒体物内に存在させた状態において、蒸気等の熱媒にて発泡させるか、或いは加圧状態から常圧ないしは減圧状態に変化させることにより発泡させて得ることができる。
あるいは、合成樹脂を外殻とし、その内部に発泡剤を封入した構造である熱膨張性微小粒体物、一般に熱膨張性マイクロカプセルと称されるものを、加熱膨張させた中空の合成樹脂粒体物として得ることもできる。
熱膨張性マイクロカプセルから得られる中空の合成樹脂粒体物の場合に、外殻を構成させる合成樹脂としては、例えば塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂等が利用される。
発泡剤としては、炭素数3〜5の炭化水素、なかでもプロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンなどの脂肪族炭化水素類が、性能、環境適合性の上から好ましい。さらに、炭酸ガスなども使用できる。また、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロないしは低いフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤も使用できる。また、これらの発泡剤を併用することもできる。場合によっては、アゾビスイソブチルニトリル等の化学発泡剤を使用することもできる。
発泡合成樹脂粒体物の発泡倍率は、本発明の効果を発現する観点から、3〜80倍、更に10〜50倍が好ましい。
なお、発泡前の合成樹脂粒体物は、水等の分散媒中に合成樹脂を構成する単量体を分散剤等の利用等で分散させて重合させる方法、合成樹脂を押出し等した後、切断して粒体物とする方法等により製造される。こうして得られた合成樹脂粒体物に上述の方法で発泡剤を存在させ、発泡させることで発泡合成樹脂粒体物を得ることができる。また、熱膨張性マイクロカプセルから得られる中空の合成樹脂粒体物の場合は、既述した製造方法を採用する。
発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径は、本発明の効果を発現する観点から、2mm以下、更に1mm以下が好ましい。具体的には、0.9〜0.1mmが好ましいく、更に好ましくは0.8〜0.2mmである。
また、熱膨張性マイクロカプセルから得られる中空の合成樹脂粒体物の場合における平均粒子径は、0.001mm〜1mmが好ましく、更に好ましくは0.005mm〜0.8mm、より好ましくは0.01mm〜0.5mmである。
一般に、消失模型鋳造法に用いる塗型剤には水系のものとアルコール系のものがあるが、水系の塗型剤の場合には発泡合成樹脂粒体物は非水溶性であり、またアルコール系の場合にはアルコール溶剤に対して安定な発泡合成樹脂粒体物が用いられる。
発泡合成樹脂粒体物の添加量は、消失模型の形状や大きさ等によっても異なるが、好ましくは塗型剤組成物中の耐火性骨材耐火性骨材100重量部に対し0.05〜6重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。また粒体物の形状は、強度の点から球状が好ましいが、立方体なども使用できる。
塗型剤組成物中の耐火性骨材としては、従来から鋳造の目的に応じて各種のものが利用されており、例えば黒鉛、ジルコン、マグネシア、アルミナ、シリカなどがある。
また粘結剤としてポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子を添加するのが、塗膜強度の点から好ましい。粘結剤の添加量は耐火性骨材100重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の塗型剤組成物は、合成樹脂発泡体の模型に塗布して用いられる。合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、又はスチレン及び/又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体等の発泡体が用いられ得るが、発泡ポリスチレン又は発泡メタクリル酸メチルが好ましい。これらの合成樹脂発泡体の中でも、消失時の残渣が少なく良好な鋳造が出来ることからポリメタクリル酸メチル樹脂を使用するのがより好ましい。
なお、発泡成形が可能なものであれば、塗型剤組成物中に含有させる発泡合成樹脂粒体物を、消失模型としての合成樹脂発泡体を構成する合成樹脂としても同様に使用できるが、消失模型としての発泡合成樹脂粒体物は、上述の条件に制約されることはなく、より一般的な平均粒子径、発泡倍率等が適用できる。更に、消失模型として用いる合成樹脂発泡体を構成する合成樹脂は、上述の塗型剤組成物中に含有させる発泡合成樹脂に限定されることなく、広く一般に使用される合成樹脂発泡体を構成する合成樹脂が使用可能である。消失模型としての合成樹脂発泡体は、鋳込み時に熱分解、又は気化等して消失した時に残渣が少ない樹脂が品質の良い鋳物を製造するのに好ましい。消失模型としての合成樹脂発泡体は、発泡剤を含有した合成樹脂粒体物であるのが好ましく、水蒸気等の熱媒で予備発泡させ、更に、成形型内で水蒸気等の熱媒で発泡成形させることにより成形させることができる。
なお、消失模型に用いる場合に於ける、好適な発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径は、0.5〜5mm、更に0.8〜3mmが好ましい。発泡倍率としては、例えば、3〜150倍が好ましく、より好ましくは10〜100倍、更に好ましくは30〜80倍である。
なお、消失模型は、成形型内で直接的に成形して消失模型とすることもできるが、例えば、板状の合成樹脂発泡体を成形した後、切削、接着等して消失模型とすることも一般に行われる。
本発明では、上記本発明の塗型剤組成物を表面に塗布した合成樹脂発泡体製の模型を鋳物砂に埋設し、鋳込み時に合成樹脂発泡体充填部を空洞化して鋳造を行う消失模型鋳造法(フルモールド法)が提供される。この鋳造法は、公知の消失模型鋳造法に準じて行うことができる。
本発明の目的には、発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径が塗型剤の膜厚に比し、適当に小さいものが好ましい傾向にあり、具体的には、塗型剤の膜厚に対して、発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径が3/4以下であることが好ましい。
また、発泡合成樹脂粒体物は、粒子径分布もシャープなものが本発明の効果には好ましい傾向にあり、具体的には、粒子径分布の均一度がUT3.0以下2.0以上であることが好ましい。粒度径分布のUTとは、発泡合成樹脂粒体物をJIS試験用篩(JIS Z 8801)を用いて振動機にて4分級以上に篩分し、篩過する発泡合成樹脂粒体物をJIS篩の目開きのそれぞれの留分の重量百分率より求め、累積の重量百分率が90%、60%、40%、10%の粒子径D10、D40、D60、D90を用いて次式により定義する。なお、この測定において、累積の重量百分率が50%の粒子径D50を発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径としてもよい。
粒子分布の均一度(UT)=D90/D40+D60/D10
粒子分布の均一度(UT)=D90/D40+D60/D10
鋳造に用いる鋳物砂としては、石英質を主成分とする珪砂の他、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂等の新砂又は再生砂が使用される。鋳物砂は粘結剤を添加せずに用いることもでき、その場合には充填性が良好であるが、強度が必要な場合には、粘結剤を添加し、硬化剤により硬化させるのが好ましい。
<実施例1〜7>
発泡ポリスチレン樹脂を用いて図1に示す形状の模型を作成した。模型表面にはシリカ50重量部、酸化ジルコン20重量部、黒鉛30重量部、粘結剤としてポリビニルアルコール(重合度500)5重量部からなる、80ボーメに調整した黒鉛系の水性塗型剤の耐火性骨材100重量部に対し、表1に示す種類及び量の非水溶性発泡合成樹脂粒体物を添加した塗型剤組成物を塗布し、50℃で6時間乾燥した。図1の模型は、外径5インチ(約12.7cm)、高さ7インチ(約17.8cm)の円柱に収容される7段ステップコーンの中子用の模型である。7段ステップコーンの中子の形状は肉厚が0.5インチ(約1.3cm)から2インチ(約5.1cm)である。
発泡ポリスチレン樹脂を用いて図1に示す形状の模型を作成した。模型表面にはシリカ50重量部、酸化ジルコン20重量部、黒鉛30重量部、粘結剤としてポリビニルアルコール(重合度500)5重量部からなる、80ボーメに調整した黒鉛系の水性塗型剤の耐火性骨材100重量部に対し、表1に示す種類及び量の非水溶性発泡合成樹脂粒体物を添加した塗型剤組成物を塗布し、50℃で6時間乾燥した。図1の模型は、外径5インチ(約12.7cm)、高さ7インチ(約17.8cm)の円柱に収容される7段ステップコーンの中子用の模型である。7段ステップコーンの中子の形状は肉厚が0.5インチ(約1.3cm)から2インチ(約5.1cm)である。
フリーマントル珪砂(5号)100重量部に有機スルホン酸硬化剤(花王クエーカー(株)製TK−3)を0.2重量部添加混練した後に、フラン樹脂(花王クエーカー(株)製340B)を珪砂100重量部に対して0.4重量部混合した。この混練砂に上記の模型を埋設した。溶湯があふれない速度で鋳込みを行い(材質FC−300、鋳込み温度1380℃)、ガス欠陥及び塗型剤巻き込み欠陥(鋳物表面の介在物)の有無を目視より5段階で評価した。欠陥が殆ど無いものを◎(レベル5)、全面に欠陥が発生したものを××(レベル1)とし、これらの中間を欠陥が少ない方から、○(レベル4)、△(レベル3)、×(レベル2)とした。
◎(レベル5):欠陥が殆ど無し
○(レベル4):欠陥が僅かに発生
△(レベル3):欠陥が一部発生
×(レベル2):欠陥がかなり発生
××(レベル1):欠陥が全面発生
◎(レベル5):欠陥が殆ど無し
○(レベル4):欠陥が僅かに発生
△(レベル3):欠陥が一部発生
×(レベル2):欠陥がかなり発生
××(レベル1):欠陥が全面発生
<比較例1>
非水溶性発泡合成樹脂粒体物を用いずに、上記と同様に鋳造して評価を行った。
非水溶性発泡合成樹脂粒体物を用いずに、上記と同様に鋳造して評価を行った。
<比較例2〜3>
非水溶性発泡合成樹脂粒体物に代えて、非水溶性有機粒状物としてニトロセルロース(非発泡粒体物)を用い、上記と同様に鋳造して評価を行った。
非水溶性発泡合成樹脂粒体物に代えて、非水溶性有機粒状物としてニトロセルロース(非発泡粒体物)を用い、上記と同様に鋳造して評価を行った。
<比較例4〜5>
非水溶性発泡合成樹脂粒体物に代えて、非水溶性有機粒状物としてポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂(いずれも非発泡粒体物)を用い、上記と同様に鋳造して評価を行った。
非水溶性発泡合成樹脂粒体物に代えて、非水溶性有機粒状物としてポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂(いずれも非発泡粒体物)を用い、上記と同様に鋳造して評価を行った。
以上の結果を表1に示す。何れの場合にも塗型膜の削れ、割れ、剥がれ等は発生しなかった。
*1:平均粒子径:0.45mm、重量平均分子量:20万、UT2.5
*2:平均粒子径:0.7mm、重量平均分子量:30万、UT2.8
*3:平均粒子径:0.75mm、重量平均分子量:30万、UT2.2
*4:平均粒子径:0.20mm、重量平均分子量:25万、UT2.3
*2:平均粒子径:0.7mm、重量平均分子量:30万、UT2.8
*3:平均粒子径:0.75mm、重量平均分子量:30万、UT2.2
*4:平均粒子径:0.20mm、重量平均分子量:25万、UT2.3
Claims (6)
- 耐火性骨材と発泡合成樹脂粒体物とを含有する消失模型鋳造用塗型剤組成物。
- 発泡合成樹脂粒体物の含有量が、耐火性骨材100重量部に対し0.1〜5重量部である請求項1記載の消失模型鋳造用塗型剤組成物。
- 発泡合成樹脂粒体物が、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、及び塩化ビニリデン系樹脂から選ばれる樹脂からなる請求項1又は2記載の消失模型鋳造用塗型剤組成物。
- 発泡合成樹脂粒体物の発泡倍率が3〜80倍である請求項1〜3いずれかに記載の消失模型鋳造用塗型剤組成物。
- 発泡合成樹脂粒体物の平均粒子径が2mm以下である請求項1〜4いずれかに記載の消失模型鋳造用塗型剤組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の塗型剤組成物を表面に塗布した合成樹脂発泡体製の模型を鋳物砂に埋設し、鋳込み時に合成樹脂発泡体充填部を空洞化して鋳造を行う消失模型鋳造法。
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2008
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