JP2004113012A - 立体造形成形品の製造方法 - Google Patents

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Yoshifumi Okumura
奥村 佳史
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

【課題】弾性成形型に充填した流動状の成形材料をより効率的にかつ短時間で固化させることができ、これにより立体造形成形品の生産性の向上に寄与することができる立体造形成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】弾性成形型に流動状の成形材料を充填する充填工程(イ)と、弾性成形型に充填した成形材料3を加熱又は冷却して固化させる固化工程(ロ−1)((ロ−2))と、弾性成形型を減圧下にて膨張させて固化した立体造形成形品4を取り出す離型取り出し工程(ハ)とを含む立体造形成形品の製造方法である。固化工程(ロ−1)において、成形材料3を充填したシリコーンゴム製の弾性成形型を加熱媒体又は冷却媒体中に浸漬することにより、加熱又は冷却を行う。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体造形成形品の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、充填、固化および離型取り出しの各工程を経ることにより立体造形成形品を得る立体造形成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形製品の製造技術の一つとして、弾性成形型を使用して立体造形成形品を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、複雑な立体形状にデザインされた成形製品を、外観の美しさを損なうことなく、容易に製造することが可能である。
【0003】
そのため、従来より、かかる弾性成形型を用いた充填成形品の製造技術に関しては、様々に改良技術が提案されてきており、本出願人らにおいても、例えば、特許文献2、特許文献3などの特許出願において、弾性成形型を用いた充填成形品製造機の技術を種々提案している。また、弾性充填型自体の改良技術については、例えば、特許文献4に記載がある。これらの技術は、主として充填、離型取り出し等の製造工程の効率化や容易化等を目的としたものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−32471号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開昭63−312111号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開昭63−312119号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開昭63−312120号公報(特許請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、弾性成形型を用いて立体造形成形品を製造するに際しては、弾性成形型内に流動状の成形材料を充填したのち、加熱ないし冷却を行って弾性成形型内の充填材料を固化する工程が必要となる。この場合の固化手段については、従来十分な検討はなされてきておらず、実際にはヒーターやクーラーなどを用いて加熱、冷却を行うのが一般的であった。
【0006】
しかしながら、ヒーターやクーラーを固化手段として用いた場合、弾性成形型全体に均一に熱風や冷風を行きわたらせることが困難であるため加熱効率や冷却効率が悪いという問題があり、より効率よく固化工程を行うことのできる製造方法が求められていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、弾性成形型に充填した流動状の成形材料をより効率的にかつ短時間で固化させることができ、これにより立体造形成形品の生産性の向上に寄与することができる立体造形成形品の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の立体造形成形品の製造方法は、伸縮可能な弾性材料からなり、1個または複数個の充填部と、該充填部に連続して形成された固定部とを備える弾性成形型を用いて立体造形成形品を製造する方法であって、前記弾性成形型に流動状の成形材料を充填する充填工程と、該弾性成形型に充填した成形材料を加熱又は冷却して固化させる固化工程と、前記弾性成形型を減圧下にて膨張させて固化した立体造形成形品を取り出す離型取り出し工程とを含む立体造形成形品の製造方法において、
前記固化工程において、前記成形材料を充填したシリコーンゴム製の弾性成形型を加熱媒体又は冷却媒体中に浸漬することにより、前記加熱又は冷却を行うことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
図1に、本発明の立体造形成形品の製造方法の各工程の流れを示す。図示するように、本発明の立体造形成形品の製造方法に用いる弾性成形型は、1個または複数個の充填部1(図示する例では1個)と、この充填部1に連続して形成された固定部2とを備えており、この充填部1に成形材料3を充填して固化させることにより、所望形状の立体造形成形品4を得ることができるものである。
【0010】
図示するように、本発明においては、上記弾性成形型内に流動状の成形材料3を充填した後(充填工程(イ))、この弾性成形型内の成形材料3を加熱又は冷却して固化させることにより立体造形成形品を得(固化工程(ロ))、最後に弾性成形型を減圧下にて膨張させて、最終製品としての立体造形成形品4を取り出す(離型取り出し工程(ハ))。これら各工程のうち、充填工程(イ)および離型取り出し工程(ハ)については、従来知られている立体造形成形品の製造方法(例えば、前掲の特許文献2、特許文献3などに記載)と同様に行うことができ、特に制限されない。好ましくは、充填工程においても弾性成形型を減圧で膨張させることにより、気泡等の空隙を生ずることなく品材料を弾性成形型内に充填することができる。
【0011】
本発明では、上記固化工程(ロ)において、従来のヒーター又はクーラーを用いた加熱又は冷却による固化処理ではなく、成形材料を充填した弾性成形型を直接加熱媒体又は冷却媒体6中に浸漬することで固化処理を行う点に特徴がある(図1(ロ−1)および(ロ−2)参照)。これにより、熱の伝達効率が上がって、加熱時には弾性成形型全体に良好に熱を行き渡らせる一方、冷却時には弾性成形型全体から効果的に熱を奪うことができるので、従来の固化処理に比し加熱ないし冷却の効率を高めるとともに固化工程に要する時間短縮を図ることができ、生産性の向上に極めて寄与することができる。
【0012】
固化工程(ロ)において使用する加熱媒体ないし冷却媒体としては、弾性成形型を浸漬することができ、弾性成形型内部に充填された成形材料や弾性成形型自体に悪影響を及ぼさない液体媒体であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、水(熱水、温水又は冷水(氷水)等)、エタノール及びその水溶液、プロピレングリコール及びその水溶液、食用油脂などを挙げることができる。
【0013】
また、加熱媒体ないし冷却媒体の設定温度や弾性成形型の浸漬時間についても、使用する成形材料の種類や充填量等により自由に設定することができ、特に制限はされない。例えば、加熱媒体については30〜180℃程度、冷却媒体については10〜−50℃程度の設定温度とすることができる。
【0014】
図示するように、加熱媒体ないし冷却媒体に対する浸漬は、弾性成形型の開口部を媒体表面上に出したまま行ってもよく(図1(ロ−1))、また、所望に応じ開口部に蓋5をしたうえで、または問題ない場合には開口した状態のまま、弾性成形型全体を浸漬してしまってもよい(図1(ロ−2))。このような場合としては、例えば、練り製品を温水若しくは熱水、又は食用油脂中で加熱固化させる場合などが挙げられる。
【0015】
本発明において用いる弾性成形型の材質としては、伸縮可能な弾性材料として、安全性、耐久性、耐熱性および耐寒性を兼ね備えたシリコーンゴムを用いる。シリコーンゴムは、配合にもよるが、−50℃程度の低温領域から約220〜230℃程度の高温領域までの幅広い温度範囲で使用可能であるという特質を有するため、本発明に特に適している。
【0016】
また、本発明の製造方法を適用し得る成形品は、原料が流動状であって、加熱又は冷却により固化して成形品となるものであり、加熱により固化するものとしては、例えば、練り製品、はんぺん、卵、チーズ、豆腐、プリン、ハンバーグ、肉団子などの各種揚げ物を始めとする惣菜類、ハム、ソーセージ、こんにゃくなどが挙げられ、これらの加熱媒体としては、水(食塩水や砂糖水などの水溶液を含む)、食用油脂(フライ油、ラード等)などを使用することができる。また、冷却により固化する成形品としては、例えば、氷、アイスキャンデー、アイスクリーム、ゼリー、グミ、キャンディー、チョコレート、クリーム、寒天、バター、ろうそく、石鹸、口紅等の固形化粧品などが挙げられ、これらの冷却媒体としては、水(食塩水や砂糖水などの水溶液を含む)、エタノール(水溶液を含む)、液体窒素などを使用することができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
試験例1
下記の表1中に示す材質の弾性成形型及び固化工程により、各弾性成形型に水40gを充填して、−30℃まで冷却することにより氷を製造した。夫々の場合につき完全に固化するまでの時間を測定し、固化後に、外部から減圧することにより弾性成形型を膨張させて、離型取り出しを行った。その結果を下記表1中に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004113012
【0019】
試験例2
下記の表2中に示す弾性成形型及び固化工程により、各弾性成形型に揚げ生地40gを充填して、170℃まで加熱することにより練り製品を製造した。夫々の場合につき固化して可食状態になるまでの時間を測定し、その後、外部から減圧することにより弾性成形型を膨張させて、離型取り出しを行った。その結果を下記表2中に示す。
【0020】
【表2】
Figure 2004113012
【0021】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、弾性成形型に充填した流動状の成形材料をより効率的にかつ短時間で固化させることができ、これにより立体造形成形品の生産性の向上に寄与することができる立体造形成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体造形成形品の製造方法の各工程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 充填部
2 固定部
3 成形材料
4 立体造形成形品
5 蓋
6 加熱媒体(冷却媒体)

Claims (1)

  1. 伸縮可能な弾性材料からなり、1個または複数個の充填部と、該充填部に連続して形成された固定部とを備える弾性成形型を用いて立体造形成形品を製造する方法であって、前記弾性成形型に流動状の成形材料を充填する充填工程と、該弾性成形型に充填した成形材料を加熱又は冷却して固化させる固化工程と、前記弾性成形型を減圧下にて膨張させて固化した立体造形成形品を取り出す離型取り出し工程とを含む立体造形成形品の製造方法において、
    前記固化工程において、前記成形材料を充填したシリコーンゴム製の弾性成形型を加熱媒体又は冷却媒体中に浸漬することにより、前記加熱又は冷却を行うことを特徴とする立体造形成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008238821A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Xerox Corp 柔軟な成形型を用いた固形インクスティックの形成
JP2021045894A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 エイベックス&ヒロツバイオ・エンパワー合同会社 弾性成形型、及び成形品の製造方法

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